JP2011028104A - レンズ駆動装置及びこれを備えたカメラモジュール - Google Patents

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傑 大石
Hiroshi Yamashita
博司 山下
Mitsuo Nakajima
三生 中島
Masatake Yamanaka
正剛 山中
Yuma Aoi
裕麻 青井
Kazuaki Someya
和昭 染矢
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Abstract

【課題】接着剤が支柱部より内部の空間に侵入することを抑制するレンズ駆動装置及びこれを備えたカメラモジュールを提供する。
【解決手段】レンズ駆動装置は、略平板状の基部を有するベースと、このベースに取り付けられるケース40と、ベース及びケース40によって形成される内部空間に収納されるとともにレンズを保持するホルダとを備えている。ベースには、支柱部32が設けられ、この支柱部32の上端面32eには突起部32cが設けられている。またケース40には天板41が設けられ、この天板41における突起部32cと対応するところには、突起部32cを挿通する開口部41bが設けられている。そして、突起部32cと開口部41bとの間には、接着剤が充填され、支柱部32の上端面32eには、接着剤を溜める円環凹部32dが設けられる。
【選択図】図7

Description

本発明は、ベースと、このベースに取り付けられるケースと、ベースおよびケースによって形成される内部空間に収納されるとともにレンズを保持するホルダとを備えるレンズ駆動装置及びこれを備えたカメラモジュールに関する。
近年、携帯電話に搭載されるカメラは、高画素化が進み、オートフォーカスが必須の機能となっている。そこで、このカメラのオートフォーカスを行うためにレンズ駆動装置が使用されている。一方、携帯電話の薄型化及び小型化に伴い、レンズ駆動装置に与えられるスペースを縮小する要求が高まっている。この要求に対応するため、レンズ駆動装置のレンズを駆動させる構造としては、例えば、特許文献1のようなボイスコイル型の構造が採用されている。このボイスコイル型の構造は、一般的なステッピングモータを用いた構造と比較して、構成を簡略化できるため、レンズ駆動装置の小型化を達成できることが知られている。
図12を参照して、従来のボイスコイル型のレンズ駆動装置の構成について説明する。
図12(a)に示すように、レンズ駆動装置100には、このレンズ駆動装置100の外枠を構成するベース110と上方カバー120と側方カバー130とが設けられている。これらベース110と上方カバー120及び側方カバー130とが互いに嵌合することにより形成される内部空間SR内には、レンズを保持するホルダ140が収納されている。
ベース110には、略平板状の基部111と、この基部111の4隅からレンズの光軸方向に沿って延びる4つの支柱部112とがそれぞれ設けられている。また、各支柱部112の光軸方向の上端部には、突部113がそれぞれ設けられている。また、上方カバー120における各突部113と対応するところには、開口穴121がそれぞれ設けられている。
以上の構成により、ベース110に側方カバー130が取り付けられるときには、側方カバー130は支柱部112を外囲するように取り付けられ、上方カバー120がベース110に取り付けられるときには、開口穴121に突部113が挿入されるように取り付けられる(図12(b)参照)。
特開2009−69611号公報
ところで、上方カバー120に支柱部112を取り付けた状態において、これらの接合強度の向上のために突部113と開口穴121との間に接着剤を充填する場合がある。このとき、接着剤の充填量が過剰に多い場合には接着剤が支柱部112よりも内部の空間に侵入してしまう場合がある。その結果、接着剤が支柱部112と近接して配置されるホルダ140の挙動を阻害してしまう場合がある。具体的には、接着剤とホルダ140とが接触することにより、ホルダ140が傾いた状態にて移動することとなり、レンズの光軸方向が予め設定した光軸方向に対して傾いてしまう場合がある。また、接着剤がホルダ140の光軸方向の移動を阻止することにより、ホルダ140がオンフォーカス位置に移動することができない場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、接着剤が支柱部より内部の空間に侵入することを抑制するレンズ駆動装置及びこれを備えたカメラモジュールを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、レンズを露出する開口部が設けられた基部を有するベースと、このベースに取り付けられるケースと、前記ベース及び前記ケースによって形成される内部空間に収納されるとともに前記レンズを保持するホルダとを備えるレンズ駆動装置において、前記ベースには、前記基部から前記レンズの光軸方向に向かい延びる支柱部が設けられ、前記支柱部の前記光軸方向における前記基部とは反対側の一端側の面には、この面から前記光軸方向の一端側に向かい延びる突起部が設けられ、前記ケースには、前記支柱部の前記面と前記光軸方向に対向する天板が設けられ、前記天板における前記突起部と対応するところには、前記突起部を挿通する開口部が設けられ、前記突起部と前記開口部との間には、接着剤が充填され、前記支柱部の前記面には、前記接着剤を溜める接着剤溜り部が設けられることを要旨とする。
この発明によれば、突起部と開口部との間に接着剤が充填されるため、突起部と開口部との間に接着剤が省略される構成と比較して、ベースとケースとの接合強度を向上させることができる。そして、支柱部の光軸方向の一端側の面に接着剤溜り部が設けられるため、この接着剤溜り部に接着剤が溜まるようになる。したがって、接着剤が充填した接着剤が支柱部よりも内部の空間に侵入することが抑制されるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレンズ駆動装置において、前記接着剤溜り部は、前記突起部を全周に亘り取り囲むように形成されることを要旨とする。
