JP2011030544A - ハウス栽培施設 - Google Patents

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Abstract

【課題】生木等の有機物(有機廃材)を利用して、自然環境を損なうことなく効果的にハウス内を加温して野菜等の作物の栽培に好適なハウス栽培施設を提供する。
【解決手段】圃場と圃場を覆うハウス部とを備えたハウス栽培施設10であって、前記圃場には、有機物22を堆積させて収容する有機物の収容部21と、該収容部21に堆積された有機物22中に一端が差し込まれ、他端が前記有機物の堆積部から突出して設置された通気パイプ24とを備える発熱・発酵部が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、生木や草などの発酵熱を利用したハウス栽培施設に関し、間伐材等の有機廃材の有効活用を可能としたハウス栽培施設に関する。
栽培ハウスを用いた植物の栽培方法は、果樹、野菜、花卉等の生産方法として、広く行われている。寒冷地においては、栽培ハウス内を暖房し、ハウス内を植物の生育に適した温度に加温しながら栽培する方法が行われてきた。ハウス内を暖房する方法として従来行われている方法は、石油等の燃料を燃焼させて温風をハウス内に導入する方法や、温水ボイラーを用いてハウス内に温水を導入して暖房する方法である。
このような石油等の燃料を用いて栽培ハウスを加温する方法は、燃料代がかかることから生産コストに直接的に影響するという問題と、化石燃料を燃焼させてエネルギー源とすることから、二酸化炭素を排出し、自然環境に悪影響を及ぼすという問題がある。このため、灯油等の化石燃料を使用することなく栽培ハウスを加温することができ、省エネルギー化を図るとともに、自然環境に悪影響を与えることのない栽培ハウスが求められる。
栽培ハウスを化石燃料を使用することなく加温する方法として、ハウス内に有機性廃棄物、生木チップを堆積させ、有機性廃棄物や生木チップを発酵させ、その際に生じる発酵熱を利用して加温する方法が提案されている。
特開2007−6845号公報 特開2007−28928号公報 特開2002−113449号公報
栽培ハウス内を加温する方法として、有機物の発酵熱を利用してハウス内を加温する方法は、石油等の化石燃料の燃焼熱を利用してハウス内を加温する方法と比較すると、省エネルギー化を図ることができ、排気ガスも発生しないという利点を有し、有機物が堆肥化されることによって、有機廃棄物の再利用が可能となり、自然環境に悪影響を与えないものにリサイクルされるという利点がある。
しかしながら、有機物の発酵熱を利用してハウス内を加温する場合は、ハウス内を加温するに十分な熱量が取り出される必要があり、とくに寒冷地において発酵熱を利用してハウス内を加温する場合には、大きな熱量が必要となることから、効率的に発酵熱が利用できるようにする必要がある。
本発明は、有機物の発酵熱を利用して加温する栽培ハウスに関するものであり、生木等の有機物(有機廃材)を利用して、自然環境を損なうことなく効果的にハウス内を加温して野菜等の作物の栽培に好適なハウス栽培施設を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は次の構成を備える。
すなわち、圃場と圃場を覆うハウス部とを備えるハウス栽培施設であって、前記圃場には、有機物を堆積させて収容する有機物の収容部と、該収容部に堆積された有機物中に一端が差し込まれ、他端が前記有機物の堆積部から突出して設置された通気パイプとを備える発熱・発酵部が設けられていることを特徴とする。
なお、前記通気パイプとして、管壁に複数個の通気孔が開口して設けられたものを使用することによって、前記発熱・発酵部における有機物の発酵を促進させ、効率的に発熱作用を得ることができる。
また、前記圃場に掘って形成した凹穴を前記有機物の収容部とし、前記凹穴に前記有機物を堆積させて収容することにより、発熱・発酵領域を兼ねた圃場とすることができる。
前記有機物には、生木チップや、生木を5cm角程度以上の大きさのブロック状に破砕した生木ブロックを使用することができる。また、前記収容部の底に有機物として、木の根あるいは木の枝を投入し、その上にさらに有機物を堆積させて発熱・発酵部とすることができる。前記有機物に使用する生木チップ等の大きさを調節することにより、腐熟完了するまでの時間を調節して、発熱・発酵部の発熱作用が持続する時間を調節することができる。
