JP2011029992A5 - - Google Patents
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〔本願システムの概略構成〕
図3は、本発明による双方向無線接続システムのブロック図である。
本発明による双方向無線接続システムが適用される空間はFAS(コンクリート壁前方空間)7とBAS(コンクリート壁後方空間)8がコンクリート壁10で分離されている。コンクリート壁10背面(BAS8側)に第1アンテナ組立体100の開口を密着配置する。第1アンテナ組立体100は、大開口面を持つホーン型反射器と前記反射器で集められた第1の周波数の電波f1 (2.4GHz)を受信する第1アンテナ(第1ダイポールアンテナ1:図4参照)を備えている。
第2アンテナ組立体200は、平板反射器と前記平板反射器で集められた電波を受信する第2アンテナ(第2ダイポールアンテナ2:図4参照)を備えている。
ダウンリンクでは、第1ダイポールアンテナ1の出力(同軸の出力)はサーキュレータ4、同軸線路、他のサーキュレータ5を介して第2ダイポールアンテナ2の同軸入力端(アップリンクでは出力端となる)に直接接続される。すなわち第1ダイポールアンテナ1と第2ダイポールアンテナ2は、ダウンリンクでは、直接背中合わせに接続される。
アップリンクでは、第2ダイポールアンテナ2の同軸出力端をサーキュレータ5を介して増幅器(Gamp )6に接続して増幅し、増幅器6の出力はサーキュレータ4を介して第1ダイポールアンテナ1の同軸入力端(ダウンリンクでは出力端)に接続される。
第2アンテナ組立体200の第2ダイポールアンテナ2に近接してルータ付リレーステーションである中継装置300の第3ダイポールアンテナ3が配置されている。中継装置300は、BAS8内の例えばユーザPC(400−1〜400−n)と他の周波数f2 (5.2GHz)の電波で通信する。
なお中継装置300の第3ダイポールアンテナ3は、第2ダイポールアンテナ2との送受信アンテナとして使用される他、ユーザPC(400−1〜400−n)の図示しないアンテナとの送受信アンテナとしても使用される。
第3ダイポールアンテナ3には、通常、2周波共用アンテナが使われる。ダウンリンク動作では、第2アンテナ組立体200の第2ダイポールアンテナ2からの電波f1 (2.4GHz)を受信し、中継装置300内で増幅して他の周波数の電波f2 (5.2GHz)でユーザPCに伝達する。アップリンク動作では、2周波共用アンテナを介してユーザPCからの電波f2 (5.2GHz)を受信した後、周波数f1 (2.4GHz)に変換し、第2アンテナ組立体200の第2ダイポールアンテナ2に伝達する。第2アンテナ組立体200で受信された電波は増幅器6により増幅され、第1アンテナ組立体100の第1ダイポールアンテナ1から放射される。そしてコンクリート壁10を透過してFAS7に放出され、FAS空間の送受信設備500(例えばベースステーション)に送信される。中継装置300には、免許が不要な特定小電力装置の使用を想定する。
図3は、本発明による双方向無線接続システムのブロック図である。
本発明による双方向無線接続システムが適用される空間はFAS(コンクリート壁前方空間)7とBAS(コンクリート壁後方空間)8がコンクリート壁10で分離されている。コンクリート壁10背面(BAS8側)に第1アンテナ組立体100の開口を密着配置する。第1アンテナ組立体100は、大開口面を持つホーン型反射器と前記反射器で集められた第1の周波数の電波f1 (2.4GHz)を受信する第1アンテナ(第1ダイポールアンテナ1:図4参照)を備えている。
第2アンテナ組立体200は、平板反射器と前記平板反射器で集められた電波を受信する第2アンテナ(第2ダイポールアンテナ2:図4参照)を備えている。
