JP2011033501A - フィードバック回路を有する電界・磁界・電圧検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバの屈曲により光ファイバの透過損失が変動し、測定装置としての光電磁界センサの感度安定性が損なわれること無く、十分に使用可能な信頼性の高い電磁界センサを提供することにある。
【解決手段】強度変調された測定信号のDCレベルが一定値となるように光によるフィードバック回路の設置を行なうこと、または電気回路によるフィードバック回路を設置することにより、光ファイバの屈曲により発生した透過損失を補償することで、あたかも光ファイバの透過損失変動が存在しなかったかの様にRF信号を出力することによって、高安定性の光電磁界センサが得られる。

【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光源並びに光学結晶を使用して、空間を伝搬する電磁波の電界強度を測定する装置または受信アンテナからの受信電圧を光変調し伝送する光伝送装置であって、主としてEMC(電磁環境問題/electoromagneticcompatibility)分野で電波や電磁ノイズの特性測定用の計測器として用いられる電界センサと共に、携帯電話等の特定周波数の信号電波を検出するアンテナとしても機能する伝送装置に関する。
一般に、コンピュータ等の情報機器や通信機器,ロボット等のFA機器,或いは自動車や鉄道等の制御器等の多くの電気機器は、外部からの電磁ノイズによって常に誤動作等の悪影響を受ける危険性を持つことが知られている。
そこで、最近のEMC分野においては、外部の電磁環境や悪影響を及ぼすような電磁ノイズの大きさ、或いは電気機器自体が発生するノイズ等を正確に測定することが重要となっている。
従来、上述した電磁ノイズを測定するためには、以下に説明するような三つの技術的手法が適用されている。
第1の手法は、通常のアンテナを用いて電磁ノイズを受信し、同軸ケーブルで測定器まで導くものである。又、第2の手法は、電磁ノイズをアンテナを用いて受信し、その受信信号を検波した後に光信号に変換して光ファイバを介して測定器まで導くものである。更に、第3の手法は、印加される電界強度に応じて透過光の強度が変化するように構成された光学素子を用いて電磁ノイズの電界強度変化を光強度変化に変換し、光学素子と光源及び測定器に接続された光検出器との間を光ファイバで接続するものである。
このうち、第1の手法は最も一般的であるが、同軸ケーブル等の電気ケーブルの存在により電界分布を乱す、或いはケーブル途中からノイズ混入の危険がある等の問題があるため、現在では光ファイバを用いた第2の手法及び第3の手法が検討されている。
又、第2の手法は、ダイオードで検波した検波信号を増幅して発光ダイオードに加えて光信号に変換して光ファイバで光検出器に導くものであるが、センサヘッドにおいて電気回路やバッテリを必要とするため、或る程度の大きさの金属部分が存在して形状も大きくなってしまうという問題がある他、電界の検出感度が低くて応答速度が遅いという欠点がある。
更に、第3の手法は、電界強度を透過光の強度変化に変換し、最終的に電気出力に復調する方式であり、第1、第2の方法と区別するため光電界センサと呼ばれている。その素子構造としては、小型アンテナを接続して光ファイバの出射光をレンズで平行光として素子中を通過させ、素子中の電界により偏光方向を回転させて検光子により光強度変調に変換し再び光ファイバに結合するバルク型光電界センサと、素子上に設けた光導波路により電界強度を光強度変調に変換する導波路型光電界センサとがある。通常、導波路型光電界センサの方がバルク型光電界センサよりも10倍以上検出感度が高くなっているものの、導波路型光電界センサに比べバルク型光電界センサの方がセンサ部を小型化でき、高周波まで検出できるため、その用途によって使い分けることが検討されている。
図6は、従来の光電界センサの基本構成を示したものであり、図7はその電界センサに用いられるバルク型光電界センサヘッドの細部構成を斜視図により示したものである。
ここで図7のセンサヘッドは、偏光子6、波長板7、検光子8、電気光学素子9、平行電極14、アンテナ15から構成される。
