手段1.主たる制御を行う主制御部と、前記主制御部からの指令に基づいて表示制御を行う表示制御部とを備えた遊技機において、前記表示制御部は、前記主制御部からの表示制御指令に基づいて、終了するまでの表示制御を開始させる開始制御手段と、前記主制御部からの表示制御指令に基づいて開始制御手段による表示制御を終了させる終了制御手段とを具備していることを特徴とする遊技機。
上記手段によれば、主たる制御を行う主制御部からの指令に基づいて表示制御部では表示制御が行われる。さて、上記手段では、表示制御部の開始制御部は、主制御部からの表示制御指令に基づいて、終了するまでの表示制御を開始させる。すなわち、主制御部からの表示制御指令があった場合、表示制御部側で自ら終了に至るまでの表示制御が開始させられる。また、表示制御部の終了制御手段は、主制御部からの表示制御指令に基づいて開始制御手段による表示制御を終了させる。このため、主基板側では、表示制御の開始時及び終了時に表示制御指令を出力するだけで、表示制御部側で表示制御が行われることとなる。
手段2.手段1において、前記開始制御手段は、前記表示制御指令に基づいて少なくとも表示時間を決定するとともに、該決定された表示時間に応じた表示制御を開始させることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、開始制御手段により、表示制御指令に基づいて少なくとも表示時間が決定され、該決定された表示時間に応じた表示制御が開始させられる。
手段3.手段1及び2において、前記開始制御手段は、前記表示制御指令に基づいて少なくとも表示図柄を決定するとともに、該決定された表示図柄に応じた表示制御を開始させることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、開始制御手段により、表示制御指令に基づいて少なくとも表示図柄が決定され、該決定された表示図柄に応じた表示制御が開始させられる。
手段4.手段1において、前記開始制御手段は、前記表示制御指令に基づいて少なくとも表示時間及び表示図柄を決定するとともに、該決定された表示時間及び表示図柄に応じて包括的に表示制御を開始させることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、開始制御手段により、表示制御指令に基づいて少なくとも表示時間及び表示図柄が決定され、該決定された表示時間及び表示図柄に応じて包括的に表示制御が開始させられる。
手段5.手段3又は4において、前記開始制御手段は、前記表示制御指令に基づいて表示時間をも決定するとともに、該決定された表示時間に応じた表示制御を開始させるものであり、かつ、前記表示図柄に応じて前記表示時間に応じた表示制御を調整可能であることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、開始制御手段により、表示制御指令に基づいて表示時間も決定され、該決定された表示時間に応じた表示制御が開始させられる。また、表示図柄に応じて表示時間に応じた表示制御が調整されうる。
手段6.手段5において、前記開始制御手段は、前記決定された表示時間がほぼ経過する時点で図柄を仮表示するものであることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、開始制御手段により、前記決定された表示時間がほぼ経過する時点で図柄が仮表示される。
手段7.手段6において、前記表示図柄が所定条件を満たす場合には、図柄を仮表示する時期が所定期間早期化されるようにしたことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、決定された表示図柄が所定条件を満たす場合には、図柄が仮表示される時期が所定期間だけ早められる。従って、仮表示から表示時間が終了に至るまでの間、別途の表示制御が可能となる。
手段8.手段7において、前記表示図柄が前記所定条件を満たす場合であり、かつ、一定の条件が成立した場合には、前記開始制御手段は、前記所定期間の間、第1の特定の表示制御を実行することを特徴とする遊技機。上記手段によれば、前記表示図柄が前記所定条件を満たす場合であり、かつ、一定の条件が成立した場合には、開始制御手段により、前記所定期間の間、第1の特定の表示制御が実行される。
手段9.手段8において、前記第1の特定の表示制御は、前記仮表示された図柄を少なくとも一時的に変更させる表示制御を含んでいることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、仮表示から表示時間が終了に至るまでの間、図柄が再度変更させられる表示制御が行われ、これにより興趣が増す。
手段10.手段7〜9のいずれかにおいて、前記表示図柄が前記所定条件を満たす場合であり、かつ、一定の条件が不成立の場合には、前記開始制御手段は、前記所定期間の間、第2の特定の表示制御を実行することを特徴とする遊技機。上記手段によれば、表示図柄が前記所定条件を満たす場合であり、かつ、一定の条件が不成立の場合には、開始制御手段により、前記所定期間の間、第2の特定の表示制御が実行される。
手段11.手段10において、前記第2の特定の表示制御は、前記仮表示された図柄がそのまま表示図柄となることを示唆する表示制御を含んでいることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、第2の特定の表示制御が実行された場合、前記仮表示された図柄がそのまま表示図柄となることが示唆される表示制御が行われ、これにより、興趣が増す。
手段12.手段6〜11のいずれかにおいて、前記仮表示は、疑似的に停止表示されることを含んでいることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、仮表示が行われた場合、図柄が疑似的に停止表示される。
手段13.手段1〜12のいずれかにおいて、前記表示制御は、変動表示パターンを含むことを特徴とする遊技機。
手段14.手段13において、前記開始制御手段は、複数の変動表示パターンを記憶してなる記憶部を備えていることを特徴とする遊技機。
手段15.手段13又は14において、前記変動表示パターンは、図柄の変動態様を含むことを特徴とする遊技機。
手段16.手段15において、前記図柄の変動態様は、図柄が確定停止表示される前段階において変動の蓋然性がある全ての態様を含むことを特徴とする遊技機。
手段17.手段15又は16において、前記変動表示パターンは、演出態様を含むことを特徴とする遊技機。
手段18.手段17において、前記演出態様は、リーチ演出態様を含むことを特徴とする遊技機。
手段19.手段17又は18において、前記演出態様は、背景演出態様を含むことを特徴とする遊技機。
手段20.手段1〜19のいずれかにおいて、表示図柄は、確定停止表示される図柄であることを特徴とする遊技機。
手段21.手段1〜20のいずれかにおいて、前記開始制御手段は、前記決定された表示時間に応じて複数からなる表示制御のうちのいずれかを開始させるものであることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、開始制御手段により、決定された表示時間に応じた複数通りの表示制御のいずれかが実行される。このため、遊技内容に厚みが増す。
手段22.手段1〜21のいずれかにおいて、前記開始制御手段は、前記決定された1つの表示時間に対応した複数からなる表示制御のうちのいずれかを開始させるものであることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、1の表示時間であっても、複数通りの表示制御が行われることとなり、遊技内容に厚みが増す。
手段23.手段1〜22のいずれかにおいて、前記主制御部は、図柄の変動表示に関する所定の条件を満たした場合に前記表示制御部の開始制御部に対し前記表示制御指令を送信するものであることを特徴とする遊技機。
手段24.手段1〜23のいずれかにおいて、前記開始制御手段による表示制御を終了させるための前記主制御部からの表示制御指令は、前記表示制御が終了させられる時期に同期して前記表示制御部に送信されるものであることを特徴とする遊技機。
