(第1の実施の形態)
以下に、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を具体化した第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、周知のように、パチンコ機1は、外枠と、該外枠の前部に設けられ外枠の一側部にて開閉可能に設けられた前面枠とを備えている。また、その前面枠の前面側にはガラス扉枠が開閉自在に設けられている。前面枠の後側(ガラス扉枠の奥、外枠の内側)には、遊技盤2が着脱可能に装着されている。この遊技盤2は内レール、外レール等を備え、これらのレールは、遊技球発射装置によって発射された遊技球5を、遊技盤2の上部に案内する。また、ガラス扉枠の下側において、前面枠には前飾枠が開閉可能に設けられ、前飾枠には、上受皿が設けられている。一方、前面枠の下部には、前記上受皿よりも下方位置にて下受皿が設けられているとともに、遊技球発射装置を構成するハンドルが設けられている。
図1に示すように、パチンコ機1の遊技盤2には、作動口3及び大入賞口4が設けられている。作動口3は、遊技球5の通路を備えており、その通路入口には羽根6が開閉可能に支持されている。大入賞口4の奥には、シーソー7が設けられており、その右側にはVゾーン8が、左側には入賞通路9が設けられている(左右逆でもよい)。そして、大入賞口4に入賞した遊技球5は、シーソー7上を転がって、Vゾーン8又は入賞通路9のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方へと導かれる。また、大入賞口4の前には、シャッタ11が設けられている。このシャッタ11は、大入賞口4の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド12により作動させられ、大入賞口4を開閉する。詳しくは、当該ソレノイド12が励磁状態となることにより、シャッタ11が略水平に傾き、これにより大入賞口4が開かれる。また、ソレノイド12が非励磁状態となることにより、シャッタ11が略垂直状態となり、これにより大入賞口4は閉鎖される。
前記大入賞口4の一側部には、シーソー用ソレノイド10が設けられている。シーソー用ソレノイド10は通常、非励磁状態となっており、この状態においては、遊技球5がVゾーン8を通過するようにシーソー7を傾けている。また、シーソー用ソレノイド10が励磁状態となることにより、シーソー7は、遊技球5が入賞通路9を通過するように傾動させられる。本実施の形態では、シャッタ11が開状態において、遊技球5が1つでもVゾーン8を通過した場合には、シーソー用ソレノイド10が励磁される。そして、シャッタ11が閉じられることにより、シーソー用ソレノイド10が非励磁状態となる。
遊技盤2の中央部分には、可変表示装置としての特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)13が組込まれている。表示装置13は、液晶ディスプレイ(LCD)(=液晶モニタ)よりなる表示部13aを備えており、ここに複数の図柄列が表示される。図2に示すように、本実施の形態では、これらの図柄列として左図柄列14、中図柄列15及び右図柄列16の3つの図柄列が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。前記表示部13aには、その下部において、大当たりラインを構成する表示領域が備えられている。
また、図1に示すように、特別図柄表示装置13の上部には普通図柄表示装置51が併設されている。普通図柄表示装置51は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ52と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部53とを有している。
さらに、前記特別図柄表示装置13の左右両側方には一対の通過ゲート54が配設されている。同通過ゲート54を遊技球5が通過すると前記普通図柄表示装置51が作動する。本実施の形態では、普通図柄表示装置51は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部53にセグメント表示させ、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、作動口3の羽根6を所定秒数開放させる。この開放により、作動口3への入賞が比較的容易なものとなる。普通図柄表示装置51は、遊技球5の通過ゲート54の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプ52でその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプ52が点灯している状態で遊技球5が通過ゲート54を通過しても保留球としてカウントされず、保留ランプ52が点灯している限り、遊技球5が通過ゲート54を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置51は作動するようになっている。
さて、各図柄列14〜16は、基本的には、図2,3に示すように、識別情報としての複数種類(12種類)の図柄17A〜17Lによって構成されている。各図柄17A〜17Lは、基本的には皿に盛られた魚等の絵と、「一」〜「十二」の数字との組合せによって構成されており、「一」〜「十二」の数字は、昇順に配列されている。より詳しくは、「一」が「タイ」の絵と、「二」が「ウズラ」の絵と、「三」が「カッパ」の絵と、「四」がヒラメの絵と、「五」が「プリン」の絵と、「六」が「サザエ」の絵と、「七」が「女の子」の絵と、「八」が「タコ」の絵と、「九」が「キツネ」の絵と、「十」が「クジラ」の絵と、「十一」が「タケノコ」の絵と、「十二」が「カニ」の絵と組み合わされている。これらの図柄17A〜17Lは、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる(これらについては後述する)。
各々の図柄列14〜16においては、あたかも回転寿司店における複数の(3つの)回転テーブル上に載置されたように表示される図柄17A〜17Lが、テーブルとともに回転可能に表示される。なお、回転表示される都合上、各図柄列14〜16には、大当たりラインに配置表示される図柄17A〜17L以外にも、大当たりラインとは無関係の複数の図柄17A〜17Lが表示されるようになっている(例えば次に大当たりラインに並びうる図柄17A〜17Lや、既に大当たりラインに並んだ後の図柄17A〜17L等)。しかし、このような表示態様に何ら限定されるものではなく、例えば各図柄列14〜16に1つずつの図柄17A〜17Lが表示される態様であってもよい。
図4(a)に示すように、表示装置13の表示部13aでは、各図柄列14〜16の図柄変動(回転変動)が、遊技球5の作動口3への入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列14〜16が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。本実施の形態では、図柄変動は、左図柄列14、右図柄列16、中図柄列15の順に停止させられるが、これはあくまでも1例にすぎず、別の順序で停止させられるようにしてもよい。
