以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図21にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部16aと、左側枠用ランプ部16bと、右側枠用ランプ部16cとが配置されている。各枠用ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口21aが形成されており、当該セット口21aに整合して表示枠体21には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示手段としての演出表示装置22が装着されている。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体21には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部21bが装着されている。
図2において、遊技盤YBの遊技領域H1の(遊技者から見て)右下方には、8セグメント型の第1特別図柄表示手段としての第1特図表示器23aが設けられている。また、遊技盤YBの遊技領域H1の(遊技者から見て)左下方には、8セグメント型の第2特別図柄表示手段としての第2特図表示器23bが設けられている。第1特図表示器23a及び第2特図表示器23bでは、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて第1特図表示器23a又は第2特図表示器23bでは、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特別図柄を表示する。この特別図柄は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特図表示器23aで行われる図柄変動ゲームを「第1図柄変動ゲーム」と示し、第2特図表示器23bで行われる図柄変動ゲームを「第2図柄変動ゲーム」と示す場合がある。
そして、第1特図表示器23a又は第2特図表示器23bでは、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄(以下、飾図と示す場合がある)の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、第1特図表示器23aと演出表示装置22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。同様に、第2特図表示器23bと演出表示装置22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。その一方、第1特図表示器23aと、第2特図表示器23bでは、並行して図柄変動ゲームが行われることがない。すなわち、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームのうち、どちらか一方のみが実行されるようになっている。
本実施形態において第1特図表示器23aには、図5に示すように、複数種類(本実施形態では60種類)の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。なお、本実施形態において、第1特図表示器23aに表示される特別図柄(第1特別図柄)は、特別図柄1と示し、第2特図表示器23bに表示される特別図柄(第2特別図柄)は、特別図柄2と示して区別する場合がある。60種類の特別図柄1は、大当りを認識し得る図柄(大当り表示結果に相当する)となる59種類の大当り図柄(図柄番号1〜59の図柄)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄(図柄番号0の図柄)とに分類される。なお、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
本実施形態において第2特図表示器23bには、図6に示すように、複数種類(本実施形態では22種類)の特別図柄2の中から、大当り抽選及び小当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄2が選択され、その選択された特別図柄2が図柄変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。22種類の特別図柄2は、大当りを認識し得る図柄(大当り表示結果に相当する)となる16種類の大当り図柄(図柄番号1〜16の図柄)と、小当りを認識し得る図柄(小当り表示結果に相当する)となる5種類の小当り図柄(図柄番号17〜21の図柄)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄(図柄番号0)とに分類される。なお、小当り抽選は、大当り抽選に当選しなかった場合に行うようになっている。また、小当り図柄が表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。本実施形態の小当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態においては、第1特図表示器23a及び第2特図表示器23bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置22に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置22に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、原則として、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。なお、はずれの図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(本実施形態では、[121][343][565][787])が表示された場合には、小当り遊技又は大当り遊技のいずれかが付与されることを認識できる。この小当り遊技又は大当り遊技を認識できる図柄組み合わせが大当り判定の確率が低確率から高確率となる確率変動状態が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置22には、第1特図表示器23a及び第2特図表示器23bの表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、第1特図表示器23a又は第2特図表示器23bに表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、第1特図表示器23a又は第2特図表示器23bに大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則として演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、第1特図表示器23a又は第2特図表示器23bにはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、第2特図表示器23bに小当り図柄が停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]等の確変示唆の図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、第1図柄変動ゲーム及び第2図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤YBの(遊技者から見て、すなわち、正面視)右下方には、第1特図表示器23aに隣接するように、2つのLEDから構成される普通図柄表示手段としての普通図柄表示器24が配設されている。この普通図柄表示器24では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態では、普通図柄を2つのLEDの発光態様にて3種類示しており、具体的には、2つのLEDが共に点灯する、上側LEDだけが点灯する、下側LEDだけが点灯することにより、複数種類の普通図柄を示している。なお、以下では、説明の都合上、2つのLEDが共に点灯することにより示す普通図柄を普通図柄「0」とし、上側LEDだけが点灯することにより示す普通図柄を普通図柄「1」とし、下側LEDだけが点灯することにより示す普通図柄を普通図柄「2」とする。
遊技者は、普図ゲームで最終的に表示された図柄組み合わせ(普図ゲームで導出された表示結果)から普通当り又ははずれを認識できる。普通図柄表示器24に表示された普図が「1」「2」の場合には、普通当りを認識できる。この普通当りを認識できる普通図柄が普通当りの表示結果となる。普通当りの表示結果が表示された場合、遊技者には、普図当り遊技が付与される。また、普通図柄表示器24に表示された普図が「0」である場合には、その普通図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる普通図柄がはずれの表示結果となる。
また、図2に示すように、表示枠体21の(遊技者から見て)正面視下方には、常時遊技球が入球可能な第1始動用入球口を有する第1始動手段としての第1始動入賞口25が配設されている。第1始動入賞口25の奥方には、入球した遊技球を検知する第1始動口センサSE1(図3に示す)が設けられている。第1始動入賞口25は、遊技球の入球を契機に、第1図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、表示枠体21の正面視右下方(遊技者から見て右下)には、遊技球が入球可能な第2始動用入球口と、普通電動役物ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根(普通電動役物)26aとを備えた第2始動手段(始動領域)としての第2始動入賞口26が配設されている。図2では、開状態とされた開閉羽根26aを実線で示す。この第2始動入賞口26の奥方には、入球した遊技球を検知する第2始動口センサSE2(図3に示す)が設けられている。第2始動入賞口26は、遊技球の入球を契機に、第2図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。第2始動入賞口26の第2始動用入球口は、常には開閉羽根26aが閉状態とされて閉鎖されている。第2始動用入球口が閉鎖されている状態において第2始動入賞口26は、入球不能な状態(入球が規制された状態(入球し難い状態))とされる。そして、第2始動用入球口は、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根26aが閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開放される。第2始動用入球口が開放されている状態において第2始動入賞口26は、入球可能な状態(入球が許容された状態(入球し易い状態))とされる。
そして、図2に示すように、表示枠体21の左側及び左下側に配置される複数の遊技釘は、表示枠体21の左側に発射された遊技球の少なくとも一部を第1始動入賞口25に誘導するように整列して配置されている。すなわち、第1始動入賞口25は、表示枠体21(演出表示装置22)の正面視左側(遊技者から見て左側)を通過する遊技球の流路上に配置されている。一方、表示枠体21の右側及び右下側に配置される複数の遊技釘は、表示枠体21の右側に発射された遊技球の少なくとも一部を第2始動入賞口26に誘導するように整列して配置されている。すなわち、第2始動入賞口26は、表示枠体21(演出表示装置22)の正面視右側(遊技者から見て右側)を通過する遊技球の流路上に配置されている。なお、本実施形態の第1始動入賞口25及び第2始動入賞口26は、遊技球の入球を契機に、3球の賞球を払い出させるようになっている。
また、図1に示すように、(遊技者から見て)第2始動入賞口26の左下方であって、第1始動入賞口25の右側には、大入賞口ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉27aを備えた大入賞口装置27(入賞手段)が配設されている。大入賞口装置27の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSE3が設けられている。そして、大当り遊技又は小当り遊技が生起されると、大入賞口扉27aの開動作によって大入賞口装置27が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態の大入賞口装置27は、遊技球の入球を契機に、15球の賞球を払い出させるようになっている。
この大入賞口装置27の周辺の遊技釘は、表示枠体21の右側及び右下方を通過する遊技球の少なくとも一部を大入賞口装置27へ誘導するように配置されている。すなわち、大入賞口装置27は、(遊技者から見て)表示枠体21(演出表示装置22)の右側を通過する遊技球の流路上に配置されている。このため、表示枠体21の右側へ発射された遊技球は、大入賞口装置27へ誘導されるようになっている。なお、大入賞口装置27の周辺の遊技釘は、大入賞口装置27の右上に配置されている第2始動入賞口26に入賞しなかった遊技球を大入賞口装置27へ誘導するように配置されている。また、表示枠体21の右下側に配置される複数の遊技釘は、右下側に流下してきた遊技球の一部を第2始動入賞口26及び大入賞口装置27に誘導する一方、第1始動入賞口25にあまり誘導しないように配置されている。
また、図2に示すように、表示枠体21において左側下部には、第1保留表示器Raが配設されている。第1保留表示器Raは、第1始動入賞口25に入球し、第1始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された第1始動保留球の記憶数(以下、「第1特図始動保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、第1保留表示器Raの表示内容によって保留されている第1図柄変動ゲームの回数が報知される。第1特図始動保留記憶数は、第1始動入賞口25へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、第1図柄変動ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、第1図柄変動ゲーム(又は第2図柄変動ゲーム)中に第1始動入賞口25へ遊技球が入球すると第1特図始動保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。そして、第1保留表示器Raは、複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、1個の発光手段が点灯している場合には1回の第1図柄変動ゲームが保留中であることを報知している。従って、遊技者は、第1保留表示器Raの表示内容を見て、保留されている第1図柄変動ゲームの回数が減ったときには、現在第1図柄変動ゲームが実行されていることを認識することができる。
また、図2に示すように、表示枠体21において右側下部には、第2保留表示器Rbが配設されている。第2保留表示器Rbは、第2始動入賞口26に入球し、第2始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された第2始動保留球の記憶数(以下、「第2特図始動保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、第2保留表示器Rbの表示内容によって保留されている第2図柄変動ゲームの回数が報知される。第2特図始動保留記憶数は、第2始動入賞口26へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、第2図柄変動ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、第2図柄変動ゲーム(又は第1図柄変動ゲーム)中に第2始動入賞口26へ遊技球が入球すると第2特図始動保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。そして、第2保留表示器Rbは、複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、2個の発光手段が点灯している場合には2回の第2図柄変動ゲームが保留中であることを報知している。従って、遊技者は、第2保留表示器Rbの表示内容を見て、保留されている第2図柄変動ゲームの回数が減ったときには、現在第2図柄変動ゲームが実行されていることを認識することができる。
また、表示枠体21の右側には、普通図柄始動手段としての作動ゲート28が配設されている。この作動ゲート28周辺の遊技釘は、表示枠体21の右側を通過する遊技球の一部を作動ゲート28へ誘導するように配置されている。すなわち、作動ゲート28は、表示枠体21(演出表示装置22)の正面視右側(遊技者から見て右側)を通過する遊技球の流路上に配置されている。このため、表示枠体21の右側へ発射された遊技球の一部は、作動ゲート28へ誘導されるようになっている。なお、作動ゲート28を通過した遊技球の少なくとも一部は、遊技釘により第2始動入賞口26又は大入賞口装置27へ誘導されるようになっている。
そして、作動ゲート28の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図3に示す)が設けられている。作動ゲート28は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口26を開状態とするか否か(第2始動入賞口26に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。第2始動入賞口26は、開閉羽根26aにより常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。その一方で、第2始動入賞口26は、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26aが開放されることにより第2始動入賞口26が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26aの開放によって第2始動入賞口26に遊技球を入賞させることができるため、遊技者は、第2図柄変動ゲームの始動条件と賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、第1始動入賞口25へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
また、図2に示すように、普通図柄表示器24の下部には、普通図柄保留表示器Rcが配設されている。普通図柄保留表示器Rcは、作動ゲート28を遊技球が通過し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「普図始動保留記憶数」(又は「普通図柄始動保留記憶数」)と示す)を表示する表示器であり、普通図柄保留表示器Rcの表示内容によって保留されている普図ゲームの回数が報知される。普図始動保留記憶数は、作動ゲート28を遊技球が通過すると1加算(+1)され、普図ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、普図ゲーム中に作動ゲート28を遊技球が通過すると普図始動保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口装置27よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口13が形成されている。アウト球口13を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では4/1597)から高確率(本実施形態では36/1597)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、予め定めた回数として10000回を定めているため、確変状態は、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態が付与されると、開閉羽根26aを開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの普通当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与される。この入球率向上状態において、開閉羽根26aは、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態(非確変状態)である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26aが1回開放し、開放してから300ms又は1000ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26aが3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1500msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26aは、入球率向上状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26aは閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26aは閉鎖するようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、非確変状態となる大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態を付与する時短機能を備えている。時短状態が付与されると、開閉羽根26aを開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、開閉羽根26aは、前述同様、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態である場合と異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26aが1回開放し、開放してから300ms又は1000ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26aが3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1500msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26aは、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。また、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、非確変大当りとなるとき、大当り遊技終了後、時短状態が付与されるようになっている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技及び小当り遊技について、図4に基づき詳しく説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて第1特図表示器23a又は第2特図表示器23bに大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口装置27(の大入賞口扉27a)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド、7ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口装置27の大入賞口扉27aの開閉が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置27は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。なお、本実施形態では、15ラウンドの大当り遊技が、第1の大当り遊技となり、7ラウンドの大当り遊技が、第2の大当り遊技となり、2ラウンドの大当り遊技が、第3の大当り遊技となる。
また、本実施形態において、表示枠体21の左下方であって、第2特図表示器23bの左側には、今回付与される大当り遊技の規定ラウンド数、すなわち今回の大当り遊技で行われるラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド遊技回数報知装置RHが設けられている。このラウンド遊技回数報知装置RHは、複数(本実施形態では3つ)の発光手段により構成されている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図4に示すように、規定ラウンド数を「15回」、「7回」又は「2回」に設定した大当り遊技が付与されるようになっている。このため、ラウンド遊技回数報知装置RHでは、規定ラウンド数を「15回」に設定した大当り遊技が付与される場合には、一番下の発光手段を点灯させて報知する。また、ラウンド遊技回数報知装置RHでは、規定ラウンド数を「7回」に設定した大当り遊技が付与される場合には、真ん中の発光手段を点灯させて報知する。また、ラウンド遊技回数報知装置RHでは、規定ラウンド数を「2回」に設定した大当り遊技が付与される場合には、一番上の発光手段を点灯させて報知する。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図4に示す5種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、5種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において第1特図表示器23aに表示される59種類の特別図柄1の大当り図柄は、図4に示すように、図柄A、図柄B、図柄Cの3つのグループに分類される。そして、図5に示すように、図柄Aには第1特図表示器23aに表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。同様に、図柄Bには第1特図表示器23aに表示される大当り図柄のうち6種類の大当り図柄が振り分けられている。図柄Cには第1特図表示器23aに表示される大当り図柄のうち23種類の大当り図柄が振り分けられている。
