JP2011026496A - インクジェット記録用非水系インク - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出性に優れ、かつ、インクジェットヘッドの電極に負荷を減らすことのできるインクジェット記録用非水系インクを提供する。
【解決手段】着色剤と、非水系溶剤と、下記式(1):
CH=CH−R−X 式(1)
(式(1)において、Rは炭素数6〜16の2価の炭化水素基を表し、Xは−F、−Cl、−Br、および−Iからなる群から選ばれる1価の置換基を表す。)
または式(2):
CH=CH−R 式(2)
(式(2)において、Rはその構造中にビニル基またはビニレン基を有する炭素数6〜16の1価の炭化水素基を表す。)
で示されるα−オレフィン化合物とを含む、インクジェット記録用非水系インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用非水系インクに関する。
ピエゾ方式のインクジェット記録装置は、電圧を加えると変形するピエゾ素子(圧電素子)を用い、圧電素子の変形に伴うインク室(圧力室)内の圧力変化を利用して、インクをノズルから吐出させるものである。用いられるインクジェットプリンタヘッド(以下、単に「IJヘッド」ともいう。)として、インクが貯留されるインク室(圧力室)の一部を圧電部材が構成し、その圧電部材のインク室側の表面に電極が設けられ、この電極から圧電部材に電圧が印加されるタイプのものがある。このタイプのIJヘッドでは、インク室の内面に設けられた電極とインクとが、常に接する構造になっている。
電極とインクとが接する構造のIJヘッドでは、水性インク等の導電性を有するインクを使用すると、インクに電流が流れることによりインクに変質が生じるという問題がある。そこで、電極の表面に絶縁性を有する保護膜を形成し、導電性を有するインクを用いた場合でも電極からインクに電流が流れることを防止し、インクの変質を防止する技術が知られている(特許文献1)。
特許第3943971号公報
本発明者の検討によると、こうしたタイプのIJヘッドでは、使用するインクに含まれるフタロシアニン銅などの顔料が化学変化を引き起こし、これがインク吐出性に悪影響を及ぼす恐れがあることがわかってきた。すなわち、顔料に含まれる錯体金属がインク中に溶存する酸素によって酸化され、その酸化金属が、電圧が印加された電極の表面で還元されて、金属として電極表面に析出(電析)し、電極を劣化させてしまう。たとえばフタロシアニン銅を含むインクの場合、銅が電極表面に析出する。
さらに、インク中にアルコール系溶剤が含まれる場合は、この酸化金属の還元反応に伴い水酸基がカルボキシ基に酸化され、カルボン酸塩が形成される。このカルボン酸塩は、インクの保存安定性を低下させるとともに、ノズル近傍に析出して、インクの吐出性を悪化させる恐れがある。その結果、IJヘッドの清掃または交換の必要性が高まり、印刷作業の中断を余儀なくされてしまう。
そこで本発明は、視点を変えてインク側からの改良を行ない、IJヘッドのインク室において、インクと電極とが直接接触することがあっても、電極の劣化を抑制し、かつ、良好な吐出性を維持できるインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、着色剤と、非水系溶剤と、下記式(1):
CH=CH−R−X 式(1)
(式(1)において、Rは炭素数6〜16の2価の炭化水素基を表し、Xは−F、−Cl、−Br、および−Iからなる群から選ばれる1価の置換基を表す。)
または式(2):
CH=CH−R 式(2)
(式(2)において、Rはその構造中にビニル基またはビニレン基を有する炭素数6〜16の1価の炭化水素基を表す。)
で示されるα−オレフィン化合物とを含む、インクジェット記録用非水系インクが提供される。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インクは、末端にハロゲンを含むか、またはビニル基もしくはビニレン基を有するα−オレフィン化合物を含むので、インクと電極とが直接接触する構造のIJヘッドを備えたインクジェット記録装置に使用しても、IJヘッドの電極に対する負荷を減らすことができる。したがって、様々なタイプのIJヘッドを備えるインクジェット記録装置において、本発明のインクジェット記録用非水系インクは良好な吐出性を実現することができる。
本発明に係るインクを使用することができるIJヘッドの一例を模式的に示す部分断面図である。
本発明に係るインクジェット記録用非水系インク(以下、単に「インク」とも記す。)は、下記式(1)で示されるα−オレフィン化合物または下記式(2)で示されるα−オレフィン化合物を含むことを特徴とする。