図4(b)は、表示部13aにおける大当たり報知画面を示す図であって、大当たり状態が発生したときに、それを再度遊技者に報知するものである。同図に示すように、大当たり図柄は、リーチ状態を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列14〜16の変動が停止させられたとき、表示されている図柄17A〜17Lの組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄17A〜17Lが大当たりラインに沿って並んでいるときの同図柄17A〜17Lの組合せ(例えば、同図に示すように、「一」、「一」、「一」の図柄17A)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口4が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
また、図5(a)〜(d)に示すように、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう(もちろん大当たり状態に至らない場合もある)。リーチ状態には、右図柄列16の図柄変動が、大当たりライン上において左図柄列14の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。図に示す例では、大当たりラインが、表示部13aの下部において水平方向へ延びるように位置しており、かつ、同ライン上で停止している左・右両図柄列14,16の図柄17A〜17Lが共に「一」の付された図柄17Aとなっている。
前述したように、上記のリーチ状態には、中図柄列15の図柄変動が、最終的に左・右両図柄列14,16の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。さらには、同一種類の図柄17A〜17Lが大当たりラインに沿って並んだ状態で、全図柄列が一斉に変動し、その後全図柄列14〜16の図柄17A〜17Lが同時に停止するような場合(全回転リーチとも称される)も含むこととしてもよい。
さらに、前述した各図柄列14〜16での図柄変動に加え、図2(a),(b)に示すように、図柄17A〜17Lとは別に、キャラクタが表示部13aに表示される。本実施の形態におけるキャラクタとしては、主として寿司屋の源さんGCが表示されるよう設定されている。
上記リーチ状態においては、種々のリーチパターンが設定されている。リーチパターンとしては、図5に示すように、「ノーマルリーチ(図5(a)参照)」、「握りリーチ(図5(b)参照)」、「仕入れリーチ(図5(c)参照)」、「出前リーチ(図5(d)参照)」が設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって大当たり期待値が異なったものとなっている。これらのリーチパターンは、可変表示装置13側に設定されているリーチ種別決定カウンタに基づいて決定される。なお、上記各リーチパターンの処理動作(演出内容)等については、本実施の形態の特徴部分ではないため、これ以上の説明は省略することとする。
遊技球5の作動口3への入賞に基づいて各図柄列14〜16の図柄変動が開始させられることはすでに説明したが、この変動表示中にさらに遊技球5が作動口3に入賞した場合には、通過ゲート54を通過した場合と同様、その分の変動表示は、現在行われている変動表示の終了後に行われる。つまり、変動表示が待機(保留)される。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められている。本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されているが、これに限られるものではない。
図1に示すように、特別図柄表示装置13において、表示部13aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ18a,18b,18c,18dが組み込まれている。当該保留ランプ18a〜18dの数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ18a〜18dは、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
なお、このほかにも、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための他の各種ランプや電飾部材が取付けられている。これらの電飾部材等は、遊技の進行に応じて点灯状態(消灯、点灯、点滅等)が変えられる。さらに、パチンコ機1には、遊技の進行に応じて効果音を発生する図示しないスピーカが設けられている。
遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するべく、本実施の形態では、遊技盤2には、スルースイッチ20、作動口用スイッチ21、Vゾーン用スイッチ22及びカウントスイッチ23等がそれぞれ取付けられている。スルースイッチ20は、遊技球の通過ゲート54の通過を検出し、作動口用スイッチ21は、遊技球5の作動口3への入賞を検出する。また、Vゾーン用スイッチ22は遊技球5の大入賞口4のうちのVゾーン8への入賞を検出し、カウントスイッチ23は、遊技球5の大入賞口4への入賞を検出する。
本実施の形態では、各スイッチ20〜23の検出結果に基づきソレノイド10,12、特別図柄表示装置13、各保留ランプ18a〜18d、普通図柄表示装置51(7セグ表示部53及び保留ランプ52)、羽根6等をそれぞれ駆動制御するために主制御部としての制御装置(主基板)24が設けられている。制御装置24は、読み出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等からなる主制御部を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMは、CPUによる演算結果を、図柄乱数バッファ、図柄乱数エリア、停止図柄エリア等に一時的に記憶する。
また、本実施の形態においては、CPU(主基板24)による制御の1つとして、モード切換制御がある。本実施の形態では、遊技モード(遊技状態)として通常モード及び確率変動モード(=高確率モード。以下、「確変モード」と称する)が用意されている。すなわち、例えば300分の1程度の比較的低確率で大当たり遊技状態を発生させる通常モードと、その約5倍である60分の1程度の高確率で大当たり遊技状態を発生させる確変モードとがある。
なお、一般的に、確変モードの概念としては、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17Lの変動時間を短くすること、(5)大当たり確率が通常モードに比べて高くなること等が挙げられるが、本実施の形態における確変モードにおいては、これら(1)〜(5)のうち、(5)のみ、すなわち、大当たり確率が単に高められることのみが実行される。
本実施の形態では、パチンコ機1の電源投入時においては、通常モードに設定される。また、その後は、大当たり遊技状態となった際に、確変モード又は通常モードのいずれかが選択される。そして、大当たり状態終了後において、当該選択されたモードが実行される。より詳しくは、本実施の形態では、大当たり遊技状態となったときの確定表示図柄17A〜17L(大当たり図柄)が奇数(「一」、「三」、「五」、「七」、「九」、「十一」)の場合には、大当たり状態終了後の遊技モードが確変モードに設定され、大当たり遊技状態となったときの確定表示図柄17A〜17H(大当たり図柄)が偶数(「二」、「四」、「六」、「八」、「十」、「十二」)の場合に、大当たり状態終了後の遊技モードが通常モードに設定される。従って、最終的に確定表示された図柄17A〜17Lの有する価値が、図柄17A〜17Lの種類に応じて異なっているといえる。
