以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図19にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部16aと、左側枠用ランプ部16bと、右側枠用ランプ部16cとが配置されている。各枠用ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口21aが形成されており、当該セット口21aに整合して表示枠体21には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示器22が装着されている。演出表示器22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示器22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示器22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
図2に示すように、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方には、7セグメント型の表示手段としての特図表示器23が設けられている。特図表示器23では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器23では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。
そして、特図表示器23では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、演出表示器22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄(以下、飾図と示す場合がある)の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器23と演出表示器22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
本実施形態において特図表示器23には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、小当りを認識し得る図柄となる10種類の小当り図柄(小当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示器22には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]の7種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態においては、特図表示器23に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示器22に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示器22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示器22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、原則として、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。なお、はずれの図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(例えば、[123])が表示された場合には、大当り及び小当りのいずれかに当選したことを認識できる。この大当り及び小当りの何れかに当選したことを認識できる図柄組み合わせが、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となる確率変動状態(確変状態)が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。
また、本実施形態において、演出表示器22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、演出表示器22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一図柄となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示器22には、特図表示器23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器23に表示される特図と、演出表示器22に表示される飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則として演出表示器22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示器22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器23に小当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示器22にも[123]などの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示器22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方であって、特図表示器23の左方には、普図表示器24が配設されている。この普図表示器24では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態において普図表示器24は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図2では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普図表示器24では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根27の開動作により下始動入賞口26を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普図表示器24では、普図当り抽選で当りを決定している場合には普図ゲームで普図からなる当り図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の普通図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普図表示器24では、普図当り抽選ではずれを決定している場合には普図ゲームで普図からなるはずれ図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の普通図柄表示部が点灯)される。
また、図2に示すように、表示枠体21の正面視下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口25aを有する上始動入賞口25と遊技球の入球口26aを有する始動手段としての下始動入賞口26が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口26は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL2(図7に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根27を備えており、開閉羽根27が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを開放させる構成とされている。
上始動入賞口25と下始動入賞口26の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口センサSE1,SE2(図7に示す)が配設されている。上始動入賞口25と下始動入賞口26は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口26は開閉羽根27が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根27が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、図2に示すように、下始動入賞口26の下方には、大入賞口ソレノイドSOL1(図7に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた大入賞口装置29が配設されている。大入賞口装置29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3が設けられている。そして、当り遊技(大当り遊技と小当り遊技)が生起されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口装置29が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。そして、この当り遊技は、内部抽選で当りを決定し、図柄変動ゲームにて当り図柄(大当り図柄と小当り図柄を含む)が確定停止表示されることを契機に付与される。
また、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方であって、特図表示器23の左方には、機内部(RAM30c)で記憶される図柄変動ゲームの始動保留球の記憶数(以下、「特図保留記憶数」を示す)に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を報知する特図保留表示器Raが設けられている。特図保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。そして、特図保留記憶数は、始動入賞口(上始動入賞口25と下始動入賞口26)に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特図保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。特図保留表示器Raは、複数(本実施形態では4つ)のランプから構成され、特図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって特図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、表示枠体21の左側には、作動ゲート35が配設されている。そして、作動ゲート35の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図7に示す)が設けられている。作動ゲート35は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、下始動入賞口26を開状態とするか否か(下始動入賞口26に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。下始動入賞口26は、開閉羽根27により常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。その一方で、下始動入賞口26は、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根27が開放されることにより下始動入賞口26が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根27の開放によって下始動入賞口26に遊技球を入賞させることができるため、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件と賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、上始動入賞口25へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
また、図2に示すように、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方であって、普図表示器24の右方には、普図保留表示器Rbが配設されている。普図保留表示器Rbは、作動ゲート35を遊技球が通過し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、普図保留表示器Rbの表示内容によって保留されている普図ゲームの回数が報知される。普図保留記憶数は、作動ゲート35を遊技球が通過すると1加算(+1)され、普図ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、普図ゲーム中に作動ゲート35を遊技球が通過すると普図保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。本実施形態において普図保留表示器Rbは、複数(本実施形態では4つ)のランプから構成され、普図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって普図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口装置29よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口13が形成されている。アウト球口13を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率状態を低確率抽選状態である通常確率(本実施形態では5/1697)から高確率抽選状態(本実施形態では50/1697)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態を付与する変短機能を備えている。変短状態が付与されると、開閉羽根27を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。この入球率向上状態において、開閉羽根27は、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が1回開放し、開放してから0.3秒又は1.0秒経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、変短状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1.5秒が経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根27は、変短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根27は閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根27は閉鎖するようになっている。また、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが実行される迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。なお、変短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根27が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技(15ラウンド大当り遊技と2ラウンド大当り遊技)、及び小当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す5種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づいた大当り遊技が付与されるようになっている。そして、5種類の大当りのうち、何れの大当りを付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図3に示すように、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、及び図柄Eの5種類に分類される。そして、図柄Aには28種類の大当り図柄が、図柄Bには6種類の大当り図柄が、図柄Cには8種類の大当り図柄が、図柄Dには20種類の大当り図柄が、図柄Eには38種類の大当り図柄がそれぞれ振分けられている。また、図3に示す図柄Fには、小当りに対応する10種類の特図(小当り図柄)が振分けられている。
