JP2011032262A - Nsaidの長期使用のための医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】NSAID(非ステロイド系炎症薬)長期治療を行いうる方法または医薬組成物の提供。
【解決手段】ヒトの患者におけるNSAIDの使用についての適応症の一つである疾患または症状の長期処置のにおいて、NSAIDと共にコビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを含む医薬組成物の使用。ここで該コビプロストンはNSAIDを服薬する患者に少なくとも36mcg/日で投与される。コビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを、NSAIDと組合わせて投与することにより、該患者はNSAIDを長期間服薬できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、NSAID長期治療を行いうる方法または医薬組成物に関する。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、世界中で最も一般的に用いられている薬剤の一つである。NSAIDの鎮痛、抗発熱および抗炎症特性は、疼痛および炎症の処置に非常に効果的であるが、NSAIDの長期使用は、胃の不調から潰瘍形成および消化管出血までの範囲にわたる消化管損傷を引き起こし得る。この不都合な副作用のために、NSAIDは短期使用が推奨される。
コビプロストンとは、機能的脂肪酸であり、プロストンと呼ばれる化合物クラスの一種である。コビプロストンは、肝臓および消化管に局在するイオンチャンネルに影響を与える局所作用するクロライドチャンネルアクチベーターである。動物試験において、コビプロストンは、インドメタシン、即ちNSAIDにより誘発される潰瘍およびストレスにより誘発される潰瘍の形成から保護し、容認可能な安全性を実証した。
米国特許第5,225,439号、5,166,174号、5,284,858号、5,428,062号、5,380,709号、5,886,034号および6,265,440号は、特定のプロスタグランジンE化合物が、潰瘍、例えば十二指腸潰瘍および胃潰瘍の処置に有効であることを記載している。
米国特許第7,064,148号は、クロライドチャンネル、特にClCチャンネル、より具体的にはClC−2チャンネルを、開口かつ活性化させるプロスタグランジン化合物を記載している。
米国特許出願公開番号2003/0166632は、ClC−2チャンネル開口物質が、ClC−2チャンネルの開口に反応する疾患または症状の処置に有効であることを記載している。
米国特許出願公開番号2009/0012165は、NSAIDおよび特異的なプロスタグランジン化合物を含む医薬組成物を記載している。
しかしながら、コビプロストンが、どのようにNSAIDの長期使用に影響を与えるかは知られていない。
(発明の開示)
本発明の目的は、NSAIDの使用を中断せずに、例えば低減された副作用のリスクにてNSAIDの長期投与を可能とする、NSAIDの使用についての適応症の一つを処置するための方法または医薬組成物を提供することである。
本発明は、医薬上有効量のNSAIDおよび少なくとも36mcg/日のコビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを患者に投与することを含む、ヒトの患者におけるNSAIDの使用についての適応症の一つである症状または疾患の長期処置のための方法に関する。
本発明は、ヒトの患者におけるNSAIDの使用についての適応症の一つである疾患または症状の長期処置のための、コビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを含む医薬組成物を提供するものであり、ここでコビプロストンが、少なくとも36mcg/日でNSAIDを服薬する患者に投与される。
本発明は、ヒトの患者におけるNSAIDの使用についての適応症の一つである症状または疾患の長期処置のための、医薬上有効量のNSAIDおよびコビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを含む組合せをさらに提供するものであり、ここでコビプロストンが、少なくとも36mcg/日で投与される。
さらに、本発明は、ヒトの患者におけるNSAIDの使用についての適応症の一つである症状または疾患の長期処置のための医薬製造のための、有効量のNSAIDおよびコビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドの使用を提供するものであり、ここでコビプロストンが、少なくとも36mcg/日で投与される。
コビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを、NSAIDと組合せて投与することにより、NSAID投与に起因する消化管損傷が十分に抑制され、該患者はNSAIDを、長期間、例えば少なくとも4週間、少なくとも8週間または少なくとも12週間服薬できる。
