JP2011025677A - 金属製モールドの製造方法ならびに該金属製モールドを製造するための樹脂モールドおよび樹脂 - Google Patents
金属製モールドの製造方法ならびに該金属製モールドを製造するための樹脂モールドおよび樹脂 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】金属製モールドの製造方法は(I)(a)グリシジル基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位と(b)含有しない構成単位とを含有すると共に、架橋剤から導かれる構成単位を0〜10重量部含有する樹脂(A)を基板上に塗布し、樹脂層を形成する工程と、(II)前記樹脂層表面にマスターモールドを熱転写して樹脂モールドを製造する工程であって、樹脂層が前記樹脂(A)のエポキシ価からの変化量5%以下のエポキシ価である樹脂モールドを製造する工程と、(III)前記樹脂モールド上に金属層を形成する工程と、(IV)前記金属層の形成された樹脂モールドを、ガラス転移温度以上の温度に加熱するか、または溶剤に浸漬するで、分離して金属製モールドを得る工程とを、含む。
【選択図】図1
Description
[1](I)(a)エポキシ基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位と(b)エポキシ基を含有しないビニルモノマーから導かれる構成単位とを含有すると共に、架橋剤から導かれる構成単位を0〜10重量部含有する(全構成単位を100重量部とする)樹脂(A)であって、エポキシ価が0.005〜0.400当量/100gであり、かつ重量平均分子量が3万〜150万である樹脂(A)を基板上に塗布し、樹脂層を形成する工程と、
(II)前記樹脂層表面にマスターモールドを熱転写して樹脂モールドを製造する工程であって、樹脂層が前記樹脂(A)のエポキシ価からの変化量5%以下のエポキシ価である樹脂モールドを製造する工程と、
(III)前記樹脂モールド上に金属層を形成する工程と、
(IV)前記金属層の形成された樹脂モールドを、樹脂モールドの樹脂層のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱するか、または溶剤に浸漬することにより、樹脂モールドと金属層とを分離して金属製モールドを得る工程とを、
含むことを特徴とする金属製モールドの製造方法。
[2]前記工程(IV)の後に、(V)金属製モールドの表面に残存した樹脂を溶剤により溶解し除去する工程をさらに含むことを特徴とする[1]に記載の金属製モールドの製造方法。
[3]前記工程(II)における熱転写が、前記マスターモールドを前記樹脂層表面に60〜180℃で、5〜600秒、0.5〜50MPaで押圧するものであることを特徴とする[1]または[2]に記載の金属製モールドの製造方法。
[4]金属がニッケルあるいはニッケル合金であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の金属製モールドの製造方法。
[5]前記樹脂(A)の有機溶媒可溶分が95%以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の金属製モールドの製造方法。
[6]前記樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が80〜160℃であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の金属製モールドの製造方法。
[7](a)エポキシ基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位と(b)エポキシ基を含有しないビニルモノマーから導かれる構成単位とを含有する樹脂であって、
該樹脂のエポキシ価が0.005〜0.400当量/100gであり、かつ重量平均分子量が3万〜150万であることを特徴とする金属製モールド製造用樹脂。
[8]架橋剤から導かれる構成単位を0〜10重量部含有することを特徴とする[7]に記載の金属製モールド製造用樹脂。
[9]ガラス転移温度(Tg)が80〜160℃であることを特徴とする[7]または[8]に記載の金属製モールド製造用樹脂。
[10][7]〜[9]のいずれかに記載の金属製モールド製造用樹脂のエポキシ価に対し、変化量が5%以下のエポキシ価である樹脂層を有する金属製モールド製造用樹脂モールド。
(II)前記樹脂層表面にマスターモールドを熱転写して樹脂モールドを製造する工程であって、樹脂層が前記樹脂(A)のエポキシ価からの変化量5%以下のエポキシ価である樹脂モールドを製造する工程と、
(III)前記樹脂モールド上に金属層を形成する工程と、
(IV)前記金属層の形成された樹脂モールドを、樹脂モールドの樹脂層のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱するか、または溶剤に浸漬することにより、樹脂モールドと金属層とを分離して金属製モールドを得る工程とを、
含むことを特徴とする金属製モールドの製造方法に関する。