また、本実施の形態では、疑似的に大当たり図柄が一旦表示された後、再度全図柄17A〜17Lが揃った状態で変動する再変動処理(再抽選処理)が行われる場合がある。これは、全図柄が一旦停止表示されたときに、それが大当たり状態を発生させる図柄であった場合であって、上述したように偶数(「二」、「四」、「六」、「八」、「十」、「十二」)の図柄であった場合には、再度変動表示を行うことで、奇数(「一」、「三」、「五」、「七」、「九」、「十一」)の図柄で確定表示される機会が与えられるよう、遊技者にとっての見かけ上のチャンスを付与するものである。当該処理は、大当たり時であって、所定の条件が成立した場合にのみ実行される。もちろん、再変動処理が行われた場合であっても、結果的に偶数の図柄で確定表示される場合もありうる。
さて、本実施の形態では、主基板24ではなく、主として前記可変表示装置13の制御基板において、表示部13aにおける各種表示が司られるような構成となっている。ここで、当該可変表示装置13の電気的構成について、図6のブロック図に従って説明する。同図に示すように、可変表示装置13(表示制御部)は、主基板24から送られてくるコマンドを順次受信するインターフェイス81と、プログラムROM82に記憶された制御プログラム及び各種の情報に基づいて、通常変動やリーチ状態や大当たり報知状態等の画面構成情報を生成するCPU83と、該CPU83での処理結果等を一時的に記憶するワークRAM84と、CPU83で生成された画面構成情報を記憶するビデオRAM85と、ビデオRAM85の画面構成情報に基づいて画像データROM86から画像データを取り出し、通常変動やリーチ状態や大当たり報知状態等の画面全体の画像を表示する表示部(液晶モニタ)13aとを備えている。
前記インターフェイス81は、主基板24から送信されてくるコマンド(指令)を受信する。また、それらのコマンドは、CPU83によってワークRAM84に設けられたコマンドバッファ領域84aに記憶される。
CPU83は、プログラムRAM82に記憶された制御プログラムに従って動作する。具体的には、前記コマンドを監視して、該コマンドに応じたタスクを生成し、ワークRAM84に記憶する。そのタスクを実行することで、ワークRAM84内に通常変動やリーチ状態や大当たり状態等の画面構成情報を生成し、この画面構成情報をビデオRAM85に書き込む、なお、画面構成情報は、表示部(液晶モニタ)13aの垂直操作信号(VSYNC)ごとに生成される。
ワークRAM84には、主基板24からのコマンドを記憶するための前記コマンドバッファ領域84aをはじめ、生成されたタスクが記憶されるタスクバッファ領域84bや、通常変動時やリーチ状態時の図柄画像の指示や、その配置位置や表示優先順位等を一括してビデオRAM85に書き込むために情報が記憶されるスプライトチェーン領域84cが設定される。
また、VDP87は、いわゆるスプライド回路、スクリーン回路及びパレット回路等を備えた画像処理を行う画像データプロセッサである。つまり、ビデオRAM85に記憶された画像構成情報に基づいて、画像データROM86に記憶されている画像データを呼び出して画面に表示するための画像を生成するものである。この生成された画像が表示部13aに出力されるのである。なお、前記画像データROM86には、いわゆる背景画像、前記図柄17A〜17Lの画像、キャラクタ画像等の各種画像が記憶されている。
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。制御装置(主基板24)は、上記作動口用スイッチ21からの検出信号に基づき、遊技球5が作動口3へ入賞した旨を検出した場合、そのことに基づいて、対応する保留ランプ18a〜18d(例えば、それまで2つの保留ランプ18a及び18bの2つのランプが点灯されていた場合には3つ目の保留ランプ18c)を点灯させ、保留カウンタの値を「1」ずつインクリメントする。但し、保留ランプ18a〜18dが全て点灯している場合は除かれる。
また、制御装置(主基板)24は、内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等の各カウンタの値(データ)を各乱数エリアに格納する。そして、所定のタイミングにおいて(それまで図柄変動が行われていなかった場合には速やかに、また、それまで図柄変動や大当たり時制御が行われていた場合には、当該変動等が終了した後所定時間(数秒)経過後)、対応する保留ランプ18a〜18dを消灯させるとともに、保留カウンタの値をデクリメントし、各エリア等に格納されたデータに基づき図柄変動を実行する。
このとき、主基板24は、当該変動に際し、表示制御指令としての表示コマンドを可変表示装置13へと出力(送信)する。さて、この表示コマンドには、(1)変動開始から所定時間後に図柄17A〜17Lを確定表示させる旨の時間情報及び各リーチパターンに代表される変動パターンを示唆する表示パターン情報、並びに、(2)いかなる図柄17A〜17Lで確定表示させるかという図柄情報が含まれる。ここで、図柄情報としては、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄が含まれ、これらは、上述した内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等に基づいて決定されるものである。
本実施の形態における上記表示コマンドは、2バイト構成からなっており、順次連続的に可変表示装置13側へと送信される。2バイト構成からなる表示コマンドのうち、先頭の1バイト目は、これからいかなる情報が送信されてくるかというキーワード情報によって構成されている。また、後半の1バイトは、具体的な指示内容に該当するパターンコード等の内容情報によって構成されている。
例えば、本実施の形態において、まず最初に送信される表示コマンドは表示パターン情報である。この場合、1バイト目は、これから表示パターン情報(時間情報及び変動パターンを示唆する)が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、「01」、「02」等のパターンコード情報により構成されている。ここで、「01」、「02」等のパターンコード情報は、図柄の変動時間を例えば「10秒」とする、或いは、「40秒」とするといった内容を示唆する時間情報と、どのような変動パターン(又は変動パターン群のうちいずれか)を実行するといった変動パターンを示唆する情報とからなる。
また、続いて送信されるのは図柄情報である。すなわち、本実施の形態のように左→右→中の順に3つの図柄列14〜16の図柄が確定させられる場合においては、まず、表示パターン情報に続いて2番目に送信される表示コマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから左図柄列14の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。また、3番目に送信される表示コマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから右図柄列16の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。併せて、4番目に送信される表示コマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから中図柄列15の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。このように、確定図柄に関する3つの表示情報がたて続けに送信される。すなわち、1回の図柄変動に際して、2バイト構成からなるデータが1バイトずつ送信されることにより、合計8(1×2+3×2)回のデータ送信が行われることとなる。
なお、上記実施の形態では、左、右、中の各図柄列14〜16に対応した図柄情報が送信されることとなっているが、例えば9つの図柄を確定表示させる必要がある場合には、1×2+9×2=20回のデータ送信が行われるといった具合に、図柄数を適宜変更した場合であっても適用することができる。