本発明に係るハウス栽培施設によれば、有機物による発酵熱を利用する発熱・発酵部をハウス部内に配置し、通気パイプにより発熱・発酵部からの熱をハウス部内に取り入れることによって、ハウス自体の加温作用に加えて、有機物の発酵熱を効果的に利用してハウス内を加温することができ、作物を好適に栽培することができる。
ハウス栽培施設の東面方向から見た状態を示す図である。 ハウス栽培施設を南面方向から見た状態を示す図である。 圃場の平面図である。 ハウス栽培施設と圃場の断面図である。 ハウス栽培施設の作用を示す説明図である。 ハウス栽培施設の他の構成を示すハウス栽培施設の圃場の平面図である。 実験1で用いた圃場の構造を示す断面図である。 実験2におけるハウス内の温度と外気温を示すグラフである。 実験3におけるハウス内の温度と外気温、通気パイプの吹き出し口における温度を示すグラフである。
(ハウス栽培施設)
以下、本発明に係るハウス栽培施設の実施の形態について説明する。本発明に係るハウス栽培施設は圃場と圃場を覆って設けられたハウス部とからなる。
図1はハウス栽培施設10のハウス部を東面(側面)方向から見た状態、図2は、ハウス部を南面(正面)方向から見た状態を示す。ハウス部の側面、正面及び背面の壁面は、外径20cm程度の丸太材12を連設して構成されている。
ハウス部の屋根15は垂木兼用の斜め梁13と、ポリエチレンシート14により、片屋根として形成される。ポリエチレンシート14は屋根15の全面を被覆するように張られて取り付けられ、屋根15からハウス栽培施設10内に外光が導入される。ハウス栽培施設10の側面(東面)には開閉扉16が設けられている。
図3は、ハウス栽培施設10の内部を平面方向から見た状態を示す。圃場20は平面形状が長方形に形成され、丸太材12からなる側壁によって囲まれている。
本実施形態においては、丸太材12によって囲まれた内部領域を3m程度の深さに掘り込んで凹穴を形成し、この凹穴内に地面と同じ高さにまで有機廃材22を充填して圃場20としている。凹穴が本発明における有機廃材の収容部である。なお、有機廃材22には、生木をチップ化した生木チップ、生木の根、枝、古い木材をチップ化したもの、草、落ち葉等の有機物が用いられる。
有機廃材22が充填された圃場20には、所定間隔に、複数本の通気パイプ24を設置する。図示例では、縦横に一定間隔をあけ通気パイプ24を整列させて設置している。通気パイプ24の配置数、配置間隔等は、圃場20の大きさ、形状等に合わせて、適宜設定することができる。
図4は、ハウス栽培施設10を側面(東面)方向から見た断面図である。上述したように、ハウス内部に凹穴21が形成され、凹穴21に有機廃材22が充填され、有機廃材22中に鉛直方向に起立して通気パイプ24が配置されている。
通気パイプ24は10cm径程度の樹脂からなる管体の管壁に0.5〜1.0cm径程度の通気孔を、多数個設けたものである。通気パイプ24は、有機廃材22の堆積物の上から鉛直向きに堆積物中に差し込み、上端が有機廃材22の堆積物の上面から0.5〜1m程度突出させるように設置する。
通気パイプ24は凹穴21に堆積された有機廃材22中における通気を促進させるためのものである。通気パイプ24を設置する際には、通気パイプ24の内部が有機廃材22によって充填されないように、パイプ内で空気が流通するように設置する。
本実施形態においては、凹穴21の底部に、地中から掘り出した生木の根や生木の枝を所定長さに切ったままの生木26を投入し、生木26の上に有機廃材22を充填している。凹穴21の底に生木の根等を投入しているのは、凹穴21の底部における通気性を良好にするためである。
凹穴21の底部における通気性を良くするには、凹穴21の底部に通気用の空間が形成されるようにすればよい。生木の根や枝は曲がっているから、これらを凹穴21の底に投入すると、木が入り組んだ状態となって自然に空間が形成され、これらの上に生木チップや、葉、草等の有機廃材22を投入した状態で凹穴21内に空間が確保されるようになる。通気パイプ24は、投入されている生木26の上部近傍に下端が達する程度に差し込む。通気パイプ24の側面には多数個の通気孔24aが開口している。