図柄A及び図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに基づく大当りを「第1の確変15ラウンド大当り」と示すとともに、図柄Bに基づく大当りを「第2の確変15ラウンド大当り」と示す。第1の確変15ラウンド大当り遊技及び第2の確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、第1の確変15ラウンド大当り遊技及び第2の確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、第1の確変15ラウンド大当り及び第2の確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態を付与するようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。また、本実施形態では、第1の確変15ラウンド大当りと第2の確変15ラウンド大当りでは、大当り遊技終了後に移行する演出モードを異ならせているが、演出モードについては後に詳述する。
図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Cに基づく大当りを「100回変短付き確変15ラウンド大当り」と示す。100回変短付き確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、100回変短付き確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、100回変短付き確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態を付与するようになっている。
図柄Dに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する2ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Dに基づく大当りを「確変2ラウンド大当り」と示す。確変2ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、確変2ラウンド大当り遊技における2回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、確変2ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態とその確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみを付与する場合とがある。
図柄Eに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Eに基づく大当りを「非確変15ラウンド大当り」と示す。また、非確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、非確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、非確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態を付与するようになっている。
図柄Fに基づく小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口扉28を「2回」開放させるように設定されている。また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を変短状態に継続させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非変短状態に継続させる。
これらの各大当り遊技及び小当り遊技では、オープニング時間、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間及びエンディング時間が、図3に示すように、それぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、図3に示す1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は最大時間となる。
なお、図3の「当たった時の状態」欄に示す「低確+変短なし」、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、「高確+変短ありG2」、「高確+変短ありG3」の5つの状態は、それぞれ次のような状態を示す。「低確+変短なし」は、非確変状態で、かつ非変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10においては「通常状態」となる。「低確+変短あり」は、非確変状態で、かつ変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「低確+変短あり」の状態は、非確変15ラウンド大当り遊技に当選することによって作り出される。「高確+変短なし」は、確変状態で、かつ非変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短なし」の状態は、「低確+変短なし」の状態で確変2ラウンド大当り遊技に当選することによって作り出される。
さらに、「高確+変短ありG2」は、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて移行先の演出モードが「高確示唆モード」であることを示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG2」の状態は、第2の確変15ラウンド大当り遊技又は100回変短付き確変15ラウンド大当り遊技に当選することによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG2」の状態は、「低確+変短あり」の状態、「高確+変短なし」、又は「高確+変短ありG2」の状態で確変2ラウンド大当り遊技に当選することによっても作り出される。「高確+変短ありG3」は、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて移行先の演出モードが「高確確定モード」であることを示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG3」の状態は、第1の確変15ラウンド大当り遊技に当選することによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG3」の状態は、「高確+変短ありG3」の状態で確変2ラウンド大当り遊技に当選することによっても作り出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、各大当り遊技の終了後、大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態(確変状態)であるのか、低確率抽選状態(非確変状態)であるのかを遊技者に示唆する遊技状態報知画像を表示させる複数(本実施形態では3つ)の演出モードを備えている。図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出モードの移行態様を示す。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出モードの移行契機を、当りに当選したこと、及び当り遊技終了後に移行した演出モード後の演出モードを移行させるか否かを決定する移行抽選(モード抽選)に当選したこととし、その当選した当りの種類及び移行抽選の抽選結果に応じて移行する演出モードが異なるようになっている。この演出モードの移行により、遊技者は、滞在中の演出モード、すなわち当該演出モードで表示される遊技状態報知画像から大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態であるか否かを推測するようになっている。
以下、本実施形態の演出モードについて、図4を用いて詳しく説明する。なお、図4では、「ラウンド遊技」を「R」と示している。
本実施形態において、3つの演出モードは、演出態様が夫々異なっている。具体的には、変短状態が付与されないとともに、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態又は低確率抽選状態となっているときに滞在する通常モードと、変短状態が付与される場合とされない場合があるとともに、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態又は低確率抽選状態となっているときに滞在する高確示唆モードが設定されている。さらに、変短状態が付与されるとともに、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となっているときに滞在する高確確定モードとが設定されている。高確確定モードは、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態、すなわちパチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であることを、遊技者に対して確定的に示唆(報知)する演出とされている。その一方、通常モード及び高確示唆モードは、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れの場合でも実行される演出とされている。すなわち、通常モード及び高確示唆モードは、パチンコ遊技機10の遊技状態が、確変状態及び非確変状態の何れの状態であるかを遊技者に対して非確定的に示唆(報知)する高確率潜伏演出とされ、これらの2つの演出モードは確変状態である可能性を示唆する。本実施形態では、通常モード及び高確示唆モードが、高確潜伏モードとなる一方で、通常モードが、特定高確潜伏モードとなる。
そして、前述した3つの演出モードは、確変状態であることの期待度の高低(確変状態である可能性の大小)を示唆し、その高低によって区別される演出となっている。本実施形態においては、通常モード<高確示唆モード<高確確定モードの順に、確変状態である期待度が高い演出モードとして位置付けられている。
また、本実施形態における高確示唆モードは、さらに複数のモード(本実施形態では4つ)に区分けされており、演出モード毎に確変状態である期待度が異なるように設定されている。具体的には、第1の高確示唆モード、第2の高確示唆モード、第3の高確示唆モード、及び第4の高確示唆モードが設定されているとともに、第1の高確示唆モード<第2の高確示唆モード<第3の高確示唆モード<第4の高確示唆モードの順に、確変状態である期待度が高い演出モードとして位置付けられている。そして、本実施形態では、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合にしか第4の高確示唆モードに移行し得ないように構成している。これにより、第4の高確示唆モードは、「高確示唆モード」に分類されながらも、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態であることを遊技者に確定的に報知していることになる。
また、各演出モード滞在中は、その滞在中の演出モードに対応する遊技状態報知画像が演出表示器22に画像表示されるようになっている。具体的に言えば、通常モード時には、遊技状態報知画像としての通常背景画像G1が画像表示されるようになっているとともに、高確示唆モード時には、遊技状態報知画像としての高確背景画像G2が画像表示されるようになっている。さらに、第1の高確示唆モード時には、高確背景画像G2a(図5(a))が、第2の高確示唆モード時には、高確背景画像G2b(図5(b))が、第3の高確示唆モード時には、高確背景画像G2c(図5(c))が、第4の高確示唆モード時には、高確背景画像G2d(図5(d))が画像表示されるようになっている。なお、以下の説明では、高確背景画像G2a〜G2dをまとめて「高確背景画像G2」と示す場合がある。また、高確確定モード時には、遊技状態報知画像としての確定背景画像G3が画像表示されるようになっている。これらの各背景画像G1〜G3が画像表示されることにより、遊技者は、大当り抽選の当選確率が高確率状態である期待度を把握し得る。なお、背景画像は、図柄の背面に映し出される画像である。
以下、演出モードの移行態様を説明する。
通常モードは、「低確+変短なし」と「高確+変短なし」の時に滞在する演出モードとされている。そして、通常モードの滞在中に、第1の確変15ラウンド大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確確定モードへ移行する。また、通常モードの滞在中に、第2の確変15ラウンド大当り、100回変短付き確変15ラウンド大当り、及び非確変15ラウンド大当りの何れかに当選した場合、大当り遊技を経て、変短付きの高確示唆モードへ移行する。さらに、「低確+変短なし」となっている通常モードの滞在中に確変2ラウンド大当り又は小当りに当選した場合、変短なしの高確示唆モードへ移行する。また、「高確+変短なし」となっている通常モードの滞在中に確変2ラウンド大当りに当選した場合、変短付きの高確示唆モードへ移行する。また、「高確+変短なし」となっている通常モードの滞在中に小当りに当選した場合、変短なしの高確示唆モードへ移行する。なお、以下の説明では、第2の確変15ラウンド大当り、100回変短付き確変15ラウンド大当り、及び非確変15ラウンド大当りをまとめて「15ラウンド系大当り」と示す場合がある。
高確確定モードは、「高確+変短あり」の時に滞在する演出モードとされている。そして、高確確定モードの滞在中に、第2の確変15ラウンド大当り、100回変短付き確変15ラウンド大当り、及び非確変15ラウンド大当りの何れかに当選した場合、大当り遊技を経て、変短付きの高確示唆モードへ移行する。また、高確確定モードの滞在中に確変2ラウンド大当り又は小当りに当選した場合、高確確定モードへ移行(継続)する。なお、高確確定モードの終了条件は、大当り抽選で15ラウンド系大当りに当選することに設定されており、大当り抽選で大当りに当選する迄の間、継続される。
高確示唆モードは、変短付きの高確示唆モードと、変短なしの高確示唆モードとに分類される。より詳しくは、変短付きの高確示唆モードは、「低確+変短あり」及び「高確+変短あり」の時に滞在する演出モードとされている。すなわち、第2の確変15ラウンド大当り及び100回変短付き確変15ラウンド大当りの何れかに当選したことによって移行した変短付きの高確示唆モードは、遊技状態が「高確+変短あり」となる。一方、非確変15ラウンド大当りに当選したことによって移行した変短付きの高確示唆モードは、「低確+変短あり」となる。そして、変短付きの高確示唆モードの滞在中に、第1の確変15ラウンド大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確確定モードへ移行する。また、変短付きの高確示唆モードの滞在中に確変2ラウンド大当り又は小当りに当選した場合、変短付きの高確示唆モードへ移行(継続)する。