<工程(I):(a)グリシジル基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位と(b)グリシジル基を含有しないビニルモノマーから導かれる構成単位とを含有すると共に、架橋剤から導かれる構成単位を0〜10重量部含有する(全構成単位を100重量部とする)樹脂(A)であって、エポキシ価が0.005〜0.400当量/100gであり、かつ重量平均分子量が3万〜150万である樹脂(A)を基板上に塗布し、樹脂層を形成する工程>
上記樹脂(A)は、(a)グリシジル基を含有するビニルモノマーおよび(b)グリシ
ジル基を含有しないビニルモノマーを含有し、かつ架橋剤を実質的に含まない組成物(X)を重合反応に供することにより得られる。
(a)グリシジル基を含有するビニルモノマー(以下(a)モノマーともいう。)
グリシジル基を含有するビニルモノマーとは、分子内にビニル基およびグリシジル基を有するモノマーである。
ビニルシクロヘキセンモノキサイド(1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン)等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
グリシジル基を含有しないビニルモノマーとは、(a)モノマーと共重合可能なビニルモノマーであれば特に限定されないが、たとえばメタクリル酸誘導体、アクリル酸誘導体、マレイン酸誘導体、スチレン等が挙げられる。なかでもメチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等のメタクリル酸誘導体が好ましい。これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
重合に用いる上記モノマーを含む組成物(X)中には、有機過酸化物等の重合開始剤、水、イソプロピルアルコール、パラメトキシアンフェタミン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の溶媒が含まれていてもよく、さらに、連鎖移動剤および/または乳化重合に用いられる界面活性剤を含んでいてもよい。
上記(a)グリシジル基を含有するビニルモノマーは、上記(a)モノマーおよび(b
)モノマーの合計100重量部中、好ましくは1〜49重量部、より好ましくは5〜20重量部用いる。一方、(b)グリシジル基を含有しないビニルモノマーは、同100重量部中、好ましくは51〜99重量部、より好ましくは80〜95重量部用いる。グリシジル基を含有するビニルモノマーの使用量が上記範囲内にあると、エポキシ価が、0.005〜0.400当量/100gの樹脂を得ることができ、また、重合を妨げることもない。
上記重合反応により得られた樹脂(A)は、(a)グリシジル基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位と(b)グリシジル基を含有しないビニルモノマーから導かれる構成単位とを含有すると共に、架橋剤から導かれる構成単位を実質的に含有しない。
また上記重合反応により得られた樹脂(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が、3万〜150万、好ましくは5万〜130万、より好ましくは8万〜120万である。
くは95〜100%である。ここで、有機溶媒可溶分とは、試料を室温で有機溶媒に浸漬させ、抽出されたゲル分の試料全体に対する割合(%)を100から引いた値であり、下記式(2)から求められる。
有機溶媒可溶分(%)=100−(抽出ゲル乾燥重量/試料重量)×100・・・(2)
ここで、有機溶媒としては、アセトン、トルエン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。有機溶媒可溶分は、樹脂の架橋の程度を表す。
樹脂層は、樹脂(A)を含む組成物(以下、樹脂組成物(Y)ともいう)を基板に塗布した後、加熱乾燥し、成形する。
熱転写の方法は、上記基板に上記樹脂層が積層された積層物を加熱した後、樹脂層表面にマスターモールドを特定の圧力で押しつけ、特定の時間保持した後、上記積層物を上記樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度以下に冷却し、上記樹脂層からマスターモールドを外す。
が挙げられ、一般のナノインプリントに用いられているものを制限なく用いることができる。たとえば、線状のマスターモールドとしては、L/Sが5nm以上であれば、問題なく用いることができる。
エポキシ価の変化量={1−(熱転写後の樹脂モールドの樹脂層のエポキシ価)/(樹脂
(A)のエポキシ価))}×100・・・(3)
エポキシ価の変化量が上記範囲にあると、工程(III)の電鋳中も基板から樹脂モールドが剥がれることがない。また、工程(IV)および(V)における樹脂の溶剤への溶解性および/または工程(IV)における樹脂の加熱溶融が良好である。
樹脂層上に金属層を形成する工程は、上記樹脂モールドにおけるパターンを形成した樹脂層表面に導電処理をしたのち、電気鋳造(電鋳)を行う。
金属層を形成する金属としては、特に押圧によって加圧変形しない程度の硬度等を有するニッケルあるいはニッケル合金を用いることが好ましい。