ダウンリンクでは、第1ダイポールアンテナ1の出力(同軸の出力)はサーキュレータ4、同軸線路、他のサーキュレータ5を介して第2ダイポールアンテナ2の同軸入力端(アップリンクでは出力端となる)に直接接続される。すなわち第1ダイポールアンテナ1と第2ダイポールアンテナ2は、ダウンリンクでは、直接背中合わせに接続される。
アップリンクでは、第2ダイポールアンテナ2の同軸出力端をサーキュレータ5を介して増幅器(Gamp )6に接続して増幅し、増幅器6の出力はサーキュレータ4を介して第1ダイポールアンテナ1の同軸入力端(ダウンリンクでは出力端)に接続される。
第2アンテナ組立体200の第2ダイポールアンテナ2に近接してルータ付リレーステーションである中継装置300の第3ダイポールアンテナ3が配置されている。中継装置300は、BAS8内の例えばユーザPC(400−1〜400−n)と他の周波数f2 (5.2GHz)の電波で通信する。
なお中継装置300の第3ダイポールアンテナ3は、第2ダイポールアンテナ2との送受信アンテナとして使用される他、ユーザPC(400−1〜400−n)の図示しないアンテナとの送受信アンテナとしても使用される。
第3ダイポールアンテナ3には、通常、2周波共用アンテナが使われる。ダウンリンク動作では、第2アンテナ組立体200の第2ダイポールアンテナ2からの電波f1 (2.4GHz)を受信し、中継装置300内で増幅して他の周波数の電波f2 (5.2GHz)でユーザPCに伝達する。アップリンク動作では、2周波共用アンテナを介してユーザPCからの電波f2 (5.2GHz)を受信した後、周波数f1 (2.4GHz)に変換し、第2アンテナ組立体200の第2ダイポールアンテナ2に伝達する。第2アンテナ組立体200で受信された電波は増幅器6により増幅され、第1アンテナ組立体100の第1ダイポールアンテナ1から放射される。そしてコンクリート壁10を透過してFAS7に放出され、FAS空間の送受信設備500(例えばベースステーション)に送信される。中継装置300には、免許が不要な特定小電力装置の使用を想定する。
〔コンクリート壁による電波伝搬損失〕
壁前方空間(FAS)と壁後方空間(BAS)とを隔てるコンクリート壁(厚さ10cm)に2.4GHzの平面波が入射する場合を考える。
伝搬軸(壁に垂直な直線)に沿っての電界強度分布のシミュレーション結果を図1に示す。
このシミュレーションには有限積分法(Finite Integration Method, Microwave Studio Ver.5.1, CST 社) を使った。コンクリートの誘電特性は、εr =9.81,tan δ=0.091とした。
これらの値は、後述する実験で使用した試料コンクリートの測定値である。
図1は、入射波(入射平面波強度Eincidentは1V/m、周波数2.4GHz)が、左から厚さ10cmのコンクリート壁10に入射した時の伝搬軸上の電界強度プロフィルを示している。壁透過波電界強度Etransmitted は0.36V/mとなっていることが分かる。
壁伝送係数(WF) を(1)式のように定義する。
WF=(Etransmitted /Eincident)=0.36 (1)
壁による電波伝搬損失Lw は
Lw =20log10WF=20log100.36=−8.87dB (2)
壁前方空間(FAS)と壁後方空間(BAS)とを隔てるコンクリート壁(厚さ10cm)に2.4GHzの平面波が入射する場合を考える。
伝搬軸(壁に垂直な直線)に沿っての電界強度分布のシミュレーション結果を図1に示す。
このシミュレーションには有限積分法(Finite Integration Method, Microwave Studio Ver.5.1, CST 社) を使った。コンクリートの誘電特性は、εr =9.81,tan δ=0.091とした。
これらの値は、後述する実験で使用した試料コンクリートの測定値である。