こうして、凹穴21の底に生木26が収容され、凹穴21に生木チップや草、葉等の有機廃材22が充填され、通気パイプ24が設置された圃場20が形成される。
圃場20の有機廃材22は、土壌と同様の作用をなし、野菜のポット苗などを植えて生育させることができる。
凹穴21に堆積させる有機物としては、有機廃材22にケイフン等の肥料を加えて攪拌したものを使用してもよい。もちろん、肥料を加えずに有機廃材22のみを使用することもできる。発酵が進むとともに有機廃材22は腐敗して堆肥化し、植物の生長に好適な圃場条件となる。
生木をチップ化して得られた生木チップを堆積させて放置させると、土壌菌等の作用によって自然に発酵がはじまる。本実施形態の栽培ハウス施設は、この生木チップや草、葉等の有機物が発酵する際の発酵熱をハウス内を加温する熱源として利用する。凹穴21に収容した根や枝などの生木26も有機物であり、発酵して発酵熱を発生させる。
生木は50〜60%程度の水分を含むから、チップとした場合も、ブロック状のままでも発酵し、発酵熱を利用する有機廃材22として好適に使用できる。生木は、塗料、防腐剤等の石油精製物などを含まない点からも、作物栽培に用いる圃場材として好適である。生木は山林の造成、間伐等によって大量に発生するから有機廃材22として有効に利用できる。
なお、建築古材などは、塗料等の石油精製物、釘などの金属を含んでいる可能性があるから、作物によっては注意して使用する。
ハウス栽培による植物栽培においては、植物の生長期間を考慮すると、半年間程度にわたって加温作用が持続する必要がある。有機廃材22による発酵熱を利用するハウス栽培施設10において、発酵熱による加温作用が一定期間にわたって持続するようにするには、有機廃材22の質、量を考慮する必要がある。
生木チップは、破砕したチップの大きさにもよるが、腐熟するまでにある程度の期間を要するのに対して、草や落ち葉は短期間のうちに腐熟が完了し、発酵はしやすいものの、発熱期間は生木チップにくらべると短い。生木チップもチップが小さいと腐熟するまでの期間が短く、チップが大きくなると腐熟するまでの期間が長くなる。したがって、生木チップを有機廃材22として使用する場合は、植物の生育期間を考慮して、細かく破砕したチップと、5cmm角、10cm角程度のブロック状に破砕した生木を混合して使用するのがよい。
上記例のハウス栽培施設10の圃場20は、東西方向約10m、南北方向約6.5mの圃場領域としたものである。有機廃材22を発酵材料に使用した場合に半年あるいは1年程度にわたって発酵が持続するようにするには3m×3m×3m程度の凹穴21を掘り、この凹穴21に充填させる程度の有機廃材22の量が必要である。凹穴21の容積(容量)は、使用する有機廃材(有機物)の質にもよるが、容積を大きくすれば発酵熱を持続させる時間が長くなるし、容積を小さくすれば発酵熱の持続時間が短くなる。
凹穴21の底に投入した、生木の根株、木の枝は、ブロックの大きさにもよるが、腐熟が完了するまでに数年の単位の時間がかかる。したがって、発酵熱を持続的に得る方法としては、生木の根、枝を利用する方法が有効である。生木の根などは処分が厄介なものであるが、発酵熱を利用する有機廃材22として利用する方法であれば、処分が容易であり、自然環境に悪影響を及ぼさずに処分できるという利点がある。このように、凹穴21に投入する生木についても、その大きさ、分量がハウス内における加温の持続時間に関係するものとなる。
前述したように、凹穴21に堆積させた有機廃材22の発酵を促進させるためには、凹穴21の底部と堆積部分の内部における通気性が重要である。前述したように、凹穴21の底に生木の根や木の枝を収容しているのは、凹穴21の底部における通気性を確保するためであるが、木の根や枝は、腐熟が完了するまでに長期間を要するから、凹穴21の内部(底部)の通気を長期にわたって確保することができる。
通気パイプ24の差し込み位置を、通気パイプ24の下端が収容されている生木26の上部近傍となるようにしているのは、凹穴21の底部の通気空間に通気パイプ24が連通するようにするためである。
凹穴21の底には、場合によって水が溜まることがある。通気パイプ24の下端を凹穴21の底から離間した上方に配置しておけば、通気パイプ24の下端が水没することはなく、通気パイプ24による通気を確保することができる。
図5に、通気パイプ24による作用を示す。
