JP2011033891A - ズームレンズ系、画像取得装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラスティックレンズを採用する場合であっても、温度変化に起因した屈折率変化に伴う焦点位置の変動を抑制すること。
【解決手段】ズームレンズ系400では、負のパワーを有する第1レンズ群、負のパワーを有する第2レンズ群、正のパワーを有する第3レンズ群、及び正のパワーを有する第4レンズ群が、物体側から結像面側へ順に配置されている。ズームレンズ系400は、第2及び第3レンズ群の変位に応じてズーミングを行う。第1乃至第4レンズ群の夫々には、少なくとも1つのプラスティックレンズが含まれている。第3レンズ群に含まれるプラスティックレンズは、物体側のレンズ面の曲率をR1とし、結像面側のレンズ面の曲率をR2としたとき、0.5<R1/R2<1.3の条件を満足する。
【選択図】図1
【解決手段】ズームレンズ系400では、負のパワーを有する第1レンズ群、負のパワーを有する第2レンズ群、正のパワーを有する第3レンズ群、及び正のパワーを有する第4レンズ群が、物体側から結像面側へ順に配置されている。ズームレンズ系400は、第2及び第3レンズ群の変位に応じてズーミングを行う。第1乃至第4レンズ群の夫々には、少なくとも1つのプラスティックレンズが含まれている。第3レンズ群に含まれるプラスティックレンズは、物体側のレンズ面の曲率をR1とし、結像面側のレンズ面の曲率をR2としたとき、0.5<R1/R2<1.3の条件を満足する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ズームレンズ系、画像取得装置、及び電子機器に関する。
近年、CCD等の撮像素子の高画素化に伴い、撮像素子の撮像面上に設けられる光学系の高性能化の要望も著しい。高屈折率の硝材を用いてレンズを非球面化すること、レンズ枚数を増加すること等により、撮像素子の高画素化に対応して光学系の性能を改良することができる。しかしながら、レンズ枚数を増加すると、製品のコストが高くなってしまう等の弊害が生じてしまう。
特許文献1には、簡易な構成でありながら良好な光学性能を有するズームレンズが開示されている。具体的には、ズームレンズは、物体側より順に、弱い屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、正の屈折力を有する第4レンズ群GR4とが配列されて成る。また、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群を移動させることによりズーミングを行うように構成されている。また、前記第1レンズ群は、負の屈折力を有する単レンズG1と、光路を折り曲げるプリズムG2と、正の屈折力を有する単レンズG3とを配列して構成される。また、第2レンズ群は、負の屈折力を有する1枚の単レンズG4により構成される。
コストアップを伴うことなく、撮像素子の高画素化に対応するためには、プラスティック材料(樹脂材料)のレンズ(以下、プラスティックレンズと呼ぶこともある)を用いると良い。
しかしながら、プラスティックレンズの屈折率は、温度変化に応じて大きく変動するため、屈折率変動に応じてレンズ系の焦点位置が変動してしまい、レンズ系の結像性能の劣化を招いてしまう。従って、焦点位置の変動を抑制するためには、プラスティックレンズではなく、ガラスレンズを採用せざるを得ず、コストアップは避けられない状況にある。
上述の説明から明らかなように、プラスティックレンズを採用する場合であっても、温度変化に起因した屈折率変化に伴う焦点位置の変動を抑制することが強く望まれている。
本発明に係るズームレンズ系は、負のパワーを有する第1レンズ群、負のパワーを有する第2レンズ群、正のパワーを有する第3レンズ群、及び正のパワーを有する第4レンズ群が、物体側から結像面側へ順に配置され、前記第2及び第3レンズ群の変位に応じてズーミングを行うズームレンズ系であって、前記第1乃至第4レンズ群の夫々には、少なくとも1つのプラスティックレンズが含まれ、前記第3レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、物体側のレンズ面の曲率をR1とし、結像面側のレンズ面の曲率をR2としたとき、0.5<R1/R2<1.3の条件を満足する。この構成を採用することによって、プラスティックレンズを採用する場合であっても、温度変化に起因した屈折率変化に伴う焦点位置の変動を抑制することが可能になる。
前記第3レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、0.7<R1/R2<1.2の条件を満足する、と良い。