樹脂層表面に導電性を付与する方法としては、スパッタリング、無電解めっき等の通常樹脂表面に導電性を付与する方法が挙げられる。ここで形成される金属層は、樹脂表面に金属を電鋳させるための電力を供給するためのものであり、その厚さは、通常は1〜100nm程度で充分である。
上記樹脂層表面に導電処理をした積層物を電解浴につけ、金属層の厚さが好ましくは100〜1000μm、より好ましくは200〜500μmとなるまで電気鋳造を行う。金属層の厚さが上記範囲であると、耐久性に優れた金属製モールドを製造することができ、コストパフォーマンスもよい。
電気鋳造により表面にパターンの形成された金属層が形成された後、金属層および樹脂モールドの積層物を、樹脂モールドを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱するか、または、溶剤に浸漬して、樹脂モールドの樹脂層の少なくとも一部を溶融または溶解し、金属層と樹脂モールドとを分離し、金属製モールドを得る。
とができ、通常有機溶剤であって、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルセロソルブ等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムアミド等が挙げられる。中でも、溶媒の回収性、低毒性、価格性を考慮すると、アセトン、イソプロピルアルコールおよびトルエンを用いることが好ましい。これらは、1種類用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法は、工程(IV)において、樹脂モールドを分離した金属製モールドを、溶剤に浸漬することにより、金属製モールド表面に残存する樹脂を除去する工程を含むことが好ましい。
本発明の金属製モールド製造用樹脂は、(a)グリシジル基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位および(b)グリシジル基を含有しないビニルモノマーから導かれる構成単位を含有し、エポキシ価が0.005〜0.400当量/100gであり、かつ重量平均分子量が3万〜150万である。また、好ましくは架橋剤から導かれる構成単位を実質的に含有せず、より好ましくは架橋剤から導かれる構成単位を0〜10重量部(樹脂中の全構成単位を100重量部とする)含有する。そして、好ましくはガラス転移温度(Tg)が80〜160℃である。樹脂の内容は、上記工程(I)に用いた樹脂(A)と同様である。
本発明の金属製モールド製造用樹脂からなる樹脂モールドは、上記金属製モールド製造
用樹脂のエポキシ価からの変化量が5%以下であるエポキシ価である樹脂層を有する樹脂モールドである。樹脂モールドの内容は、上記工程(II)で得られる樹脂モールドと同様である。
本願の製造方法により製造された金属製モールドは、光学素子、導光板等のディスプレイ材料、光学ディスク等の光学部材およびレジスト等の製造に好適に用いることが可能である。
重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)にて測定し、標準ポリスチレンにより換算した。条件は以下の通りである。
装置:GPC−8220(東ソー(株)製)
カラム:G7000HXL/7.8mmID×1本 + GMHXL/7.8mmID×2本 + G2500HXL/7.8mmID×1本
媒体:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。
装置:高感度示差走査熱量計 DSC−8230 ((株)リガク製)
測定雰囲気:窒素下
測定条件:JIS K 7121 準拠
<エポキシ価>
試料100g中に含まれるエポキシ基のグラム当量数(当量/100g)で示す。その測定法は、JIS K7236法(1986)に準拠させて、試料に酢酸、クロロホルム
を加えて溶解し、次いで、臭化テトラエチルアンモニウム−酢酸溶液を加え混合後、0.1N過塩素酸−酢酸溶液で電位差滴定を行い、エポキシ当量を求め、エポキシ価=100/エポキシ当量の式から算出する。
金属製モールド作製の成否は、以下の基準(α)〜(γ)のすべてを満たすものを○、(α)〜(γ)のいずれか1つ以上を満たさないものを×として評価した。
(α)電鋳化処理の際に、基板と樹脂層が剥離することなく、樹脂層表面上にニッケル層を形成することが可能である。
(β)ニッケル層形成後に樹脂層をニッケル層から除去可能であって、変形のないニッケルモールドを得ることができる。
(γ)得られた金属(ニッケル)製モールドの表面に樹脂が残留していない。(目視観察)
[実施例1]
(i)樹脂モールド製造用樹脂の製造
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル1.0重量部(4HBAGE 日本化成株式会社製)、メチルメタクリレート99.0重量部(商品名ライトエステルM 共栄社化学製)、ポリビニルアルコール(商品名PVA−420 クラレ社製)1.5重量部、蒸留水200重量部、開始剤ラウロイルパーオキサイド1.0重量部(商品名LPO 日本油脂社製)を仕込み、ホモミキサーで内容物を攪拌(3300rpm×3min)した。その後、フラスコ内に窒素ガスを導入(0.3L/min)しながら、フラスコの内容物を72℃にし、1.5時間加熱した。その後、窒素ガスを止め、90℃で1時間加熱し、温度を下げることで反応を終了させた。重合後、得られた重合体をイソプロピルアルコールで洗浄した後、さらに水で洗浄し、その後乾燥させた。そして粉状の樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
