JP2011033527A - 基板検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板の反りの発生を防ぎ、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する。
【解決手段】 検査部の検査基板70の各面の配線の電気的特性を検査するための基板検査装置1である。それは、検査部の検査基板を挟むように配置された一対の検査治具11,21であって、各検査治具が、検査基板の配線上の検査点に接触させて検査基板の配線の電気的特性を検査するための複数の検査ピンを備える一対の検査治具と、検査基板を押さえる一対の基板押さえ手段12,22,117,227と、一対の検査治具及び一対の基板押さえ手段を移動するための一対の検査治具移動部10,20とを備え、一対の検査治具移動部が、一対の検査治具及び一対の基板押さえ手段を移動して検査部の検査基板の両面に当接させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 検査部の検査基板70の各面の配線の電気的特性を検査するための基板検査装置1である。それは、検査部の検査基板を挟むように配置された一対の検査治具11,21であって、各検査治具が、検査基板の配線上の検査点に接触させて検査基板の配線の電気的特性を検査するための複数の検査ピンを備える一対の検査治具と、検査基板を押さえる一対の基板押さえ手段12,22,117,227と、一対の検査治具及び一対の基板押さえ手段を移動するための一対の検査治具移動部10,20とを備え、一対の検査治具移動部が、一対の検査治具及び一対の基板押さえ手段を移動して検査部の検査基板の両面に当接させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プリント配線基板に形成された配線に接触子を接触させて当該配線の電気的特性を検査する基板検査装置及び検査治具に関する。
なお、ここではIC、コンデンサー、抵抗等の素子を既に実装した実装基板を回路基板と呼び、素子が未だ実装されていない状態の裸基板をプリント配線基板と呼ぶ。
また、本発明は、プリント配線基板に限らず、例えば、フレキシブル基板、多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリアなど種々の基板や半導体ウエハなどに形成される電気的配線の検査に適用できる。この明細書では、それら種々の配線基板を総称して「基板」と称する。
図5に示すように、基板70をワークホルダー71L,71Rによって保持し、その基板70の表面及び裏面(又はそれぞれ「上面及び下面」という)に形成された検査対象の配線の検査点(図示せず)に、上方及び下方の検査治具72,74のそれぞれの検査ピン76,78の先端を当接させて、所定の配線の電気的特性の測定を行っている。
具体的には、まず、図5(A)に示すように、ワークホルダー71L,71Rによって保持した基板70を所定の検査位置に搬送して、上下の検査治具72,74の間に配置する。
次に、上方の検査治具72を下降させると同時に下方の検査治具74を上昇させて、それぞれの検査ピン76,78の先端を基板70の上面及び下面に形成された検査対象の配線の検査点に当接させる。
通常、植え付け密度の大きな検査ピン76の先端が基板70の表面を押す合計の力は、植え付け密度の小さな検査ピン78の先端が基板70の表面を押す合計の力よりも大である。
そのため、図5(B)に示すように、上方の検査治具72の検査ピン76の先端が、W1の大きさの力で基板70の表面の検査点に当接し、また、下方の検査治具74の検査ピン78の先端が、W2の大きさの力で基板70の裏面の検査点に当接する場合には、W1がW2より大きいため、基板70が下方に反ってしまうことになる。
図5(A)から図5(B)に示すように、基板70が、平坦な状態から下方に反るときには、基板70の表面及び裏面はそれぞれX軸線方向に沿って収縮及び伸長するため、検査ピン76及び78の先端は、その収縮及び伸長によって変化する表面に沿って基板70の表面上を概略X軸線の正又は負の方向に滑動することになる。
検査ピン76に関して、その状況を図6を参照しながら簡単に説明する。図6(A)は、検査ピン76の先端が、平坦な基板70の表面70a上のP1の点に当接した状態を示す。図6(B)は、上方の検査治具72のすべての検査ピン76が基板70に当接することによって、基板が下側に反った状態を示す。
図6(A)の状態では基板70の表面70aは平坦である。図6(B)の状態では基板70の表面70aは反るとともに例えば長さLだけ収縮する。そのため、図6(A)の状態から図6(B)の状態に移行すると、基板70の表面70a上のP1の点は低い側(表面70aに沿った矢印の方向)に距離Lだけ移動することになる。その結果、検査ピン76の先端が、基板70に対し、その表面70a上を点P1から距離L、例えば、10μm離れた点P2まで滑動することになる。
