JP2011033266A - 風速測定装置、焼結機および風速測定方法 - Google Patents

風速測定装置、焼結機および風速測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期安定的に高精度に測定することが可能な風速測定装置を提供する。
【解決手段】焼結機100の焼結原料層の風速を測定する風速測定装置160は、焼結原料層上方において、鉛直方向の風速を測定する風速測定部と、鉛直方向における風速測定部と焼結原料層表面との距離を第1の高さに保持する高さ調整部と、を備える。高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが、風速測定部による測定値が外乱の影響を受けだす閾値高さ以上となったとき、風速測定部の鉛直方向における位置を焼結原料層表面高さに追従させて第1の高さに保持する。これにより、簡易な構成で、横風等の外乱の影響をほとんど受けることなく安定して風速を測定することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、焼結機の燃料原料層上の所定高さにおける風量を測定する風速測定装置、焼結機および風速測定方法に関する。
高炉鉄鋼業において、焼結機は、原料供給部から供給された焼結原料を積載して移動可能な複数のパレットからなるパレット群と、パレットが積載する焼結原料に着火する点火部と、パレット群の下方に配設された複数のウィンドボックスと、各ウィンドボックスの下端部に接続され、ウィンドボックス内のガスを吸気する吸気管とを備えて構成される。パレット群は、隣接するパレットの先端と後端とが連接されており、エンドレスに焼結機の筐体内を周回する構造となっている。各ウィンドボックスは、吸気管を介してブロアにより吸気/排気されることによって減圧されている。
パレット群の周回中、まず、各パレットに原料供給部から焼結原料が供給され、焼結原料の搬送が開始される。次いで、パレットの積載する焼結原料が点火部である点火炉により着火されるとともに、ウィンドボックスを介してブロアにより吸気される。これにより、パレット群が移動する間に焼結原料層の上側表面から下方に燃焼帯を進行させ、焼結鉱を連続的に製造する。生成された焼結鉱は排鉱部にパレットが到達するとパレット上から排出される。そして、焼結鉱が排出されたパレットは、原料供給部まで周回して搬送される。
ところで、焼結原料層の焼成速度は層内通過風速に律速され、焼結鉱の品質および生産性に大きく影響を及ぼす。このため、焼結原料層表面上の通過風速を測定することが極めて有効な手段である。したがって、層内通過風速を正確に測定できれば、焼結鉱の焼成速度を制御でき、所望の焼結鉱成品品質を確保することができる。そのため、これまで焼結原料層表面上の通過風速を測定する装置および方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、パレットと同期して進行し、焼結原料層内の層内通過風速を継続して測定する装置が開示されている。かかる装置は、焼結機の焼結原料層上に移動自在に載置される風箱と、風箱内の頂部に設けられ、吸引風を整流にする整流装置と、風箱内を流動する吸引風の流速を測定する流速計と、を備えている。風箱の頂部には上広の漏斗状体が設けられ、さらに漏斗状体の上部外側に上下端が開放されたフードと、フードの上部中央に設けられた邪魔板と、邪魔板の下方に取り付けられたフードを縦方向に仕切る仕切板とが設けられている。かかる構成により、風箱の頂部から侵入する横風の影響による風箱本体内の風量分布が不安定となるのを防止することができる。
また、例えば特許文献2には、品質の安定した焼結鉱を確保するため、焼結層幅方向における風速分布を調整、制御する焼結機の操業方法が開示されている。かかる操業方法にでは、焼結層の表面において、焼結層の幅方向の複数位置で、機長方向に連続的にまたは機長方向における数箇所において、風速計を用いて風速を測定する。風速計は、上部の円筒状部分と下部のフレア部分とからなり、円筒状部分には、タービンメータ等の風速計や整流板が設けられ、フレア部分には、焼結層と接触して外部空気の侵入を防ぐためのシール部材が設けられている。
特開昭59−35774号公報 特開昭61−250120号公報
しかし、上記特許文献1および2に記載の燃料原料層の通過風速を測定する装置は、横風の影響を防ぐための機構や風を整流にするための機構を備えるため、いずれも極めて大がかりな構成となっていた。また、上記特許文献1および2に記載されたように、かかる装置をパレットと同期して進行させるための機構や焼結原料層上で装置を支持するための架台等を設けると、設置コストが高くなり、狭隘な焼結機周りでの設置スペース上の問題も生じる。さらに、風箱や整流機構により圧損が生じるため、風箱の下部からの漏風を防止するためのシール部材が必要となる。しかし、シール部材の耐久性には多くの課題が残っているのが現状である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、長期安定的に高精度に測定することが可能な、新規かつ改良された風速測定装置、焼結機および風速測定方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、焼結機の焼結原料層の風速を測定する風速測定装置が提供される。本発明の風速測定装置は、焼結原料層上方において、鉛直方向の風速を測定する風速測定部と、鉛直方向における風速測定部と焼結原料層表面との距離を第1の高さに保持する高さ調整部と、を備える。高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが、風速測定部による測定値が外乱の影響を受けだす閾値高さ以上となったとき、風速測定部の鉛直方向における位置を焼結原料層表面高さに追従させて第1の高さに保持する。