実施例1で製造した樹脂モールド作製用樹脂をトルエンを用いて20倍に希釈し、ガラス基板にスピンコート(回転数2000rpm,時間20sec)し、ホットプレートを用いて130℃で15分乾燥させ、樹脂層を作製した。
(ii)で製造した樹脂モールド表面に、マグネトロン方式によりニッケルスパッタを膜厚20nmになるまで行うことにより導電化処理をした。
上記樹脂モールドおよびニッケル層の積層物を、アセトンに室温で15分浸漬し、ニッケル層から樹脂モールドを分離し、金属(ニッケル)製モールドを得た。その後、金属(ニッケル)製モールド表面上の残存樹脂を酸素プラズマアッシング処理にて除去した。
メチルメタクリレートを95重量部とし、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルの代わりにグリシジルメタクリレート(商品名ライトエステルG 共栄社化学製)を5.0重量部用いた以外は、実施例1の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
メチルメタクリレートを90重量部とし、グリシジルメタクリレート(商品名ライトエステルG 共栄社化学製)の量を10重量部とした以外は、実施例2の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2および表5に示す。
工程(iv)の代わりに、以下の工程を行う以外は、実施例3と同様にして金属製モールドを作製した。
工程(iii)で得られた樹脂モールドおよびニッケル層の積層物を、ホットプレートを用いて150℃に加熱し、樹脂モールドの樹脂層を溶融させることにより積層物からニッケル製モールドを分離した。
分離した金属(ニッケル)製モールドをアセトンに室温で15分浸漬することにより、金属(ニッケル)製モールド表面に残留した樹脂を除去した。その後、酸素プラズマアッシング処理により、金属(ニッケル)製モールド表面上の樹脂を除去した。
工程(ii)におけるマスターモールドを離型処理済み石英モールド(転写面 24mm□ 75nmL/S)に変えた以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)を行なった。金属製モールド作製の成否を表4に示す。
工程(ii)におけるマスターモールドを離型処理済み石英モールド(転写面 24mm□ 50nmL/S)に変えた以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)を行なった。金属製モールド作製の成否を表4に示す。
工程(ii)におけるマスターモールドを離型処理済みシリコンモールド(転写面 2
4mm□ モスアイ構造(周期 300nm))に変えた以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)を行なった。金属製モールド作製の成否を表4に示す。
工程(ii)におけるマスターモールドを離型処理済みシリコンモールド(転写面 24mm□ 円柱構造(周期 400nm))に変えた以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)を行なった。金属製モールド作製の成否を表4に示す。
メチルメタクリレート90重量部の代わりに、メチルメタクリレート80重量部および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ライトエステル HO−250 共栄社化学製)10重量部を用いた以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂の分子量およびエポキシ価を表5に示す。
メチルメタクリレートを80重量部とし、グリシジルメタクリレート(商品名ライトエステルG 共栄社化学製)の量を20重量部とした以外は、実施例2の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
メチルメタクリレートを51重量部とし、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルの代わりに1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(商品名CEL2000 ダイセル化学工業株式会社製)を49重量部用いた以外は、実施例1の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコに、グリシジルメタクリレート10重量部(商品名ライトエステルG 共栄社化学製)、メチルメタクリレート90重量部(商品名ライトエステルM 共栄社化学製)、トルエン100重量部を加えた。その後、フラスコ内に窒素ガスを導入(0.3L/min)しながら、フラスコの内容物を80℃にし、開始剤ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(商品名V−601 和光純薬社製)を1.0重量部加え、80℃で8時間保持した。その後、窒素ガスを止め、トルエン100重量部を加え、温度を下げることで反応を終了させ樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