入力されたレーザ光16が偏光子6によって特定の方向の直線偏波のみ透過し、この直線偏波が波長板7によって任意の角度に回転され電気光学素子9に入射される。ここで、入射されたレーザ光は、加えられた電界強度に従って偏波方向が回転し、検光子8の偏光方向成分のみ透過する。この効果を使って入力電界強度を光強度変調に変換することで印加された電界強度が測定できる。
図8は導波路型光電界センサに用いられるセンサヘッドの細部構成を斜視図により示したものである。
ここで図8のセンサヘッドは、ニオブ酸リチウム単結晶基板10上の所定箇所にそれぞれ一対の変調用電極14’が設置され、アンテナ15’に接続されている。一対の変調用電極14’の一方側には入射光導波路11から分岐した位相シフト光導波路12が結合され、他方側では位相シフト光導波路12が合流して出射光導波路13が形成されている。入射光導波路11の入射端には入射光用に光ファイバ2’が結合され、出射光導波路13の出射端には出射光用に光ファイバ3’が接続されている。
導波路型光電界センサでは、光源1’から光ファイバ2’を通った光がセンサヘッド4’に入射光として入射される。センサヘッド4’においては、入射光が入射光導波路11に入射された後、二つの位相シフト光導波路12によりエネルギーが分割されて一対の変調用電極14’の間に伝送される。ここで、外部から電界が印加された場合、アンテナ15’により一対の変調用電極14’に対して電圧が誘起され、電極間の位相シフト光導波路12の片側に電界成分が生じる。この結果、電気光学効果により屈折率変化が生じて位相シフト光導波路12を伝搬する光波間には印加電界の大きさに応じた位相差が変化する。即ち、印加電界強度に応じて出射光導波路13を経て光ファイバ3’に出射される出射光の強度は変化することになり、その光強度変化を光検出器(受光器)17’で測定することにより印加電界の強度を測定できる。
一方、図9に示すように、電界計測用途ではなく、アンテナ15’’の受信特性を評価する目的や、図示はしないがハイインピーダンス入力であることを利用して、電圧信号伝送のために、高周波コネクタ18などで被測定アンテナ15’’と変調用電極14を電気的に接続することにより、アンテナ15’の受信電圧信号を光強度信号に変換して伝送する電圧検出装置として利用できる。
これは、バルク型光電界センサ、導波路型光電界センサともに応用可能であるが、前述の電界測定用途および後述のアンテナ計測用途等の光伝送装置の両者を総称して光電界センサとする。
なお、バルク型電界センサにおいて、電気光学効果を持つ素子の代わりに磁気光学効果を持つ素子とすることによって、全く同様な原理により、磁界を検出する光磁界センサとすることができる。
更に、導波路型電界センサのアンテナをループアンテナの様に磁界検出型のアンテナとすることによっても光磁界センサとすることができる。
上述の様に、光電界センサおよび光磁界センサは構造的に本質的な相違が無いため、光電磁界センサと標記する。
ところで、最近では取り扱い易さの必要から、図10に示す様に、センサヘッド4’’’について電気光学素子端、磁気光学素子端に、または図11に示す様に位相シフト光導波路端に光学的な鏡20,20’を設置することにより、出射光側ファイバの無い、反射型と呼ばれる光電磁界センサが提案され、利用されている。 この場合、光電界センサヘッドへ入射する光と光電界センサヘッドから戻る光を分離するために光サーキュレータ19が使用される。
特開平07−020159号公報 特開平07−294575号公報 特開2000−338154号公報
このような光電磁界センサに使用される光ファイバは、曲げ・圧縮・引っ張りなどの応力によって光の透過損失が増大することが知られている。
光電磁界センサヘッドを移動させながら電磁界強度または伝送信号強度を測定する際に、センサヘッドの移動に伴い光ファイバにも応力がかり、さらにその応力の大きさが変動することは常に発生する。
例えば図12のように光センサヘッド4を移動させながら測定する場合、光センサヘッド4の移動により、光ファイバ2は22において、曲げ応力の付与またはその応力の開放を受ける。
このような光ファイバへの応力付与およびその応力の開放により、光ファイバの透過損失が増大または減少してしまうと、光源1の光強度が増大または減少しているのと等価であり、これによってたとえば同一の電界強度であっても測定値が変動してしまい、測定結果の信頼性を損ねてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、光ファイバの屈曲により光ファイバの透過損失が変動し、測定装置としての光電磁界センサの感度安定性が損なわれること無く、十分に使用可能な信頼性の高い電磁界センサを提供することにある。