本発明によれば、焼結原料層表面の高さが大きく変動するとき、風速測定部の焼結原料層表面からの高さがなるべく第1の高さとなるように、高さ調整部により風速測定部の鉛直方向の位置を調整する。これにより、風速測定部は、横風等の影響をほとんど受けることなく風速を測定することができ、測定された風速から焼結工程の進行状況を安定してモニタリングすることができる。また、従来の設けられていた横風等を防止する機構が不要となり、風速測定装置を簡易に構成することができる。
ここで、高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが閾値高さ未満であるときは、風速測定部の鉛直方向における位置を焼結原料層表面高さに追従させないようにする。これにより、風速測定部と焼結原料層表面との距離の変動が小さい場合には、風速計を鉛直方向に振動させることがなく、安定して風速を測定することができる。
また、風速測定装置は、焼結原料を積載する焼結機のパレットの底面に対する風速測定部の鉛直方向の位置を第2の高さに保持する絶対高さ調整部を備えることもできる。このとき、絶対高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが閾値高さ未満であるとき、焼結機のパレットの底面に対する風速測定部の鉛直方向の位置を第2の高さに調整する。これにより、風速測定部と焼結原料層表面との距離の変動が小さい場合には、風速計を鉛直方向に振動させることがなく、安定して風速を測定することができる。
さらに、風速測定装置は、焼結機のパレットの底面上に積載された焼結原料層表面に接触し、パレットとともに移動する焼結原料に対して相対的に移動可能な移動部と、移動部に支持され、風速測定部を支持する支持部と、を備えることもできる。絶対高さ調整部は、移動部の鉛直方向における位置の変動の大きさが閾値高さ未満であるとき、移動部の高さを変更して、焼結機のパレットの底面に対する風速測定部の鉛直方向における位置を第2の高さに調整する。また、高さ調整部は、移動部の鉛直方向における位置の変動の大きさが閾値高さ以上となったとき、支持部を鉛直方向に移動して、風速測定部の鉛直方向における位置を焼結原料層表面高さに追従させて第1の高さに調整する。このように、焼結原料層表面の高さの変動を移動部の鉛直方向における変動から把握して、高さ調整部または絶対高さ調整部により、風速測定部の高さを調整することができる。
また、風速測定装置は、風速測定部の移動速度を検知する移動速度検知部と、風速測定部により測定された風速を補正する補正処理部と、をさらに備えることもできる。このとき、補正処理部は、移動速度検知部により検知された移動速度に基づいて風速測定部により測定された風速を補正する。これにより、風速をより高精度に測定することができる。
さらに、風速測定装置は、鉛直方向における風速測定部と焼結原料層表面との距離を検知する距離検知部を備えてもよい。高さ調整部は、距離検知部により検出された検知距離が閾値高さ以上となったとき、風速測定部の鉛直方向における位置を焼結原料層表面高さに追従させて第1の高さに調整する。これにより、風速測定部の鉛直方向における位置を正確に認識することができるので、風速測定部の鉛直方向の位置をより正確に調整することができる。したがって、風速を精度よく測定することができる。
また、風速測定装置は、風速測定部により測定された風速を補正する補正処理部をさらに備えることもできる。このとき、補正処理部は、風速測定部の位置を調整する高さ調整部の駆動速度に基づいて、風速測定部により測定された風速を補正する。これにより、風速をより高精度に測定することができる。
風速測定部には、例えば熱式質量流速計を用いることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、原料供給部より供給された焼結原料を積載して移動可能な複数のパレットが無端状に連結されたパレット群と、パレットに積載された焼結原料に着火する点火部と、パレット群の下方に配設された複数のウィンドボックスと、各ウィンドボックスの下端部に接続され、各ウィンドボックスとウィンドボックス内のガスを吸気する吸気部とを連結する吸気管と、焼結原料層の風速を測定する風速測定装置と、を備える焼結機が提供される。焼結機の風速測定装置は、焼結原料層上方において、鉛直方向の風速を測定する風速測定部と、鉛直方向における風速測定部と焼結原料層表面との距離を第1の高さに保持する高さ調整部と、を備える。そして、高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが、風速測定部による測定値が外乱の影響を受けだす閾値高さ以上となったとき、風速測定部の鉛直方向における位置を焼結原料層表面高さに追従させて第1の高さに保持する。
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、焼結機の焼結原料層の風速を測定する風速測定方法が提供される。かかる風速測定方法は、焼結原料層上方において鉛直方向の風速を測定する風速測定部を、鉛直方向における風速測定部と焼結原料層表面との距離を第1の高さに保持した状態で、風速測定部により風速を測定するステップと、焼結原料層表面高さの変動の大きさが風速測定部による測定値が外乱の影響を受けだす閾値高さ未満であるとき、焼結機のパレットの底面に対する風速測定部の鉛直方向における位置が変動しないように調整するステップと、焼結原料層表面高さの変動の大きさが閾値高さ以上となったとき、風速測定部の鉛直方向における位置を焼結原料層表面高さに追従させて第1の高さに保持するステップと、を含む。
以上説明したように本発明によれば、長期安定的に高精度に測定することが可能な風速測定装置、焼結機および風速測定方法を提供することができる。これにより測定された層内通過風速に基づいて焼結原料の装入制御やパレット速度制御等を行うことにより、高生産かつ高歩留で焼結鉱を製造することが可能となる。