図1は、入射波(入射平面波強度Eincidentは1V/m、周波数2.4GHz)が、左から厚さ10cmのコンクリート壁10に入射した時の伝搬軸上の電界強度プロフィルを示している。壁透過波電界強度Etransmitted は0.36V/mとなっていることが分かる。
壁伝送係数(WF) を(1)式のように定義する。
WF=(Etransmitted /Eincident)=0.36 (1)
壁による電波伝搬損失Lw は
Lw =20log10WF=20log100.36=−8.87dB (2)
第2ダイポールアンテナと第3ダイポールアンテナの近接結合についてさらに説明する。前述したように図6は、図5のシミュレーションモデルを使い、ダウンリンク動作を解析した結果を示している。まず、壁後方空間の電界の状況を説明する。
図6は、壁前方から平面波を照射し、壁後方の室内空間へ電波が伝搬する状態を、電界モニタ線に沿った電界強度分布として示している。図6中の横軸はモニタ線上の距離cm(起点はモデルの左端)、縦軸は電界強度V/mである。縦軸のスケールが途中で変更されていることに注意する。
図6で、領域7は壁前方空間、領域10はコンクリート壁(厚さ10cm)、領域8は壁後方空間を指す。第1ダイポールアンテナ1、第2ダイポールアンテナ2、第3ダイポールアンテナ3の位置をそれぞれ1,2,3で示した。壁後面と第1ダイポールアンテナ1の間はホーン型反射器で囲われた領域、第1ダイポールアンテナ1と第2ダイポールアンテナ2の間は50Ωの同軸線路内部の空間、第2ダイポールアンテナ2は後方室内空間(BAS8)へ電波を再放射し、その近傍3の位置に第3ダイポールアンテナ3が配置されている。第3ダイポールアンテナ3には、受信信号出力線路として、短い50Ωの同軸線路が接続されている。
領域7の波形は、入射平面波(1V/m)と壁前面で反射された反射波がつくる定在波である。
領域10の波形は、壁内部を左から右へ減衰しながら伝搬する波と壁後面で反射され右から左へ減衰しながら伝搬する波の干渉によって生じた定在波である。
1と2の間の波形は、第1ダイポールアンテナ1から第2ダイポールアンテナ2へ伝送される波の上に僅かなインピーダンス不整合によって生じた定在波が重畳した波形である。2と3の間の波形は、BAS8へ放射された電波の電界強度を示している。
3後方の短い水平線は、第3ダイポールアンテナ3の50Ω受信信号出力同軸線路内の電界強度分布を示す波形である。同軸線路は50Ωで整合終端されているので、定在波成分はゼロである。
同軸線路は内導体半径0.0457cm、外導体内径0.151cm、外導体外径0.18cm、誘電体内径0.0457cm、誘電体外径0.151cmである。電界モニタ線は同軸線路の中心から半径0.083cmの位置にある。
領域7の波形の平均値から、入射波電界強度は1V/mであり、領域10の波形の平均値及び図1の結果から、壁透過後の電界強度は0.36V/m、1と2の間の波形の平均値から、同軸線路を通って第1ダイポールアンテナ1から第2ダイポールアンテナ2へ伝搬する波の電界強度は25.93V/m(同軸線路電圧に換算して0.0257V)となった。
第2ダイポールアンテナ2から3cmの位置における放射電界強度を算出するために、第3ダイポールアンテナ3を電界強度測定用標準アンテナとして使う。第3ダイポールアンテナ3の出力同軸線路内の電界強度は、図6から14.77V/mで、同軸線路電圧に換算して0.0147Vである。
図8は、標準ダイポールアンテナとして使用された第3ダイポールアンテナ近傍の電界強度分布を拡大して示している。
図8に示すように、この標準ダイポールアンテナを電界強度1V/mの平面波が伝搬している空間に配置した時、50Ω出力同軸線路に誘起される電圧は0.0153Vとなる。この標準ダイポールアンテナのアンテナファクタ(AF)は