一方、一群の表示コマンド(1回の図柄変動に際して送られてくるデータ群)を受信した可変表示装置13のCPU83は、当該コマンドに基づき図柄変動を開始するとともに、まず、疑似停止に至るまでの間、前記変動パターンに基づく種々の演出を行う。当該演出としては、例えばリーチ演出が主として挙げられる。
さて、上記表示コマンドのうち、表示パターン情報に基づき、可変表示装置13のCPU83は、例えば図7に示すようなテーブルを参酌して、上述した各変動パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を、変動開始から確定表示までの間、時間データの秒数分だけ実行する。ここに示す例では、可変表示装置13のプログラムROM82には、図7に示すテーブルに加えて、図8に示す4つのテーブル(テーブルA〜テーブルD)が記憶されている。例えば表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「01」であった場合、図柄の変動時間を「5秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルAを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、可変表示装置13側では所定の乱数カウンタを有しており、該乱数カウンタは、所定時間(例えば2ms)毎に値を更新し、0〜CCまでの値をとる。そして、テーブルAが参酌された場合、そのときのカウント値がいかなる値であったとしても、通常変動が5秒間実行されることとなる。
また、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「02」であった場合、図柄の変動時間を「10秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルBを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、テーブルBが参酌された場合、そのときのカウント値が0以上C1未満の場合には通常変動が実行され、C1以上CC未満の場合には通常変動プラス右図柄列16停止時のすべり変動処理(一時的な高速変動)が実行されることとなる。
さらに、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「03」であった場合、図柄の変動時間を「20秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルCを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、テーブルCが参酌された場合、そのときのカウント値が0以上C2未満の場合には出前リーチ処理変動が実行され、C2以上C3未満の場合には握りリーチ処理変動が実行され、C3以上C4未満の場合には仕入れリーチ処理変動プラス右図柄列16のすべり変動処理が実行され、C4以上CC未満の場合にはノーマルリーチ処理変動が実行されることとなる。
併せて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「04」であった場合、図柄の変動時間を「40秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルDを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、テーブルDが参酌された場合、そのときのカウント値が0以上C5未満の場合には出前リーチ処理変動が実行され、C5以上C6未満の場合には握りリーチ処理変動が実行され、C6以上C7未満の場合には仕入れリーチ処理変動が実行され、C7以上C8未満の場合にはノーマルリーチ処理変動が実行され、さらに、C8以上CC以下の場合には仕入れリーチ処理変動プラス右図柄列16のすべり変動処理が実行されることとなる。
ここで、主基板24側では、上記パターンコードの中からいずれかを選択決定し、可変表示装置13へと出力する。本実施の形態では、そのときどきの確定停止させるべき図柄(図柄情報)に基づき、上記パターンコードの中から適したものを選択決定し、可変表示装置13へと出力することとなっている。すなわち、確定図柄が、完全なる外れ図柄である場合には、通常変動しか行わないものとして、テーブルA又はテーブルBのいずれかを参酌するべく、パターンコードとして「01」又は「02」を出力するようになっている。また、確定図柄が外れリーチ図柄である場合には、リーチ演出を行うべきものとして、テーブルC又はDのいずれかを参酌するべく、パターンコードとして「03」又は「04」を出力するようになっている。さらに、確定図柄が大当たり図柄又は大当たり図柄の前後1コマの外れリーチ図柄(いわゆる惜しいリーチ図柄)である場合には、テーブルDを参酌するべく、パターンコードとして「04」を出力するようになっている。
ここで、本実施の形態のように、確定停止させるべき図柄(確定図柄)に基づき、上記パターンコードの中から適したものを選択決定する場合には、同じ時間データが出力された場合であっても、疑似図柄が停止表示されるタイミング(最後に停止される中図柄列15の図柄が疑似的に停止されるタイミング)と、揺動、再変動といった演出表示の時間等を適宜調整することで、遊技者に違和感を生じさせることなく、様々な変動、演出を実行することが可能となる。例えば、今回の確定図柄が大当たり図柄の場合には、再変動を行うか否かが判断され、再変動を行うと判定された場合には、確定表示の数秒前(例えば3秒前)に中図柄列15の図柄を疑似停止させ、その後の数秒間再変動処理を行う。また、再変動を行わないと判定された場合には、確定表示の数秒前(例えば3秒前)に中図柄列15の図柄を疑似停止させ、その後の数秒間図柄の揺動(ゆらしながら表示する)処理を行う。さらに、今回の確定図柄が外れリーチ図柄の場合には、確定表示の数秒前(例えば3秒前)に中図柄列15の図柄を疑似停止させ、その後の数秒間揺動処理を行う。併せて、今回の確定図柄が外れ図柄の場合には、確定表示のほぼ直前(例えば1秒前)に中図柄列15の図柄を疑似停止させ、その後の1秒間揺動処理を行う。但し、上記例はあくまでも一例に過ぎず、疑似図柄の停止表示タイミングと、揺動、再変動といった演出表示の時間等は可変表示装置13側で任意に調整しうるものである(次に述べるように、確定図柄とは無関係にパターンコードが選択決定される場合であっても同様)。
なお、もちろん、確定図柄とは無関係にパターンコードが選択決定されるような構成としてもよい。この場合、時間情報が比較的長い場合(例えばパターンコードが「03」或いは「04」の場合)であって、確定図柄が外れ図柄(大当たり図柄でもリーチ図柄でもない図柄)であったとしても、変動時間は、「20秒」或いは「40秒」といったものとなる。この場合、例えば選択決定されたリーチ処理変動を行い、リーチ図柄で一旦疑似停止表示した後に、再度変動させ、結果的に外れ図柄で確定表示するといった表示制御を行い、長い時間に対応させることとしてもよい。また逆に、時間情報が比較的短い場合(例えばパターンコードが「01」或いは「02」の場合)であって、確定図柄が大当たり図柄やリーチ図柄であったとしても、変動時間は、「5秒」或いは「10秒」といったものとなる。この場合、いわゆるリーチ演出が行われることなく大当たり図柄やリーチ図柄で確定表示される場合もありうる。
なお、上記変動パターンに関し、リーチ演出、すべり変動以外の演出として、再変動、リーチ予告、大当たり予告等の演出処理を行うこととしてもよい。ここで、「予告」とあるのは、演出によって、所定の遊技状態が発生しやすくなることを示唆可能であればよい、或いは、演出によって所定の遊技状態の発生率に影響が生じるという趣旨であって、所定の遊技状態が発生しない場合があっても差し支えない。
