JP2011025581A - 可食性積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
可食性積層フィルムおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011025581A JP2011025581A JP2009175083A JP2009175083A JP2011025581A JP 2011025581 A JP2011025581 A JP 2011025581A JP 2009175083 A JP2009175083 A JP 2009175083A JP 2009175083 A JP2009175083 A JP 2009175083A JP 2011025581 A JP2011025581 A JP 2011025581A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- edible
- water
- soluble
- laminated film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】同一又は相異なる複数の可食性フィルム1a、1bの層が直接又はその他の層を介して積層されてなる可食性積層フィルム100であって、前記複数の可食性フィルム1a、1bの層の少なくとも一層が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルム12の内部に、水溶性微粒子11が分散状態で存在する可食性フィルム(A)からなることを特徴とする可食性積層フィルム、及びその製造方法。
【選択図】図1
Description
しかしながら、従来の可食性フィルムを服用した場合には、口腔内において可食性フィルムが崩壊するまでに時間を要し、口腔内が粘ついて不快感を与える場合があった。
しかしながら、薬理活性成分を含有させたフィルム状製剤を製造する場合、成膜時にかかる熱が薬理活性成分にダメージを与える場合があった。
さらに、このフィルム状製剤においては、主薬と助薬を含む配合剤等のように、1製剤に2種以上の薬理活性成分を配合する場合があるが、2種以上の薬理活性成分同士が反応してしまい、経時的安定性に欠ける場合があった。
(1)同一又は相異なる複数の可食性フィルムの層が直接又はその他の層を介して積層されてなる可食性積層フィルムであって、前記複数の可食性フィルムの層の少なくとも一層が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルム(A)からなることを特徴とする可食性積層フィルム。
(2)前記可食性フィルム(A)からなる層を2層以上有することを特徴とする(1)に記載の可食性積層フィルム。
(3)前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤であって、該フィルム形成剤の5質量%水溶液の37℃における粘度が、1000〜100000mPa・sであるものを含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルムであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の可食性積層フィルム。
(5)前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、マルトデキストリンおよびマンニトールのいずれか一方又は両方の水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルムであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
(6)前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在するものであって、前記水溶性微粒子の配合割合が、フィルム全体に対して、35〜70質量%である可食性フィルムであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
(8)前記可食性フィルム(A)が、さらに薬理活性成分を含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
(9)前記可食性フィルム(A)からなる層を2層以上有し、該2層以上の可食性フィルム(A)からなる層のそれぞれが、同一又は相異なる薬理活性成分を含有することを特徴とする(8)に記載の可食性積層フィルム。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の可食性積層フィルムを製造する方法であって、少なくとも前記可食性フィルム(A)を含む、同一又は相異なる複数の可食性フィルム同士を重ね合わせ、温度60〜200℃、圧力0.1〜5MPaでヒートシールする工程を有することを特徴とする可食性積層フィルムの製造方法。
本発明の可食性積層フィルムにおいては、積層する可食性フィルムの厚みや枚数を調整することにより、所望の厚みのフィルムとすることができる。