前記第3レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、温度変動に起因した屈折率の変動に伴う当該ズームレンズ系の焦点位置の変動を補正する補正レンズである、と良い。
前記第1乃至第4レンズ群の夫々には、1枚のプラスティックレンズが含まれる、と良い。
前記第1レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズと前記第4レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズとは、協調して焦点距離の変動を補正する、と良い。
前記第1レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、物体側のレンズ面の曲率をR3とし、結像面側のレンズ面の曲率をR4としたとき、1.0<R3/R4<3.6の条件を満足する、と良い。
前記第1レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、1.2<R3/R4<2.7の条件を満足する、と良い。
本発明に係る画像取得装置は、上記いずれかのズームレンズ系と、前記第2及び第3レンズ群を駆動する駆動手段と、前記ズームレンズ系を介して入力する像を撮像する撮像手段と、を備える。
本発明に係る電子機器は、上記の画像取得装置を備える。
本発明によれば、プラスティックレンズを採用する場合であっても、温度変化に起因した屈折率変化に伴う焦点位置の変動を抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、各実施の形態は、説明の便宜上、簡略化されている。図面は簡略的なものであるから、図面の記載を根拠として本発明の技術的範囲を狭く解釈してはならない。図面は、もっぱら技術的事項の説明のためのものであり、図面に示された要素の正確な大きさ等は反映していない。同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。上下左右といった方向を示す言葉は、図面を正面視した場合を前提として用いるものとする。
[第1実施形態]
以下、図1乃至図15を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
以下、図1乃至図15を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、ズームレンズ系400は、レンズ1、プリズム2、レンズ3〜レンズ8を有する。更に、ズームレンズ系400は、IRカットフィルタ9を有する。なお、IRカットフィルタ9は、可視光を透過し、赤外光を遮断する特性を有する光学素子である。
ズームレンズ系400は、第1〜第4レンズ群から構成される。第1レンズ群は、レンズ1、及びレンズ3から構成される。第2レンズ群は、レンズ4から構成される。第3レンズ群は、レンズ5〜レンズ7から構成される。第4レンズ群は、レンズ8から構成される。
第1レンズ群は、負のパワー(屈折力)を有する。第2レンズ群は、負のパワーを有する。第3レンズ群は、正のパワーを有する。第4レンズ群は、正のパワーを有する。第2レンズ群のレンズ4は、光軸に沿って変位可能に構成される。同様に、第3レンズ群のレンズ5〜レンズ7は、光軸に沿って変位可能に構成される。この構成によって、ズームレンズ系400のズーミングが実現される。
レンズ1は、凸状の光入射面と、凹状の光出射面とを有する。レンズ1は、負のパワーを有するガラスレンズである。
プリズム2は、光入射面、光反射面、光出射面を有する反射性プリズムである。ズームレンズ系400の光軸は、プリズム2によって屈曲される。なお、プリズム2は、ガラス材料から成る。なお、図面では便宜上は、屈曲のための反射面を示していない。
レンズ3は、凹状の光入射面と、凸状の光出射面とを有する。レンズ3は、負のパワーを有するプラスティックレンズである。
レンズ4は、凹状の光入射面と、ほぼ平坦な光出射面とを有する。レンズ4は、負のパワーを有するプラスティックレンズである。
レンズ5は、凸状の光入射面と、ほぼ平坦な光出射面とを有する。レンズ5は、正のパワーを有するガラスレンズである。
レンズ6は、凸状の光入射面と、凹状の光出射面を有する。レンズ6は、負のパワーを有するプラスティックレンズであり、後述のように、焦点位置の変動を補正する機能を有する。
レンズ7は、ほぼ平坦な光入射面と、凹状の光出射面を有する。レンズ7は、負のパワーを有するガラスレンズである。
レンズ8は、ほぼ平坦な光入射面と、凸状の光出射面を有する。レンズ8は、正のパワーを有するプラスティックレンズである。