この発明によれば、接着剤溜り部が突起部を全周に亘り取り囲むように形成されるため、突起部を伝う接着剤を確実に接着剤溜り部に溜めることができるようになる。したがって、接着剤が支柱部よりも内部の空間に侵入することが確実に抑制されるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のレンズ駆動装置において、前記開口部の前記光軸方向の一端側の端部は、前記突起部の前記光軸方向の一端側の端部よりも前記光軸方向の一端側に位置するように形成されることを要旨とする。
この発明によれば、開口部と突起部の端部との間に形成される空間に接着剤をさらに充填することができるようになる。したがって、開口部と突起部との接合強度が向上するため、ベースとケースとの接合強度を向上することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のレンズ駆動装置において、前記突起部の前記光軸方向の一端側の端部には、前記光軸方向の一端側に向かうにつれて縮径する縮径部が設けられることを要旨とする。
この発明によれば、突起部の端部に縮径部が設けられるため、突起部の端部に縮径部が設けられていない構成と比較して、開口部と突起部との間の接着面積を増大させることができるようになる。したがって、ケースとベースとの接合強度を向上することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、前記ケースは、金属板をプレス加工することにより成形されることを要旨とする。
ケースが金属板をプレス加工することにより成形されることにより、ケースが樹脂材料を射出成形することにより成形される場合よりもケースを小型化することができるようになる。一方で、ケースが金属板をプレス加工することにより成形される場合には、ケースの開口部の位置精度がケースを樹脂成形により成形される場合の開口部の位置精度よりも低くなる。したがって、開口部に突出部を確実に挿入するためには、開口部の大きさを開口部の位置の誤差を含めて突起部よりも大きくしなければならない。その結果、開口部と突起部とを接着剤にてそれぞれ固定する場合には、ケースが樹脂成形によって成形される場合よりも接着剤が支柱部より内部に侵入する可能性が高くなる。その点において、本発明では、支柱部の光軸方向の一端側の面に接着剤溜り部が設けられるため、接着剤が支柱部より内部に侵入する可能性を低減することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、前記ケースには、前記天板から光軸方向に延びるとともに、前記基部に取り付けられる側板が設けられ、前記側板の光軸方向における前記基部側である他端側の端部とこの端部と前記光軸方向に対向する前記基部の部位とは、互いに接着剤によって固定され、前記側板の前記端部と前記基部の前記部位の少なくとも一方には、前記接着剤が溜まる接着剤溜り部が設けられることを要旨とする。
この発明によれば、ケースの開口部とベースの突起部との接着剤による固定に加えて、ケースの側板と基部との間を接着剤によって固定されるため、ベースとケースとの接合強度をさらに向上することができるようになる。その上、側板と基部との少なくとも一方に接着剤溜り部が設けられるため、側板と基部との接着面積が増大するようになる。したがって、側板と基部との接合強度を向上することができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のレンズ駆動装置において、前記側板の前記端部には、前記レンズの径方向の外方に向かい屈曲する屈曲部が設けられ、前記屈曲部の径方向の内方の部位と前記基部の前記部位との間には、前記接着剤が溜まる接着剤溜り部が設けられることを要旨とする。
この発明によれば、屈曲部と基部との間にさらに接着剤溜り部が形成されるため、側板と基部との接着面積がさらに増大するようになる。したがって、側板と基部との接合強度をさらに向上することができるようになる。
特に、ケースが金属板をプレス加工することにより成形される場合には、金属板からケースとして成形した部位を切り離す際に屈曲部が設けられる。この屈曲部を用いて、基部との間に接着剤溜り部を設けるため、同接着剤溜り部を設けるための専用の形状を成形することを省略することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項のレンズ駆動装置を備えるカメラモジュールであることを要旨とする。
この発明によれば、レンズ駆動装置を好適にカメラモジュールに適用することができるようになる。
本発明によれば、接着剤が支柱部より内部の空間に侵入することを抑制するレンズ駆動装置及びこれを備えたカメラモジュールを提供することができる。
本発明に係るレンズ駆動装置を具体化した一実施形態について、同レンズ駆動装置の分解斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)ベースの斜視構造を示す斜視図、(b)(a)とは異なる方向から見たベースの斜視構造を示す斜視図、(c)ベースの上面構造を示す平面図。 同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)ケースの斜視構造を示す斜視図、(b)ケースの側板の断面構造を示す断面図。 同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)〜(e)金属板からケースがプレス加工により成形される各工程を示す模式図。 同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)ベースにケースが取り付けられた状態における斜視構造を示す斜視図、(b)ベースにケースが取り付けられた状態における側面構造を示す側面図、(c)ベースにケースが取り付けられた状態における側板と基部との断面構造を示す断面図。 同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)ベースにケースが取り付けられた状態における斜視構造を示す斜視図、(b)ベースにケースが取り付けられた状態における側面構造を示す側面図、(c)(b)とは異なる方向から見た側面構造を示す側面図。 同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)ベースにケースが取り付けられた状態における支柱部の断面構造を示す断面図、(b)(a)の一部を拡大した拡大構造を示す拡大図。 同実施形態のレンズ駆動装置について、(a)移動体がホームポジションに位置する状態の断面構造を示す断面図、(b)移動体がオンフォーカス位置に位置する状態の断面構造を示す断面図。 同実施形態のレンズ駆動装置を搭載したカメラモジュールの構成を示す模式図。 本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、(a)レンズ駆動装置の斜視構造を示す斜視図、(b)レンズ駆動装置の側面構造を示す側面図、(c)(b)とは異なる方向から見た側面構造を示す側面図。 本発明に係るレンズ駆動装置を具体化したその他の実施形態について、(a)ケースの上面構造を示す平面図、(b)ベースの上面構造を示す平面図、(c)ベースにケースが取り付けられた状態における上面構造を示す平面図。 従来のレンズ駆動装置について、(a)同レンズ駆動装置の分解斜視構造を示す斜視図、(b)同レンズ駆動装置の斜視構造を示す斜視図。