開始剤ラウロイルパーオキサイドの量を0.6重量部とした以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
メチルメタクリレートの代わりにtert−ブチルメタクリレート(ライトエステルTB 共栄社化学製)を90重量部とした以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
メチルメタクリレートの代わりにスチレン(出光興産社製)を90重量部用いた以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
実施例12、13および比較例5、7、8で製造した樹脂モールド製造用樹脂について、アセトン、トルエンおよびイソプロピルアルコールそれぞれに対する溶剤溶解性を検討し、重量平均分子量と溶剤への溶解性の関係を調べた。結果を表3に示す。
工程(ii)におけるマスターモールドを剥離処理済みシリコンモールド(転写面 50nm□ 150nmL/S)に変えた以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)
を行った。金属製モールドの作製の成否を表4に示す。
工程(ii)におけるマスターモールドを剥離処理済みシリコンモールド(転写面 24nm□ 25nmL/S)に変えた以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)を
行った。金属製モールドの作製の成否を表4に示す。
メチルメタクリレートの代わりにイソボルニルメタクリレート(商品名 ライトエステルIB―X 共栄社化学(株)製)を80重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート(商品
名 ライトエステルEH 共栄社化学(株)製)を10重量部とした以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
実施例3の工程(ii)におけるガラス基板の代わりに、ガラス板に粘着層(商品名 SKダイン1478 綜研化学(株)製 25μm厚)を介して貼り付けられポリエチレンテ
レフタレートフィルム(商品名ルミラー(登録商標) 125U35 東レ(株)製 125μm厚)を用いた以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)を行った。金属製モールドの作製の成否を表6に示す。
メチルメタクリレートを100重量部とし、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを用いなかった以外は、実施例1の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
メチルメタクリレートを49重量部、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(商品名CEL2000 ダイセル化学工業株式会社)を51重量部用いた以外は、実施例11の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂の製造を試みたところ、重合体を得ることができなかった。結果を表2に示す。
工程(ii)における、熱転写時の保持時間を60分にした以外は、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)をおこなった。工程(i)において得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。工程(iv)において、樹脂モールドの樹脂が溶剤に溶解せず、金属製モールドを樹脂モールドから分離することができなかった。樹脂モールドを構成する樹脂の熱転写前および熱転写後のエポキシ価ならびに金属製モールド作製の成否を表2に示す。
開始剤ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の量を3.0重量部とした以外は、実施例12の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
開始剤ラウロイルパーオキサイドの量を0.3重量部とした以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
グリシジルメタクリレートの代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ライトエステルHO−250 共栄社化学製)10重量部を用いた以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
