JP2011033558A - 物理量検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度で製造が容易な物理量検出装置、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる物理量検出装置100は、表裏の関係にある第1主面12および第2主面14を有する第1基板10と、表裏の関係にある第3主面22および第4主面24を有し、該第4主面24が第1基板10の第1主面12に対向して配置され、撓み可能に固定された第2基板20と、第2基板20の第3主面22側に載置され、第2基板20に発生した応力に応じて検出信号を発生する第1物理量検出素子30と、表裏の関係にある第5主面42および第6主面44を有し、該第5主面42が第1基板10の第2主面14に対向して配置され、撓み可能に固定された第3基板40と、第3基板40の第6主面44側に載置され、第3基板40に発生した応力に応じて検出信号を発生する第2物理量検出素子50と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理量検出装置およびその製造方法に関する。
加速度センサーおよび角速度センサー(ジャイロセンサー)等の物理量検出装置は、たとえば、自動車、航空機、ロケット、カメラ、ゲーム機等の位置や姿勢を制御するために利用されている。たとえば、カーナビゲーション装置において、車両の現在位置を検出する際には、車両の移動方向および移動距離を自立的に測位するために慣性センサーが用いられている。このような物理量検出装置は、いずれも一層の高感度化、高精度化および小型化が要求されている。
加速度センサーの一例としては、加速度に基づき応力を発生する反応基板(梁と可動部材と固定部材とからなるパーツ)の表面に応力感応素子である双音叉振動片を載置した構成がある。たとえば、特開2008−261839号公報には、片持ち梁状に支持された反応基板の変位を双音叉振動片(物理量検出素子)によって感知し、加速度を検知する加速度検知ユニット(加速度センサー)が開示されている。同公報の加速度センサーは、加速度を受けると、反応基板の錐(おもり)が加速度の方向とは逆の方向に向かう慣性力を受け、これにより、錐を支える反応基板が撓む構造を有している。また、同公報に記載の加速度センサーでは、2つの双音叉振動片を反応基板に載置して高感度化を試みている。
特開2008−261839号公報
しかしながら、特開2008−261839号公報に開示された加速度センサーの場合、1つの反応基板に2つの双音叉振動片を搭載しているため、たとえば2つの振動片の周波数温度特性または発振周波数などの特性の相性が悪い場合、または何れか一方の双音叉振動片に故障が有る場合は、加速度センサー全体を破棄せざるを得ない場合があった。
さらに、反応基板が水晶基板などの透明基板である場合は、レーザー光を使用した双音叉振動片の周波数調整や、反応基板の質量の調整が困難となる場合があった。たとえば、双音叉振動片の周波数調整や反応基板の質量の調整は、部材の表面に形成された金属層等の質量体にレーザー光を照射してこれを除去することで行われる。ところが、反応基板が透明基板である場合は、照射されたレーザー光の一部が反応基板の裏面側へ透過する場合がある。そうすると、透過したレーザー光が、意図していない他方の双音叉振動片に照射され、該他方の双音叉振動片の振動周波数等を狂わせてしまう場合があった。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の1つは、高感度で製造が容易な物理量検出装置、およびその製造方法を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかる物理量検出装置の一態様は、
表裏の関係にある第1主面および第2主面を有する第1基板と、
表裏の関係にある第3主面および第4主面を有し、該第4主面が前記第1基板の前記第1主面に対向して配置され、撓み可能に固定された第2基板と、
前記第2基板の前記第3主面側に載置され、前記第2基板に発生した応力に応じて検出信号を発生する第1物理量検出素子と、
表裏の関係にある第5主面および第6主面を有し、該第5主面が前記第1基板の前記第2主面に対向して配置され、撓み可能に固定された第3基板と、
前記第3基板の前記第6主面側に載置され、前記第3基板に発生した応力に応じて検出信号を発生する第2物理量検出素子と、
を含む。
このような物理量検出装置は、高感度で製造が容易である。すなわち、第2基板および第3基板のそれぞれを、慣性質量とすることができる。そのため、加速度等の物理量に対する感度を高くすることができる。また、本適用例の物理量検出装置は、第2基板20と第1物理量検出素子30との組、および第3基板40と第2物理量検出素子50との組が第1基板を挟んで設けられている。そのため、該各組の特性の調整を独立して行うことができ、そのうえ、特性が不良な組が生じたとしても、物理量検出装置全体を破棄する必要がない。そのため、本適用例の物理量検出装置は、製造が容易であり、製造時の歩留まりも向上させることができる。
[適用例2]
適用例1において、
前記第2基板、前記第3基板、前記第1物理量検出素子および前記第2物理量検出素子の少なくとも1つは、レーザー光を照射することによって質量が変化する質量体を有し、
前記第1基板は、前記レーザー光に、散乱、反射および吸収の少なくとも一種の作用を及ぼす、物理量検出装置。
このような物理量検出装置は、第1基板の一方の主面側から他方の主面側にレーザー光が透過しにくい。そのため、第2基板、第1物理量検出素子、第3基板、および第2物理量検出素子の少なくとも1つにレーザー光を照射して振動周波数や質量を調整する場合に、第1基板に関して反対側に配置された第2基板、第1物理量検出素子、第3基板、および第2物理量検出素子のいずれかの部材に対する該レーザー光の照射の影響を抑制することができる。これにより、本適用例の物理量検出装置は、特性の調整が容易であり、さらに高感度化、高精度化されたものである。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記第2基板および前記第3基板は、前記第1基板に片持ち梁状に固定され、