(発明の詳細な説明)
本発明において使用されるNSAIDは、サリチル酸塩、インドメタシン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、ケトロラク、ナプロキセン、ピロキシカム、テブフェロン、イブプロフェン、エトドラク、ナブメトン、テニダップ、アルコフェナック、アンチピリン、アミノピリン、ジピロン、アミノピロン、フェニルブタゾン、クロフェゾン、オキシフェンブタゾン、プレナゾン、アパゾン、ベンジダミン、ブコロム、シンコフェン、クロニキシン、ジトラゾール(ditrazol)、エピリゾール、フェノプロフェン、フロクタフェニン(floctafenin)、フルフェナム酸、グラフェニン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸、フェナセチン、サリジファミド(salidifamides)、スリンダク、スプロフェン、トルメチン、その医薬上許容される塩、およびその混合物から選択されてもよいが、これらに限定するものではない。NSAIDの好ましい例は、ナプロキセンである。
機能的脂肪酸であり、またプロストンと呼ばれる化合物のクラスの一種であるコビプロストンは、7-{(2R,4aR,5R,7aR)−2−[(3S)−1,1−ジフルオロ−3−メチルペンチル]−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン−5−イル}ヘプタン酸という化学名である。
コビプロストンの好適な「医薬上許容される塩」には、慣用される非毒性塩、例えば無機塩基との塩、例えばアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、アンモニウム塩;または有機性塩基との塩、例えば、アミン塩(例えば、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル-モノエタノールアミン塩、プロカイン塩およびカフェイン塩)、塩基性アミノ酸塩(例えば、アルギニン塩およびリシン塩)、テトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの塩類は、慣用方法、例えば対応する酸および塩から、または塩交換により調製し得る。
エーテルの例には、アルキルエーテル、例えばメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、t-ブチルエーテル、ペンチルエーテルおよび1-シクロプロピルエチルエーテル等の低級アルキルエーテル;およびオクチルエーテル、ジエチルヘキシルエーテル、ラウリルエーテルおよびセチルエーテル等の中級または高級アルキルエーテル;オレイルエーテルおよびリノレニルエーテル等の不飽和エーテル;ビニルエーテル、アリルエーテル等の低級アルケニルエーテル;エチニルエーテルおよびプロピニルエーテル等の低級アルキニルエーテル;ヒドロキシエチルエーテルおよびヒドロキシイソプロピルエーテル等のヒドロキシ(低級)アルキルエーテル;メトキシメチルエーテルおよび1-メトキシエチルエーテル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエーテル;フェニルエーテル、トシルエーテル、t-ブチルフェニルエーテル、サリチルエーテル、3,4-ジメトキシフェニルエーテルおよびベンズアミドフェニルエーテル等の所望により置換されたアリールエーテル;ならびに、ベンジルエーテル、トリチルエーテルおよびベンズヒドリルエーテル等のアリール(低級)アルキルエーテルが挙げられる。
エステルの例には、脂肪族エステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステルおよび1-シクロプロピルエチルエステル等の低級アルキルエステル;ビニルエステルおよびアリルエステル等の低級アルケニルエステル;エチニルエステルおよびプロピニルエステル等の低級アルキニルエステル;ヒドロキシエチルエステル等のヒドロキシ(低級)アルキルエステル;メトキシメチルエステルおよび1-メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエステル;ならびにフェニルエステル、トリルエステル、t-ブチルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4-ジメトキシフェニルエステルおよびベンズアミドフェニルエステル等の所望により置換されたアリールエステル;ならびに、ベンジルエステル、トリチルエステルおよびベンズヒドリルエステル等のアリール(低級)アルキルエステル等が挙げられる。