また、本実施形態において第2特図表示器23bに表示される16種類の特別図柄2の大当り図柄は、図4に示すように、図柄a〜図柄cの3つのグループに分類される。そして、図6に示すように、図柄aには第2特図表示器23bに表示される大当り図柄のうち1種類の大当り図柄が振り分けられている。同様に、図柄bには第2特図表示器23bに表示される大当り図柄のうち5種類の大当り図柄が振り分けられている。図柄cには第2特図表示器23bに表示される大当り図柄のうち10種類の大当り図柄が振り分けられている。また、図4に示す図柄yには、小当り遊技に対応する5種類の特別図柄2(小当り図柄)が振分けられている。
図柄Aに分類される大当り図柄が第1特図表示器23aに表示されたとき、又は図柄aに分類される大当り図柄が第2特図表示器23bに表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)が「15回(第1のラウンド回数)」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態が付与される15ラウンド大当り遊技である。図柄Aに分類される大当り図柄は、図5に示すように、図柄番号「1」〜「30」を付した30種類の特定図柄A(確変大当り用の特別図柄)である。また、図柄aに分類される大当り図柄は、図6に示すように、図柄番号「1」を付した1種類の特定図柄a(確変大当り用の特別図柄)である。以下、図柄Aに分類される大当り図柄が第1特図表示器23aに表示されたとき、又は図柄aに分類される大当り図柄が第2特図表示器23bに表示されたときに付与される大当り遊技を「15R確変大当り遊技(第2大当り、第1の高確率大当り)」と示す。本実施形態では、15R確変大当り遊技が、通常大当りに当選した場合に付与される通常大当り遊技となる。15R確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、15R確変大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口装置27の大入賞口扉27aを「1回」開放させるように設定されている。また、15R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。
また、15R確変大当り遊技では、オープニング時間として「10000ms」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25000ms」が、エンディング時間として「12000ms」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、15R確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25000ms」は最大時間となる。なお、図4には図示しないが、15R確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2000ms」に設定されている。
図柄Bに分類される大当り図柄が第1特図表示器23aに表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「7回(第1のラウンド回数)」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態が付与される7ラウンド大当り遊技である。図柄Bに分類される大当り図柄は、図5に示すように、図柄番号「31」〜「36」を付した6種類の特定図柄B(確変大当り用の特別図柄)である。以下、図柄Bに分類される大当り図柄が第1特図表示器23aに表示されたときに付与される大当り遊技を「7R確変大当り遊技(第2大当り、第1の高確率大当り)」と示す。本実施形態では、7R確変大当り遊技も、通常大当りに当選した場合に付与される通常大当り遊技となる。7R確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、7R確変大当り遊技における7回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口装置27の大入賞口扉27aを「1回」開放させるように設定されている。また、7R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。
また、7R確変大当り遊技では、オープニング時間として「10000ms」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25000ms」が、エンディング時間として「12000ms」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、7R確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25000ms」は最大時間となる。なお、図4には図示しないが、7R確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2000ms」に設定されている。
図柄Cに分類される大当り図柄が第1特図表示器23aに表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されている。また、当該大当り遊技は、大当り遊技終了後に時短状態(非確変状態)が付与される15ラウンド大当り遊技である。図柄Cに分類される大当り図柄は、図5に示すように、図柄番号「37」〜「59」を付した23種類の非特定図柄C(非確変大当り用の特別図柄)である。以下、図柄Cに分類される大当り図柄が第1特図表示器23aに表示されたときに付与される大当り遊技を「15R非確変大当り遊技(第1大当り、第1の低確率大当り)」と示す。15R非確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、15R非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口装置27の大入賞口扉27aを「1回」開放させるように設定されている。また、15R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、100回の図柄変動ゲームが実行されるまで時短状態が付与されるようになっている。
また、15R非確変大当り遊技では、オープニング時間として「10000ms」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25000ms」が、エンディング時間として「12000ms」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、15R非確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25000ms」は最大時間となる。なお、図4には図示しないが、15R非確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2000ms」に設定されている。
図柄bに分類される大当り図柄が第2特図表示器23bに表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態が付与される2ラウンド大当り遊技である。図柄bに分類される大当り図柄は、図6に示すように、図柄番号「2」〜「6」を付した5種類の特定図柄b(確変大当り用の特別図柄)である。以下、図柄bに分類される大当り図柄が第2特図表示器23bに表示されたときに付与される大当り遊技を「2R確変大当り遊技(第2大当り、第2の高確率大当り)」と示す。本実施形態では、2R確変大当り遊技を付与する2R確変大当りが、特定大当りのうちの高確率特定大当りとなる。2R確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、2R確変大当り遊技における2回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口装置27(の大入賞口扉27a)をそれぞれ「1回」ずつ開放させるように設定されている。また、2R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に係わらず、大当り遊技終了後に確変状態及び入球率向上状態が付与されるようになっている。また、2R確変大当り遊技では、オープニング時間として「4ms」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「600ms」が、エンディング時間として「1200ms」がそれぞれ設定されている。また、図4には図示しないが、2R確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2000ms」に設定されている。
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、2R確変大当り遊技のラウンド遊技時間(600ms)は、1回のラウンド遊技において、大入賞口装置27に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「600ms」となる。すなわち、2R確変大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(600ms)内に、入球上限個数となる「8球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
図柄cに分類される大当り図柄が第2特図表示器23bに表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に時短状態が付与される2ラウンド大当り遊技である。図柄cに分類される大当り図柄は、図6に示すように、図柄番号「7」〜「16」を付した10種類の非特定図柄c(非確変大当り用の特別図柄)である。以下、図柄cに分類される大当り図柄が第2特図表示器23bに表示されたときに付与される大当り遊技を「2R非確変大当り遊技(第1大当り、第2の低確率大当り)」と示す。本実施形態では、2R非確変大当り遊技を付与する2R非確変大当りが、特定大当りのうちの低確率特定大当りとなる。2R非確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「8球」に設定されている。また、2R非確変大当り遊技における2回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口装置27(の大入賞口扉27a)をそれぞれ「1回」ずつ開放させるように設定されている。また、2R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、100回の図柄変動ゲームが実行されるまで時短状態が付与されるようになっている。
また、2R非確変大当り遊技では、オープニング時間として「4ms」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「600ms」が、エンディング時間として「1200ms」がそれぞれ設定されている。また、図4には図示しないが、2R非確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2000ms」に設定されている。これにより、2R非確変大当り遊技におけるオープニング時間、ラウンド遊技時間、インターバル時間、エンディング時間は、2R確変大当り遊技における各時間とそれぞれ同一となっている。また、2R非確変大当り遊技における大入賞口扉27aの開放態様は、2R確変大当り遊技における開放態様と同じである。従って、2R非確変大当り遊技と、2R確変大当り遊技とを見た目上区別することは困難となっている。
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、2R非確変大当り遊技のラウンド遊技時間(600ms)は、1回のラウンド遊技において、大入賞口装置27に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「600ms」となる。すなわち、2R非確変大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(600ms)内に、入球上限個数となる「8球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
図柄yに分類される小当り図柄が第2特図表示器23bに表示されたときに付与される小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「8球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口装置27(の大入賞口扉27a)を「2回」開放させるように設定されている。また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態を継続して付与させるとともに、小当り抽選の当選時に時短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも時短状態を継続して付与させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に入球率向上状態が付与されていれば小当り遊技終了後に入球率向上状態を継続して付与させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が通常状態であれば小当り遊技終了後も通常状態を継続させる。図柄yに分類される小当り図柄は、図6に示すように、図柄番号「17」〜「21」を付した5種類の図柄である。
また、小当り遊技では、オープニング時間として「0ms」が、エンディング時間として「1200ms」がそれぞれ設定されている。そして、小当り遊技におけるラウンド遊技の大入賞口装置27(大入賞口扉27a)の開放態様として、開放1回目と開放2回目の開放時間が「600ms」に設定されているとともに、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「2000ms」が設定されている。これにより、小当り遊技における1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「600ms+2000ms+600ms」からなる「3200ms」に設定されていることになる。このため、小当り遊技のラウンド遊技時間は、2R非確変大当り遊技及び2R確変大当り遊技の1ラウンド目で大入賞口装置27(の大入賞口扉27a)が開放してから2ラウンド目で大入賞口装置27が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。また、小当り遊技における大入賞口扉27aの開放態様は、2R非確変大当り遊技及び2R確変大当り遊技における開放態様と同じである。従って、小当り遊技と、2R非確変大当り遊技及び2R確変大当り遊技とを見た目上区別することは困難となっている。
なお、小当り遊技におけるラウンド遊技のラウンド遊技時間は、ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、小当り遊技のラウンド遊技時間(3200ms)は、1回のラウンド遊技において、大入賞口装置27に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。すなわち、小当り遊技のラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(3200ms)内に、入球上限個数となる「8球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、各大当り遊技及び小当り遊技の終了後、大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態(確変状態)であるのか、低確率抽選状態(非確変状態)であるのかを遊技者に示唆する示唆演出を実行させる複数(本実施形態では3つ)の演出モードを備えている。図7及び図8は、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出モードの移行態様を示す。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出モードの移行契機を大当り及び小当りに当選したこととし、その当選した当り種に応じて移行する演出モードが異なるようになっている。この演出モードの移行により、遊技者は、滞在中の演出モード、すなわち当該演出モードで実行される示唆演出から大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態であるか否かを推測するようになっている。
以下、本実施形態の演出モードについて、図7及び図8を用いて詳しく説明する。
本実施形態において、3つの演出モードは、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態である期待度(確変状態が付与されている期待度)が異なるように設定されている。具体的には、通常演出が実行される通常モードM1と、高確率確定演出が実行される高確確定モードM2と、高確率潜伏演出が実行される高確潜伏モードM3と、を備えている。本実施形態において通常演出は、大当り抽選の抽選確率状態が低確率抽選状態であることを確定的に示唆する演出であって、通常モードM1の滞在中は高確率抽選状態への期待度が「0(零)%」に設定されている。また、本実施形態において高確率確定演出は、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態であることを確定的に示唆する演出であって、高確確定モードM2の滞在中は高確率抽選状態への期待度が「100%」に設定されている。また、本実施形態において高確率潜伏演出は、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れの場合でも実行される演出であって、高確潜伏モードM3の滞在中は高確率抽選状態への期待度が、通常モードM1よりも高く、高確確定モードM2よりも低く設定されている。すなわち、本実施形態において高確率潜伏演出は、パチンコ遊技機10の遊技状態が、高確率抽選状態(確変状態)及び低確率抽選状態(非確変状態)の何れの状態であるかを遊技者に対して非確定的に示唆(報知)する演出とされ、確変状態である可能性を示唆する。
そして、前述した3つの示唆演出(演出モード)は、確変状態であることの期待度の高低(確変状態である可能性の大小)を示唆し、その高低によって区別される演出となっている。このような示唆演出による期待度の変化は、当り種(15R確変/非確変大当り、7R確変大当り、2R確変/非確変大当り、小当り)に応じた演出モードの移行先を定めることによって作り出される。本実施形態においては、通常モードM1<高確潜伏モードM3<高確確定モードM2の順に、確変状態である期待度が高い演出モードとして位置付けられている。
また、各演出モードの滞在中は、その滞在中の演出モードに対応する遊技状態報知画像が演出表示装置22に画像表示されるようになっている。具体的に言えば、本実施形態の遊技状態報知画像は、図柄の背面に映し出される背景画像と、演出モードの種類を示す文字画像(テロップなど)から構成される。そして、各演出モードに対応する背景画像は、演出モード毎に画像内容が異なるように個別設定されており、遊技者は、背景画像の種類や文字画像から滞在中の演出モードを認識し得るようになっている。すなわち、各演出モードでは、異なる示唆演出が実行される。本実施形態では、演出表示装置22が、示唆演出を実行する示唆演出実行手段となる。
また、本実施形態において高確確定モードM2の滞在中は、演出表示装置22で行われる図柄変動ゲームの演出内容としてバトル演出を行うようになっている。バトル演出は、図柄変動ゲーム中にキャラクタ同士が対決し、勝敗を決定する演出内容で行われ、自身のキャラクタが勝利した場合には確変状態が確定する「大当り」となり、自身のキャラクタが敗北した場合には非確変状態が確定する「大当り」となる。このバトル演出は、図柄変動ゲームにおける飾り図柄の導出とは別に行われ、高確確定モードM2中の専用演出(高確率確定演出時専用の演出)となっている。そして、バトル演出では、自身のキャラクタが勝利する結果が、高確確定モードM2の継続を確定的に示す継続確定結果となり、自身のキャラクタが敗北する結果が、高確確定モードM2から高確潜伏モードM3へ移行することを確定的に示す非継続確定結果となる。
以下、演出モードの移行態様を説明する。
以下の説明では、確変状態と時短状態が付与されている状態を「高確+時短あり」と示し、非確変状態と時短状態が付与されている状態を「低確+時短あり」と示し、非確変状態と非時短状態が付与されている状態を「低確+時短なし」と示す。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確変状態と非時短状態が付与されている状態(高確+時短なし)は生じ得ない構成となっている。
最初に、図7にしたがって、通常状況(レギュラー時)のモード推移について説明する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図5及び図6に示すように、第1始動入賞口25への遊技球の入球に基づき当選可能な当り種と、第2始動入賞口26への遊技球の入球に基づき当選可能な当り種が相違している。そして、第2始動入賞口26のみに開閉羽根26aが設けられている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10の基本的な遊技性は、通常モードM1時、すなわち「低確+時短なし」時には第1始動入賞口25へ遊技球を入球させて大当り抽選を実行させ、大当り抽選に当選したならば、大当り遊技終了後に時短状態が付与されることで、第2始動入賞口26へ遊技球を入球させて大当り抽選を実行させることである。このような遊技スタイルが、本実施形態のパチンコ遊技機10において最も効率的である。そして、図7は、上記のような基本的な遊技スタイルで遊技を行った場合(通常状況)のモード推移を示す。
通常モードM1は、「低確+時短なし」の時に滞在する演出モードとされている。そして、通常モードM1の滞在中に、3種類の大当り(15R確変大当り、15R非確変大当り、7R確変大当り)の何れかに当選した場合は、大当り遊技を経て、高確確定モードM2又は高確潜伏モードM3の何れかに移行する。高確確定モードM2へ移行する場合は、図7に示すように、原則、15R確変大当りに対応する特別図柄1(図柄番号「1」〜「36」)に当選した場合である。一方、高確潜伏モードM3へ移行する場合は、図7に示すように、15R非確変大当りに対応する特別図柄1(図柄番号「37」〜「59」)に当選した場合である。
そして、本実施形態では、例外的に、15R確変大当りに対応する特別図柄1に当選した場合であっても、高確潜伏モードM3へ移行させるケースを作り出している。具体的に言えば、15R確変大当りに対応する図柄番号「8」〜「30」、及び15R非確変大当りに対応する図柄番号「37」〜「59」の何れかに当選した場合は、これらの大当り遊技中に、15R確変大当り遊技及び15R非確変大当り遊技の何れが付与されているのかを報知する昇格演出を実行させるようになっている。そして、昇格演出の結果として、15R確変大当り遊技を示す結果が導出された場合は、大当り遊技の終了後、高確確定モードM2へ移行する(第3の移行条件の成立)。一方、昇格演出の結果として、15R非確変大当り遊技を示す結果が導出された場合は、大当り遊技の終了後、高確潜伏モードM3へ移行する(第3の移行条件の不成立)。なお、昇格演出は、内部で事前に決定されている結果(15R確変大当りか、15R非確変大当りかの大当り種)を、恰も、大当り遊技中の演出で決定したかのように見せる演出である。このため、昇格演出の結果としては、15R確変大当りが事前決定されている場合は15R確変大当り遊技を示す結果が導出され、15R非確変大当りが事前決定されている場合は15R非確変大当り遊技を示す結果が導出されることになる。
そして、本実施形態においては、高確潜伏モードM3へ移行した時の遊技状態として「高確+時短あり」を作り出すために、15R確変大当りが事前決定されている場合であっても、所定の確率による抽選で15R非確変大当り遊技を示す結果を導出することが決定されるようになっている。その結果、大当り遊技の終了後に高確潜伏モードM3へ移行した場合でも、確変状態である可能性が残されている。なお、昇格演出の決定方法については後述する。
図7の説明に戻り、通常モードM1の滞在中に、15R確変大当りに対応する図柄番号「7」に当選した場合は、大当り遊技中に昇格演出が実行されず、大当り遊技の終了後は高確確定モードM2へ移行する。また、通常モードM1の滞在中に、15R確変大当りに対応する図柄番号「1」〜「6」、及び7R確変大当りに対応する図柄番号「31」〜「36」の何れかに当選した場合は、これらの大当り遊技の終了後、高確確定モードM2へ移行する。そして、本実施形態では、これらの大当り遊技中に、15R確変大当り遊技及び7R確変大当り遊技の何れが付与されているのかを報知する昇格演出を実行させるようになっている。なお、昇格演出は、内部で事前に決定されている結果(15R確変大当りか、7R確変大当りかの大当り種)を、恰も、大当り遊技中の演出で決定したかのように見せる演出である。