そして、可変表示装置13のCPU83は、変動開始から所定時間後に左→右→中図柄列の順に図柄を疑似停止させる。この疑似停止のタイミング及び疑似停止図柄は、上述したように、主基板24とは無関係に可変表示装置13側で決定されるものである。
さらにその後、主基板24は、自身が有するタイマに基づき、前記時間情報に応じたタイミングで(例えば時間情報が「20秒」の場合には変動開始から「20秒」後に)、可変表示装置13に対し、確定コマンドを出力する。一方、CPU83は、疑似停止からさらに所定時間後において(時間情報に基づく変動を完了した時点で)、前記図柄情報に応じた図柄を確定停止表示させる。このとき、結果的に前記出力された確定コマンドに同期して、図柄が確定表示させられることとなる。そして、その後、可変表示装置13のCPU83は、所定時間の間、報知演出を実行する。
さらに、本実施の形態では、各種リーチ演出に際し、リーチの対象となっている中図柄列15の図柄がいかなる図柄で疑似停止表示されるかを遊技者に予見されないような制御が行われるようになっている。
かかる制御内容を、図9のタイミングチャートに従ってより具体的に説明する。同図においては、表示コマンドの表示パターン情報のパターンコードは「04」(すなわち、時間情報が40秒(t3−t0))であり、かつ、図柄情報は、(a)マイナス1コマの惜しい外れリーチ図柄(例えば「七」「六」「七」の図柄)、(b)大当たり図柄(例えば「七」「七」「七」の図柄)、(c)プラス1コマの惜しい外れリーチ図柄(例えば「七」「八」「七」の図柄)で確定表示される旨の図柄情報であったとする。さらに、テーブルDを参酌することにより、変動パターンとして「仕入れリーチ」が選択決定されたとする。
そして、同図に示すように、上記の表示コマンドがタイミングt0において出力されたとする。
この場合、当該表示コマンドに基づき、可変表示装置13は、図柄の変動を開始させるとともに、所定期間経過後、左図柄列14、右図柄列16の順に図柄17A〜17Lを疑似停止させる。そして、二番目の右図柄列16が停止表示された時点(タイミングt1)でリーチ状態が発生することとなる。なお、本実施の形態では便宜上、図中(a)〜(c)のいずれの場合においても、変動開始のタイミングt0からリーチ発生のタイミングt1までの期間は一定(例えば5秒)であるとする。そして、これ以降、つまり左右両図柄列14,16の疑似停止以降、可変表示装置13によって、上記テーブルDにて選択決定されたリーチパターン(本実施の形態では仕入れリーチ)に基づくリーチ演出が実行される。
このとき、同図(a)〜(c)のいずれの場合においても、リーチ発生のタイミングt1から中図柄列15の図柄が疑似停止されるタイミングt2までの間の期間が一定(例えば30秒)であるとする。この期間中、図柄は、当初は遊技者が図柄を識別できないほど高速で、次に高速よりは多少識別しやすい程度の中速で、そして、最後は非常に低速で変動表示されるようになっており、特に最後の低速での変動に際しては、図柄が1コマ変動するのにちょうど1秒要するように構成されている。また、本実施の形態の仕入れリーチに際しては、上記低速での変動表示が、大当たり図柄の4コマ手前の図柄から開始されるようになっている。例えば、「七」、「七」の図柄17Gでリーチ状態が発生した場合には、「三」の図柄17Cから低速での変動が開始されるようになっている。
このため、大当たり図柄(「七」)の1コマ手前の「六」の図柄17Fで中図柄列15が停止される同図(a)の場合には、低速での変動期間が3コマ分の3秒となる。また、大当たり図柄(「七」)と同一の「七」の図柄17Gで中図柄列15が停止される同図(b)の場合には、低速での変動期間が4コマ分の4秒となり、さらに、大当たり図柄(「七」)の1コマ次の「八」の図柄17Hで中図柄列15が停止される同図(c)の場合には、低速での変動期間が5コマ分の5秒となる。
そして、上記のように、低速での変動期間が相違する分、(a)、(b)、(c)間においては高速及び中速での変動期間が相違している。すなわち、同図(a)の場合には、高速での変動期間が「13秒」、中速での変動期間が「14秒」にそれぞれ設定されており、同図(b)の場合には、高速での変動期間が「12.5秒」、中速での変動期間が「13.5秒」にそれぞれ設定されており、同図(c)の場合には高速での変動期間が「12秒」、中速での変動期間が「13秒」にそれぞれ設定されている。但し、本実施の形態では、遊技者にその相違を認識することが困難となるように、高速、中速での変動期間はそれぞれ互いに非常に似通っている。
そして、タイミングt2(当該タイミングt2は、本来上述したように可変表示装置13側において任意に決定されるものであるが、本実施の形態では一定のタイミング:例えば後述するタイミングt3の3秒前)において、最終停止図柄列たる中図柄列15の図柄17A〜17Lが疑似停止させられる。すなわち、同図(a)の場合には、中図柄列15は「六」の図柄17Fで、同図(b)の場合には、中図柄列15は「七」の図柄17Gで、同図(c)の場合には、中図柄列15は「八」の図柄17Hで、それぞれ疑似停止表示される。このとき、上述したように、同図(a)〜(c)の場合における高速での変動期間、中速での変動期間が、それぞれ似通っているため、遊技者にとっては、中図柄列15がいかなる図柄で停止表示されるのかを予見することが困難となる。
そして、それから所定時間の間、疑似停止表示された「七」「六」「七」((a)の場合)、「七」「七」「七」((b)の場合)、「七」「八」「七」((c)の場合)の図柄が揺動表示させられる。なお、当該揺動期間の間、音声による報知(例えば、残念であることを彷彿させる音楽、あるいは大当たり時の祝福音楽を流す等)を行うこととしてもよい。この場合、別途設けられた音声制御基板は、可変表示装置13から出力(送信)される別途のコマンドに基づき音声を制御することとしてもよいし、揺動期間、揺動開始タイミングを予め設定しておき、主基板24側からの信号に基づき音声を制御することとしてもよい。
もちろん、これは、前述したリーチ演出や変動時における音声演出に関しても同様のことがいえる。例えば、高速変動時には高速用の音声が、中速変動時には中速用の音声が、低速変動時には低速用の音声がそれぞれ発せられるような構成となっていてもよい。この場合には、可変表示装置13から音声制御用の音声制御基板に対し、速度の切換に合った音声制御が実行されるよう別途のコマンドが送信されることとしてもよい。
さらに、かかる概念を装飾表示装置(例えばランプ)にも具現化することが可能である。例えば、高速変動時には高速用の点滅態様が、中速変動時には中速用の点滅態様が、低速変動時には低速用の点滅態様がそれぞれ実行されるような構成となっていてもよい。この場合には、可変表示装置13からランプ制御用のランプ制御基板に対し、速度の切換に合ったランプ点滅制御等が実行されるよう別途のコマンドが送信されることとしてもよい。
また、もちろん、表示部13aにおいて、背景や文字等により大当たりである旨、あるいは残念であった旨の報知を行うこととしてもよい。
さらに、上記(b)の場合には、揺動表示に代えて、再変動表示を行うこととしてもよい。特に、偶数の大当たり図柄で疑似停止表示された場合には、再変動が行われることで、遊技者にとっては確変モードが付与されるチャンスが再度発生することとなる。
そして、その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間(40秒)が経過したタイミングt3において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt3に同期して、可変表示装置13においては図柄が実際に確定表示させられる。