手段25.主たる制御を行う主制御部と、所定の表示時間からなる変動表示パターンを記憶した変動表示パターン記憶部を具備し、前記主制御部からの指令に基づいて、変動表示パターンに基づく表示制御を行う表示制御部とを備えた遊技機において、前記表示制御部は、前記主制御部からの表示制御指令に基づいて、前記表示制御指令に対応する変動表示パターンを導出する変動表示パターン導出手段と、前記主制御部からの表示制御指令に基づいて表示図柄を決定する表示図柄決定手段と、該表示図柄決定手段により決定された表示図柄に応じて、前記導出された変動表示パターンを調整する調整手段と、前記表示図柄決定手段により決定された表示図柄が所定条件を満たしている場合、前記変動表示パターンの表示時間を調整する表示時間調整手段とを備え、前記表示図柄決定手段により決定された表示図柄が所定条件を満たしている場合であって、規定条件が成立している場合には、変動表示パターン中に第1の特定の変動表示パターンが含まれるようにし、前記表示図柄決定手段により決定された表示図柄が所定条件を満たしている場合であって、規定条件が成立していない場合には、第2の特定の変動表示パターンが含まれるようにし、さらにこの場合には、一旦表示された図柄が維持されるようにし、さらに、前記主制御部からの表示制御指令に基づいて表示図柄が確定させられるようにしたことを特徴とする遊技機。
手段26.手段25において、前記変動表示パターンの導出の起因となる表示制御指令は図柄の変動表示に関する所定の条件を満たした場合に前記表示制御部に送信されるものであることを特徴とする遊技機。
手段27.手段25又は26において、前記表示図柄を確定させるための表示制御指令は、調整前の前記表示時間の終了時期に同期して前記表示制御部に送信されるものであることを特徴とする遊技機。
(第1の実施の形態)
以下に、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を具体化した第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、周知のように、パチンコ機1は、外枠と、該外枠の前部に設けられ外枠の一側部にて開閉可能に設けられた前面枠とを備えている。また、その前面枠の前面側にはガラス扉枠が開閉自在に設けられている。前面枠の後側(ガラス扉枠の奥、外枠の内側)には、遊技盤2が着脱可能に装着されている。この遊技盤2は内レール、外レール等を備え、これらのレールは、遊技球発射装置によって発射された遊技球5を、遊技盤2の上部に案内する。また、ガラス扉枠の下側において、前面枠には前飾枠が開閉可能に設けられ、前飾枠には、上受皿が設けられている。一方、前面枠の下部には、前記上受皿よりも下方位置にて下受皿が設けられているとともに、遊技球発射装置を構成するハンドルが設けられている。
図1に示すように、パチンコ機1の遊技盤2には、作動口3及び大入賞口4が設けられている。作動口3は、遊技球5の通路を備えており、その通路入口には羽根6が開閉可能に支持されている。大入賞口4の奥には、シーソー7が設けられており、その右側にはVゾーン8が、左側には入賞通路9が設けられている(左右逆でもよい)。そして、大入賞口4に入賞した遊技球5は、シーソー7上を転がって、Vゾーン8又は入賞通路9のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方へと導かれる。また、大入賞口4の前には、シャッタ11が設けられている。このシャッタ11は、大入賞口4の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド12により作動させられ、大入賞口4を開閉する。詳しくは、当該ソレノイド12が励磁状態となることにより、シャッタ11が略水平に傾き、これにより大入賞口4が開かれる。また、ソレノイド12が非励磁状態となることにより、シャッタ11が略垂直状態となり、これにより大入賞口4は閉鎖される。
前記大入賞口4の一側部には、シーソー用ソレノイド10が設けられている。シーソー用ソレノイド10は通常、非励磁状態となっており、この状態においては、遊技球5がVゾーン8を通過するようにシーソー7を傾けている。また、シーソー用ソレノイド10が励磁状態となることにより、シーソー7は、遊技球5が入賞通路9を通過するように傾動させられる。本実施の形態では、シャッタ11が開状態において、遊技球5が1つでもVゾーン8を通過した場合には、シーソー用ソレノイド10が励磁される。そして、シャッタ11が閉じられることにより、シーソー用ソレノイド10が非励磁状態となる。
遊技盤2の中央部分には、可変表示装置としての特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)13が組込まれている。表示装置13は、液晶ディスプレイ(LCD)(=液晶モニタ)よりなる表示部13aを備えており、ここに複数の図柄列が表示される。図2に示すように、本実施の形態では、これらの図柄列として左図柄列14、中図柄列15及び右図柄列16の3つの図柄列が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。前記表示部13aには、その下部において、大当たりラインを構成する表示領域が備えられている。
また、図1に示すように、特別図柄表示装置13の上部には普通図柄表示装置51が併設されている。普通図柄表示装置51は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ52と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部53とを有している。
さらに、前記特別図柄表示装置13の左右両側方には一対の通過ゲート54が配設されている。同通過ゲート54を遊技球5が通過すると前記普通図柄表示装置51が作動する。本実施の形態では、普通図柄表示装置51は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部53にセグメント表示させ、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、作動口3の羽根6を所定秒数開放させる。この開放により、作動口3への入賞が比較的容易なものとなる。普通図柄表示装置51は、遊技球5の通過ゲート54の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプ52でその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプ52が点灯している状態で遊技球5が通過ゲート54を通過しても保留球としてカウントされず、保留ランプ52が点灯している限り、遊技球5が通過ゲート54を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置51は作動するようになっている。
さて、各図柄列14〜16は、基本的には、図2,3に示すように、識別情報としての複数種類(12種類)の図柄17A〜17Lによって構成されている。各図柄17A〜17Lは、基本的には皿に盛られた魚等の絵と、「一」〜「十二」の数字との組合せによって構成されており、「一」〜「十二」の数字は、昇順に配列されている。より詳しくは、「一」が「タイ」の絵と、「二」が「ウズラ」の絵と、「三」が「カッパ」の絵と、「四」がヒラメの絵と、「五」が「プリン」の絵と、「六」が「サザエ」の絵と、「七」が「女の子」の絵と、「八」が「タコ」の絵と、「九」が「キツネ」の絵と、「十」が「クジラ」の絵と、「十一」が「タケノコ」の絵と、「十二」が「カニ」の絵と組み合わされている。これらの図柄17A〜17Lは、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる(これらについては後述する)。
各々の図柄列14〜16においては、あたかも回転寿司店における複数の(3つの)回転テーブル上に載置されたように表示される図柄17A〜17Lが、テーブルとともに回転可能に表示される。なお、回転表示される都合上、各図柄列14〜16には、大当たりラインに配置表示される図柄17A〜17L以外にも、大当たりラインとは無関係の複数の図柄17A〜17Lが表示されるようになっている(例えば次に大当たりラインに並びうる図柄17A〜17Lや、既に大当たりラインに並んだ後の図柄17A〜17L等)。しかし、このような表示態様に何ら限定されるものではなく、例えば各図柄列14〜16に1つずつの図柄17A〜17Lが表示される態様であってもよい。
図4(a)に示すように、表示装置13の表示部13aでは、各図柄列14〜16の図柄変動(回転変動)が、遊技球5の作動口3への入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列14〜16が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。本実施の形態では、図柄変動は、左図柄列14、右図柄列16、中図柄列15の順に停止させられるが、これはあくまでも1例にすぎず、別の順序で停止させられるようにしてもよい。