図1〜図9を参照して、本発明に係るレンズ駆動装置を携帯電話に搭載されるカメラのオートフォーカスに用いられるレンズ駆動装置として具体化した一実施形態について説明する。以降では、予め設定されたレンズの光軸に沿った方向を「光軸方向」といい、レンズの径方向を「径方向」といい、レンズを径方向から取り囲む方向を「周方向」という。また、レンズ駆動装置1の光軸方向において、ベース30が配置される側を「下方」とし、ケース40が配置される側を「上方」とする。そして、レンズ駆動装置1の径方向において、光軸に向かう側を「内方」とし、光軸から離れる側を「外方」とする。
まず、図1を参照して、レンズ駆動装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、レンズ駆動装置1は、レンズ駆動装置1が搭載される機器に固定される固定体1Bに、この固定体1Bに対してレンズの光軸方向に移動可能な移動体1Aが収納されることにより構成されている。そして、レンズ駆動装置1は、移動体1Aの光軸方向の移動に伴いレンズが光軸方向に移動することにより、カメラのオートフォーカスを行っている。また、本実施形態のレンズ駆動装置1は、光軸方向の平面視において、約8.5mmの正方形に形成されており、レンズ駆動装置1の光軸方向の高さが、約3mmに形成されている。
移動体1Aは、円筒形状のレンズホルダRHと、平面視において略八角形のホルダ10と板状の磁石20とにより構成されている。具体的には、ホルダ10の中央部において光軸方向に沿って設けられた円形の貫通孔である開口部11にレンズホルダRHが固定されている。またホルダ10の径方向の外方には、互いに周方向に一定の距離を介して、磁石20が4個固定されている。また、これら磁石20は、ネオジウム磁石(Ne-Fe-B)が用いられている。
固定体1Bは、レンズ駆動装置1の外枠を構成するベース30及びケース40と、ガイド部材である2つの円柱形状のシャフト50,51と、電流が印加されることにより磁場を形成するコイル60と、2つの長方形の板状の磁性板70,71とにより構成されている。
具体的には、ベース30には、レンズ駆動装置1の外枠の下面を構成する平面視において中央部にレンズを露出するための開口部31aを有する略正方形状の基部31が設けられている。この基部31の4隅には、基部31から光軸方向に沿って延設される支柱部32が設けられている。基部31の周縁を構成する各辺のうちの2箇所の中央位置には、2個の磁性板70,71が固定されている。
また、基部31の周縁を構成する各辺のうちの1辺には、給電部である端子39が設けられている。この端子39は、上記機器とレンズ駆動装置1とを電気的に接続する役割を果たしている。
支柱部32には、これら4つの支柱部32を周方向に取り囲むようにコイル60が巻き付けられている。このコイル60は、周方向の一方向に向かい巻回される第1コイル61と、この第1コイル61とは周方向に対して反対方向に向かい巻回される第2コイル62とから構成されている。第1コイル61の巻き始めの端部と第2コイル62の巻き終わりの端部とは、それぞれ端子39に接続されている。
ケース40には、レンズ駆動装置1の外枠の上面を構成する略正方形状の天板41が設けられている。この天板41の外周縁には、天板41から光軸方向の下方に向かい延びるとともにレンズ駆動装置1の外枠の側面を構成する側板42が設けられている。このケース40は、コイル60の径方向の外方を外囲するようにベース30に取り付けられる。
次に、図2を参照して、ベース30の構造について説明する。本実施形態のベース30は、樹脂材料を射出成形することにより単一部材として構成されている。
図2(a)に示すように、ベース30には、周方向に隣り合う支柱部32をそれぞれ連結する上方連結部33及び下方連結部34が設けられている。上方連結部33は、支柱部32の光軸方向の上端同士を連結している。下方連結部34は、支柱部32の光軸方向の下端同士を連結している。そして下方連結部34は、基部31の側面31bよりも径方向の内方に設けられるとともに、基部31から光軸方向の上方に突出するように設けられている。
4つの支柱部32のうちの一の支柱部32aの光軸方向の上端には、他の支柱部32の光軸方向の上端より径方向の内方に突出する上方突出部35(図2(a)中の破線より径方向の内方の部位)が設けられている。この上方突出部35は、支柱部32と上方連結部33とのそれぞれに連結している。この上方突出部35には、シャフト50(図1参照)を受ける支柱側シャフト受部36が設けられている。
基部31における支柱側シャフト受部36と径方向及び周方向に対応する位置には、シャフト50を受ける基部側シャフト受部37が設けられている。したがって、シャフト50は、支柱側シャフト受部36及び基部側シャフト受部37によって光軸方向の2箇所にて受けられている。また基部31におけるシャフト51(図1参照)が配置されるところには、基部側シャフト受部38が設けられている。シャフト51は、基部側シャフト受部38のみによって受けられている。
また、各支柱部32には、この支柱部32の光軸方向の上端面32eから光軸方向の上方に向かい突出する突起部32cが設けられている。上端面32eにおける突起部32cの周縁には、上端面32eから光軸方向の下方に向かい凹む円環形状の円環凹部32dが設けられている。この円環凹部32dは、突起部32cを同突起部32cの径方向から取り囲むように設けられている(図2(c)参照)。
基部31の側面31bのうちの2辺の光軸方向の上端には、側面31bから径方向の内方に向かい凹む凹部31dが設けられている。この凹部31dは、光軸方向の上方に向かい開口している。