高確確定モードM2は、「高確+時短あり」の時に滞在する演出モードとされている。そして、高確確定モードM2の滞在中に、3種類の大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)及び小当りの何れかに当選した場合は、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)を経て、高確確定モードM2を維持する、又は高確潜伏モードM3に移行する。高確確定モードM2を維持する場合は、図7に示すように、15R確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「1」)に当選した場合である。一方、高確潜伏モードM3へ移行する場合は、図7に示すように、2R確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「2」〜「6」)に当選した場合、及び2R非確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「7」〜「16」)に当選した場合である。また、高確潜伏モードM3へ移行する場合は、図7に示すように、小当りに対応する特別図柄2(図柄番号「17」〜「21」)に当選した場合である。
本実施形態において高確確定モードM2の滞在中、高確確定モードM2を維持し得る当りは、15R確変大当りのみに設定されている。その一方、その他の当り、すなわち2R確変大当り、2R非確変大当り及び小当りの場合は、何れのときも高確潜伏モードM3へ移行するように設定されている。2R確変大当りは、大当り遊技終了後の遊技状態を「高確+時短あり」に変化させる大当りであり、2R非確変大当りは、大当り遊技終了後の遊技状態を「低確+時短あり」に変化させる大当りである。このため、高確確定モードM2の滞在中に、2R確変大当りに当選し、高確潜伏モードM3へ移行した場合は、移行後の高確潜伏モードM3の遊技状態は「高確+時短あり」となる。また、高確確定モードM2の滞在中に、2R非確変大当りに当選し、高確潜伏モードM3へ移行した場合は、移行後の高確潜伏モードM3の遊技状態は「低確+時短あり」となる。そして、小当りは、その当選時の遊技状態を維持することから、「高確+時短あり」とされる高確確定モードM2の滞在中に小当りに当選した場合、移行後の高確潜伏モードM3の遊技状態は「高確+時短あり」となる。このように高確確定モードM2の滞在中に、2R確変大当り、2R非確変大当り及び小当りの何れかに当選した場合、一義的に高確潜伏モードM3へ移行させることにより、移行後の高確潜伏モードM3の遊技状態は「高確+時短あり」のときもあれば、「低確+時短あり」のときもあり得ることになる。その結果、高確確定モードM2から高確潜伏モードM3へ移行した場合でも、確変状態である可能性が残されている。そして、本実施形態では、当選時の遊技状態を維持する小当りの当選した時も高確潜伏モードM3へ移行させるので、移行後の高確潜伏モードM3における潜確率は、小当りに当選した時に高確確定モードM2を維持する場合に比して向上することになる。潜確率は、確変状態の可能性を示すものであり、潜確率が高いほど、確変状態である可能性が高くなる。
高確潜伏モードM3は、「高確+時短あり」及び「低確+時短あり」の時に滞在する演出モードとされている。そして、高確潜伏モードM3の滞在中に、3種類の大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)及び小当りの何れかに当選した場合は、当り遊技(大当り遊技又は小当り遊技)を経て、高確確定モードM2へ移行する、又は高確潜伏モードM3を維持する。高確確定モードM2へ移行する場合は、図7に示すように、15R確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「1」)に当選した場合である。また、高確確定モードM2へ移行する場合は、図7に示すように、「高確確定モードM2へ移行」及び「高確潜伏モードM3を維持」の何れかに当選する復活抽選で、「高確確定モードM2へ移行」に当選した場合である。本実施形態において、復活抽選は、2R確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「2」〜「6」)に当選した場合、2R非確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「7」〜「16」)に当選した場合、及び小当りに対応する特別図柄2(図柄番号「17」〜「21」)に当選した場合に実行される。
2R確変大当りに当選している場合の復活抽選は、大当り遊技終了後の遊技状態が「高確+時短あり」になることから、所定の確率のもとで「高確確定モードM2へ移行」及び「高確潜伏モードM3を維持」の何れかに当選する。そして、復活抽選において「高確確定モードM2へ移行」に当選したならば、大当り遊技終了後、高確確定モードM2へ移行する(第1の移行条件の成立)。一方、復活抽選において「高確潜伏モードM3を維持」に当選したならば、大当り遊技終了後、高確潜伏モードM3を維持する(第1の移行条件の不成立)。また、2R非確変大当りに当選している場合の復活抽選は、大当り遊技終了後の遊技状態が「低確+時短あり」になることから、「高確潜伏モードM3を維持」のみに当選する。そして、復活抽選で「高確潜伏モードM3を維持」に当選したことにより、大当り遊技終了後、高確潜伏モードM3を維持する。
小当りに当選している場合の復活抽選は、小当り遊技終了後の遊技状態が「高確+時短あり」及び「低確+時短あり」の何れかとなり得ることから、その遊技状態に応じて「高確確定モードM2へ移行」及び「高確潜伏モードM3を維持」の何れかに当選する。すなわち、小当り当選時の遊技状態が「高確+時短あり」の場合の復活抽選では、所定の確率のもとで「高確確定モードM2へ移行」及び「高確潜伏モードM3を維持」の何れかに当選する。そして、復活抽選において「高確確定モードM2へ移行」に当選したならば、小当り遊技終了後、高確確定モードM2へ移行する。一方、復活抽選において「高確潜伏モードM3を維持」に当選したならば、小当り遊技終了後、高確潜伏モードM3を維持する。また、小当り当選時の遊技状態が「低確+時短あり」の場合の復活抽選では、「高確潜伏モードM3を維持」のみに当選する。そして、復活抽選で「高確潜伏モードM3を維持」に当選したことにより、小当り遊技終了後、高確潜伏モードM3を維持する。
また、高確潜伏モードM3の滞在中に、その高確潜伏モードM3の終了条件が成立した場合は、当該終了条件の成立によって、通常モードM1へ移行する、又は高確確定モードM2へ移行する。本実施形態において高確潜伏モードM3の終了条件は、高確潜伏モードM3への移行後、所定回数の図柄変動ゲームが実行されることである。そして、所定回数には、2R非確変大当りに当選した場合に付与される時短状態の上限回数「100回」が設定されている。
通常モードM1へ移行する場合は、「低確+時短あり」の高確潜伏モードM3において終了条件が成立した場合である。この場合は、所定回数(100回)の図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲーム(101回目)の開始とともに通常モードM1へ移行する。一方、高確確定モードM2へ移行する場合は、「高確+時短あり」の高確潜伏モードM3において終了条件が成立した場合である。この場合は、所定回数(100回)の図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲーム(101回目)の開始とともに高確確定モードM2へ移行する。
次に、図8にしたがって、特殊状況(イレギュラー時)のモード推移について説明する。
本実施形態において特殊状況は、意図的及び偶発的の何れに関係なく、前述した基本的な遊技スタイルとは異なる状況の遊技が行われた場合に発生する。なお、基本的な遊技スタイルとは、通常モードM1(「低確+時短なし」)時には第1始動入賞口25へ遊技球を入球させて大当り抽選を実行させ、高確確定モードM2(「高確+時短あり」)時及び高確潜伏モードM3(「高確+時短あり」又は「低確+時短あり」)時には第2始動入賞口26へ遊技球を入球させて大当り抽選を実行させることである。
通常モードM1の滞在中に、3種類の大当り(15R確変大当り、2R確変大当り、2R非確変大当り)の何れかに当選した場合は、大当り遊技を経て、高確確定モードM2又は高確潜伏モードM3の何れかに移行する。なお、通常モードM1の滞在中に、上記3種類の大当りに当選する場合とは、第2始動入賞口26へ入球した遊技球に基づく大当り抽選で当選した場合である。
高確確定モードM2へ移行する場合は、図8に示すように、15R確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「1」)に当選した場合である。一方、高確潜伏モードM3へ移行する場合は、図8に示すように、2R確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「2」〜「6」)、及び2R非確変大当りに対応する特別図柄2(図柄番号「7」〜「16」)に当選した場合である。
また、通常モードM1の滞在中に、小当りに当選した場合は、小当り遊技を経て、通常モードM1を維持する。本実施形態において「小当り」は、図7に示す通常状況時のモード推移で説明したように、高確潜伏モードM3の潜確率を向上させる目的、すなわち高確確定モードM2から高確潜伏モードM3への降格契機として扱っている。このため、通常モードM1の滞在中に「小当り」に当選した場合のモード移行は、前述した「小当り」の目的に合致しないことから、特殊状況時における小当りによるモード移行は行わないようになっている。
高確確定モードM2の滞在中に、3種類の大当り(15R確変大当り、15R非確変大当り、7R確変大当り)の何れかに当選した場合は、大当り遊技を経て、高確確定モードM2又は高確潜伏モードM3の何れかに移行する。なお、高確確定モードM2の滞在中に、上記3種類の大当りに当選する場合とは、第1始動入賞口25へ入球した遊技球に基づく大当り抽選で当選した場合である。
高確確定モードM2へ移行する場合は、図8に示すように、原則、15R確変大当り及び7R確変大当りに対応する特別図柄1(図柄番号「1」〜「36」)に当選した場合である。一方、高確潜伏モードM3へ移行する場合は、図8に示すように、15R非確変大当りに対応する特別図柄1(図柄番号「37」〜「59」)に当選した場合である。そして、本実施形態では、図7に示す通常状況時(レギュラー時)のモード推移と同様に、例外的に、15R確変大当りに対応する特別図柄1に当選した場合であっても、高確潜伏モードM3へ移行させるケースを作り出している。具体的に言えば、15R確変大当りに対応する図柄番号「8」〜「30」、及び15R非確変大当りに対応する図柄番号「37」〜「59」の何れかに当選した場合は、これらの大当り遊技中に、15R確変大当り遊技及び15R非確変大当り遊技の何れが付与されているのかを報知する昇格演出を実行させるようになっている。そして、昇格演出の結果として、15R確変大当り遊技を示す結果が導出された場合は、大当り遊技の終了後、高確確定モードM2へ移行する(第2の移行条件の成立)。一方、昇格演出の結果として、15R非確変大当り遊技を示す結果が導出された場合は、大当り遊技の終了後、高確潜伏モードM3へ移行する(第2の移行条件の不成立)。
また、高確確定モードM2の滞在中に、15R確変大当りに対応する図柄番号「7」に当選した場合は、大当り遊技中に昇格演出が実行されず、大当り遊技の終了後は高確確定モードM2へ移行する。また、高確確定モードM2の滞在中に、15R確変大当りに対応する図柄番号「1」〜「6」、及び7R確変大当りに対応する図柄番号「31」〜「36」の何れかに当選した場合は、これらの大当り遊技の終了後、高確確定モードM2へ移行する。そして、本実施形態では、図7に示す通常状況時(レギュラー時)のモード推移と同様に、これらの大当り遊技中に、15R確変大当り遊技及び7R確変大当り遊技の何れが付与されているのかを報知する昇格演出を実行させるようになっている。
高確潜伏モードM3の滞在中に、3種類の大当り(15R確変大当り、15R非確変大当り、7R確変大当り)の何れかに当選した場合は、大当り遊技を経て、高確確定モードM2又は高確潜伏モードM3の何れかに移行する。なお、高確潜伏モードM3の滞在中に、上記3種類の大当りに当選する場合とは、第1始動入賞口25へ入球した遊技球に基づく大当り抽選で当選した場合である。なお、特殊状況時における高確潜伏モードM3の滞在中に上記3種類の大当りに当選した場合のモード推移は、先に説明した特殊状況時における高確確定モードM2の滞在中に上記3種類の大当りに当選した場合のモード推移と同一であるため、その重複する説明は省略する。また、高確潜伏モードM3の滞在中に、その高確潜伏モードM3の終了条件が成立した場合は、当該終了条件の成立によって、通常モードM1へ移行する、又は高確確定モードM2へ移行する。なお、この場合のモード推移は、図7で説明した通常状況時において高確潜伏モードM3の終了条件が成立した場合と同様であるため、その重複する説明は省略する。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ16a〜16c,21bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、音声出力手段としての各種スピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。メインCPU30aには、第1始動口センサSE1と、第2始動口センサSE2と、カウントスイッチSE3等が接続されている。また、メインCPU30aには、第1特図表示器23aと、第2特図表示器23bと、第1保留表示器Raと、第2保留表示器Rbと、普通図柄保留表示器Rcが接続されている。また、メインCPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU30aは、普通図柄表示器24と、ゲートセンサSE4が接続されている。また、メインCPU30aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ROM30bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
変動パターンは、大当り演出用の変動パターンと、小当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されている。大当り演出用の変動パターンは、大当り抽選で大当りに当選した場合に選択される変動パターンである。また、小当り演出用の変動パターンは、小当り抽選で小当りに当選した場合に選択される変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、大当り抽選及び小当り抽選の何れにも当選しなかったはずれの場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、リーチを形成し、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
なお、大当り演出用の変動パターンに基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置22の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
図9〜図12には、本実施形態においてROM30bに記憶されている変動パターンの振分けテーブルを示す。
図9及び図12(a)の図中における「特B」は図柄番号「31」〜「36」の特別図柄1を、「特A−1」は図柄番号「1」〜「6」の特別図柄1を、「特A−2」は図柄番号「7」の特別図柄1を、「特A−3」は図柄番号「8〜30」の特別図柄1を、「非C」は図柄番号「37〜59」の特別図柄1を示す。また、図10、図11及び図12(b)に示す「特a」は図柄番号「1」の特別図柄2を、「特b」は図柄番号「2〜6」の特別図柄2を、「非c」は図柄番号「7〜16」を、「小当りy」は図柄番号「17〜21」を示す。また、図中における「変動秒数」の単位は(ms)である。また、図中における「251」と「151」は変動パターン振分用乱数の値を示し、本実施形態では1次振分用の変動パターン振分用乱数(0〜250)と、2次振分用の変動パターン振分用乱数(0〜150)の2つの乱数を使って変動パターンを選択する。そして、本実施形態の各振分けテーブルには、大当り種(詳しくは、特別図柄の種類)毎に選択可能な変動パターンを特定し得るように、変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。
図9は、特別図柄1用の通常状況時に選択可能な変動パターンを振分けた振分けテーブルである。なお、図9は、説明を簡略化するため、一部の変動パターンのみを示している。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして、3種類の変動パターンP1〜P3(No.1〜3)が用意されている。これらの変動パターンP1〜P3は、変動内容が「通常変動」、「短縮変動」及び「超短縮変動」とされている。「通常変動」は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。「短縮変動」は、「通常変動」よりも変動時間が短く設定され、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。「超短縮変動」は、「短縮変動」よりも変動時間が短く設定され、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。本実施形態において変動パターンP1〜P3は、図柄変動ゲームの開始時における第1特図始動保留記憶数(0〜3)に応じて選択される。また、変動パターンP1〜P3には、はずれの場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。
また、本実施形態では、大当り演出用の変動パターン、及びはずれリーチ演出用の変動パターンとして、複数種類の変動パターンP4〜P12(No.4〜12)が用意されている。変動パターンP4は、変動内容が「特別大当り変動」とされており、大当り確定(大当りの時にしか選択されない)の変動パターンとなっている。変動パターンP4は、特A−2(図柄番号「7」の特別図柄1に対応する15R確変大当り)に当選した場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、変動パターンP5〜P8は、変動内容が「リーチ変動R1〜R4」とされている。また、変動パターンP9〜P12は、変動内容が「リーチ変動Y1〜Y4」とされている。これらの変動パターンP5〜P12には、大当りの場合及びはずれリーチの場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。
図10及び図11は、特別図柄2用の通常状況時に選択可能な変動パターンを示す。また、図10は、確変状態で、かつ入球率向上状態の時に変動パターンを選択するために用いるテーブルである。一方、図11は、非確変状態で、かつ入球率向上状態の時に変動パターンを選択するために用いるテーブルである。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして2種類の変動パターンP152,P153(No.152,153)が用意されている。変動パターンP152,P153は、変動内容が「はずれ1a」、「はずれ1b」とされており、図柄変動ゲームの開始時における第2特図始動保留記憶数(0〜3)に応じて選択される。変動パターンP152〜P153には、はずれの場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、はずれリーチ演出用の変動パターンとして3種類の変動パターンP154〜P156(No.154〜156)が用意されている。また、変動パターンP154〜P156は、変動内容が「はずれ2a」、「はずれ2b」、「はずれ2c」とされている。変動パターンP154〜P156には、はずれリーチの場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。
また、変動パターンP157〜P161は、変動内容が「リーチ変動」とされている。そして、変動パターンP157〜P159,P161については、その具体的な演出内容を統括制御基板31(統括CPU31a)で決定するようにサブ振分けが行われている。サブ振分けは、1つの変動パターンに対して複数の演出内容を対応付けることであり、対応付けられる演出内容の時間は同一時間とされている。なお、変動パターンP152〜P156,P160は、変動パターンに対して単一の演出内容が対応付けられており、サブ振分けはなされていない。
変動パターンP157には「演出Z1c」と「演出Z2c」が、変動パターンP158には「演出Z1d」と「演出Z2d」が、変動パターンP159には「演出Z1e」と「演出Z2e」が、変動パターンP161には「演出Z1g」と「演出Z2g」が、それぞれ振分けられている。これらの変動パターンP157〜P159,P161に振分けられた演出内容は、滞在中の演出モードに応じて選択されるようになっている。図10〜図12の「CT」は高確潜伏モードM3を示すとともに、「BT」は高確確定モードM2を示す。例えば、メインCPU30aが変動パターンP157を選択している場合、統括CPU31aは高確潜伏モードM3であれば「演出Z1c」を選択し、高確確定モードM2であれば「演出Z2c」を選択する。また、変動パターンP160には、演出内容「演出Z1f」が振分けられている。変動パターンP157〜P161には、はずれリーチの場合、大当りの場合、及び小当りの場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。
図12(a)は、特別図柄1用の特殊状況時に選択可能な変動パターンを示す。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP147(No.147)が用意されている。この変動パターンP147は、保留の数に関係なく選択される。変動パターンP147には、はずれの場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、本実施形態では、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP148〜P151(No.148〜151)が用意されている。変動パターンP148,P149は変動内容が「リーチ変動」とされており、変動パターンP148には「演出Z1a」と「演出Z2a」が、変動パターンP149には「演出Z1b」と「演出Z2b」が、それぞれサブ振分けされている。変動パターンP148,P149は、大当り(特A−2)の場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、変動パターンP150,151は、変動内容が「特殊時専用変動」とされ、「演出W」が振分けられている。変動パターンP150,P151は、大当り種(7R大当りか、15R大当りか)に応じて選択される。変動パターンP150は、大当り(特B及び特A−1)の場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、変動パターンP151は、大当り(特A−3及び非C)の場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。なお、特別図柄1用の特殊状況時には、図12(a)に示すように、はずれリーチ用の変動パターンが振分けられていない。
図12(b)は、特別図柄2用の特殊状況時に選択可能な変動パターンを示す。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP162(No.162)が用意されている。この変動パターンP162は、保留の数に関係なく選択される。変動パターンP162は、はずれの場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、本実施形態では、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP163〜P165(No.163〜165)が用意されている。変動パターンP163は、前述した変動パターンP4(図9参照)と同様に、変動内容が「特別大当り変動」とされており、大当り確定(大当りの時にしか選択されない)の変動パターンとなっている。変動パターンP163には、15R確変大当り(特a)の場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、変動パターンP164,165は、変動内容が「特殊時専用変動」とされている。変動パターンP164,P165は、当り種(2R大当りか、小当りか)に応じて選択される。そして、変動パターンP165には、2R確変大当り(特b)及び2R非確変大当り(非c)の場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。また、変動パターンP164には、小当り(小当りy)の場合に選択可能なように変動パターン振分用乱数の値が振分けられている。なお、特別図柄1用の特殊状況時には、図12(a)に示すように、はずれリーチ用の変動パターンが振分けられていない。
はずれ演出用の変動パターンP162の変動秒数「2400(ms)」は、図12(a)に示す特別図柄1用の特殊状況時におけるはずれ演出用の変動パターンP147の変動秒数「11500(ms)」に比して遥かに短く設定されている。これは、特別図柄2の特殊状況が発生するケースが、遊技状態「低確+時短なし」の時、すなわち通常モードM1の時であることから、はずれの場合における図柄変動ゲームの変動時間の冗長を抑制している。すなわち、特殊状況時における特別図柄2のはずれ変動自体には、何ら意味がないことから、直ちに図柄変動ゲームを終了させるようになっている。