図4(b)は、表示部13aにおける大当たり報知画面を示す図であって、大当たり状態が発生したときに、それを再度遊技者に報知するものである。同図に示すように、大当たり図柄は、リーチ状態を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列14〜16の変動が停止させられたとき、表示されている図柄17A〜17Lの組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄17A〜17Lが大当たりラインに沿って並んでいるときの同図柄17A〜17Lの組合せ(例えば、同図に示すように、「一」、「一」、「一」の図柄17A)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口4が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
また、図5(a)〜(d)に示すように、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう(もちろん大当たり状態に至らない場合もある)。リーチ状態には、右図柄列16の図柄変動が、大当たりライン上において左図柄列14の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。図に示す例では、大当たりラインが、表示部13aの下部において水平方向へ延びるように位置しており、かつ、同ライン上で停止している左・右両図柄列14,16の図柄17A〜17Lが共に「一」の付された図柄17Aとなっている。
前述したように、上記のリーチ状態には、中図柄列15の図柄変動が、最終的に左・右両図柄列14,16の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。さらには、同一種類の図柄17A〜17Lが大当たりラインに沿って並んだ状態で、全図柄列が一斉に変動し、その後全図柄列14〜16の図柄17A〜17Lが同時に停止するような場合(全回転リーチとも称される)も含むこととしてもよい。
さらに、前述した各図柄列14〜16での図柄変動に加え、図2(a),(b)に示すように、図柄17A〜17Lとは別の、キャラクタが表示部13aに表示される。本実施の形態におけるキャラクタとしては、寿司屋の源さんGCが設定されている。
上記リーチ状態においては、種々のリーチパターンが設定されている。リーチパターンとしては、図5に示すように、「ノーマルリーチ(図5(a)参照)」、「握りリーチ(図5(b)参照)」、「仕入れリーチ(図5(c)参照)」、「出前リーチ(図5(d)参照)」が設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって大当たり期待値が異なったものとなっている。これらのリーチパターンは、可変表示装置13側に設定されているリーチ種別決定カウンタに基づいて決定される。なお、上記各リーチパターンの処理動作(演出内容)等については、本実施の形態の特徴部分ではないため、これ以上の説明は省略することとする。
遊技球5の作動口3への入賞に基づいて各図柄列14〜16の図柄変動が開始させられることはすでに説明したが、この変動表示中にさらに遊技球5が作動口3に入賞した場合には、通過ゲート54を通過した場合と同様、その分の変動表示は、現在行われている変動表示の終了後に行われる。つまり、変動表示が待機(保留)される。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められている。本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されているが、これに限られるものではない。
図1に示すように、特別図柄表示装置13において、表示部13aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ18a,18b,18c,18dが組み込まれている。当該保留ランプ18a〜18dの数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ18a〜18dは、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
なお、このほかにも、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための他の各種ランプや電飾部材が取付けられている。これらの電飾部材等は、遊技の進行に応じて点灯状態(消灯、点灯、点滅等)が変えられる。さらに、パチンコ機1には、遊技の進行に応じて効果音を発生する図示しないスピーカが設けられている。
遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するべく、本実施の形態では、遊技盤2には、スルースイッチ20、作動口用スイッチ21、Vゾーン用スイッチ22及びカウントスイッチ23等がそれぞれ取付けられている。スルースイッチ20は、遊技球の通過ゲート54の通過を検出し、作動口用スイッチ21は、遊技球5の作動口3への入賞を検出する。また、Vゾーン用スイッチ22は遊技球5の大入賞口4のうちのVゾーン8への入賞を検出し、カウントスイッチ23は、遊技球5の大入賞口4への入賞を検出する。
本実施の形態では、各スイッチ20〜23の検出結果に基づきソレノイド10,12、特別図柄表示装置13、各保留ランプ18a〜18d、普通図柄表示装置51(7セグ表示部53及び保留ランプ52)、羽根6等をそれぞれ駆動制御するために主制御部としての制御装置(主基板)24が設けられている。制御装置24は、読み出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等からなる主制御部を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMは、CPUによる演算結果を、図柄乱数バッファ、図柄乱数エリア、停止図柄エリア等に一時的に記憶する。
また、本実施の形態においては、CPU(主基板24)による制御の1つとして、モード切換制御がある。本実施の形態では、遊技モード(遊技状態)として通常モード及び確率変動モード(=高確率モード。以下、「確変モード」と称する)が用意されている。すなわち、例えば300分の1程度の比較的低確率で大当たり遊技状態を発生させる通常モードと、その約5倍である60分の1程度の高確率で大当たり遊技状態を発生させる確変モードとがある。
なお、一般的に、確変モードの概念としては、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17Lの変動時間を短くすること、(5)大当たり確率が通常モードに比べて高くなること等が挙げられるが、本実施の形態における確変モードにおいては、これら(1)〜(5)のうち、(5)のみ、すなわち、大当たり確率が単に高められることのみが実行される。
本実施の形態では、パチンコ機1の電源投入時においては、通常モードに設定される。また、その後は、大当たり遊技状態となった際に、確変モード又は通常モードのいずれかが選択される。そして、大当たり状態終了後において、当該選択されたモードが実行される。より詳しくは、本実施の形態では、大当たり遊技状態となったときの確定表示図柄17A〜17L(大当たり図柄)が奇数(「一」、「三」、「五」、「七」、「九」、「十一」)の場合には、大当たり状態終了後の遊技モードが確変モードに設定され、大当たり遊技状態となったときの確定表示図柄17A〜17H(大当たり図柄)が偶数(「二」、「四」、「六」、「八」、「十」、「十二」)の場合に、大当たり状態終了後の遊技モードが通常モードに設定される。従って、最終的に確定表示された図柄17A〜17Lの有する価値が、図柄17A〜17Lの種類に応じて異なっているといえる。
また、本実施の形態では、疑似的に大当たり図柄が一旦表示された後、再度全図柄17A〜17Lが揃った状態で変動する再変動処理(再抽選処理)が行われるようになっている。これは、全図柄が一旦停止表示されたときに、それが大当たり状態を発生させる図柄であった場合であって、上述したように偶数(「二」、「四」、「六」、「八」、「十」、「十二」)の図柄であった場合には、再度変動表示を行うことで、奇数(「一」、「三」、「五」、「七」、「九」、「十一」)の図柄で確定表示される機会が与えられるよう、遊技者にとっての見かけ上のチャンスを付与するものである。当該処理は、大当たり時であって、所定の条件が成立した場合にのみ実行される。もちろん、再変動処理が行われた場合であっても、結果的に偶数の図柄で確定表示される場合もありうる。