図2(b)に示すように、基部31の側面31bのうちの2辺には、磁性板70,71を載置するための載置部31eが設けられている。この載置部31eは、基部31の上面31jよりも光軸方向の上方に突出するように設けられている。
基部31の側面31bのうちの1辺の載置部31eの周方向の両側には、側面31bから径方向に向かい凹む凹部31fがそれぞれ設けられている。この凹部31fは、凹部31dと同様に光軸方向の上方に向かい開口している。
基部31の側面31bのうちの1辺の載置部31eの周方向の両側には、端子39(図1参照)を収納するための収納部31gがそれぞれ設けられている。この収納部31gと載置部31eとの周方向の間には、側面31bから径方向に向かい凹む凹部31hがそれぞれ設けられている。この凹部31hは、凹部31d,31fと同様に光軸方向の上方に向かい開口している。
次に、図3及び図4を参照して、ケース40の構造及び製造方法について説明する。本実施形態のケース40は、金属板をプレス加工することにより単一部材として構成されている。
図3(a)に示すように、ケース40の4隅には、周方向に隣り合う側板42を互いに連結する連結部44がそれぞれ設けられている。この連結部44は、湾曲状に屈曲して形成されている。
ケース40の天板41の中央部には、レンズを露出するための貫通孔である中央開口部41aが設けられている。またケース40の天板41の4隅には、光軸方向に貫通するとともに平面視において円形の貫通孔である開口部41bがそれぞれ設けられている。
ケース40の側板42のうちの2辺の光軸方向の下端部には、光軸方向の上方に向かい凹む凹部42aが設けられている。これら凹部42aは、それぞれ側板42の周方向の中央位置に設けられている。
図3(b)に示すように、ケース40の側板42の光軸方向の下端部には、径方向の外方に向かい屈曲する屈曲部43が設けられている。この屈曲部43は、凹部42aを除く側板42の下端部の全周に亘り設けられている。屈曲部43は、側板42より径方向の外方に突出する突出部43aと、突出部43aと側板42とを連結する曲面形状の曲面部43bとから構成されている。
図4に示すように、ケース40は、絞り工程(図4(b)参照)、開口部形成工程(図4(c)参照)、及び切り離し工程(図4(d)参照)の順に加工されている。
具体的には、図4(a)の一枚の金属板Mから、図4(b)に示すように、金型の絞りパンチP1によって天板41及び側板42に相当する形状が形成されている。次いで、図4(c)に示すように、中央開口部41a及び開口部41bに相当する貫通孔がそれぞれ金型の打ち抜きにより形成されている。最後に、図4(d)に示すように、金型の切り離し用のバイトP2によって、金属板から成形品(ケース40)が切り離される。これにより、図4(e)に示すように、金属板から切り離されたケース40の側板42の光軸方向の下端部には、屈曲部43が設けられるようになる。
次に、図5〜図7を参照して、ベース30にケース40を取り付けた状態の構成について説明する。なお、図5(c)では、移動体1A及びコイル60を省略して示している。またケース40は、ベース30に嵌合するとともに、ベース30とケース40との接合部分が接着剤によって互いに固定されている。
図5(a)に示すように、ケース40の側板42の外面42bと基部31の側面31bとは面一に形成されている。側板42の光軸方向の下端部と基部31の凹部31dとの光軸方向の間には、外方接着剤溜り部80が設けられている。この外方接着剤溜り部80は、側板42及び側面31bから径方向の内方に凹む凹形状の空間として形成されている。また、図5(b)に示すように、外方接着剤溜り部80の周方向の長さH1は、側板42の周方向の長さH2と略同等の長さに設けられている。
図5(c)に示すように、側板42の屈曲部43は基部31に当接している(以下、「当接面A」)。この当接面Aよりも径方向の内方における屈曲部43の曲面部43bと基部31との光軸方向の間には、内方接着剤溜り部81が設けられている。この内方接着剤溜り部81は、径方向の内方に向かうにつれて光軸方向の間の間隙が大きくなる空間として形成されている。また、当接面Aよりも径方向の外方における屈曲部43の突出部43aと基部31の凹部31dとにより上述の外方接着剤溜り部80が設けられるようになる。
外方接着剤溜り部80には、ベース30にケース40を取り付けた後に接着剤を充填する。そして、外方接着剤溜り部80に充填された接着剤は、当接面Aを介して内方接着剤溜り部81に浸透するようになる。これにより内方接着剤溜り部81には、接着剤が充填されるようになる。
以上のように、外方接着剤溜り部80と内方接着剤溜り部81に接着剤が充填されることにより、側板42(屈曲部43)と基部31とが互いに接合されるようになる。また、外方接着剤溜り部80及び内方接着剤溜り部81により、外方接着剤溜り部80及び内方接着剤溜り部81が省略された側板及び基部の構造と比較して、側板42(屈曲部43)と基部31との接着面積が増大するようになる。
また、基部31の下方連結部34は、内方接着剤溜り部81よりも光軸方向の上方に形成されている。これにより、内方接着剤溜り部81の接着剤が、下方連結部34よりも径方向の内方に侵入することが抑制されるようになる。
図6(a)に示すように、ケース40とベース30とは、ケース40の凹部42aとベース30の載置部31eとが互いに嵌合するように取り付けられている。この構成により、凹部42aと載置部31eとが嵌合しなければ、ケース40はベース30に取り付けられることができなくなる。
端子39が配置されていない側の側板42の光軸方向の下端部と基部31との光軸方向の間には、外方接着剤溜り部82が設けられている。この外方接着剤溜り部82は、側板42と載置部31e及び凹部31fとの光軸方向の間において径方向の内方に凹む凹形状の空間として形成されている。また、図6(b)に示すように、外方接着剤溜り部82の周方向の長さH3は、側板42の周方向の長さH2と略同等の長さに設けられている。
また、側板42の屈曲部43の曲面部43b(図5(c)参照)と基部31の凹部31fとの光軸方向の間には、内方接着剤溜り部(不図示)が設けられている。この内方接着剤溜り部は、径方向の内方に向かうにつれて光軸方向の間の間隙が大きくなる空間として形成されている。