本発明の実施形態にかかる焼結機の概略構成を示す側面図である。 同実施形態にかかる焼結機の概略構成を示す平面図である。 同実施形態にかかるパレットの構成を示す概略斜視図である。 図2のA−A切断線における断面図である。 同実施形態にかかる風速測定装置の焼結機への設置方法を示す部分平面図である。 同実施形態にかかる風速測定装置の一構成例を示す概略斜視図である。 第1の高さ調整機構の動きを示す説明図である。 第2の高さ調整機構の動きを示す説明図である。 鍋試験における風速測定方法を示す説明図である。 鍋試験における排ガス圧力、通過風速および排ガス流量と時間との関係を示すグラフである。 同実施形態にかかる焼結機における風速測定位置を示す説明図である。 焼結機における風速測定位置P1での測定結果を示すグラフである。 焼結機における風速測定位置P2での測定結果を示すグラフである。 焼結機における風速測定位置P3での測定結果を示すグラフである。 焼結機における風速測定位置P4での測定結果を示すグラフである。 焼結機における風速測定位置P5での測定結果を示すグラフである。 焼結機における風速測定位置P6での測定結果を示すグラフである。 焼結機における風速測定位置P7での測定結果を示すグラフである。 距離センサを備える風速測定装置の高さ調整動作を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(焼結機の概略構成)
まず、図1〜図4に基づいて、本発明の実施形態にかかる焼結機100の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる焼結機100の概略構成を示す側面図である。図2は、本実施形態にかかる焼結機100の概略構成を示す平面図である。図3は、本実施形態にかかるパレットの構成を示す概略斜視図である。図4は、図2のA−A切断線における断面図である。
本実施形態にかかる焼結機100は、図1に示すように、複数のパレット110からなるパレット群と、原料供給ホッパー120と、点火炉130と、ウィンドボックス140とから構成される。
パレット群は、焼結原料5(図4参照)を積載して搬送する複数のパレット110を焼結機100の長手方向に移動可能に連結して構成される。各パレット110は、図1および図2に示すように、先端と後端とが連接されており、駆動ローラ102a、102bの回転にしたがってエンドレスに焼結機100内を周回する。図1では、駆動ローラ102a、102bが反時計回りに回転することによって、パレット群は反時計回りに周回している。
パレット群を構成する各パレット110は、図3に示すように、複数のグレートバー112と、サイドウォール114と、車輪116とから構成される。グレートバー112は、y方向およびx方向に配列されて、パレット110の略長方形状の底面を構成する。このとき、x方向に隣接するグレートバー112の間には、各グレートバー112に形成された切り欠き部(図示せず。)によってウィンドボックスと連通するための隙間が形成される。サイドウォール114は、複数のグレートバー112によって構成された底面の、x方向における両側に設けられた壁板である。サイドウォール114は、パレット110上に載置された焼結原料や生成された焼結鉱の落下を防止する。サイドウォール114の外側面には、焼結機の長手方向に移動するための4つの車輪116が設けられている。
原料供給ホッパー120は、焼結鉱の原料となるコークス粉を含む焼結原料5を供給する原料供給部である。原料供給ホッパー120は、点火炉130の位置を基準としてパレット群の回転方向上流側に設けられる。原料供給ホッパー120から供給された焼結原料5は、原料供給ホッパー120の下方を通過するパレット110の収容空間に収容され、パレット群の進行方向へ搬送される。
点火炉130は、パレット110上に積載された焼結原料5に着火する点火部である。点火炉130と対向するパレット110上に積載された燃料原料に着火して、焼結原料5の焼結過程を開始させる。
ウィンドボックス140は、焼結原料5が積載されたパレット110を下方から吸気するための減圧空間を構成する。ウィンドボックス140は、図2のA−A切断線における断面図である図4に示すように、パレット110の下方に設けられた空間であり、上部側142はパレット110の底面下部と連通し、下端側144は吸気管145に連通している。ウィンドボックス140は、吸気管145を介してブロア(図示せず。)と接続されており、ブロアによって吸気/排気されることでウィンドボックス140の内部空間が減圧される。
パレット群の周回中に、まず、各パレット110に原料供給ホッパー120から焼結原料5が供給され、焼結原料5の搬送が開始される。次いで、パレット110の積載する焼結原料5が点火炉130により着火されるとともに、ウィンドボックス140および吸気管145を介してブロア(図示せず。)により吸気される。これにより、パレット群が移動する間に焼結原料層の上側表面から下方に燃焼帯を進行させ、焼結鉱を連続的に製造する。生成された焼結鉱は排鉱部にパレット110が到達するとパレット110上から排出される。そして、焼結鉱が排出されたパレット110は、原料供給ホッパー120まで周回して搬送される。
以上、本実施形態にかかる焼結機100の概略構成について説明した。ここで、本願発明者らは、焼結機100の焼結原料層上の焼結機幅方向(x方向)の各箇所および焼結機機長方向(パレット移動方向:y方向)の各箇所において、市販の熱線式風速計を用いて、焼結原料層表面5aからの測定高さ位置を変化させたときの通過風速を測定する実験を実機で行った。その結果、流速計を焼結原料層表面5aに近接して設置すれば、横風の影響をほとんど受けず、精度よく風速を測定できることを見出した。横風の影響を受けないことにより、風箱や整流板等の大がかりな横風防止機構が不要となる。これにより、整流板等の圧損を懸念することがなくなり、風箱下部に設けられていた漏風防止用のシール部材も不要となる。したがって、極めて簡単な装置構成で、焼結原料層の通過風速を測定することが可能となる。