さて、本実施の形態では、主基板24ではなく、主として前記可変表示装置13の制御基板において、表示部13aにおける各種表示が司られるような構成となっている。ここで、当該可変表示装置13の電気的構成について、図6のブロック図に従って説明する。同図に示すように、可変表示装置13(表示制御部)は、主基板24から送られてくるコマンドを順次受信するインターフェイス81と、プログラムROM82に記憶された制御プログラム及び各種の情報に基づいて、通常変動やリーチ状態や大当たり報知状態等の画面構成情報を生成するCPU83と、該CPU83での処理結果等を一時的に記憶するワークRAM84と、CPU83で生成された画面構成情報を記憶するビデオRAM85と、ビデオRAM85の画面構成情報に基づいて画像データROM86から画像データを取り出し、通常変動やリーチ状態や大当たり報知状態等の画面全体の画像を表示する表示部(液晶モニタ)13aとを備えている。
前記インターフェイス81は、主基板24から送信されてくるコマンド(指令)を受信する。また、それらのコマンドは、CPU83によってワークRAM84に設けられたコマンドバッファ領域84aに記憶される。
CPU83は、プログラムRAM82に記憶された制御プログラムに従って動作する。具体的には、前記コマンドを監視して、該コマンドに応じたタスクを生成し、ワークRAM84に記憶する。そのタスクを実行することで、ワークRAM84内に通常変動やリーチ状態や大当たり状態等の画面構成情報を生成し、この画面構成情報をビデオRAM85に書き込む、なお、画面構成情報は、表示部(液晶モニタ)13aの垂直操作信号(VSYNC)ごとに生成される。
ワークRAM84には、主基板24からのコマンドを記憶するための前記コマンドバッファ領域84aをはじめ、生成されたタスクが記憶されるタスクバッファ領域84bや、通常変動時やリーチ状態時の図柄画像の指示や、その配置位置や表示優先順位等を一括してビデオRAM85に書き込むために情報が記憶されるスプライトチェーン領域84cが設定される。
また、VDP87は、いわゆるスプライド回路、スクリーン回路及びパレット回路等を備えた画像処理を行う画像データプロセッサである。つまり、ビデオRAM85に記憶された画像構成情報に基づいて、画像データROM86に記憶されている画像データを呼び出して画面に表示するため画像を生成するためのものである。この生成された画像が表示部13aに出力されるのである。なお、前記画像データROM86には、いわゆる背景画像、前記図柄17A〜17Lの画像、キャラクタ画像等の各種画像が記憶されている。
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。制御装置(主基板24)は、上記作動口用スイッチ21からの検出信号に基づき、遊技球5が作動口3へ入賞した旨を検出した場合、そのことに基づいて、対応する保留ランプ18a〜18d(例えば、それまで2つの保留ランプ18a及び18bの2つのランプが点灯されていた場合には3つ目の保留ランプ18c)を点灯させ、保留カウンタの値を「1」ずつインクリメントする。但し、保留ランプ18a〜18dが全て点灯している場合は除かれる。
また、制御装置(主基板)24は、内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等の各カウンタの値(データ)を各乱数エリアに格納する。そして、所定のタイミングにおいて(それまで図柄変動が行われていなかった場合には速やかに、また、それまで図柄変動や大当たり時制御が行われていた場合には、当該変動等が終了した後所定時間(数秒)経過後)、対応する保留ランプ18a〜18dを消灯させるとともに、保留カウンタの値をデクリメントし、各エリア等に格納されたデータに基づき図柄変動を実行する。
このとき、主基板24は、当該変動に際し、表示制御指令としての表示コマンドを可変表示装置13へと出力(送信)する。すなわち、上記手段23及び26において「図柄の変動表示に関する所定の条件を満たした場合」とあるのは、本実施の形態では、このタイミング(図柄の変動表示開始時)に該当する。さて、この表示コマンドには、(1)変動開始から所定時間後に図柄17A〜17Lを確定表示させる旨の時間情報及び各リーチパターンに代表される変動パターンからなる表示パターン情報、並びに、(2)いかなる図柄17A〜17Lで確定表示させるかという図柄情報が含まれる。ここで、図柄情報としては、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄が含まれ、これらは、上述した内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等に基づいて決定されるものである。
本実施の形態における上記表示コマンドは、2バイト構成からなっており、順次連続的に可変表示装置13側へと送信される。2バイト構成からなる表示コマンドのうち、先頭の1バイト目は、これからいかなる情報が送信されてくるかというキーワード情報によって構成されている。また、後半の1バイトは、具体的な指示内容に該当するパターンコード等の内容情報によって構成されている。
例えば、本実施の形態において、まず最初に送信される表示コマンドは表示パターン情報である。この場合、1バイト目は、これから表示パターン情報(時間情報及び変動パターンを示唆する)が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、「01」、「02」等のパターンコード情報により構成されている。ここで、「01」、「02」等のパターンコード情報は、図柄の変動時間を例えば「10秒」とする、或いは、「30秒」とするといった内容を示唆する時間情報と、どのような変動パターン(又は変動パターン群のうちいずれか)を実行するといった変動パターンを示唆する情報とからなる。
また、続いて送信されるのは図柄情報である。すなわち、本実施の形態のように左→右→中の順に3つの図柄列14〜16の図柄が確定させられる場合においては、まず、表示パターン情報に続いて2番目に送信される表示コマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから左図柄列14の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。また、3番目に送信される表示コマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから右図柄列16の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。併せて、4番目に送信される表示コマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから中図柄列15の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。このように、確定図柄に関する3つの表示情報がたて続けに送信される。すなわち、1回の図柄変動に際して、2バイト構成からなるデータが1バイトずつ送信されることにより、合計8(1×2+3×2)回のデータ送信が行われることとなる。
なお、上記実施の形態では、左、右、中の各図柄列14〜16に対応した図柄情報が送信されることとなっているが、例えば9つの図柄を確定表示させる必要がある場合には、1×2+9×2=20回のデータ送信が行われるといった具合に、図柄数を適宜変更した場合であっても適用することができる。
一方、一群の表示コマンド(1回の図柄変動に際して送られてくるデータ群)を受信した可変表示装置13のCPU83は、当該コマンドに基づき図柄変動を開始するとともに、まず、疑似停止に至るまでの間、前記変動パターンに基づく種々の演出を行う。当該演出としては、例えばリーチ演出が主として挙げられる。
さて、上記表示コマンドのうち、表示パターン情報に基づき、可変表示装置13のCPU83は、例えば図7に示すようなテーブルを参酌して、上述した各変動パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を、変動開始から確定表示までの間、時間データの秒数分だけ実行する。ここに示す例では、可変表示装置13のプログラムROM82には、図7に示すテーブルに加えて、図8に示す4つのテーブル(テーブルA〜テーブルD)が記憶されている。例えば表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「01」であった場合、図柄の変動時間を「5秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルAを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、可変表示装置13側では所定の乱数カウンタを有しており、該乱数カウンタは、所定時間(例えば2ms)毎に値を更新し、0〜CCまでの値をとる。そして、テーブルAが参酌された場合、そのときのカウント値がいかなる値であったとしても、通常変動が5秒間実行されることとなる。
