JP2011033417A - トンネル下地に内装材を取り付ける前の予備工法、及びトンネル下地に取り付けられた内装材の剥落防止特性評価方法 - Google Patents

トンネル下地に内装材を取り付ける前の予備工法、及びトンネル下地に取り付けられた内装材の剥落防止特性評価方法 Download PDF

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弘悦 菊地
Toru Yabe
徹 谷辺
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Abstract

【課題】トンネル内壁に取り付けた内装材の剥落防止に関する有効な技術を提供することである。
【解決手段】トンネル下地に取付具が用いられて内装材が取り付けられるトンネルの模擬トンネルに取付具を取り付ける取付具配設工程と、模擬トンネルに内装材を取り付ける内装材配設工程と、前記取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させる変動圧作用工程と、前記作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程とを具備する方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、トンネル下地に取り付けられる内装材の剥落防止技術に関する。
図6に示される如く、トンネルの内壁(コンクリートや鋼材等のトンネル下地の内面側)を耐火被覆材や反射板等の内装材で覆うことが提案されている。この内装材の取付けには、特開2003−239693号公報や特開2007−211442号公報に示される如く、取付具が用いられている。このような内装材が取り付けられているトンネルとしては、例えば道路トンネルや鉄道トンネル等が挙げられる。
特開2003−239693号公報 特開2007−211442号公報
さて、トンネルを車両が通行すると、動風圧が生じ、内装材の表面に変動圧が掛かる。頻繁に繰り返して車両が通行することから、変動圧が内装材の表面に繰り返して頻繁に掛かる。この繰り返して頻繁に作用する変動圧により、内装材や取付具には、これ等の部材をトンネル内壁から引き剥がすような引張応力が作用する。そして、引張応力により取付具が引き抜かれたり、内装材にひび割れが起きると、内装材はトンネル下地から剥落する。そうすると、そもそも、内装材を取り付けた効果が失われるのみではなく、剥落した内装材や取付具がトンネルを通過する車両に当り、事故の原因ともなり兼ねない。
ところで、本発明者の知る限り、トンネル内壁に取り付けた内装材の剥落防止に関する有効な技術は無い。特に、内装材の剥落防止を定量的に評価し、剥落防止に役立てる有効な技術は無い。
しかしながら、内装材の剥落防止、即ち、車両の通過で繰り返し発生する負圧が原因となって起きる内装材の剥離や取付具の破壊の限度を評価し、剥落防止を図ることは非常に意義が高い。
従って、本発明が解決しようとする第1の課題は、トンネル内壁に取り付けた内装材の剥落防止に関する有効な技術を提供することである。
本発明が解決しようとする第2の課題は、トンネルに内装材を取り付ける前に模擬トンネルに取り付けられた内装材などが安全基準を満たすか否かを判定し、安全基準が満たされている場合には、前記取付方で内装材を実際のトンネルに取り付けるようになし、安全基準が満たされて無い場合には、前記取付方とは異なる取付方で内装材を取り付け、この取り付けられた内装材が安全基準を満たすか否かを判定することにより、内装材の剥落防止を図ることが出来る技術を提供することである。
本発明が解決しようとする第3の課題は、トンネル内壁に取り付けた内装材の剥落防止特性を評価できる技術を提供することである。
尚、例えば特公平6−72836号公報や特開平8−233697号公報には、カーテンウォールやガラスパネル等の建材の耐動風圧性能を試験する装置が提案されている。しかしながら、これらの公報に記載の技術は、板状の建材が動風圧に耐え得るか否かを試験するもので、取付具を用いて取り付けた内装材が剥落するか否かを試験するものでは無い。そして、特公平6−72836号公報や特開平8−233697号公報に開示の技術と本願発明とは、基本的な技術思想が全く異なっており、例えば解決しようとする課題が異なり、かつ、互いの構成要件も相違し、そして奏される効果も異なっている。
前記第1の課題は、
トンネル下地に取付具が用いられて内装材が取り付けられるトンネルの模擬トンネルに取付具を取り付ける取付具配設工程と、
模擬トンネルに内装材を取り付ける内装材配設工程と、