一方、図12(a)に示す特別図柄1用の特殊状況時におけるはずれ演出用の変動パターンP147については、本実施形態のパチンコ遊技機10が特別図柄2の優先変動を採用していることに起因して変動秒数を長く設定している。すなわち、特別図柄1の特殊状況が発生するケースは、遊技状態が「低確+時短あり」又は「高確+時短あり」の時、すなわち高確確定モードM2又は高確潜伏モードM3の時である。このため、高確確定モードM2又は高確潜伏モードM3の時に特別図柄1の変動が開始することは、第2特図始動保留記憶数が「0(零)」の場合を意味する。したがって、はずれの場合に特別図柄1の特殊状況が発生した場合には、図柄変動ゲームの変動時間を長く設定することで、第2始動入賞口26へ遊技球を入球させる時間を作っている。本実施形態では、変動パターンP162が第1変動時間を設定した第1変動内容となり、変動パターンP147が第2変動時間を設定した第2変動内容となる。
また、本実施形態では、特別図柄2の特殊状況が発生するケースは、図8に示すように、遊技状態「低確+時短なし」の時、すなわち通常モードM1の時である。そして、通常モードM1は、図8に示すように、「低確+時短あり」の高確潜伏モードM3において終了条件(時短終了)が成立した時に移行する。このため、通常モードM1に移行した時点で残っている第2特図始動保留記憶数に基づく図柄変動ゲームは、特別図柄2の特殊状況が発生した扱いで行われることになる。この時、残っている第2特図始動保留記憶数の中に「大当り」が含まれている場合、その変動パターンは図12(b)に示す変動パターンP163が選択されることになる。この変動パターンP163は、前述したように、大当り確定(大当りの時にしか選択されない)の変動パターンであり、図9に示す特別図柄1の通常状況時にも選択率が極めて低く設定されている。このため、高確潜伏モードM3から通常モードM1へ移行した場合、その移行時点での第2特図始動保留記憶数に応じた回数の図柄変動ゲームでは、希少価値の少ない変動パターンP163に基づく演出を見るチャンスが付与されていることになる。したがって、通常モードM1へ移行した数ゲーム間は、図柄変動ゲームの演出に注目することができる。なお、入球率向上状態中は、第2始動入賞口26に対して遊技球が入球し易くなっていることから、通常モードM1への移行時点において第2特図始動保留記憶数は上限数(本実施形態では4回)に達している可能性が極めて高い。
また、特別図柄2の特殊状況が発生した時の小当り当選に基づくモード移行は、小当り当選によって遊技状態は変化しないことから、先に述べたように全く意味の無い移行となってしまう。その一方、2R確変大当りや2R非確変大当りは、遊技状態に変化をもたらすことから、これらの当選時にモード移行をさせない場合には「低確+時短なし」と位置付けた通常モードM1との遊技状態の整合が取れなくなってしまう。このため、本実施形態では、小当り当選時に選択される変動パターンP164と、2R大当り当選時に選択される変動パターンP165を設け、小当り当選によるモード維持と2R大当り当選によるモード移行を違和感なく行えるようになっている。
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1596までの全1597通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、図6に示すように、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では36個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、大当り判定時に使用する当り判定用乱数が記憶されている。
本実施形態において、当り判定用乱数は、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口26へ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっており、第1図柄変動ゲーム及び第2図柄変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、第1始動入賞口25へ遊技球が入賞したことを契機に取得する当り判定用乱数は、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞したことを契機に取得する当り判定用乱数と同一のものである。また、大当り判定値も、第1図柄変動ゲーム及び第2図柄変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、第1特図始動保留記憶数に基づく大当り判定のときに使用する大当り判定値は、第2特図始動保留記憶数に基づく大当り判定のときに使用する大当り判定値と同じものである。
また、ROM30bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1596までの全1597通りの整数)の中から定められている。本実施形態において、小当り判定値の数は、5個に設定されている(図6参照)。なお、当り判定用乱数は、大当り判定において使用した乱数をそのまま使用するようになっている。また、小当り判定値は、確変状態が付与されているか否か、及び入球率向上状態が付与されているか否かによってその値が異なることはない(同じ値が定められている)。
また、RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特別図柄の種類を決定する際に用いる特図振分乱数が記憶されている。各特図には、この特図振分乱数が所定個数ずつ振り分けられており、メインCPU30aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特図振分乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、メインCPU30aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、メインCPU30aは、更新後の値を特図振分乱数の値としてRAM30cに記憶し、既に記憶されている特図振分乱数の値を書き換えることで特図振分乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分乱数は、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口26へ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっており、第1図柄変動ゲーム及び第2図柄変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、第1始動入賞口25へ遊技球が入賞したことを契機に取得する特図振分乱数は、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞したことを契機に取得する特図振分乱数と同一のものである。
そして、第1図柄変動ゲーム及び第2図柄変動ゲームのいずれの図柄変動ゲームを実行させるかにより、特図振分乱数に基づき決定された大当り図柄が図柄A〜Cのうち(第2図柄変動ゲームの場合、図柄a〜cのうち)どのグループに分類されるか異なっている。具体的には、第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲームのいずれの図柄変動ゲームを実行させることを示す特別図柄変動処理フラグに、第1図柄変動ゲームを行うことを示す[0]が設定されている場合、図柄A〜Cのうちいずれかのグループに分類されるようになっている。そして、第1図柄変動ゲームで大当りとなる場合、大当り図柄として図柄Aに分類される図柄は47/100の確率で決定され、図柄Bに分類される図柄は30/100の確率で決定され、図柄Cに分類される図柄は23/100の確率で決定される。
また、特別図柄変動処理フラグに、第2図柄変動ゲームを行うことを示す[1]が設定されている場合、図柄a〜cのうちいずれかのグループに分類されるようになっている。そして、第2図柄変動ゲームで大当りとなる場合、大当り図柄として図柄aに分類される図柄は72/100の確率で決定され、図柄bに分類される図柄は5/100の確率で決定され、図柄cに分類される図柄は23/100の確率で決定される。他方、小当りの決定時(大当り判定が否定となって小当り判定で肯定となった場合)には、5種類の小当り図柄の中から図柄が決定され、はずれの決定時(大当り判定及び小当り判定が否定となった場合)、1種類のはずれ図柄の中から図柄が決定される。
また、RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。例えば、RAM30cには、小当り決定時に小当り図柄となる特図の種類を決定する際に用いる小当り図柄振分乱数が記憶されている。また、RAM30cには、普図ゲームが当りとなる時に当り図柄となる普図の種類を決定する際に用いる普図振分乱数が記憶されている。
また、ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、普通当り判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。なお、普通当り判定値は、入球率向上状態が付与されているか否かでその数が異なっており、入球率向上状態が付与されている時の普通当り判定値の数(本実施形態では240個)は、通常状態時の普通当り判定値の数(本実施形態では50個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、普通当り判定時に使用する普通当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、普通当り判定用乱数は、作動ゲート28を遊技球が通過したことを契機に取得するようになっている。
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図3に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、演出表示装置22が接続されている。ROM32bには、演出表示装置22の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を図13に従って説明する。
メインCPU30aは、第1始動入賞口25に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ステップS1においてメインCPU30aは、第1始動口センサSE1が遊技球を検知した時に出力する第1検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、ステップS5へ移行する。ステップS1の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている第1特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(第1特図始動保留記憶数=4)の場合、メインCPU30aは、ステップ5へ移行する。
ステップS2の判定結果が肯定(第1特図始動保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数を+1(1加算)し、第1特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS3)。続いて、メインCPU30aは、当り判定用乱数の値と、特図振分乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、該値を第1特図始動保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。
次に、メインCPU30aは、第2始動入賞口26に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、ステップS5においてメインCPU30aは、第2始動口センサSE2が遊技球を検知した時に出力する第2検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS5の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS5の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている第2特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定結果が否定(第2特図始動保留記憶数=4)の場合、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
ステップS6の判定結果が肯定(第2特図始動保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、第2特図始動保留記憶数を+1(1加算)し、第2特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS7)。続いて、メインCPU30aは、当り判定用乱数の値と、特図振分乱数の値と、小当り図柄振分乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、該値を第2特図始動保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS8)。その後、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について図14〜図16に基づき説明する。メインCPU30aは、特別図柄開始処理を所定周期毎(例えば、4ms毎)に実行するようになっている。
メインCPU30aは、まず、図柄(特図及び飾図)が変動表示中であるか否か、及び大当り遊技(或いは小当り遊技)中であるか否か判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、第2特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS12)、第2特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS13)。
ステップS13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留記憶数=0の場合)、メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS14)、第1特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留記憶数=0の場合)、メインCPU30aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が否定の場合(デモンストレーション指定コマンドを出力していない場合)、メインCPU30aは、デモンストレーション指定コマンドを出力する(ステップS17)。そして、特別図柄開始処理を終了する。また、ステップS16の判定結果が肯定の場合(デモンストレーション指定コマンドを出力していた場合)、メインCPU30aは、そのまま特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS15の判定結果が肯定の場合(第1特図始動保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第1図柄変動ゲームを実行することを示す値[0]を設定する(ステップS18)。次に、メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数の数を「1」減算(−1)し(ステップS19)、当該第1特図始動保留記憶数に対応付けられてRAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数、特図振分乱数及び小当り図柄振分乱数の値を取得する(ステップS20)。
次に、メインCPU30aは、図15に示すように、取得した当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS21)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。そして、通常状態の時(低確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、4/1597としており、確変状態の時(高確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、36/1597としている。
ステップS21の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに[1]を設定する(ステップS22)。そして、メインCPU30aは、取得した特図振分乱数の値に基づき、特別図柄1による大当り図柄の中から第1特図表示器23aにて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS23)。具体的には、メインCPU30aは、特別図柄1用の大当り図柄テーブル(図17(a))を参照して、特図振分乱数に基づき、最終停止図柄を決定する。この特別図柄1用の大当り図柄テーブルには、各特図振分乱数に対してそれぞれ特別図柄1が対応付けられている。例えば、メインCPU30aは、特図振分乱数として[56]を取得した場合、大当り図柄テーブルを参照して、最終停止図柄として[10]を取得する。
特別図柄1用の大当り図柄テーブルでは、図17(a)に示すように、特図[31]〜[36]に5個ずつ特図振分乱数が振り分けられており、特図[1]〜[6]、[8]〜[30]、[37]〜[59]に1個ずつ特図振分乱数が振り分けられており、特図[7]に18個の特図振分乱数が振り分けられている。なお、本実施形態では、特図[1]〜[30]が図柄Aに分類され、特図[31]〜[36]が図柄Bに分類され、特図[37]〜[59]が図柄Cに分類されている。このため、メインCPU30aは、ステップS23において、大当り図柄として図柄Aに分類される図柄を47/100の確率で決定する。同様に、メインCPU30aは、ステップS23において、図柄Bに分類される図柄を30/100の確率で決定し、図柄Cに分類される図柄を23/100の確率で決定することになる。
次に、メインCPU30aは、現在の遊技状態が入球率向上状態(時短状態)であるか否かを確認する(ステップS23a)。ステップS23aにてメインCPU30aは、RAM30cにセットする作動フラグの設定値を確認する。作動フラグは、入球率向上状態を付与するか否かを示すフラグであって、付与する場合には「1」が設定されるとともに、付与しない場合には「0」が設定される。そして、ステップS23aにおいてメインCPU30aは、今から実行させる第1図柄変動ゲームが、「通常状況」下で実行されるのか、又は「特殊状況」下で実行されるのかを確認する。
次に、メインCPU30aは、ステップS23で決定した大当り図柄(特別図柄1)の種類と、ステップS23aの確認結果をもとに、変動パターン振分けテーブルを選択し、その選択したテーブルの中から変動パターンを決定する(ステップS24)。具体的に言えば、メインCPU30aは、入球率向上状態でない場合(非時短状態の場合)、通常状況で第1図柄変動ゲームが行われることから、図9に示す変動パターン振分テーブルを選択する。一方、メインCPU30aは、入球率向上状態の場合(時短状態の場合)、特殊状況で第1図柄変動ゲームが行われることから、図12(a)に示す変動パターン振分テーブルを選択する。そして、変動パターン振分テーブルを選択したメインCPU30aは、RAM30cから取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを、大当り図柄の種類をもとに選択する。
変動パターン及び最終停止図柄(大当り図柄)を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS25)。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特別図柄を変動開始させるように第1特図表示器23aの表示内容を制御する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄となる特別図柄1を指示するための特別図柄1指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器23aの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS21の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、メインCPU30aは、ステップS23aと同様に、現在の遊技状態が入球率向上状態(時短状態)であるか否かを確認する(ステップS26a)。
ステップS26aの判定結果が否定、すなわち入球率向上状態ではない場合(非時短状態の場合)、メインCPU30aは、通常状況で第1図柄変動ゲームが実行されることから、続いて、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS26)。本実施形態では、メインCPU30aは、ステップS26の処理時においてRAM30cから取得したリーチ判定用乱数が、リーチ判定値に一致するか否かにより当選判定を行う。なお、リーチ判定値は、リーチ演出を行うか否かの内部抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜180までの全181通りの整数)の中から定められている。また、リーチ判定値は、遊技状態、第1特図始動保留記憶数及び特別図柄変動処理フラグの値によって異なるようになっている。
詳しく説明すると、図18(a)に示すように、特別図柄変動処理フラグが「0」であって、入球率向上状態及び確変状態が付与されていないとき、第1特図始動保留記憶数が「0」,「1」である場合には、メインCPU30aは、23/181の確率でリーチ判定を肯定判定する。同様に、メインCPU30aは、特別図柄変動処理フラグが「0」であって、入球率向上状態及び確変状態が付与されていないとき、第1特図始動保留記憶数が「2」である場合には、10/181の確率でリーチ判定を肯定判定する。同様に、メインCPU30aは、特別図柄変動処理フラグが「0」であって、入球率向上状態及び確変状態が付与されていないとき、第1特図始動保留記憶数が「3」である場合には、2/181の確率でリーチ判定を肯定判定する。このように、第1特図始動保留記憶数の数が多いほど、すなわち、保留されている第1図柄変動ゲームが多いほど、リーチ判定の当選確率が低くなる。このため、保留されている第1図柄変動ゲームが多いほど、保留されている第1図柄変動ゲームの消化が早くすることができる。その一方、第1特図始動保留記憶数の数が少ないほど、すなわち、保留されている第1図柄変動ゲームが少ないほど、リーチ判定の当選確率が高くなる。このため、第1特図始動保留記憶数の数が少ないときには、リーチ演出を実行させて変動時間を長くする確率を高くして、第1図柄変動ゲームが途切れないようにすることができる。
そして、ステップS26の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、はずれ図柄を第1特図表示器23aにて確定停止表示される最終停止図柄として決定する(ステップS27)。次に、メインCPU30aは、ステップS26aの確認結果をもとに、変動パターン振分けテーブルを選択し、その選択したテーブルの中から変動パターンを決定する(ステップS28)。具体的に言えば、メインCPU30aは、入球率向上状態でない場合(非時短状態の場合)、通常状況で第1図柄変動ゲームが行われることから、図9に示す変動パターン振分テーブルを選択する。そして、変動パターン振分テーブルを選択したメインCPU30aは、RAM30cから取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを、大当り図柄の種類をもとに選択する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄(はずれ図柄)を決定したメインCPU30aは、ステップS25の処理に移行し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器23aの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS26aの判定結果が肯定の場合(入球率向上状態の場合)、メインCPU30aは、ステップS29に移行する。また、ステップS26の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、ステップS29に移行する。ステップS29にてメインCPU30aは、はずれ図柄を第1特図表示器23aにて確定停止表示される最終停止図柄として決定する(ステップS29)。次に、メインCPU30aは、変動パターン振分けテーブルを選択し、その選択したテーブルの中から変動パターンを決定する(ステップS30)。具体的に言えば、メインCPU30aは、ステップS26を否定判定している場合、入球率向上状態ではないとき(非時短状態のとき)に通常状況で第1図柄変動ゲームが行われることから、図9に示す変動パターン振分テーブルを選択する。一方、メインCPU30aは、ステップS26aを肯定判定している場合、入球率向上状態のとき(時短状態のとき)に特殊状況で第1図柄変動ゲームが行われることから、図12(a)に示す変動パターン振分テーブルを選択する。そして、変動パターン振分テーブルを選択したメインCPU30aは、RAM30cから取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを、大当り図柄の種類をもとに選択する。なお、メインCPU30aは、図9に示す変動パターン振分テーブルを選択した場合、保留記憶数に応じて変動パターンを選択する。