その後、可変表示装置13は、タイミングt4に至るまでの間(例えば2秒間)、報知演出を実行する。例えば、確変モードの付与される図柄で大当たりになった(b)のような場合には、その旨を報知する(例えば「確変大当たり」の文字を表示する)。また、前後1コマの惜しい外れリーチ図柄で停止した(a)(c)のような場合には、その旨を報知する(例えば「惜しかった」の文字を表示する)。また、音声による大当たり報知も、これに同期させて行う。この場合、前記揺動時の音声に継続した音声制御を行うこととしてもよいし、異種の音声制御を行うこととしてもよい。この場合、「前記確定表示後、所定期間の間、遊技状態を報知する報知手段を設けたこと」が特徴点となる。なお、該報知手段は、主基板24側に設けても可変表示装置13側に設けてもよい。
併せて、図柄を疑似停止させるタイミング(例えばタイミングt1,t2)は、一律である必要はなく、基本的には可変表示装置13側で任意に設定されるものである。例えば、大当たり図柄で確定表示され、再変動処理が行われない場合、確定表示されるタイミングt3の直前のタイミングで中図柄列15の図柄が疑似停止表示させられることとしてもよい。
また、上記タイミングチャート例では、タイミングt0で変動が開始された場合にタイミングt3で(変動開始から「40秒後」に)確定表示されるような構成について説明したが、もちろん本実施の形態では、複数の時間情報のパターンが存在しており、この場合、各時間情報に応じた疑似停止タイミング、並びに、揺動や再変動といった演出表示時間を調整することが可能である。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、図柄17A〜17Lの変動開始に際して主基板24から一群の表示コマンド(1回の図柄変動に際して送られてくるデータ群)が可変表示装置13に出力され、所定時間後に図柄の変動表示が停止させられ結果的に所定の図柄にて確定表示させられる。ここで、表示コマンドは、(1)変動開始から所定時間後に図柄17A〜17Lを確定表示させる旨の時間情報及び変動パターンを示唆する表示パターン情報、並びに、(2)いかなる図柄17A〜17Lで確定表示させるかという図柄情報とで構成される。
このように、1回の図柄変動に際して主基板24から一群の表示コマンドのみが出力される(結果的に、変動開始時と確定時との2度のコマンドしか送信されない)という構成であっても、可変表示装置13自身が疑似停止、及び各種演出制御を実行するため、遊技者は、違和感を感じることなく遊技を堪能することができる。すなわち、可変表示装置13は、変動表示開始後、確定表示の前段階に、各遊技態様に応じて自身で選択決定した疑似図柄を、表示部13aにおいて疑似停止表示させる。また、この間、前記各テーブルA〜Dに基づき決定した変動パターンに基づく演出を行う。また、可変表示装置13は疑似図柄が停止表示されてから確定表示までの間に揺動、再変動といった各種演出表示を行う。従って、疑似図柄が停止表示されるタイミングと、揺動、再変動といった演出表示の時間等を適宜調整することで、遊技者に違和感が生じさせることなく、様々な変動、演出を実行することが可能となる。その結果、遊技者にとっての興趣の低下を招くことなく、制御内容の著しい簡素化を図ることができる。
しかも、時間情報に関し、停止図柄及び変動パターンに関連した多岐にわたるデータを要し、かつ、これらを主基板側で制御する必要のあった従来技術に比べ、本実施の形態では、1回の図柄変動に際して変動開始時のみに1群の表示コマンドを送信するだけで済む。このため、特に、主基板24側の制御内容の著しい簡素化を図ることができる。
また、本実施の形態では、所定の表示コマンドに基づく所定の表示パターン(例えば40秒という時間情報で、仕入れリーチという変動パターン)に基づく演出が行われるに際し、停止図柄に応じて、高速での変動期間、中速での変動期間及び低速での変動期間(各期間の比率)がそれぞれ相違する。このため、表示コマンドが簡素なものであったとしても、最終的に確定表示或いは疑似的に停止表示させられる中図柄列15の図柄17A〜17Lを遊技者が予見することは困難となる。特に、本実施の形態では、高速、中速での変動期間がそれぞれ互いに非常に似通っているため、これらの変動速度の互いに異なる変動期間に基づいて停止図柄を予見することも困難となる。その結果、停止図柄を遊技者が予見できてしまうことによる興趣の低下等の不具合の発生を回避することができる。
併せて、本実施の形態では、高速での変動期間、中速での変動期間及び低速での変動期間(各期間の比率)がそれぞれ相違するのみならず、疑似停止のタイミングや、揺動期間等も可変表示装置13側で任意に変更することも可能である。このため、上述した作用効果がより一層確実に奏されることとなる。
さらに、本実施の形態では、複数通りの時間情報が用意されており、主基板24側では、図柄の変動開始から確定表示されるまでの期間を任意に設定できる。このため、例えば同じリーチパターンに基づく演出表示が実行される場合でも演出時間に応じた様々なバリエーションを設けることができ、面白味に富んだ変動、演出を実行することができる。
また、本実施の形態では、疑似停止される図柄は、完全な停止状態ではなく、非停止状態(揺動状態)で表示される。このため、遊技者によっては、この時点で未だ完全には確定表示されていないということに気づく場合があり、遊技に厚みが増す。また、疑似停止される図柄は、揺動状態で表示されるため、遊技者によっては、この時点で未だ完全には確定表示されていないということに気づき、さらなる変動を期待する場合が生じ、遊技に厚みが増す。なお、揺動に代えて、振動、又は、微動状態としてもよい。また、完全な停止状態で表示することとしてもよい。
さらに、疑似停止図柄は、場合によっては当該疑似停止図柄があたかも確定表示されたものであるかのような印象を導出するかの如き態様で表示される。このため、その後確定表示される場合がいかなる性質をもっていたとしても、変動開始から疑似停止が行われるまでの間の期間を適宜変更させることで、遊技者は、あたかも変動時間が相違しているような感覚を抱きうる。その結果、興趣の低下をより確実に抑制することができる。
なお、上記例では特に詳述しなかったが、図柄の変動表示開始から疑似図柄が疑似停止表示されるまでの期間は、疑似停止から確定表示までの時間(すなわち、所定の演出表示の期間)よりも長くてもよいし、短くてもよいし、同等でもよい。また、大当たり状態やリーチ状態が発生する場合としない場合とで、演出表示の期間を、相違させてもよい。つまり、大当たり状態が発生する場合には、しない場合に比べて、所定の演出表示の期間を長くしても、短くしても、或いは同等にしてもよい。さらに、確定図柄が大当たり図柄や、外れリーチ図柄である場合には、当該図柄に対応する専用のテーブルを参酌することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、「5秒」、「10秒」、「20秒」、「40秒」という4種類(複数種類)の時間データを具備することとしたが、1種類の時間データのみを具備することとしてもよい。例えば、時間データとして、毎回、変動開始から確定表示までの時間が「30秒」に設定されている構成としてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、パチンコ機を具体化した第2の実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、本実施の形態において、上記第1の実施の形態と重複する部分についてはその説明を省略するとともに、以下には、主として相違点を中心に説明することとする。
上記第1の実施の形態では、主基板24側の方で時間データを主眼においたパターンコードを出力することとし、可変表示装置13側で、いかなる変動パターンを採用するかをテーブル(テーブルA〜テーブルD)に基づいて決定する構成となっていた。これに対し、本実施の形態では、予め主基板24側で時間データ及び変動パターンを一義的に決定しておき、それに基づくパターンコードを可変表示装置13に出力することを特徴としている。この場合、上記第1の実施の形態と同様、確定図柄に応じてパターンコードを決定することとしてもよいし、確定図柄とは無関係にパターンコードを選択決定することとしてもよい。前者の場合には、例えば、確定図柄が大当たり図柄や外れリーチ図柄である場合には、「01」、「02」といったパターンコードが選択決定されないように構成することが考えられる。