ただし、風速計と焼結原料層表面5aとの距離が変化すると、測定値に大きな測定差異が生じることも判明した。例えば、焼結機幅方向および焼結機機長方向の同一箇所において、焼結原料層表面5aから風速計までの高さが約30mmの位置と約50mmの位置とで通過風速を測定したところ、測定値に約10〜20%程度の測定誤差が生じた。このため、焼結原料層の通過風速を精度よく測定するためには、焼結原料層表面5aからの距離を一定に保持する必要がある。
そこで、本実施形態にかかる焼結機100に、焼結原料層表面5aに近接した位置で風速計の焼結原料層表面5aからの距離を一定に保持することにより、外乱となる横風の影響をほとんど受けることのない位置で焼結原料層の通過風速を安定して測定できる風速測定装置160を設置して、焼結原料層上の通過風速を測定する。以下、図4〜図8に基づいて、本実施形態にかかる風速測定装置160の構成とその作用について説明する。なお、図5は、本実施形態にかかる風速測定装置160の焼結機100への設置方法を示す部分平面図である。図6は、本実施形態にかかる風速測定装置160の一構成例を示す概略斜視図である。図7は、第1の高さ調整機構の動きを示す説明図である。図8は、第2の高さ調整機構の動きを示す説明図である。
(風速測定装置の設置)
本実施形態にかかる風速測定装置160は、図4に示すように、焼結原料層上に設けられ、焼結機100の所定の位置における通過風速を測定する。風速測定装置160は、焼結機100の周辺に設けられた支柱151と、当該支柱151と風速測定装置160とを連結する水平支持部152とからなる支持機構150により支持される。支持機構150の支柱151は、焼結機100の設置面に対して垂直に設けられる。支柱151は、水平支持部152の一端を、当該支柱151を回転軸として回転可能に支持するとともに、支柱151の延設方向(すなわち、z方向)に移動可能に支持する。水平支持部152は、一端が支柱151に支持され、他端は風速測定装置160を支持する。
風速測定を行わないオフライン状態では、水平支持部152を焼結機機長方向と略平行となるように支柱151を回転軸として移動されており、このとき風速測定装置160は焼結機100の焼結原料層の上方から外れて図5の位置Aにて待機させられている。そして、風速測定を行うオンライン状態となると、水平支持部152が支柱151に沿ってz方向に移動され、風速測定装置160がサイドウォール114に接触しない位置まで上昇される。そして、水平支持部152は、支柱151を回転軸として、焼結機100の焼結原料層上の測定位置である位置Bまで回転移動される。位置B上に風速測定装置160が位置すると、支柱151に沿って水平支持部152がz方向に移動され、風速測定装置160が焼結原料層上に載置される。
風速測定装置160が焼結原料層上に載置されると、風速計による通過風速の測定が開始される。このような簡易な支持機構150によって、風速測定装置160をオフライン状態での位置(位置A)とオンライン状態での位置(位置B)とを容易に移動させることができ、簡単に風速測定装置160による風速測定を実施することができる。
(風速測定装置の構成)
本実施形態にかかる風速測定装置160は、図6に示すように構成される。風速測定装置160は、風速を測定する風速計170と、風速計170を支持するともに焼結原料層からの高さを調整する調整機構とを備える。風速計170としては、例えば小型であり、測定環境の外乱となりにくい熱式質量流速計である熱線式風速計を用いることができ、市販のものを用いてもよい。
熱線式風速計の風速を検知する検知部は、周囲温度を測定する測温素子と、ヒータと測温装置とを内蔵する加熱素子とから構成される。加熱素子は、測温素子にて測定される周囲温度に対して、常に一定の温度差になるようヒータによって加熱制御される。加熱素子には、風の冷却作用によって放散された熱量と同量の熱量が、ヒータにより供給される。すなわち、風の冷却作用による放熱熱量とヒータによる供給熱量とは常に平衡状態にあり、供給熱量を測定することによって風速を算出することができる。測温素子および加熱素子は、測定位置において大気中に露出される。このとき、測温素子および加熱素子は、焼結原料層側から加熱素子、測温素子の順に、焼結原料層の高さ方向(z方向)に配設される。
風速計170は、図6に示すように、支持部150の水平支持部152と第2の高さ調整機構162を介して接続されている鉛直支持部161の一端に固定されている。鉛直支持部161は、第2の高さ調整機構162により鉛直方向(z方向)に移動可能に水平支持部152に支持されている。また、鉛直支持部161は、支持部165を介して焼結原料層上に載置される4つの車輪163からも支持されている。
より詳細には、支持部165は、図6に示すように、鉛直支持部161が固定される第1の支持部165aと、第1の支持部165aと各車輪とを連結する第2の支持部165bとからなる。第1の支持部165aは、鉛直方向に延びる鉛直支持部161と直交し、鉛直支持部161が固定される水平支持部材と、当該水平支持部材の両端から鉛直方向にそれぞれ延びる垂直支持部材とからなる。また、第2の支持部165bは、第1の支持部165aの鉛直支持部材と焼結機機長方向に直交し、第1の支持部165aの鉛直支持部材が固定される水平支持部材と、当該水平支持部材の両端から鉛直方向にそれぞれ延び、その先端に第1の高さ調整機構164を介して車輪163が設けられる垂直支持部材とからなる。
