JP2011028299A - 光回路および光信号処理装置 - Google Patents

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Masaya Suzuki
賢哉 鈴木
Naoki Oba
直樹 大庭
Motohaya Ishii
元速 石井
Shinji Mino
真司 美野
Kazunori Senoo
和則 妹尾
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Abstract

【課題】PLCの端面から信号光を出射するする空間光学系側を持つ光信号回路では、PLC出射端における信号光の広がりによるレンズ収差に起因した過剰損失の低減が望まれていた。セグメント領域は、AWGから空間光学系に出射される光信号の分光方向に対する回折に起因する損失を減らす効果を持つ。しかし、出射端におけるAWG基板垂直方向の開口数(NA)は、アレイ導波路コアの等価屈折率により決定され、大きなNAを持つ光学系においては、収差の影響を受けやすい。空間光学系においてAWG基板垂直方向の光波面の制御に用いられる集光レンズの収差の影響を受けやすい問題があった。
【解決手段】光回路の出射端面近傍のクラッドセグメント領域により、光回路のNAをより小さくする。本発明のセグメント導波路を利用した光回路は、端面近傍にクラッドセグメント導波路を備える。導波路のコアは端面に向かって断続的に消失しており、端面近傍ではクラッドセグメント領域はクラッド材料で満たされる。
【選択図】図3

Description

本発明は、光回路に関する。より詳細には光信号の過剰損失を減らす光信号処理回路の構成およびそれを用いた光信号処理装置に関する。
光通信ネットワークの高速化、大容量化が進み、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送信号の処理に代表されるような光信号処理装置へのニーズも高まっている。例えば、多重化された光信号をノード間で経路切り替えする機能が要請されている。光−電気変換を経ないで、光信号のまま経路変換を行なうことで、光信号処理装置のトランスペアレント化が進められている。
一方、光信号処理装置の小型化・集積化の観点から、導波路型光回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)の開発研究が進められている。PLCでは、例えばシリコン基板上に石英ガラスを材料としたコアを形成して1つのチップに多様な機能を集積し、低損失で信頼性の高い光機能デバイスを実現している。さらには、複数のPLCチップと他の光機能部品とを組み合わせた複合的な光信号処理部品(装置)も登場している。
例えば、特許文献1には、アレイ導波路格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating )などを含む導波路型光回路(PLC)と液晶素子などの空間変調素子を組み合わせた、光信号処理装置が開示されている。より具体的には、液晶素子を中心として対称に配置されたPLC、コリメートレンズからなる波長ブロッカをはじめ、波長イコライザ、分散補償器などの検討が進められている。これらの光信号処理装置では、異なる波長を持つ複数の光信号に対して、波長毎に独立して光信号処理を行う。
上述の空間光学系を利用する光信号処理装置では、PLC上に形成されるAWGにおいて、入力スラブ導波路側と空間光学系側との間でアレイ導波路の拡がり角が異なり、AWGの構成が非対称となる場合がある。すなわち、アレイ導波路の構成が両端で異なる場合がある。本明細書においては、以後、簡単のためこの非対称を左右非対称と呼ぶ。
図5は、波長ブロッカ等に用いられる左右非対称なAWGの構成を示す図である。図5に示すように、AWGは、入力導波路10、第1のスラブ導波路11、アレイ導波路12、出力スラブ導波路13、出力導波路14から成る。ここで、第1のスラブ導波路11の焦点距離Lf1と、第2のスラブ導波路13の焦点距離Lf2は、異なっている。より具体的に波長ブロッカなどでは、第1のスラブ導波路11は光ファイバ等が接続される入力側となり、第2のスラブ導波路は集光レンズ等が配置される空間光学系側となる。このような非対称なAWGの場合、入力側のスラブ導波路11に接続されるアレイ導波路12の各導波路は、放射状に配置され、空間光学系側のスラブ導波路13に接続されるアレイ導波路12の各導波路は、平行に配置される。また、スラブ導波路13は途中で切断され、出力導波路14を持たない場合もある。