本発明によれば、強度変調された測定信号のDCレベルが一定値となるように光によるフィードバック回路の設置を行なうこと、または電気回路によるフィードバック回路を設置することにより、光ファイバの屈曲により発生した透過損失を補償することで、あたかも光ファイバの透過損失変動が存在しなかったかの様にRF信号を出力することによって、高安定性の光電磁界センサが得られる。
以上に説明したように、本発明の出力一定制御回路つきアンプによるフィードバック回路によれば、光ファイバに応力が発生しても光電磁界センサについて安定したRF出力が得られる。
本発明の一実施例に係るフィードバック回路つき透過型光電界センサの構成を示したものである。 本発明の他の実施例に係るフィードバック回路つき反射型光電界センサの構成を示したものである。 図1および図2に示すフィードバック回路の基本構成を示したものである。 光ファイバの透過損失が無いときの光電界センサの入力電圧と動作曲線を示したものである。 光ファイバの透過損失が増大したときの入力電圧と動作曲線を示したものである。 従来の透過型光電界センサの構成を示したものである。 バルク型光電界センサのセンサヘッドの一例である。 導波路型光電界センサのセンサヘッドの一例である。 外部アンテナを使用した光電界センサの構成を示したものである。 従来の反射型光電界センサの構成をしめしたものである。 導波路型光電界センサ(反射型)のセンサヘッドの一例である。 光電界センサの使用時に出現する光ファイバの曲げ応力を示した一例である。
以下に実施例を挙げ、本発明のフィードバック回路を用いた光電磁界センサについて、図面を参照して詳細に説明する。
バルク型光電界センサ並びに導波路型光電界センサは共に、光電界センサヘッドの平行電極に加えられた電圧を光強度変調に変換するわけであるが、その関係は図3の様に表される。
光源からPの光パワーで出力された入射光(図3−1)は、透過損失が無い場合光電界センサヘッドを通過する際に平行電極間の電圧(図3−3)によって三角関数的に0〜100%の透過率となる様変化する(図3−2)。 このグラフの曲線を動作曲線と呼ぶ。
このとき、平行電極間に電圧が印加されない時の透過率を動作点(Operating Point)と呼ばれているが、50%の透過率が動作点である場合において、最も感度が高く出来るため、通常、動作点は50%の位置に決定される。
ここで、平行電極間に印加される電圧を±Viとすると、光電界センサヘッドの透過率は動作点のA―B上を移動し、透過された光は図3−4の様に平均値がOPであり振幅が1/2A’B’となる変調光が得られる。
一方、光ファイバへの応力等によって透過損失が発生し、光電界センサヘッドへの入射光がPからPに変化した場合には図4の様になる。
図3と同じ様に光電界センサヘッドの平行電極間に±Viの電圧が印加された場合、動作曲線は図4−2となり動作点OPはOPに比べ低くなり、透過された変調光の振幅は1/2C’D’となる。
ここで、図3-4のOP’をOP’まで増幅することによって、振幅1/2C’D’を1/2A’B’とすることができ、光ファイバの透過損失を補正することができる。
動作点OP1’およびOP2’は、図3−4および図4−4の時間平均値またはローパスフィルタ透過によるDC出力によって得られる。
従って、光回路または電気回路中に可変増幅器を設置することによって、動作点OP2が一定値になる様に増幅率を常に調整すれば、光ファイバの透過損失変動を補正することができる。
図1には、本発明の一実施例に係る透過型光電界センサにフィードバック回路5を設置した基本構成を示したものであり、センサヘッド4と光検出器17との間に光フィードバック回路を設置している。 更に図3にはフィードバック回路部の詳細構成を示した。
ここで、図3に出力一定制御式の光ファイバアンプの例としてエルビウムをドープした光ファイバアンプ(以下EDFAと呼ぶ)と980nm励起用レーザ光源27を使用することにより光信号を光の状態のままで増幅することのできる光ファイバ増幅器28と、信号光のDCレベルを検知し、これを一定値にする様励起用レーザの発光パワーを調節する信号出力安定化回路(ALC回路)30を具備したものを示す。