そのように、検査ピン76の先端が基板70の表面70a上を滑動すると、先端の接触位置が所定の検査点から外れてしまったり、検査ピン76の先端と検査点との接触抵抗値が変わってしまったりして、測定抵抗値が変わってしまうことがある。
特許文献1では、基板押さえは基板に当接していないので、上下の検査治具の検査ピンの基板に加わる力の大きさの違いによって基板が反り返ってしまうことによって生じる問題を解消することはできず、また、基板の反り返りを完全に防ぐことができず、その結果、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止することもできない。
また、上下の検査治具の検査ピンの数に大きな違いがある場合には、上下方向から基板に加えられる力の均衡がとれないため、向かい合う力に差が生じた個所には反りやゆがみが基板に生じてしまう。
また、基板にもともと反りがある場合には、特許文献1の基板押さえでは、何らそれを解消したりそれに対処したりすることはできない。
そこで、本発明は、基板の反りの発生を防ぎ、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する検査治具を提供することを目的とする。
また、本発明は、基板の反りの発生を防ぎ、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する基板検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、基板に反りがある場合にはそれを解消して、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する基板検査装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、基板の反りを解消しまた反りの発生を防ぐことにより、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する基板検査装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る基板検査装置は、検査部において検査基板の上面及び下面の配線の電気的特性を検査するためのもので、前記検査部において前記検査基板の上面及び下面に対向するように配置された一対の検査治具であって、各検査治具が、前記検査基板の配線上の検査点に接触させて該検査基板の配線の電気的特性を検査するための複数の検査ピンを備える一対の検査治具と、前記検査基板の前記上面及び下面を押さえる一対の基板押さえ手段と、前記一対の検査治具及び前記一対の基板押さえ手段を移動するための一対の検査治具移動部とを備え、前記一対の検査治具移動部が、前記一対の基板押さえ手段を前記検査基板の前記上面及び下面に当接させ、それから、該一対の検査治具移動部が、前記一対の検査治具を移動して前記検査ピンを前記検査基板の配線上の検査点に接触させることを特徴とする。
その基板検査装置において、各基板押さえ手段が、前記検査基板と当接するプレート部を備えており、該プレート部が前記検査ピンを前記検査点に案内するための貫通孔を有していて、前記検査ピンの先端が前記プレート部の貫通孔内でわずかに引っ込んだ状態で保持されるようにしてもよい。
その基板検査装置において、各検査治具移動部が、さらに、検査治具前進部を備えており、各検査治具前進部が前記各検査治具移動部と各検査治具との間に設けられていて、各検査治具移動部は前記基板押さえ手段のプレート部を前記検査基板に当接させ、その状態で、各検査治具前進部は、前記検査治具を前進させて、前記プレート部の貫通孔内でわずかに引っ込んだ前記検査ピンを前記プレート部の前記貫通孔から突出させてその先端を前記検査基板の配線の検査点に当接させるようにしてもよい。
その基板検査装置において、各基板押さえ手段のプレート部は平坦でもよく、検査基板の形状に対応した形状を持つようにしてもよい。
その基板検査装置において、さらに、ダミーピンを、各検査治具において前記検査ピンが設けられていない箇所に配置しており、前記一対の検査治具移動部が、前記一対の基板押さえ手段を移動して前記検査基板の前記上面及び下面に当接させ、それから、該一対の検査治具移動部が、前記一対の検査治具を移動して前記検査ピン及び前記ダミーピンの先端を前記基板の所定の箇所に当接するようにしてもよい。