物体側からの外来光は、レンズ1の光入射面に入射され、レンズ1内を伝播し、レンズ1の光出射面から出射される。レンズ1からの出射光は、プリズム2の光入射面に入射され、プリズム2の反射面で反射され、プリズム2の光出射面から出射される。プリズム2からの出射光は、レンズ3の光入射面に入射され、レンズ3内を伝播し、レンズ3の光出射面から出射される。レンズ3からの出射光は、レンズ4の光入射面に入射され、レンズ4内を伝播し、レンズ4の光出射面から出射される。レンズ4からの出射光は、レンズ5の光入射面に入射され、レンズ5内を伝播し、レンズ5の光出射面から出射される。レンズ5からの出射光は、レンズ6の光入射面に入射され、レンズ6内を伝播し、レンズ6の光出射面から出射される。レンズ6からの出射光は、レンズ7の光入射面に入射され、レンズ7内を伝播し、レンズ7の光出射面から出射される。レンズ7からの出射光は、レンズ8の光入射面に入射され、レンズ8内を伝播し、レンズ8の光出射面から出射される。レンズ8からの出射光は、IRカットフィルタ9の光入射面に入射され、その光出射面から出射される。IRカットフィルタ9からの出射光は、イメージセンサ89の撮像面における画素にて光電変換される。
上述のようにズームレンズ系400は、第2及び第3レンズ群が可動であり、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔、及び第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が変動する。
図1に、広角端状態(焦点距離f=4.76)を示す。図2に、望遠端と広角端間の中間焦点距離の状態(焦点距離f=7.82)を示す。図3に、望遠端状態(焦点距離f=13.59)を示す。
ズームレンズ系400の焦点距離は、f=4.76〜13.59である。ズームレンズ系400の明るさ(Fナンバー:Fno)は、F/3.1〜5.8である。ズームレンズ系400の画角は、2ω=64.7°〜24.4°である。
図4に、ズームレンズ系400を構成する各レンズに関する具体的な数値を示す。
図4では、i=1は、レンズ1の光入射面を指標する。i=2は、レンズ1の光出射面を指標する。i=3は、プリズム2の光入射面を指標する。i=4は、プリズム2の光出射面を指標する。i=5は、レンズ3の光入射面を指標する。i=6は、レンズ3の光出射面を指標する。i=7は、レンズ4の光入射面を指標する。i=8は、レンズ4の光出射面を指標する。i=9は、レンズ5の光入射面を指標する。i=10は、レンズ5の光出射面を指標する。i=11は、レンズ6の光入射面を指標する。i=12は、レンズ6の光出射面を指標する。i=13は、レンズ7の光入射面を指標する。i=14は、レンズ7の光出射面を指標する。i=15は、レンズ8の光入射面を指標する。i=16は、レンズ8の光出射面を指標する。i=17は、IRカットフィルタ9の光入射面を指標する。i=18は、IRカットフィルタ9の光出射面を指標する。
図4では、R:レンズ面の曲率半径、d:レンズ面間の距離、Nd:屈折率、Vd:アッベ数、である。なお、dは、最も近い位置にある物体側の光学面までの間隔を示す。例えば、i=2のdは、レンズ1の光入射面と光出射面間の間隔を示す。但し、i=1のレンズ面間の距離dは、物体側に存在する基準面までの間隔を示す。i=9のレンズ面間の距離dは、レンズ5の前方の絞り部材までの間隔を示す。
図5に、ズームレンズ系400に含まれる各レンズに関する数値を更に示す。なお、図4と同様にして識別符号iにより各レンズのレンズ面が特定されているものとする。図5では、K:円錐定数、A:4次の非球面係数、B:6次の非球面係数、C:8次の非球面係数、D:10次の非球面係数、である。
図5から明らかなように、レンズ3は両面とも非球面である。レンズ4も同様、両面とも非球面である。レンズ5も同様、両面とも非球面である。レンズ6も同様、両面とも非球面である。レンズ7は、光出射面側が非球面である。レンズ8は、両面とも非球面である。
本実施形態では、第1レンズ群にプラスティックレンズ3が含まれ、第2レンズ群にプラスティックレンズ4が含まれ、第3レンズ群にプラスティックレンズ6が含まれ、第4レンズ群にプラスティックレンズ8が含まれている。各レンズ群に対してプラスティックレンズを導入することによって、ズームレンズ系400の価格の高額化を抑制しつつ、撮像素子の高解像度化に対応することができる。
しかしながら、上述のように、プラスティックレンズでは、温度変化に起因した屈折率変化に応じて、その焦点位置が大きく変動してしまうため、プラスチティックレンズを多用する場合、ズームレンズ系の性能(焦点位置が大きく変動してしまうこと等)が劣化してしまうことが懸念される。
本実施形態では、この点に鑑みて、焦点位置の変動を補正するレンズ6を第3レンズ群に導入する。より具体的には、コマ収差を補正するレンズ6を第3レンズ群に設ける。