さて、可変表示装置13のCPU83は、例えば図10に示すようなテーブルを参酌して、時間データ(変動開始から確定表示までの時間)及び上述した各変動パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を時間データの秒数分だけ実行する。この図10に示す例では、例えば表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「01」であった場合、図柄の変動時間を「5秒」にするという時間情報と、変動パターンとして通常変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「01」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、通常変動を5秒間行うこととなる。
また、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「02」であった場合、図柄の変動時間を「10秒」にするという時間情報と、変動パターンとして通常変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「02」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、通常変動を10秒間行うこととなる。
さらに、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「06」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとしてノーマルリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「06」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、ノーマルリーチ変動を25秒間行うこととなる。
併せて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「07」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとして出前リーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「07」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、出前リーチ変動を25秒間行うこととなる。
加えて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「08」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとして握りリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「08」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、握りリーチ変動を25秒間行うこととなる。
さらにまた、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「09」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとして仕入れリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「09」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、仕入れリーチ変動を25秒間行うこととなる。
併せて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「FF」であった場合、図柄の変動時間を「40秒」にするという時間情報と、変動パターンとして仕入れリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「FF」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、仕入れリーチ変動を40秒間行うこととなる。
このように、第2の実施の形態によれば、基本的には第1の実施の形態と同等の作用効果が奏される。また、本実施の形態では、予め主基板24側で、時間情報のみならず、変動パターンも一義的に決定されるという特色がある。従って、第1の実施の形態とは異なり、可変表示装置13側にテーブル等を設けておく必要がない。かかる意味で、可変表示装置13側での制御内容の簡素化を図ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、パチンコ機を具体化した第3の実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、本実施の形態において、上記第1の実施の形態等と重複する部分についてはその説明を省略するとともに、以下には、主として相違点を中心に説明することとする。
上記第1の実施の形態では、所定のリーチパターン(仕入れリーチ)が実行される場合において、変動開始から確定コマンドが出力されるまでの流れの中で主としてリーチ発生から中図柄列15の図柄の疑似停止までの変動速度の切換タイミング(各変動速度での変動期間)の相違に重点を置いて説明した。これに対し、本実施の形態では、大当たり図柄が疑似停止図柄として停止された場合であって、再変動処理が行われる場合に特徴点がある。このため、以下には図11のタイミングチャートに従って説明することとする。
同図においては、表示コマンドの表示パターン情報のパターンコードは「04」(すなわち、時間情報が40秒(t3−t0))であり、かつ、図柄情報は、(a)〜(c)のいずれも確変モードの付与される大当たり図柄(例えば「七」「七」「七」の図柄)で確定表示される旨の図柄情報であったとする。さらに、可変表示装置13側ではテーブルDを参酌することにより、変動パターンとして「仕入れリーチ」が選択決定され、かつ、別途のテーブルを参酌することにより、疑似停止図柄として通常モードの付与される(確変モードの付与されない)偶数の大当たり図柄(例えば「六」「六」「六」の図柄)が選択決定されたとする。
そして、同図に示すように、上記の表示コマンドがタイミングt0において出力されたとする。
この場合、当該表示コマンドに基づき、可変表示装置13は、図柄の変動を開始させるとともに、所定期間経過後、左図柄列14、右図柄列16、中図柄列15の順に図柄17A〜17L(例えば「六」「六」「六」の図柄17F)を疑似停止させる。このとき、同図(a)〜(c)のいずれの場合においても、変動開始タイミングt0から中図柄列15の図柄が疑似停止されるタイミングt2までの間の期間が一定(例えば30秒)であるとする。
このように、タイミングt2(当該タイミングt2は、上述したように可変表示装置13側において任意に決定される:例えば後述するタイミングt3の10秒前)において、最終停止図柄列たる中図柄列15の図柄17A〜17Lが疑似停止させられる。