CH=CH−R−X 式(1)
CH=CH−R 式(2)
式(1)において、Rは炭素数6〜16の2価の炭化水素基を表し、式(2)において、Rは炭素数6〜16の1価の炭化水素基を表す。このRは、飽和または不飽和の炭化水素基のどちらでもよく、たとえばビニレン基などの不飽和結合を含んでいてもよいが、インクの酸化劣化の懸念から、不飽和結合は1個以下であることが好ましい。一方、Rは、ビニル基またはビニレン基を含む不飽和の炭化水素基であり、その不飽和基の数は特に限定されないが、同様にインクの酸化劣化の懸念から、R内の不飽和結合は1個であることが好ましい。
およびRは、本発明における効果を奏するために、炭素数6以上であることが好ましく、インクの粘度調整の観点から炭素数16以下であることが好ましい。RおよびRは、枝分れ構造を有していてもよい。
式(1)においてXは、−F、−Cl、−Br、および−Iからなる群から選ばれるハロゲノ基を表す。式(1)で示される末端ハロゲン化α−オレフィン化合物としては、たとえば、8−ハロ−1−オクテン、9−ハロ−1−ノネン、10−ハロ−1−デセン、18−ハロ−1−オクタデセン、19−ハロ−1−ノナデセン、20−ハロ−1−エイコセン、18−ハロ−1,7−オクタデセジエンが挙げられる。
式(2)で示されるポリエン型のα−オレフィン化合物は、両末端に二重結合を有するジエン化合物(Rがビニル基を含む不飽和炭化水素基)であることが好ましく、具体的には1,11−テトラデカジエン、1,11−トリデカジエン、1,10−ウンデカジエン等が挙げられる。Rがビニレン基を含む不飽和炭化水素基である具体例としては、1,9−ドデカジエンが挙げられる。
インクには、複数種のα−オレフィン化合物が含まれていてもよく、末端ハロゲン化α−オレフィン化合物(式(1))と両末端に二重結合を有するジエン化合物(式(2))とが併用されてもよい。
α−オレフィン化合物は、複数種が含まれる場合はその合計量として、インク中に0.1質量%以上含まれることが好ましい。その配合の上限値は特に限定はされないが、電極の特性、具体的には電極間に生じる電束密度の計算値から、インク中に5質量%以下の量で配合されることが好ましい。
インクに上記α−オレフィン化合物が含まれることにより、本発明の効果が得られる理由については、あくまで推論であるが次のように考えることができる。
IJヘッドの電極近傍には電界と磁界が生じて、インク中に含まれる成分である分子の永久双極子に作用し、インクの諸成分に誘電緩和作用と誘電泳動作用を生じさせる。その結果、インク成分が発熱し、あるいは、電気泳動により分散の不均一が発生し、さらには顔料の誘電分極により顔料は電気力線に沿って周期的な粒子濃度の変化をつくり、顔料粒子の凝集を生じる。このインク成分の発熱、電気泳動、および/または誘電泳動の結果、インクが不安定化し、ヘッドの不吐出または飛行曲がりといった吐出異常を引き起こすことが考えられる。たとえば、顔料が電気泳動によりインク中で凝集して、ヘッドに沈積する恐れがある。
一般に、電界中に媒質よりも分極しやすい粒子や分子を置くと、誘電分極により電気力線の上流側に−q、下流側に+qの電荷が現れる。平等電界下では、これらの電荷に働く合力は、
−q・E+q・E=0
となり、分子の移動には貢献しないが、IJヘッドの電極のような不平等電界下では、上記の等式は0ではなくなり、つまり粒子や分子は移動することとなる。
誘電泳動による移動速さは、電界強度が同じである場合、粒子や分子が小さいほど早い。つまり、顔料粒子よりも小さい分子ほど移動速度は速くなる。
本発明で使用する特定のα−オレフィン化合物は、末端のハロゲンまたは二重結合が不平等電界下で分子中の電子の顕著な「ゆらぎ」を生じるので、電気力線に沿って選択的に配向することとなり、交流電界中で良好な誘電泳動性を示すことが推測される。また、相対的に分子量が小さいため、その結果、このα−オレフィン化合物が他のインク成分に先んじて優先的に誘電泳動して電極表面を覆うことで、顔料の凝集が抑制され、かつ、電極へのインク成分の電析が抑制されてインクの吐出安定性が得られると考えることができるが、この理論に拘束されることはない。なお、ここでいう誘電泳動とは、電界とそれにより誘導された電気双極子モーメントとの相互作用により、電界の強いほうへ(正の誘電泳動)または弱いほうへ(負の誘電泳動)と分子が移動する現象であり、高周波交流特有の現象である。また、表面電荷の発生により電気泳動する現象とは原理的に異なる。
インクには、必須成分として、着色剤と、非水系溶剤(以下単に「溶剤」ともいう。)が含まれる。
着色剤としては、公知の顔料または染料を用いることができ、特に限定はされず、2種以上を併用してもよい。