アミドは、一般式−CONR’R''[式中、各々R’およびR''が水素、低級アルキル、アリール、アルキル−またはアリール-スルホニル、低級アルケニルおよび低級アルキニルである]により表される基を意味し、例えば、メチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミドおよびジエチルアミド等の低級アルキルアミド;アニリドおよびトルイジド等のアリールアミド;ならびにメチルスルホニルアミド、エチルスルホニル-アミドおよびトルイルスルホニルアミド等のアルキル−またはアリール-スルホニルアミドが挙げられる。
本発明のコビプロストンは、固体状態では二環式形態として存在するが、溶媒に溶解された場合にはその互変異性体を部分的に形成する。水が存在しない場合には、コビプロストンは、二環式化合物の形態で優勢に存在する。水性媒体では、水素結合が、例えばC15位のケトン位の間で生じ、これにより二環式の環形成を防止すると考えられる。
Figure 2011032262
本発明に従って、コビプロストンの「互変異性体」もまた本処置に使用され得る。
本発明において使用されるコビプロストン、またはその塩、エーテルエステルもしくはアミドは、米国特許第5,739,161号(この引用文献は参照により本明細書に組み込まれる)に開示された方法により調製できる。
本発明によると、NSAIDおよびコビプロストンは、双方を単一の要素または単一の投与形態で同時に患者へ投与されるか、または特定の時間制限なく同時または連続的のいずれかにて別々の要素として患者に投与され、かかる投与は、体内で該2成分の治療上有効なレベルを、好ましくは同時に提供する。
本発明によると、コビプロストンまたはその塩、エーテル、エステルもしくはアミドの各々、およびコビプロストンまたはその塩、エーテル、エステルもしくはアミドと組合せて使用されるNSAIDを、全身的または局所的に適用することができる。通常、該化合物は、経口投与、静脈内注射(点滴を含む)、皮下注射、鼻腔内投与、吸入投与、直腸内投与、膣内投与、経皮投与などにより投与される。該投与量は、動物の系統、年齢、体重、処置すべき症状、所望の治療効果、投与経路、処置期間等に応じて変更し得る。1日にコビプロストンを少なくとも36mcg、より好ましくは少なくとも54mcg、およびNSAIDを0.01-100000mg、好ましくは0.1-10000mg、好ましくは1−1000mgの投与量にて1日に1−4回、全身投与または連続投与することにより満足のいく効果を得ることができる。
本発明によると、コビプロストンまたはその塩、エーテルエステルもしくはアミド、およびコビプロストンまたはその塩、エーテルエステルもしくはアミドと組合わせて使用されるNSAIDを、医薬上許容し得る賦形剤と共にいずれかの形態で製剤し得る。それ故に、医薬的に好適な賦形剤は、該組成物の所望の形態に応じて選択されてもよい。本発明に従って、「医薬的に好適な賦形剤」とは、不活性物質を意味し、本発明の活性成分と組合わせた形態に好適である。
例えば、本発明の経口投与のための固体組成物には、錠剤、製剤、顆粒剤等が挙げられる。かかる固体組成物において、1以上の活性成分は、少なくとも1つの不活性希釈剤、例えばラクトース、マンニトール、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セルロース、スターチ、ポリビニルピロリドン、マグネシウムアルミネートメタシリケート等と組合せて使用される。通常の作業に従って、該組成物は、不活性希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;繊維状カルシウムグルコネート等の崩壊剤;シクロデキストリン等の安定剤、例えばα,β-またはγ-シクロデキストリン;ジメチル-α-、ジメチル-β-、トリメチル-β-、またはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン等のエーテル化シクロデキストリン;グルコシル-、マルトシル-シクロデキストリン等の分枝シクロデキストリン;ホルミル化シクロデキストリン、硫黄含有シクロデキストリン;リン脂質なども含有し得る。上記シクロデキストリンを使用する場合、シクロデキストリンを用いる包接化合物を、安定性を増強させるために形成することもあり得る。あるいは、リン脂質を用いて、増強した安定性をもたらすリポソームを形成してもよい。
錠剤または丸剤は、必要に応じて糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の胃または腸内で可溶性のフィルムでコーティングしてもよい。さらに、該化合物は、吸収性物質、例えばゼラチンと共にカプセルとして形成されてもよい。好ましくは、コビプロストンまたはその塩、エーテル、エステルまたはアミドを、中鎖脂肪酸トリグリセリドと共にソフトゼラチンカプセルに製剤する。本発明に使用される中鎖脂肪酸トリグリセリドの例示には、分岐鎖を有してもよい6−14個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸のトリグリセリドが挙げられる。好ましい脂肪酸は、直鎖飽和脂肪酸、例えばカプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)およびミリスチン酸(C14)である。さらに、2以上の中鎖脂肪酸トリグリセリドを、組合せて使用してもよい。さらなる好適な賦形剤は、米国第6,583,174号に開示される。