また、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「02」であった場合、図柄の変動時間を「10秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルBを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、テーブルBが参酌された場合、そのときのカウント値が0以上C1未満の場合には通常変動が実行され、C1以上CC未満の場合には通常変動プラス右図柄列16停止時のすべり変動処理(一時的な高速変動)が実行されることとなる。
さらに、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「03」であった場合、図柄の変動時間を「20秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルCを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、テーブルCが参酌された場合、そのときのカウント値が0以上C2未満の場合には出前リーチ処理変動が実行され、C2以上C3未満の場合には握りリーチ処理変動が実行され、C3以上C4未満の場合には仕入れリーチ処理変動プラス右図柄列16のすべり変動処理が実行され、C4以上CC未満の場合にはノーマルリーチ処理変動が実行されることとなる。
併せて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「04」であった場合、図柄の変動時間を「30秒」にするという時間情報と、変動パターンとして図8のテーブルDを参酌するというパターン情報とに基づいて変動が実行される。ここで、テーブルDが参酌された場合、そのときのカウント値が0以上C5未満の場合には出前リーチ処理変動が実行され、C5以上C6未満の場合には握りリーチ処理変動が実行され、C6以上C7未満の場合には仕入れリーチ処理変動が実行され、C7以上C8未満の場合にはノーマルリーチ処理変動が実行され、さらに、C8以上CC以下の場合には仕入れリーチ処理変動プラス右図柄列16のすべり変動処理が実行されることとなる。
ここで、主基板24側では、上記パターンコードの中からいずれかを選択決定し、可変表示装置13へと出力する。このとき、確定図柄とは無関係にパターンコードが選択決定される。この場合、時間情報が比較的長い場合(例えばパターンコードが「03」或いは「04」の場合)であって、確定図柄が外れ図柄(大当たり図柄でもリーチ図柄でもない図柄)であったとしても、変動時間は、「20秒」或いは「30秒」といったものとなる。この場合、例えば選択決定されたリーチ処理変動を行い、リーチ図柄で一旦疑似停止表示した後に、再度変動させ、結果的に外れ図柄で確定表示するといった表示制御を行い、長い時間に対応させることとしてもよい。また逆に、時間情報が比較的短い場合(例えばパターンコードが「01」或いは「02」の場合)であって、確定図柄が大当たり図柄やリーチ図柄であったとしても、変動時間は、「5秒」或いは「10秒」といったものとなる。この場合、いわゆるリーチ演出が行われることなく大当たり図柄やリーチ図柄で確定表示される場合もありうる。
もちろん、そのときどきの確定停止させるべき図柄(図柄情報)に基づき、上記パターンコードの中から適したものを選択決定し、可変表示装置13へと出力することとしてもよい。例えば、確定図柄が、完全なる外れ図柄である場合には、通常変動しか行わないものとして、テーブルA又はテーブルBのいずれかを参酌するべく、パターンコードとして「01」又は「02」を出力するような構成としてもよい。またこの場合、確定図柄が外れリーチ図柄である場合には、リーチ演出を行うものとして、テーブルC又はDのいずれかを参酌するべく、パターンコードとして「03」又は「04」を出力したり、確定図柄が大当たり図柄である場合には、テーブルC又はDのいずれかを参酌するべく、パターンコードとして「03」又は「04」のいずれかを出力することとしてもよい。
ここで、確定停止させるべき図柄(確定図柄)に基づき、上記パターンコードの中から適したものを選択決定する場合には、疑似図柄が停止表示されるタイミングと、揺動、再変動といった演出表示の時間等を適宜調整することで、遊技者に違和感が生じさせることなく、様々な変動、演出を実行することが可能となる。例えば、今回の確定図柄が大当たり図柄の場合には、再変動を行うか否かが判断され、再変動を行うと判定された場合には、確定表示の数秒前(例えば5秒前)に図柄を疑似停止させ、その後の数秒間再変動処理を行う。また、再変動を行わないと判定された場合には、確定表示の数秒前(例えば5秒前)に図柄を疑似停止させ、その後の数秒間図柄の揺動(ゆらしながら表示する)処理を行う。さらに、今回の確定図柄が外れリーチ図柄の場合には、確定表示の数秒前(例えば5秒前)に図柄を疑似停止させ、その後の数秒間揺動処理を行う。併せて、今回の確定図柄が外れ図柄の場合には、確定表示のほぼ直前(例えば1秒前)に図柄を疑似停止させ、その後の1秒間揺動処理を行う。但し、上記例はあくまでも一例に過ぎず、疑似図柄の停止表示タイミングと、揺動、再変動といった演出表示の時間等は可変表示装置13側で任意に調整しうるものである(確定図柄とは無関係にパターンコードが選択決定される場合であっても同様)。
なお、上記変動パターンに関し、リーチ演出、すべり変動以外の演出として、再変動、リーチ予告、大当たり予告等の演出処理を行うこととしてもよい。ここで、「予告」とあるのは、演出によって、所定の遊技状態が発生しやすくなることを示唆可能であればよい、或いは、演出によって所定の遊技状態の発生率に影響が生じるという趣旨であって、所定の遊技状態が発生しない場合があっても差し支えない。
そして、可変表示装置13のCPU83は、変動開始から所定時間後に図柄を疑似停止させる。この疑似停止のタイミング及び疑似停止図柄は、上述したように、主基板24とは無関係に可変表示装置13側で決定されるものである。
さらにその後、主基板24は、自身が有するタイマに基づき、前記時間情報に応じたタイミングで(例えば時間情報が「20秒」の場合には変動開始から「20秒」後に)、可変表示装置13に対し、確定コマンドを出力する。一方、CPU83は疑似停止からさらに所定時間後において(時間情報に基づく変動を完了した時点で)、前記図柄情報に応じた図柄を確定停止表示させる。このとき、結果的に前記出力された確定コマンドに同期して、図柄が確定表示させられることとなる。そして、その後、可変表示装置13のCPU83は、所定時間の間、報知演出を実行する。
このような一連の流れを、まず図9のタイミングチャートに従ってより具体的に説明する。同図においては、結果的に大当たり状態が発生させられる場合であって、(a)再変動処理が実行されない場合、及び、(b)再変動処理が実行される場合が示されている。同図に示すように、表示コマンドがタイミングt0において出力されたとする。当該表示コマンドの表示パターン情報のパターンコードは「04」(すなわち、時間情報が30秒(t2−t0))であり、かつ、図柄情報は、大当たり図柄(例えば「七」「七」「七」の図柄17G)で確定表示される旨の図柄情報であったとする。
この場合、当該表示コマンドに基づき、可変表示装置13は、図柄の変動を開始させるとともに、左図柄列14、右図柄列16の順に図柄17A〜17Lを疑似停止させる。当然、この場合はリーチ状態が発生するため、左右両図柄列14,16の疑似停止以降、可変表示装置13によって、上記テーブルDにて選択決定されたリーチパターンに基づくリーチ演出が実行される。
そして、タイミングt1(当該タイミングt1は、上述したように可変表示装置13側において任意に決定される:例えば後述するタイミングt2の5秒前)において、中図柄列15の図柄17A〜17Lも疑似停止させられる。このとき、再変動処理が行われない場合(同図(a)の場合)には、確定表示される図柄と同じ大当たり図柄(例えば「七」「七」「七」の図柄17G)にて疑似停止表示される。このように、大当たり図柄で疑似停止させられた場合、遊技者は、確変モードの付与される大当たり図柄で確定表示されたのだという印象を抱きうる(但し、制御上は未だ確定表示されていない)。そして、所定時間の間、疑似停止表示された図柄17A〜17Lが揺動表示させられる。なお、当該揺動期間の間、音声による大当たり報知(例えばファンファーレを流す等)を行うこととしてもよい。この場合、別途設けられた音声制御基板は、可変表示装置13からの別途のコマンドに基づき音声を制御することとしてもよいし、揺動期間を予め設定しておき、主基板24側からの信号に基づき音声を制御することとしてもよい。