前記第2基板の固定領域および前記第3基板の固定領域は、平面視において、離間している、物理量検出装置。
このような物理量検出装置は、第2基板の固定領域および第3基板の固定領域が第1基板に関して離間して配置される。そのため、固定部位が接近することによって生じる電気的な寄生容量や、第2基板および第3基板の間の機械的な結合を抑制することができる。したがって本適用例の物理量検出装置は、物理量を安定して検出することができ、さらに高感度化、高精度化されたものである。
[適用例4]
適用例1または適用例2において、
前記第2基板および前記第3基板は、前記第1基板に片持ち梁状に固定され、
前記第2基板の固定領域および前記第3基板の固定領域は、平面視において、重複している、物理量検出装置。
このような物理量検出装置は、加速度等の物理量が印加されたときに、第1基板に対してねじれ等の応力が発生しにくく、意図しない振動モードの発生を抑制することができる。これにより、本適用例の物理量検出装置は、物理量を安定して検出することができ、さらに高感度化、高精度化されたものである。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例において、
前記第1基板は、前記物理量検出装置を固定するための固定領域を有し、
前記物理量検出装置を平面視したときに、前記固定領域は、前記第2基板および前記第3基板の輪郭の外側にある、物理量検出装置。
このような物理量検出装置は、第1基板を第2基板および第3基板の大きさ程度まで小さく形成されている。そのため、本適用例の物理量検出装置は、より小型であり、たとえばパッケージ等に納める際に、より小型化を図ることができる。
[適用例6]
本発明にかかる物理量検出装置の製造方法の一態様は、
基板、反応基板、物理量検出素子、前記基板をはめ込むための第1開口部を有する第1スペーサー、前記反応基板をはめ込むための第2開口部を有する第2スペーサー、および前記物理量検出素子をはめ込むための第3開口部を有する第3スペーサーを準備する工程と、
前記基板を前記第1スペーサーの前記第1開口部にはめ込む工程と、
前記基板の周縁部の一部を露出させるように、該基板および前記第1スペーサーの上に第4スペーサーを敷設する工程と、
前記基板の周縁部の前記一部を露出させるとともに、平面視において、前記第2開口部が前記第1開口部の内側となるように、前記第4スペーサーの上に前記第2スペーサーを敷設する工程と、
前記反応基板を、前記第2スペーサーの前記第2開口部にはめ込むとともに、前記基板の露出した前記一部に固定する工程と、
前記反応基板の周縁部の二箇所を露出させるように、該反応基板および前記第2スペーサーの上に第5スペーサーを敷設する工程と、
前記反応基板の周縁部の前記二箇所を露出させるとともに、平面視において、前記第3開口部が前記第2開口部の内側となるように、前記第5スペーサーの上に前記第3スペーサーを敷設する工程と、
前記物理量検出素子を、前記第3スペーサーの前記第3開口部にはめ込むとともに、前記反応基板の露出した前記二箇所に固定する工程と、
前記第3スペーサー、前記第5スペーサー、前記第2スペーサー、前記第4スペーサー、および前記第1スペーサーを順次取り去る工程と、
を含み、
前記第1スペーサーの上面および前記基板の上面、並びに、前記第2スペーサーの上面および前記反応基板の上面は、いずれも互いに面一の関係にある。
このようにすれば、基板、反応基板、および物理量検出素子を精度よく互いに平行に固定することができる。これにより、加速度等の物理量が印加される方向に対してより精密に配置しやすく、高精度かつ高感度な物理量検出装置を製造することができる。
実施形態にかかる物理量検出装置100の断面の模式図。 実施形態にかかる物理量検出装置100を模式的に示す平面図。 変形例にかかる物理量検出装置120の断面の模式図。 実施形態にかかる物理量検出装置の製造工程を模式的に示す平面図。 実施形態にかかる物理量検出装置の製造工程を模式的に示す平面図。 実施形態にかかる物理量検出装置の製造工程を模式的に示す平面図。 実施形態にかかる物理量検出装置の製造工程を模式的に示す平面図。 実施形態にかかる物理量検出装置の製造工程を模式的に示す平面図。 実施形態にかかる物理量検出装置の製造工程を模式的に示す平面図。
以下に本発明の好適な実施形態のいくつかについて、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.物理量検出装置
本実施形態の物理量検出装置100は、第1基板10と、第2基板20と、第1物理量検出素子30と、第3基板40と、第2物理量検出素子50と、を含む。
図1は、本実施形態の物理量検出装置100の断面の模式図である。図2は、物理量検出装置100を模式的に示す平面図である。図1は、図2のA−A線の断面に相当する。
1.1.第1基板
第1基板10は、表裏の関係にある第1主面12および第2主面14を有する。第1基板10の形状は、板状であれば特に限定されない。たとえば、第1基板10は、平面視において多角形、円形、およびそれらを複合した形状を有することができる。第1基板10の厚みは、特に限定されないが、たとえば、第2基板20および第3基板40を支えることができる剛性を有する程度の厚みとすることができる。第1基板10の機能としては、第2基板20および第3基板30を支持する基体となること、および物理量検出装置100をパッケージ等に固定する際の固定領域を提供することなどが挙げられる。
第1基板10は、第1主面12および第2主面14の少なくとも一方に配線60を有していてもよい。第1基板10に配線60を形成する場合、配線60は、第2基板20および第3基板30とバンプや導電性接着剤によって接続されるためのランド62を含んでもよい。ランド62は、第1基板10の第1主面12および第2主面14の少なくとも一方に、少なくとも1つ設けられることができる。配線60の表面は、第1基板10の第1主面12と面一の関係であってもよい。また、配線60は、各主面の上に形成されてもよい。さらに、このような配線60は、第1主面12および第2主面14の両方に設けられて互いに電気的に接続されていてもよい。たとえば、第1基板10が多層配線基板であれば、第1基板10を貫通するコンタクトホール等によって行われることができ、また、第1基板10の側面に形成された導電部材等を介して行われてもよい。