前記取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させる変動圧作用工程と、
前記作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程
とを具備することを特徴とする方法によって解決される。
より好ましくは、上記の方法であって、模擬トンネル表面にフィルムを配設するフィルム配設工程を更に具備し、内装材配設工程は前記フィルムの表面に内装材が取り付けられる工程である方法によって解決される。すなわち、模擬トンネルと内装材との間にフィルムを介在させておくことにより、フィルムが無い場合に比べて、内装材と模擬トンネルとの接着力(密着力)が弱まり、変動圧(負圧)によって内装材は剥落し易くなるので、より安全性の高い評価が可能になるからである。すなわち、斯かるものとした場合、内装材は模擬トンネルに固着してないので、内装材に掛かる負圧によって、取付具には引き抜き方向の力が作用し、内装材には曲げ応力が作用してひび割れが引き起こされるようになり、内装材が剥落し易くなるので、より安全性の高い評価が可能になるからである。内装材がモルタル等の無定形の場合に、模擬トンネル表面にフィルムを配設することは、特に有効である。
又、より好ましくは、上記の方法であって、内装材配設工程で取り付けられた内装材の周辺部にシール材が設けられるシーリング工程を更に具備し、前記シーリング工程で設けられたシール材により内装材と模擬トンネルとの間の気密性が向上せしめられてなる方法によって解決される。すなわち、内装材と模擬トンネルとの間の気密性を向上させておくことで、変動圧(負圧)が内装材に確実に作用するようになるからである。例えば、内装材と模擬トンネルとの間の気密性が全く無い場合、負圧が内装材に掛かり難い恐れが有るからである。
又、より好ましくは、上記の方法であって、変位量測定工程によって得られた各々の変位量が各々の材の疲労限界時の変位量を越えるものであった場合、模擬トンネルに前記変位量測定工程とは異なる構成の取付具及び/又は内装材を取り付け、該構成の取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させ、この作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程を更に具備する方法によって解決される。
又、より好ましくは、上記の方法であって、変位量測定工程によって得られた各々の変位量が各々の材の最大荷重の1/6の荷重時の変位量を越えるものであった場合、模擬トンネルに前記変位量測定工程とは異なる構成の取付具及び/又は内装材を取り付け、該構成の取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させ、この作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程を更に具備する方法によって解決される。
上記本発明において、変動圧作用工程で作用させられる圧は、特に好ましくは次の条件のものである。(最大圧−最小圧)が0.5〜20kPaである。より好ましくは、0.8kPa以上である。更には、1kPa以上である。中でも、5kPa以上である。そして、10kPa以下である。そして、繰り返して変動圧力が作用することによって、内装材には、内装材を引き剥がそうとする負圧が作用する。すなわち、(最大圧−最小圧)が小さ過ぎる場合には、生ずる負圧が小さく、本願発明の目的が達成され難いからである。(最大圧−最小圧)が大き過ぎる場合には、必要とする装置が大掛かりなものとなる。従って、上記条件のものが好ましかった。変動の繰り返しは、即ち、変動1サイクルの時間としては、0.5秒〜60分である。より好ましくは、6秒〜60秒である。すなわち、1サイクルの時間が長すぎることは、圧の変動度がゆっくりしたものになり、これでは負圧が内装材に効果的に作用し難かったからである。又、1サイクルの時間が短すぎるのは、より高い能力の装置が必要となる。変動圧作用工程で作用させられる圧は、負圧のみとすることが、用いる装置が簡素化できること及び内装材とトンネル下地との間隔が無い場合でも本発明を有効に行えることから好ましい。
前記第1及び第2の課題は、トンネル下地に取付具が用いられて内装材が取り付けられる前に行われる予備工法である上記方法によって解決される。
前記第1及び第3の課題は、トンネル下地に取付具が用いられて取り付けられた内装材の剥落防止特性を評価する方法である上記方法によって解決される。
取付具を用いてトンネルに取り付けた内装材の剥落防止を図ることが出来る。