そして、それから所定時間(タイミングt21−タイミングt2:例えば2秒間)の間、疑似停止表示された「六」「六」「六」の図柄17Fが揺動表示させられる。なお、当該揺動期間の間、音声による報知(例えば、大当たり時の祝福音楽を流したり、これから再変動が行われるかもしれないという雰囲気を醸し出す音を流す等)を行うこととしてもよい。この場合、別途設けられた音声制御基板は、可変表示装置13から出力(送信)される別途のコマンドに基づき音声を制御することとしてもよいし、揺動期間、揺動開始タイミングを予め設定しておき、主基板24側からの信号に基づき音声を制御することとしてもよい。また、もちろん、表示部13aにおいて、背景や文字等により大当たりである旨の報知を行うこととしてもよい。
そして、その後、タイミングt21において、可変表示装置13のCPU83は、各図柄列14〜16の図柄を、一斉に揃った状態で再変動させる。このとき、同図(a),(b)の場合は、再変動に際しての変動速度が当初は中速で、次いで低速となって停止させられ、所定時間揺動させられる。また、同図(c)の場合は、再変動に際しての変動速度が当初から低速で(中速期間がゼロ)、次いで所定時間揺動させられ、その後所定時間超高速で再度変動させられる。なお、(a)〜(c)のいずれのパターンが採用されるかは、可変表示装置13側で判断される。その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間(40秒)が経過したタイミングt3において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt3に同期して、可変表示装置13においては図柄(「七」「七」「七」の図柄17G)が実際に確定表示させられる。
このとき、(a),(b)の場合とも揺動期間は同じであるのに対し、中速での変動期間及び低速での変動期間が相違している((a)の場合、中速期間が8秒で低速期間が3秒、(b)の場合、中速期間が7秒で低速期間が4秒)。また、(c)の場合においては、中速期間がゼロで低速期間が7秒で揺動期間が5秒、超高速期間が3秒といった具合に、変動速度自体が前2者とは全く相違している。このため、遊技者にとっては、再変動後にどの図柄で確定的に表示されるのか(特に、偶数図柄で確定表示されるのか奇数図柄で確定表示されるのか)を予見することが困難となる。
その後、可変表示装置13は、タイミングt4に至るまでの間(例えば2秒間)、報知演出を実行する。例えば、上記例の如く確変モードの付与される図柄で大当たりになったような場合には、その旨を報知する(例えば「確変大当たり」の文字を表示する)。また、上記例では、再変動処理により確変モードの付与される図柄で大当たりになる具体例を示したが、再変動が行われた結果、依然として偶数の大当たり図柄でしか確定表示されない場合があってもよい。この場合には、その旨を報知する(例えば「通常大当たり」の文字を表示する)。さらに、音声による大当たり報知も、これに同期させて行う。この場合、前記揺動時の音声に継続した音声制御を行うこととしてもよいし、異種の音声制御を行うこととしてもよい。
このように、本実施の形態によれば、再変動処理が行われる場合であっても、確定表示させられる図柄がいかなる図柄であるかを遊技者が予見することが困難となる。このため、再変動に際し、遊技者が確定図柄を予見できてしまうことによる興趣の低下等の不具合を回避することができる。
なお、再変動処理が行われるに際しては、変動パターンの中に再変動を行う旨の情報が含まれていてもよいし、図柄情報が大当たり図柄である場合に限って可変表示装置側で再変動処理を行うか否かを決定し、その判定結果に基づいて再変動処理を行うこととしてもよい。
また、本実施の形態では、表示コマンドが出力(送信)された場合、確定コマンドが出力されるまで主基板24側からはコマンドが送信されない構成となっていたが、再変動処理が行われる場合に限って、再変動開始時に再変動表示コマンドなるものを主基板24側から別途送信するような構成となっていてもよい。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、図柄17A〜17Lを、魚等の絵と、「一」〜「十二」の数字との組合せによって構成し、これを識別情報としたが、遊技者に認識されるものであればいかなるものであってもよい。例えば数字のみからなる図柄や、絵や記号のみからなる図柄であってもよい。また、図柄に限られることなく、ランプの光等の識別情報であってもよい。
(b)上記実施の形態では、確変モードの概念として、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17Lの変動時間を短くすること、(5)大当たり期待値が通常モードに比べて高くなることのうち、(5)のみ、すなわち、大当たり確率が単に高められることのみが実行されることとした。
これに対し、(5)を含む(1)〜(4)のうちの少なくとも1つを満たすことを、確変モードとしてとらえてもよい。すなわち、(1)〜(4)の任意の組合せ(例えば(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(4))と(5)を組み合わせたものを確変モードとしてとらえてもよい。
(c)また、確変モードとして、次回の大当たり時まで継続されるもの以外にも、次々回の大当たり時まで継続されるものや、所定回数の図柄17A〜17Lの変動停止が行われるまで継続されるもの等を採用することもできる。
(d)さらに、確変モードに加えて、或いは代えて、時間短縮モード(上記(b)の(1)〜(4)の任意の組み合わせからなるモード)を採りうる遊技機にも適用可能である。例えば、偶数図柄で大当たりになると通常モードが付与され、奇数図柄で大当たりになると時間短縮モードが付与されるようなパチンコ機にも適用することができる。また、遊技モードの切換を行わないタイプのパチンコ機にも具体化してもよい。
(e)再変動処理を行わないこととしてもよい。
(f)表示装置13としては、上述した液晶ディスプレイ以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示菅等を用いてもよい。
(g)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも具体化できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作等することで図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に確定図柄を表示する図柄表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間が経過することにより図柄変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となる。
(h)奇数図柄17A,17C,17E,17G,17I,17Kで一旦停止表示された場合には、再変動表示が行われた場合、必ず奇数図柄で最終的に停止表示されるようにしてもよい。かかる構成とすることで、折角確変モードが付与される図柄で大当たり状態が発生したと思ったにもかかわらず、一転がっかりさせられてしまうといった事態を回避することができる。もちろん、奇数図柄17A,17C,17E,17G,17I,17Kで一旦停止表示され、再変動表示が行われた場合に、偶数図柄で最終的に停止表示されるようにしてもよい。
(i)上記再変動の概念を応用して、1度の所定の契機の発生(1個の遊技球の作動口3への入賞:1つの保留ランプ18a〜18dの消灯)に際して、複数回(たとえば2回)の変動が行われるかのような構成としてもよい。例えば、時間情報として確定までに30秒間の時間が与えられたとして、この間に13秒ずつの通常変動(もちろんリーチ変動でもよい)を2回行うこととしてもよい。かかる制御が行われることによって、遊技者は1個の入賞でもって複数回の変動表示を堪能できたような気分を味わうことができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。