有機廃材22が発酵する際には、堆積された有機廃材22の中心部もしくは底部から発酵をはじめ、有機廃材22の堆積部分の中心部あるいは底部が発酵熱によって加熱される。これによって、通気パイプ24内には温められた空気による上昇流が生じ、下方から上方への空気の流れが生じる。
通気パイプ24内において上昇流が生じると、通気パイプ24の下端の開口部、及び通気パイプ24の管壁に開口する通気孔24aから通気パイプ24内に加温されたエアが流入し、温められた空気が通気パイプ24の上部からハウス内に放出される。通気パイプ24の下端が凹穴21の底部から離間して配置され、凹穴21の底部における通気性が良好であることと相俟って、通気パイプ24には発酵熱によって温められたエアが入り込みやすくなり、通気パイプ24が導入路となって加温されたエアがハウス内に放出される。
有機廃材22の発酵は好気性菌によるから、有機廃材22内における空気の流通を良好にすることは、有機廃材22の発酵を効果的に進める上で有効である。また、通気パイプ24内に自然に上昇気流が発生することによって、ハウス内から有機廃材22中に強制的に空気が供給され、有機廃材22の発酵が持続する。
このように通気パイプ24は有機廃材22の発酵を促進させ、かつ堆積された有機廃材22から発酵熱を取り出す作用をなす。圃場20内に設置する通気パイプ24の本数は、有機廃材2に供給する空気の流通量等を考慮して選択すればよい。
本実施形態のハウス栽培施設10は、圃場20の全体が有機廃材22によって形成され、通気パイプ24を介して、有機廃材22による発酵熱がハウス内に取り込まれるから、ハウス栽培施設10自体の温室効果に加えて、有機廃材22による発酵熱によってハウス内が加温され、冬期間のように外気温が低い場合でも、ハウス栽培施設10内を植物の生育に好適な環境とすることができる。
後述するように、有機廃材22による加温作用はきわめて有効であり、寒冷地であっても石油等の化石燃料を用いることなく、ハウス栽培施設10を利用して、年間を通した植物栽培が可能となる。有機廃材22を用いる加温方法は、化石燃料を使用する場合のように、自然環境に悪影響を及ぼすことがなく、発酵後の有機廃材は堆肥として再利用することも可能であり、自然環境に負荷を与えない点においてきわめて有効である。
(ハウス栽培施設の他の例)
上述したハウス栽培施設10は、ハウス内の圃場の全域を有機廃材(有機物)22を充填する領域としたものであるが、ハウス栽培施設10の圃場の一部に有機廃材を用いた発酵・発熱部を設置することも可能である。
図6は、圃場20内の2個所に、有機廃材22を堆積した発酵・発熱部Aを設置した例である。発酵・発熱部Aの構造は、上述した実施形態におけると同様に、圃場20内に有機廃材22を堆積させて充填する凹穴を形成し、凹穴に有機廃材22を充填するとともに、有機廃材22の堆積部に通気パイプ24を差し込み、通気パイプ24の上端を有機廃材22の堆積部から突出させたものである。凹穴の底に生木の根株や木の枝を収容し、通気パイプ24の下端を凹穴の底から若干離間させて設置することも、上述した実施形態と同様である。
本実施形態のハウス栽培施設11においては、発酵・発熱部Aにおいて発酵した有機廃材22の発酵熱が通気パイプ24から取り出されてハウス内が加温される。寒冷な季節でなければ、本実施形態のように、圃場20の一部に有機廃材22を用いた発酵・発熱部を設置する方法であっても、ハウス栽培施設11の温室効果と合わせてハウス内を十分に温めることができ、植物の好適な生育環境を提供することが可能である。また、寒冷時等において、圃場20の一部に設けた発酵・発熱部Aによる加温作用のみによっては、ハウス内の温度が必要とする温度まで上がらないような場合であっても、石油等の化石燃料によってハウスを暖房する場合の補助的な加温効果は十分に得られるから、これによって燃料消費を削減することができる。
図6に示すように、圃場20の一部に有機廃材22を用いた発酵・発熱部Aを設ける場合は、持続的に発酵・発熱作用が継続するように有機廃材22を収容する凹穴の大きさを適宜設定したり、発酵・発熱部の設置位置や設置数を適宜設定すればよい。果樹栽培においては、果樹が植えられている位置に応じて、発酵・発熱部を配置することも可能である。