ステンレス製メッシュの概略図 模擬トンネルに取り付けた内装材の平面図 模擬トンネルに取り付けた内装材の剥落防止特性を調べる際の装置の概略断面図 変動圧(負圧)を作用させた際に内装材(耐火被覆材)に生じた最大歪と動風圧サイクル数との関係を示すグラフ 変動圧(負圧)を作用させた際に取付具(アンカー)に生じた最大歪と動風圧サイクル数との関係を示すグラフ 内装材を取り付けたトンネルの概略断面図
本発明は方法の発明である。この方法は、一つには、トンネル下地に取付具が用いられて内装材が取り付けられる前に行われる予備工法である。すなわち、取り付けられた内装材が基準を満たす場合には、設計を変更すること無く、そのまま同様に行って内装材を取り付ければ良い。取り付けられた内装材が基準を満たさない場合には、設計変更を行い、設計変更された内容で取り付けられた内装材が基準を満たす場合には、その設計内容で内装材を取り付ければ良い。この観点からは予備工法と言うことが出来る。もう一つは、内装材の剥落防止特性を評価する方法である。
本発明は、模擬トンネル(取付具が用いられて内装材が下地に取り付けられたトンネルの模擬トンネル)に取付具を取り付ける取付具配設工程を有する。又、模擬トンネルに取付具を用いて内装材を取り付ける内装材配設工程を有する。又、取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧
(負圧)を作用させる変動圧作用工程を有する。作用した変動圧(負圧)によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程を有する。
又、好ましくは、模擬トンネル表面にフィルムを配設するフィルム配設工程を更に具備し、内装材配設工程では前記フィルムの表面に内装材が取り付けられる。すなわち、模擬トンネルと内装材との間にフィルムを介在させる工程を有する。又、好ましくは、内装材配設工程で取り付けられた内装材の周辺部にシール材が設けられるシーリング工程を更に具備し、前記シーリング工程で設けられたシール材により内装材と模擬トンネルとの間の気密性が向上せしめられる。
又、好ましくは、変位量測定工程によって得られた各々の変位量が各々の材の疲労限界時の変位量を越えるものであった場合、模擬トンネルに前記変位量測定工程とは異なる構成の取付具及び/又は内装材を取り付け、該構成の取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させ、この作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程を更に具備する。或は、変位量測定工程によって得られた各々の変位量が各々の材の最大荷重の1/6の荷重時の変位量を越えるものであった場合、模擬トンネルに前記変位量測定工程とは異なる構成の取付具及び/又は内装材を取り付け、該構成の取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させ、この作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程を更に具備する。そして、変位量が上記閾値以下の場合には、内装材や取付具の損傷が起き難く、安全性が高い。
繰り返して変動圧(負圧)が作用することによって、内装材には、内装材を引き剥がそうとする力が作用する。上記変動圧作用工程で作用させられる圧(負圧)は、特に好ましくは次の条件のものである。(最大圧−最小圧)が0.5〜20kPaである。より好ましくは、0.8kPa以上である。更には、1kPa以上である。中でも、5kPa以上である。そして、10kPa以下である。圧変動の繰り返しは、即ち、変動1サイクル当りの時間は、0.5秒〜60分である。より好ましくは、6秒以上である。又、60秒以下である。
本発明におけるトンネルは、NATM工法等による山岳トンネルでも、シールド工法等による都市トンネルでも良く、沈埋函により形成されるトンネルでも良い。トンネル下地の材質は特に限定され無い。例えば、コンクリート、鋼材、鋳鉄等から選ばれる一種からなるもの又はこれら二種以上を組み合わせたものでも良い。
本発明で用いられる取付具は、トンネル下地に内装材を取り付けることが出来るものであれば、如何なるものでも良い。その形状とか大きさとか材質に格別な限定は無い。そして、内装材に一部が内在するものでも良い。
本発明で用いられる内装材は、例えば耐火被覆材、反射材、吸音材、化粧材、防汚材などが挙げられる。前記列挙した以外のものであっても良い。すなわち、取付具を用いて取り付けることが出来るものであれば良い。例えば、アンカーや網体を用いて下地上に設けることが出来るものであれば良い。因みに、モルタル等の如きの無定形のものを用いて構成することが出来る。その他にも、最初から、板材等の如きの定形のものであっても良い。