経口投与のための液体組成物の例には、医薬上許容し得る乳剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、またはエリキシル剤、ならびに慣用される不活性希釈剤があり得る。かかる組成物は、不活性希釈剤以外に、滑剤および懸濁液等のアジュバンド、甘味剤、香味剤、保存剤、可溶化剤、抗酸化剤等を含んでもよい。これら添加剤の詳細は、医薬分野において任意の一般的な製剤学の参考書に記載されているものから選択すればよい。かかる液体組成物を、ソフトカプセル内に直接封入してもよい。本発明に関する非経口投与、例えば、座薬、浣腸剤などのための溶液には、滅菌した水性または非水性溶液剤、懸濁剤、乳剤、洗剤などが挙げられる。水性溶液剤および懸濁剤には、例えば、蒸留水、生理食塩水およびリンゲル溶液が挙げられる。
本発明の組成物は、より活性な成分の内の一つを含有する噴霧組成物の形態であってもよく、これは既知の方法に従って調製することができる。
経鼻製剤の例には、1以上の活性成分を含む水性または油性の溶液剤、懸濁剤または乳剤があり得る。吸入による活性成分の投与のために、本発明の組成物は、エーロゾルを提供し得る懸濁剤、溶液剤または乳剤の形態か、または乾燥粉末の吸入に好適な粉末の形態であってよい。吸入投与のための組成物は、慣用されるプロペラントをさらに含み得る。
非水性溶液剤および懸濁剤には、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、脂肪酸トリグリセリド、およびオリーブオイル等の植物性油、エタノール等のアルコール、ポリソルベートなどが挙げられる。かかる組成物は、アジュバンド、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、抗酸化剤等を含有し得る。
非経口投与のための本発明の注射用組成物の例には、滅菌した水性または非水性溶液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。水性溶液剤または懸濁剤のための希釈剤には、例えば注射用蒸留水、生理食塩水およびリンゲル溶液が挙げられ得る。
溶液剤および懸濁剤のための非水性希釈剤には、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイル等の植物油、エタノール等のアルコールおよびポリソルベートなどを挙げ得る。該組成物は、添加剤、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤などをさらに含んでもよい。それらは、例えば、細菌保留フィルターを通して濾過することによって、滅菌剤を配合することによって、またはガスもしくは放射性同位体照射滅菌によって滅菌してもよい。注射用組成物は、滅菌粉末組成物として提供し、使用前に注射用の滅菌溶媒に溶解させることもできる。
外部薬には、あらゆる外用製剤が含まれ、これには軟膏剤、クリーム剤、液剤、ローション剤、ペースト剤、貼付剤およびスプレー剤などが挙げられる。
本発明の別の医薬形態は、坐剤または腟坐剤であり、これらは通常の基剤、例えば体温で軟化するカカオバターに活性成分を混合することによって調製することができ、吸収性を向上させるために好適な軟化温度を有する非イオン性界面活性剤を用いてもよい。
本発明の方法に従って、本発明の化合物は、経口投与または非経口投与により全身的または局所的に投与することができ、これには座薬、浣腸剤等が挙げられ、また外部薬であってもよい。単回または多回組成物を投与して、所望の投与量を達成することができる。
本明細書において用いる「処置」または「処置する」なる用語には、いずれかの管理手段、例えば、症状の予防、治療、軽減、症状の減弱および進行の抑止が挙げられる。
コビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドは、NSAIDの使用についての適応症の一つである症状または疾患を長期的に処置するためにNSAIDと組合せて使用され得る。NSAIDの使用についての適応症の例としては、関節炎、リウマチ性関節炎、骨関節炎、脊椎炎、強直性脊椎炎、若年性関節炎、若年性リウマチ性関節炎、腱炎、滑液包炎、痛風、疼痛、および月経困難症を挙げることができる。NSAIDの使用についての適応症は、アルツハイマー疾患または癌をさらに含み得る。
コビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドおよびNSAIDの組合せは、様々な病因に由来する疼痛の長期処置に特に有用である。