図2に示す例では、第1基板10は、矩形の四隅がカットされた形状を有し、該カットされた領域において、第1主面12および第2主面14にそれぞれ形成されたランド62が、互いに第1基板10の側面で接続されている。また、ランド62は、物理量検出装置100をパッケージ等に固定する際の固定領域とすることができる。そのため、第1基板10の第1主面12および第2主面14のいずれの側からも外部との電気的接続を行うことができるため、第1基板10によって、パッケージ等に物理量検出装置100を固定する場合に、固定する方向において第1基板10(物理量検出装置100)の表裏を自由に選択することができる。
第1基板10の材質としては、特に限定されないが、たとえば、ガラス、セラミックス、樹脂、結晶材質などが挙げられ、これらの複合材料であってもよい。たとえば、第1基板10は、単層または多層の配線基板であってもよい。第1基板10に多層構造を採用すれば、たとえば、第2基板20に対して熱膨張係数がほぼ等しい配線基板と、第3基板40に対して熱膨張係数がほぼ等しい配線基板とを積層した構造とすることもできる。
なお、第1主面12および第2主面14は、いずれも第1基板10の主面であって、互いに表裏の関係にある。本明細書では、説明の便宜上、基板の各主面に対して序数を付しているが、基板の2つの主面が機能的に相違することを示すものではない。また、基板の2つの主面は、機能的に相違していてもいなくてもよい。本実施形態では、第1主面12および第2主面14は、実質的に同一である。本実施形態では、第1主面12側に第2基板20の第4主面24が対向するように配置される。
1.2.第2基板
第2基板20は、表裏の関係にある第3主面22および第4主面24を有する。また、第2基板20は、第4主面24が第1基板10の第1主面12と対向して配置される。さらに、第2基板20は、第1基板10に、撓み可能に固定される。
第2基板20の形状としては、たとえば、平面視において多角形、円形、およびそれらを複合した形状を有することができる。第2基板20と第1基板10の平面的な大きさおよび配置は、平面視における第2基板20の輪郭の外側に、第1基板10の少なくとも一部が存在するかぎり任意である。図2に例示したように、本実施形態の物理量検出装置100では、平面視における第2基板20の輪郭は、第1基板10の輪郭の内側にあり、第1基板10の一部が第2基板20の輪郭の外側に存在している。さらに、第2基板20は、第1基板10の一部を第2基板20の輪郭の外側に存在させるために切り欠きを有してもよい。第2基板20に形成される切り欠きの形状は、任意であるが、たとえば、図2に示すように、平面視において、矩形形状の4つの頂点を切り欠いた八角形の形状とすることができ、また、矩形形状の4つの頂点を曲線によって切り欠く形状としてもよい。また、第2基板20の切り欠かかれた部分のみにおいて、平面視における第2基板20の輪郭の外側に第1基板10の一部が存在してもよい。このようにすれば、、平面視における第2基板20の輪郭の外側に第1基板10の一部を物理量検出装置100を第1基板10によってパッケージ等に搭載するための固定領域とすることができ、第2基板20および該パッケージの接触を避けることができる。これにより、より小型なデバイスを提供することができる。
第2基板20は、第1基板10に、撓み可能に固定される。第2基板20が撓み可能な固定とは、第2基板20が、第1基板10に固定される部位(固定部位28)と、固定されない部位(撓み部位29)を有して固定されることを指す。すなわち、撓み可能に固定とは、物理量検出装置100に加速度等の物理量が印加された際に、第2基板20に作用する慣性力によって、第2基板20に応力または歪みが生じうるように固定されることをいう。より具体的には、撓み可能な固定としては、第2基板20が第1基板10に対して、片持ち梁状、両持ち梁状、またはダイヤフラム状等の態様で固定されることが挙げられる。
第2基板20を第1基板10に固定する手段としては、たとえば、バンプによる接合、接着剤による接合などが挙げられる。これにより、第2基板20は、第1基板10に対して機械的に固定されることができる。バンプによる接合を選択すると、電気的な接続も兼ねることができる。さらに、接着剤によって接合する場合に、導電性接着剤を使用すると、電気的な接続を兼ねることができる。図示の例では、導電性接着剤層70によって機械的に固定され、電気的に接続されている。
第2基板20の機能の一つとしては、物理量検出装置100に加速度等の物理量が印加されたときに、厚み方向に撓んで該物理量を第1物理量検出素子30によって測定可能なものにすることが挙げられる。また、第2基板20の機能の一つとしては、物理量検出装置100における慣性質量を提供することが挙げられる。したがって、第2基板20は、物理量に反応する反応基板と称することができる。
第2基板20は、第2基板20を撓みやすくする構成を備えることができる。このような構成としては、たとえば、第2基板20の厚み方向において、くびれ(薄肉部)を設けることが挙げられる。図1および図2の例では、第2基板20は、くびれ部26を有している。この例では、くびれ部26は、撓み部位29に形成されている。くびれ部26は、第2基板20に複数設けられてもよい。くびれ部26は、板状の第2基板20において、厚みの小さい部分(断面視における厚みの小さくなっている部分)となっている。第2基板20がくびれ部26を有する場合は、第2基板20は、物理量を受けたときに、より撓みやすくなる、これにより、物理量検出装置100の、物理量に対する感度をさらに向上させることができる。