AFstandard=Eincident/Vcoax=1/0.0153=65.36 (11)
となる。
上記2つの関係を併せると、第2ダイポールアンテナ2から3cmの位置における放射電界強度は
E(3cm)=65.36×0.0147=0.961V/m (12)
と算出される。
図6は、壁前方から平面波を照射し、壁後方の室内空間へ電波が伝搬する状態を、電界モニタ線に沿った電界強度分布として示している。図6中の横軸はモニタ線上の距離cm(起点はモデルの左端)、縦軸は電界強度V/mである。縦軸のスケールが途中で変更されていることに注意する。
図6で、領域7は壁前方空間、領域10はコンクリート壁(厚さ10cm)、領域8は壁後方空間を指す。第1ダイポールアンテナ1、第2ダイポールアンテナ2、第3ダイポールアンテナ3の位置をそれぞれ1,2,3で示した。壁後面と第1ダイポールアンテナ1の間はホーン型反射器で囲われた領域、第1ダイポールアンテナ1と第2ダイポールアンテナ2の間は50Ωの同軸線路内部の空間、第2ダイポールアンテナ2は後方室内空間(BAS8)へ電波を再放射し、その近傍3の位置に第3ダイポールアンテナ3が配置されている。第3ダイポールアンテナ3には、受信信号出力線路として、短い50Ωの同軸線路が接続されている。
領域7の波形は、入射平面波(1V/m)と壁前面で反射された反射波がつくる定在波である。
領域10の波形は、壁内部を左から右へ減衰しながら伝搬する波と壁後面で反射され右から左へ減衰しながら伝搬する波の干渉によって生じた定在波である。
1と2の間の波形は、第1ダイポールアンテナ1から第2ダイポールアンテナ2へ伝送される波の上に僅かなインピーダンス不整合によって生じた定在波が重畳した波形である。2と3の間の波形は、BAS8へ放射された電波の電界強度を示している。
3後方の短い水平線は、第3ダイポールアンテナ3の50Ω受信信号出力同軸線路内の電界強度分布を示す波形である。同軸線路は50Ωで整合終端されているので、定在波成分はゼロである。
同軸線路は内導体半径0.0457cm、外導体内径0.151cm、外導体外径0.18cm、誘電体内径0.0457cm、誘電体外径0.151cmである。電界モニタ線は同軸線路の中心から半径0.083cmの位置にある。
領域7の波形の平均値から、入射波電界強度は1V/mであり、領域10の波形の平均値及び図1の結果から、壁透過後の電界強度は0.36V/m、1と2の間の波形の平均値から、同軸線路を通って第1ダイポールアンテナ1から第2ダイポールアンテナ2へ伝搬する波の電界強度は25.93V/m(同軸線路電圧に換算して0.0257V)となった。
第2ダイポールアンテナ2から3cmの位置における放射電界強度を算出するために、第3ダイポールアンテナ3を電界強度測定用標準アンテナとして使う。第3ダイポールアンテナ3の出力同軸線路内の電界強度は、図6から14.77V/mで、同軸線路電圧に換算して0.0147Vである。
図8は、標準ダイポールアンテナとして使用された第3ダイポールアンテナ近傍の電界強度分布を拡大して示している。
図8に示すように、この標準ダイポールアンテナを電界強度1V/mの平面波が伝搬している空間に配置した時、50Ω出力同軸線路に誘起される電圧は0.0153Vとなる。この標準ダイポールアンテナのアンテナファクタ(AF)は
AFstandard=Eincident/Vcoax=1/0.0153=65.36 (11)
となる。
上記2つの関係を併せると、第2ダイポールアンテナ2から3cmの位置における放射電界強度は
E(3cm)=65.36×0.0147=0.961V/m (12)
と算出される。
〔第1ダイポールアンテナから壁前方空間へのアップリンクシュミュレーション〕
図11は、第1アンテナ組立体100の第1ダイポールアンテナ1から壁前方空間(FAS)7への電波伝搬シミュレーションに用いたモデルの斜視図であり、厚さ10cmのコンクリート壁10を通しての第1ダイポールアンテナ1の放射特性シミュレーションモデルである。