その基板検査装置において、さらに、ダミーピンを、各検査治具において前記検査ピンが設けられていない箇所に配置しており、前記検査ピン及び該ダミーピンの先端が前記プレート部の貫通孔内でわずかに引っ込んだ状態で保持され、前記一対の検査治具移動部が、前記一対の基板押さえ手段を移動して前記検査基板の前記上面及び下面に当接させ、それから、該一対の検査治具移動部が、前記一対の検査治具を移動して前記検査ピン及び前記ダミーピンを前記プレート部の貫通孔内を進行させて該検査ピン及び該ダミーピンの先端を前記基板の所定の箇所に当接するようにしてもよい。
また、本発明に係る検査治具は、検査部において検査基板の上面又は下面の配線の電気的特性を検査するため前記配線上の検査点に当接する複数の検査ピンを保持するもので、前記複数の検査ピンが挿通されていて、該検査ピンの先端を前記検査点まで案内する複数の貫通孔を有するガイドプレートと、前記検査ピンの後端部を保持する固定プレートと
ダミーピンとを備え、前記ダミーピンの後端部が、前記固定プレートの前記検査ピンの設けられていない箇所に保持されており、また、前記ダミーピンの先端が、前記ガイドプレートの前記検査ピンが挿通されていない前記貫通孔に挿通されており、前記検査ピンの先端が前記検査基板の配線の検査点に当接する際に前記ダミーピンの先端が該検査基板に当接することを特徴とする。
ダミーピンとを備え、前記ダミーピンの後端部が、前記固定プレートの前記検査ピンの設けられていない箇所に保持されており、また、前記ダミーピンの先端が、前記ガイドプレートの前記検査ピンが挿通されていない前記貫通孔に挿通されており、前記検査ピンの先端が前記検査基板の配線の検査点に当接する際に前記ダミーピンの先端が該検査基板に当接することを特徴とする。
また、本発明に係る基板検査装置は、検査部において検査基板の上面及び下面の配線の電気的特性を検査するためのもので、前記検査部において前記検査基板の上面及び下面に対向するように配置された一対の検査治具と、前記一対の検査治具を移動するための一対の検査治具移動部とを備え、各検査治具が、前記検査基板の上面又は下面の配線上の検査点に当接する複数の検査ピンと、複数の貫通孔を有していて、該複数の貫通孔に前記複数の検査ピンが挿通され、該複数の貫通孔によって前記検査ピンの先端を前記検査点まで案内するガイドプレートと、前記検査ピンの後端部を保持する固定プレートとダミーピンとを備え、前記ダミーピンの後端部が、前記固定プレートの前記検査ピンの設けられていない箇所に保持されており、また、前記ダミーピンの先端が、前記ガイドプレートの前記検査ピンが挿通されていない前記貫通孔に挿通されており、さらに、前記一対の検査治具移動部によって前記一対の検査治具を前記検査基板の上面及び下面に向けて移動して、各検査治具の前記検査ピンの先端を前記検査基板の前記上面又は下面の配線の検査点に当接させるとともに各検査治具の前記ダミーピンの先端を該検査基板の該面の所定の位置に当接させ、それにより、前記一対の検査治具の前記検査ピン及び前記ダミーピンによって前記検査基板を前記上面及び下面から挟んで保持することを特徴とする。
本発明によると、基板の反りの発生を防ぎ、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する検査治具を提供することができる。
本発明によると、基板の反りの発生を防ぎ、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する基板検査装置を提供することができる。
本発明によると、検査ピンを接触させる場合に生じる基板の反りに起因する検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する基板検査装置を提供することができる。
また、本発明によると、基板の反りを解消しまた反りの発生を防ぐことにより、検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する基板検査装置を提供することができる。
さらに、本発明によると、基板の一部の変形を防止することにより、その変形に起因する検査ピンと検査位置との間の滑動や検査ピンと所定の検査位置との接触位置のずれを防止する基板検査装置を提供することができる。
以下に、添付図面に基づいて、本発明の望ましい実施形態に係る基板検査装置及び検査治具について説明を行う。
なお、各添付図において、各部材の厚さ、長さ、形状、部材同士の間隔等は、理解の容易のために、適宜、拡大・縮小・変形・簡略化等を行っている。そのため、それらの寸法や相対的大きさの関係は参考までであり、それにより、本願の特許請求の範囲を限定的に解釈すべきではない。
[基板検査装置の概略の構成]
図1は、本発明の一実施例に係る基板検査装置1の一部を示す側面図である。その図には、第1及び第2の検査治具移動部10,20の移動方向や基板70の動きの理解を容易にする観点からXYZ軸による直交座標系を示す。Y軸は、図1の紙面の表側から裏側に向かう方向が正方向である。他の図面においても、方向を示す場合には、各図に示すXYZ軸による直交座標系に基づくものとする。