本発明の実施に際しての模擬トンネル(模擬トンネル下地)に取付具を用いて内装材を取り付けるに当たり、取付具の設置間隔とか、内装材と模擬トンネル下地との距離とか、内装材の厚み等は、本来のトンネル(内装材が実際に取り付けられるトンネル)のものと同構造のものとする。なぜならば、実際に取り付けようとするトンネルのものと異なったものである場合、本発明の実施で得られる情報を生かす(利用する)ことが出来ないからである。従って、この意味合いから、「模擬トンネル」と言う用語を用いた。そして、模擬トンネル下地の材質は、実構造物と同じものであればよい。但し、同等の物性を有するものであれば、異なるものでも良い。そして、模擬トンネル下地の厚みは、空気変動又は自重による変形で内装材及び取付具の変位測定結果に影響を与えない厚みとすることが好ましい。例えば、材質がコンクリートの場合、模擬トンネル下地の幅(W)や長さ(L)を厚み(H)で除した値が10以上(W/H≧10,L/H≧10)であれば良い。又、模擬トンネル下地の材質が、鋳鉄とか鋼材の場合は、アングル等の補強をすることによって、内装材や取付具の変位測定結果に影響を与えないようにしても良い。
本発明の実施に際して用いられる装置は、内装材又は模擬トンネル下地と密着可能な密閉ケース、前記密閉ケース内の空気を吸引(排気)する装置を具備する。そして、内装材を覆うように密閉ケースを模擬トンネル下地に密着して取り付ける。この密着度(気密性)を上げる為、密閉ケースの周囲(周辺部)にシーリング材を設け、シールする。尚、シーリング材なしでも密着度(気密性)が十分に有る場合、シールしなくても良い。密閉ケースで内装材をカバーするに先立って、内装材と模擬トンネル下地との間に空気の出入りが起きるのを防止する為、内装材周囲(周辺部)にシーリング材を設け、シールする。すなわち、内装材と模擬トンネル下地との間の密閉性(密着性:気密性)が低い場合、即ち、両者の間に大きな隙間が有る場合、この隙間から気体(空気)の出入りが起き、内装材に負圧が掛かり難くなるからである。すなわち、内装材周囲(周辺部)をシールすることによって、内装材を模擬トンネルから引き剥がそうとする負圧が効果的に作用するようになるからである。模擬トンネル表面にはフィルムが設けられていることが好ましい。例えば、モルタルを模擬トンネル表面に、直接、塗設して内装材を設けた場合、モルタルの固化によって、内装材自体が模擬トンネルに、直接、大きな力で付着している。ところが、モルタル塗設前に模擬トンネル表面にフィルム(比較的厚めのシートの概念のものも含まれる)を設けておけば、モルタルが固化しても、内装材が模擬トンネルに大きな力で付着しているものでは無いことから、フイルムが設けられて無い場合に比べたならば、内装材が剥離し易いものとなる。従って、このような条件下で、内装材の剥離(剥落)テストを行ったならば、それだけ安全係数を高く取ることが出来る。すなわち、このような条件下での剥離(剥落)テストでも内装材が剥離(剥落)しなかったならば、フィルムが設けられて無い現実の場合には、当然、内装材の剥離(剥落)が考えられない。
内装材や取付具の変位は、歪ゲージ、コンタクトゲージ、レーザー変位計、マイクロメータ、ノギス等を用いて測定が行われる。尚、より微細な歪を測定できることから、歪ゲージとかコンタクトゲージを用いることが好ましい。
以下、具体的実施例を挙げて本発明を説明する。但し、以下の例によって本発明は制約を受けるものでは無い。
[実施例]
寸法60×600×600mmのコンクリート板(模擬トンネル:模擬トンネル下地)1に、図1のステンレス製メッシュ(線径1.6mm、ピッチ50mm)2を4本のステンレス製アンカーピン(直径4mm)3を用いて取り付けた。尚、アンカーピン3の各中心の距離が横方向では426mm、縦方向では300mmであるように取り付けられている。これらのアンカーピン3には、該アンカーピンの伸縮を測定できる歪ゲージ4が設置された。
次に、ステンレス製メッシュ2が埋設されるように耐火被覆材(セメント、発泡バーミュキライト、混和材料及び水を混練した軽量モルタル)を吹付けた。この後、表面を鏝で均し、コンクリート板1の表面に30×500×400mmの耐火被覆材からなる層(厚みが30mmの内装材)5を形成した。尚、この時、コンクリート1表面と耐火被覆材層(内装材)5との縁が切れる、即ち、コンクリート1表面に耐火被覆材が直接付着しないようにする為、コンクリート板1と耐火被覆材層(内装材)5との界面(コンクリート板1表面)にビニールシート(図示せず)を設置した。