第1ダイポールアンテナ1に接続した50Ω同軸線路の入力ポートに2.4GHz, 1Wを印加し電波を励振した。
図12は3直交面内の電界垂直成分分布スナップショットであり、図13は図12の電界モニタ線C1,C2,C3上の電界強度プロフィルを示すグラフである。
図11は、第1アンテナ組立体100の第1ダイポールアンテナ1から壁前方空間(FAS)7への電波伝搬シミュレーションに用いたモデルの斜視図であり、厚さ10cmのコンクリート壁10を通しての第1ダイポールアンテナ1の放射特性シミュレーションモデルである。
第1ダイポールアンテナ1に接続した50Ω同軸線路の入力ポートに2.4GHz, 1Wを印加し電波を励振した。
図12は3直交面内の電界垂直成分分布スナップショットであり、図13は図12の電界モニタ線C1,C2,C3上の電界強度プロフィルを示すグラフである。
〔設計システムの性能評価実験 伝搬損失測定〕
図16に、伝搬損失実験の配置図を示す。同図において上部(a)は平面図、下部(b)は側面図である。伝搬損失実験で用いた電波暗箱の形状寸法は以下のとおりである。
左電波暗箱の長さ×幅×高さ=100cm×65cm×65cm
右電波暗箱の長さ×幅×高さ=150cm×65cm×65cm
典型的な建築用コンクリート(2.3×103 kg/m3 )を使った壁サンプル(70cm×70cm×10cm)を用いて伝搬損失を測定する。
壁サンプル(112.7kg)を図16に示すように左側と右側の電波暗箱で挟み垂直に保持した。電波暗箱はアルミ板の表面に厚さ2mmの電波吸収板を貼った構造である。この電波吸収板は導体板で裏打ちした状態で2.5GHzで無反射面として機能するよう設計されている。コンクリート板上に貼った状態では無反射面として機能しなかった。
この問題を回避するために、電界に平行なコンクリート壁縦側面上にはアルミ板を装着せず、かつ、壁中央部分だけを電波照射して、伝搬損失を測定した。左側電波暗箱内の反射板付きダイポールアンテナを励振源からの入力信号2.4GHz,0dBmで励振した。この状態で、標準ダイポールアンテナを電波暗箱中心軸上で走査して電界強度分布を測定した。電界強度測定にはスペクトラムアナライザ(Spectrum Master, MS2721, Anritsu)を使用した。測定結果を図17に示す。
図16に、伝搬損失実験の配置図を示す。同図において上部(a)は平面図、下部(b)は側面図である。伝搬損失実験で用いた電波暗箱の形状寸法は以下のとおりである。
左電波暗箱の長さ×幅×高さ=100cm×65cm×65cm
右電波暗箱の長さ×幅×高さ=150cm×65cm×65cm
典型的な建築用コンクリート(2.3×103 kg/m3 )を使った壁サンプル(70cm×70cm×10cm)を用いて伝搬損失を測定する。
壁サンプル(112.7kg)を図16に示すように左側と右側の電波暗箱で挟み垂直に保持した。電波暗箱はアルミ板の表面に厚さ2mmの電波吸収板を貼った構造である。この電波吸収板は導体板で裏打ちした状態で2.5GHzで無反射面として機能するよう設計されている。コンクリート板上に貼った状態では無反射面として機能しなかった。
この問題を回避するために、電界に平行なコンクリート壁縦側面上にはアルミ板を装着せず、かつ、壁中央部分だけを電波照射して、伝搬損失を測定した。左側電波暗箱内の反射板付きダイポールアンテナを励振源からの入力信号2.4GHz,0dBmで励振した。この状態で、標準ダイポールアンテナを電波暗箱中心軸上で走査して電界強度分布を測定した。電界強度測定にはスペクトラムアナライザ(Spectrum Master, MS2721, Anritsu)を使用した。測定結果を図17に示す。
〔アップリンク電波伝搬実験〕