また、第2基板20は、第2基板20の慣性質量を増すための構成をさらに含むことができる。図示しないが、たとえば、第2基板20の第1基板10に対して撓み部位29には、該部位の質量を増大させるための質量体を設けることができる。このような質量体としては、たとえば、金属の蒸着膜等を挙げることができる。第2基板20に質量体を形成すると、物理量検出装置100が有する慣性質量を増大させることができる。このため、物理量検出装置100の感度をさらに向上させることができる。また、質量体を金、白金等の蒸着膜で形成した場合は、この質量体にレーザー光を照射することによって、質量体の質量を減少させることができるため、第2基板20の慣性質量の微調整を容易に行うことができる。ここで用いるレーザー光としては、たとえば、半導体レーザーや固体レーザーが挙げられる。
第2基板20は、第3主面22および第4主面24に適宜な配線60を有していてもよい。このような配線60は、たとえば、第1基板10や第1物理量検出素子30との電気的接続、機械的接続の少なくとも一方を行うために利用されることができる。
第2基板20の材質としては、たとえばケイ酸ガラス等のガラス類、シリコン、砒化ガリウム等の半導体材料、ステンレス鋼等の金属材料、各種のゴム、樹脂等の高分子材料、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料などとすることができる。また、物理量検出装置100により高い検出精度を持たせるために温度特性を考慮する場合には、物理量検出素子と第2基板20および第3基板40とを同一の材質とすることがより望ましい。
なお、第3主面22および第4主面24は、いずれも第2基板20の主面であって、互いに表裏の関係にある。本明細書では、説明の便宜上、基板の各主面に対して序数を付しているが、基板の2つの主面が機能的に相違することを示すものではない。また、基板の2つの主面は、機能的に相違していてもいなくてもよい。本実施形態では、第2基板20の第4主面24が第1基板10の第1主面12対向するように配置され、第2基板20の第3主面24側に第1物理量検出素子30が載置される。
1.3.第1物理量検出素子
第1物理量検出素子30は、第2基板20の第3主面22側に載置され、第2基板20に発生した応力に応じて検出信号を発生する。第1物理量検出素子30は、物理量検出装置100が加速度等の物理量を受けて第2基板20に発生した応力または歪み(撓み)を検出することができる。なお、ここでいう応力と歪みは、相互に関連する物理量であり特定の相関関係を有する。そのため、応力を検出することと歪みを検出することとは、物理量を検出する点で等価である。また、検出信号とは、たとえば、電気的な信号、磁気的な信号、機械的な信号、光学的な信号であり、第1物理量検出素子30の態様に依存して選択される。
第1物理量検出素子30としては、たとえば、応力を電気抵抗に変換する圧電抵抗素子、共振周波数が応力によって変化する各種の振動片などを例示することができる。
本実施形態の物理量検出装置100では、第1物理量検出素子30は、双音叉振動片となっている。第1物理量検出素子30が、双音叉振動片で構成されると、第2基板20の歪みまたは応力を非常に精度よく検出することができる。本実施形態の物理量検出装置100の第1物理量検出素子30は、共振周波数を有し、該周波数で振動されることができる。第1物理量検出素子30が圧電性を有さない材質で形成される場合には、適宜第1物理量検出素子30にさらに圧電素子等を設けることによって第1物理量検出素子30を振動させることができる。
本実施形態では第1物理量検出素子30は、双音叉振動片であって、第2基板20にその両端が支持されている。図示の例では、第1物理量検出素子30の一方の端は、片持ち梁状に支持された第2基板20の固定部位28に固定され、他方の端は、片持ち梁状に支持された第2基板20の撓み部位29に固定されており、第1物理量検出素子30は、第2基板20の第3主面22と離間して平行に架橋するように設けられている。第1物理量検出素子30は、第2基板20と別体で形成された後、第2基板20に接続されてもよいし、第2基板20に一体的に形成されてもよい。物理量検出装置100では、第1物理量検出素子30は、第2基板20と別体で形成され、配線60およびバンプ70によって固定されている。
第1物理量検出素子30には、励振用電極や、励振用電極から引き出された配線60を形成することができる。また、該配線には、ランド等が形成されてもよく、たとえば、第2基板20との機械的接続、電気的接続等に利用することができる。
また、第1物理量検出素子30は、振動周波数を調整するための構成をさらに含むことができる。図示しないが、たとえば、第1物理量検出素子30の振動領域には、該領域の質量を変化させるための質量体を設けることができる。このような質量体としては、たとえば、金属の蒸着膜等を挙げることができる。第1物理量検出素子30の振動領域に質量体を形成すると、該素子の振動周波数の調節のために利用することができる。このため、物理量検出装置100が完成した後であっても、共振周波数の調整を行うことができる。このような質量体を金、白金等の蒸着膜で形成した場合は、この質量体にレーザー光を照射することによって、質量体の質量を減少させることができるため、第1物理量検出素子30の共振周波数の微調整を容易に行うことができる。ここで用いるレーザー光としては、上述の第2基板20に質量体を設ける場合と同様である。
第2基板20上において、第1物理量検出素子30が載置される平面的な位置は、第2基板20が加速度等を受けて撓んだときに、第1物理量検出素子30の長手方向に引張または圧縮の応力が生じるように載置されるかぎり限定されない。物理量検出装置100においては、第1物理量検出素子30は、第2基板20が加速度等を受けて厚み方向に撓んだときに、長手方向に引張または圧縮の応力が生じるように配置されている。第1物理量検出素子30に、長手方向の引張または圧縮の応力が生じると、振動の周波数が変化する。したがって、この振動の周波数変化を検出することで、第2基板20に生じた応力を精度よく測定することができる。
このように第1物理量検出素子30は、特定の周波数で振動し、この状態における周波数の変化によって第2基板20に生じた応力や歪みを信号化することができる。第1物理量検出素子30の振動の周波数の変化は、たとえば基準周波数と比較することによって、測定することができる。また、第1物理量検出素子30の振動の周波数と基準周波数との差と、加速度等の大きさとの相関を予め算出してテーブル化しておけば、より容易に物理量検出装置100に印加された物理量の大きさを測定することができる。