また、変短付きの高確示唆モードの終了条件は、大当り抽選で15ラウンド系大当り(第1の確変15ラウンド大当りも含む)に当選する、及び大当り遊技終了後に付与された変短状態が終了するの何れかが成立することに設定されている。このため、100回変短付き確変15ラウンド大当り及び非確変15ラウンド大当りの何れかに当選したことによって変短付きの高確示唆モードへ移行した場合は、変短状態が終了することにより、通常モードへ移行する。これにより、変短付きの高確示唆モードを経由して移行する通常モードは、確変状態の可能性も残されており、確変潜伏の状態とされる。なお、変短状態なしの高確示唆モードは、転落抽選への当選によって終了する場合と、大当り抽選で大当りに当選することによって終了する場合とがある。
その一方で、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって変短付きの高確示唆モードへ移行した場合は、大当りに当選する迄の間、変短付きの高確示唆モードが継続される。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者は、大当り遊技終了後に変短付きの高確示唆モードへ移行した場合、100回の図柄変動ゲームの終了によって変短付きの高確示唆モードから通常モードへ移行しなければ、その演出モードの移行態様から確変状態であることを認識し得る。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、15ラウンド系大当りに当選した場合、大当り遊技終了後に第1の高確示唆モード(変短付き)〜第3の高確示唆モード(変短付き)のうちどの演出モードに移行するかは、抽選によって決定されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」となっている高確示唆モードの滞在中、昇格抽選(第1抽選内容)を実行している。一方、通常モード中、及び「高確+変短なし」又は「低確+変短なし」となっている高確示唆モードの滞在中、昇格抽選と転落抽選(第2の抽選内容)を実行している。ちなみに、昇格抽選は、現在滞在中の演出モードよりも確変状態である期待度が高く設定された演出モードに移行させるか否かを決定するために実行する抽選である。また、転落抽選は、現在滞在中の演出モードよりも確変状態である期待度が低く設定された演出モード(本実施形態では通常モード)に移行させるか否かを決定するために実行する抽選である。
本実施形態では、非確変15ラウンド大当りが、第1当りとなる。一方、第2の確変15ラウンド大当りが、第2当りとなる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、昇格抽選又は転落抽選に当選したことによって演出モードが移行する場合、図6に示すような態様でモード移行演出が実行される。具体的には、図柄変動ゲームの開始後に、画像表示部GHに扉Tが表示され、所定時間経過後、当該扉Tが開くと、当該モード移行演出終了後に実行される演出モードが報知されるようになっている。また、モード移行演出が実行されると、画像表示部GHの左下部に変動中の図柄が扉Tに比して遥かに小さく表示されるようになっている。そして、扉Tが開いて移行先の演出モードが報知された後、変動中の図柄が確定停止表示される。このように、モード移行演出が実行される際には、画像表示部GHにおいて飾図が小さく表示されるので、遊技者は、モード移行演出の実行態様に注視することとなる。なお、図6に示したような態様で行われるモード移行演出の移行契機は、特定の変動パターン(本実施形態では変動パターンP1)が選択されたときと設定している。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図7に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示器22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部16a〜16cの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種スピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。メインCPU30aには、上始動口センサSE1と、下始動口センサSE2と、カウントセンサSE3と、ゲートセンサSE4が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器23と、普図表示器24と、特図保留表示器Raと、普図保留表示器Rbとが接続されている。また、メインCPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU30aは、特図用の当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、小当り図柄振分用乱数や、普図用の当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、メインCPU30aは、時間を計測するタイマを更新する。RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
特図用の当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数であるとともに、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。また、特図振分用乱数は、大当りとなる場合に特図表示器23に確定停止表示させる特図としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。また、リーチ判定用乱数は、当り抽選(大当り抽選と小当り抽選を含む)で当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成し、リーチ演出を行うか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択し、決定する際に用いる乱数である。普図用の当り判定用乱数は、普図当りとするか否かの普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。また、小当り図柄振分用乱数は、小当りとなる場合に特図表示器23に確定停止表示させる特図としての小当り図柄を決定する際に用いる乱数である。
本実施形態において、特図用の当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数は、同一時期(同一タイミング)に取得される。すなわち、上記各乱数は、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入球した時に、それぞれ取得されるようになっている。
ROM30bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。
図8は、本実施形態のパチンコ遊技機10において選択可能な変動パターンの一部を示している。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして、3種類の変動パターンP1〜P3が用意されている。これらの変動パターンP1〜P3は、変動内容が「通常変動」、及び「短縮変動」とされている。「通常変動」は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。「短縮変動」は、「通常変動」よりも変動時間が短く設定され、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。そして、本実施形態において変動パターンP1〜P3の変動時間は、変動パターンP1(変動時間T1)よりも変動パターンP2(変動時間T2)の方が短く、変動パターンP2よりも変動パターンP3(変動時間T3)の方が短くなっている。また、本実施形態において変動パターンP1〜P3は、図柄変動ゲームの開始時における特図保留記憶数(0〜3)に応じて選択される。
変動パターンP4,P5は、確変2ラウンド大当り又は小当りに当選した場合に選択可能な当り演出用(2R/小当り用)の変動パターンとされている。具体的には、変動パターンP4が「ノーマルリーチ(NR)」を伴う変動パターンである一方で、変動パターンP5が「スーパーリーチ(SR)」を伴う変動パターンとなっている。なお、「ノーマルリーチ」は、演出表示器22の図柄変動ゲームにおいて、予め定めた複数の図柄列(本実施形態では、左列と右列の2列)に同一の飾図を導出させてリーチを形成し、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。一方、「スーパーリーチ」は、演出表示器22の図柄変動ゲームにおいて、ノーマルリーチの演出で残り1列の変動中又は変動が停止した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、その登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾図を導出する変動内容のリーチ演出である。
また、変動パターンP4,P6は、15ラウンド系大当り(第1の確変15ラウンド大当りも含む)に当選した場合に選択可能な当り演出用(15R大当り用)の変動パターンとされている。また、変動パターンP7〜P9は、はずれリーチ演出用の変動パターンとされている。また、変動パターンP4〜P9の変動時間は、変動パターンP4,P7(変動時間T4)よりも変動パターンP5,P8(変動時間T5)のほうが長く、変動パターンP5,P8よりも変動パターンP6,P9(変動時間T6)の方が長くなっている。また、変動時間T1と変動時間T4は、ほぼ同じ長さとなっている。
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、特図用の当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1696までの全1697通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では50個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では5個)よりも多く設定されている。
本実施形態では、変動パターンP1及び変動パターンP7で特定される変動内容が第1の変動内容となる一方で、変動パターンP2及び変動パターンP3で特定される変動内容が第2の変動内容となる。また、変動パターンP1〜P3で特定される変動内容が、リーチなしの変動内容となる一方で、変動パターンP4〜P9で特定される変動内容が、リーチありの変動内容となる。
また、ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、普図用の当り判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。なお、普図当り判定値は、変短状態が付与されているか否かでその数が異なっており、変短状態が付与されている時の普図当り判定値の数(本実施形態では240個)は、通常状態時の普図当り判定値の数(本実施形態では50個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、普図当り判定時に使用する普図用の当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、普図用の当り判定用乱数は、作動ゲート35を遊技球が通過したことを契機に取得するようになっている。
また、ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、図柄変動ゲームがはずれとなる場合に、リーチ演出を実行させるか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜162までの全163通りの整数)の中から定められている。なお、リーチ判定値は、図9に示すように、始動保留球の記憶数により、その数が異なっている。具体的には、遊技状態が「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」の何れかであって、特図保留記憶数が「0」「1」の場合、リーチ判定値は、0〜22となっている。また、遊技状態が「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」の何れかであって、特図保留記憶数が「2」の場合、リーチ判定値は、0〜17となっている。また、遊技状態が「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」の何れかであって、特図保留記憶数が「3」の場合、リーチ判定値は、0〜7となっている。一方、遊技状態が「低確+変短あり」及び「高確+変短あり」の場合、特図保留記憶数の値にかかわらず、リーチ判定値は、0〜6となっている。
次に、図7に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図7に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、演出表示器22が接続されている。ROM32bには、演出表示器22の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。本実施形態では、以下の処理を実行するメインCPU30aが、当り抽選手段、及び当り種決定手段として機能する。
主制御基板30のメインCPU30aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSE1,SE2が出力する検知信号を入力するとRAM30cに記憶されている特図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。
保留判定の判定結果が肯定(特図保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、メインCPU30aは、保留判定を肯定判定している場合、特図用の当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM30cから取得し、該値を特図保留記憶数に対応付けてRAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、メインCPU30aは、保留判定の判定結果が否定(特図保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特図用の当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値を取得しない。
そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、特図保留記憶数に対応付けてRAM30cの所定の記憶領域に格納した特図用の当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した特図用の当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定においてメインCPU30aは、遊技状態が通常状態である場合には、低確率用の大当り判定値と特図用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と特図用の当り判定用乱数の値を比較する。
大当り判定の判定結果が肯定(特図用の当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU30aは、大当りを決定する。具体的には、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値をもとに、図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特図)を決定する。図柄A〜Eには所定個数ずつ特図振分用乱数が振分けられているため、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値に基づいて、図柄A〜Eに分類される大当り図柄(特図)を決定することになる。また、大当りを決定したメインCPU30aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定し、その特定した大当り遊技に対応する大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。