上記実施形態においては、圃場に凹穴21を掘り、凹穴21に有機廃材22を堆積させて収容するようにしたが、有機廃材22の発酵熱を利用する方法は、必ずしも圃場に凹穴21を形成する方法に限らない。たとえば、ハウス内の地上に有機廃材22を堆積する収容部をコンクリート等により構築し、収容部に有機廃材22を堆積し、有機廃材22を堆積した部分に通気パイプ24を差し込んで、有機廃材22による発酵熱を通気パイプ24からハウス内に取り出すようにすることもできる。収容部の側壁に堆肥の取り出し口を設けておけば、腐熟が終了した堆肥を収容部から取り出して畑等に利用することもできる。
なお、本実施形態のハウス栽培施設10は、ハウス部分の側壁を丸太材12によって構築したことにより、従来の栽培用ハウスにくらべて、ハウス内を植物の生育により適した環境にすることができる。
すなわち、丸太材12は温まりにくく、冷めにくいという特徴がある。日中において、丸太材12は熱を吸収してハウス内が過度に加熱されることを防止し、夜間には、ハウス内に熱を放出して加温させるように作用する。これによって、ハウス内の一日における温度差を小さくすることができ、ハウス内の温度環境を好適に維持することができる。また、丸太材12は湿度調節作用を有しており、これによってハウス内における温湿度環境を植物の生育に適する環境となるように調節することができる。
本実施形態のハウス栽培施設10においては、屋根15の垂木兼用の斜め梁13にも丸太材を使用している。この丸太材も上述したと同様の作用効果を有する。
上述したハウス栽培施設10の形態は一例であり、ハウス栽培施設は任意の形態、大きさに形成することができ、たとえば、鉄パイプとプラスチックシートを使用した、従来、一般的なハウス栽培施設として構築することももちろん可能である。また、ハウス栽培施設を構築する際に、有機廃材を用いた発酵・発熱部を設けることとあわせて、石油ボイラー等の燃料を用いた暖房装置をハウスに付設することももちろん可能である。
また、上記実施形態においては、発熱・発酵部の有機物中に差し込む通気用のパイプとして、管壁に通気孔を設けた通気パイプを使用したが、管壁に通気孔を有しないパイプを使用することもできる。
(実験1)
図7に示すような、4m×4m×4mの凹穴30を露地に掘り、凹穴30に唐松の伐採木の根32を1m程度の長さに切断して生木のまま投入し、その上に、唐松の生木チップに落ち葉を混ぜ合わせた有機廃材34を充填し、通気パイプ36を凹穴30に堆積された有機廃材34中に差し込んで発熱状態を観察した。
通気パイプ36は、長さ4m、有機廃材34の堆積部中に3m、堆積部の上から1m突出させて、3本設置した。パイプ径10cm、通気孔径が1cmである。
有機廃材34は、唐松の生木チップ、約16立方メートルに対して、落ち葉を1.6立方メートル程度混合した。唐松の生木チップの水分含水率は約60%である。
図7に示す状態で、通気パイプ36の上部の吹き出し口での温度を測定した。
実験開始日が1月15日であり、翌日から通気パイプ36内の温度上昇開始し、7月中旬まで、通気パイプ36内の温度は38℃〜40℃であった。7月中旬以降、7日間くらいの間に圃場の地盤面が50cm程度沈下した。この地盤面の下降は、有機廃材34の発酵がほぼ終了したものと思われる。その後、通気パイプ36内の温度が徐々に下降し、10月18日の時点において通気パイプ36内の温度が30℃となった。
(実験2)
鉄パイプを使用してハウスを組み立て、ハウス内に凹穴を形成し、凹穴に有機廃材として生木チップを充填し、野菜を栽培した。
ハウスの屋根部分は、アーチ形の鉄パイプに透明プラスチックフィルムを被せて形成した。ハウスの平面積は18.9平方メートルである。凹穴の深さ1.5m、有機廃材として、唐松のチップ28立方メートルにケイフン2.8立方メートルを加えて攪拌したものを使用した。通気パイプのかわりに、鉄パイプを有機廃材の堆積物中に5本差し込み、鉄パイプの上端が堆積物中から突出するように設置した。
唐松のチップとケイフンとからなる圃場に、レタス、キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、ナス、ピーマン、スイカ、アシタバ、キュウリ、とうもろこしの苗(ポット苗)を植えて経過を観察した。
図8は、2月から3月にかけてのハウス内の温度を測定した結果を示す。グラフBがハウス内の温度、グラフCが外気温を示す。この測定は午前6時30分の定時に測定を行ったものである。外気温と温室内の温度差は4℃から8℃ある。なお、2月13日から2月21日にわたり、正午に温度を測定した結果では、外気温が0℃のときに温室内は28℃程度まで上昇した。