第1物理量検出素子30の材質としては、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料やシリコン等の半導体材料を挙げることができる。第1物理量検出素子30を水晶から構成する場合、第1物理量検出素子30は、たとえば、第1物理量検出素子30の2つの端部を結ぶ方向が水晶の結晶のY軸方向とすることができる。第1物理量検出素子30を水晶から構成する場合に用いる水晶ウエハは、水晶の結晶軸に対応してX軸、Y軸およびZ軸からなる直交座標系をとり、Z軸を中心に時計回りに0度ないし5度の範囲で回転して切り出した水晶Z板を例示することができる。水晶Z板は、所定の厚みに切断研磨して得ることができる。
1.4.第3基板および第2物理量検出素子
第3基板40および第2物理量検出素子50は、いずれも、第1基板10の第2主面24側に配置される以外は、それぞれ上述した第2基板20および第1物理量検出素子30と実質的に同様である。そのため、第3基板40および第2物理量検出素子50の配置を除く構成および変形の詳細については説明を省略する。
第3基板40は、表裏の関係にある第5主面42および第6主面44を有する。また、第3基板40は、第5主面24が第1基板10の第2主面14と対向して配置される。第3基板40の形状は、第2基板20と同様である。第3基板40の機能は、第2基板20と同様であり、物理量検出装置100に加速度等の物理量が印加されたときに、厚み方向に撓んで該物理量を測定可能なものにすることなどが挙げられ、また、物理量検出装置100における慣性質量となることが挙げられる。したがって、第3基板40は、物理量に反応する反応基板と称することができる。
第3基板40は、第2基板20と同様に、第1基板10の一部を第3基板40の輪郭の外側に存在させるために切り欠きを有してもよい。第2基板20および第3基板40の両方をこのようにすれば、物理量検出装置100を第1基板10によってパッケージ等に搭載するときに、第1基板10(物理量検出装置100)の表裏に固定領域を形成することができ、パッケージ等に搭載するときに第2基板20または第3基板40と、該パッケージとの接触を避けることができる。これにより、より小型なデバイスを提供することができるとともに、製造の自由度を高めることができる。たとえば、いくつかの部材に特性を調整するための質量体を設けた場合であって、質量体の質量をレーザー光によって減少させる場合、物理量検出装置がパッケージに搭載された後では、目的とする質量体をレーザー光を直接照射しうる位置に配置できない場合がある。このとき、第2基板20および第3基板40の両方が上記切り欠きを有していれば、パッケージに物理量検出装置を搭載するときに物理量検出装置の表裏を自由に選択することができる。そのため、レーザー光を直接照射すべき質量体を、レーザー光を直接照射できるように配置するという製造上の自由度を増すことができる。
第5主面42および第6主面44は、いずれも第3基板40の主面であって、互いに表裏の関係にある。本実施形態の物理量検出装置100では、第3基板40の第5主面44が第1基板10の第2主面14対向するように配置され、第3基板40の第6主面44側に第2物理量検出素子50が載置される。
第2物理量検出素子50は、第1物理量検出素子30と実質的に同様である。第2物理量検出素子50は、第3基板40の第6主面44側に載置され、第3基板40に発生した応力に応じて検出信号を発生する。図示の例では、第2物理量検出素子50の一方の端は、片持ち梁状に支持された第3基板40の固定部位48に固定され、他方の端は、片持ち梁状に支持された第3基板40の撓み部位49に固定されており、第2物理量検出素子50は、第3基板40の第6主面44と離間して平行に架橋するように設けられている。第2物理量検出素子50は、物理量検出装置100が加速度等の物理量を受けて第3基板40に発生した応力または歪み(撓み)を検出することができる。第2物理量検出素子40の構成等は、第1物理量検出素子30と同様である。また、検出信号とは、たとえば、電気的な信号、磁気的な信号、機械的な信号、光学的な信号であり、第2物理量検出素子50の態様に依存して選択される。
1.5.作用効果等
本実施形態の物理量検出装置100は、第2基板20および第3基板40のそれぞれが、物理量を検出するための反応基板となっている。そのため、物理量検出装置100は、加速度等の物理量に対する感度が高い。また、物理量検出装置100は、印加された物理量を、第2基板20と第1物理量検出素子30との組、および第3基板40と第2物理量検出素子50との組によって、独立して検出することができる。そのため、この2つの組から検出される電気信号を相互に比較参照することができる。これにより、物理量検出装置100は、一つの反応基板に対して2つの検出素子を設ける場合と比較して、より高精度に物理量を検出することができる。
さらに、物理量検出装置100は、第1基板10を挟んで上述の2つの組が配置されているため、各組の振動特性の調整を独立して行うことができる。これにより、製造時に、特性が不良な組が生じたとしても、物理量検出装置100全体を破棄する必要がない。そのため、物理量検出装置100は、製造が容易であり、製造時の歩留まりも向上させることができる。
また、物理量検出装置100では、平面的に見て、第1基板10、第2基板20、および第3基板40は、互いに重畳して配置される。そのため、物理量検出装置100の平面視における面積は、各基板を平面的に配列した場合よりも非常に小さくすることができる。これにより、物理量検出装置100は小型化されており、物理量検出装置100をたとえばパッケージ等に収容する場合においても該パッケージをより小型なものとすることができる。
1.6.変形例
第1基板10は、第1主面12側から入射する光に対して、散乱、反射および吸収の少なくとも一種の作用を及ぼすものであることができる。第1基板10にこのような性質を付与する方法としては、たとえば、第1基板10の材質にセラミックスや散乱隊を含む樹脂等の材料を用いる方法、第1基板10の2つの主面の少なくとも一方に金属膜(蒸着膜やメッキ膜)を設ける方法、および第1基板10の2つの主面の少なくとも一方に凹凸を形成する方法などが挙げられる。