顔料としては、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土、群青、紺青等の無機顔料、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。
顔料を用いる場合の顔料の平均粒径は、吐出安定性と保存安定性の観点から300nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。ここで、顔料の平均粒径は、(株)堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500により測定された値である。
また、溶剤中への分散性を高めるために表面処理が施された、いわゆる自己分散性顔料を用いることも好ましい。
染料としては、たとえば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち水溶性の染料および還元等により水溶性になった水溶性染料を用いることができる。顔料、染料のいずれかもしくは両方を着色剤として用いてもよいが、顔料を用いることにより画像の滲みや裏抜けが少なく、耐候性にも優れたインキとすることができるため好ましい。
インク中の着色剤の含有量は、通常0.01〜20質量%であり、印刷濃度とインク粘度の観点から1〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることが一層好ましい。
非水系溶剤とは、非極性有機溶剤および極性有機溶剤であって、50%留出点が150℃以上の溶剤をいう。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、質量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。安全性の観点からは、50%留出点が160℃以上、好ましくは230℃以上のものを用いることが好ましい。
本発明に係るインクは、実質的に水を含まない非水系インクであり、非水系インクとは、ここではインク中の水の量が5質量%以下であることを意味する。
たとえば、非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、日本石油(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、Isopar H、Isopar L、Isopar M、Exxsol D40、Exxsol D80、Exxsol D100、Exxsol D120、Exxsol D130、Exxsol D140、Norpar(ノルパー)13、Norpar 15、Somentor 32」等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、日本石油(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を好ましく挙げることができる。
これらは、極性溶解度パラメータ(Polar Solubility Parameter、Hansenの溶解度パラメータともいう)が2MPa1/2以下の溶剤である。
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤、およびこれらの混合溶剤を用いることができる。より具体的には、
ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどの、1分子中の炭素数が14以上のエステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの、1分子中の炭素数が12以上であるアルコール系溶剤;
イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤;
ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、が好ましく挙げられる。
これらの非水系溶剤は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