図1は、本発明の一実施例に係る基板検査装置1の一部を示す側面図である。その図には、第1及び第2の検査治具移動部10,20の移動方向や基板70の動きの理解を容易にする観点からXYZ軸による直交座標系を示す。Y軸は、図1の紙面の表側から裏側に向かう方向が正方向である。他の図面においても、方向を示す場合には、各図に示すXYZ軸による直交座標系に基づくものとする。
基板検査装置1は、検査部において基板70を保持してX軸に沿って移動するためのワークホルダー71L,71Rと、検査治具11,21をYZ面内で移動するための第1及び第2の検査治具移動部10,20とを備える。第1及び第2の検査治具移動部10,20は、XY面に関して概略上下対称の位置に配置されている。
第1及び第2の検査治具移動部10,20は、それぞれ、駆動モータ18,28によって下降及び上昇移動(Z軸に沿った移動)が行われる。
第1及び第2の検査治具移動部10,20の下方及び上方には、それぞれ、上部プレスベース15及び下部プレスベース25を経由して、検査治具11,21が取り付けられている。検査治具11,21には、それぞれ、下方及び上方に突出するように、基板検査ピン16及び26がそれぞれ取り付けられている。また、上部プレスベース15及び下部プレスベース25には、それぞれ、検査治具11,21を取り囲むように、基板押さえブロック12,22が固定されている。基板押さえブロックは基板押さえ手段として機能する。
基板押さえブロック12,22は、互いに向き合う側に、それぞれ、プレート部12P,22Pを備えており、プレート部12P,22Pには、それぞれ、貫通孔12h,22h、が形成されていて、基板検査ピン16及び26の先端がそれに挿入されている。
通常は、基板検査ピン16及び26の先端は、プレート部12P,22Pの外側の面からわずかに引っ込んだ位置に配置されており、検査時に、プレート部12P,22Pから突出して、それぞれ、基板70の上面(「表面」ともいう)及び基板70の下面(「裏面」ともいう)に形成されている配線の検査点と接触することができる。
例えば、検査ピン16,26の先端は、それぞれ、基板押さえブロック12,22の外側の面から約100〜200μm程度引っ込んでいる。
基板70の上面に形成された配線の検査点の密度は、下面の配線の検査点の密度よりも大きく、例えば、上側の検査治具11には約2000本の基板検査ピン16が取り付けられているのに対し、下側の検査治具21には約1000本の検査治具が取り付けられている。
基板検査ピン16及び26の後端部には、図示せぬ基板検査用の電流源又は電圧源が接続されていて、それによって、基板70上の配線の電気的特性の測定を行うことができる。
[検査治具の動き]
図2Aから図2Cは、基板の検査を行う際の検査治具11,21及び基板押さえブロック12,22がどのように機能するかを説明するための図である。
図2Aから図2Cは、基板の検査を行う際の検査治具11,21及び基板押さえブロック12,22がどのように機能するかを説明するための図である。
簡略化して述べると、最初に、図2A及び図2Bに示すように、基板押さえブロック12,22のプレート部12P,22Pをそれぞれ基板70の上面及び下面に当接させて基板を押さえ込む。
次に、図2Cに示すように、基板検査ピン16及び26の先端をそれぞれ基板70の上面及び下面の配線の検査点に当接させて検査ピンと検査点との電気的接触を図る。
より詳しく述べると、まず、第1及び第2の検査治具移動部10,20の駆動モータ18,28(図1)を駆動して、上部プレスベース15と検査治具11及び基板押さえブロック12とを下降するとともに、下部プレスベース25と検査治具21及び基板押さえブロック22とを上昇させる。
図2Aに示すように、基板押さえブロック12のプレート部12Pが、基板70の上面に当接すると、そのプレート部によって基板70の上面がW10の力で押される。また、図2Bに示すように、基板押さえブロック22のプレート部22Pが、基板70の下面に当接すると、そのプレート部によって基板70の下面はW20の力で押される。W10の力の大きさとW20の力の大きさとは等しい。そのため、基板70は、それらのプレートによって挟まれて、たとえ反りがあったとしてもその反りは押えこまれるため、平坦な状態に保持される。
次に、プレート部12Pとプレート部22Pとによって基板70を上下両方向から挟み込んだ状態で、第1の検査治具移動部10のピエゾステージ14(検査ピン前進部)を駆動して、検査治具11とともに検査ピン16をΔ10だけ下降させる。それにより、図2Cに示すように、検査ピン16は、プレート部12Pの貫通孔12h(図1)内を下降して、その先端が、基板70の上面の配線の検査点(図示せず)に当接する。その際、検査ピン16は、W1の力で基板70に当接する。Δ10は約100〜200μmである。