そして、その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間が経過したタイミングt2において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt2に同期して、可変表示装置13においては図柄が実際に確定表示させられる。
その後、可変表示装置13は、タイミングt3に至るまでの間、報知演出を実行する。例えば、確変モードの付与される図柄で大当たりになった場合には、その旨を報知する。また、通常モードの付与される図柄で大当たりになった場合には、その旨を可変表示装置13の表示部13aにおいて報知する。また、音声による大当たり報知も、これに同期させて行う。この場合、前記揺動時の音声に継続した音声制御を行うこととしてもよいし、異種の音声制御を行うこととしてもよい。
一方、再変動処理が行われて確変モードが付与されるような場合(同図(b)の場合であって、上記同様「04」のパターンコードが送信されたような場合)には、タイミングt1(例えばタイミングt2の5秒前)において、確定表示される図柄とは異種の大当たり図柄(例えば「二」「二」「二」の図柄17B等の偶数図柄)にて疑似停止表示される。当該疑似停止図柄も、可変表示装置13側で任意に決定される。このように、大当たり図柄で疑似停止させられた場合、遊技者は、一旦大当たり図柄で確定表示されたのだという印象を抱きうる(但し、制御上は未だ確定表示されていない)。そして、その後、可変表示装置13において再変動処理が行われる。すなわち、疑似停止表示された図柄17A〜17Lが再度全図柄17A〜17Lが揃った状態で変動表示させられる。
その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間が経過したタイミングt2において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt2に同期して、可変表示装置13においては図柄が実際に確定表示させられる(例えば「七」「七」「七」の図柄17Gで)。
その後、可変表示装置13は、タイミングt3に至るまでの間、報知演出を実行する。例えば、確変モードの付与される図柄で大当たりになった場合には、その旨を報知する。
なお、上記例では、再変動処理が行われた場合に、確変モードが付与される奇数図柄で確定表示される例について説明したが、もちろん、再変動処理が行われた場合であっても、偶数の図柄で確定表示され、結果的に通常モードしか付与されない場合もありうる。また、一旦奇数の大当たり図柄で疑似停止させられた場合であっても再変動処理を実行することとしても何ら差し支えない。さらに、偶数の大当たり図柄で疑似停止表示させられた場合でも、揺動のみが行われて再変動処理が行われないこととしてもよい。
併せて、図柄を疑似停止させるタイミングt1は、一律である必要はなく、基本的には可変表示装置13側で任意に設定されるものである。例えば、大当たり図柄で確定表示され、再変動処理が行われない場合、確定表示されるタイミングt2の直前のタイミングで疑似停止表示させられることとしてもよい。
さて、上記図9に示すタイミングチャート例では、大当たり状態が発生する場合を中心として説明したが、もちろん、大当たり時以外であっても、上記と同様の制御が行われるものである。
また、上記タイミングチャート例では、タイミングt0で変動が開始された場合にタイミングt2で確定表示されるような構成について説明したが、もちろん本実施の形態では、複数の時間情報のパターンが存在しており、この場合、各時間情報に応じた疑似停止タイミング、並びに、揺動や再変動といった演出表示時間を調整することが可能である。
例えば、図10(a),(b)においては、表示コマンドがタイミングt0において出力された場合であって、当該表示コマンドの表示パターン情報のパターンコードは「03」(すなわち、時間情報が20秒(t5−t0))であり、かつ、図柄情報は、外れリーチ図柄(例えば「七」「八」「七」の図柄)で確定表示される旨の図柄情報であったとする。
この場合、当該表示コマンドに基づき、可変表示装置13は、図柄の変動を開始させるとともに、左図柄列14、右図柄列16の順に図柄17A〜17Lを疑似停止させる。当然、この場合はリーチ状態が発生するため、左右両図柄列14,16の疑似停止以降、可変表示装置13によって、上記テーブルCにて選択決定されたリーチパターンに基づくリーチ演出が実行される。このとき、(a)の場合には、例えばノーマルリーチに基づくリーチ演出が実行され、(b)の場合には、例えば出前リーチ、握りリーチ又は仕入れリーチといったリーチパターンに基づくリーチ演出が実行される。
そして、(a)の場合にはタイミングt4aにおいて、(b)の場合にはタイミングt4bにおいて(当該タイミングt4a,t4bは、可変表示装置13側において任意に決定される:例えば後述するタイミングt5の5秒前或いは3秒前)、中図柄列15の図柄17A〜17Lが疑似停止させられる。このとき、タイミングt5までの間に揺動等の処理が行われてもよいし、何らの処理をも行わなくてもよいし、再変動処理を行うこととしてもよい(但し、制御上は未だ確定表示されていない)。
その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間が経過したタイミングt5において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt5に同期して、可変表示装置13においては図柄が実際に確定表示させられる。
一方、例えば、図10(c)においては、表示コマンドがタイミングt0において出力された場合であって、当該表示コマンドの表示パターン情報のパターンコードは「02」(すなわち、時間情報が10秒(t8−t0))であり、かつ、図柄情報は、外れ図柄(例えば「三」「四」「一」の図柄)で確定表示される旨の図柄情報であったとする。
この場合には、例えばタイミングt7(当該タイミングt7は、可変表示装置13側において任意に決定される:例えば後述するタイミングt8の2秒前)において、外れ図柄にて疑似停止表示される。これにより、遊技者は、大当たり状態はおろか、リーチ状態すら発生しなかったのだという印象を抱きうる(但し、制御上は未だ確定表示されていない)。そして、その後、可変表示装置13において、タイミングt7〜t8までの間に揺動等の処理が行われてもよいし、何らの処理をも行わなくてもよいし、場合によっては再変動処理が行われることとしてもよい。
その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間が経過したタイミングt8において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt8に同期して、可変表示装置13においては図柄が実際に確定表示させられる。
その後、可変表示装置13は、タイミングt6又はt9に至るまでの間、報知演出を実行する。例えば、大当たり状態となった場合には大当たり報知を行い、また、リーチ状態を経て外れとなった場合には、惜しかった旨を報知する。さらに、リーチ状態すら経ることなく外れとなった場合には、残念だった旨を可変表示装置13の表示部13aにおいて報知する。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、図柄17A〜17Lの変動開始に際して主基板24から一群の表示コマンド(1回の図柄変動に際して送られてくるデータ群)が可変表示装置13に出力され、所定時間後に図柄の変動表示が停止させられ結果的に所定の図柄にて確定表示させられる。ここで、表示コマンドは、(1)変動開始から所定時間後に図柄17A〜17Lを確定表示させる旨の時間情報及び変動パターンからなる表示パターン情報、並びに、(2)いかなる図柄17A〜17Lで確定表示させるかという図柄情報とで構成される。