第1の高さ調整機構164は、焼結原料層上の小さな凹凸(例えば約±5mm未満の凹凸)に対して、風速計170の高さを調節する。第1の高さ調整機構164は、焼結原料層上の小さな凹凸を吸収して、焼結原料5が積載されたパレット110の底面から風速計170までの距離がほぼ一定となるように風速計の高さを調節する絶対高さ調節部として機能する。第1の高さ調整機構164は、風速計170を焼結原料層の表面変化に追従させないようにすることで、風速計170が振動することによる測定値への影響を低減させる。
第1の高さ調整機構164は、図7(a)に示すように、車輪163の回転軸163を回動可能に支持する第1の基台部164aが、回転軸164cの周りに回動可能に構成されている。回転軸164cは、第2の支持部165bと連結される第2の基台部164bに回動可能に支持されている。このような構成の第1の高さ調整機構164を設けることにより、第1の基台部164aが回転軸164c周りに回動可能な範囲において、車輪163の高さの変動を調整することができる。
すなわち、通常は、図7(a)のように車輪163の回転軸163aが第1の基台部164aの回転軸164cよりも焼結原料層側に位置した状態で、車輪163が回転しているとする。焼結原料層が高さhだけ高くなると、図7(b)に示すように、車輪163が押し上げられて第1の基台部164aが回転軸164c周りに正方向(図7では時計回り)に回転し、車輪163の高さがhだけ上昇される。このとき、焼結原料層の高さが変化する前後において、第2の基台部164bの高さは変化しない。このように、第1の高さ調整機構164は、焼結原料層上の小さな凹凸を吸収し、風速計170を焼結原料層の表面変化に追従させないようにすることで、焼結原料層表面5aの微小な凹凸に対しては鉛直方向に振動しなくなる。これにより、風速計170が常に鉛直方向に振動するのを抑制することができ、風速計170が振動することによる測定値への影響を低減させることができる。
一方、第2の高さ調整機構162は、第1の高さ調整機構164では吸収しきれない焼結原料層上の大きな凹凸(例えば約+5mm以上の凹凸)に対して、風速計170の高さを調節する。第2の高さ調整機構162は、風速計170を支持する鉛直支持部161を、焼結原料層表面5aの高さに追従するように鉛直方向(z方向)に移動させることによって、風速計170の高さを調整する高さ調整部として機能する。
鉛直支持部161は、図8に示すように、水平支持部152に固定された接続部162aの鉛直方向に貫通する貫通孔162cに挿通される。そして、鉛直支持部161の、風速計170が固定された端部と反対側の端部には、接続部162aを挟んで、鉛直支持部161が挿通される貫通孔の径より大きい径を有するストッパ162bが設けられる。すなわち、ストッパ162bは、貫通孔162cを貫通せず、接続部162aと当接することにより、鉛直支持部161の鉛直方向の移動を妨げることができる。
第2の高さ調整機構162は、通常、図8(a)に示すように、ストッパ162bが接続部162aと当接した状態となっている。焼結原料層の表面高さの変化が第1の高さ調整機構164により吸収されている間は、第2の高さ調整機構162は作動しない。しかし、焼結原料層の表面の凹凸が大きくなり、第1の高さ調整機構164ではその高さの変動を吸収しきれなくなると、図8(b)に示すように、支持部165とともに鉛直支持部161が押し上げられて風速計170が鉛直上向き方向に移動される。このように、焼結原料層の表面高さの変動に追従させて風速計170の高さを変更することができ、焼結原料層表面5aから風速計170までの高さをほぼ一定に保持することができる。
また、焼結原料層の表面高さが大きく変動したときに風速計170の高さを焼結原料層の表面高さに追従して変動させないとすると、焼結原料層に風速計170が接触する可能性がある。第2の高さ調整機構162が作動されることにより、焼結原料層と風速計170との接触を防ぎ、風速計170が破損してしまうのを防止することもできる。
その後、焼結原料層の高さが元に戻ると、鉛直支持部161は、ストッパ162bが接続部162aに当接するまで鉛直下向き方向に移動する。ストッパ162bが接続部162aに当接すると、図7(b)の状態から第1の高さ調整機構164の第1の基台部164aが逆方向(図7では反時計回り)に回転して、図7(a)の状態に戻る。
なお、車輪163は、焼結原料層に接触するため、100℃程度以下で使用可能な耐熱性のある材質から形成されることが望ましい。さらに、車輪163は、焼結原料層の表面の凹凸による振動や衝撃を吸収し易いように適度な弾性を有するとともに、焼結原料の硬さに耐え得る程度の耐摩耗性を有する材質から形成するのがよい。このような車輪163の材質としては、例えば、ウレタンやMCナイロン(登録商標)、耐熱性の高い特殊フェノール樹脂等を用いることができる。
以上、風速測定装置160の構成について説明した。本実施形態にかかる風速測定装置160によれば、焼結原料層表面5aから風速計170までの高さを一定に保持するため、風速計170の高さを調整する第1の高さ調整機構164および第2の高さ調整機構162を備える。焼結原料の粒度のバラツキ程度前後以上で、且つ焼結原料層の凹凸が小さい場合には、第1の高さ調整機構164が作動して凹凸を吸収し、風速計170の絶対高さが頻繁に変動するのを防止する。これにより、風速計170により安定した測定値を取得することができる。一方、第1の高さ調整機構164により吸収することができない程の、車輪163の半径程度以上の長周期の焼結原料層表面高さの大きな変動があった場合には、第2の高さ調整機構162が作動し、風速計170の鉛直方向の位置を焼結原料層表面高さに追従させる。これにより、焼結原料層表面5aからの風速計170の鉛直方向の位置が異なることによる測定誤差が生じるのを防止することができる。
このような構成の風速測定装置160は、従来のように、横風の影響を防ぐための機構や風を整流にするための機構を設けなくとも、風速計170を、横風等の影響をほとんど受けることのない、焼結原料層表面5aから鉛直方向に僅かに離隔した位置に設けることにより、長期安定的に高精度に風速を測定することができる。したがって、従来の大がかりな構成と比較して簡易な構成で焼結原料層上の通過風速を測定することができ、設置スペースや設置コストを抑制することもできる。