また、プレート部12Pとプレート部22Pとによって基板70を上下両方向から挟み込んだ状態で、第2の検査治具移動部20のピエゾステージ24(検査ピン前進部)を駆動して、検査治具21とともに検査ピン26をΔ20だけ上昇させる。それにより、図2Cに示すように、検査ピン26は、プレート部22Pの貫通孔22h(図1)内を上昇して、先端が、基板70の下面の配線の検査点(図示せず)に当接する。その際、検査ピン26は、W2の力でその検査点に当接する。Δ20は約100〜200μmである。
この実施形態では、検査ピン16,26が基板70の上面及び下面に当接する際に、基板70は、プレート部12Pとプレート部22Pとによって上下両方向から挟み込まれていて平坦な状態に保持されている。そのため、検査ピン16,26が基板70の上面及び下面に当接する際に、基板70の上面及び下面が凹形状又は凸形状に変形せず伸長又は収縮しないため、検査ピン16,26が基板70の上面及び下面上を滑動することがない。
上記のとおり、上方の検査ピン16と下方の検査ピン26との植え込み密度の相違により、検査ピン16によって基板70に加えられる力W1は、検査ピン26によって基板70に加えられる力W2よりも大である。
例えば、1本の検査ピンが10gの力で基板を押す場合に、検査治具11に検査ピン16が2000本植え込まれているときには、検査ピン16は、全体で、20kgの力W1で基板を押すことになる。一方、検査治具21に検査ピン26が1000本植え込まれているときには、検査ピン26は、全体で、10kgの力W2で基板を押すことになる。このように、検査ピン16が押す力W1は検査ピン26が押す力W2より大である。
しかし、W1は、基板押さえブロック22のプレート部22Pが基板70を押す力W20よりかなり小さく、また、W2は、基板押さえブロック12のプレート部12Pが基板70を押す力W10よりかなり小さいため、W1とW2との力の大きさの違いによって、基板70に反りが引き起こされることはない。言い換えると、W1とW2との力の大きさに違いがあっても、W1とW10との和は、W2とW20との和にほぼ等しい範囲内におさまる。
図3は、図2Cに示す基板検査装置1の一部拡大図であり、図3に示すように、基板押さえブロック12,22のプレート部12P,22Pが、それぞれ、力W10,W20によって基板70を挟み込んでいる。
それに対し、図6を参照して上述したように、基板70に検査ピンが当接した状態でその基板70が反ったり変形したりすると、図6(A)から図6(B)に示すように、基板70の表面70a上の点P1に当接する検査ピン76の先端が、例えば距離Lだけ、基板の表面70a上を点P1から点P2まで滑動することになる。その結果、検査ピン76と基板70の検査点との接触抵抗値が変わってしまうことがある。
本発明では、図3に示すように、基板押さえブロック12,22によって基板70を押さえ込んで平坦を維持した状態で検査ピンを基板に接触させるため、図6で説明したような検査ピンの基板上の滑動は生じない。
[他の基板検査装置の概略の構成]
図4Aは、本発明の他の実施形態に係る基板検査装置の一部を示す。その基板検査装置の一部は、上方及び下方の(Z軸に沿って配置された)検査治具110及び220を備える。また、検査治具110は、ガイドプレート115の貫通孔から突出する検査ピン116と、この検査ピン116の後端部を保持する固定プレート118とを備える。検査治具220は、ガイドプレート225の貫通孔から突出する検査ピン226と、この検査ピン226の後端部を保持する固定プレート228とを備える。
図4Aは、本発明の他の実施形態に係る基板検査装置の一部を示す。その基板検査装置の一部は、上方及び下方の(Z軸に沿って配置された)検査治具110及び220を備える。また、検査治具110は、ガイドプレート115の貫通孔から突出する検査ピン116と、この検査ピン116の後端部を保持する固定プレート118とを備える。検査治具220は、ガイドプレート225の貫通孔から突出する検査ピン226と、この検査ピン226の後端部を保持する固定プレート228とを備える。
検査治具110,220はさらにそれぞれダミーピン117,227を備える。ダミーピン117,227は、図4A及び図4Bでは斜線を付したもので、検査ピン116,226が基板を押す際に、それらの検査ピンとともに基板を押して、検査ピンとダミーピンとの押す力を基板の全面にわたって均一に分散させるためのものである。すなわち、検査ピン及びダミーピンが基板押さえ手段として機能する。