このように、1回の図柄変動に際して主基板24から一群の表示コマンドのみが出力される(変動開始時と確定時との2度のコマンドしか送信されない)という構成であっても、可変表示装置13自身が疑似停止、及び各種演出制御を実行するため、遊技者は、違和感を感じることなく遊技を堪能することができる。すなわち、可変表示装置13は、変動表示開始後、確定表示の前段階に、各遊技態様に応じて自身で選択決定した疑似図柄を、表示部13aにおいて疑似停止表示させる。また、この間、前記各テーブルA〜Dに基づき決定した変動パターンに基づく演出を行う。また、可変表示装置13は疑似図柄が停止表示されてから確定表示までの間に揺動、再変動といった各種演出表示を行う。従って、疑似図柄が停止表示されるタイミングと、揺動、再変動といった演出表示の時間等を適宜調整することで、遊技者に違和感が生じさせることなく、様々な変動、演出を実行することが可能となる。その結果、遊技者にとっての興趣の低下を招くことなく、制御内容の著しい簡素化を図ることができる。
しかも、時間情報に関し、停止図柄及び変動パターンに関連した多岐にわたるデータを要し、かつ、これらを主基板側で制御する必要のあった従来技術に比べ、本実施の形態では、1回の図柄変動に際して変動開始時のみに1群の表示コマンドを送信するだけで済む。このため、特に、主基板24側の制御内容の著しい簡素化を図ることができる。
さらに、本実施の形態では、複数通りの時間情報が用意されており、主基板24側では、図柄の変動開始から確定表示されるまでの期間を任意に設定できる。このため、例えば同じリーチパターンに基づく演出表示が実行される場合でも演出時間に応じた様々なバリエーションを設けることができ、面白味に富んだ変動、演出を実行することができる。また、確定表示される図柄が外れ図柄であったとしても、疑似的にリーチ演出を行ったり、すべり変動を行ったり、揺動や再変動を行ったりすることで、遊技者にとって間延びした感じを抱かせることなく、変動、演出を実行することができる。さらに、この場合であっても、上述したように、時間情報の量を従来に比べて著しく少なくすることができるため、制御内容の著しい簡素化を図ることができる。
また、本実施の形態では、疑似停止される図柄は、完全な停止状態ではなく、非停止状態(揺動状態)で表示される。このため、遊技者によっては、この時点で未だ完全には確定表示されていないということに気づく場合があり、遊技に厚みが増す。また、疑似停止される図柄は、揺動状態で表示されるため、遊技者によっては、この時点で未だ完全には確定表示されていないということに気づき、さらなる変動を期待する場合が生じ、遊技に厚みが増す。なお、揺動に代えて、振動、又は、微動状態としてもよい。また、完全な停止状態で表示することとしてもよい。
さらに、疑似停止図柄は、場合によっては当該疑似停止図柄があたかも確定表示されたものであるかのような印象を導出するかの如き態様で表示される。このため、その後確定表示される場合がいかなる性質をもっていたとしても、変動開始から疑似停止が行われるまでの間の期間を適宜変更させることで、遊技者は、あたかも変動時間が相違しているような感覚を抱きうる。その結果、興趣の低下をより確実に抑制することができる。
なお、上記例では特に詳述しなかったが、図柄の変動表示開始から疑似図柄が疑似停止表示されるまでの期間は、疑似停止から確定表示までの時間(すなわち、所定の演出表示の期間)よりも長くてもよいし、短くてもよいし、同等でもよい。また、大当たり状態やリーチ状態が発生する場合としない場合とで、演出表示の期間を、相違させてもよい。つまり、大当たり状態が発生する場合には、しない場合に比べて、所定の演出表示の期間を長くしても、短くしても、或いは同等にしてもよい。さらに、確定図柄が大当たり図柄や、外れリーチ図柄である場合には、当該図柄に対応する専用のテーブルを参酌することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、「5秒」、「10秒」、「20秒」、「30秒」という4種類(複数種類)の時間データを具備することとしたが、1種類の時間データのみを具備することとしてもよい。例えば、時間データとして、毎回、変動開始から確定表示までの時間が「30秒」に設定されていたとする。この場合、図11に示すように、変動開始(タイミングt0)から確定表示(タイミングt2)までの時間は常に一定であるが、可変表示装置13側で、疑似停止タイミング及び揺動等の演出処理期間を調整することができる。例えば、図11(a)においては、リーチ演出が実行され、結果として大当たり状態が発生させられない場合、(b)においてはリーチ状態すら発生せず外れ状態となる場合が示されている。同図に示すように、表示コマンドがタイミングt0において出力されたとする。この場合の表示コマンドの表示パターン情報は、(a)何らかのリーチパターンに基づく変動演出が行われる旨の情報、(b)通常変動が行われる旨の情報であったとする。また、表示コマンドの図柄情報は、(a)外れリーチ図柄(例えば「七」「六」「七」の図柄)、(b)外れ図柄(例えば「三」「四」「一」の図柄)で確定表示される旨の情報であったとする。
当該表示コマンドに基づき、可変表示装置13のCPU83は、図柄の変動を開始させるとともに、左図柄列14、右図柄列16の順に図柄17A〜17Lを疑似停止させる。ここで、(a)の場合はリーチ状態が発生するため、左右両図柄列14,16の疑似停止以降、選択決定されたリーチパターンに基づくリーチ演出が実行される。
そして、タイミングt1aにおいて、中図柄列15の図柄17A〜17Lが疑似停止させられる。このとき、同図(a)の場合には、外れリーチ図柄にて疑似停止表示されるのであるが、タイミングt1a〜t2までの間に揺動等の処理が行われてもよいし、何らの動作処理をも行わなくてもよい。なお、何らの動作処理をも行わない場合であっても、固定的に図柄を表示していることから、かかる場合であっても「所定の演出表示」をしたことになる。これにより、遊技者は、リーチ状態は発生したのだが、大当たり図柄で確定表示されなかったのだという印象を抱きうる(但し、制御上は未だ確定表示されていない)。また、可変表示装置13側で、再度中図柄列15に関する再変動処理を行うこととしてもよい。
その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間が経過したタイミングt2において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt2に同期して、可変表示装置13においては図柄が実際に確定表示させられる
一方、同図(b)の場合には、タイミングt1bにおいて、外れ図柄にて疑似停止表示される。これにより、遊技者は、大当たり状態はおろか、リーチ状態すら発生しなかったのだという印象を抱きうる(但し、制御上は未だ確定表示されていない)。そして、その後、可変表示装置13において、タイミングt1b〜t2までの間に揺動等の処理が行われてもよいし、何らの処理をも行わなくてもよいし、上述したような再変動処理等が行われることとしてもよい。その後、主基板24からは、前記時間情報に基づく所定時間が経過したタイミングt2において、確定コマンドが出力される。また、当該タイミングt2に同期して、可変表示装置13においては図柄が実際に確定表示させられる。
その後、可変表示装置13は、タイミングt3に至るまでの間、報知演出を実行する。例えば、リーチ状態を経て外れとなった場合には、惜しかった旨を報知する。また、リーチ状態すら経ることなく外れとなった場合には、残念だった旨を可変表示装置13の表示部13aにおいて報知する。
このように、時間情報が仮に一定であったとしても、つまり、タイミングt0で変動が開始された場合には常にタイミングt2で確定表示されるよう構成されていたとしても、疑似停止表示される時期、及び、疑似停止後確定表示までの演出等を調整することで、大当たり状態発生時のみならず、外れリーチ時、外れ時にも対処することができる。この場合、時間情報は毎回同じであるため、時間情報に関する制御内容の著しい簡素化が図られる。
(第2の実施の形態)
次に、パチンコ機を具体化した第2の実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、本実施の形態において、上記第1の実施の形態と重複する部分についてはその説明を省略するとともに、以下には、主として相違点を中心に説明することとする。
上記第1の実施の形態では、主基板24側の方で時間データを主眼においたパターンコードを出力することとし、可変表示装置13側で、いかなる変動パターンを採用するかをテーブル(テーブルA〜テーブルD)に基づいて決定する構成となっていた。これに対し、本実施の形態では、予め主基板24側で時間データ及び変動パターンを一義的に決定しておき、それに基づくパターンコードを可変表示装置13に出力することを特徴としている。この場合、上記第1の実施の形態と同様、確定図柄とは無関係にパターンコードを選択決定することとしてもよいし、もちろん、確定図柄に応じてパターンコードを決定することとしてもよい。後者の場合には、例えば、確定図柄が大当たり図柄や外れリーチ図柄である場合には、「01」、「02」といったパターンコードが選択決定されないように構成することが考えられる。