外方接着剤溜り部82には、ベース30にケース40を取り付けた後に接着剤を充填する。そして、外方接着剤溜り部82に充填された接着剤は、屈曲部43の突出部43aと基部31との接触面を介して内方接着剤溜り部に浸透するようになる。これにより、内方接着剤溜り部には、接着剤が充填されるようになる。また、外方接着剤溜り部82のうちの載置部31eと凹部42aとの間に形成された空間に接着剤が充填されることにより、磁性板70(図1参照)と基部31及び凹部42aとが互いに接着されるようになる。
一方、端子39が配置される側の側板42の光軸方向の下端部と基部31との光軸方向の間には、外方接着剤溜り部83が設けられている。この外方接着剤溜り部83は、側板42と、載置部31e、凹部31h及び収納部31gとの光軸方向の間において径方向の内方に凹む凹形状の空間として形成されている。また、図6(c)に示すように、外方接着剤溜り部83の周方向の長さH4は、側板42の周方向の長さH2と略同等の長さに設けられている。
図7(a)に示すように、ベース30にケース40が取り付けられる状態において、天板41の開口部41bには、支柱部32の突起部32cが挿入されるようになる。この挿入状態において、突起部32cの上端面32c1は、天板41の上面41cよりも光軸方向の下方に配置されている。また、突起部32cの光軸方向の上端には、光軸方向の上方に向かうにつれて縮径する縮径部32c2が設けられている。
上記挿入状態において、上端面32c1と開口部41bとの間に形成される空間S1には、接着剤が充填される。したがって、開口部41bを構成する内周面41b1と突起部32cとの接着面積が増大するため、開口部41bの内周面41b1と突起部32cの外周面32c3とのみに接着剤が充填される場合と比較して、開口部41bと突起部32cとの接着面積を増大することができるようになる。特に、突起部32cに縮径部32c2が設けられるため、同突起部32cに縮径部が省略された構造と比較して、開口部41bの内周面と突起部32cとの接着面積を増大させることができるようになる。
また、開口部41bの内径R1は、突起部32cの外径R2よりも大きくなるように形成されている。これにより、図7(b)中の矢印に示すように、接着剤が開口部41bの内周面41b1と突起部32cの外周面32c3との間の径方向の間隙を介して支柱部32よりも径方向の内方の空間(内部空間)に侵入してしまう可能性がある。
特に、本実施形態では、ケース40をプレス加工により成形するために、ケース40を樹脂成形により成形した場合の開口部の位置精度と比較して、開口部41bの位置精度が低下してしまう。そのため、突起部32cを挿通するために、上記位置精度の誤差分を含めるように開口部41bの内径R1を突起部32cの外径R2よりも大きく形成する必要がある。その結果、開口部41bの内周面41b1と突起部32cの外周面32c3との径方向の間に間隙が形成されてしまい、接着剤がこの間隙を介して支柱部32よりも内部空間に侵入しやすくなってしまう。
しかしながら、本実施形態では、円環凹部32dが上記間隙を介して移動した接着剤を溜める接着剤溜り部として働くようになる。これにより、上記接着剤が内部空間に侵入することが抑制されるようになる。
また突起部32cは、円環凹部32dの一部を構成している。即ち突起部32cの外周面32c3から径方向に向かい円環凹部32dが形成されている。これにより、支柱部32の上端面32eにおいて円環凹部32dの径方向の幅H5を大きく形成することができるようになる。したがって、支柱部32の上端面32eにおける突起部32cより径方向の外方に円環凹部を設けた場合と比較して、円環凹部32dが収納できる接着剤の量を多くすることができるようになる。
ところで、円環凹部32dが収納できる接着剤の量を多くする構成として、円環凹部32dを光軸方向に深く形成する構成が考えられる。しかしながら、円環凹部32dを光軸方向に深く形成してしまうと、円環凹部32dが設けられる支柱部32の厚さと、同円環凹部32dが設けられていない支柱部32の厚さが大きく異なってしまう。その結果、支柱部32の成形性が悪化してしまう場合がある。
その点において、本実施形態では、図7(b)に示すように、円環凹部32dを突起部32cの外周面32c3から径方向の外方に向かい形成するため、円環凹部32dの径方向の幅H5を大きくすることができる分、円環凹部32dの光軸方向の深さH6を小さくすることができるようになる。したがって、上述の支柱部32の成形性の悪化を抑制することができるようになる。
また、円環凹部32dの外径R3は、開口部41bの内径R1よりも大きく形成されている(図7(a)参照)。これにより、開口部41bの内周面41b1に付着した接着剤が光軸方向に沿って下方に移動したとしても、円環凹部32dに収納されるようになる。したがって、接着剤をより確実に円環凹部32dに溜めることができるようになる。
また、支柱部32の上端面32bと天板41の下面との光軸方向の間には、間隙Gが形成されている。
ところで、ベース30とケース40との接着強度を向上させるために、支柱部32の上端面32bと天板41の下面とを当接させた上で、その間に接着剤を充填する構成が考えられる。しかしながら、上記構成では、毛細管現象により接着剤が支柱部32の径方向に向かい浸透していく場合がある。特に接着剤が支柱部32の径方向の内方に向かい浸透してしまうと、ホルダ10と接着剤とが接触してしまう可能性がある。
その点において、本実施形態では、図7(b)に示すように、支柱部32の上端面32bと天板41の下面との光軸方向の間に間隙Gが形成されるため、上記毛細管現象の発生が回避されるようになる。したがって、上記毛細管現象に起因して接着剤が支柱部32の径方向の内方に浸透することが回避されるようになる。
次に、図8を参照して、レンズ駆動装置1の駆動動作について説明する。図8中の一点鎖線は、光軸方向を示す。
図8(a)では、移動体1Aは、ホームポジションに位置している。具体的には、移動体1Aのホルダ10の下面がベース30の基部31の上面と接触している。移動体1Aがホームポジションに位置しているとき、コイル60には、電流が印加されていない。
そして、コイル60に図8(a)に示す電流が印加されると、移動体1Aは、図8(b)に示す位置まで移動する。具体的には、コイル60の周囲に磁場が発生する。そして、これら磁場と磁石20とにより磁気回路が形成されて、移動体1Aを光軸方向の上方に向かい移動させる力が発生する。そして、移動体1Aは、図8(a)に示すホームポジションから光軸方向の上方に向かい図8(b)の位置まで移動する。