上述したように、第2基板20、第1物理量検出素子30、第3基板40、および第2物理量検出素子50には、必要に応じて質量体を形成することができ、適宜なレーザー光を該質量体に照射することによって、質量や振動特性を微調整することができる。このとき、レーザー光が、照射しようとする質量体以外の部材に照射されると意図しない特性の変化が生じてしまう可能性がある。
このような場合において、この変形例の第1基板10を有する物理量検出装置は、第1基板10の一方の主面側から他方の主面側にレーザー光が透過しにくい。そのため、レーザー光を照射する際に、第1基板10に関して反対側に配置された第2基板20、第1物理量検出素子30、第3基板40、および第2物理量検出素子50のいずれかに対する該レーザー光の影響を抑制することができる。
本実施形態の他の変形例として、第2基板20および第3基板40は、いずれも第1基板10に片持ち梁状に固定され、かつ、第2基板20の固定部位28および第3基板40の固定部位48は、平面視において、離間していることができる。
たとえば、図1に示すように、第2基板20および第3基板40は、いずれも第1基板10に片持ち梁状に固定され、かつ、第2基板20の固定部位28および第3基板40の固定部位48は、平面視において、離間していることができる。このような物理量検出装置は、両者の固定部位が接近することによって生じる電気的な寄生容量や、第2基板20および第3基板40の間の機械的な結合を抑制することができる。
他方、本実施形態の他の変形例として、第2基板20および第3基板40は、いずれも第1基板10に片持ち梁状に固定され、かつ、第2基板20の固定部位28および第3基板40の固定部位48は、平面視において、重複していることができる。
図3は、変形例にかかる物理量検出装置120の断面を模式図である。図3に例示するように、第2基板20および第3基板40は、いずれも第1基板10に片持ち梁状に固定され、かつ、第2基板20の固定部位28および第3基板40の固定部位48は、平面視において、重複していることができる。このような変形例の物理量検出装置120は、物理量検出装置120に加速度等の物理量が印加されたときに、第1基板10に対してねじれ等の応力が発生しにくく、意図しない振動モードの発生を抑制することができる。
2.物理量検出装置の製造方法
図4ないし図11は、本実施形態の物理量検出装置の製造工程を模式的に示す平面図である。本実施形態の物理量検出装置の製造方法は、基板310、反応基板320、物理量検出素子330、第1スペーサー410、第2スペーサー420、および第3スペーサー430を準備する工程と、基板310を第1スペーサー410にはめ込む工程と、第4スペーサー440を敷設する工程と、第2スペーサー420を敷設する工程と、反応基板310を固定する工程と、第5スペーサー450を敷設する工程と、第3スペーサー430を敷設する工程と、物理量検出素子330を固定する工程と、第3スペーサー430、第5スペーサー450、第2スペーサー420、第4スペーサー440、および第1スペーサー420を順次取り去る工程と、を含む。
まず、基板310、反応基板320、物理量検出素子330、第1スペーサー410、第2スペーサー420、および第3スペーサー430を準備する。
基板310は、上述の第1基板10に相当するが、いずれかの主面に既に反応基板や物理量検出素子が形成されていてもよい。たとえば第1基板10の第2主面14に既に第3基板40および第2物理量検出素子50が固定されている場合は、本製造工程によって、第1主面12側に第2基板40および第1物理量検出素子30を形成することができる。
反応基板320は、上述の第2基板20または第3基板40に相当する。物理量検出素子330は、上述の第1物理量検出素子30または第2物理量検出素子50に相当する。なお、基板310、反応基板320、および物理量検出素子330は、いずれも公知の方法で製造することができる。
第1スペーサー410は、図4に示すように、基板310をはめ込むための第1開口部412を有する。第1スペーサー410の機能としては、基板310をはめ込むことによって固定すること、および基板310を第1開口部412にはめ込んだ後、基板310の上面(反応基板320を固定する面)と第1スペーサーの上面とを面一の関係を有するようにすることが挙げられる。このような関係を有することにより、第4スペーサー440を基板310および第1スペーサー410の上に敷設する際に第4スペーサー440に段差を生じにくくすることができる。
なお、本明細書において、2つの面が面一の関係にあるとは、2つの面が1つの平面内にあるということを含み、製造誤差等に起因してわずかの誤差(平面外へのずれ)が生じる場合でも、同じ作用効果を得ることができるときには、そのような誤差も含むということである。
第1スペーサー410が有する第1開口部412は、基板310をはめ込むことができる形状および大きさを有する。第1開口部412の深さは、基板310の上面と第1スペーサー410の上面が面一とできる限り任意である。第1開口部412は、第1スペーサー410を貫通していてもよい。また、第1開口部412は、図4に示すように、基板310を取り外すための手掛部414を有してもよい。第1スペーサー410の材質としては、加工性が良好で、かつ、熱による変形が小さいものであれば特に限定されないが、フッ素系樹脂、セラミックス、金属などを例示することができる。また、第1スペーサー410の材質として、例示した材質を選択すると、均一な厚みや高い平坦度を有する第1スペーサー410をより容易に得ることができる。
第2スペーサー420は、図7に示すように、反応基板320をはめ込むための第2開口部422を有する。第2スペーサー420の機能としては、反応基板320を固定する際のずれを防止すること、および反応基板320を第2開口部422にはめ込んだ後、反応基板320の上面(物理量検出素子330を固定する面)と第2スペーサーの上面とを面一の関係を有するようにすることが挙げられる。このような関係を有することにより、第5スペーサー450を反応基板320および第2スペーサー420の上に敷設する際に第5スペーサー450に段差を生じにくくすることができる。第2スペーサー420の形状、材質については、第1スペーサー410と同様である。