グリシジルメタクリレート10重量部、メチルメタクリレート90重量部、光開始剤オリゴ{2−ヒドロキシー2−メチルー1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}(商品名ESACURE ONE 日本シイベルヘグナー社製)5重量部を良く混合し、ガラス基板にスピンコートし、混合物表面にマスターモールド(離型処理済み石英モールド、転写面 24mm□ 150nmL/S)を押しつけ紫外線照射(ナノインプリント装置 エンジニアリング・システム株式会社製)をした。照射後、マスターモールドを外し、樹脂モールドを得た。
実施例3の工程(ii)において、樹脂モールド作製用樹脂のトルエン溶液に酸無水物系硬化剤(YH306 JER株式会社製)を3重量部添加した後、ガラス基板にスピンコートしたことを除いて、実施例3と同様にして工程(i)〜(iv)をおこなった。工程(i)において得られた樹脂の分子量およびエポキシ価を表2に示す。
メチルメタクリレート90重量部の代わりに、メチルメタクリレート75重量部および2−ヒドロキシエチルメタクリレート(ライトエステル HO−250 共栄社化学製)
15重量部を用いた以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂の分子量およびエポキシ価を表5に示す。
メチルメタクリレートの代わりにn-イソブチルメタクリレート(商品名 ライトエステルIB 共栄社化学(株)製)を90重量部とした以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
メチルメタクリレートの代わりに1−アダマンチルメタクリレート(商品名 アダマンテート X−M−104 出光興産(株)製)を90重量部とした以外は、実施例3の工程(i)と同様にして樹脂モールド製造用樹脂を得た。得られた樹脂のガラス転移温度、分子量およびエポキシ価を表2に示す。
Claims (10)
- (I)(a)エポキシ基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位と(b)エポキシ基を含有しないビニルモノマーから導かれる構成単位とを含有すると共に、架橋剤から導かれる構成単位を0〜10重量部含有する(全構成単位を100重量部とする)樹脂(A)であって、エポキシ価が0.005〜0.400当量/100gであり、かつ重量平均分子量が3万〜150万である樹脂(A)を基板上に塗布し、樹脂層を形成する工程と、
(II)前記樹脂層表面にマスターモールドを熱転写して樹脂モールドを製造する工程であって、樹脂層が前記樹脂(A)のエポキシ価からの変化量5%以下のエポキシ価である樹脂モールドを製造する工程と、
(III)前記樹脂モールド上に金属層を形成する工程と、
(IV)前記金属層の形成された樹脂モールドを、樹脂モールドの樹脂層のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱するか、または溶剤に浸漬することにより、樹脂モールドと金属層とを分離して金属製モールドを得る工程とを、
含むことを特徴とする金属製モールドの製造方法。 - 前記工程(IV)の後に、(V)金属製モールドの表面に残存した樹脂を溶剤により溶解し除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の金属製モールドの製造方法。
- 前記工程(II)における熱転写が、前記マスターモールドを前記樹脂層表面に60〜180℃で、5〜600秒、0.5〜50MPaで押圧するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属製モールドの製造方法。
- 金属がニッケルあるいはニッケル合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属製モールドの製造方法。
- 前記樹脂(A)の有機溶媒可溶分が95%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属製モールドの製造方法。
- 前記樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が80〜160℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属製モールドの製造方法。
- (a)エポキシ基を含有するビニルモノマーから導かれる構成単位と(b)エポキシ基を含有しないビニルモノマーから導かれる構成単位とを含有する樹脂であって、
該樹脂のエポキシ価が0.005〜0.400当量/100gであり、かつ重量平均分子量が3万〜150万であることを特徴とする金属製モールド製造用樹脂。 - 架橋剤から導かれる構成単位を0〜10重量部含有することを特徴とする請求項7に記載の金属製モールド製造用樹脂。
- ガラス転移温度(Tg)が80〜160℃であることを特徴とする請求項7または8に記載の金属製モールド製造用樹脂。
- 請求項7〜9のいずれかに記載の金属製モールド製造用樹脂のエポキシ価に対し、変化量が5%以下のエポキシ価である樹脂層を有する金属製モールド製造用樹脂モールド。
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