本実施形態では、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、リーチ演出を行うか否かの判定前に、入球率向上状態であるか否かを判定し、その判定結果が肯定の場合にはリーチ演出を行うか否かの判定(ステップS26)を行うことなく、ステップS29に移行する。これによれば、図18(a)に示すように、特別図柄変動処理フラグが「0」であって、入球率向上状態が付与されている場合のリーチ確率(リーチ判定を肯定判定する確率)は0/181となる。すなわち、特殊状況時には、はずれリーチ演出が実行されないことになる。これは、特殊状況時におけるリーチ演出の実行は、大当りに当選した場合のみに行われることを意味する。したがって、入球率向上状態が付与されている場合に、第1図柄変動ゲームが行われるという特殊状況が発生し、その第1図柄変動ゲームでリーチが形成されたならば、その段階で大当りを確定的に認識することができる。
そして、変動パターン及び最終停止図柄(はずれ図柄)を決定したメインCPU30aは、ステップS25の処理に移行し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第1図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器23aの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合(第2特図始動保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶される特別図柄変動処理フラグに第2図柄変動ゲームを実行することを示す値[1]を設定する(ステップS31)。次に、メインCPU30aは、第2特図始動保留記憶数の数を「1」減算(−1)し(ステップS32)、当該第2特図始動保留記憶数に対応付けられてRAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数、特図振分乱数及び小当り図柄振分乱数の値を取得する(ステップS33)。
次に、メインCPU30aは、図16に示すように、取得した当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS34)。なお、本実施形態において、通常状態の時(低確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、4/1597としており、確変状態の時(高確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、36/1597としている。
ステップS34の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに[1]を設定する(ステップS35)。そして、メインCPU30aは、取得した特図振分乱数の値に基づき、特別図柄2による大当り図柄の中から第2特図表示器23bにて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS36)。具体的には、メインCPU30aは、特別図柄2用の大当り図柄テーブル(図17(b))を参照して、特図振分乱数に基づき、最終停止図柄を決定する。この特別図柄2用の大当り図柄テーブルには、各特図振分乱数に対してそれぞれ特別図柄2が1又は複数対応付けられている。例えば、メインCPU30aは、特図振分乱数として[56]を取得した場合、大当り図柄テーブルを参照して、最終停止図柄として[1]を取得する。
特別図柄2用の大当り図柄テーブルでは、図17(b)に示すように、特図[1]に72個の特図振分乱数が振り分けられており、特図[2]〜[6]に1個ずつ特図振分乱数が振り分けられており、特図[7]〜[9]に3個ずつ特図振分乱数が振り分けられており、特図[10]〜[16]に2個ずつ特図振分乱数が振り分けられている。なお、本実施形態では、特図[1]が図柄aに分類され、特図[2]〜[6]が図柄bに分類され、特図[7]〜[16]が図柄cに分類されている。このため、メインCPU30aは、ステップS36において、大当り図柄として図柄aに分類される図柄を72/100の確率で決定する。同様に、メインCPU30aは、ステップS36において、図柄bに分類される図柄を5/100の確率で決定し、図柄cに分類される図柄を23/100の確率で決定することとなる。
次に、メインCPU30aは、現在の遊技状態が入球率向上状態であるか否かを確認する(ステップS36a)。ステップS36aにてメインCPU30aは、RAM30cにセットする作動フラグの設定値を確認する。そして、ステップS36aにおいてメインCPU30aは、今から実行させる第2図柄変動ゲームが、「通常状況」下で実行されるのか、又は「特殊状況」下で実行されるのかを確認する。
次に、メインCPU30aは、ステップS36で決定した大当り図柄(特別図柄2)の種類と、ステップS36aの確認結果をもとに、変動パターン振分けテーブルを選択し、その選択したテーブルの中から変動パターンを決定する(ステップS37)。具体的に言えば、メインCPU30aは、入球率向上状態である場合(時短状態の場合)、通常状況で第2図柄変動ゲームが行われることから、さらにRAM30cにセットする確変フラグの設定値を確認する。確変フラグは、確変状態を付与するか否かを示すフラグであり、付与する場合には「1」が設定され、付与しない場合には「0」が設定される。そして、メインCPU30aは、確変状態である場合、図10に示す確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。また、メインCPU30aは、確変状態でない場合(非確変状態である場合)、図11に示す非確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。一方、メインCPU30aは、入球率向上状態でない場合(非時短状態の場合)、特殊状況で第2図柄変動ゲームが行われることから、図12(b)に示す変動パターン振分テーブルを選択する。そして、変動パターン振分テーブルを選択したメインCPU30aは、RAM30cから取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを、大当り図柄の種類をもとに選択する。
変動パターン及び最終停止図柄(大当り図柄)を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第2図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS38)。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、メインCPU30aは、特別図柄を変動開始させるように第2特図表示器23bの表示内容を制御する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄となる特別図柄2を指示するための特別図柄2指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器23bの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS34の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、メインCPU30aは、取得した当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う(ステップS39)。なお、本実施形態において、小当り判定の判定結果が肯定となる確率(小当り確率)は、5/1597としている。ステップS39の判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、メインCPU30aは、小当りの変動であることを示す小当りフラグに[1]を設定する(ステップS40)。そして、メインCPU30aは、取得した小当り図柄振分乱数の値に基づき、特別図柄による小当り図柄(図柄y)の中から第2特図表示器23bにて確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップS41)。
次に、メインCPU30aは、現在の遊技状態が入球率向上状態であるか否かを確認する(ステップS41a)。ステップS41aにてメインCPU30aは、ステップS36aと同様に、RAM30cにセットする作動フラグの設定値を確認する。そして、ステップS41aにおいてメインCPU30aは、今から実行させる第2図柄変動ゲームが、「通常状況」下で実行されるのか、又は「特殊状況」下で実行されるのかを確認する。
次に、メインCPU30aは、ステップS41で決定した小当り図柄(特別図柄2)と、ステップS41aの確認結果をもとに、変動パターン振分けテーブルを選択し、その選択したテーブルの中から変動パターンを決定する(ステップS42)。具体的に言えば、メインCPU30aは、入球率向上状態である場合(時短状態の場合)、通常状況で第2図柄変動ゲームが行われることから、さらにRAM30cにセットする確変フラグの設定値を確認する。そして、メインCPU30aは、確変状態である場合、図10に示す確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。また、メインCPU30aは、確変状態でない場合(非確変状態である場合)、図11に示す非確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。一方、メインCPU30aは、入球率向上状態でない場合(非時短状態の場合)、特殊状況で第2図柄変動ゲームが行われることから、図12(b)に示す変動パターン振分テーブルを選択する。そして、変動パターン振分テーブルを選択したメインCPU30aは、RAM30cから取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを選択する。
変動パターン及び最終停止図柄(小当り図柄)を決定したメインCPU30aは、ステップS38の処理に移行し、前述同様、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第2図柄変動ゲームに関する各種処理を実行し、特別図柄開始処理を終了する。その後に、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器23bの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS39の判定結果が否定の場合(小当りでない場合)、メインCPU30aは、ステップS36a,S41aと同様に、現在の遊技状態が入球率向上状態(時短状態)であるか否かを確認する(ステップS43a)。ステップS43aの判定結果が肯定、すなわち入球率向上状態である場合(時短状態の場合)、メインCPU30aは、通常状況で第2図柄変動ゲームが実行されることから、続いて、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS43)。なお、リーチ判定値は、遊技状態、保留記憶数及び特別図柄変動処理フラグの値によって異なるようになっている。図18(b)に示すように、メインCPU30aは、特別図柄変動処理フラグが「1」であって、入球率向上状態が付与されているときに、確変状態が付与されている場合(大当り判定の当選確率が高確率の場合)、8/181の確率でリーチ判定を肯定判定する。また、メインCPU30aは、特別図柄変動処理フラグが「1」であって、入球率向上状態が付与されているときに、確変状態が付与されていない場合(大当り判定の当選確率が低確率の場合)、16/181の確率でリーチ判定を肯定判定する。
そして、ステップS43の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、はずれ図柄を第2特図表示器23bにて確定停止表示させる最終停止図柄として決定する(ステップS44)。次に、メインCPU30aは、ステップS43aの確認結果をもとに、変動パターン振分けテーブルを選択し、その選択したテーブルの中から変動パターンを決定する(ステップS45)。具体的に言えば、メインCPU30aは、入球率向上状態である場合(時短状態の場合)、通常状況で第2図柄変動ゲームが行われることから、さらにRAM30cにセットする確変フラグの設定値を確認する。そして、メインCPU30aは、確変状態である場合、図10に示す確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。また、メインCPU30aは、確変状態でない場合(非確変状態である場合)、図11に示す非確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。そして、変動パターン振分テーブルを選択したメインCPU30aは、RAM30cから取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを選択する。
そして、変動パターン及び最終停止図柄(はずれ図柄)を決定したメインCPU30aは、ステップS38の処理に移行し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第2図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器23bの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS43aの判定結果が否定の場合(入球率向上状態ではない場合(非時短状態の場合)、メインCPU30aは、ステップS46に移行する。また、ステップS43の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、ステップS46に移行する。ステップS46にてメインCPU30aは、はずれ図柄を第1特図表示器23aにて確定停止表示される最終停止図柄として決定する(ステップS46)。次に、メインCPU30aは、変動パターン振分けテーブルを選択し、その選択したテーブルの中から変動パターンを決定する(ステップS47)。具体的に言えば、メインCPU30aは、ステップS43aを否定判定している場合、入球率向上状態ではないとき(非時短状態のとき)に特殊状況で第2図柄変動ゲームが行われることから、図12(b)に示す変動パターン振分テーブルを選択する。一方、メインCPU30aは、ステップS43aを肯定判定し、ステップS43を否定判定ている場合、入球率向上状態のとき(時短状態のとき)に通常状況で第2図柄変動ゲームが行われることから、さらにRAM30cにセットする確変フラグの設定値を確認する。そして、メインCPU30aは、確変状態である場合、図10に示す確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。また、メインCPU30aは、確変状態でない場合(非確変状態である場合)、図11に示す非確変状態で、かつ入球率向上状態時の変動パターン振分テーブルを選択する。なお、メインCPU30aは、図10に示す変動パターン振分テーブルを選択した場合、保留記憶数に応じて変動パターンを選択する。そして、変動パターン振分テーブルを選択したメインCPU30aは、RAM30cから取得した変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンを選択する。
本実施形態では、大当り抽選で大当りに当選せず、かつ小当り抽選で小当りに当選しなかった場合、リーチ演出を行うか否かの判定前に、入球率向上状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定の場合にはリーチ演出を行うか否かの判定(ステップS43)を行うことなく、ステップS46に移行する。これによれば、図18(b)に示すように、特別図柄変動処理フラグが「1」であって、入球率向上状態が付与されていない場合のリーチ確率(リーチ判定を肯定判定する確率)は0/181となる。すなわち、特殊状況時には、はずれリーチ演出が実行されないことになる。これは、特殊状況時におけるリーチ演出の実行は、大当りに当選した場合のみに行われることを意味する。したがって、入球率向上状態が付与されていない場合に、第2図柄変動ゲームが行われるという特殊状況が発生し、その第2図柄変動ゲームでリーチが形成されたならば、その段階で大当りを確定的に認識することができる。
そして、変動パターン及び最終停止図柄(はずれ図柄)を決定したメインCPU30aは、ステップS38の処理に移行し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、第2図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器23bの表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
このような特別図柄開始処理を実行することにより、第1特図始動保留記憶数と、第2特図始動保留記憶数とがいずれも記憶されているとき、メインCPU30aは、第2図柄変動ゲームを優先的に実行する。そして、第2始動入賞口26は、入球率向上状態が付与されているとき、開閉羽根26aが開状態となるので、遊技球が入賞可能となり、且つ、入賞しやすくなっているので、結果的に入球率向上状態が付与されている確変状態又は時短状態においては第2図柄変動ゲームが連続して実行されやすくなっている。そして、第2図柄変動ゲームで大当りとなる場合、確変状態が付与されるか否かの割合は第1図柄変動ゲームとは異ならないが、確変状態が付与されるときには、15ラウンドの大当り遊技が付与されるか否かの割合は異なっている。すなわち、特図振分乱数の振り分けが異なっており、第2図柄変動ゲームで大当りとなる場合、72/77の確率で15ラウンドの大当り遊技が付与される。ちなみに、第1図柄変動ゲームで大当りとなる場合、47/77の確率で15ラウンドの大当り遊技が付与される。このように、確変状態においては第2図柄変動ゲームが連続実行されやすくなっており、その第2図柄変動ゲームにて大当りとなる場合、第1図柄変動ゲームと比較して15ラウンドの大当り遊技が付与される確率が高くなっている。このことから、入球率向上状態が付与される確変状態又は時短状態において大当りが連続するときには、規定ラウンド遊技数が15ラウンドになる確率が高くなっている。
そして、第1図柄変動ゲームで大当りとなる場合、7ラウンド又は15ラウンドの大当り遊技が付与されるようになっている。すなわち、第1図柄変動ゲームで大当りとなる場合、賞球を獲得できるチャンスが少ない2ラウンドの大当り遊技よりも賞球を獲得できるチャンスが多い大当り遊技が付与されるようになっている。そして、入球率向上状態が付与されていない場合、第2始動入賞口26に入賞させることは困難である。すなわち、第1始動入賞口25と、第2始動入賞口26(及び作動ゲート28)は、異なる遊技球の流路上に配置されており、第1始動入賞口25に遊技球を入賞させるために、表示枠体21の左側に遊技球を発射した場合、第2始動入賞口26(及び作動ゲート28)に入賞しにくい。同様に、第2始動入賞口26(及び作動ゲート28)に遊技球を入賞させるために、表示枠体21の右側に遊技球を発射した場合、第1始動入賞口25に入賞しにくい。そして、入球率向上状態が付与されていない場合には、作動ゲート28に遊技球を通過させたとしても、開閉羽根26aの合計開放時間が短く、入賞させにくい。このため、入球率向上状態が付与されていない場合、遊技者は、通常、表示枠体21の左側に遊技球を発射させ、表示枠体21の左側の流路上に配置されている第1始動入賞口25に入賞させ、第1図柄変動ゲームを実行させることとなる。従って、入球率向上状態が付与されていない状態で、最初に大当りとなる場合には、通常、第1始動保留球として記憶された当り判定用乱数に基づく大当り判定の判定結果が当選となった場合である。これにより、入球率向上状態が付与されていない状態で、最初に大当りとなる場合には、通常、7ラウンド又は15ラウンドの大当り遊技が付与されることとなる。このため、遊技者は、入球率向上状態が付与されていない状態で、最初に大当りとなる場合には、2ラウンドの大当り遊技が付与される場合よりも賞球を確実に得られることができ、大当り遊技終了後、新たな遊技球を追加しなくても、遊技を継続することができる。
また、メインCPU30aは、第1始動保留球として記憶された当り判定用乱数に基づき判定を行う場合(第1図柄変動ゲームの場合)、小当り判定を行わない。このため、入球率向上状態が付与されておらず、第1図柄変動ゲームが行われやすい状況において、遊技者にとって利益が期待できない小当り遊技が付与される可能性が少なくなる。このため、余分な小当り遊技の実行を防止し、遊技者にストレスを感じさせることなく、遊技の興趣を向上させることができる。また、メインCPU30aは、第2始動保留球として記憶された当り判定用乱数に基づき判定を行う場合(第2図柄変動ゲームの場合)、小当り判定が実行される。このため、入球率向上状態が付与されており、第2図柄変動ゲームが行われやすい状況において、大当り判定に当選しなくても、確変状態が付与されたことを期待させる小当り遊技が付与される可能性がある。これにより、入球率向上状態が付与されているときには、多くの機会において、確変状態が付与されたのではないかと思わせることができる。
そして、メインCPU30aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに[1]が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。以下、メインCPU30aが実行する制御内容について、15R確変大当り遊技、7R確変大当り遊技、15R非確変大当り遊技、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技の大当り遊技毎に説明する。
最初に、15R確変大当り遊技、7R確変大当り遊技又は15R確変大当り遊技が付与されるときの制御について説明する。メインCPU30aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力するとともに、オープニング時間(10000ms)の計測を開始する。次に、メインCPU30aは、オープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(最大25000ms)の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って大入賞口装置27の大入賞口扉27aが開放される。そして、メインCPU30aは、1ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って大入賞口装置27の大入賞口扉27aが閉鎖される。
1ラウンド目のラウンド遊技を終了させたメインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、1ラウンド目と2ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(2000ms)の経過後に、2ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に2ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降同様に、メインCPU30aは、3ラウンド目〜15ラウンド目(7R確変大当り遊技が付与される場合には3ラウンド目〜7ラウンド目)のラウンド遊技を制御する。そして、メインCPU30aは、15ラウンド目(7R確変大当り遊技が付与される場合には7ラウンド目)のラウンド遊技が終了すると、インターバル時間(2000ms)の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(12000ms)の計測を開始する。そして、メインCPU30aは、エンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。
その際、メインCPU30aは、15R確変大当り遊技又は7R確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。同様に、作動フラグに「1」が設定されている場合には、入球率向上状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、入球率向上状態が付与されていないことを示している。そして、メインCPU30aは、確変フラグに「1」を設定したときは、統括制御基板31に対して確変状態であることを示す確変コマンドを出力し、確変フラグに「0」を設定したときは、統括制御基板31に対して非確変状態であることを示す非確変コマンドを出力する。これにより、統括CPU31aは、現在確変状態が付与されているか否かを把握することができる。同様に、メインCPU30aは、作動フラグに「1」を設定したときは、統括制御基板31に対して入球率向上状態であることを示す作動コマンドを出力し、作動フラグに「0」を設定したときは、統括制御基板31に対して入球率向上状態が付与されていないことを示す非作動コマンドを出力する。これにより、統括CPU31aは、現在入球率向上状態が付与されているか否かを把握することができる。