一方、コイル60に図8(a)に示す向きとは逆向きの電流が印加された場合、この磁場と磁石20とにより磁気回路が形成されて、移動体1Aを光軸方向の下方に向かい移動させる力が発生する。即ち、移動体1Aは、図8(b)の位置からホームポジションに向かい移動する。ここで、図8(a)中のコイル60に付されたマークについて、円に黒点のマークは、図面参照者に向かってくる方向を示し、円にバツのマークは、図面参照者から遠ざかる方向を示す。
以上のように、移動体1Aを光軸方向の上方及び下方に移動させながら、レンズをオンフォーカス位置に移動させる。このとき、磁性板70,71とこれら磁性板70,71と径方向に対向する磁石20との間に生じる磁力により、移動体1Aは、シャフト50,51に対して摺動する。このため、移動体1Aを鉛直方向に動かす場合にも、重力の影響を受けにくくなる。また、レンズをオンフォーカス位置に移動させた後に、コイル60への電流の印加を遮断しても、上記の磁石20と磁性板70,71との間の磁力により、移動体1Aはオンフォーカス位置に維持される。
次に、図9を参照して、本実施形態のレンズ駆動装置1をカメラに搭載する場合のカメラモジュールの構成について説明する。
図9に示すように、レンズ駆動装置1のベース30側には、フィルタ2とイメージセンサ3とが配置されている。即ち、ベース30の光軸方向の下方には、フィルタ2とイメージセンサ3とが配置されている。ベース30には、位置検出素子としてホール素子4が配置される。そして、ホール素子4からの信号に基づいて、移動体1Aの位置検出が行われる。
フォーカス動作時、CPU(Central Processing Unit)5は、ドライバ6を制御して、移動体1Aをホームポジションから予め設定された位置まで光軸方向の上方に移動させる。このとき、ホール素子4からの位置検出信号がCPU5に入力される。同時に、CPU5は、イメージセンサ3から入力される信号を処理して撮像画像のコンストラスト値を取得する。そして、このコンストラスト値が最良となる移動体1Aの位置をオンフォーカス位置として取得する。
その後、CPU5は、オンフォーカス位置に向けて移動体1Aを駆動する。その際、CPU5は、ホール素子4からの信号をモニタし、ホール素子4からの信号がオンフォーカス位置に対応する状態になるまで、移動体1Aを駆動する。これにより、移動体1Aがオンフォーカス位置に位置づけられる。
本実施形態のレンズ駆動装置1によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、ベース30の支柱部32の突起部32cとケース40の天板41の開口部41bとの間に接着剤が充填される構成である。したがって、突起部と開口部との間に接着剤が省略される構成と比較して、ベース30とケース40との接合強度を向上させることができる。そして、支柱部32の上端面に設けられた円環凹部32dにより接着剤溜り部の役割を果たすため、充填した接着剤が支柱部32よりも内部空間に侵入することが抑制されるようになる。
また、突起部32cの外周面32c3は円環凹部32dの一部を構成している。したがって、円環凹部32dの径方向の幅H5を大きくすることができるため、接着剤を溜める性能を維持しつつ、円環凹部32dの光軸方向の深さH6を小さくすることができるようになる。その結果、支柱部32の成形性の低下を抑制することができるようになる。
(2)本実施形態では、円環凹部32dが突起部32cを全周に亘り取り囲むように形成される構成である。したがって、突起部32cを伝う接着剤を確実に円環凹部32dに収納することができるようになる。その結果、接着剤が支柱部32よりも内部空間に侵入することが確実に抑制されるようになる。
(3)本実施形態では、突起部32cの上端面は天板41の上面41cよりも光軸方向の下方に位置するように設けられている。したがって、開口部41bと突起部32cの端部との間の空間に接着剤をさらに充填することができるようになる。その結果、開口部41bと突起部32cとの接合強度が向上するため、ベース30とケース40との接合強度が向上するようになる。
(4)本実施形態では、突起部32cの端部には縮径部32c2が設けられる構成である。したがって、開口部41bと突起部32cとの間の接着面積を増大させることができるようになる。その結果、ベース30とケース40との接合強度が向上するようになる。
(5)本実施形態では、ケース40は金属板をプレス加工によって成形される構成である。この構成によれば、ケースを樹脂成形により成形される場合と比較して、開口部41bの大きさを突起部32cよりも大きくする必要がある。しかしながら、支柱部32の光軸方向の上端面32eに円環凹部32dが設けられるため、接着剤が支柱部32より内部空間に侵入する可能性を低減することができるようになる。
(6)本実施形態では、側板42と基部31との間には、外方接着剤溜り部80,82,83が設けられる構成である。したがって、側板42と基部31とが接着剤によって固定されるため、ベース30とケース40との接合強度を向上することができるようになる。その上、外方接着剤溜り部80,82,83により、側板42と基部31との接着面積が増大するため、側板42と基部31との接合強度を向上することができるようになる。
また、外方接着剤溜り部80,82,83の周方向の長さH1,H3,H4は、側板42の周方向の長さH2と略同等として設けられている。ここで、外方接着剤溜り部80,82,83の周方向の長さH1,H3,H4が側板42の周方向の長さH2よりも短い場合、側板42と基部31との接合強度が低下してしまう。一方、外方接着剤溜り部80,82,83の周方向の長さH1,H3,H4が側板42の周方向の長さH2よりも長い場合、連結部44に周方向に対応する位置まで外方接着剤溜り部80,82,83が形成されることとなる。しかしながら、連結部44は湾曲する形状であるため、外方接着剤溜り部80,82,83よりも径方向の内方に位置する。したがって、接着剤が連結部44と接触することがない。その結果、外方接着剤溜り部80,82,83に側板42と基部31との接合に対して不要な部位まで接着剤が充填されてしまう。
その点において、本実施形態では、外方接着剤溜り部80,82,83の周方向の長さH1,H3,H4が側板42の周方向の長さH2と略同等であるため、側板42と基部31との接合強度の低下を抑制するとともに、不要な接着剤の充填を抑制することができるようになる。