なお、本実施形態にかかる第2の高さ調整機構162には、風速計170の鉛直方向への移動速度を測定する移動速度センサ(図示せず。)を備えることもできる。移動速度センサを備え、風速計170の鉛直方向への移動速度を測定することにより、風速計170により測定された通過風速を補正処理部(図示せず。)により補正して、より正確な通過風速を取得することが可能となる。なお、移動速度センサは十分高速応答可能なレーザ距離計やボイスコイル式の電磁式センサ等で構成することができる。
すなわち、風速計170が鉛直上向き方向に移動しているとき、風速計170により測定された通過風速は実際の値より大きいと考えられる。そこで、風速計170により測定された通過風速から移動速度センサにより測定された速度を減じて補正することにより、より正確な通過風速を取得することができる。一方、風速計170が鉛直下向き方向に移動している場合には、風速計170により測定された通過風速は実際の値より小さいと考えられる。この場合、風速計170により測定された通過風速から移動速度センサにより測定された速度を加えて補正することにより、より正確な通過風速を取得することができる。
(風速測定装置の有効性の検証)
本実施形態にかかる風速測定装置160の有効性を検証するため、2つの試験を実施した。以下では、2つの試験条件と試験結果について説明する。
<1.鍋試験における風速測定>
まず、図9および図10に基づいて、鍋試験での風速測定結果について説明する。なお、図9は、鍋試験における風速測定方法を示す説明図である。図10は、鍋試験における排ガス圧力、通過風速および排ガス流量と時間との関係を示すグラフである。
本試験は、焼結機での焼結原料の焼結工程を想定して、円筒形状の鍋200を用いて焼結原料を燃焼させ、その焼結原料表面近辺での通過風速を風速センサ210により測定した。風速センサ210は、上記風速測定装置160の風速計170の検知部に対応する。
図9に示すような鍋200に焼結原料を装入した後、焼結原料に点火して、焼結を開始した。鍋200の下方から吸気することにより、焼結原料層の表面から下方に向かって燃焼帯が進行する。このとき、鍋200の中心に風速を測定する風速センサ210を焼結原料表面からtだけ離隔した位置に固定して、風速センサ210により風速を測定した。ここで、鍋200の高さHは550mm、内径Dは210mm、焼結原料表面から風速センサ210までの高さtは30mmとする。かかる条件は、風速センサ210の鍋200における径方向の位置および高さ方向の位置を変化させて、風速を測定した結果から、外乱の影響を受けにくい位置を選択した。風速センサ210の測定値に影響を及ぼす外乱としては、例えば、鍋表面付近を流れる上昇気流や吸引による上方からの下降気流、鍋200の壁面により通気抵抗が低くなる壁効果等が考えられる。
図10に、風速センサ210により測定された風速と、排ガス圧力、排ガス流量の時間変化を示す。なお、図10の時間は、焼結原料が点火されてからの経過時間を示す。また、風速センサ210による測定値が約100秒後から表れているのは、焼結原料を点火してから風速センサ210を焼結原料上の測定位置に設置するまでの時間差による。図10に示すように、焼結原料が点火された後、約100秒後には排ガス圧力が上昇し始めるとともに、排ガス流量も測定開始後と比較して上昇している。
その後、排ガス圧力は、約200秒経過以降はほぼ一定の値となる。一方、排ガス流量は、しばらくほぼ一定の値をとった後、約600秒経過後から徐々に上昇し始める。このとき、風速センサ210による測定値も排ガス流量の上昇に伴って、追従するように上昇している。ここで、排ガス流量は、焼結原料層を通過した排ガスの単位面積当たりの流量であり、焼結原料層上で風速センサ210により測定される風速は、時間経過による排ガス流量の増減と対応して増減することが推定される。本試験では、図10のグラフから、この推定通り、排ガス流量と風速センサ210により測定された風速とが追従して変化していることがわかる。これより、上述した風速測定装置160のように、横風等の外乱を防止するための機構を設けなくとも外乱の影響をほとんど受けることなく、風速センサ210によって風速が適正に測定されていることがわかる。
<2.焼結機における風速測定>
次に、図11〜図18に基づいて、焼結機での風速測定結果を説明する。なお、図11は、本実施形態にかかる焼結機100における風速測定位置を示す説明図である。図12〜図18は、焼結機100における各風速測定位置での測定結果を示すグラフである。
本試験では、焼結機100の複数箇所において、風速計により焼結原料層上における通過風速を測定した。測定箇所は、図11に示すように、点火部側の3箇所(P1〜P3)および排鉱側の4箇所(P4〜P7)である。点下部側と排鉱側とで測定することにより、焼結が進行する前後における風速の違いを確認することができる。また、点下部側および排鉱側でそれぞれ幅方向の異なる位置で測定することにより、測定位置における外乱の影響等を確認することができる。なお、各測定位置では、焼結原料層表面から高さ30mmの位置で風速を測定した。また、測定位置P1〜P3、P4〜P7では10台のパレットが通過するまで測定を行い、測定位置P4では11台のパレットが通過するまで測定を行った。
まず、図12〜図14により点下部側での風速測定結果をみると、各測定位置における平均風速は、約0.166m/s(P1)、約0.131m/s(P2)、約0.120m/s(P3)となり、ほぼ同一の値を示した。焼結機100の幅方向の位置の違いによる測定値の相違は大きくなかったが、これは、3つの測定箇所のうち両端の測定位置P1およびP3がサイドウォールから十分に離れているためであると考えられる。