図6は、スラブ導波路とアレイ導波路との接合部の構成例を示す図である。図6では、入力側導波路の接合部を例示的に示している。接合部においては、光信号の回折損失を低減するために通常テーパ導波路1が形成される。ここで、テーパ導波路1の形状の決定は、一般に次のように求められる。隣り合うアレイ導波路2の成す角度をθ、アレイ導波路の接合面における導波路間隔をd1、アレイ導波路間のギャップ幅をG、アレイ導波路幅をW、テーパ導波路の長さをL1、スラブ導波路焦点距離をLf1とすれば、次式の関係が成り立つ。
θ=d1/Lf1 式(1)
G=(Lf1+L1)・θ −W 式(2)
さらに、式(1)および式(2)よりギャップ幅Gについて、次式が得られる。
G=(Lf1+L1)・d1/Lf1 −W 式(3)
式(3)より、アレイ導波路2間のギャップGはスラブ導波路焦点距離Lf1に依存する。したがって、図5に示したように左右非対称な構成のAWGの場合には、アレイ導波路間のギャップGは非対称となる。
アレイ導波路型の光回路において、導波路分岐点およびその周辺における光の伝搬損失を低減する方法として、スラブ導波路の分岐点からコアとコア間のクラッド層に埋設層をを形成する技術が提案されている(特許文献1)。
図7は、縦テーパの構造を示す図である。ここでは、埋没層により形成される垂直方向のテーパ21(以下、縦テーパという)は、スラブ導波路11の分岐点(境界面)から離れるほど埋設層の厚さが徐々に薄く成るようにクラッド層中に形成したものである。アレイ導波路に沿った断面で見れば、スラブ導波路11の上面に頂点を一致させた直角三角形の傾斜面を形成する。この埋設層による縦テーパ21の厚さは、一定の光回路作製プロセス条件(レジストパターンの露光条件、エッチングガスの条件等)の下では、縦テーパに隣接する導波路(コア)のパターンギャップに依存することが開示されている(段落0019の記載など)。
具体的には、導波路分岐点およびその周辺における光の伝搬損失を効果的に低減させるため、所定の形状を持つ埋設層を形成するには導波路(コア)のパターン間隔を制御しなければならない。図5に示した、スラブ導波路11とアレイ導波路12およびスラブ導波路13とアレイ導波路12のいずれの接合面においても、接合面から各アレイ導波路側に向かって、縦テーパを同一の長さで形成するのが、伝搬損失の低減のために有効である。なぜならば、縦テーパ長には、導波路の比屈折率差に対応した最適長があるからである。縦テーパ長が短すぎれば、上述した光の伝搬損失を減らすのに十分ではなく、逆に、縦テーパ長が長すぎれば、アレイ導波路の各導波路間において生じる光結合が顕著となって分光特性を劣化させるからである。
一方で、特許文献2においては、アレイ導波路およびスラブ導波路の境界近傍におけるアレイ導波路の形状を、連続する2つのテーパ導波路に分割した構成が、開示されている。2つのテーパ導波路のうち、スラブ導波路側のテーパ導波路を等間隔に形成している。この構成により、伝搬損失の低減および製造歩留まりの向上が実現することが開示されている。
特開2001−159718号公報(段落0010など、第4図) 特開2007−93721号公報。
たとえば、左右非対称な構造のAWGにおいては、式(3)から明なように、2つのスラブ導波路間で、ぞれぞれのギャップGが異なる。例えば、屈折率比Δ=1.5%、W=6μm、d1=10μm、Lf1=10mm、Lf2=35mmとすると、アレイ導波路の入力側の縦テーパの長さは100μm、アレイ導波路の空間光学系側の縦テーパの長さは500μmとなる。この場合、入力側の縦テーパにおいては、テーパの長さが十分でないため回折光低減の効果を十分に得られず回折損失が発生してしまう。
上述のように、左右非対称な構成のAWGにおいては、テーパ長がお互いに異なってしまうため、左右いずれのスラブ導波路に対しても、同時に最適な縦テーパを形成することができなかった。また、左右非対称な構成のAWGにおいて、アレイ導波路とスラブ導波路との接合面における回折損失をさらに低減させる方法が望まれていた。