また、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(特図用の当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、特図用の当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている小当り判定値を比較して、小当りか否かの小当り判定を行う。小当り判定の判定結果が肯定(特図用の当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、メインCPU30aは、小当りを決定する。具体的には、メインCPU30aは、小当り図柄振分用乱数の値をもとに、図柄変動ゲームで確定停止表示させる小当り図柄(特図)を決定する。また、小当りを決定したメインCPU30aは、小当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
また、メインCPU30aは、小当り判定の判定結果が否定(特図の当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、メインCPU30aは、特図表示器23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定したメインCPU30aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定する。具体的には、メインCPU30aは、RAM30cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かによりリーチ判定を行う。なお、リーチ判定値は、特図保留記憶数の値によって異なるようになっている。
詳しく説明すると、図9に示すように、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態であるか否かを問わず、変短状態が付与されていない場合、特図保留記憶数が「0」「1」である場合には、メインCPU30aは、23/163の確率でリーチ判定を肯定判定する。同様に、メインCPU30aは、特図保留記憶数が「2」である場合には、18/163の確率でリーチ判定を肯定判定する。同様に、メインCPU30aは、特図保留記憶数が「3」である場合には、8/163の確率でリーチ判定を肯定判定する。
このように、特図保留記憶数が多いほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、リーチ判定の当選確率が低くなる。このため、保留されている図柄変動ゲームが多いほど、保留されている図柄変動ゲームの消化を早くすることができる。その一方、特図保留記憶数の数が少ないほど、すなわち、保留されている図柄変動ゲームが少ないほど、リーチ判定の当選確率が高くなる。このため、特図保留記憶数の数が少ないときには、リーチ演出を実行させて変動時間を長くする確率を高くして、図柄変動ゲームが途切れないようにすることができる。一方、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態であるか否かを問わず、変短状態が付与されている場合、特図保留記憶数の値に拘らず、メインCPU30aは、7/163の確率でリーチ判定を肯定判定する。
そして、このリーチ判定の判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、メインCPU30aは、はずれリーチ演出の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。一方、前記判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、メインCPU30aは、はずれ演出の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
本実施形態のメインCPU30aは、図10及び図11に示す選択率にしたがってはずれ演出の変動パターンを決定する。はずれ演出用の変動パターンの選択率は、当該変動分を減算した残りの特図保留記憶数に応じて設定されている。そして、メインCPU30aは、遊技状態が「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」の場合、図10に示す変短なし時の変動パターン選択率にしたがってはずれ演出用の変動パターンを選択する。変短なし時においてメインCPU30aは、特図保留記憶数が「0」「1」の場合、241/241の選択率で変動パターンP1を選択し、決定する。また、変短なし時においてメインCPU30aは、特図保留記憶数が「2」の場合、12/241の選択率で変動パターンP1を、229/241の選択率で変動パターンP2を、選択し、決定する。また、変短なし時においてメインCPU30aは、特図保留記憶数が「3」の場合、2/241の選択率で変動パターンP1を、10/241の選択率で変動パターンP2を、229/241の選択率で変動パターンP3を、それぞれ選択し、決定する。
また、メインCPU30aは、遊技状態が「低確+変短あり」及び「高確+変短あり」の場合、図11に示す変短あり時の変動パターン選択率にしたがってはずれ演出用の変動パターンを選択する。変短あり時においてメインCPU30aは、特図保留記憶数に拘らず、2/241の選択率で変動パターンP1を、9/241の選択率で変動パターンP2を、230/241の選択率で変動パターンP3をそれぞれ選択し、決定する。
特図及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。次に、メインCPU30aは、特図を指示する特別図柄指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始時に特図保留記憶数を1減算(−1)し、特図保留記憶数を書き換える。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特図表示器23の表示内容を制御する。すなわち、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図(大当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、メインCPU30aが実行する制御内容として、大当り遊技時及び小当り遊技時の制御内容を説明する。
メインCPU30aは、大当り遊技及び小当り遊技の各開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。また、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口扉28を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉28の大入賞口ソレノイドSOL1に対して出力され、前記開放信号によって前記大入賞口ソレノイドSOL1が作動し、大入賞口扉28が開動作される。また、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントセンサSE3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、メインCPU30aは、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口扉28を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉28の大入賞口ソレノイドSOL1に対して出力され、前記閉鎖信号によって前記大入賞口ソレノイドSOL1が作動し、大入賞口扉28が閉動作される。
大当り遊技及び小当り遊技を終了させたメインCPU30aは、確変大当り遊技が付与された場合、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定する。なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。また、メインCPU30aは、非確変大当り遊技が付与された場合、確変状態を付与することを示す確変フラグに「0」を設定する。また、メインCPU30aは、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。なお、作動フラグに「1」が設定されている場合には、変短状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、変短状態が付与されていないことを示している。なお、各フラグはRAM30cの所定の記憶領域に記憶されるとともに、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。
また、メインCPU30aは、100回変短付き確変15ラウンド大当り遊技又は非確変15ラウンド大当り遊技が付与される場合には、変短状態を付与する図柄変動ゲームの回数として、作動回数に100回を設定する。この変短状態付与回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算され、値が0となると、作動フラグがクリアされる(「0」が設定される)。
そして、メインCPU30aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態及び変短状態とする場合には高確率指定コマンドと変短作動コマンドを出力し、変短状態とする場合には変短作動コマンドのみを出力する。一方、小当り遊技の場合、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、メインCPU30aは、小当り遊技中も小当り当選時の遊技状態で制御し、かつ小当り遊技終了後には遊技状態を指定するコマンドを出力しない。すなわち、メインCPU30aは、小当り遊技に当選した場合、確変状態を付与するか否かの状態移行判定を行わない。
次に、統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31の統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて演出表示器22に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾図を決定する。
飾図の決定において統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、第1の確変15ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾図の図柄組み合わせとして、第1の確変15ラウンド大当りを認識し得る図柄組み合わせ(本実施形態では奇数図柄)を決定する。また、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄が、第2の確変15ラウンド大当り遊技、100回変短付き確変15ラウンド大当り、及び非確変15ラウンド大当り遊技の何れかに対応する大当り図柄であったとする。この場合、統括CPU31aは、飾図の図柄組み合わせとして、確変大当りに当選したのか非確変大当りに当選したのかを認識し得ない図柄組み合わせ(本実施形態では偶数図柄)を決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄が、確変2ラウンド大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾図の図柄組み合わせとして、はずれを認識し得る図柄組み合わせのうち、確変示唆の図柄組み合わせを決定する。確変示唆の図柄組み合わせは、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせからなる。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、小当り図柄の場合には、確変2ラウンド大当り遊技の時と同様に、確変示唆の図柄組み合わせを決定する。
また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄が、小当り図柄を除くはずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。なお、はずれ図柄の場合にはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する際には、前記確変示唆の図柄組み合わせを除いて組み合わせを決定しても良いし、前記確変示唆の図柄組み合わせを含んで組み合わせを決定しても良い。また、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する場合、統括CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。そして、飾図を決定した統括CPU31aは、飾図を指示する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板32〜34に出力する。
次に、統括CPU31aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
統括CPU31aは、メインCPU30aが出力する特別図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、RAM31cに設定される。統括CPU31aは、演出モードフラグを設定すると、滞在中の演出モードを指示するモード指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。なお、統括CPU31aによる演出モードに係る制御、すなわち演出モードの移行に係る具体的な制御内容は後述する。
次に、統括CPU31aが実行する大当り遊技に係る制御内容を説明する。
統括CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括CPU31aは、決定した演出内容を指示する演出指示コマンドを各制御基板32〜34にそれぞれ出力する。
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように演出表示器22の表示内容を制御する。このとき、サブCPU32aは、選択した演出内容をもとにROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示器22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄指定コマンドで指示された図柄を演出表示器22に確定停止表示させるように演出表示器22の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。また、サブCPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、その指示内容に基づき、背景画像を変化させる。
次に、統括CPU31aが実行するモード制御について説明する。
最初に、変短状態が付与されている高確示唆モード中におけるモード制御について、図12に従って説明する。
まず、統括CPU31aは、RAM31cに記憶されている演出モードフラグを確認する(ステップS101)。なお、演出モードフラグに「1」が設定されている場合には、演出モードが通常モードであることを示し、演出モードフラグに「2」が設定されている場合には、演出モードが第1の高確示唆モードであることを示し、演出モードフラグに「3」が設定されている場合には、演出モードが第2の高確示唆モードであることを示している。また、演出モードフラグに「4」が設定されている場合には、演出モードが第3の高確示唆モードであることを示し、演出モードフラグに「5」が設定されている場合には、演出モードが第4の高確示唆モードであることを示し、演出モードフラグに「6」が設定されている場合には、演出モードが高確確定モードであることを示している。