なかでも、上記非極性有機溶剤と極性有機溶剤とを併用することが好ましく、たとえば、極性溶解度パラメータが2MPa1/2以下である非極性有機溶剤に対して、極性溶解度パラメータが2MPa1/2より大きく7MPa1/2以下である極性有機溶剤を、溶剤全体の50質量%以下の量で組み合わせて用いることが好ましい。組み合わせて使用される極性有機溶剤は、アルコール、グリコール、ポリグリコール、グリコールおよびポリグリコールのエステル、ならびにこれらの混合物であることが好ましい。特に好ましい極性有機溶剤は、グリコール、ポリグリコールおよびこれらのエステルであり、たとえばジプロピレングリコール、分子量4000以下のポリプロピレングリコール、エチレングリコールのモノ−およびジ−エステル、ジ−およびトリ−エチレングリコール、エトキシ化アルキルフェノールである。この場合の極性有機溶剤の沸点は、100℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましい。
インク総量に対し、非水系溶剤は、必須成分と任意成分以外の残部を構成し全体を100とする量に調整される。目安としては、非水系溶剤はインク中に50〜95質量%であることが好ましい。
インクは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、当該分野において通常用いられている任意の成分を含むことができる。
たとえば、着色剤として顔料を配合する場合は、顔料分散剤を用いることが好ましい。顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであればよく、特に限定されることはないがたとえば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を例示することができる。これらは単独で用いられるほか、複数種を組み合わせて使用してもよい。
顔料分散剤を配合する場合の顔料分散剤の配合量は、適宜設定できるが、顔料分散性の観点から、質量比で、顔料1部に対し0.05〜1.0部程度であることが好ましく、0.1〜0.7部であることがより好ましい。
インク総量に対しては、顔料分散剤は、0.1〜10質量%程度含まれていることが好ましく、0.5〜5質量%であることが一層好ましい。
その他、インクが含みうる各種添加剤として、ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを例示することができる。これらは特定の化合物に限定されることはなく、必要に応じて適宜添加すればよい。
たとえば、消泡剤、表面張力低下剤等としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤をインクに含有させることができる。
インクの粘度は、インクジェット記録システム用の場合、吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において2〜30mPa・sであることが好ましく、5〜15mPa・sであることがより好まし1。ここで粘度は、23℃において剪断応力を、1分間かけて0Paから10Paまで増加させたときの値を表す。
インクの製造方法についても、特に限定されることはなく、たとえば顔料インクの場合、顔料と顔料分散剤と非水系溶剤とを含む顔料分散体をまず調製し、さらに非水系溶剤およびその他の任意の成分を加えて製造することができる。あるいは、すべての配合成分を、一度に混合させてもよい。分散手段としては、ボールミル、ビーズミル等を好ましく使用できる。
本発明のインクは、任意のインクジェット記録装置に適用することができる。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。
特に、本発明のインクは、電極とインクとが接する構造のIJヘッドを備えたインクジェットプリンタにも好ましく使用できる。このIJヘッドは、たとえば、インクが貯留されるインク室(圧力室)の一部が圧電部材で構成され、その圧電部材のインク室側の表面に電極が設けられ、この電極から圧電部材に電圧が印加される構造をとりうるが、これに限定されることはない。
このタイプのIJヘッドの一例を図1に模式的に示す。図1は、少なくとも一部の壁面が圧電部材(圧電素子)で構成されたインク室を備えるIJヘッドを、インクの吐出方向に沿って圧電部材の位置で切断した部分断面図である。このIJヘッド1は、インクが供給される複数のインク室2と、各インク室の下端面に設けられたノズルプレート3を備え、ノズルプレートには、各インク室2に対応し、インクを吐出させるためのノズル孔31が設けられている。各インク室2の一部の壁部は、圧電部材(圧電素子)11で構成される。インク室2の上端面は蓋部材(図示せず)で閉塞され、この蓋部材にノズル供給管が設けられ、インク室は外部のインクタンクと連通する。
圧電部材11のインク室2側表面に電極5が設けられ、インク室2内のインクと接している。圧電部材11は、各電極5に選択的に電圧が印加されることにより変形してインク室の圧力を高め、そのインクの一部がインク滴7として、ノズル孔31から吐出される。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、「質量%」を単に「%」と記す。