また、メインCPU30aは、15R確変大当り遊技又は7R確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す確変状態付与回数に10000回を設定する。また、メインCPU30aは、15R確変大当り遊技又は7R確変大当り遊技が付与された場合には、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に10000回を設定する。この入球率向上状態付与回数及び確変状態付与回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算され、値が0となると、確変フラグ及び作動フラグがクリアされる(「0」が設定される)。なお、各フラグ、確変状態付与回数及び作動回数は、RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、各フラグ、確変状態付与回数及び作動回数は、大当り遊技が付与された場合にもクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。
一方、メインCPU30aは、15R非確変大当り遊技が付与された場合には、確変フラグに「0」を設定すると共に、作動フラグに「1」を設定する。また、メインCPU30aは、15R非確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態付与回数に0回を設定する。また、メインCPU30aは、15R非確変大当り遊技が付与された場合には、作動回数に100回を設定する。
次に、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技が付与されるときの制御について説明する。
メインCPU30aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力するとともに、オープニング時間(4ms)の計測を開始する。次に、メインCPU30aは、オープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(最大600ms)の計測を開始する。また、メインCPU30aは、開放信号を出力する。そして、メインCPU30aは、大入賞口扉27aを開放(1回目の開放)させてからの時間を計測し、ラウンド遊技時間(600ms)が経過したならば、1ラウンド目のラウンド遊技を終了させるべく、閉鎖信号を出力する。
次に、メインCPU30aは、1ラウンド目のラウンド遊技を終了させてからの時間を計測する。このとき、メインCPU30aは、1ラウンド目のラウンド遊技と2ラウンド目のラウンド遊技の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(2000ms)を計測する。次に、メインCPU30aは、インターバル時間が経過したならば、2ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく2ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(最大600ms)の計測を開始する。また、メインCPU30aは、開放信号を出力する。そして、メインCPU30aは、大入賞口扉27aを開放(2回目の開放)させてからの時間を計測し、ラウンド遊技時間(600ms)が経過したならば、2ラウンド目のラウンド遊技を終了させるべく、閉鎖信号を出力する。
次に、メインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技を終了させてからの時間を計測する。そして、メインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、インターバル時間(2000ms)の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(1200ms)の計測を開始する。エンディング時間の経過後、メインCPU30aは、大当り遊技を終了させる。そして、メインCPU30aは、大当りフラグに[0]を設定する(クリアする)。その際、メインCPU30aは、2R確変大当り遊技が付与される場合、確変フラグ及び作動フラグに「1」を設定する。また、メインCPU30aは、2R確変大当り遊技が付与される場合には、確変状態付与回数及び作動回数に10000回を設定する。
一方、メインCPU30aは、2R非確変大当り遊技が付与される場合、確変フラグに「0」を設定すると共に、作動フラグに「1」を設定する。また、メインCPU30aは、2R非確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態付与回数に0回を設定すると共に、作動回数に100回を設定する。
また、メインCPU30aは、小当りを決定した場合(小当りフラグに[1]が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、小当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。以下、小当り遊技が付与されるときの制御について詳しく説明する。
メインCPU30aは、図柄変動ゲームが終了すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(最大3200ms)の計測を開始する。そして、本実施形態においてメインCPU30aは、大入賞口扉27aを、入球上限個数の遊技球が入球していないことを条件に、最大2回開放させる。具体的には、1ラウンド目のラウンド遊技において、メインCPU30aは、まず、1回目の大入賞口扉27aを開放させるために、1回目の開放信号を出力する。そして、メインCPU30aは、大入賞口扉27aを開放(1回目の開放)させてからの時間を計測し、開放時間(600ms)が経過したならば、1回目の大入賞口扉27aの閉鎖させるために、1回目の閉鎖信号を出力する。
次に、メインCPU30aは、大入賞口扉27aを閉鎖(1回目の閉鎖)させてからの時間を計測する。すなわち、メインCPU30aは、大入賞口扉27aの1回目と2回目の開放間に設定されるラウンド内インターバルのインターバル時間(2000ms)を計測する。次に、メインCPU30aは、インターバル時間が経過したならば、2回目の大入賞口扉27aを開放させるために、2回目の開放信号を出力する。そして、メインCPU30aは、大入賞口扉27aを開放(2回目の開放)させてからの時間を計測し、開放時間(600ms)が経過したならば、大入賞口扉27aを閉鎖させるべく、2回目の閉鎖信号を出力する。これにより、小当り遊技におけるラウンド遊技が終了する。
次に、メインCPU30aは、ラウンド遊技を終了させてからの時間を計測する。そして、メインCPU30aは、インターバル時間(2000ms)の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(1200ms)の計測を開始する。エンディング時間の経過後、メインCPU30aは、小当り遊技を終了させる。そして、メインCPU30aは、小当りフラグに[0]を設定する(クリアする)。なお、小当り遊技の場合、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、メインCPU30aは、確変フラグ及び作動フラグのいずれも現状を維持する(新たな値を設定しない)。
このように大当り遊技及び小当り遊技を実行させることにより、本実施形態では、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技及び小当り遊技において、大入賞口扉27aの開放態様が同一態様となる状態が作り出される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞口扉27aの開放態様を視認しても2R確変大当り遊技と、2R非確変大当り遊技と、小当り遊技の区別が付かない。これにより、遊技者は、大入賞口扉27aが短い時間(600ms)で2回開放しても、その開放態様からは確変状態が付与されるか否かを判断することができない。従って、これらの2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技及び小当り遊技終了後、確変状態が付与されていることを遊技者に期待させることができ、遊技を継続させることができる。
次に、普通図柄入力処理を図19に従って説明する。
メインCPU30aは、遊技球が作動ゲート28を通過したか否かを判定する(ステップS61)。すなわち、ステップS61においてメインCPU30aは、ゲートセンサSE4が遊技球を検知した時に出力する第4検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS61の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。ステップS61の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている普図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS62)。ステップS62の判定結果が否定(普図始動保留記憶数=4)の場合、メインCPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
ステップS62の判定結果が肯定(普図始動保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、普図始動保留記憶数を+1(1加算)し、普図始動保留記憶数を書き換える(ステップS63)。続いて、メインCPU30aは、普通当り判定用乱数の値及び普図振分乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、該値を普図始動保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS64)。その後、メインCPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普通図柄開始処理について図20に基づき説明する。メインCPU30aは、普通図柄開始処理を所定周期毎に実行するようになっている。
メインCPU30aは、まず、普図が変動表示中であるか否か及び普図当り遊技中であるか否か判定する(ステップS71)。ステップS71の判定結果が肯定の場合(普図ゲーム中である又は普図当り遊技中である場合)、メインCPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、ステップS71の判定結果が否定の場合(普図ゲーム中でなく、普図当り遊技中でない場合)、メインCPU30aは、普図始動保留記憶数を読み出し(ステップS72)、普図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS73)。
ステップS73の判定結果が否定の場合(普図始動保留記憶数=0の場合)、メインCPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、ステップS73の判定結果が肯定の場合(普図始動保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、普図始動保留記憶数の数を「1」減算(−1)し(ステップS74)、当該普図始動保留記憶数に対応付けられてRAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を取得する(ステップS75)。
次に、メインCPU30aは、取得した普通当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定して普通当り判定を行う(ステップS76)。なお、本実施形態において、普通当り判定値は、入球率向上状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。そして、通常状態の時(入球率向上状態が付与されていない時)及び大当り遊技中の時、普通当り判定の判定結果が肯定となる確率(普通当り確率)は、50/241としており、入球率向上状態が付与されている時、普通当り判定の判定結果が肯定となる確率(普通当り確率)は、240/241としている。
ステップS76の判定結果が肯定の場合(普通当りの場合)、メインCPU30aは、普通図柄表示器24にて確定停止表示される最終停止図柄を、普通図柄の当り図柄[1][2]の中から決定する(ステップS77)。なお、メインCPU30aは、ステップS77において、取得した普図振分乱数の値に基づき、遊技者に有利な当り図柄[2](第2普通図柄)を6/11の確率で決定し、当り図柄[2]よりも不利な当り図柄[1](第1普通図柄)を5/11の確率で決定するようになっている。一方、ステップS76の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、メインCPU30aは、普通図柄表示器24にて確定停止表示される最終停止図柄を、普通図柄のはずれ図柄[0]に決定する(ステップS78)。
その後、メインCPU30aは、複数種類の普図変動パターンの中から普図変動パターンを決定する(ステップS79)。普図変動パターンは、入球率向上状態が付与されていない通常状態時又は大当り遊技中に決定される通常状態時用の普図変動パターンと、入球率向上状態が付与されているときに決定される入球率向上状態時用の普図変動パターンに分類される。さらに、本実施形態における通常状態時用の普図変動パターンは、変動時間の異なる3種類のパターンが設けられている。具体的には、変動時間が1番短い3000msの第1普図変動パターン(第1普通図柄変動パターン)と、当該第1普図変動パターンの変動時間よりも長い6000msの第2普図変動パターン(第2普通図柄変動パターン)と、当該第2普図変動パターンの変動時間よりも長い9000msの第3普図変動パターン(第3普通図柄変動パターン)と、が設けられている。一方、本実施形態における入球率向上状態時用の普図変動パターンは、1種類であり、その変動時間は、第1普図変動パターンの変動時間よりも短い時間(1000ms)が設定されている第4普図変動パターンである。
そして、メインCPU30aは、ステップS79で、入球率向上状態が付与されている場合には、第4普図変動パターンを決定し、入球率向上状態が付与されていない場合には、第1普図変動パターン、第2普図変動パターン又は第3普図変動パターンのいずれかを決定する。なお、メインCPU30aは、入球率向上状態が付与されていない場合、第1普図変動パターンを34/101の確率で決定し、第2普図変動パターンを34/101の確率で決定し、第3普図変動パターンを33/101の確率で決定するようになっている。普図変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、普図ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS80)。具体的に言えば、メインCPU30aは、普通図柄を変動開始させるように普通図柄表示器24の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、普通図柄を通知する普通図柄指定コマンドを統括制御基板31に出力する。また、同時に、メインCPU30aは、普図変動ゲームの変動時間の計測を開始する。そして、メインCPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その後、普通図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、決定した普図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように普通図柄表示器24の表示内容を制御する。
そして、メインCPU30aは、普通当りを決定した場合、決定した普図変動パターンに基づく普図ゲームの終了後、普図当り遊技に関する制御を実行する。メインCPU30aは、普図ゲームが終了したとき、入球率向上状態が付与されている場合には、開閉羽根26aを3回開放させるとともに、各回の開放において開放してから1500msが経過するまで開放状態を維持するよう普通電動役物ソレノイドSOL2を制御する。
一方、メインCPU30aは、普図ゲームが終了したとき、入球率向上状態が付与されていない場合であって、普通図柄による当り図柄が[1]である場合には、開閉羽根26aを1回開放させ、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するように普通電動役物ソレノイドSOL2を制御する。また、メインCPU30aは、普図ゲームが終了したとき、入球率向上状態が付与されていない場合であって、普通図柄による当り図柄が[2]である場合には、開閉羽根26aを1回開放させ、開放してから1000ms経過するまで開放状態を維持するように普通電動役物ソレノイドSOL2を制御する。
なお、メインCPU30aは、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26aを閉鎖させるように制御する。同様に、メインCPU30aは、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26aを閉鎖させるように制御する。
以上のように、入球率向上状態が付与されていない場合、普図ゲームの普図変動パターンは、演出時間が異なる複数種類(3種類)の中から決定される。このため、入球率向上状態が付与されていない場合、遊技者は、普図ゲームの演出時間を予測することができず、いつ普図ゲームが終了するかを認識することができない。このため、普図当り遊技の開始(すなわち、開閉羽根26aの開放時)を狙って遊技球を発射することが困難となる。さらには、第1始動入賞口25へ入賞させるために狙う流路と、作動ゲート28に通過させ、第2始動入賞口26へ入賞させるために狙う流路は異なっている。すなわち、第1始動入賞口25へ入賞させるように遊技球を発射しているときに、第2始動入賞口26に偶然入賞されることを防止できる。従って、入球率向上状態が付与されていないときには、第1始動入賞口25へ遊技球が入賞するように表示枠体21の左側を通る流路へ遊技球を発射させることができる。
その一方で、入球率向上状態が付与されているときには、普図当り遊技時の開閉羽根26aの合計開放時間が長くなっており、また、開閉羽根26aが開放しているときには、開閉羽根26aの働きより開閉羽根26aが備えられていない第1始動入賞口25よりも遊技球を入賞させやすい。また、第2始動入賞口26は、確変状態が複数の大当り遊技に亘って連続して付与される場合には、15ラウンドの大当り遊技が付与されやすく、第1始動入賞口25にて大当りとなるよりも短時間で多数の賞球を得られやすい。このため、入球率向上状態が付与されているときには、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞するように、表示枠体21の右側を通る流路へ遊技球を発射させることができる。このように入球率向上状態が付与されているか否かによって遊技球を発射する方向や、付与される大当り遊技の種類を変化させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、入球率向上状態が付与されていないとき及び大当り遊技中であるとき、確定停止表示される当り図柄の種類によって開閉羽根26aの開閉パターンが異なる。すなわち、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞することがほとんど期待できないほど極端に短い時間(300ms)だけ、開閉羽根26aが開放されるパターンと、300msよりは長い時間であって、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞することが少し期待できるくらいの長さ時間(1000ms)だけ、開放されるパターンが用意されている。そして、大入賞口装置27が配置されている流路上には、作動ゲート28及び第2始動入賞口26が配置されている。さらには、通常状態において最初に付与される大当り遊技は、通常、15ラウンド又は7ラウンドの大当り遊技であり、大入賞口装置27へ向かって遊技球を長い間発射されることとなる。このため、通常状態において最初に付与される大当り遊技中、大入賞口装置27へ入賞させるように遊技球を発射させた場合には、作動ゲート28を通過し、開閉羽根26aの開放時に第2始動入賞口26へ入賞する可能性が高い。以上のことから、通常状態において(すなわち、第2特図始動保留記憶数がない状態において)最初に付与される大当り遊技中に、第2始動入賞口26へ複数球入賞させることが可能となる。このため、大当り遊技終了直後から、第2特図始動保留球に基づく大当り判定を実行させることができる。
以上により、本実施形態では、普通図柄表示器24が、普図ゲームを表示する普通図柄表示手段となる。また、作動ゲート28が、普図ゲームの始動条件を付与する普通図柄始動手段となる。また、主制御基板30のRAM30cが、第1特図始動保留記憶数(第1始動保留球)及び第2特図始動保留記憶数(第2始動保留球)を記憶する保留記憶手段となる。また、メインCPU30aが、普図ゲームを実行させる普通図柄制御手段となる。また、メインCPU30aが、普通当り判定手段(普通図柄当り抽選手段)となる。また、メインCPU30aが、開閉羽根26a(開閉機構)を開放させる開閉制御手段となる。
また、図14〜図16の特別図柄開始処理のステップS21,S34が大当り抽選(大当り判定)となり、ステップS39が小当り抽選(小当り判定)となり、これらの大当り抽選及び小当り抽選を行うメインCPU30aが、当り抽選手段となる。なお、当り抽選手段は、大当り抽選手段(大当り判定手段)と小当り抽選手段(小当り判定手段)から構成される。さらに大当り抽選手段は、第1図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの第1大当り抽選を行う第1大当り抽選手段と、第2図柄変動ゲームが大当りとなるか否かの第2大当り抽選を行う第2大当り抽選手段とからなる。また、図14〜図16の特別図柄開始処理のステップS23,S36の大当り図柄を決定する処理は、大当り図柄と大当り種が対応付けられていることから(図5及び図6参照)、前記ステップS23,S36の処理を行うメインCPU30aが、大当り種決定手段(第1大当り種決定手段と第2大当り種決定手段からなる)となる。また、前述した大当り遊技に係る制御、及び小当り遊技に係る制御を行うメインCPU30aが、大当り遊技付与手段、小当り遊技付与手段、及び抽選確率状態設定手段となる。また、本実施形態では、変動パターンを決定するメインCPU30aが、図柄変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段となる。また、本実施形態では、第1特図表示器23aで第1図柄変動ゲームを実行させるとともに、第2特図表示器23bで第2図柄変動ゲームを実行させるメインCPU30aが、ゲーム制御手段となる。また、本実施形態では、リーチ判定を行うメインCPU30aが、リーチ判定手段となる。
次に、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。統括CPU31aは、メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、それに応じて各種処理を実行するとともに、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
最初に、図柄変動ゲーム、大当り遊技及び小当り遊技に係る処理を説明する。
統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンド(特別図柄1指定コマンド、及び特別図柄2指定コマンド)を入力すると、指示された変動パターン及び指示された特別図柄(最終停止図柄)に基づき、演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定する。また、メインCPU30aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。さらに、統括CPU31aは、特別図柄として大当り図柄が指定されると、当該大当り図柄に対応する大当り遊技の種類に基づき、大当り遊技の具体的な演出内容(例えば、昇格演出の演出内容)を決定し、各制御基板32〜34に決定した大当り遊技の具体的な演出内容を指示する。また、統括CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、各制御基板32〜34にオープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドをそれぞれ出力する。
以下、これらの詳しい処理について説明する。
まず、図柄変動ゲーム終了時に、演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせ(以下、単に確定図柄と示す)を決定するための処理について説明する。本実施形態の統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指示された特別図柄に基づき、図柄変動ゲームの終了時、演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定するようになっている。飾り図柄の図柄組み合わせを決定した統括CPU31aは、決定した飾り図柄の図柄組み合わせを指示する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