検査治具110のダミーピン117は、検査ピン116とほぼ同じ形状であり、図4Aに示すように、検査ピン116が設けられていない箇所に均一な間隔で配置されている。一方、ダミーピン227は、図4Aに示すように、検査ピン226よりも細く、検査ピン226の設けられていない隙間を埋めるように配置されている。また、ダミーピン117及び227の先端は、それぞれ、検査ピン116及び226の先端と同じ高さの位置まで、ガイドプレート115及び225の貫通孔から突出している。ダミーピン117,227の端部はそれぞれ固定プレート118,228に保持されている。
図4Bは、検査治具110が下降して検査ピン116の先端が基板70の上面に当接するとともに、検査治具220が上昇して検査ピン226の先端が基板70の下面に当接した状態を示す。その図に示すように、検査治具110に設けられたダミーピン117の先端も検査ピン116の先端と同じレベルで基板70の上面に当接しており、また、検査治具220のダミーピン227の先端も検査ピン226の先端と同じレベルで基板70の下面に当接している。
図4Bに示すように、基板70の上面には、検査ピン116及びダミーピン117の先端が均等な間隔で当接しているため、基板70の上面の全面は、検査ピン116及びダミーピン117によって単位面積当たり同じ力で押されている。また、基板70の下面に関しては、検査治具220の検査ピン226の設けられていない箇所には、ダミーピン227が設けられているため、基板70の下面では、検査ピン226のない箇所にはダミーピン227による力が補われている。その結果、基板70の両面は、検査ピン116及びダミーピン117によって加えられる力の和W100と、検査ピン226及びダミーピン227によって加えられる力の和W200とが釣り合っている。すなわち、W100とW200とは等しい。
図4A及び図4Bに示す基板検査装置は、ダミーピンによって基板を押えることによって、基板に上下の両方向から加わる力のバランスを取るようにして、基板が局所的に変形したりすることを防ぐことができる。そのため、平坦な基板を押えて変形を防ぐという観点では、基板押さえブロックと検査ピン及びダミーピンによる基板押さえ手段とは同じように機能する。
[他の実施形態]
上記の実施形態に係る基板検査装置では、基板の反りを防ぐために、平坦なプレート部を備える基板押さえブロックやダミーピンを用いた。しかし、検査ピンの先端が基板面上を滑動することを防ぐにあたって、例えば、基板が反っていた場合に、その反りをなくすのではなく、その反りの形状を保持するように押さえ込むことができれば、それに当接する検査ピンが移動することはない。そのため、例えば、基板押さえブロックのプレート部を基板の変形した形状と一致する形状に形成するようにしてもよい。また、ダミーピンの先端の位置に高低差を設けて、基板の変形した形状にそのまま合うようにダミーピンを検査治具に取り付けてもよい。
上記の実施形態に係る基板検査装置では、基板の反りを防ぐために、平坦なプレート部を備える基板押さえブロックやダミーピンを用いた。しかし、検査ピンの先端が基板面上を滑動することを防ぐにあたって、例えば、基板が反っていた場合に、その反りをなくすのではなく、その反りの形状を保持するように押さえ込むことができれば、それに当接する検査ピンが移動することはない。そのため、例えば、基板押さえブロックのプレート部を基板の変形した形状と一致する形状に形成するようにしてもよい。また、ダミーピンの先端の位置に高低差を設けて、基板の変形した形状にそのまま合うようにダミーピンを検査治具に取り付けてもよい。
また、図1、図2Aから図2D及び図3に示す実施形態(以下、「図1の実施形態」という)に、図4A及び図4Bに示す実施形態を組み合わせた実施形態(以下、「図4Aの実施形態」という)を組み合わせて用いることもできる。つまり、図1の実施形態において、検査治具11,21の基板検査ピン16及び26の設けられていない箇所に、図4Aの実施形態のようなダミーピンを設ける。それにより、基板押さえブロック12,22のプレート部12P,22Pの貫通孔12h,22hから、基板検査ピン16及び26とともに、ダミーピンも突出させるようにする。
その実施形態によると、一対のプレート部によって基板を上下から押えることにより、基板を平坦にすることができる。また、ダミーピンによって基板の両面に均等な力を加えることにより、基板を平坦な状態に保持することができる。そのため、両方を組み合わせたこの実施形態によると、基板をより確実に平坦な状態に維持して検査ピンの滑動を防止することができる。
上記の図1から図3の実施形態に関しては、複数の検査ピン16及び26の全部の検査ピンによって検査基板の両面から対向する向きに当接した際の力が加えられた場合に、各面を押すそれぞれの全体としての力の大きさの差によって検査基板に反りが生じるという課題を解消する観点から説明した。