このとき、統括CPU31aは、演出モードフラグに第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードのうちいずれか1つを示す値が設定されているか否かを判定する。この判定結果が否定(第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードではない)の場合、統括CPU31aは、変短時モード移行処理を終了する。
一方、ステップS101の判定結果が肯定(第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードのうちいずれか)の場合、統括CPU31aは、現在の図柄変動ゲームが、大当り遊技終了後、何回目の図柄変動ゲーム(現在の回転数)であるかを確認する(ステップS102)。具体的には、統括CPU31aは、変短状態が付与されている場合、大当り遊技終了後に実行される図柄変動ゲームの回数を、RAM31cの所定の記憶領域に設定した回転数フラグで管理している。このため、統括CPU31aは、回転数フラグに設定された値を確認することで、現在の図柄変動ゲームが、大当り遊技終了後、何回目の図柄変動ゲームであるかを確認することになる。
次に、統括CPU31aは、大当り抽選への当選に基づいて決定された大当りの種類を、入力した特別図柄指定コマンドによって確認する(ステップS103)。その後、統括CPU31aは、ステップS102で読み出した回転数が91回転未満であるか否かを確認する(ステップS104)。ステップS104の判定結果が肯定(90回転以内)の場合、統括CPU31aは、続いてRAM31cの所定の記憶領域に設定されたモードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値が設定されているか(ストックされているか)否かを判定する(ステップS105)。当該モードストック放出フラグは、今回の図柄変動ゲームより前に、移行抽選に当選したことによって演出モードを移行させることが内部的には決定されたが、その移行契機となる変動パターンがまだ選択されていないことを示すフラグである。ちなみに、モードストック放出フラグに「0」が設定されている場合には、移行先の演出モードが設定されていないことを示し、モードストック放出フラグに「1」が設定されている場合には、移行先の演出モードが通常モードであることを示している。また、モードストック放出フラグに「2」が設定されている場合には、移行先の演出モードが第1の高確示唆モードであることを示している。さらに、モードストック放出フラグに「3」が設定されている場合には、移行先の演出モードが第2の高確示唆モードであることを示し、モードストック放出フラグに「4」が設定されている場合には、移行先の演出モードが第3の高確示唆モードであることを示している。また、モードストック放出フラグに「5」が設定されている場合には、移行先の演出モードが第4の高確示唆モードであることを示し、モードストック放出フラグに「6」が設定されている場合には、移行先の演出モードが高確確定モードであることを示している。
ステップS105の判定結果が肯定(ストックあり)の場合、統括CPU31aは、一次抽選を実行することなく変短時モード移行処理を終了する。つまり、統括CPU31aは、モードストック放出フラグが設定されている場合には、新たな抽選を実行しない。一方、ステップS105の判定結果が否定(ストックなし)の場合、統括CPU31aは、ステップS102で読み出した現在の回転数と、ステップS103で読み出した大当りの種類に従って、図14〜図16に示す変短時移行テーブルに基づいて演出モードを移行させるか否かを決定する一次抽選(モード移行抽選)を実行する(ステップS106)。このとき、統括CPU31aは、RAM31cから、第1モード移行用乱数を取得する。当該第1モード移行用乱数は、統括CPU31aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括CPU31aは、更新後の値をRAM31cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。本実施形態では、第1モード移行用乱数の取り得る数値を0〜210までの全211通りの整数としている。
そして、統括CPU31aは、変短時移行テーブルを用いて、現在滞在中の演出モード、大当りの種類、回転数フラグの値、及び第1モード移行用乱数に基づき、演出モードを移行させるか否かを決定する。
図14〜図16に示すように、変短時移行テーブルは、現在の演出モードの種類によって大きく分類されているとともに、回転数フラグの値によって細かく分類されており、それぞれ「当選」を特定する当選パターン及び「非当選」を特定する非当選パターンが対応付けられている。そして、各当選パターン及び各非当選パターンには、第1モード移行用乱数がそれぞれ振り分けられている。
さらに、現在の演出モードが第1の高確示唆モードであるときに選択される変短時移行テーブル(図14)及び現在の演出モードが第2の高確示唆モードであるときに選択される変短時移行テーブル(図15)では、非確変15ラウンド大当り、第2の確変15ラウンド大当り、100回変短付き確変15ラウンド大当りのうちいずれかに当選したことによって設定される第1の高確示唆モードにおいて、大当り遊技終了後の回転数が増加するに従って、一次抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。ただし、非確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定される第1の高確示唆モードは、その他の大当りに当選したことによって設定される第1の高確示唆モード滞在時よりも、一次抽選に当選し難くなっている。なお、以下の説明では、図14に示すテーブルを第1の変短時移行テーブルと示す一方で、図15に示すテーブルを第2の変短時移行テーブルと示す。
一方、現在の演出モードが第3の高確示唆モードであるときに選択される変短時移行テーブル(図16)では、非確変15ラウンド大当り又は100回変短付き確変大当りに当選した場合、大当り遊技終了後の回転数に拘らず、一次抽選に当選しないように設定されている。なお、以下の説明では、図16の示すテーブルを第3の変短時移行テーブルと示す。また、第3の変短時移行テーブル(図16)では、当該演出モードが、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第3の高確示唆モードである場合、大当り遊技終了後の回転数が増加するに従って、一次抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。なお、第3の変短時移行テーブルでは、第1の変短時移行テーブル及び第2の変短時移行テーブルに比して、一次抽選に当選する確率が低くなるように設定されている。
例えば、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第1の高確示唆モード滞在中における回転数フラグの値が「30」であるとする。この場合、統括CPU31aは、14/211の確率で「当選」を決定することとなり、197/211の確率で「非当選」を決定することとなる。
また、各変短時移行テーブルでは、大当り遊技終了後の回転数が90回転目に到達するまでの間、各図柄変動ゲームの開始時に一次抽選が実行されるようになっており、91回転目以降の図柄変動ゲームでは、一次抽選が実行されないようになっている。
そして、統括CPU31aは、演出モードの移行を決定したか否か、すなわち、ステップS106において当選パターンを決定したか否かを判定する(ステップS107)。そして、この判定結果が否定(非当選パターンを決定した)の場合、統括CPU31aは、そのまま変短時モード移行処理を終了する。
一方、ステップS107の判定結果が肯定(当選パターンを決定した)の場合、統括CPU31aは、ステップS102で読み出した現在の回転数と、ステップS103で読み出した大当りの種類に従って、図14〜図16に示す変短時移行テーブルに基づき、移行先の演出モードを決定する二次抽選(移行抽選)を実行する(ステップS108)。このとき、統括CPU31aは、RAM31cから、第2モード移行用乱数を取得する。当該第2モード移行用乱数は、統括CPU31aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、統括CPU31aは、更新後の値をRAM31cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。本実施形態では、第2モード移行用乱数の取り得る数値を0〜96までの全97通りの整数としている。
そして、統括CPU31aは、変短時移行テーブルを用いて、現在滞在中の演出モード、大当りの種類、回転数フラグの値、及び第2モード移行用乱数に基づき、移行先の演出モードを決定する。
図14〜図16に示す変短時移行テーブルでは、現在のモードの種類を示す演出モードフラグの値、大当りの種類、及び回転数フラグの値に応じて移行先の演出モードが対応付けられている。図14〜図16に示す変短時移行テーブルでは、「第2の高確示唆モード」を特定する第2の高確示唆パターン、「第3の高確示唆モード」を特定する第3の高確示唆パターン、「第4の高確示唆モード」を特定する第4の高確示唆パターン、及び「演出モードを移行させないこと(非当選)」を特定する非当選パターンが対応付けられている。そして、各パターンには、第2モード移行用乱数がそれぞれ振り分けられている。
そして、第1の変短時移行テーブル(図14)では、非確変15ラウンド大当り又は100回変短付き確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第1の高確示唆モード滞在中に一次抽選に当選した場合、大当り遊技終了後の回転数が増加するに従って、二次抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。具体的には、第3の高確示唆パターン<第2の高確示唆パターン<非当選パターンの順に選択確率が高くなるように設定されているとともに、第4の高確示唆パターンには第2モード移行用乱数の値が振分けられていない。ただし、非確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定される第1の高確示唆モードは、100回変短付き確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定される第1の高確示唆モード滞在時よりも、第3の高確示唆パターンや第2の高確示唆パターンの選択率が低くなるように設定されている。一方、第1の変短時移行テーブル(図14)において、第2の確変15ラウンドに当選したことによって設定された第1の高確示唆モード滞在中に一次抽選に当選した場合、大当り遊技終了後の回転数が増加するに従って、二次抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。具体的には、第4の高確示唆パターン<第3の高確示唆パターン<第2の高確示唆パターン<非当選パターンの順に選択確率が高くなるように設定されている。すなわち、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第1の高確示唆モードに滞在している場合のみ、第4の高確示唆モードに移行可能となっている。
また、第2の変短時移行テーブル(図15)では、非確変15ラウンド大当り又は100回変短付き確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第2の高確示唆モード滞在中に一次抽選に当選した場合、大当り遊技終了後の回転数が増加するに従って、二次抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。具体的には、第3の高確示唆パターン<非当選パターンの順に選択確率が高くなるように設定されているとともに、第2の高確示唆パターン及び第4の高確示唆パターンには第2モード移行用乱数の値が振分けられていない。ただし、非確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定される第2の高確示唆モードは、100回変短付き確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定される第2の高確示唆モード滞在時よりも、第3の高確示唆パターンの選択率が低くなるように設定されている。一方、第2の変短時移行テーブル(図15)において、第2の確変15ラウンドに当選したことによって設定された第2の高確示唆モード滞在中に一次抽選に当選した場合、大当り遊技終了後の回転数が増加するに従って、二次抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。具体的には、第3の高確示唆パターン<第4の高確示唆パターン<非当選パターンの順に選択確率が高くなるように設定されているとともに、第2の高確示唆パターンには第2モード移行用乱数の値が振分けられていない。すなわち、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第2の高確示唆モードに滞在している場合のみ、第4の高確示唆モードに移行可能となっているとともに、第1の高確示唆モード滞在中よりも第4の高確示唆モードが選択される確率が高くなるように設定されている。
また、第3の変短時移行テーブル(図16)では、非確変15ラウンド大当り又は100回変短付き確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第3の高確示唆モード滞在中に一次抽選を行ったとしても、非当選パターンのみが選択されるように第2モード移行用乱数の値が振分けられている。一方、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第3の高確示唆モード滞在中に一次抽選に当選した場合には、必ず第4の高確示唆パターンが選択されるように第2モード移行用乱数の値が振分けられている。したがって、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第3の高確示唆モード滞在中のみ、第4の高確示唆モードに移行し得る。
例えば、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって設定された第1の高確示唆モード滞在中における回転数フラグの値が「30」であって、さらに一次抽選に当選したとする。この場合、統括CPU31aは、30/97の確率で「第2の高確示唆モード」を、8/97の確率で「第3の高確示唆モード」を、6/97の確率で「第4の高確示唆モード」を、53/97の確率で「第1の高確示唆モード(非当選)」を決定することとなる。
また、各変短時移行テーブルでは、一次抽選と同様、大当り遊技終了後の回転数が90回転目に到達するまでの間、各図柄変動ゲームの開始時に二次抽選が実行されるようになっており、91回転目以降の図柄変動ゲームでは、二次抽選が実行されないようになっている。
このような変短時移行テーブルを設定することにより、変短状態が付与されている高確示唆モード中は、昇格抽選によって現在の演出モードよりも確変状態である期待度が高く設定された高確示唆モードに移行させるか否かが決定される。つまり、変短状態が付与されている高確示唆モード中は、確変状態が付与されていることに対して期待を持たせることができるようになっている。そして、当該昇格抽選に当選しなかった場合であっても、現在の演出モードが継続されるので、現在の演出モードよりも確変状態である期待度が低く設定された演出モードに移行することはない。また、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合にしか、第4の高確示唆モードは選択され得ない。