レンズ6は、レンズ6の物体側の面の曲率をR1とし、レンズ6の結像面側の面の曲率をR2としたとき、0.5<R1/R2<1.3の条件を満足する。この条件を満足することによって、温度変化による焦点位置の変動を抑制することができる。
より好ましくは、レンズ6は、レンズ6の物体側の面の曲率をR1とし、レンズ6の結像面側の面の曲率をR2としたとき、0.7<R1/R2<1.2の条件を満足する。この条件を満足することによって、温度変化による焦点位置の変動を効果的に抑制することができる。R1/R2を下限値0.7よりも大きな値とすることによって、収差補正を効果的に行うことができる。なお、R1/R2が下限値0.7を下回ると像面の補正が増大し、収差補正が困難になってしまう。R1/R2を上限値1.2よりも小さな値とすることによって、収差補正を効果的に行うことができる。R1/R2が上限値1.2を超えると上方コマ収差が急激に増大し、その補正が困難になる。
本実施形態の場合、図4の数値から明らかなように、R1/R2=0.97であり、上述の条件を満足する。
更に、本実施形態では、第1レンズ群に導入したレンズ3が次の条件を満足する。これによって、ズームレンズ系400の光学特性を向上させる。レンズ3は、広角側の像面補正、広角側の歪曲収差の補正、及び望遠側の結像補正をする。
レンズ3は、レンズ3の物体側の面の曲率をR3とし、レンズ3の結像面側の面の曲率をR4としたとき、1.0<R3/R4<3.6の条件を満足する。この条件を満足することによって、温度変化による焦点位置の変動を抑制することができる。
より好ましくは、レンズ3は、レンズ6の物体側の面の曲率をR3とし、レンズ3の結像面側の面の曲率をR4としたとき、1.2<R3/R4<2.7の条件を満足する。この条件を満足することによって、温度変化による焦点位置の変動を効果的に抑制することができる。R3/R4を下限値1.2よりも大きな値とすることによって、収差補正を効果的に行うことができる。なお、R3/R4が下限値1.2を下回ると像面の補正が増大し、収差補正が困難になってしまう。R3/R4を上限値2.7よりも小さな値とすることによって、収差補正を効果的に行うことができる。R3/R4が上限値2.7を超えると上方コマ収差が急激に増大し、その補正が困難になる。
本実施形態の場合、図4の数値から明らかなように、R3/R4=1.29であり、上述の条件を満足する。
図6乃至図11は、無限遠合焦状態における収差を示す収差図である。
図6に、広角端における球面収差を示す。図7に、広角端における像面収差(紙面に向かって左側)、及び広角端における歪曲収差(紙面に向かって右側)を示す。図8に、中間焦点距離における球面収差を示す。図9に、中間焦点距離における像面収差(紙面に向かって左側)、及び中間焦点距離における歪曲収差(紙面に向かって右側)を示す。図10に、望遠端における球面収差を示す。図11に、望遠端における像面収差(紙面に向かって左側)、及び望遠端における歪曲収差(紙面に向かって右側)を示す。
なお、図6では、破線:波長436nm、一点鎖線:486nm、二点鎖線:546nm、実線:588nm、間隔狭い破線:656nmの場合の球面収差を示す。図7では、波長546nmの場合の収差を示す。図8では、破線:波長546nm、一点鎖線:486nm、二点鎖線:588nm、実線:656nm、間隔狭い破線:436nmの場合の球面収差を示す。図9では、波長546nmの場合の収差を示す。図10では、破線:波長656nm、一点鎖線:588nm、二点鎖線:546nm、実線:486nm、間隔狭い破線:436nmの場合の球面収差を示す。図11では、波長546nmの場合の収差を示す。
上述の説明から明らかなように、本実施形態に係るズームレンズ系400は、プラスティックレンズを各レンズ群に用いながら、温度による焦点位置変化を極力押さえる構成を採用している。温度変化を抑えるためには、プラスティックレンズを相補的に活用すること(つまり、凹のプラスティックレンズと凸のプラスティックレンズとを組み合わせて用いること)が考えられる。しかしながら、プラスティックレンズ対を各レンズ群に配置することは極端にレンズ枚数を増加させるため好ましくない。本実施形態では、個々のレンズの焦点距離を押さえ、補正レンズとして機能するプラスティックレンズを第3レンズ群に含めることで、焦点位置の変動が少なく、結像性能の劣化を考慮したレンズ構成を実現する。従って、上述のようにレンズ枚数が極端に増加してしまうこともない。
また、本実施形態においては、第2レンズ群に含まれるレンズ4の凹面(光入射面)、第4レンズ群に含まれるレンズ8の凸面(光出射面)の組み合わせによって、各レンズ4、8での焦点位置の変動を打ち消す相補的なレンズ構成を採用している。これによって、レンズ枚数の増加を伴うことなく、焦点位置の変動の補正をすることができる。