アップリンク動作に関する実験は、第1アンテナ組立体100の逆方向(室内から室外)の電波伝搬特性を確認することを主目的として実施した。
アップリンク電波伝搬実験では図18の左側電波暗箱から励振用アンテナを取り除き、右側電波暗箱中の第2ダイポールアンテナ2から12cmの位置に裸のダイポールアンテナを配置した。このダイポールアンテナに0dBm, 2.4GHzを印加して、左側電波暗箱中心軸上の電界強度分布を測定した。測定結果を図20に示す。
図20は、アップリンク無線接続実験の結果を示すグラフである。
縦軸は電界強度(mV/m)、横軸は伝搬軸上の壁表面からの距離(cm)、第2ダイポールアンテナ2のダイポール位置における電界強度測定値は17.12mV/m、コンクリート壁前面から25cmにおける電界強度測定値は1.92mV/mになっている。
図20の結果からアップリンクの伝搬損失LU overall を概算すると
LU total (dB)=20log10(1.92/17.12)=−19.0dB(27)となる。
中継装置300の第3ダイポールアンテナ3との距離を12cmとした場合のシミュレーションによる電波伝搬損失LRepToAnt2 (12cm)(dB)は(17)式で示したように、−13.33dBであった。
第1ダイポールアンテナ1の入力端子への入力電力と壁前方空間(FAS)7へ放射される電力の比率=0.1666(図15の説明文 放射効率=0.1666参照)。これをdBに変換すると−7.78dB((19)式参照)である。
第3ダイポールアンテナ3から壁前方空間(FAS)7までの電力伝搬損失はそれらの合計で与えられる。
従って、
LU total (dB)=−13.33−7.78=−21.11dB (28)
となり、実験で得た値−19.0dBに近い値となる。
これは先にアップリンクシミュレーションで述べた設計方法の妥当性を示したと言える。
アップリンク動作に関する実験は、第1アンテナ組立体100の逆方向(室内から室外)の電波伝搬特性を確認することを主目的として実施した。
アップリンク電波伝搬実験では図18の左側電波暗箱から励振用アンテナを取り除き、右側電波暗箱中の第2ダイポールアンテナ2から12cmの位置に裸のダイポールアンテナを配置した。このダイポールアンテナに0dBm, 2.4GHzを印加して、左側電波暗箱中心軸上の電界強度分布を測定した。測定結果を図20に示す。
図20は、アップリンク無線接続実験の結果を示すグラフである。
縦軸は電界強度(mV/m)、横軸は伝搬軸上の壁表面からの距離(cm)、第2ダイポールアンテナ2のダイポール位置における電界強度測定値は17.12mV/m、コンクリート壁前面から25cmにおける電界強度測定値は1.92mV/mになっている。
図20の結果からアップリンクの伝搬損失LU overall を概算すると
LU total (dB)=20log10(1.92/17.12)=−19.0dB(27)となる。
中継装置300の第3ダイポールアンテナ3との距離を12cmとした場合のシミュレーションによる電波伝搬損失LRepToAnt2 (12cm)(dB)は(17)式で示したように、−13.33dBであった。
第1ダイポールアンテナ1の入力端子への入力電力と壁前方空間(FAS)7へ放射される電力の比率=0.1666(図15の説明文 放射効率=0.1666参照)。これをdBに変換すると−7.78dB((19)式参照)である。
第3ダイポールアンテナ3から壁前方空間(FAS)7までの電力伝搬損失はそれらの合計で与えられる。
従って、
LU total (dB)=−13.33−7.78=−21.11dB (28)
となり、実験で得た値−19.0dBに近い値となる。
これは先にアップリンクシミュレーションで述べた設計方法の妥当性を示したと言える。
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