次に、図15〜図18により排鉱側での風速測定結果を見ると、各測定位置における平均風速は、約0.432m/s(P4)、約0.653m/s(P5)、約0.567m/s(P6)、約0.735m/s(P7)となった。排鉱側での平均風速は、点火部側での平均風速と比較していずれも大きくなっていた。これより、焼結原料の焼結が進行し、焼結原料の通気度が高くなっていることがわかる。
また、幅方向における位置の違いによって平均風速が相違している。両側のサイドウォールから最も離れた測定位置P5における平均風速に比べて、その両側の測定位置P4、P6での平均風速は減少している。P4〜P6のいずれの測定位置でも時間の経過にともなって風速の大きさは小刻みに変化しているものの、平均風速は各時間の風速のほぼ中間値となっている。一方、サイドウォールに近接する測定位置P7での平均風速は測定位置P5よりも大きく、時間変化による風速の大きさの変動も大きくばらつきがある。これらの測定結果より、サイドウォールに近接する測定位置P7では、サイドウォールの影響等により適正な風速を測定するのは困難であるが、他の測定位置P4〜P6では適正な風速を測定することが可能であることがわかる。
以上より、本実施形態にかかる風速測定装置160のように、風速計170を焼結原料層表面5aに近接させ、かつ焼結原料層表面から風速計170までの高さを一定として風速を測定することにより、焼結工程の進行を適切にモニタリングすることができる。また、測定位置P7のようにサイドウォールに接近し過ぎる位置でなければ、本実施形態に掛る風速測定装置160のように大がかりな装置を設けなくとも、外乱の影響をほとんど受けずに風速を測定することができることが示された。
(風速測定装置の他の構成例)
本実施形態にかかる風速測定装置160は、上述したように、風速計170の高さを調整するために、第1の高さ調整機構164および第2の高さ調整機構162を備えている。これらの高さ調整機構は、機械的に風速計170の高さを調整するものであり、実際に焼結原料層表面と風速計170との間の距離を測定して高さを調整するものではない。そこで、風速計170の焼結原料層表面からの高さをより正確に測定して、風速計170の位置を高精度に調整するため、風速測定装置160に焼結原料層表面と風速計170との間の距離を測定する距離センサを設けてもよい。
距離センサとしては、例えばレーザ式距離計を用いることができる。このとき、距離センサにより検出された焼結原料層表面と風速計との間の距離に基づいて、風速計の高さを調整するか否かを判定する制御部(図示せず。)と、制御部によって風速計の高さを調整すると判定した場合に風速計の高さを変動させる駆動部(図示せず。)とを備えるのがよい。これにより、検出距離に応じて風速計の高さを変動させることができる。駆動部としては、例えば電動シリンダを用いることができる。
図19に、距離センサを備える風速測定装置の高さ調整方法を示す。まず、距離センサにより、焼結原料層表面から風速計までの高さ方向の距離を検出する(ステップS110)。次いで、制御部は、距離センサにより検出された検出距離と目標距離との差の絶対値と、閾値高さとの大きさを比較する(ステップS120)。ここで、閾値は、風速計により風速が適正に測定できなくなる焼結原料層表面の凹凸の大きさにより規定することができる。例えば閾値高さは、約5mmとすることができる。
ステップS120にて、検出距離と目標距離との差の絶対値が閾値高さ未満であると判定された場合、風速計の高さを調整しない、すなわち、追従させないようにする(ステップS130)。一方、ステップS120にて、検出距離と目標距離との差の絶対値が閾値高さ以上であると判定された場合には、例えば上述した第2の高さ調整機構を駆動部により駆動させる(ステップS140)。これにより、風速計の高さ方向の位置を焼結原料層の表面高さに追従させるように移動させることができる。
なお、上述した第1の高さ調整機構や第2の高さ調整機構を備えなくとも、図19に示すフローチャートにしたがって駆動部を駆動させることにより、風速計を焼結原料層表面に自動追従させることができる。さらに、風速計を駆動部によって自動追従させる場合、駆動部による風速計の移動量および移動速度等を用いて、風速計により測定した通過風速を補正して、より正確な通過風速を取得することもできる。
すなわち、駆動部により風速計が鉛直上向き方向に移動されているとき、風速計により測定された通過風速は実際の値より大きいと考えられる。そこで、風速計により測定された通過風速から駆動部による移動速度を減じて補正することにより、より正確な通過風速を取得することができる。一方、駆動部により風速計が鉛直下向き方向に移動されている場合には、風速計により測定された通過風速は実際の値より小さいと考えられる。この場合、風速計により測定された通過風速から駆動部による移動速度を加えて補正することにより、より正確な通過風速を取得することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、風速計170を4つの車輪163を備える支持部165により支持したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、車輪163の数は3つであってもよく、それ以上であってもよい。また、例えば、上記実施形態のように焼結原料層上に載置せず、焼結原料層の上方から吊るように風速測定装置を設けてもよい。このとき、風速測定装置には、焼結原料層表面5aと風速計との鉛直方向における距離を測定する距離センサを設け、測定された距離が閾値高さを超えたか否かによって風速計の高さを調整するようにしてもよい。
本発明は、鉄鋼業の上工程である焼結プロセスにおける焼結原料層の通過風速を測定する風速測定装置や、鉄鋼業の他プロセスや他産業の同様のプロセスにおける風速測定装置にも適用可能である。
5 焼結原料
100 焼結機