本実施形態では、シミュレーションに基づくと、焦点位置のずれを示すBF差分値は次のような値となった。広角端、−30℃のとき、BF差分値=−0.0209。広角端、80℃のとき、BF差分値=0.0235。望遠端、−30℃のとき、BF差分値=0.0037。望遠端、80℃のとき、BF差分値=−0.0083。
レンズ6を導入しない類似のズームレンズ系では、次のようなBF差分値がシミュレーションにより明らかになっている。広角端、−30℃のとき、BF差分値=0.0039。広角端、80℃のとき、BF差分値=−0.0076。望遠端、−30℃のとき、BF差分値=0.0306。望遠端、80℃のとき、BF差分値=−0.0605。
BF差分値が小さいほど、温度変化に起因した焦点位置の変動が小さいことを示す。本実施形態の場合には、レンズ6を導入しない類似のズームレンズ系と比較して、良好な特性を有することが確認できた。
次に、図12及び図13を参照して、上述のズームレンズ系400が組み込まれるカメラモジュール100の構成について説明する。
図12に示すように、カメラモジュール(画像取得装置)100は、レンズ1、プリズム(導光部材)2、レンズ3〜8、IR(InfraRed)カットフィルタ9、フロントハウジング(収容部、筐体)10、駆動ユニット30、40、ガイドレール50、51、レンズホルダ(被駆動部材、レンズ保持体)60、ラック(ナット)67、ラック(ナット)68、レンズホルダ(被駆動部材、レンズ保持体)70、リアハウジング(収容部、筐体)80、イメージセンサホルダ88、イメージセンサ(撮像手段、撮像素子)89、フォトインタラプタ(物体検出器)90、91、及びネジ(固定手段)92〜97を備える。駆動ユニット30は、モータ(駆動源)33、リードスクリュー(回転軸、軸体)34、及びサポート板(保持部材、保持板)35を有する。駆動ユニット40は、モータ(駆動源)43、リードスクリュー(回転軸、軸体)44、及びサポート板(保持部材)45を有する。なお、フロントハウジング10とリアハウジング80との結合により筐体が構成されるが、一方のみを筐体として把握しても構わない。
図13に示すように、イメージセンサ89から離間する順に、IRカットフィルタ9、レンズ8、レンズ7、レンズ6、レンズ5、レンズ4、レンズ3、プリズム2、及びレンズ1が配置されている。物体側から入力した光束は、レンズ1、プリズム2、レンズ3〜レンズ8、及びIRカットフィルタ9を介して、イメージセンサ89の撮像面上に導かれる。イメージセンサ89は、このような構成の光学系を介して物体側から入力する像を撮像する。
モータ33の駆動に応じて、x軸に沿って第2群のレンズ(レンズ4)が変位する。また、モータ43の駆動に応じて、x軸に沿って、第3群のレンズ(レンズ5〜レンズ7)が変位する。光軸に沿って2つのレンズ群を変位させることによって、カメラモジュール100に対して好適にズーム機能を付加することができる。
なお、本実施形態では、サポート板35、45を用いてフロントハウジング10の強度を補う。具体的には、切欠きを介して対向配置されたフロントハウジング10の隅部同士をサポート板45で連結する。フロントハウジング10に対して、サポート板45を嵌め合いにより固定し、サポート板45を介してフロントハウジング10の隅部同士を連結する。これによって、仮にz軸方向の力を受けたとしても、フロントハウジング10の隅部とサポート板45間の嵌め合いによって、フロントハウジング10が変形してしまうことを効果的に抑制することができる。つまり、部品点数の増加を伴うことなく、切欠きによって強度低下した筐体の強度を高めることができる。
なお、フロントハウジング10の上側壁部、下側壁部の壁厚は、0.6mm程度である。壁厚の具体的な数値範囲は任意であるが、好適には、0.3mm〜1mmの範囲内に設定される。
また、本実施形態では、フロントハウジング10とサポート板45とを複数個所で固定する。これによって、フロントハウジング10に対するサポート板45の位置精度を効果的に高めることができる。そして、リードスクリュー44の位置精度を高め、3群レンズの移動軌跡に生ずるズレを効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、サポート板35、45がフロントハウジング10に対してネジ固定されたとき、フロントハウジング10の上側壁部、サポート板35、フロントハウジング10の下側壁部、及びサポート板44が連続し、フロントハウジング10に箱状の部分が形成される。これによって、フロントハウジング10の強度を効果的に高めることができる。なお、サポート板35、45は、フロントハウジング10の外側面に対して面一となり、カメラモジュール100の筐体の外側面を構成している。