そして、統括CPU31aは、二次抽選の抽選結果に基づいて移行先(昇格先)の演出モードを決定し(ステップS109)、決定した演出モードを特定する値を、モードストック放出フラグに設定(ストック)した後(ステップS110)、そのまま変短時モード移行処理を終了する。
一方、ステップS104の判定結果が否定(91回転以降)の場合、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに設定した値を読み出して確認する(ステップS111)。このとき、統括CPU31aは、演出モードフラグが第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードのうちいずれか1つを示しているか否かを判定する。この判定結果が否定(第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードではない)の場合、統括CPU31aは、ステップS102で読み出した回転数が100回転であるか否かを確認する(ステップS112)。ステップS112の判定結果が肯定(100回転目)の場合、統括CPU31aは、ステップS103で読み出した大当りの種類が第2の確変15ラウンド大当りであるか否かを判定する(ステップS113)。ステップS113の判定結果が肯定(第2の確変15ラウンド大当りである)の場合、統括CPU31aは、100回転目の図柄変動ゲームの開始時に、第4の高確示唆モードを特定する値(本実施形態では「5」)を、モードストック放出フラグに強制的に設定し(ステップS114)、変短時モード移行処理を終了する。
一方、ステップS112の判定結果が否定(91回転以上100回転未満)の場合、及びステップS113の判定結果が否定(第2の確変15ラウンド大当り以外の大当り)の場合、統括CPU31aは、そのまま変短時モード移行処理を終了する。なお、本実施形態では、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことによって、モードストック放出フラグに第4の高確示唆モードを特定する値が設定されているが、図柄変動ゲームの実行回数が100回を超えてもモードを移行させることのできる変動パターンが選択されていない場合も、変短時モード移行処理が終了することになる。
また、ステップS111の判定結果が肯定(第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードが設定されている)の場合、統括CPU31aは、モードストック放出フラグの値をクリアし(ステップS115)、変短中モード移行処理を終了する。つまり、統括CPU31aは、第4の高確示唆モード以外の高確示唆モードには、91回目以降の図柄変動ゲームでは移行させない。
そして、統括CPU31aは、大当り遊技終了後、図柄変動ゲームが実行される度にその実行回数をカウントするとともに、前記変短時モード移行処理を実行する。なお、統括CPU31aは、当りに当選した場合、回転数フラグの値をクリアする。また、統括CPU31aは、第4の高確示唆モードに移行させた場合や、高確確定モードに移行した場合は、回転数のカウントは行わない。
そして、統括CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時に、モードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値が設定されているか否かを判定する。当該判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、メインCPU30aから入力した変動パターン指定コマンドが、特定の変動パターン(本実施形態では、変動パターンP1又は変動パターンP7)を指定するコマンドであるか否かを判定する。そして、入力した変動パターン指定コマンドが、変動パターンP1又は変動パターンP7を指定するコマンドであった場合、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに設定された値で特定される演出モードに移行させるように、モード指定コマンドを各制御基板32〜34に夫々出力する。
なお、本実施形態では、変短状態中、図柄変動ゲームの消化効率を上げるために、リーチ抽選の当選確率が低くなるように設定するとともに変動パターンP1よりも変動時間の短い「短縮変動」が設定された変動パターンP2,P3の選択率が高くなるように設定している。この場合、いくら変動パターンP1がモード移行契機となる変動パターンに設定されていたとしても、変短状態中は変動パターンP1が選択されにくいため、モード移行演出を実行することができない。そして、変短状態中に選択される確率が高い変動パターンP2,P3をモード移行契機となる変動パターンに設定したとすると、モード移行演出は、高確率抽選状態であるか否かを報知させる重要な演出にも拘らず、長い時間を掛けて遊技者を盛り上げることができないとともに、演出モードの移行が頻繁に実行されてしまう。したがって、本実施形態において変短状態が付与されているときの高確示唆モード中における演出モードの移行契機となる変動パターンを、変動パターンP1及び変動パターンP1と変動時間が略同一である変動パターンP7とした。
例えば、大当り遊技終了後に第2の高確示唆モードに移行し、大当り遊技終了後、35回目の図柄変動ゲームの開始時において、昇格抽選への当選によって「第3の高確示唆モード」への移行が決定されたとする。この場合、モードストック放出フラグに「3」が設定されるが、35回目の図柄変動ゲームの変動内容を特定する変動パターンが変動パターンP1又は変動パターンP7ではない場合、当該図柄変動ゲームでは、第3の高確示唆モードに移行しない。また、35回目の図柄変動ゲームにおいて、モードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値が設定されているので、当該値で特定される演出モードに移行するまでは昇格抽選は実行されない。その後、例えば、40回目の図柄変動ゲームにおいて変動パターンP1又は変動パターンP7が選択されたとする。この場合、40回目の図柄変動ゲームにおいて、図6に示すようなモード移行演出が行われ、「第3の高確示唆モード昇格」という画像が表示され、第3の高確示唆モードに移行することになる。
また、第2の確変15ラウンド大当りに当選した場合、大当り遊技終了後、100回目の図柄変動ゲームが終了するまでの間に、モードストック放出フラグに第4の高確示唆モードを特定する値が設定されていないときには、100回目の図柄変動ゲームの開始時に、モードストック放出フラグに第4の高確示唆モードを特定する値が設定される。その後、変動パターンP1又は変動パターンP7を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合に、演出モードが第4の高確示唆モードに移行し、当該モードへの移行によって遊技者に現在の抽選確率状態が高確率抽選状態であることを認識させることができる。つまり、第2の確変15ラウンド大当りに当選した場合は、「高確示唆モード」に滞在していたとしても、大当り遊技終了後、101回目の図柄変動ゲームからの開閉羽根27の動作態様で第2の確変15ラウンド大当りに当選していることが遊技者に分かるようになっている。これにより、現在の遊技状態を遊技者に秘匿しておく必要がないので、大当り遊技終了後、101回目以降の図柄変動ゲームにおいて、第4の高確示唆モードへ移行させることにより、現在の抽選確率状態が高確率抽選状態であることが、遊技者に報知される。
また、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合、大当り遊技終了後100回目の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームにおいて実行される二次抽選で第4の高確示唆モードに当選したとする。この場合、変動パターンP1又は変動パターンP7が選択されたのであれば、大当り遊技終了後100回の図柄変動ゲームが実行された後ではなくても、当該変動パターンが選択された図柄変動ゲームで第4の高確示唆モードへの移行が報知されることになる。
さらに、本実施形態では、変短状態中におけるリーチ確率が低くなるように設定しているとともに、リーチ抽選に当選しなかった場合は、短縮変動を特定する変動パターンP2,P3が選択される確率が高くなるように設定している。これにより、変短状態が付与されている高確示唆モード中は、モード移行契機となる変動パターンP1が選択されにくくなっているので、いくらRAM31cに演出モードフラグが設定されているからといって、変動パターンP1が選択されない限り、演出モードを移行させることはできない。ところが、モード移行契機となる変動パターンとして、変動内容としてノーマルリーチを特定するはずれリーチ演出用の変動パターンP7を設定したことにより、元々はずれ演出用の変動パターンP1が選択されにくい変短状態中も、モード移行させる機会が増えることとなる。これにより、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合には、第4の高確示唆モードに移行する機会も増えるので、いち早く現在の抽選確率状態が高確率抽選状態となっていることを遊技者に認識させることができるようになる。
また、本実施形態では、変動パターンP7に対して、複数種類(本実施形態では2種類)の演出内容が対応付けられている。具体的には、変動パターンP7が指定された場合、演出表示器22においてリーチを形成するはずれの図柄組み合わせを表示させる演出内容(通常変動内容)を特定する通常パターンが設定されている。さらに、変動パターンP7が選択された場合、演出表示器22においてリーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを表示させる演出内容(特殊変動内容)を特定する特殊パターンが設定されている。そして、これらのパターンは、ROM31bに記憶されている。
これにより、統括CPU31aは、変動パターンP7を指定する変動パターン指定コマンドを入力しており、且つ一次抽選に当選しなかった場合には、必ず通常パターンを選択し、当該通常パターンに基づく図柄変動を実行させるように通常パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。一方、統括CPU31aは、変動パターンP7を指定する変動パターン指定コマンドを入力しており、且つモードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値が設定されているとともに、二次抽選に当選したとする。この場合、統括CPU31aは、必ず特殊パターンを選択し、当該特殊パターンに基づく図柄変動を実行させるように特殊パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
次に、変短状態が付与されていない場合におけるモード制御について、図13に従って説明する。
最初に、統括CPU31aは、RAM31cに設定されている演出モードフラグを確認する(ステップS201)。このとき、統括CPU31aは、演出モードフラグに、通常モード、第1の高確示唆モード、及び第2の高確示唆モードのうちいずれか1つを特定する値が設定されているか否かを判定する。この判定結果が否定(通常モード、第1の高確示唆モード、及び第2の高確示唆モードではない)の場合、統括CPU31aは、非変短時モード移行処理を終了する。
一方、ステップS201の判定結果が肯定(通常モード、第1の高確示唆モード、及び第2の高確示唆モードのうちいずれか)の場合、統括CPU31aは、RAM31cに設定されているモード回転数フラグの値を確認し、現在の図柄変動ゲームが、演出モードが移行してから何回目の図柄変動ゲーム(現在の回転数)であるかを確認する(ステップS202)。具体的には、統括CPU31aは、演出モードを移行させた場合、演出モードを移行させてからの図柄変動ゲームの実行回数を、RAM31cの所定の記憶領域に設定したモード回転数フラグで管理している。このため、統括CPU31aは、モード回転数フラグに設定された値を確認することで、現在の図柄変動ゲームが、演出モードが移行してから何回目の図柄変動ゲームであるかを確認することになる。
次に、統括CPU31aは、現在の抽選確率状態を、メインCPU30aから高確率指定コマンドを入力したか否かに基づいて確認する(ステップS203)。その後、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに、転落抽選への当選に従って決定された移行先の演出モードを特定する値が設定されているか(ストックされているか)否かを判定する(ステップS204)。ステップS204の判定結果が肯定(転落内容がストックされている)の場合、統括CPU31aは、そのまま、非変短時モード移行処理を終了する。つまり、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに転落内容が設定されている場合には、新たな抽選を実行しない。一方、ステップS204の判定結果が否定(転落内容がストックされていない)の場合、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに、昇格抽選への当選に従って決定された移行先の演出モードを特定する値が設定されているか否かを判定する(ステップS205)。このように、本実施形態では、昇格抽選の実行後に転落抽選が実行されるようになっている。
ステップS205の判定結果が否定(昇格内容がストックされていない)の場合、統括CPU31aは、ステップS202で読み出した現在の回転数と、ステップS203で読み出した抽選確率状態の種類に従って、図17に示す非変短時移行テーブルに基づいて演出モードを移行させるか否かを決定する一次抽選(昇格抽選)を実行する(ステップS206)。このとき、統括CPU31aは、RAM31cから、第1モード移行用乱数を取得する。
そして、統括CPU31aは、非変短時移行テーブルを用いて、現在の演出モード、抽選確率状態、モード回転数フラグの値、及び第1モード移行用乱数に基づき、演出モードを移行させるか否かを決定する。
非変短時移行テーブル(図17)には、現在のモードの種類を示す演出モードフラグの値、抽選確率状態、及びモード回転数フラグの値に応じて当選とするか又は非当選とするかが対応付けられているとともに「当選」及び「非当選」には、第1モード移行用乱数が振り分けられている。なお、以下の説明では、図17に示すテーブルを昇格用の非変短時移行テーブルと示す。
昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、通常モード滞在中、当該演出モードが開始してから21回目以降の図柄変動ゲームでは、一次抽選が実行されないようになっているとともに、抽選確率状態が低確率抽選状態となっている場合は、一次抽選にほとんど当選し得ないように設定されている。ちなみに、抽選確率状態が高確率抽選状態となっている場合は、低確率抽選状態となっている場合に比して一次抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
また、昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、第1の高確示唆モード又は第2の高確示唆モード滞在中は、当該演出モードが開始してから21回目以降の図柄変動ゲームにおいても一次抽選が実行されるようになっている。
そして、第1の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が低確率抽選状態であって、当該演出モードが開始してから1〜20回目の図柄変動ゲームでは、一次抽選に当選する確率が低くなるように設定されている。その一方で、21回目以降の図柄変動ゲームでは、1〜20回目の図柄変動ゲーム中に実行される一次抽選に当選する確率よりも当選確率が高くなるように設定されている。また、第1の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が高確率抽選状態であって、当該演出モードが開始してから11回目以降の図柄変動ゲームでは、1〜10回目の図柄変動ゲーム中に実行される一次抽選に当選する確率よりも当選確率が高くなるように設定されている。