(7)本実施形態では、側板42の屈曲部43と基部31との間にさらに内方接着剤溜り部81が形成される構成である。したがって、側板42と基部31との接着面積がさらに増大するようになるため、側板42と基部31との接合強度がさらに向上するようになる。特に、本実施形態ではケース40が金属板Mをプレス加工することにより成形されるため、金属板Mからケースとして成形した部位を切り離す際に屈曲部43が設けられるようになる。この屈曲部43を用いて、基部31との間に内方接着剤溜り部81を設けるため、この内方接着剤溜り部81を設けるための専用の形状を成形することを省略することができるようになる。
(8)近年携帯電話の薄型化に加え、付加機能の増大に伴い、携帯電話内に配置される電子部品が増大している。そのため、各電子部品が配置されるスペースが減少するので、各電子部品には、小型化及び薄型化が要求されている。そこで、レンズ駆動装置1も同様に小型化及び薄型化が要求されている。このレンズ駆動装置1の小型化により、ベース30とケース40とを接着剤により固定する場合には、ベース30とケース40との接着面積が減少してしまう。その結果、ベース30とケース40との接合強度が減少してしまい、外部衝撃によってベース30からケース40が外れてしまう可能性がある。その点において、本実施形態では、外方接着剤溜り部80,82,83及び内方接着剤溜り部81、並びに開口部41bと突起部32cとの接合構造により、ベース30とケース40との接合強度を向上させている。その結果、外部衝撃によってベース30からケース40が外れることを抑制することができるようになる。
(その他の実施形態)
本発明のレンズ駆動装置及びこれを備えるカメラモジュールの具体的な構成は、上記実施形態に例示した構成に限定されることなく、例えば以下のように変更することもできる。また以下の変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、ケース40の側板42の内面に磁性板70,71が当接した構成であったが、側板42と磁性板70,71との配置関係はこれに限定されることはない。例えば、図10(a)に示すように、側板42に磁性板70,71をそれぞれ収納するための切欠部42c,42dがそれぞれ設けられる構成とすることができる。この構成においては、図10(b)に示すように、外方接着剤溜り部82は、基部31の凹部31f及び載置部31eと、側板42の下端部及び切欠部42cとから構成されるようになる。また図10(c)に示すように、外方接着剤溜り部83は、基部31の載置部31e、凹部31h及び収納部31gと、側板42の下端部及び切欠部42dとから構成されるようになる。なお、このような切欠部42c,42dが形成される場合には、ケース40は樹脂材料を用いて射出成形することにより成形されることが望ましい。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、ベース30の支柱部32の突起部32cが円柱形状であり、ケース40の天板41の開口部41bが平面視において円形の貫通孔であったが、突起部32cの形状及び開口部41bの形状はこれに限定されることはない。例えば、図11(a)に示すように、ケース40の天板41の開口部41bの形状は、略三角形状であってもよい。また、図11(b)に示すように、ベース30の支柱部32の突起部32cの形状が三角柱形状であってもよい。この場合、接着剤溜り部の役割を果たす円環凹部32dの形状は、この突起部32cを同突起部32cの径方向から取り囲む三角形状に設けられる。そして、図11(c)に示すように、ベース30にケース40が取り付けられた状態において、円環凹部32dは、開口部41bよりも径方向の外方の部位を有する構成となる。これにより、開口部41bと突起部32cとの間の間隙に侵入する接着剤が円環凹部32dよりも内部空間に侵入することを防ぐとともに、円環凹部32dに接着剤を確実に収納することができるようになる。なお、円環凹部32dの形状は、図11では三角形状としたが、突起部32cを同突起部32cの径方向の外方から取り囲む形状であればよいので、円環形状や楕円形状等の他の形状とすることもできる。また、開口部41bの形状は、突起部32cを挿通可能な形状であればよいため、略三角形状に限定されず、略長方形状等の他の形状とすることもできる。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、円環凹部32dが突起部32cと支柱部32の上端面との連結部分に設けられたが、本発明の円環凹部32dの形成される位置はこれに限定されることはない。円環凹部32dは突起部32cを同突起部32cの径方向の外方を取り囲むように設けられる構成であればよいため、上記連結部分よりも径の大きい円環形状として円環凹部32dを形成することもできる。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、円環凹部32dが1つのみ設けられる構成であったが、円環凹部32dの個数はこれに限定されることはない。円環凹部32dは複数個設けることもできる。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、外方接着剤溜り部80が側板42の下端部と基部31の凹部31dとにより径方向の内方に凹む凹形状の空間として形成されたが、外方接着剤溜り部80の構成はこれに限定されることはない。例えば、側板42の光軸方向の下端部に径方向の内方に凹むとともに光軸方向の下方に向かい開口する凹部が設けられ、基部31に凹部31dが省略された構成によっても外方接着剤溜り部80を構成することができる。また、基部31の凹部31dを省略せずに、側板42の光軸方向の下端部に設けられた上記凹部と凹部31dとによっても外方接着剤溜り部80を構成することができる。これは、外方接着剤溜り部82についても同様である。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、ケース40の天板41と側板42とが単一部材として構成されたが、ケース40の構成はこれに限定されることはない。例えば、天板41と側板42とが各別の部材から構成することもできる。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、接着剤溜り部として円環凹部32dが突起部32cの全周に亘り形成されたが、接着剤溜り部の構成はこれに限定されることはない。