図14に、カメラモジュール100が内蔵されたコンパクトカメラ(電子機器)200を示す。コンパクトカメラ200は、オートフォーカス機能、ズーム機能を有する。コンパクトカメラ200は、カメラモジュール100から出力される画像データを内蔵するメモリに蓄積する。
図15に、コンパクトカメラ200の概略的なシステム構成を示す。コンパクトカメラ200は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、入力部304、バス305、I/F306、メモリカード307、カメラコントローラ308、カメラモジュール309、画像表示コントローラ310、及びLCD(Liquid Crystal Display)311を有する。カメラモジュール309は、カメラモジュール100に相当する。
ROM302は、プログラムを格納する。CPU301は、ROM302に格納されたプログラムを実行する。CPU301は、プログラムの実行に伴って、その他の機能部を制御する。
カメラコントローラ308は、CPU301からの指令に応じて、カメラモジュール309を制御する。カメラコントローラ308は、イメージセンサ89に対して撮像の開始を指示する。カメラコントローラ308は、モータ33、34に対してリードスクリュー34、44夫々の回転を指示する。
例えば、カメラコントローラ308は、モータ33に対して電力を供給し、リードスクリュー34を回転させる。リードスクリュー34の回転に応じて、リードスクリュー34に螺合したラック67が前方又は後方へ移動する。ラック67はレンズホルダ60に対してネジ止めされているため、ラック67の移動に同調してレンズホルダ60も移動する。このようにしてレンズホルダ60は前方又は後方へ移動する。なお、オートフォーカス、ズーミング等の具体的な動作は周知技術のため、それらの説明は省略する。
画像表示コントローラ310は、バス305を介して伝送される画像データを受信し、その画像を表示するためにLCD311を制御する。LCD311は、画像表示コントローラ310に制御されて所望の画像を表示する。
RAM303は、バス305を介して伝送される画像データを受信し、その画像データを記憶領域に保持する。
メモリカード307は、バス305を介して伝送される画像データを受信し、その画像データを記憶領域に保持する。I/F306は、バス305に対してメモリカード307を接続するインターフェイスである。
入力部304は、コンパクトカメラ200の保持者による指令を受け付け、それ指令に応じた信号を生成し、生成した信号をCPU301へバス305を介して伝送させる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、第3レンズ群におけるレンズ6の配置位置は任意である。レンズ5の前方にレンズ6を配置しても良い。レンズ7の後方にレンズ6を配置しても良い。
400 ズームレンズ系
1 レンズ
2 プリズム
3-8 レンズ
9 カットフィルタ
100 カメラモジュール
10 フロントハウジング
30 駆動ユニット
33 モータ
34 リードスクリュー
35 サポート板
40 駆動ユニット
43 モータ
44 リードスクリュー
44 サポート板
45 サポート板
50 ガイドレール
60 レンズホルダ
67 ラック
80 リアハウジング
88 イメージセンサホルダ
89 イメージセンサ
200 コンパクトカメラ
304 入力部
305 バス
307 メモリカード
308 カメラコントローラ
309 カメラモジュール
310 画像表示コントローラ
1 レンズ
2 プリズム
3-8 レンズ
9 カットフィルタ
100 カメラモジュール
10 フロントハウジング
30 駆動ユニット
33 モータ
34 リードスクリュー
35 サポート板
40 駆動ユニット
43 モータ
44 リードスクリュー
44 サポート板
45 サポート板
50 ガイドレール
60 レンズホルダ
67 ラック
80 リアハウジング
88 イメージセンサホルダ
89 イメージセンサ
200 コンパクトカメラ
304 入力部
305 バス
307 メモリカード
308 カメラコントローラ
309 カメラモジュール
310 画像表示コントローラ
Claims (9)
- 負のパワーを有する第1レンズ群、負のパワーを有する第2レンズ群、正のパワーを有する第3レンズ群、及び正のパワーを有する第4レンズ群が、物体側から結像面側へ順に配置され、前記第2及び第3レンズ群の変位に応じてズーミングを行うズームレンズ系であって、
前記第1乃至第4レンズ群の夫々には、少なくとも1つのプラスティックレンズが含まれ、