また、昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、第2の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が低確率抽選状態である場合、一次抽選にほとんど当選し得ないように設定されている。また、第2の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が高確率抽選状態であって、当該演出モードが開始してから11回目以降の図柄変動ゲームでは、1〜10回目の図柄変動ゲーム中に実行される一次抽選に当選する確率よりも当選確率が高くなるように設定されている。
例えば、第1の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が高確率抽選状態であり、さらにモード回転数フラグの値が「21」であるとする。この場合、統括CPU31aは、35/211の確率で「当選」を決定することとなり、176/211の確率で「非当選」を決定することとなる。
そして、統括CPU31aは、演出モードの移行を決定したか否か、すなわち、ステップS206において当選パターンを決定したか否かを判定する(ステップS207)。そして、この判定結果が否定(非当選パターンを決定した)の場合、統括CPU31aは、そのまま非変短時モード移行処理を終了する。
一方、ステップS207の判定結果が肯定(当選パターンを決定した)の場合、統括CPU31aは、ステップS202で読み出した現在の回転数と、ステップS203で読み出した抽選確率状態に従って、昇格用の非変短時移行テーブル(図17)に基づき、移行先の演出モードを決定する二次抽選(移行抽選)を実行する(ステップS208)。このとき、統括CPU31aは、RAM31cから、第2モード移行用乱数を取得する。
そして、統括CPU31aは、昇格用の非変短時移行テーブル(図17)を用いて、現在の抽選確率状態、モード回転数フラグの値、及び第2モード移行用乱数に基づき、移行先の演出モードを決定する。
昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、第1モード移行用乱数と同じく、現在のモードの種類を示す演出モードフラグの値、現在の抽選確率状態、及びモード回転数フラグの値に応じて移行先の演出モードが対応付けられている。昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、「第1の高確示唆モード」を特定する第1の高確示唆パターン、第2の高確示唆パターン、第3の高確示唆パターン、及び非当選パターンが対応付けられている。そして、各パターンには、第2モード移行用乱数がそれぞれ振り分けられている。
そして、昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、通常モード滞在中の抽選確率状態が低確率抽選状態であって、且つ一次抽選に当選した場合、当該演出モード開始後11回目〜20回目の図柄変動ゲームでは、1〜10回目の図柄変動ゲームに比して、第1の高確示唆パターンの選択率が高くなるように設定されている。一方、通常モード滞在中の抽選確率状態が高確率抽選状態であって、且つ一次抽選に当選した場合、当該演出モードが開始してからの回転数に拘らず、同一の抽選確率で二次抽選が実行されるようになっている。具体的には、第2の高確示唆パターン=第3の高確示唆パターン<第1の高確示唆パターンの順に選択確率が高くなるように設定されているとともに、非当選パターンには第2モード移行用乱数の値が振分けられていない。
また、昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、第1の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が低確率抽選状態であって、且つ一次抽選に当選した場合、当該演出モードが開始してからの回転数に拘らず、同一の抽選確率で二次抽選を実行するようになっている。具体的には、第3の高確示唆パターン<第2の高確示唆パターン<非当選パターンの順に選択確率が高くなるように設定されている。また、昇格用の非変短時移行テーブル(図17)では、第1の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が高確率抽選状態であって、且つ一次抽選に当選した場合、当該演出モードが開始してからの回転数に拘らず、同一の抽選確率で二次抽選が実行されるようになっている。具体的には、第3の高確示唆パターン<第2の高確示唆パターン<非当選パターンの順に選択確率が高くなるように設定されているとともに、抽選確率状態が低確率抽選状態となっている場合に比して、第2の高確示唆パターン及び第3の高確示唆パターンが選択される確率が高くなるように設定されている。すなわち、変短状態が付与されていない場合、現在滞在中の演出モードよりも確変状態である期待度が高く設定された演出モードに移行させるか否かが決定されるが、第4の高確示唆モードは選択されないようになっている。
また、非変短時移行テーブル(図17)では、第2の高確示唆モード滞在中における抽選確率状態の種類を問わず、一次抽選に当選した際には、当該演出モードが開始してからの回転数に拘らず、同一の抽選確率で二次抽選が実行されるようになっている。具体的には、第3の高確示唆パターン<非当選パターンの順に選択確率が高くなるように設定されている。
例えば、第1の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が高確率抽選状態であり、且つモード回転数フラグの値が「21」であって、さらに一次抽選に当選したとする。この場合、統括CPU31aは、33/97の確率で「第2の高確示唆モード」を、6/97の確率で「第3の高確示唆モード」を、58/97の確率で「第1の高確示唆モード(非当選)」を決定することとなる。
このような非変短時移行テーブルを設定することにより、変短状態が付与されていない場合には、昇格抽選によって現在の演出モードよりも確変状態である期待度が高く設定された高確示唆モードに移行させるか否かが決定されるが、移行先として第4の高確示唆モードは選択されないようになっている。そして、当該昇格抽選に当選しなかった場合であっても、現在の演出モードが継続されるので、現在の演出モードよりも確変状態である期待度が低く設定された演出モードに移行することはない。また、現在滞在中の演出モードが確変状態である期待度が高く設定された演出モードであるほど、移行先として第3の高確示唆モードが選択される確率が高くなっている。
そして、統括CPU31aは、二次抽選の抽選結果に基づいて移行先(昇格先)の演出モードを決定し(ステップS209)、決定した演出モードを特定する値を、モードストック放出フラグに設定(ストック)した後(ステップS210)、そのまま変短時モード移行処理を終了する。
一方、ステップS205の判定結果が肯定(昇格内容がストックされている)の場合、統括CPU31aは、現在の演出モードが通常モードであるか否かを判定する(ステップS211)。ステップS211の判定結果が肯定(現在の演出モードが通常モードである)の場合、統括CPU31aは、通常モード滞在中に転落抽選を実行する必要がないので、非変短時モード移行処理を終了する。一方、ステップS211の判定結果が否定(現在の演出モードが通常モードではない)の場合、統括CPU31aは、ステップS202で読み出した現在の回転数と、ステップS203で読み出した抽選確率状態の種類に従って、図18に示す非変短時移行テーブルに基づいて演出モードを移行させるか否かを決定する一次抽選(転落抽選)を実行する(ステップS212)。このとき、統括CPU31aは、RAM31cから、第1モード移行用乱数を取得する。
そして、統括CPU31aは、非変短時移行テーブル(図18)を用いて、モード回転数フラグの値及び第1モード移行用乱数に基づき、演出モードを移行させるか否かを決定する。なお、以下の説明では、図18に示すテーブルを転落用の非変短時移行テーブルと示す。
転落用の非変短時移行テーブル(図18)は、滞在中の演出モードの種類及び抽選確率状態の種類にかかわらず、モード回転数フラグの値に応じて当選とするか又は非当選とするかが対応付けられているとともに「当選」及び「非当選」には、第1モード移行用乱数が振り分けられている。なお、「当選」は、通常モードへの移行を示す。例えば、第1の高確示唆モード滞在中の抽選確率状態が高確率抽選状態であり、さらにモード回転数フラグの値が「21」であるとする。この場合、統括CPU31aは、18/211の確率で「当選」を決定することとなり、181/211の確率で「非当選」を決定することとなる。
また、転落用の非変短時移行テーブル(図18)では、当該演出モード開始後における図柄変動ゲームの回数が多くなるほど当選する確率が高くなるように設定されている。
そして、統括CPU31aは、演出モードの移行を決定したか否か、すなわち、ステップS212において当選パターンを決定したか否かを判定する(ステップS213)。そして、この判定結果が否定(非当選パターンを決定した)の場合、統括CPU31aは、そのまま非変短時モード移行処理を終了する。一方、ステップS212の判定結果が肯定(当選パターンを決定した)の場合、統括CPU31aは、通常モードを特定する値を、モードストック放出フラグに設定(ストック)した後(ステップS214)、そのまま非変短時モード移行処理を終了する。つまり、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに昇格先の演出モードを特定する値が設定されていたとしても、モードストック放出フラグの値を通常モードを特定する値に書き換えることになる。
そして、統括CPU31aは、演出モードを移行させた場合、当該演出モードに移行してから図柄変動ゲームが実行される度にその実行回数をカウントするとともに、前記変短時モード移行処理を実行する。なお、統括CPU31aは、当り遊技に当選した場合や、演出モードを移行させた場合は、モード回転数フラグの値をクリアする。さらに、統括CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時に、モードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値が設定されているか否かを判定する。そして、当該モードストック放出フラグに昇格先の演出モードを特定する値が設定されている場合には、転落抽選を実行する。そして、モードストック放出フラグに昇格先の演出モードを特定する値が設定されている状態で特定の変動パターン(本実施形態では変動パターンP1)が選択されないと、転落抽選に当選した場合には、モードストック放出フラグの内容が昇格先から転落先を特定する演出モードフラグを特定する値に書き換えられる。そして、入力した変動パターン指定コマンドが、変動パターンP1を指定するコマンドであった場合、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに設定された値で特定される演出モードに移行させるように、モード指定コマンドを各制御基板32〜34に夫々出力する。
このような制御を実行することにより、転落抽選への当選に基づいて通常モードに移行してしまったとしても、モードストック放出フラグには、移行先の演出モードを特定する値が設定されていないので、再度、昇格抽選が実行されることになり、昇格抽選に当選した場合には、高確示唆モードに移行可能となる。また、変短状態が付与されていないときのモード移行演出は、確変状態が付与されていることに対して期待を持たせるというよりは、どの演出モードに移行するかということに対して期待を持たせるようになっている。
本実施形態では、統括CPU31aが、演出モード決定手段、記憶設定手段、及び変動内容決定手段として機能する。また、ROM31bが、変動内容記憶手段として機能する。また、RAM31cが、記憶手段として機能する。
次に、サブCPU32aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
サブCPU32aは、統括CPU31aからモード指定コマンドを入力すると、当該コマンドで特定される演出モードに移行させるように、図6に示すような態様でモード移行演出を実行させるように演出表示器22の表示内容を制御する。なお、変動パターンP7が選択されるとともに演出モードの移行が決定された場合、統括CPU31aから特殊パターンが指定されるため、サブCPU32aは、特殊パターン指定コマンドで指定される内容に従って、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせを停止表示させるように演出表示器22の表示内容を制御する。本実施形態では、サブCPU32aが、演出モード制御手段として機能する。
次に、昇格抽選及び転落抽選の実行契機について図19(a),(b)に基づき説明する。
図19(a)では、非確変15ラウンド大当りに当選したことを契機に高確示唆モードに移行し、大当り遊技終了後101回目の図柄変動ゲームから通常モードに移行したことを前提とする。
図19(a)に示すように、通常モード滞在中において昇格抽選に当選すると、当該昇格抽選で決定された移行先の演出モードを特定する値が、モードストック放出フラグに設定されることになる。このとき、昇格抽選において第1の高確示唆モードへ移行させることが決定されたとすると、モードストック放出フラグには「2」が設定されることとなる。そして、モードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値が設定されている状態で変動パターンP1又は変動パターンP7が選択されたとすると、当該変動パターンが選択された図柄変動ゲーム中にモード移行演出が実行され、演出モードが通常モードから第1の高確示唆モードに移行することになる(時点a1)。このとき、モードストック放出フラグの値はクリアされる。そして、第1の高確示唆モード中は、モードストック放出フラグの値がクリアされている状態であるため、昇格抽選は実行可となっている。そして、第1の高確示唆モードが開始されてから毎回昇格抽選が実行され、第1の高確示唆モードが開始されてから10回目の図柄変動ゲームで実行される昇格抽選において、第2の高確示唆モードへ移行させることに当選したとすると、モードストック放出フラグに、第2の高確示唆モードを特定する「3」が設定されることになる(時点a2)。この時点では、モードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値「3」が設定されている状態であるため、その後は転落抽選が実行されることになる。
そして、転落抽選の実行中に変動パターンP1又は変動パターンP7が選択されず、第1の高確示唆モードが開始されてから30回目の図柄変動ゲームで実行される転落抽選において「転落」に当選したとする(時点a3)。このとき、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに設定した値「3」を消去し、代わりに通常モードを特定する「1」を設定することになる。このとき、モードストック放出フラグには「1」が設定されているため、その後の図柄変動ゲームでは転落抽選が実行されない。そして、第1の高確示唆モードが開始されてから33回目の図柄変動ゲームで変動パターンP1が選択されたとすると、当該図柄変動ゲーム中にモード移行演出が実行され、移行先の演出モードが通常モードであることが報知されることになる(時点a4)。
一方、図19(b)では、第2の確変15ラウンド大当りに当選したことを前提とするとともに、大当り遊技終了後に移行する高確示唆モードが、第1の高確示唆モードであることを前提とする。