この後、耐火被覆材層5の表面に歪ゲージ6を設置した。
又、耐火被覆材層5とコンクリート板1との境界(周囲)付近にシーリング材7を塗り付け、耐火被覆材層5とコンクリート板1との界面を外気から遮断した。
この後、耐火被覆材層(内装材)5を覆うように60×580×510mmのアクリルケース8を被せた。そして、アクリルケース8の縁(周囲)に沿ってシーリング材9を付け、コンクリート板1にアクリルケース8を接着・密閉した。
アクリルケース8の連通口8aに、開閉コントローラ付バルブ10、真空計(圧力計)11、及びレキュレータ12を介して真空ポンプ13を接続した。
そして、真空ポンプ13を作動・吸引させ、耐火被覆材層(内装材)5表面に負圧を掛けた。所定時間後に開閉コントローラ付バルブ10を外部に開放してアクリルケース8内を大気圧に戻した。この吸引・開放を繰り返した。すなわち、0kPa(外気に開放時)と−10kPa(負荷時:真空ポンプ13による吸引時)との間の1サイクルを10秒として、20万回まで模擬的な動風圧を繰り返して掛けた。
この時に得られた歪ゲージ4,6による歪の特性が図4,5に示される。図4は変動圧(負圧)を作用させた際に耐火被覆材層(内装材)5に生じた最大歪と動風圧サイクル数との関係を示すグラフであり、図5は変動圧(負圧)を作用させた際に取付具(アンカー)3に生じた最大歪(測定した最大歪を4倍した値)と動風圧サイクル数との関係を示すグラフである。尚、図4には、用いた耐火被覆材層(内装材)5の曲げ強さ(1.2N/mm)の1/6の応力を掛けた時に耐火被覆材層5に発生した歪εbrd(90μ)を合わせて示した。又、図5には、用いたアンカー3の引抜き荷重(2880N)の1/6の応力を掛けた時にアンカー3に発生した歪εPrd(300μ)を合わせて示した。図4中、S−横は横方向に並んだ2個の取付具の中央位置に当る耐火被覆材層(内装材)5表面に横方向の歪を測定する為に設置した歪ゲージの値を意味し、W−縦は縦方向に並んだ2個の取付具の中央位置に当る耐火被覆材層(内装材)5表面に縦方向の歪を測定する為に設置した歪ゲージの値を意味し、C−横及びC−縦は耐火被覆材層(内装材)5の中央付近の表面にそれぞれ横方向及び縦方向の歪を測定する為に設置した歪ゲージの値を意味する。又、図5中、SW、SE、NW及びNEは、それぞれ図3の左下、右下、左上及び右上の位置に当る取付具3に設置した歪ゲージ4から得られた値を意味する。
図4によれば、耐火被覆材層(内装材)5に発生した歪は、0サイクルから20万サイクルまで、サイクル数増加による影響は殆ど認められず、最大でも10μ程度であることが判る。この最大歪10μは、用いた耐火被覆材層(内装材)5の曲げ強さ(1.2N/mm)の1/6の応力(0.2N/mm)を掛けた時に耐火被覆材層に発生した歪(90μ)に比べても遥かに小さい。
図5によれば、アンカー3に発生した歪は、0サイクルから20万サイクルまで、サイクル数増加による影響は殆ど認められず、最大でも50μ程度であることが判る。この最大歪50μは、用いたアンカー3の引抜き荷重(2880N)の1/6の応力(480N)を掛けた時にアンカー3に発生した歪(300μ)に比べても遥かに小さい。
従って、上記構造のものは、アンカー(取付具)3が引き抜かれたりすることが起き難く、かつ、耐火被覆材層(内装材)5が剥落し難いものであることが判る。よって、上記設計構造に準じたトンネル構造のものは内装材の耐久性に富むことが予想される。
尚、0kPa(外気に開放時)と−10kPa(負荷時:真空ポンプ13による吸引時)との間の1サイクルを10秒として、20万回まで模擬的な動風圧を繰り返して掛けても、同様な結果が得られた。
ところで、アンカー(取付具)3や耐火被覆材層(内装材)5の設計構造が上記の設計構造の場合、アンカー(取付具)3や耐火被覆材層(内装材)5の最大歪が基準値(閾値)より小さいものであった。従って、実際のトンネルにも上記模擬トンネルに対するアンカー(取付具)3や耐火被覆材層(内装材)5の設計構造に則って構築すれば問題の無いことが窺える。但し、アンカー(取付具)3や耐火被覆材層(内装材)5の設計構造によっては、アンカー(取付具)3や耐火被覆材層(内装材)5の最大歪が基準値より大きい場合も有る。このような場合には、アンカー(取付具)3や耐火被覆材層(内装材)5の設計構造を変更し、この変更されたもので同様なテストを行い、アンカー(取付具)3や耐火被覆材層(内装材)5の最大歪が基準値より小さなものが得られた場合、その設計構造で以って実際のトンネルに応用すれば問題の無いことが窺える。