前記第3レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、物体側のレンズ面の曲率をR1とし、結像面側のレンズ面の曲率をR2としたとき、0.5<R1/R2<1.3の条件を満足する、ズームレンズ系。 - 前記第3レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、0.7<R1/R2<1.2の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ系。
- 前記第3レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、温度変動に起因した屈折率の変動に伴う当該ズームレンズ系の焦点位置の変動が少ないことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ系。
- 前記第1乃至第4レンズ群の夫々には、1枚のプラスティックレンズが含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のズームレンズ系。
- 前記第2レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズと前記第4レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズとは、協調して焦点距離の変動を補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のズームレンズ系。
- 前記第1レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、物体側のレンズ面の曲率をR3とし、結像面側のレンズ面の曲率をR4としたとき、1.0<R3/R4<3.6の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のズームレンズ系。
- 前記第1レンズ群に含まれる前記プラスティックレンズは、1.2<R3/R4<2.7の条件を満足することを特徴とする請求項6に記載のズームレンズ系。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のズームレンズ系と、
前記第2及び第3レンズ群を駆動する駆動手段と、
前記ズームレンズ系を介して入力する像を撮像する撮像手段と、
を備える画像取得装置。 - 請求項8に記載の画像取得装置を備える電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009180897A JP2011033891A (ja) | 2009-08-03 | 2009-08-03 | ズームレンズ系、画像取得装置、及び電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009180897A JP2011033891A (ja) | 2009-08-03 | 2009-08-03 | ズームレンズ系、画像取得装置、及び電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011033891A true JP2011033891A (ja) | 2011-02-17 |
Family
ID=43763012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009180897A Withdrawn JP2011033891A (ja) | 2009-08-03 | 2009-08-03 | ズームレンズ系、画像取得装置、及び電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011033891A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015206979A (ja) * | 2014-04-23 | 2015-11-19 | Hoya株式会社 | 撮像光学系 |
-
2009
- 2009-08-03 JP JP2009180897A patent/JP2011033891A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015206979A (ja) * | 2014-04-23 | 2015-11-19 | Hoya株式会社 | 撮像光学系 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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