図19(b)に示すように、第2の確変15ラウンド大当りに当選すると、大当り遊技終了後、第1の高確示唆モードに移行する(時点b1)。そして、第1の高確示唆モードが開始されてから毎回昇格抽選が実行され、大当り遊技終了後、10回目の図柄変動ゲームで実行される昇格抽選において、第2の高確示唆モードへ移行させることに当選したとすると、モードストック放出フラグに、第2の高確示唆モードを特定する値「3」が設定されることになる(時点b2)。なお、大当り遊技終了後、10回目の図柄変動ゲームで変動パターンP1が選択されたとすると、当該図柄変動ゲーム中にモード移行演出が実行され、第1の高確示唆モードから第2の高確示唆モードに移行することが報知されることになる。このとき、モードストック放出フラグに設定された値はクリアされる。そして、この時点ではモードストック放出フラグの値がクリアされた状態であるため、昇格抽選が実行可となっている。
そして、大当り遊技終了後、30回目の図柄変動ゲームで実行される昇格抽選において、第3の高確示唆モードへ移行させることに当選したとする(時点b3)。なお、大当り遊技終了後、30回目の図柄変動ゲームで変動パターンP1が選択されたとすると、当該図柄変動ゲーム中にモード移行演出が実行され、第2の高確示唆モードから第3の高確示唆モードに移行することが報知されることになる。このとき、統括CPU31aは、モードストック放出フラグに設定された値をクリアし、第3の高確示唆モードを特定する値「4」を設定する。
そして、大当り遊技終了後91回目の図柄変動ゲームでは、演出モードフラグに「4」が設定されているため、統括CPU31aは、当該図柄変動ゲームの開始時にモードストック放出フラグをクリアする(時点b4)。これにより、大当り遊技終了後91回目以降の図柄変動ゲームでは、昇格抽選は実行されないとともに、演出モードの移行も実行されないことになる。そして、統括CPU31aは、大当り遊技終了後100回目の図柄変動ゲームの開始時に、モードストック放出フラグに、第4の高確示唆モードを特定する値「5」を設定する(時点b5)。そして、大当り遊技終了後103回目の図柄変動ゲームにおいて変動パターンP7が設定されたとすると、当該図柄変動ゲーム中にモード移行演出が実行され、第3の高確示唆モードから第4の高確示唆モードに移行することが報知されることになる(時点b6)。これにより、遊技者は、第4の高確示唆モードへ移行したことにより、現在の抽選確率状態が高確率抽選状態となっていることを認識することになる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)大当りの種類として、第1当り(本実施形態では非確変15ラウンド大当り)と第2当り(本実施形態では第2の確変15ラウンド大当り)を設定し、変短状態中、内部抽選状態が高確率抽選状態となっていることが報知される迄の間はどの大当りに当選したのかが分からないように高確示唆モードを設定した。そして、第2の確変15ラウンド大当りでは、大当り遊技終了後、101回目の図柄変動ゲームでも変短状態が付与されており、開閉羽根27の開放態様からも高確率抽選状態となっていることが視認可能となっているため、高確示唆モードを継続していても何の意味もなさないので、いち早く高確率抽選状態となっていることを報知するようにする。ところが、変短状態が付与されている高確示唆モード中は、変動時間の短い図柄変動ゲームが実行される確率が高いので、統括CPU31aは、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合、100回目以降に実行される図柄変動ゲームの中で高確確定モードへ移行することを強制的に設定する。それとともに、統括CPU31aは、移行させることができる変動内容(ノーマルリーチはずれ又は通常変動)で図柄変動ゲームが実行される場合に、高確確定モードに移行させることで、遊技者に第2の確変15ラウンド大当りに当選していることを分かり易く報知させることができる。
(2)統括CPU31aは、モードストック放出フラグに高確示唆モードが設定されている場合であっても、移行先の演出モードとして第4の高確示唆モードを決定したのであれば、モードストック放出フラグの記憶内容をクリアした後、必ず第4の高確示唆モードを特定する値を設定させるようにした。これにより、第4の高確示唆モードを必ず実行させることが可能となり、第4の高確示唆モードの実行により遊技者の興趣を向上させることができる。
(3)第4の高確示唆モードは、当該モードの期待度を高く保つために出現率が低くなっている。したがって、出現率の低い第4の高確示唆モードへの移行が決定されたにも拘らず、第4の高確示唆モードよりも確変状態である期待度が低く設定された演出モードへの移行が決定された場合には、せっかく決定された第4の高確示唆モードに移行することができないことにもなり兼ねないので、そのような状態が起こることを抑制し、第4の高確示唆モードに移行させることができる。
(4)モードストック放出フラグに第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードのうちいずれかが設定されている場合であっても、大当り遊技終了後、91回目以降の図柄変動ゲームでは演出モードを移行させないようにした。これにより、例えば、変短状態の終わりかけに第3の高確示唆モードに移行したにも拘らず、変短状態の終了とともにすぐさま通常モードに移行すると、遊技者が落胆してしまうので、そのような事態が生じることを抑制することができる。
(5)変短状態が付与された高確示唆モード中は、移行抽選によって現在の演出モードよりも確変状態である期待度が高く設定された演出モードに移行させるか否かが決定されるようにした。なお、変短状態が付与された高確示唆モード中は、変動時間の短い図柄変動ゲームが実行される確率が高くなっており、演出モードをなかなか移行させられない。したがって、統括CPU31aは、移行抽選に当選した際には演出モードが昇格する旨をストックし、移行させることができる変動内容(ノーマルリーチはずれ又は通常変動)で図柄変動ゲームが実行される場合に、ストックしている内容のモードに移行させる。一方、非変短状態であるときの高確示唆モード中は、変動時間の長い図柄変動ゲームが実行される確率が高くなっているので、演出モードが昇格したり転落したりすることで、演出モードの変化によって遊技者の期待感を変化させるようにした。これにより、変短状態が付与されているか否かで異なる演出モード移行態様を設定するとともに、現在の演出モードに見合ったモード移行を実行することが可能となり、演出を多様化することができる。
(6)昇格抽選の実行後に転落抽選を実行するようにした。これにより、例えば、モードストック放出フラグに、第3の高確示唆モードに移行させることが設定されているが、長い間、演出モードの移行契機となる図柄変動ゲームが実行されなかった場合には、ようやく第3の高確示唆モードに移行したにも拘らず、すぐさま転落抽選への当選に基づいて通常モードに移行することもあり得る。このような場合、演出モードの昇格が意味をなさないものとなって遊技者の興趣が低下してしまうので、そのような状況に陥ることを抑制し、確変状態である期待度の高い演出モードと確変状態である期待度の低い演出モードへの切り換えを、遊技者の興趣を低下させないようなバランスで実行することができる。
(7)統括CPU31aは、モードストック放出フラグに移行先の演出モードを特定する値が設定されている状態で当り抽選(大当り抽選又は小当り抽選)に当選した場合には、記憶内容をクリアする。これにより、当り抽選に当選したことによって決定された当り遊技の種類に基づく演出モードが優先的に実行されるので、モードストック放出フラグに転落先の演出モードを特定する値が設定されていたとしても、転落する内容の演出モードが実行されない。したがって、遊技者に、再度、演出モードの種類によって抽選確率状態が高確率抽選状態となっていることに対して期待を持たせることができる。
(8)演出モードが切り換わってから何回目の図柄変動ゲームであるかに基づいて演出モードが決定されるので、その時々の遊技状況に応じた演出モードを設定することができる。
(9)第2の確変15ラウンド大当りに当選しており、且つ大当り遊技終了後、100回目以降の図柄変動ゲームで変動パターンP7が決定された際には、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようにすることで、遊技者に違和感を与えることのないモード移行演出を実現するとともに、高確示唆モードへの移行契機を増やすことができる。
(10)モードストック放出フラグにおいて既に第4の高確示唆モードを特定する値が設定されている場合には移行抽選が行われないので、余分な制御を実行する手間を省くことができる。
(11)変短状態時におけるモード移行演出の実行契機となる変動パターンとして、変動パターンP1及び変動パターンP7を設定した。これにより、変短状態中に、モードが頻繁に移行しすぎたり、逆に、モードが全く移行しないという事態が生じることを抑制することができる。
(12)回転数フラグ又はモード回転数フラグの値によって第1モード移行用乱数の振り分け数を変更している。このため、回転数に応じて、モード移行が内部的に決定される確率を変更することができる。すなわち、所定の回転数以上のときには、演出モードが移行しやすい、また、所定の回転数以下のときには、演出モードが移行しにくいなど、意図的に演出モードが移行する確率を変更することができる。
(13)一部の変短時移行テーブル及び非変短時移行テーブルにおいて、回転数フラグ又はモード回転数フラグの値が大きいほど、当選パターンに振り分けられる第1モード移行用乱数の数を多くした。このため、同一の演出モードがいつまでも続くことなく、遊技者は、変化に富んだ遊技を楽しむことができる。
(14)図18に示す転落用の非変短時移行テーブルでは、モード回転数フラグの値が1〜10である場合に、当選パターンには第1モード移行用乱数が振り分けられていない。このため、高確示唆モードが実行されてからの図柄変動ゲームの実行回数が1〜10である場合には、昇格抽選しか行われないので、図柄変動ゲームの実行回数が1〜10であるときに演出モードが昇格した場合、遊技者の興趣を向上させることができる。また、図柄変動ゲームの実行回数が1〜10であるときには、通常パターンが実行されることがないので、遊技者は、最低でも10回の図柄変動ゲームの間、確変状態が付与されているのではないかという期待感を持って、高確示唆モードを楽しむことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・実施形態において、変動パターンP7が選択された際にモード移行演出を実行する場合であっても、リーチを形成するはずれの図柄組み合わせを停止表示させても良い。
・実施形態において、大当り抽選への当選を除くモード移行契機を、変動パターンP1又は変動パターンP7が選択されたときとしたが、変動パターンP2及び変動パターンP3に設定された変動時間よりも長い変動時間が設定された変動パターンであれば、モード移行演出が実行されるようにしても良い。例えば、変動パターンP8,P9(はずれリーチ(SR))が選択された際にモード移行演出を実行しても良い。
・実施形態では、変動パターンP7が選択された場合、特殊パターンに基づいてリーチを形成しないはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようにしたが、変動内容自体が変更されるようにしても良い。例えば、通常は、背景画像が「朝」背景となっているが、モード移行演出を実行させる際は、「夜」背景となるようにしても良い。
・実施形態において、変動パターンP7が選択されるとともに、演出モードの移行が決定された場合、サブCPU32aが、リーチを形成しないように独立してはずれの図柄組み合わせを決定するようにしても良い。
・実施形態において、図柄変動ゲームの回数に拘らず一定の当選確率で一次抽選を実行するようにしても良い。
・実施形態では、昇格抽選の実行後に転落抽選を実行するようにしたが、転落抽選の実行後に昇格抽選を実行するようにしても良い。このようにすることで、転落抽選への当選によって通常モードへ転落することが決定されていたとしても、昇格抽選で確変状態である期待度の高い演出モードへ移行させることが決定されたのであれば、演出モードを昇格させる内容でモード移行演出が実行されるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
・実施形態において、昇格抽選及び転落抽選では、一段階ずつ演出モードが昇格又は転落するようにしても良い。
・実施形態では、昇格抽選及び転落抽選を、図柄変動ゲームが実行される度に実行するようにしたが、所定回数(例えば、10回毎)毎に実行するようにしても良い。
・実施形態において、変短状態が付与されている高確示唆モード滞在中においても転落抽選を実行するようにしても良い。この場合、図13に示す非変短時モード移行処理と同一の手順にて実行転落抽選が実行されることになる。なお、変短状態が付与されている高確示唆モード滞在中に転落抽選を実行する場合は、変短状態が付与されていない高確示唆モード滞在中よりも、「転落」に当選する確率が低くなるように設定することが望ましい。
・実施形態において、転落抽選に当選した場合、変動パターンP1又は変動パターンP7が選択された際に転落先の演出モードに移行させるようにしても良い。
・実施形態において、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合には、どのような演出モードに滞在していたとしても、必ず第4の高確示唆モードが選ばれるような移行抽選を実行しても良い。また、第1の高確示唆モード〜第3の高確示唆モードのうちいずれかに当選したとしても、当選内容をリセットしなくても良く、当選内容をモード移行演出に反映させないようにしなければ良い。
・実施形態において、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合、大当り遊技終了後、90回目〜99回目の図柄変動ゲームの間においてモードストック放出フラグに第4の高確示唆モードを特定する値を設定するようにしても良い。
・実施形態では、大当り遊技終了後、100回目の図柄変動ゲームにおいて強制的にモードストック放出フラグに第4の高確示唆モードを設定するようにしたが、101回目以降の図柄変動ゲームにおいて設定するようにしても良い。
・実施形態では、ステップS104における判定回数を91回としたが、その値に限られない。
・実施形態では、第2の確変15ラウンド大当りに当選している場合、大当り遊技終了後、100回目以降の図柄変動ゲームにおいて第4の高確示唆モードに移行可能となるようにしたが、100回目以降の図柄変動ゲームにおいて高確確定モードに移行させるようにしても良い。
・実施形態において、大当り遊技の種類を増減させても良い。具体的には、ラウンド遊技数を変更したり、確変状態及び変短状態の有無、付与回数を変更したりしてもよい。また、大入賞口装置29の開閉動作回数を変更しても良い。例えば、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置29を4回、開閉動作させるようにしても良い。
・実施形態において、100回変短付き確変15ラウンド大当りを省略しても良い。
・上記実施形態において、ラウンド遊技の規定ラウンド数、大入賞口装置29の1回の開閉動作に係る時間、ラウンド遊技時間を変更しても良い。
・上記実施形態では、演出表示器22を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示器としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示器としても良い。
・上記実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・実施形態において、2つの特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。