一方、検査基板の各面に注目すると、検査基板の面上では、検査ピンが当接する部分には検査ピンによる押圧力が加わるため、その当接する部分は窪み、たとえ基板が全体としては平面状態を保っていたとしても、検査基板の面の各部分は局所的に見ると変形し、その変形した部分において、検査ピンの滑動が生じることがある。そのような検査ピンの滑動によって、基板全体が変形したときと同様に、検査ピンの先端と検査点との接触抵抗値が変わってしまうことがある。また、ダミーピンを用いた場合でもその先端が当接した部分でも同様の変形が生じることがある。
そのような場合、図1から図3に基づいて説明した上記の実施形態の基板押さえブロック12,22を用いることができる。そのプレート部12P,22Pには貫通孔12h,22h、が形成されていて、基板検査ピン16及び26の先端がそれに挿入されている。図2Bに示すように、プレート部12P,22Pによって基板70を上下両方向から挟み込むと、基板70の両面は、貫通孔が形成された部分を除いて、プレート部12P,22Pによって平坦に維持されている。そのため、その状態で、基板検査ピン16及び26の先端が基板に当接しても、その部分はほとんど変形しない。このように、基板押さえブロック12,22は、検査基板の局所的な変形を防ぐという観点からも有効である。
以上、本発明に係る基板検査装置のいくつかの実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に拘束されるものではなく、当業者が容易になしえる追加、削除、改変等は、本発明に含まれるものであり、また、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められることを承知されたい。
1・・・基板検査装置
10・・・第1の検査治具移動部
11,21,110,220・・・検査治具
12,22・・・基板押さえブロック
12h,22h・・・貫通孔
14,24・・・検査ピン前進部
16,26,116,226・・・検査ピン
20・・・第2の検査治具移動部
70・・・基板
117,227・・・ダミーピン
10・・・第1の検査治具移動部
11,21,110,220・・・検査治具
12,22・・・基板押さえブロック
12h,22h・・・貫通孔
14,24・・・検査ピン前進部
16,26,116,226・・・検査ピン
20・・・第2の検査治具移動部
70・・・基板
117,227・・・ダミーピン
Claims (9)
- 検査部において検査基板の上面及び下面の配線の電気的特性を検査するための基板検査装置であって、
前記検査部において前記検査基板の上面及び下面に対向するように配置された一対の検査治具であって、各検査治具が、前記検査基板の配線上の検査点に接触させて該検査基板の配線の電気的特性を検査するための複数の検査ピンを備える一対の検査治具と、
前記検査基板の前記上面及び下面を押さえる一対の基板押さえ手段と、
前記一対の検査治具及び前記一対の基板押さえ手段を移動するための一対の検査治具移動部とを備え、
前記一対の検査治具移動部が、前記一対の基板押さえ手段を前記検査基板の前記上面及び下面に当接させ、それから、該一対の検査治具移動部が、前記一対の検査治具を移動して前記検査ピンを前記検査基板の配線上の検査点に接触させる、基板検査装置。 - 請求項1の基板検査装置において、
各基板押さえ手段が、前記検査基板と当接するプレート部を備えており、該プレート部が前記検査ピンを前記検査点に案内するための貫通孔を有していて、前記検査ピンの先端が前記プレート部の貫通孔内でわずかに引っ込んだ状態で保持される、基板検査装置。 - 請求項2の基板検査装置において、各検査治具移動部が、さらに、検査治具前進部を備えており、各検査治具前進部が前記各検査治具移動部と各検査治具との間に設けられていて、各検査治具移動部は前記基板押さえ手段のプレート部を前記検査基板に当接させ、その状態で、各検査治具前進部は、前記検査治具を前進させて、前記プレート部の貫通孔内でわずかに引っ込んだ前記検査ピンを前記プレート部の前記貫通孔から突出させてその先端を前記検査基板の配線の検査点に当接させる、基板検査装置。
- 請求項2の基板検査装置において、
各基板押さえ手段のプレート部は平坦である、基板検査装置。 - 請求項2の基板検査装置において、
各基板押さえ手段のプレート部が前記検査基板の形状に対応した形状を持つ、基板検査装置。 - 請求項1の基板検査装置において、
さらに、ダミーピンを、各検査治具において前記検査ピンが設けられていない箇所に配置しており、前記一対の検査治具移動部が、前記一対の基板押さえ手段を移動して前記検査基板の前記上面及び下面に当接させ、それから、該一対の検査治具移動部が、前記一対の検査治具を移動して前記検査ピン及び前記ダミーピンの先端を前記基板の所定の箇所に当接する、基板検査装置。 - 請求項2の基板検査装置において、