第3スペーサー430は、図9に示すように、物理量検出素子330をはめ込むための第3開口部432を有する。第3スペーサー430の機能としては、物理量検出素子330を固定する際のずれを抑制することが挙げられる。第3開口部432の形状および材質については、第1開口部412と同様である。
次に、図4に示すように、基板310を第1スペーサー420の第1開口部412にはめ込む。この工程は、適宜なマニピュレーター等を用いて行うことができる。
次いで、図5に示すように、基板310の周縁部の一部を露出させるように、基板310および第1スペーサー410の上に第4スペーサー440を敷設する。第4スペーサー440は、平板状の形状を有し、基板310の一部を露出させることができる貫通部を有する。第4スペーサー440の平面的な形状は特に限定されない。第4スペーサー440の機能の一つとしては、第4スペーサー440の上に設けられる反応基板320と、基板310とを平行に配置させることが挙げられる。また、第4スペーサー440の機能の一つとしては、基板310および反応基板320の間に一定の間隔を生じさせること、すなわち、基板310および反応基板320を互いに固定するバンプや接着剤の厚みを規定することが挙げられる。
第4スペーサー440は、後の工程で取り去られる。その際、第4スペーサー440を破壊して取り去ってもよいが、破壊せずに取り去ることが可能な形状を有してもよい。第4スペーサー440を破壊せずに取り去ることができる形状としては、第4スペーサー440を、敷設された面内で移動したときに、平面視において、第4スペーサー440の上に設置される反応基板320の領域内に第4スペーサー440が重複しないようにできる形状とすることが挙げられる。たとえば、図5に示す例では、第4スペーサー440を図中に示した矢印の方向にずらすことによって、反応基板320が設置された後においても、反応基板320および第4スペーサー440を破壊することなく、第4スペーサー440を取り去ることができる。第4スペーサー440の材質については、第1スペーサー410と同様である。
次に、図6に示すように、基板310の周縁部の前記一部を露出させるとともに、平面視において、第2開口部422が第1開口部412の内側となるように、第4スペーサー440の上に第2スペーサー420を敷設する。
次に、図7に示すように、反応基板320を、第2スペーサー420の第2開口部422にはめ込むとともに、基板310の露出した前記一部に固定する。反応基板320を、第2スペーサー420の第2開口部422にはめ込むことは、適宜なマニピュレーター等を用いて行うことができる。反応基板320を基板310の露出した前記一部に固定する方法としては、たとえば、接着剤、導電性接着剤を用いることや、ハンダペーストを用いること、バンプ接合を行うことなどを例示することができる。
次に、図8に示すように、反応基板320の周縁部の二箇所を露出させるように、反応基板320および第2スペーサー420の上に第5スペーサー450を敷設する。第5スペーサー450は、平板状の形状を有し、反応基板320の周縁部の二箇所を露出させることができる貫通部を有する。第5スペーサー450の平面的な形状は特に限定されない。第5スペーサー450の機能の一つとしては、第5スペーサー450の上に設けられる物理量検出素子330と、反応基板320とを平行に配置させることが挙げられる。また、第5スペーサー450の機能の一つとしては、反応基板320および物理量検出素子330の間に一定の間隔を生じさせること、すなわち、反応基板320および物理量検出素子330を接続するバンプや接着剤の厚みを規定することが挙げられる。
第5スペーサー450は、後の工程で取り去られる。その際、第5スペーサー450を破壊して取り去ってもよいが、破壊せずに取り去ることが可能な形状を有してもよい。第5スペーサー450を破壊せずに取り去ることができる形状としては、第5スペーサー450を、敷設された面内で移動したときに、平面視において、第5スペーサー450の上に設置される物理量検出素子330の領域内に第5スペーサー450が重複しないようにできる形状とすることが挙げられる。たとえば、図8に示す例では、第5スペーサー450を図中に示した矢印の方向にずらすことによって、物理量検出素子330が設置された後においても、物理量検出素子330および第5スペーサー450を破壊することなく、第5スペーサー450を取り去ることができる。第5スペーサー450の材質については、第1スペーサー410と同様である。
次に、第5スペーサー450の上に反応基板320の周縁部の前記二箇所を露出させるとともに、平面視において、第3開口部432が第2開口部422の内側となるように第3スペーサー430を敷設する。
次いで、図9に示すように、物理量検出素子330を、第3スペーサー430の第3開口部432にはめ込むとともに、反応基板320の露出した前記二箇所に固定する。物理量検出素子330を、第3スペーサー430の第3開口部432にはめ込むことは、適宜なマニピュレーター等を用いて行うことができる。物理量検出素子330を反応基板320の露出した前記二箇所に固定する方法としては、たとえば、接着剤、導電性接着剤を用いることや、ハンダペーストを用いること、バンプ接合を行うことなどを例示することができる。
そして、第3スペーサー430、第5スペーサー450、第2スペーサー420、第4スペーサー440、および第1スペーサー420を順次取り去る。各スペーサーを取り去る方法は、特に限定されない。たとえば、各スペーサーは、変形、切断、燃焼されるなどにより、破壊されて除去されてもよい。また、以下のようにすれば、各スペーサーは、非破壊の状態で取り去られることができる。たとえば、第3スペーサー430、第2スペーサー420および第1スペーサーは、それぞれ開口部を有するため、スペーサーの板面外の方向に取り去ることができる。上述したように、第5スペーサー450および第4スペーサー440の形状を、スペーサーの板面内で移動させてその上に形成された部材の領域から外れるようにすれば、これらのスペーサーを板面内で移動させて、取り去ることができる。