具体的には、統括CPU31aは、特別図柄1指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「7」に対応する特別図柄1(15R確変大当りに対応する特別図柄A)の場合には、確定図柄として、15R確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせ(飾り図柄)を決定する。なお、本実施形態において、特別図柄1に対応する15R確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせは、[777]となっている。また、統括CPU31aは、特別図柄1指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「1」〜「6」に対応する特別図柄1(15R確変大当りに対応する特別図柄A)、及び図柄番号「31」〜「36」に対応する特別図柄1(7R確変大当りに対応する特別図柄B)の何れかの場合には、確定図柄として、7R確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせ(飾り図柄)を決定する。なお、本実施形態において、7R確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせは、[111]、[333]及び[555]となっており、統括CPU31aは何れか1つを決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄1指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「8」〜「30」に対応する特別図柄1(15R確変大当りに対応する特別図柄A)、及び図柄番号「37」〜「59」に対応する特別図柄1(15R非確変大当りに対応する特別図柄C)の場合には、確定図柄として、15R非確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせ(飾り図柄)を決定する。なお、本実施形態において、15R非確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせは、[222]、[444]、[666]及び[888]となっており、統括CPU31aは何れか1つを決定する。
また、統括CPU31aは、特別図柄2指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「1」に対応する特別図柄2(15R確変大当りに対応する特別図柄a)の場合には、確定図柄として、15R確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせ(飾り図柄)を決定する。なお、本実施形態において、特別図柄2に対応する15R確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせは、[111]、[333]、[555]及び[777]となっており、統括CPU31aは何れか1つを決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄2指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「2」〜「6」に対応する特別図柄2(2R確変大当りに対応する特別図柄b)、及び図柄番号「7」〜「16」に対応する特別図柄2(2R非確変大当りに対応する特別図柄c)の何れかの場合には、確定図柄として、確変示唆の図柄組み合わせ(飾り図柄)を決定する。なお、本実施形態において、確変示唆の図柄組み合わせは、[121]、[343]、[565]及び[787]となっており、統括CPU31aは何れか1つを決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄2指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「17」〜「21」に対応する特別図柄2(小当りに対応する特別図柄y)の場合には、確定図柄として、確変示唆の図柄組み合わせ(飾り図柄)を決定する。なお、本実施形態において、小当りの場合に決定する確変示唆の図柄組み合わせは、前述した2R確変大当り及び2R非確変大当りの場合と同様の図柄組み合わせとなっている。
また、統括CPU31aは、特別図柄1指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「0」に対応する特別図柄1(はずれに対応する特別図柄)の場合であって、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、確定図柄として、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。同様に、統括CPU31aは、特別図柄2指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「0」に対応する特別図柄2(はずれに対応する特別図柄)の場合であって、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、確定図柄として、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄1指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「0」に対応する特別図柄1(はずれに対応する特別図柄)の場合であって、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合、確定図柄として、はずれの図柄組み合わせを決定する。同様に、統括CPU31aは、統括CPU31aは、特別図柄2指定コマンドにより指示された特別図柄が、図柄番号「0」に対応する特別図柄2(はずれに対応する特別図柄)の場合であって、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合、確定図柄として、はずれの図柄組み合わせを決定する。
次に、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンにしたがって図柄変動ゲームの演出内容を決定する処理、及び演出モードに係る処理を説明する。
統括CPU31aは、現在の演出モードを示すモード判別フラグをRAM31cに記憶保持するとともに、図柄変動ゲームの開始毎にモード判別フラグの設定値に基づき演出モードを指示するモード指示コマンドを表示制御基板32のサブCPU32aに出力する。具体的に言えば、モード判別フラグが「通常モードM1」を示す場合は通常モードM1を指示するモード指示コマンドを出力し、モード判別フラグが「高確確定モードM2」を示す場合は高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力し、モード判別フラグが「高確潜伏モードM3」を示す場合は高確潜伏モードM3を指示するモード指示コマンドを出力する。また、統括CPU31aは、演出モードを変更する毎にモード判別フラグの設定値を書き換え、RAM31cに上書き記憶する。なお、統括CPU31aは、モード判別フラグの設定値を書き換えた場合、書き換え後の演出モードを指示するモード指示コマンドを出力する。
統括CPU31aは、メインCPU30aが出力する確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンドを入力し、これらのコマンドの指示内容をRAM31cに記憶するとともに、その記憶内容から現在の遊技状態を把握する。また、統括CPU31aは、図柄変動ゲームの開始毎にメインCPU30aが出力する特別図柄指定コマンドで指示された特別図柄種から当り種(大当りと小当り)を把握するとともに、特別図柄1及び特別図柄2の何れの特別図柄に基づく図柄変動ゲームの開始であるかを把握する。そして、統括CPU31aは、現在の遊技状態と、モード判別フラグの設定値と、特別図柄種をもとに、演出モードを変更するか否かの判定と変更する場合には移行先の演出モードを決定する。なお、統括CPU31aは、現在の遊技状態と、モード判別フラグの設定値と、特別図柄種をもとに、今から実行させる図柄変動ゲームが、「通常状況」時に実行されるのか、それとも「特殊状況」時に実行されるのかも把握する。
以下、特別図柄種と状況毎に、統括CPU31aが、変動パターンに基づき具体的な演出内容を決定する処理を図9〜図12にしたがって説明する。
最初に、特別図柄種を「特別図柄1」とし、状況を「通常状況」とした場合の処理を図9にしたがって説明する。
この場合、統括CPU31aは、各変動パターンP1〜P12についてサブ振分けがなされていないので、指示された変動パターンに対して一義的に対応付けられた演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。
次に、特別図柄種を「特別図柄2」とし、状況を「通常状況」とした場合の処理を図10及び図11にしたがって説明する。
この場合、統括CPU31aは、変動パターンP152〜P156,P160についてサブ振分けがなされていないので、指示された変動パターンに対して一義的に対応付けられた演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。
また、統括CPU31aは、サブ振分けがなされている変動パターンP148,P149の演出内容を決定する場合、モード判別フラグの設定値を確認する。そして、統括CPU31aは、モード判別フラグの設定値が「高確潜伏モードM3(CT)」を示す内容である場合には、高確潜伏モードM3用の演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。一方、統括CPU31aは、モード判別フラグの設定値が「高確確定モードM2(BT)」を示す内容である場合には、高確確定モードM2用の演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。例えば、統括CPU31aは、変動パターンP157が指示された時の演出モードが「高確確定モードM2」の場合、「演出内容Z2c」を決定し、「演出内容Z2c」を指示する演出内容指示コマンドを出力する。
本実施形態では、高確確定モードM2用の演出内容と高確潜伏モードM3用の演出内容は、それぞれのモード演出に見合った演出内容で構成されている。このため、これらの変動パターンP157〜P159,P161が指示された場合には、現在の演出モードと当該演出モード中に行われる図柄変動ゲームの演出内容が合致するように、モード判別フラグによる演出モードを確認した上で演出内容を決定している。なお、サブ振分けを行った場合は、1つの変動パターンに対して複数の演出内容を対応付けることができるので、変動パターンと演出内容を1対1の関係(一義的)で対応付ける場合に比して変動パターン数の増加を抑制できるとともに、演出内容のバリエーションを増加させることができる。そして、本実施形態のように、1つの変動パターンに対して異なる演出モードの演出内容をサブ振分けする場合は、前述したように演出モードと演出内容を合致させる必要があることから、モード判別フラグによる演出モードの確認処理が必要となる。
次に、特別図柄種を「特別図柄1」とし、状況を「特殊状況」とした場合の処理を図12(a)にしたがって説明する。
この場合、統括CPU31aは、変動パターンP147,P150,P151についてサブ振分けがなされていないので、指示された変動パターンに対して一義的に対応付けられた演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。
また、統括CPU31aは、サブ振分けがなされている変動パターンP157〜P159,P161の演出内容を決定する場合、モード判別フラグの設定値を確認する。そして、統括CPU31aは、モード判別フラグの設定値が「高確潜伏モードM3(CT)」を示す内容である場合には、高確潜伏モードM3用の演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。一方、統括CPU31aは、モード判別フラグの設定値が「高確確定モードM2(BT)」を示す内容である場合には、高確確定モードM2用の演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。例えば、統括CPU31aは、変動パターンP149が指示された時の演出モードが「高確潜伏モードM3」の場合、「演出内容Z1b」を決定し、「演出内容Z1b」を指示する演出内容指示コマンドを出力する。
次に、特別図柄種を「特別図柄2」とし、状況を「特殊状況」とした場合の処理を図12(b)にしたがって説明する。
この場合、統括CPU31aは、変動パターンP162〜P165についてサブ振分けがなされていないので、指示された変動パターンに対して一義的に対応付けられた演出内容を決定し、その決定した演出内容を指示する演出内容指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。
次に、演出モードの制御を説明する。
最初に、図7に示す「通常状況」時における演出モードの制御を説明する。
通常モードM1(「低確+時短なし」)の滞在中に、図柄番号「7」に対応する特別図柄1(15R確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、通常モードM1の滞在中に、図柄番号「8」〜「30」及び図柄番号「37」〜「59」の何れかに対応する特別図柄1(15R確変大当り、15R非確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」及び「高確潜伏モードM3」の何れかを決定する。この決定は、図21(a)に示す移行先モード振分けテーブルにしたがって行う。
図21(a)に示す移行先モード振分けテーブルによれば、23分の13の振分けで移行先として「高確確定モードM2」が決定され、23分の10の振分けで移行先として「高確潜伏モードM3」が決定される。この振分けテーブルは、移行先として高確潜伏モードM3への移行率も高くなるように設定されている。このため、演出表示装置22の図柄変動ゲームにおいて15R非確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせが導出された場合は、高確潜伏モードM3へも移行し易いことから、感覚的に非確変大当りの比率が多く感じられることになる。また、内部的に15R確変大当りに決定されている場合であっても、高確潜伏モードM3へも移行し易いことから、高確潜伏モードM3における潜確率が向上し得る。また、大当り遊技中の昇格演出で導出される結果は、図21(a)の振分けにしたがうことになる。すなわち、図21(a)の振分けテーブルにしたがい、高確潜伏モードM3を決定した場合は、昇格演出において15R非確変大当り遊技を示す結果が導出され、高確確定モードM2を決定した場合は、昇格演出において15R確変大当り遊技を示す結果が導出される。移行先の演出モードを決定した統括CPU31aは、その決定結果(昇格演出の結果に相当する)を指示する移行先モード指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。
また、通常モードM1の滞在中に、図柄番号「1」〜「6」及び図柄番号「31」〜「36」の何れかに対応する特別図柄1(15R確変大当り、7R確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、統括CPU31aは、大当り遊技中の昇格演出で導出する結果を決定し、その決定結果を指示する昇格演出指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。なお、統括CPU31aは、図柄番号「1」〜「6」に対応する特別図柄1が指示されている場合、昇格演出で導出する結果を、15R確変大当りであることを示す内容に決定する。一方、統括CPU31aは、図柄番号「31」〜「36」に対応する特別図柄1が指示されている場合、昇格演出で導出する結果を、7R確変大当りであることを示す内容に決定する。
次に、高確確定モードM2及び高確潜伏モードM3の滞在中の制御を説明する。
高確確定モードM2(「高確+時短あり」)の滞在中に、図柄番号「1」に対応する特別図柄2(15R確変大当り)を指示する特別図柄2指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、高確確定モードM2の滞在中に、図柄番号「2」〜「6」、図柄番号「7」〜「16」、及び図柄番号「17」〜「21」の何れかに対応する特別図柄2(2R確変大当り、2R非確変大当り、小当り)を指示する特別図柄2指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確潜伏モードM3」を決定する。そして、統括CPU31aは、当り遊技(大当り遊技と小当り遊技)の終了後に高確潜伏モードM3を指示するモード指示コマンドを出力する。
また、高確潜伏モードM3(「高確+時短あり」又は「低確+時短あり」)の滞在中に、図柄番号「1」に対応する特別図柄2(15R確変大当り)を指示する特別図柄2指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。
また、高確潜伏モードM3の滞在中に、図柄番号「2」〜「6」、図柄番号「7」〜「16」、及び図柄番号「17」〜「21」の何れかに対応する特別図柄2(2R確変大当り、2R非確変大当り、小当り)を指示する特別図柄2指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、復活抽選を行う。復活抽選において統括CPU31aは、図柄番号「2」〜「6」に対応する特別図柄2(2R確変大当り)の場合、「高確確定モードM2へ移行」及び「高確潜伏モードM3を維持」の何れかを決定する。そして、統括CPU31aは、「高確確定モードM2へ移行」に当選したならば、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定し、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。一方、統括CPU31aは、「高確潜伏モードM3を維持」に当選したならば、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確確定モードM3」を決定し、大当り遊技の終了後に高確潜伏モードM3を指示するモード指示コマンドを出力する。
また、復活抽選において統括CPU31aは、図柄番号「7」〜「16」に対応する特別図柄2(2R非確変大当り)の場合、「高確潜伏モードM3を維持」のみを決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確潜伏モードM3」を決定し、大当り遊技の終了後に高確潜伏モードM3を指示するモード指示コマンドを出力する。また、復活抽選において統括CPU31aは、図柄番号「17」〜「21」に対応する特別図柄2(小当り)の場合、現在の遊技状態が「確変状態(高確)」であれば、「高確確定モードM2へ移行」及び「高確潜伏モードM3を維持」の何れかを決定する。そして、統括CPU31aは、「高確確定モードM2へ移行」に当選したならば、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定し、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。一方、復活抽選において統括CPU31aは、図柄番号「17」〜「21」に対応する特別図柄2(小当り)の場合、現在の遊技状態が「非確変状態(低確)」であれば、「高確潜伏モードM3を維持」のみを決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確潜伏モードM3」を決定し、大当り遊技の終了後に高確潜伏モードM3を指示するモード指示コマンドを出力する。
また、高確潜伏モードM3の滞在中、統括CPU31aは、高確潜伏モードM3の終了条件が成立したか否かを判定する。具体的に言えば、大当り遊技の終了後からの図柄変動ゲームの実行回数をカウントし、そのカウント値が所定回数(100回)に達したか否かを判定する。そして、統括CPU31aは、終了条件が成立した場合、その終了条件が成立した図柄変動ゲームの次の図柄変動ゲームからの演出モードを決定する。この決定において統括CPU31aは、現在の遊技状態が「確変状態(高確)」であれば、「高確確定モードM2」を決定し、図柄変動ゲームの終了後(又は次の図柄変動ゲームの開始時)に、高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。一方、統括CPU31aは、現在の遊技状態が「非確変状態(低確)」であれば、「通常モードM1」を決定し、図柄変動ゲームの終了後(又は次の図柄変動ゲームの開始時)に、高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。
次に、図8に示す「特殊状況」時における演出モードの制御を説明する。
以下の説明では、前述した図7に示す「通常状況」時における演出モードの制御と同一制御内容については、その重複する説明を省略又は簡略する。
通常モードM1(「低確+時短なし」)の滞在中に、図柄番号「1」に対応する特別図柄2(15R確変大当り)を指示する特別図柄2指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、通常モードM1の滞在中に、図柄番号「2」〜「6」、及び図柄番号「7」〜「16」の何れかに対応する特別図柄2(2R確変大当り、2R非確変大当り)を指示する特別図柄2指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「高確潜伏モードM3」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確潜伏モードM3を指示するモード指示コマンドを出力する。また、通常モードM1の滞在中に、図柄番号「17」〜「21」に対応する特別図柄2(小当り)を指示する特別図柄2指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後の演出モードとして「通常モードM1」を決定する。そして、統括CPU31aは、小当り遊技の終了後に通常モードM1を指示するモード指示コマンドを出力する。
また、高確確定モードM2(「高確+時短あり」)の滞在中に、図柄番号「7」に対応する特別図柄1(15R確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、高確確定モードM2の滞在中に、図柄番号「8」〜「30」及び図柄番号「37」〜「59」の何れかに対応する特別図柄1(15R確変大当り、15R非確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」及び「高確潜伏モードM3」の何れかを決定する。この決定は、図21(b)に示す移行先モード振分けテーブルにしたがって行う。
図21(b)に示す移行先モード振分けテーブルによれば、23分の7の振分けで移行先として「高確確定モードM2」が決定され、23分の16の振分けで移行先として「高確潜伏モードM3」が決定される。この振分けテーブルは、移行先として高確確定モードM2よりも高確潜伏モードM3への移行率が高くなるように設定されている。本実施形態では、高確確定モードM2の滞在中に、図柄番号「8」〜「30」及び図柄番号「37」〜「59」の特別図柄1に基づく大当りが「特殊状況」で発生すると、図12(a)に示すように、「通常状況」では選択されない変動パターンP151(特殊時専用変動)に基づく図柄変動ゲームが行われる。このため、「通常状況」とは異なる演出内容で行われる特殊状況下では、滞在中している高確確定モードM2中の通常状況下での演出内容とのバランスを図り得るように、高確潜伏モードM3への移行率を高めている。
なお、大当り遊技中の昇格演出で導出される結果は、図21(b)の振分けにしたがうことになる。すなわち、図21(b)の振分けテーブルにしたがい、高確潜伏モードM3を決定した場合は、昇格演出において15R非確変大当り遊技を示す結果が導出され、高確確定モードM2を決定した場合は、昇格演出において15R確変大当り遊技を示す結果が導出される。移行先の演出モードを決定した統括CPU31aは、その決定結果(昇格演出の結果に相当する)を指示する移行先モード指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。
また、高確確定モードM2の滞在中に、図柄番号「1」〜「6」及び図柄番号「31」〜「36」の何れかに対応する特別図柄1(15R確変大当り、7R確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、統括CPU31aは、大当り遊技中の昇格演出で導出する結果を決定し、その決定結果を指示する昇格演出指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。なお、統括CPU31aは、図柄番号「1」〜「6」に対応する特別図柄1が指示されている場合、昇格演出で導出する結果を、15R確変大当りであることを示す内容に決定する。一方、統括CPU31aは、図柄番号「31」〜「36」に対応する特別図柄1が指示されている場合、昇格演出で導出する結果を、7R確変大当りであることを示す内容に決定する。
また、高確潜伏モードM3(「高確+時短あり」又は「低確+時短あり」)の滞在中に、図柄番号「7」に対応する特別図柄1(15R確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、高確確定モードM2の滞在中に、図柄番号「8」〜「30」及び図柄番号「37」〜「59」の何れかに対応する特別図柄1(15R確変大当り、15R非確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」及び「高確潜伏モードM3」の何れかを決定する。この決定は、高確確定モードM2の滞在中と同様に、図21(b)に示す移行先モード振分けテーブルにしたがって行う。