さらに、ダミーピンを、各検査治具において前記検査ピンが設けられていない箇所に配置しており、前記検査ピン及び該ダミーピンの先端が前記プレート部の貫通孔内でわずかに引っ込んだ状態で保持され、前記一対の検査治具移動部が、前記一対の基板押さえ手段を移動して前記検査基板の前記上面及び下面に当接させ、それから、該一対の検査治具移動部が、前記一対の検査治具を移動して前記検査ピン及び前記ダミーピンを前記プレート部の貫通孔内を進行させて該検査ピン及び該ダミーピンの先端を前記基板の所定の箇所に当接する、基板検査装置。 - 検査部において検査基板の上面又は下面の配線の電気的特性を検査するため前記配線上の検査点に当接する複数の検査ピンを保持する検査治具であって、
前記複数の検査ピンが挿通されていて、該検査ピンの先端を前記検査点まで案内する複数の貫通孔を有するガイドプレートと、
前記検査ピンの後端部を保持する固定プレートと
ダミーピンとを備え、
前記ダミーピンの後端部が、前記固定プレートの前記検査ピンの設けられていない箇所に保持されており、また、前記ダミーピンの先端が、前記ガイドプレートの前記検査ピンが挿通されていない前記貫通孔に挿通されており、
前記検査ピンの先端が前記検査基板の配線の検査点に当接する際に前記ダミーピンの先端が該検査基板に当接する、検査治具。 - 検査部において検査基板の上面及び下面の配線の電気的特性を検査するための基板検査装置であって、
前記検査部において前記検査基板の上面及び下面に対向するように配置された一対の検査治具と、
前記一対の検査治具を移動するための一対の検査治具移動部とを備え、
各検査治具が、
前記検査基板の上面又は下面の配線上の検査点に当接する複数の検査ピンと、
複数の貫通孔を有していて、該複数の貫通孔に前記複数の検査ピンが挿通され、該複数の貫通孔によって前記検査ピンの先端を前記検査点まで案内するガイドプレートと、
前記検査ピンの後端部を保持する固定プレートと
ダミーピンとを備え、
前記ダミーピンの後端部が、前記固定プレートの前記検査ピンの設けられていない箇所に保持されており、また、前記ダミーピンの先端が、前記ガイドプレートの前記検査ピンが挿通されていない前記貫通孔に挿通されており、
さらに、前記一対の検査治具移動部によって前記一対の検査治具を前記検査基板の上面及び下面に向けて移動して、各検査治具の前記検査ピンの先端を前記検査基板の前記上面又は下面の配線の検査点に当接させるとともに各検査治具の前記ダミーピンの先端を該検査基板の該面の所定の位置に当接させ、それにより、前記一対の検査治具の前記検査ピン及び前記ダミーピンによって前記検査基板を前記上面及び下面から挟んで保持する、基板検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009181507A JP2011033527A (ja) | 2009-08-04 | 2009-08-04 | 基板検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009181507A Pending JP2011033527A (ja) | 2009-08-04 | 2009-08-04 | 基板検査装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017211277A (ja) * | 2016-05-25 | 2017-11-30 | ヤマハファインテック株式会社 | 電気検査方法及び電気検査装置 |
CN112475506A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-03-12 | 合肥迅驰电子科技有限责任公司 | 一种电路板焊接用固定夹具 |
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2009
- 2009-08-04 JP JP2009181507A patent/JP2011033527A/ja active Pending
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CN107436405A (zh) * | 2016-05-25 | 2017-12-05 | 雅马哈精密科技株式会社 | 电气检查方法以及电气检查装置 |
CN112475506A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-03-12 | 合肥迅驰电子科技有限责任公司 | 一种电路板焊接用固定夹具 |
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