用語「様々な病因に由来する疼痛」には、炎症性疼痛、痛覚過敏、および特に慢性疼痛が挙げられ、具体的には例えば火傷、捻挫、骨折等に関連のある外傷の結果としておこる疼痛、外科的介入後の疼痛、例えば術後鎮痛、化学療法誘発性の疼痛、ならびに様々な起源の炎症性疼痛、例えば骨および関節疼痛(骨関節炎)、筋膜疼痛(筋肉損傷、線維筋痛)、腰部疼痛、慢性炎症性疼痛、慢性神経性痛、例えば糖尿病性神経障害、幻肢疼痛および周術期疼痛(一般外科、婦人科手術)、ならびに例えば狭心症、月経または癌疼痛に関連する疼痛を意味するが、これらに限定するものではない。
「癌」なる用語には、食道癌、胃癌、十二指腸癌、小腸癌、虫垂癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、肛門癌、膵臓癌、肝臓癌、胆嚢癌、脾臓癌、腎臓癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、肺癌および甲状腺癌が含まれる。
本発明のさらなる詳細を、試験例を参照して以下に示すが、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例
骨関節炎および/またはリウマチ性関節炎に罹患している全124人の患者が、12週間の、無作為化二重盲検の投与量決定試験およびプラセボ対照第II相臨床試験に登録した。試験中の全患者は、ナプロキセン(500mg)を1日に2回服薬した。4つの処置コホートがある:1つのコホートはプラセボを服薬し、残る3つのコホートは18mcgのコビプロストンを1日に1回、2回または3回服薬した(一日総量が各々18、36または54mcg)。
維持率および休薬率を以下の規定により評価した。
維持率:特定した週の時点での試験に残る包括解析対象の数。
休薬率:該治験を中断した無作為化対象の数。中断の理由は次のとおりであった:
a.有害事象
b.潰瘍を理由とする中断
c.追跡不能
d.服薬不遵守
e.患者の選択
f.治験依頼者のリクエスト
休薬率は、一つの理由、例えば有害事象について、または中断の理由いずれかの組合せについて表現/計算され得る。
8週時のナプロキセンをコビプロストンと共に服薬する患者の維持率は、プラセボについては50%であり、これに対してコビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々67%、68%および90%であった。12週時のナプロキセンをコビプロストンと共に服薬する患者の維持率は、ナプロキセンをプラセボと共に服薬する患者と比較した場合に統計的に有意であり、用量依存様式で増加した。該維持率は、プラセボについては40%であり、これに対してコビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々47%、52%および77%であった。処置期間の平均日数は、コビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々60.0、82.0および83.0日であるのに比べ、プラセボを服薬する患者は55.0日であった。
全体的として、このデータは、コビプロストンはNSAID治療を服薬する患者において十分耐用性であったことを示した。関連のある全体的な有害事象率は、コビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについて各々60.0%、71.0%および67.7%であるのに比べ、プラセボは66.7%であった。最も共通して関連のある有害事象は次のとおりであった:下痢、コビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々13.3%、32.3%および35.5%であるのに比べて、プラセボは13.3%;吐き気、プラセボについては10.0%であるのに対し、コビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々10.0%、16.1%および16.1%;および胃炎、プラセボについては13.3%であるのに対し、コビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々13.3%、6.5%および9.7%。薬物に関連のある胃腸有害事象率は、プラセボについては66.7%であるのに対し、コビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々60.0%、67.7%、および67.7%であり、これは下痢および吐き気以外の胃腸有害事象がナプロキセン治療に関連し得ることを示唆している。有害事象を理由とする試験の休薬率は、プラセボについては21.9%であるのに対し、コビプロストン18mcg、36mcgおよび54mcgについては各々13.3%、16.1%および16.1%であった。