また、高確潜伏モードM3の滞在中に、図柄番号「1」〜「6」及び図柄番号「31」〜「36」の何れかに対応する特別図柄1(15R確変大当り、7R確変大当り)を指示する特別図柄1指定コマンドを入力すると、統括CPU31aは、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードM2」を決定する。そして、統括CPU31aは、大当り遊技の終了後に高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを出力する。また、統括CPU31aは、高確確定モードM2の滞在中と同様に、大当り遊技中の昇格演出で導出する結果を決定し、その決定結果を指示する昇格演出指示コマンドを、各制御基板32〜34に出力する。
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、モード指示コマンドを入力すると、指定された演出モードをRAM32cに設定する。そして、サブCPU32aは、指示された演出モードに対応する遊技状態報知画像を演出表示装置22に画像表示させる。具体的に言えば、サブCPU32aは、通常モードM1を指示するモード指示コマンドを入力すると、遊技状態報知画像として通常状態時演出を画像表示させる。また、サブCPU32aは、高確確定モードM2を指示するモード指示コマンドを入力すると、遊技状態報知画像として確変確定演出(高確率確定演出)を画像表示させる。確変確定演出は、例えば「確変中」などの文字画像の表示によって行われ、遊技者が確変状態であることを確定的に認識し得る内容で構成されている。また、サブCPU32aは、高確潜伏モードM3を指示するモード指示コマンドを入力すると、遊技状態報知画像として確変潜伏演出(高確率潜伏演出)を画像表示させる。確変潜伏演出は、例えば「チャンスタイム中」などの文字画像の表示によって行われ、遊技者が確変状態であるか否かを確定的に認識し得ない内容で構成されている。本実施形態では、統括CPU31aとサブCPU32aにより、示唆演出実行制御手段が構成される。
また、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンド及び演出内容指示コマンドを入力すると、これらのコマンドの指示内容に基づき、飾り図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した飾り図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを演出表示装置22に確定停止表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。この制御により、演出表示装置22では図柄変動ゲームが行われる。本実施形態では、サブCPU32aが、ゲーム制御手段となる。
また、サブCPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。このとき、サブCPU32aは、移行先モード指示コマンドや昇格演出指示コマンドを入力している場合、大当り遊技中の所定時期に昇格演出による結果を導出させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。これにより、演出表示装置22では、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出がそれぞれ実行される。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)メインCPU30aは、第1特図始動保留記憶数(第1始動保留球)に基づく大当り判定の判定結果が肯定となった場合、すなわち、第1図柄変動ゲームにて大当りとなった場合、15ラウンド又は7ラウンドの大当り遊技のいずれかを付与することを決定する。一方、メインCPU30aは、第2特図始動保留記憶数(第2始動保留球)に基づく大当り判定の判定結果が肯定となった場合、すなわち、第2図柄変動ゲームにて大当りとなった場合、15ラウンド又は2ラウンドの大当り遊技のいずれかを付与することを決定する。このため、大当り遊技のなかで一番大入賞口装置27の開放時間が短い2ラウンドの大当り遊技は、第1特図始動保留記憶数に基づく大当り判定の判定結果が肯定となった場合に付与されることがない。
そして、第1始動入賞口25は、遊技者から見て表示枠体21(演出表示装置22)の左側を通る遊技球の流路上に配置され、第2始動入賞口26は、遊技者から見て表示枠体21の右側を通る遊技球の流路上に配置される。そして、第2始動入賞口26は、大当り遊技が付与されて、入球率向上状態が付与されない限り、開閉羽根26aの開閉機会が少なく、また開放しても開放時間が短いため、入賞させにくい構成となっている。このため、普通、遊技者は、通常状態において、最初に第1始動入賞口25を狙って第1始動入賞口25が配置されている側の流路に遊技球を射出するようになっており、第2図柄変動ゲームよりも第1図柄変動ゲームが実行される可能性が高くなっている。従って、通常状態において、最初に付与される大当り遊技は、第1特図始動保留記憶数に基づく大当り判定の判定結果が肯定となって、15ラウンド又は7ラウンドの大当り遊技のいずれかが付与される可能性が高くなり、多数の賞球を期待することができる。すなわち、当たったにもかかわらず、図柄変動ゲームを継続するために遊技球を追加しなければならなくなる事態を少なくすることができ、遊技を継続する意欲を持たせることができる。
(2)また、入球率向上状態が付与されているときには、普図当り遊技時の開閉羽根26aの合計開放時間が長くなっており、また、開閉羽根26aが開放しているときには、開閉羽根26aの働きより開閉羽根26aが備えられていない第1始動入賞口25よりも遊技球を入賞させやすい。また、第2始動入賞口26は、確変状態が複数の大当り遊技に亘って連続して付与される場合には、15ラウンドの大当り遊技が付与されやすく、第1始動入賞口25にて大当りとなるよりも短時間で多数の賞球を得られやすい。このため、入球率向上状態が付与されているときには、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞するように、表示枠体21の右側を通る流路へ遊技球を発射させることができる。さらには、第2図柄変動ゲームにて2R非確変大当り遊技が付与された場合であっても、第2図柄変動ゲームでは見た目上区別できない2R確変大当り遊技が付与されるように構成されているため、遊技者は2R非確変大当り遊技終了後であっても確変状態が付与されていることを期待して遊技を継続することができる。このように入球率向上状態が付与されているか否かによって遊技球を発射する方向、付与される大当り遊技の種類や、ゲーム性を変化させることができるため、遊技者が遊技に飽きることを防止し、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)入球率向上状態が付与されていない場合、普図ゲームの演出時間を特定する普図変動パターンが複数種類の中から決定される。また、入球率向上状態が付与されていないときに、普図当り遊技が付与される場合、普通図柄の当り図柄の種類に応じて、開閉羽根26aが開放される開放時間が、異なるように設定される。このため、遊技者は、いつ普通図柄変動ゲームが終了するか予想することができず、また、普通図柄変動ゲーム終了後、開閉羽根26aが開放される開放時間を予想することができない。従って、入球率向上状態が付与されていない場合、第2始動入賞口26の開閉羽根26aが開放しているときを狙って遊技球を射出することが困難となる。すなわち、通常状態中、遊技者に第1始動入賞口25を狙わせて遊技球を射出させることができる。このため、通常状態において、最初に付与される大当り遊技を、第1特図始動保留記憶数に基づく大当り判定の判定結果が肯定となって付与される大当り遊技とすることができる。すなわち、15ラウンド又は7ラウンドの大当り遊技のいずれかを付与することができる。
(4)作動ゲート28は、第2始動入賞口26が配置されている右側の流路上に配置されている。このため、第2始動入賞口26を開放状態とするために、遊技球の射出方向を変更しなくても良くなる。
(5)第2図柄変動ゲームでは、2R確変大当り遊技が付与される場合がある。これにより、2R非確変大当り遊技が付与されても、確変状態が付与されているのではないかと思わせ、遊技を継続させることができる。また、第2図柄変動ゲームでは、小当り遊技が付与される場合がある。これにより、小当り遊技が付与されても、確変状態が付与されているのではないかと思わせ、遊技を継続させることができる。
(6)第1始動入賞口25は、遊技者から見て表示枠体21の左側を通る遊技球の流路上に配置され、第2始動入賞口26は、遊技者から見て表示枠体21の右側を通る遊技球の流路上に配置されている。そして、作動ゲート28及び大入賞口装置27は、第2始動入賞口26が配置されている側(すなわち、表示枠体21の右側)の流路上に配置されている。また、メインCPU30aは、入球率向上状態が付与されていない場合及び大当り遊技が付与されている場合、普図ゲーム終了後、開放時間が異なる複数種類(本実施形態では2種類)の開放パターンにて第2始動入賞口26の開閉羽根26aを開放させる。そして、メインCPU30aは、入球率向上状態が付与されていない通常状態中又は大当り遊技中、普通図柄変動ゲームの少なくとも演出時間を特定する普図変動パターンを、複数種類の普図変動パターンの中から決定する。このため、入球率向上状態中、普図ゲームの演出時間が複数種類となり、また、普図当り遊技時の開閉羽根26aの開放時間が異なるため、遊技者は、開閉羽根26aが開放するタイミングを狙って遊技球を発射させることが困難となる。また、第1始動入賞口25と、作動ゲート28及び第2始動入賞口26は、異なる流路上に配置されているため、第1始動入賞口25を狙って遊技球を発射させているときに、作動ゲート28及び第2始動入賞口26に偶然入球する可能性を低くすることができる。以上により、入球率向上状態が付与されていない状態では、第2始動入賞口26に遊技球を入賞させることなく、第1始動入賞口25に遊技球を入賞させるように遊技を実行させることができる。
(7)入球率向上状態が付与されていないとき及び大当り遊技中であるとき、確定停止表示される当り図柄の種類によって開閉羽根26aの開閉パターンが異なる。すなわち、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞することがほとんど期待できないほど極端に短い時間(300ms)だけ、開閉羽根26aが開放されるパターンと、300msよりは長い時間であって、第2始動入賞口26へ遊技球が入賞することが少し期待できるくらいの長さ時間(1000ms)だけ、開放されるパターンが用意されている。そして、大入賞口装置27が配置されている流路上には、作動ゲート28及び第2始動入賞口26が配置されている。さらには、通常状態において最初に付与される大当り遊技は、通常、15ラウンド又は7ラウンドの大当り遊技であり、大入賞口装置27へ向かって遊技球を長い間発射されることとなる。このため、通常状態において最初に付与される大当り遊技中、大入賞口装置27へ入賞させるように遊技球を発射させた場合には、作動ゲート28を通過し、開閉羽根26aの開放時に第2始動入賞口26へ入賞する可能性が高い。そして、第2特図始動保留記憶数に基づき、優先的に第2図柄変動ゲームが実行されるため、大当り遊技中に第2始動入賞口26に遊技球を入賞させれば、入球率向上状態開始直後(大当り遊技終了直後)から、第1図柄変動ゲームと比較して15R確変大当り遊技が付与されやすい第2図柄変動ゲームを確実に実行させることができる。以上のように、遊技状態によって遊技球を入賞させる始動入賞口を異ならせることができる。このため、遊技店側は、通常状態中、第2始動入賞口26に遊技球が入賞させないように遊技釘を締める必要が無くなり、入球率向上状態が付与されているときに、第2始動入賞口26に遊技球が入賞させやすくなる。
(8)メインCPU30aは、普図ゲームにおいて確定停止表示させる普通図柄と関係なく、個別に普図変動パターンを決定する。これにより、普通図柄の表示結果から普通図柄変動パターンの演出時間を特定することができなくなる。
(9)メインCPU30aは、入球率向上状態が付与されている場合、予め決められた普図変動パターンを決定すると共に、普図当り遊技時に、開閉羽根26aを予め決められた開放時間(1500ms)及び開放回数(3回)で開閉させる。これにより、入球率向上状態が付与されているときには、第2始動入賞口26が開放するタイミングに合わせて遊技球を発射することができる。このため、入球率向上状態が付与されているときには、第2始動入賞口26へ入賞するように遊技球を発射させることができる。従って、入球率向上状態が付与されているか否かにより、遊技球の発射方向を変化させると共に、ゲーム性を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(10)高確確定モードM2(高確確定演出)と高確潜伏モードM3(高確潜伏演出)を備えることで、高確確定モードM2中は遊技者に当該高確確定モードM2の継続を期待させ、高確潜伏モードM3中は確変状態であるか否か(抽選確率状態が高確率抽選状態であるか否か)を遊技者に推測させる遊技性を付与し得る。そして、本実施形態では、高確確定モードM2から高確潜伏モードM3への移行条件を、2R非確変大当りへの当選、及び小当りへの当選とし、移行条件を共通化した。小当りに当選した場合、小当り遊技終了後の抽選確率状態は、小当り当選時の抽選確率状態が維持される。具体的に言えば、非確変状態(低確率抽選状態)時に小当りに当選した場合、小当り遊技終了後は非確変状態(低確率抽選状態)となり、確変状態(高確率抽選状態)時に小当りに当選した場合、小当り遊技終了後は確変状態(高確率抽選状態)となる。このため、高確確定モードM2から高確潜伏モードM3への移行条件を2R非確変大当りへの当選のみに設定すると、その2R非確変大当り遊技終了後は非確変状態(低確率抽選状態)となり、高確潜伏モードM3中は確変状態(高確率抽選状態)への期待を持てない。しかし、高確確定モードM2から高確潜伏モードM3への移行条件の中に小当りへの当選を含めることで、高確確定モードM2中の小当りへの当選によって高確潜伏モードM3は確変状態(高確率抽選状態)となり、高確潜伏モードM3中の確変状態(高確率抽選状態)への期待を持たすことができる。したがって、高確潜伏モードM3中における確変状態(高確率抽選状態)への期待感を向上させ、遊技意欲の低下を抑制することができる。
(11)2R大当り(2R確変大当り及び2R非確変大当り)に当選した場合、これらの大当り遊技終了後は高確潜伏モードM3へ移行させることになり、高確潜伏モードM3中は、大当り種に応じて確変状態(高確率抽選状態)及び非確変状態(低確率抽選状態)の何れかとなる。そして、前述したように、高確確定モードM2中は小当りへの当選によっても、小当り遊技終了後は高確潜伏モードM3へ移行する。このため、高確潜伏モードM3への移行条件は、2R確変大当りへの当選、2R非確変大当りへの当選、高確確定モードM2中の小当りへの当選となり、高確潜伏モードM3中における確変状態(高確率抽選状態)の潜伏率が向上され、確変状態(高確率抽選状態)への期待感を向上させることができる。すなわち、高確確定モードM2からの移行先である高確潜伏モードM3中の確変状態の潜伏率を向上させることで、高確確定モードM2から高確潜伏モードM3へ移行したとしても、遊技者の遊技意欲を損なわせることがない。
(12)図柄変動ゲームの演出内容からは、2R大当り(2R確変大当り、2R非確変大当り)に当選したのか、小当りに当選したのかを遊技者が判別できず、高確潜伏モードM3中において非確変状態(低確率抽選状態)であるのか、確変状態(高確率抽選状態)であるのかを推測させる楽しみを付与することができる。
(13)開閉羽根26aの動作状態からは、2R大当り(2R確変大当り、2R非確変大当り)に当選したのか、小当りに当選したのかを遊技者が判別できず、高確潜伏モードM3中において非確変状態(低確率抽選状態)であるのか、確変状態(高確率抽選状態)であるのかを推測させる楽しみを付与することができる。
(14)復活抽選を設けることで、高確潜伏モードM3中の2R確変大当りへの当選、及び小当りへの当選によって、確変状態(高確率抽選状態)であることを認識し得る高確確定モードM2へ移行する可能性があり、高確潜伏モードM3中における遊技者の興趣を向上させることができる。
(15)高確潜伏モードM3の終了条件が成立した時に確変状態(高確率抽選状態)であれば、高確潜伏モードM3から高確確定モードM2へ再び移行される。このため、高確潜伏モードM3の終了後、確変状態(高確率抽選状態)であることを知らないまま遊技を継続、又は遊技を止めてしまうというような事態の発生を抑制できる。すなわち、確変状態のまま通常モードM1へ移行することがなく、高確潜伏モードM3から通常モードM1へ移行した場合には非確変状態であることを認識した上で遊技を継続するか否かを遊技者に判断させることができる。
(16)本実施形態では、高確確定モードM2中にバトル演出を行う。この場合、図8に示すような特殊状況時に非確変大当りを含む特別図柄1で大当りに当選すると、図柄変動ゲームの内容と大当り遊技の内容とが合致しない場合が生じ得る。例えば、高確確定モードM2中に特別図柄2の15R確変大当りに当選すれば、図柄変動ゲームのバトル演出に勝利し、かつ15ラウンド分の賞球も得られる。しかし、高確確定モードM2中に特別図柄1の15R非確変大当りに当選すると、バトル演出では敗北するが、15ラウンド分の賞球を得られることになる。このため、通常状況時での高確確定モードM2中の演出を維持できなくなってしまう。したがって、このような場合に、図12(a)に示す変動パターンP150,P151を設ければ、特殊状況時専用の演出が行われ、通常状況下で行われる高確確定モードM2中の演出を維持することができる。
(17)第2特図始動保留記憶数(第2始動保留球)に基づく変動は、第1特図始動保留記憶数(第1始動保留球)に基づく変動よりも優先して行われることになる。このような構成において、入球率向上状態が付与されていない時に、第2特図始動保留記憶数に基づくはずれ表示結果を導出する変動が行われる場合には、その変動でリーチを形成することなく短時間で終了させ(無駄に長い変動を実行させない)、第1特図始動保留記憶数に基づく大当り抽選を優先させることができる。その一方で、入球率向上状態が付与されている時に、第1特図始動保留記憶数に基づくはずれ表示結果を導出する変動が行われる場合には、その変動時間を長くし、第2始動入賞口26へ遊技球を入球させる機会を作り、第2特図始動保留記憶数に基づく大当り抽選を優先させることができる。したがって、開閉羽根26aを備えない第1始動入賞口25と開閉羽根26aを備えた第2始動入賞口26を設け、複数の特別図柄による図柄変動ゲームを行わせる場合において、入球率向上状態の有利性を十分に発揮させることができる。
(18)モード判別フラグを確認して演出内容を決定する。このため、遊技状態を維持したままモード移行を行うような場合であっても、移行先の演出モードに応じて図柄変動ゲームの演出内容を選択することができる。このため、図柄変動ゲームの演出内容からは遊技状態の判別が困難である。したがって、遊技状態を推測する遊技性を遊技者に楽しませることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態において、大当り遊技の種類を増減させても良い。具体的には、ラウンド遊技数を変更したり、確変状態及び入球率向上状態の有無、付与回数を変更したりしてもよい。例えば、時短状態が付与される7ラウンドの大当り遊技を設けても良い。また、大入賞口装置27の開閉動作回数を変更しても良い。例えば、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置27を4回、開閉動作させるようにしても良い。
○ 上記実施形態において、ラウンド遊技の規定ラウンド数、大入賞口装置27の1回の開閉動作に係る時間、ラウンド遊技時間を変更しても良い。
○ 上記実施形態では、演出表示装置22を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
○ 上記実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 上記実施形態において、メインCPU30aは、入球率向上状態が付与されている場合、普図ゲームの演出時間を予め決められた時間に設定すると共に開閉羽根26aの開放パターンを予め決められたパターンに設定した。この別例として、メインCPU30aは、入球率向上状態が付与されている場合、普図ゲームの演出時間を複数種類の演出時間の中から決定すると共に開閉羽根26aの開放パターンを複数種類の中から決定しても良い。
○ 上記実施形態では、第1始動入賞口25を表示枠体21の左側の流路に配置し、第2始動入賞口26、作動ゲート28及び大入賞口装置27を表示枠体21の右側の流路に配置したが、反対にしても良い。
○ 上記実施形態では、メインCPU30aは、入球率向上状態が付与されていないときに、普図当り遊技が付与される場合、普通図柄の当り図柄の種類に応じて、開閉羽根26aが開放される開放時間を変更したが、開放時間及び開放回数を変更するようにしてもよい。また、開放回数だけを変更しても良い。
○ 実施形態において、演出モード数を増やしても良い。
○ 実施形態において、15R非確変大当り遊技を省略しても良い。
○ 実施形態において、15R確変大当り、7R確変大当り、及び2R確変大当りに当選した場合の入球率向上状態の条件を、「次回大当りまで」に変更しても良い。
○ 実施形態において、高確潜伏モードM3の終了条件が成立した際に、確変状態が付与されているか否かに拘わらず、通常モードM1へ移行しても良い。また、高確潜伏モードM3の終了条件が成立した際に、確変状態が付与されている場合に「高確確定モードM2へ移行」及び「通常モードM1へ移行」の何れかに当選する抽選を行い、「通常モードM1へ移行」に当選したことを契機に通常モードM1へ移行させても良い。これらの場合、通常モードM1は、確変状態が付与されている可能性が生じ得るので、確変状態が期待できる演出モードとして位置付けられることになる。
○ 実施形態において、高確潜伏モードM3中に、確変状態の期待度を示唆する確変推測用の演出を実行させても良い。例えば、演出表示装置22にキャラクタを登場させ、そのキャラクタの登場人数や登場頻度によって確変状態の期待度を示唆するようにしても良い。具体的に言えば、確変状態であればキャラクタの登場人数や登場頻度を多くし、非確変状態であればキャラクタの登場人数や登場頻度を少なくする。
○ 実施形態において、各移行先モード振分けテーブルの振分けを変更しても良い。例えば、図21(b)に示す特殊状況時の移行先モード振分けテーブルにおいて、高確確定モードM2への振分けを「0(零)」とし、特殊状況時は全て高確潜伏モードM3へ移行させるようにしても良い。
○ 実施形態において、復活抽選を省略しても良い。すなわち、高確潜伏モードM3中に2R確変大当りに当選した場合は全て高確確定モードM2へ移行させる。また、確変状態が付与されている高確潜伏モードM3中に小当りに当選した場合は全て高確確定モードM2へ移行させる。
○ 実施形態は、大当り遊技終了後に入球率向上状態が必ず付与される構成としたが、大当りの当選時における遊技状態(確変状態が付与されているか否かと、入球率向上状態が付与されているか否か)に応じて入球率向上状態を付与する場合と付与しない場合を作り出しても良い。この場合、例えば、確変状態は付与されているが、入球率向上状態は付与されていない状態を作り出すことができる。
○ 実施形態において、2R確変大当り遊技の終了後に付与する入球率向上状態に上限回数を設定し、その上限回数が終了しても大当りに当選しなかった場合、高確潜伏モードM3から通常モードM1へ移行させても良い。この場合の通常モードM1は、確変状態が付与されているが、入球率向上状態が付与されていないことになる。そして、通常モードM1は、確変状態を期待し得るモードとなり得る。なお、上限回数を設定する場合、推測の遊技性から考えると、2R非確変大当り遊技に設定される入球率向上状態の上限回数と同一上限回数であることが好ましい。
○ 実施形態は、高確潜伏モードM3において確変状態が付与されているか否か(大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態であるか否か)を完全に秘匿しているが、演出表示装置22の演出からは認識できない態様を維持しつつ、遊技盤YBに遊技状態(確変状態であるか否か)を報知する状態報知表示器を設けても良い。この状態報知表示器は、演出表示装置22の表示領域よりも遙かに小さく形成し、報知形態を抑制することが好ましい。これによれば、推測の遊技性を楽しみたい遊技者には、状態報知表示器の報知内容が目障りにならず、推測の遊技性を十分に楽しませることができる。
○ 実施形態は、第1始動入賞口25に入球した遊技球に基づく大当り抽選と、第2始動入賞口26に入球した遊技球に基づく大当り抽選において、大当りに当選した場合に付与される大当り遊技の種類を同じに設定しても良い。すなわち、第1始動入賞口25に入球した遊技球に基づく大当り抽選で大当りに当選した場合に、2R確変大当り遊技や2R非確変大当り遊技が付与されるようにしても良い。
○ 実施形態において、高確確定モードM2中に行われるバトル演出の演出内容を変更しても良い。例えば、カーレースなどでも良い。また、バトル演出の敗北を、高確確定モードM2を継続及び高確潜伏モードM3の何れかを示すものとしても良い。
○ 実施形態において、高確確定モードM2に滞在中に2R確変大当りに当選した場合、「高確確定モードM2を維持する」及び「高確潜伏モードM3へ移行する」の何れかに当選する抽選を行うようにしても良い。
10…パチンコ遊技機、21…表示枠体、22…演出表示装置、23a…第1特図表示器、23b…第2特図表示器、24…普図表示装置(普通図柄表示手段)、25…第1始動入賞口(第1始動手段)、26…第2始動入賞口(第2始動手段)、26a…開閉羽根、27…大入賞口装置、27a…大入賞口扉、28…作動ゲート、30…主制御基板、30a…メインCPU、30c…RAM、31…統括制御基板、31a…統括CPU、31b…ROM、31c…RAM、32…表示制御基板、32a…サブCPU、SE1…第1始動口センサ、SE2…第2始動口センサ、YB…遊技盤。