以上の工程を経ると、基板310の一方の主面に反応基板320および物理量検出素子330を形成することができる。そして、基板310の他方の主面に対して、再度上記の工程を適用して、反応基板320および物理量検出素子330を形成することによって、本実施形態の物理量検出装置を製造することができる。
本実施形態の物理量検出装置の製造方法は、基板310、反応基板320、および物理量検出素子330のそれぞれの間に、各スペーサーを配置するため、基板310、反応基板320、および物理量検出素子330を精度よく互いに平行に固定することができる。これにより、物理量検出装置は、加速度等の物理量が印加される方向に対して、基板310、反応基板320、および物理量検出素子330を、より精密に配置しやすい。また、本実施形態の物理量検出装置の製造方法は、各スペーサーを非破壊で回収するようにできるため、製造コストを低く抑えることができる。以上のように、本実施形態の物理量検出装置の製造方法によれば、高精度かつ高感度な物理量検出装置を製造することができる。
以上の実施形態および変形例で述べた変形は、単独あるいは複数を互いに組み合わせて、実施形態の物理量検出装置に対して適用することができる。これにより各変形の単独の効果または各変形の組み合わせによる相乗的な効果を得ることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…第1基板、12…第1主面、14…第2主面、20…第2基板、22…第3主面、
24…第4主面、26,46…くびれ部、28,48…固定部位、
29,49…撓み部位、30…第1物理量検出素子、40…第3基板、42…第5主面、
44…第6主面、50…第2物理量検出素子、60…配線、62…ランド、
70…バンプ、100,120…物理量検出装置、310…基板、320…反応基板、
330…物理量検出素子、410…第1スペーサー、412…第1開口部、
414…手掛部、420…第2スペーサー、422…第2開口部、
430…第3スペーサー、432…第3開口部、440…第4スペーサー、
450…第5スペーサー

Claims (6)

  1. 表裏の関係にある第1主面および第2主面を有する第1基板と、
    表裏の関係にある第3主面および第4主面を有し、該第4主面が前記第1基板の前記第1主面に対向して配置され、撓み可能に固定された第2基板と、
    前記第2基板の前記第3主面側に載置され、前記第2基板に発生した応力に応じて検出信号を発生する第1物理量検出素子と、
    表裏の関係にある第5主面および第6主面を有し、該第5主面が前記第1基板の前記第2主面に対向して配置され、撓み可能に固定された第3基板と、
    前記第3基板の前記第6主面側に載置され、前記第3基板に発生した応力に応じて検出信号を発生する第2物理量検出素子と、
    を含む、物理量検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2基板、前記第3基板、前記第1物理量検出素子および前記第2物理量検出素子の少なくとも1つは、レーザー光を照射することによって質量が変化する質量体を有し、
    前記第1基板は、前記レーザー光に、散乱、反射および吸収の少なくとも一種の作用を及ぼす、物理量検出装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第2基板および前記第3基板は、前記第1基板に片持ち梁状に固定され、
    前記第2基板の固定領域および前記第3基板の固定領域は、平面視において、離間している、物理量検出装置。
  4. 請求項1または請求項2において、
    前記第2基板および前記第3基板は、前記第1基板に片持ち梁状に固定され、
    前記第2基板の固定領域および前記第3基板の固定領域は、平面視において、重複している、物理量検出装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記第1基板は、前記物理量検出装置を固定するための固定領域を有し、
    前記物理量検出装置を平面視したときに、前記固定領域は、前記第2基板および前記第3基板の輪郭の外側にある、物理量検出装置。
  6. 基板、反応基板、物理量検出素子、前記基板をはめ込むための第1開口部を有する第1スペーサー、前記反応基板をはめ込むための第2開口部を有する第2スペーサー、および前記物理量検出素子をはめ込むための第3開口部を有する第3スペーサーを準備する工程と、
    前記基板を前記第1スペーサーの前記第1開口部にはめ込む工程と、
    前記基板の周縁部の一部を露出させるように、該基板および前記第1スペーサーの上に第4スペーサーを敷設する工程と、
    前記基板の周縁部の前記一部を露出させるとともに、平面視において、前記第2開口部が前記第1開口部の内側となるように、前記第4スペーサーの上に前記第2スペーサーを敷設する工程と、
    前記反応基板を、前記第2スペーサーの前記第2開口部にはめ込むとともに、前記基板の露出した前記一部に固定する工程と、
    前記反応基板の周縁部の二箇所を露出させるように、該反応基板および前記第2スペーサーの上に第5スペーサーを敷設する工程と、
    前記反応基板の周縁部の前記二箇所を露出させるとともに、平面視において、前記第3開口部が前記第2開口部の内側となるように、前記第5スペーサーの上に前記第3スペーサーを敷設する工程と、
    前記物理量検出素子を、前記第3スペーサーの前記第3開口部にはめ込むとともに、前記反応基板の露出した前記二箇所に固定する工程と、
    前記第3スペーサー、前記第5スペーサー、前記第2スペーサー、前記第4スペーサー、および前記第1スペーサーを順次取り去る工程と、
    を含み、
    前記第1スペーサーの上面および前記基板の上面、並びに、前記第2スペーサーの上面および前記反応基板の上面は、いずれも互いに面一の関係にある、物理量検出装置の製造方法。
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