野菜の生育状況は、きわめて良好であり、レタスは苗を植えてから1か月で収穫することができ、白菜は植え付けから45日で収穫することができた。とくにナス、ピーマンは大きく成長した。
2月から3月は、寒冷時期であるが、有機廃材の発酵熱によってハウスの加温が効果的に図れること、生木チップを主成分とする圃場が野菜の栽培に好適であることが確かめられた。
(実験3)
図7と同一の凹穴を圃場に堀り、唐松の伐採木の生木の根を凹穴の底に1.5m程度の高さに投入し、その上に生木チップや落ち葉を混ぜた有機廃材を充填し、有機廃材中に通気パイプを差し込み、通気パイプの上部を有機廃材の上面から1m程度突出させた。圃場を覆うように鉄パイプでハウスを構築し、ハウス内の温度等を測定した。
図9は、3月2日から3月28日までについて、ハウス内の温度、外気温、通気パイプの吹き出し口における温度を測定した結果を示す。グラフDが外気温、グラフEがハウス内の温度、グラフFが通気パイプの吹き出し口の温度である。ハウス内の温度は、全期間にわたって、外気温よりも5℃〜10℃程度、上回る温度となっている。通気パイプの吹き出し口の温度は45℃前後である。
この実験結果も、圃場に有機廃材を用いた前述した発酵・発熱部を設けることによってハウス内が効果的に加温されることを示している。
これらの実験結果は、有機物を利用する発熱・発酵部は熱源として相当な加温作用を備えることを示している。上記例は、有機物を用いた発熱・発酵部を栽培ハウスの加温用として利用し、発熱・発酵部を圃場としても利用する例であるが、有機物を用いた発熱・発酵部は、作物の栽培用として利用する他に、一般的な熱源として利用することも可能である。
山林の造成や間伐等では、木材の廃材が大量に生じる。これらの廃材は従来は単に廃棄処分されているものであり、これらの有機廃材を発熱・発酵部の材料として使用することは、自然環境に負荷を与えることなく有効活用を図る方法としてきわめて有用である。
10、11 ハウス栽培施設
12 丸太材
14 ポリエチレンシート
15 屋根
20 圃場
21 凹穴
22 有機廃材
24 通気パイプ
24a 通気孔
26 生木
32 根
34 有機廃材
36 通気パイプ

Claims (7)

  1. 圃場と圃場を覆うハウス部とを備えるハウス栽培施設であって、
    前記圃場には、有機物を堆積させて収容する有機物の収容部と、
    該収容部に堆積された有機物中に一端が差し込まれ、他端が前記有機物の堆積部から突出して設置された通気パイプとを備える発熱・発酵部が設けられていることを特徴とするハウス栽培施設。
  2. 前記通気パイプは、管壁に複数個の通気孔が開口して設けられたものであることを特徴とする請求項1記載のハウス栽培施設。
  3. 前記圃場に掘って形成した凹穴を前記有機物の収容部とし、前記凹穴に前記有機物を堆積させて収容することを特徴とする請求項1または2記載のハウス栽培施設。
  4. 前記凹穴が、前記ハウス部の平面領域の全域にわたって形成され、前記ハウス部内の全域に前記有機物が堆積されて圃場として形成されていることを特徴とする請求項3記載のハウス栽培施設。
  5. 前記有機物として、生木チップを使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のハウス栽培施設。
  6. 前記有機物として、生木を5cm角程度以上の大きさのブロック状に破砕した生木ブロックを使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のハウス栽培施設。
  7. 前記有機物として、前記収容部の底に木の根あるいは木の枝を投入し、
    前記通気パイプを、前記収容部に収容された前記木の根あるいは木の枝の近傍に、前記一端が位置するように配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のハウス栽培施設。
JP2009182781A 2009-08-05 2009-08-05 ハウス栽培施設 Active JP5610725B2 (ja)

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