また、特許文献2に開示された構成によれば、左右非対称な構成のAWGに対しても回折損失を低減させることができるとも考えられるが、特許文献2においてテーパ導波路の具体的な構造は詳細に定義はされていない。本発明においては、より具体的な構成を提案し、左右非対称な構成のAWGの伝搬損失を低減させる。
本来は、AWGの分光特性に影響を与えるアレイ導波路の等価屈折率を制御するため、入力側テーパ導波路および出力側テーパ導波路で、テーパ導波路のレイアウトを同じものとするのが通常であった。左右非対称な構成のAWGにおいて、左右の各スラブ導波路に接するテーパ部分の形状を異ならせる必要があるため、テーパ部分の等価屈折率を変化させることになる。したがって、テーパ部分の等価屈折率を変化も考慮したAWGの分光特性の設計が必要となり、設計をより複雑なものとしてしまう。テーパ部分の形状の影響を含めた分光特性の設計方法を複雑化させる問題があった。
また、従来技術では、スラブ導波路とアレイ導波路との境界面における回折損失の低減方法としてセグメント領域が利用されていた。セグメント領域は、AWGから空間光学系に出射される光信号の分光方向に対する回折に起因する損失を減らす効果を持つ。しかしながら、出射端におけるAWG基板垂直方向の開口数(NA)は、アレイ導波路コアの等価屈折率により決定される。NAは、コア材料の屈折率が支配的に寄与しており、大きな値となっていた。一般に、大きなNAを持つ光学系においては、収差の影響を受けやすい。したがって、空間光学系においてAWG基板垂直方向の光波面の制御に用いられる集光レンズの収差の影響を受けやすいという問題があった。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板上に形成された少なくとも1本の光導波路であって、前記基板の端面から光信号を空間へ出射する光導波路を備えた光回路であって、前記光導波路は、前記端面の近傍において前記光導波路に直交する方向にクラッド材料によって形成された複数のセグメント領域によって分断されており、前記複数のセグメント領域の前記光導波路方向の各長さは、前記端面に向かって順次大きくなることを特徴とする光回路である。
請求項2に記載の発明は、請求項1の光回路であって、前記少なくとも1本の光導波路は、複数の導波路から構成されたアレイ導波路であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、基板上に形成され、前記基板の端面から光信号を空間へ出射する少なくとも1本の光導波路を備えた光回路であって、前記光導波路は、前記端面の近傍において前記光導波路に直交する方向にクラッド材料によって形成された複数のセグメント領域によって分断されており、前記複数のセグメント領域の前記光導波路方向の各長さが、前記端面に向かって順次大きくなっている光回路と、前記光導波路の前記端面から出射した光信号を集光する集光レンズとを備えたことを特徴とする光信号処理装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3の光信号処理装置であって、前記少なくとも1本の光導波路は、複数の導波路から構成されたアレイ導波路であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、アレイ導波路とスラブ導波路との接合面における回折損失をさらに低減させることができる。さらに、PLCの出射端における信号光の広がりに起因する空間光学系との光結合に係る過剰損失を減らすことができる。左右非対称な構成のAWGにおいて、過剰損失を減らすことができる。
本発明の光回路におけるテーパ導波路の構造を示す図である。 シリコン基板等の上に形成されたAWGの出射端近傍の構成図である。 従来技術のセグメント導波路を含む光回路の構成を示す図である。 本発明のセグメント導波路を含む光回路の構成を示す図である。 波長ブロッカ等に用いられる左右非対称なAWGの構成を示す図である。 スラブ導波路とアレイ導波路との接合部を拡大して示した図である。 縦テーパの構造を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は、左右非対称な構成のAWGにおいて、スラブ導波路とアレイ導波路との接合面や、PLCの出射端面における回折損失を大幅に減らす光回路の構成に関するものである。