接着剤溜り部は、支柱部32の上端面32eにおいて、少なくともホルダ10と突起部32cとの径方向の間に形成されていればよい。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、接着剤溜り部として円環凹部32dが設けられる構成であったが、接着剤溜り部の構成はこれに限定されることはない。例えば、支柱部32の上端面32eの外周縁に沿って、同上端面32eから光軸方向の上方に突出する突出壁部を設ける構成とすることもできる。この場合では、突起部32cと突出壁部との径方向の間に形成された空間が接着剤溜り部として構成されるようになる。なお、突出壁部は、間隙G(図7(b)参照)の大きさよりも小さいことが望ましい。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、ベース30にケース40を取り付けた後に外方接着剤溜り部80,82,83のそれぞれに接着剤を充填することにより、それぞれに対応する内方接着剤溜り部81に接着剤が充填される構成であったが、接着剤が塗布される順番はこれに限定されることはない。例えば、外方接着剤溜り部80,82,83のそれぞれに接着剤を充填した後に、ベース30にケース40を取り付ける構成とすることもできる。この場合においても、予め外方接着剤溜り部80,82,83に接着剤が充填されるため、ケース40をベース30に取り付けたときには、内方接着剤溜り部81に接着剤が充填されるようになる。
・上記実施形態のレンズ駆動装置1では、携帯電話に搭載されるカメラモジュールに適用されたが、本発明の適用範囲はこれに限定されることはない。例えば、他の携帯機器に搭載されたカメラモジュールに適用されてもよい。
1…レンズ駆動装置、1A…移動体、1B…固定体、2…フィルタ、3…イメージセンサ、4…ホール素子、5…CPU、6…ドライバ、10…ホルダ、11…開口部、20…磁石、30…ベース、31…基部、31a…開口部、31b…側面、31d…凹部、31e…載置部(係合部)、31f…凹部、31g…収納部、31h…凹部、31j…上面、32…支柱部、32a…支柱部、32b…支柱部、32c…突起部、32c1…上端面、32c2…縮径部、32c3…外周面、32d…円環凹部(接着剤溜り部)、32e…上端面(面)、33…上方連結部、34…下方連結部、35…上方突出部、36…支柱側シャフト受部、37…基部側シャフト受部、38…基部側シャフト受部、39…端子、40…ケース、41…天板、41a…中央開口部、41b…開口部、41b1…内周面、41c…上面、42…側板、42a…凹部(係合部)、42b…外面、42c,42d…切欠部、43…屈曲部、43a…突出部、43b…曲面部、44…連結部、50,51…シャフト、60…コイル、61…第1コイル、62…第2コイル、70,71…磁性板、80…外方接着剤溜り部(接着剤溜り部)、81…内方接着剤溜り部(接着剤溜り部)、82…外方接着剤溜り部(接着剤溜り部)、83…外方接着剤溜り部(接着剤溜り部)、M…金属板、P1…絞りパンチ、P2…バイト、RH…レンズホルダ。

Claims (8)

  1. レンズを露出する開口部が設けられた基部を有するベースと、このベースに取り付けられるケースと、前記ベース及び前記ケースによって形成される内部空間に収納されるとともに前記レンズを保持するホルダとを備えるレンズ駆動装置において、
    前記ベースには、前記基部から前記レンズの光軸方向に向かい延びる支柱部が設けられ、
    前記支柱部の前記光軸方向における前記基部とは反対側の一端側の面には、この面から前記光軸方向の一端側に向かい延びる突起部が設けられ、
    前記ケースには、前記支柱部の前記面と前記光軸方向に対向する天板が設けられ、
    前記天板における前記突起部と対応するところには、前記突起部を挿通する開口部が設けられ、
    前記突起部と前記開口部との間には、接着剤が充填され、
    前記支柱部の前記面には、前記接着剤を溜める接着剤溜り部が設けられる
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のレンズ駆動装置において、
    前記接着剤溜り部は、前記突起部を全周に亘り取り囲むように形成される
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレンズ駆動装置において、
    前記開口部の前記光軸方向の一端側の端部は、前記突起部の前記光軸方向の一端側の端部よりも前記光軸方向の一端側に位置するように形成される
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  4. 請求項3に記載のレンズ駆動装置において、
    前記突起部の前記光軸方向の一端側の端部には、前記光軸方向の一端側に向かうにつれて縮径する縮径部が設けられる
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、
    前記ケースは、金属板をプレス加工することにより成形される
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置において、
    前記ケースには、前記天板から光軸方向に延びるとともに、前記基部に取り付けられる側板が設けられ、
    前記側板の光軸方向における前記基部側である他端側の端部とこの端部と前記光軸方向に対向する前記基部の部位とは、互いに接着剤によって固定され、
    前記側板の前記端部と前記基部の前記部位の少なくとも一方には、前記接着剤が溜まる接着剤溜り部が設けられる
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  7. 請求項6に記載のレンズ駆動装置において、
    前記側板の前記端部には、前記レンズの径方向の外方に向かい屈曲する屈曲部が設けられ、
    前記屈曲部の径方向の内方の部位と前記基部の前記部位との間には、前記接着剤が溜まる接着剤溜り部が設けられる
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項のレンズ駆動装置を備えることを特徴とするカメラモジュール。
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