さて、可変表示装置13のCPU83は、例えば図12に示すようなテーブルを参酌して、時間データ(変動開始から確定表示までの時間)及び上述した各変動パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を時間データの秒数分だけ実行する。この図12に示す例では、例えば表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「01」であった場合、図柄の変動時間を「5秒」にするという時間情報と、変動パターンとして通常変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「01」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、通常変動を5秒間行うこととなる。
また、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「02」であった場合、図柄の変動時間を「10秒」にするという時間情報と、変動パターンとして通常変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「02」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、通常変動を10秒間行うこととなる。このように、「5秒」、「10秒」といった比較的短時間の通常変動が行われた場合であっても、大当たり図柄や外れリーチ図柄で確定表示される場合もありうる。
さらに、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「06」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとしてノーマルリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「06」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、ノーマルリーチ変動を25秒間行うこととなる。
併せて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「07」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとして出前リーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「07」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、出前リーチ変動を25秒間行うこととなる。
加えて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「08」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとして握りリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「08」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、握りリーチ変動を25秒間行うこととなる。
さらにまた、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「09」であった場合、図柄の変動時間を「25秒」にするという時間情報と、変動パターンとして仕入れリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「09」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、仕入れリーチ変動を25秒間行うこととなる。
併せて、表示パターン情報に関する表示コマンドのパターンコードが「FF」であった場合、図柄の変動時間を「40秒」にするという時間情報と、変動パターンとして仕入れリーチ変動を行うというパターン情報とに基づいて変動が実行される。従って、「FF」というパターンコードが出力された場合には、可変表示装置13側では、仕入れリーチ変動を40秒間行うこととなる。
このように、第2の実施の形態によれば、基本的には第1の実施の形態と同等の作用効果が奏される。また、本実施の形態では、予め主基板24側で、時間情報のみならず、変動パターンも一義的に決定されるという特色がある。従って、第1の実施の形態とは異なり、可変表示装置13側にテーブル等を設けておく必要がない。かかる意味で、可変表示装置13側での制御内容の簡素化を図ることができる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、図柄17A〜17Lを、魚等の絵と、「一」〜「十二」の数字との組合せによって構成し、これを識別情報としたが、遊技者に認識されるものであればいかなるものであってもよい。例えば数字のみからなる図柄や、絵や記号のみからなる図柄であってもよい。また、図柄に限られることなく、ランプの光等の識別情報であってもよい。
(b)上記実施の形態では、確変モードの概念として、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17Lの変動時間を短くすること、(5)大当たり期待値が通常モードに比べて高くなることのうち、(5)のみ、すなわち、大当たり確率が単に高められることのみが実行されることとした。
これに対し、(5)を含む(1)〜(4)のうちの少なくとも1つを満たすことを、確変モードとしてとらえてもよい。すなわち、(1)〜(4)の任意の組合せ(例えば(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(4))と(5)を組み合わせたものを確変モードとしてとらえてもよい。
(c)また、確変モードとして、次回の大当たり時まで継続されるもの以外にも、次々回の大当たり時まで継続されるものや、所定回数の図柄17A〜17Lの変動停止が行われるまで継続されるもの等を採用することもできる。
(d)さらに、確変モードに加えて、或いは代えて、時間短縮モード(上記(b)の(1)〜(4)の任意の組み合わせからなるモード)を採りうる遊技機にも適用可能である。例えば、偶数図柄で大当たりになると通常モードが付与され、奇数図柄で大当たりになると時間短縮モードが付与されるようなパチンコ機にも適用することができる。また、遊技モードの切換を行わないタイプのパチンコ機にも具体化してもよい。
(e)再変動処理を行わないこととしてもよい。
(f)表示装置13としては、上述した液晶ディスプレイ以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示菅等を用いてもよい。
(g)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも具体化できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作等することで図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に確定図柄を表示する図柄表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間が経過することにより図柄変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となる。
(h)奇数図柄17A,17C,17E,17G,17I,17Kで一旦停止表示された場合には、再変動表示が行われた場合、必ず奇数図柄で最終的に停止表示されるようにしてもよい。かかる構成とすることで、折角確変モードが付与される図柄で大当たり状態が発生したと思ったにもかかわらず、一転がっかりさせられてしまうといった事態を回避することができる。
(i)上記再変動の概念を応用して、1度の所定の契機の発生(1個の遊技球の作動口3への入賞:1つの保留ランプ18a〜18dの消灯)に際して、複数回(たとえば2回)の変動が行われるかのような構成としてもよい。例えば、時間情報として確定までに30秒間の時間が与えられたとして、この間に13秒ずつの通常変動(もちろんリーチ変動でもよい)を2回行うこととしてもよい。かかる制御が行われることによって、遊技者は1個の入賞でもって複数回の変動表示を堪能できたような気分を味わうことができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。