上記においては、内装材を実際のトンネルに取り付ける為にテストで行われた場合である。
しかしながら、上記技術思想は、実際に設けられているトンネルにおける内装材の剥落防止の為の評価として利用することも出来る。すなわち、実際のトンネルに準じた模擬トンネルを作成し、これに対して本発明を実施し、最大歪が基準値を越える場合、或は基準値を越えるであろうことが予想される場合には、予め補強工事を実施することで安全性を高めることが出来るようになる。
1 コンクリート板(模擬トンネル:模擬トンネル下地)
2 ステンレス製メッシュ
3 アンカーピン(取付具)
4,6 歪ゲージ
5 耐火被覆材層(内装材)
7,9 シーリング材
8 アクリルケース
10 バルブ
11 真空計
12 真空ポンプ

Claims (8)

  1. トンネル下地に取付具が用いられて内装材が取り付けられるトンネルの模擬トンネルに取付具を取り付ける取付具配設工程と、
    模擬トンネルに内装材を取り付ける内装材配設工程と、
    前記取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させる変動圧作用工程と、
    前記作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程
    とを具備することを特徴とする方法。
  2. 模擬トンネル表面にフィルムを配設するフィルム配設工程を更に具備し、
    内装材配設工程は前記フィルムの表面に内装材が取り付けられる工程である
    ことを特徴とする請求項1の方法。
  3. 内装材配設工程で取り付けられた内装材の周辺部にシール材が設けられるシーリング工程を更に具備し、
    前記シーリング工程で設けられたシール材により内装材と模擬トンネルとの間の気密性が向上せしめられてなる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の方法。
  4. 変位量測定工程によって得られた各々の変位量が各々の材の疲労限界時の変位量を越えるものであった場合、模擬トンネルに前記変位量測定工程とは異なる構成の取付具及び/又は内装材を取り付け、該構成の取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させ、この作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの方法。
  5. 変位量測定工程によって得られた各々の変位量が各々の材の最大荷重の1/6の荷重時の変位量を越えるものであった場合、模擬トンネルに前記変位量測定工程とは異なる構成の取付具及び/又は内装材を取り付け、該構成の取付具が用いられて取り付けられた内装材に変動圧を作用させ、この作用した変動圧によって生ずる取付具および内装材の変位量を測定する変位量測定工程を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの方法。
  6. 変動圧作用工程は、最大圧−最小圧が0.5〜20kPaの範囲内の圧の変動が0.5秒/サイクル〜60分/サイクルで繰り返して行われる工程である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかの方法。
  7. トンネル下地に取付具が用いられて内装材が取り付けられる前に行われる予備工法である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの方法。
  8. トンネル下地に取付具が用いられて取り付けられた内装材の剥落防止特性を評価する方法である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかの方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107843556A (zh) * 2017-12-22 2018-03-27 西京学院 用于混凝土与钢筋之间粘结应力测试装置及其方法
CN109406390A (zh) * 2018-11-28 2019-03-01 航天科工防御技术研究试验中心 一种涂层界面结合强度的检测方法及其设备

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CN107843556B (zh) * 2017-12-22 2020-07-14 西京学院 用于混凝土与钢筋之间粘结应力测试装置及其方法
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