第1の実施形態: 図1は、本発明の光回路におけるテーパ導波路の構造を示す図である。図4で示した左右非対称な構成のAWGにおいて、(a)は入力側の第1のスラブ導波路11とアレイ導波路12との接合面近傍を、(b)は第2のスラブ導波路13とアレイ導波路12との接合面近傍をそれぞれ示した図である。図1では、アレイ導波路12の複数ある導波路のうちの一部の導波路のみを示しており、実際のアレイ導波路はより多くの導波路から構成されることに注意されたい。また、図1の(b)においては第2のスラブ導波路13および出力導波路14を示しているが、スラブ導波路13と第1の出力テーパ導波路17との境界37において、光導波路基板を切断し、空間光学系に光信号を出射する場合にも、以下の説明が当てはまることに注意されたい。入力側の接合面は、第1のスラブ導波路11から第1の入力テーパ導波路15および第2の入力テーパ導波路16を経て、アレイ導波路を構成する各導波路の一端へ連続的に接続されている。同様に、出力側の接合面も、第2のスラブ導波路13から第1の出力テーパ導波路17および第2の出力テーパ導波路18を経て、アレイ導波路を構成する各導波路の他端へ連続的に接続されている。第1のテーパ導波路からアレイ導波路の各導波路に至るまでの幅は、入力側および出力側のいずれにおいても、それぞれ連続的に変化している。
本発明の特徴は、第1の入力テーパ導波路15の間隙部および第1の出力テーパ導波路17の間隙部によって形成されるテーパ形状を同一形状とする点にある。ここで、隣り合うテーパ導波路間の間隙部によって形成されるテーパ状または台形状の部分を間隙テーパと呼ぶ。
具体的には、第1のスラブ導波路11の端面から間隙部の長さがL11となるような第1の入力テーパ導波路15が接続され、さらに長さL12の第2の入力テーパ導波路16が接続されている。第1の入力テーパ導波路15と第1のスラブ導波路11との境界36における導波路間ギャップはG11である。これら2つの入力テーパ導波路15、16に対応して、第2のスラブ導波路13の端面から間隙部の長さがL21の第1の出力テーパ導波路17が接続され、さらに長さL22の第2の出力テーパ導波路18が接続されている。第1の出力テーパ導波路17と第2のスラブ導波路13との境界37における導波路間ギャップはG21である。
ここで、入力側の隣り合う導波路により形成される間隙部の形状と、出力側の隣り合う導波路により形成される間隙部の形状とが、同一となるように間隙テーパを形成する。すなわち、次式を満たすように各テーパ導波路を構成する。
11=L21 式(4)
11=G21 式(5)
21=G22 式(6)
ここで、間隙部のテーパ形状は台形とすることもできるが、この場合テーパの長さLは台形の高さを言うものとする。
上述の条件を満たすようにテーパ導波路のパターンをレイアウトすることにより、入力側および出力系側のいずれにおいても、縦テーパを均一に製造することができる。前述のように、縦テーパの形状は、主に露光時間・エッチングガスの条件などの製造プロセス条件によって決定される。さらにフォトマスク上の導波路間の間隙部のパターンにも依存するため、間隙部のパターンを同一とすることによって、均一な縦テーパの製造を可能とする。
上述のように、左右非対称な構成のAWGにおける各スラブ導波路とアレイ導波路との境界面において、アレイ導波路間の間隙部テーパ形状を同一とすることにより、入力側および出力系側で、隣接する導波路のギャップにより制御される縦テーパを同一の構造とすることができる。第1の入力テーパ導波路および第1の出力テーパ導波路のいずれの間隙部においても、同一形状の縦テーパを構成することができるため、従来のテーパ導波路構成と比較して回折損失を減らすことができる。
第1の入力テーパ導波路15とアレイ導波路12との間は、第2の入力テーパ導波路16によって導波路幅が連続的に変化するように接続すればよい。同様に、第1の出力テーパ導波路17とアレイ導波路12との間は、第2の入力テーパ導波路18によって導波路幅が連続的に変化するように接続すればよい。