上記データは、1日あたり、少なくとも36mcg、特には少なくとも54mcgのコビプロストンが、NSAIDの長期使用に有用であることを示す。即ち、コビプロストンの前記投与量をNSAIDと組合わせて服薬することにより、該患者を、NSAIDの使用を中断せずに、例えば低減された副作用にて、NSAIDにより長期間処置することが可能である。

Claims (20)

  1. ヒトの患者におけるNSAIDの使用についての適応症の一つである疾患または症状の長期処置のための、コビプロストンまたはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを含む医薬組成物であって、ここでコビプロストンが、NSAIDを服薬する患者に少なくとも36mcg/日で投与される医薬組成物。
  2. 該長期処置が少なくとも4週間である、請求項1に記載した医薬組成物。
  3. 該長期処置が少なくとも8週間である、請求項1に記載した医薬組成物。
  4. 該長期処置が少なくとも12週間である、請求項1に記載した医薬組成物。
  5. 該NSAIDが、サリチル酸塩、インドメタシン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、ケトロラク、ナプロキセン、ピロキシカム、テブフェロン、イブプロフェン、エトドラク、ナブメトン、テニダップ、アルコフェナック、アンチピリン、アミノピリン、ジピロン、アミノピロン、フェニルブタゾン、クロフェゾン、オキシフェンブタゾン、プレナゾン、アパゾン、ベンジダミン、ブコロム、シンコフェン、クロニキシン、ジトラゾール(ditrazol)、エピリゾール、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルフェナム酸、グラフェニン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸、フェナセチン、サリジファミド(salidifamides)、スリンダク、スプロフェン、トルメチン、その医薬上許容される塩およびその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載した医薬組成物。
  6. NSAIDがナプロキセンである、請求項5に記載した医薬組成物。
  7. ナプロキセンが少なくとも500mg/日で投与される、請求項6に記載した医薬組成物。
  8. ナプロキセンが、1日に2回、少なくとも500mgで投与される、請求項6に記載した医薬組成物。
  9. コビプロストンが少なくとも54mcg/日で投与される、請求項1に記載した医薬組成物。
  10. 個々の化合物が同時に、別々に、または連続的に投与される、請求項1に記載した医薬組成物。
  11. ヒトの患者におけるNSAIDの使用についての適応症の一つである症状または疾患の長期処置のための、医薬上有効量のNSAIDおよびコビプロストン、またはその医薬上許容される塩、エステル、エーテルもしくはアミドを含む組合せであって、ここでコビプロストンが、少なくとも36mcg/日で投与される組合せ。
  12. 該長期処置が少なくとも4週間である、請求項11に記載した組合せ。
  13. 該長期処置が少なくとも8週間である、請求項11に記載した組合せ。
  14. 該長期処置が少なくとも12週間である、請求項11に記載した組合せ。
  15. 該NSAIDが、サリチル酸塩、インドメタシン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、ケトロラク、ナプロキセン、ピロキシカム、テブフェロン、イブプロフェン、エトドラク、ナブメトン、テニダップ、アルコフェナック、アンチピリン、アミノピリン、ジピロン、アミノピロン、フェニルブタゾン、クロフェゾン、オキシフェンブタゾン、プレナゾン、アパゾン、ベンジダミン、ブコロム、シンコフェン、クロニキシン、ジトラゾール、エピリゾール、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルフェナム酸、グラフェニン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸、フェナセチン、サリジファミド(salidifamides)、スリンダク、スプロフェン、トルメチン、その医薬上許容される塩、およびその混合物からなる群から選択される、請求項11に記載した組合せ。
  16. NSAIDがナプロキセンである、請求項15に記載した組合せ。
  17. ナプロキセンが少なくとも500mg/日で投与される、請求項16に記載した組合せ。
  18. ナプロキセンが、1日に2回、少なくとも500mgで投与される、請求項16に記載した組合せ。
  19. コビプロストンが少なくとも54mcg/日で投与される、請求項11に記載した組合せ。
  20. 該各化合物が同時に、別々に、または連続的に投与される、請求項11に記載した組合せ。
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