このとき、光ファイバアンプの出力が一定値となるように、光ファイバアンプへの入力信号光の一部を分波器23により検出器24へ導入し、入力信号光のDCレベルが一定値となるように励起用光源の出力を制御している。
ここで、励起用レーザ光源27とErドープ光ファイバ28によって増幅された信号光は、分波器26によって一部を分離され、検出器25に導かれる。
検出器25によって信号光のDCレベルを検出し、参照信号としてALC回路30へ入力される。
このようにして、光電界センサヘッドから出射された変調信号光は、図2の光フィードバック回路に入力され、変調信号のDCレベルが一定となる様に制御された後、光検出器17””に入射され、RF信号として取り出される。
すなわち、図1〜3に示すフィードバック回路により、図4および図5のOP1およびOP2はすべて透過損失増大によるレベル低下であるため比例関係にあり、OPおよびOP2時間平均における光強度(DCレベル)をOPの光強度時間平均と同じになる様に増幅することでOPに戻すことができる。
従って、光強度信号OPの一部をモニターし、DCレベルが一定値になる様に常にアンプゲインを制御するフィードバック回路の設置により、光ファイバの応力による透過損失の発生に関わらず一定のDCレベルの変調光が得られ、これを光検出器で電気信号に変換し、RF信号を安定に出力することが可能となる。
これにより、フィードバック回路無しの場合には1dB以上のRF出力変動があったものが、0.2dB以下に出力変動を抑えることができた。
なお、反射型の光電界センサについては、同様のフィードバック回路を図2の様に光サーキュレータ19と光検出器17との間に前述の光ファイバアンプを設置すれば同様の効果が得られるため、本発明の実施例に制限されない。
更に、本発明の実施例において、出力一定制御回路つき光ファイバアンプについて説明したが、光検出器後段のRFアンプを出力一定制御回路つきの可変アンプとしても同一の効果が得られるため、本発明の実施例に制限されない。
1 光源
2 光ファイバ1
3 光ファイバ2
4 センサヘッド
5 フィードバック回路
6 偏光子
7 波長板
8 検光子
9 電気光学素子
10 ニオブ酸リチウム単結晶基板
11 入射光導波路
12 位相シフト光導波路
13 出射光導波路
14 平行電極
15 アンテナ
16 レーザ光
17 光検出器
18 高周波コネクタ
19 光サーキュレータ
20 反射板
21 センサヘッド移動方向
22 光ファイバの曲げ応力発生部
23 分波器 1
24 光検出器 1
25 光検出器 2
26 合波器
27 励起用LD
28 Erドープ光ファイバ
29 分波器 2
30 ALC回路

Claims (9)

  1. 光電磁界センサにおいて、出力一定制御回路を含む可変アンプからなるフィードバック回路を設置したことを特徴とする電界・磁界・電圧検出装置。
  2. 請求項1記載の光電磁界センサにおいて、電気光学効果を有する素子に直線偏波のレーザ光を入射し、印加された電界強度に従って偏波の角度が変化することを利用したバルク型光電界センサとしたことを特徴とする電界・電圧検出装置。
  3. 請求項1記載の光電界センサにおいて、電気光学効果を有する素子に光導波路を形成し、直線偏波のレーザ光を入射し、印加された電界強度に従って偏波の角度が変化することを利用した導波路型光電界センサとしたことを特徴とする電界・電圧検出装置。
  4. 請求項1記載の光電界センサにおいて、電気光学効果を有する素子にマッファツェンダー型光導波路を形成し、直線偏波のレーザ光を入射し、印加された電界強度に従って光強度変調が行なわれることを利用した導波路型光電界センサとしたことを特徴とする電界・電圧検出装置。
  5. 請求項1〜4の光電界センサにおいて、光ファイバが電気光学効果を有する素子の対向する2面の両端に有した透過型であることを特徴とする電界・電圧検出装置。
  6. 請求項1〜4の光電界センサにおいて、電気光学効果を有する素子の片端に光ファイバを有し、他端を鏡とした反射型であることを特徴とする電界・電圧検出装置。
  7. 請求項1記載の可変アンプを光ファイバアンプとしたことを特徴とする電界・電圧検出装置。
  8. 請求項1記載の可変アンプをRFアンプとしたことを特徴とする電界・電圧検出装置。
  9. 請求項1〜2および5〜8において、磁気光学効果を有する素子としたことを特徴とする磁界検出装置。
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