<実施例および比較例>
表に示す各配合成分を250mlのポリプロピレン製容器に入れて混合し、ジルコニアビーズ(直径0.5mm)450gを入れて、ロッキングミル((株)セイワ技研)により60分間分散した。その後、ジルコニアビーズを濾別し、得られた内容物を3.0μmおよび0.8μmのメンブランフィルターで濾過してゴミおよび粗大粒子を取り除き、各インクを得た。
Figure 2011026496
各配合成分の詳細は、次のとおりである。
顔料(1):カーボンブラック、三井化学(株)製「MA11」
顔料(2):フタロシアニンブルー、山陽色素(株)製「4044」
顔料(3):アゾレーキ、大日精化工業(株)製「カーミン6B」
顔料分散剤(1):日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース28000」
顔料分散剤(2):日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース13940」
顔料分散助剤:日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000」
不飽和脂肪酸エステル溶剤(1):パルミチン酸イソプロピル、花王(株)製「エキセパールIPP 」
不飽和脂肪酸エステル溶剤(2):オレイン酸メチル、花王(株)製「エキセパールMOL」
炭化水素溶剤:日石三菱(株)製「AF7」(ナフテン系溶剤)
飽和アルコール溶剤:イソステアリルアルコール
得られたインクを用いて、次の評価を行なった。
<インク吐出性能>
オルフィスHC5500(理想科学工業(株)製)のIJヘッドを、連続吐出用治具(任意のIJヘッドが装着可能であり、駆動条件等を任意に設定可能なもの)に装着した。HC5500のIJヘッドは、電極とインクが接触する構造(図1)を備えている。
1ドットあたりの吐出量を42pLとして、合計318本の全てのノズルからインクの吐出を行なった。この吐出を連続して5分間行い、不吐出のノズルが318本中に何本存在するかにより、次の基準に従って評価した。試験は3回行なった。
A:不吐出ノズルは0本または1本であった。
B:不吐出ノズルは5本以下であった。
C:不吐出ノズルは20本以下であった。
D:不吐出ノズルが20本を越えたが全てではなかった。
E:全ノズル(318本)が不吐出であった。
<ヘッド電極の状態>
上記吐出試験を3回行なった後のIJヘッド内の電極を肉眼で観察し、付着物の有無を確認した。
以上の結果を、表1および表2に併せて示す。
実施例のインクでは、インクの吐出性能は良好で、かつ、電極に付着物は観察されなかった。さらに、ヘッド内のインクにおいて、顔料の凝集は認められなかった。特に実施例1および実施例2のインクでは優れた吐出性が得られたが、これは、使用したα−オレフィン化合物のハロゲン原子(Br、I)が炭素とのSP3混成軌道を形成する際に、主量子数n=4(Br)からn=5(I)に至るハロゲンの電子軌道の電子が、顔料に含まれる金属(Cu)のd軌道電子と相互作用して、電極表面にCuが析出することを抑止するためではないかと推測できる。炭化水素基の末端または構造内の二重結合も同様の作用をもたらすと考えられる。
一方、本発明の特定のα−オレフィン化合物を含まない比較例1および2のインクは、インクの吐出性能に劣り、電極に付着物が認められた。

Claims (4)

  1. 着色剤と、非水系溶剤と、下記式(1):
    CH=CH−R−X 式(1)
    (式(1)において、Rは炭素数6〜16の2価の炭化水素基を表し、Xは−F、−Cl、−Br、および−Iからなる群から選ばれる1価の置換基を表す。)
    または式(2):
    CH=CH−R 式(2)
    (式(2)において、Rはその構造中にビニル基またはビニレン基を有する炭素数6〜16の1価の炭化水素基を表す。)
    で示されるα−オレフィン化合物とを含む、インクジェット記録用非水系インク。
  2. 前記式(1)のRがアルキレン基である、請求項1記載のインクジェット記録用非水系インク。
  3. 前記式(1)のXが臭素またはヨウ素である、請求項1または2記載のインクジェット記録用非水系インク。
  4. 前記α−オレフィン化合物が、インク中に0.1〜5質量%含まれる、請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録用非水系インク。
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