上述のように、テーパ導波路間の間隙テーパの形状が同一となるように両側の第1のテーパ導波路をそれぞれ形成する構成とすることにより、左右非対称な構成を持つAWGに対して同一の縦テーパを形成して、回折損失を低減することができる。これに限られず、同一のウエファ上に異なる焦点距離のスラブ導波路を持つAWGを一括して形成する場合にも、すべてのAWGに対して縦テーパ長を同時に最適化できる。
第2の実施形態発: 次に、PLCによる光回路の空間光学系への出射端面における回折損失を低減する構成を説明する。
図2は、シリコン基板などの上に形成されたAWGの出射端部の形状を示す図である。非対称な構成のAWGでは、光信号が出射する空間光学系側は、スラブ導波路が途中で切断された構成となっており端面35から光信号が出射する。従来技術では、スラブ導波路とアレイ導波路との境界面における回折損失低減方法として、図2の(a)に示すようなセグメント導波路があった。セグメント導波路は、複数のアレイ導波路22a〜22dに垂直で、各導波路を横断するように形成された複数のコア材料で形成されたコアセグメント領域31a、31b、31cを含み構成される。各々のコアセグメント領域の幅は、スラブ導波路側から徐々に減少していく構造を持っており、図2では、端面35から徐々に領域幅が減少する。このようにコアセグメント領域31a、31b、31cを含む構成をセグメント導波路33という。
このようなセグメント領域は、AWGから空間光学系に出射される光信号の分光方向に対する回折に起因する損失を減らす効果を持つ。しかしながら、出射端におけるAWG基板垂直方向の開口数(以下NAとする)は、アレイ導波路コア22a〜22dの等価屈折率により決定される。NAは、コア材料の屈折率が支配的に寄与しており、大きな値となっていた。一般に、大きなNAを持つ光学系においては、収差の影響を受けやすい。したがって、空間光学系においてAWG基板垂直方向の光波面の制御に用いられる集光レンズの収差の影響を受けやすいという問題があった。
図2の(b)は、本発明の光回路のセグメント導波路を持つAWGの出射端部の形状を示す図である。アレイ導波路の出射端面35の近傍において、各導波路23a〜23d自体をセグメント化して断続的に導波路コアを形成し、端面35へ向けて次第にコアを消失させる構造としている。すなわち、複数の導波路23a〜23dに垂直で、各導波路を横断するようにクラッド材料のクラッドセグメント領域32a、32b、32cが設けられている。セグメント化された導波路領域をセグメント導波路34とよぶ。クラッド材料と同じ材料によってクラッドセグメント領域32a、32b、32cを形成することで、導波路23a〜23dは、出射端面35に近づくにしたがって、よりクラッドの屈折率を感じる。したがって、導波路の等価屈折率は減少し、導波路23a〜23dを伝搬する光信号のモード径は大きくなる。結果として、従来技術によるセグメント導波路と比較して、空間光学系に対する基板垂直方向のNAは小さくなる。
図3は、従来技術のセグメント導波路を含む光回路の構成を示す図である。図4は、従来技術タイプのセグメント導波路と対比させた本発明のセグメント導波路を含む光回路の構成を示す図である。図3において、光回路40は、スラブ導波路11、アレイ導波路12および従来技術によるセグメント導波路33を含む。アレイ導波路12は、簡単のため4本の導波路によって、概念的に示している。A−A´線を含む回路基板断面を見ると、各導波路22のコアは、端面35に至るまで連続的にコアで構成されており、さらにセグメント領域31a、31b、31cの材料の屈折率がコアの屈折率に等しいので、導波路22の等価屈折率は、コア材料のバルクの屈折率に近くなり、AWG基板垂直方向に関して導波路への光の閉じ込め効果が強くなる。したがって、端面35から出射される光信号のAWG基板垂直方向に対するNAは大きくなる。
一方、図4で示される本発明のセグメント導波路を利用した光回路は、図3で示した構成と類似するが、端面35近傍にクラッドセグメント導波路34を備える点で相違している。図4の基板断面図からわかるように、導波路23のコアは端面35に向かって断続的に消失しており、端面近傍ではクラッドセグメント領域はクラッド材料で満たされている。端面35におけるAWG基板に垂直なy方向についてNAを比較すれば、本発明のクラッドセグメント導波路34のコアの屈折率はクラッドの屈折率に等しいので、導波路23の等価屈折率はよりクラッドの屈折率に近くなる。したがって、光信号のモード径はより大きくなるので、本発明の光回路から出射される光信号のAWG基板垂直方向のNAは、より小さくなる。