102a、102b 駆動ローラ
110 パレット
120 原料供給ホッパー
130 点火炉
140 ウィンドボックス
145 吸気管
150 支持機構
160 風速測定装置
162 第2の高さ調整機構
163 車輪
164 第1の高さ調整機構
170 風速計

Claims (10)

  1. 焼結機の焼結原料層の風速を測定する風速測定装置であって、
    前記焼結原料層上方において、鉛直方向の風速を測定する風速測定部と、
    鉛直方向における前記風速測定部と前記焼結原料層表面との距離を第1の高さに保持する高さ調整部と、
    を備え、
    前記高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが、前記風速測定部による測定値が外乱の影響を受けだす閾値高さ以上となったとき、前記風速測定部の鉛直方向における位置を前記焼結原料層表面高さに追従させて前記第1の高さに保持する、風速測定装置。
  2. 前記高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが前記閾値高さ未満であるときは、前記風速測定部の鉛直方向における位置を前記焼結原料層表面高さに追従させない、請求項1に記載の風速測定装置。
  3. 焼結原料を積載する前記焼結機のパレットの底面に対する前記風速測定部の鉛直方向の位置を第2の高さに保持する絶対高さ調整部を備え、
    前記絶対高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが前記閾値高さ未満であるとき、前記焼結機のパレットの底面に対する前記風速測定部の鉛直方向の位置を前記第2の高さに調整する、請求項1または2に記載の風速測定装置。
  4. 前記焼結機のパレットの底面上に積載された焼結原料層表面に接触し、前記パレットとともに移動する前記焼結原料に対して相対的に移動可能な移動部と、
    前記移動部に支持され、前記風速測定部を支持する支持部と、
    を備え、
    前記絶対高さ調整部は、前記移動部の鉛直方向における位置の変動の大きさが前記閾値高さ未満であるとき、前記移動部の高さを変更して、前記焼結機のパレットの底面に対する前記風速測定部の鉛直方向における位置を前記第2の高さに調整し、
    前記高さ調整部は、前記移動部の鉛直方向における位置の変動の大きさが前記閾値高さ以上となったとき、前記支持部を鉛直方向に移動して、前記風速測定部の鉛直方向における位置を前記焼結原料層表面高さに追従させて前記第1の高さに調整する、請求項3に記載の風速測定装置。
  5. 前記風速測定部の移動速度を検知する移動速度検知部と、
    前記風速測定部により測定された風速を補正する補正処理部と、
    をさらに備え、
    前記補正処理部は、前記移動速度検知部により検知された移動速度に基づいて前記風速測定部により測定された風速を補正する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の風速測定装置。
  6. 鉛直方向における前記風速測定部と前記焼結原料層表面との距離を検知する距離検知部を備え、
    前記高さ調整部は、前記距離検知部により検出された検知距離が前記閾値高さ以上となったとき、前記風速測定部の鉛直方向における位置を前記焼結原料層表面高さに追従させて前記第1の高さに調整する、請求項1に記載の風速測定装置。
  7. 前記風速測定部により測定された風速を補正する補正処理部をさらに備え、
    前記補正処理部は、前記風速測定部の位置を調整する前記高さ調整部の駆動速度に基づいて、前記風速測定部により測定された風速を補正する、請求項6に記載の風速測定装置。
  8. 前記風速測定部は、熱式質量流速計であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の風速測定装置。
  9. 原料供給部より供給された焼結原料を積載して移動可能な複数のパレットが無端状に連結されたパレット群と、
    前記パレットに積載された前記焼結原料に着火する点火部と、
    前記パレット群の下方に配設された複数のウィンドボックスと、
    前記各ウィンドボックスの下端部に接続され、前記各ウィンドボックスと前記ウィンドボックス内のガスを吸気する吸気部とを連結する吸気管と、
    焼結原料層の風速を測定する風速測定装置と、
    を備え、
    前記風速測定装置は、
    前記焼結原料層上方において、鉛直方向の風速を測定する風速測定部と、
    鉛直方向における前記風速測定部と前記焼結原料層表面との距離を第1の高さに保持する高さ調整部と、
    を備え、
    前記高さ調整部は、焼結原料層表面高さの変動の大きさが、前記風速測定部による測定値が外乱の影響を受けだす閾値高さ以上となったとき、前記風速測定部の鉛直方向における位置を前記焼結原料層表面高さに追従させて前記第1の高さに保持する、焼結機。
  10. 焼結機の焼結原料層の風速を測定する風速測定方法であって、
    前記焼結原料層上方において鉛直方向の風速を測定する風速測定部を、鉛直方向における前記風速測定部と前記焼結原料層表面との距離を第1の高さに保持した状態で、前記風速測定部により風速を測定するステップと、
    焼結原料層表面高さの変動の大きさが前記風速測定部による測定値が外乱の影響を受けだす閾値高さ未満であるとき、前記焼結機のパレットの底面に対する前記風速測定部の鉛直方向における位置が変動しないように調整するステップと、
    焼結原料層表面高さの変動の大きさが前記閾値高さ以上となったとき、前記風速測定部の鉛直方向における位置を前記焼結原料層表面高さに追従させて前記第1の高さに保持するステップと、
    を含む、風速測定方法。
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