具体的には、屈折率差差Δ=1.5%の石英PLCの場合、出射端35における出射光のy方向のモード径は2.5μmとなり、この時NA=1.95となる。一方、本発明のセグメント導波路34を含む構成では、出射端35における出射光のy方向のモード径は4.0μmとなり、この時NA=1.25となる。従来技術のセグメント導波路の場合、上述のNAのもとで集光レンズの収差に起因する過剰損失は、1.5dBであった。これに対し、本発明のセグメント導波路による過剰損失は、0.4dBであった。
尚、図2の(b)において、各クラッドセグメント領域32a、32b、32cの中心位置は、導波路方向に対してほぼ等間隔に配置されたものとして記載しているが、これに限定されない。また、各クラッドセグメント領域32a、32b、32cの光伝搬方向の幅が端面35に向かって増加する割合も特に限定されない。クラッドセグメント領域の数も限定されない。すなわち、NAを小さくするために、出射端面35近傍において、コア23a〜23dの等価屈折率が次第に小さくなるようにすれば良い。
上述のように、本発明のセグメント導波路によれば、光回路を構成する基板端面から空間光学系へのNAを小さくして、出射光のモード径を大きくすることによって、空間光学系へのNAを小さくすることできる。これにより、集光レンズの収差に起因して発生する過剰損失を大幅に低減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、アレイ導波路とスラブ導波路との接合面における回折損失をさらに低減させることができる。さらに、PLCの基板出射端における信号光の広がりに起因する空間光学系の過剰損失を減らすことができる。左右非対称な構成のAWGにおける、過剰損失を減らすことができる。
本発明は、光通信に用いられる光信号処理装置に利用することができる。
10 入力導波路
11、13 スラブ導波路
12、20、22 アレイ導波路
14 出力導波路
15、16 入力テーパ導波路
17、18 出力テーパ導波路
21 縦テーパ
2、22a、22b、22c、22d、23a、23b、23c、23d 導波路
31a、31b、31c コアセグメント領域
32a、32b、32c クラッドセグメント領域
33、34 セグメント導波路
40 光回路

Claims (4)

  1. 基板上に形成された少なくとも1本の光導波路であって、前記基板の端面から光信号を空間へ出射する光導波路
    を備えた光回路であって、
    前記光導波路は、前記端面の近傍において前記光導波路に直交する方向にクラッド材料によって形成された複数のセグメント領域によって分断されており、前記複数のセグメント領域の前記光導波路方向の各長さは、前記端面に向かって順次大きくなることを特徴とする光回路。
  2. 前記少なくとも1本の光導波路は、複数の導波路から構成されたアレイ導波路であることを特徴とする請求項1に記載の光回路。
  3. 基板上に形成され、前記基板の端面から光信号を空間へ出射する少なくとも1本の光導波路を備えた光回路であって、前記光導波路は、前記端面の近傍において前記光導波路に直交する方向にクラッド材料によって形成された複数のセグメント領域によって分断されており、前記複数のセグメント領域の前記光導波路方向の各長さが、前記端面に向かって順次大きくなっている光回路と、
    前記光導波路の前記端面から出射した光信号を集光する集光レンズと
    を備えたことを特徴とする光信号処理装置。
  4. 前記少なくとも1本の光導波路は、複数の導波路から構成されたアレイ導波路であることを特徴とする請求項3に記載の光信号処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08262245A (ja) * 1995-03-10 1996-10-11 At & T Corp 導波路テーパー
JP2004239991A (ja) * 2003-02-04 2004-08-26 Fujitsu Ltd 光機能デバイス

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