本発明の可食性積層フィルムは、薬理活性成分を多く含有させたい場合であっても、製造時に薬理活性成分に多量の熱量をかける必要がないため、薬理活性成分にダメージを与えることがない。
また、本発明の可食性積層フィルムは、2種以上の互いに異なる薬理活性成分を、接触させることなく含有することができるため、薬理活性成分の安定性を維持することができる。
本発明の可食性積層フィルムは、同一又は相異なる複数の可食性フィルムの層が直接又はその他の層を介して積層されてなる可食性積層フィルムであって、前記複数の可食性フィルムの層の少なくとも一層が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルム(A)からなることを特徴とする。
本発明に用いる可食性フィルム(A)は、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在した構造を有する。
ここで、「分散状態で存在」とは、水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が微粒子状で存在することを意味する。
ヒドロキシプロピルセルロースは、市販されているものをそのまま使用することができる。
これらの他の可食性高分子は、一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
さらには、前記フィルム形成剤は、可食性フィルム全体に対して、25〜60質量%含有することが好ましい。フィルム形成剤の含有量をこのような範囲にすることにより、薄いフィルムであっても取り扱い時に破れたりしない十分な強度を持たせることができる。
なお、本明細書において粘度とは、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド形回転粘度計)に準拠して測定されたものである。
また、水溶性微粒子は、可食性フィルム全体に対して、35〜70質量%含有することが好ましい。これにより、口溶け性に優れる可食性フィルムを得ることができる。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
薬理活性成分としては、特に限定されず、例えば、アルプラゾラム、フルジアゼパム、ロラゼパム、エチゾラム、ブロチゾラム等のマイナートランキライザー;酒石酸ゾルピデム等の入眠剤;カベルコリン、塩酸メチキセン等の抗パーキンソン剤;塩酸ドネペジル等のアルツハイマー型痴呆治療剤;コルヒチン等の痛風治療剤;塩酸クレンブテロール、硫酸サルブタモール、臭化水素酸フェノテロール、塩酸プロカテロール等の気管支拡張剤;ラベプラゾールNa、ファモチジン、ラフチジン、ランソプラゾール、オメプラゾール、テプレノン等の消化性潰瘍治療剤;ボグリボース等の糖尿病用剤;塩酸インデノロール、塩酸ブフェトロール等の不整脈用剤;マレイン酸エナラプリル、塩酸キナプリル、シラザプリル、ニフェジピン、フェロジピン、塩酸ベニジピン、塩酸ヒドララジン等の降圧剤;シンバスタチン等の高脂血症用剤;塩酸チアミン、酢酸ヒドロキソコバラミン等のビタミン剤;タクロリムス水和物等の免疫抑制剤;アトピー性皮膚治療剤;エチニルエストラジオール・メチルエストレノロン等のホルモン剤;塩酸ロメリジン等の片頭痛治療剤;酒石酸イフェンプロジル等の鎮うん剤;クロペラスチン、塩酸クロフェダノール等の鎮咳剤;塩酸ロペラミド等の止瀉剤;ピコスルファートNa等の下剤;塩酸アザセトロン、塩酸グラニセトロン、塩酸ラモセトロン等の制吐剤;メキタジン、塩酸ホモクロルシクリジン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;塩酸セチリジン、フマル酸エメダスチン等の抗アレルギー剤;塩酸エチルモルヒネ、塩酸モルヒネ等のアヘンアルカロイド系鎮痛鎮咳剤;塩化セチルピリジニウム等の殺菌剤;アモキシシリン、アンピシリン、クラリスロマイシン、セフジニル等の抗生物質;グリチルリチン酸二カリウム、アズレンスルホン酸ナトリウム等の抗炎症剤;ユビキノン(コエンザイムQ10)、カロチノイド系化合物、α−リポ酸、カルニチン、テアニン、クエン酸、ビタミンB群、ビタミンE、油溶性ビタミンC誘導体、ビタミンD類、パントテン酸類、ニコチン酸類、葉酸、ビオチン等のビタミン類;ドロマイト、天然カルシウム、ヘム鉄、ミネラル酵母、海藻粉末などのミネラル類;カテキン;フラクトオリゴ糖;などが挙げられる。
水溶性微粒子の添加量は、脂肪族アルコール系溶媒100質量部に対して、通常5〜50質量部、好ましくは10〜30質量部である。
用いる保持基材の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
可食性フィルム(A)用組成物の塗布量は、乾燥後において、10〜100g/m2、好ましくは20〜60g/m2となる量である。
溶媒を乾燥除去するときの温度は、通常50〜100℃、好ましくは60〜90℃である。
乾燥時間は、通常数十秒から数分間である。
なお、後述するように、用いた保持基材は適宜剥離される。
可食性フィルム(A)以外の他の可食性フィルムとしては、従来公知の可食性フィルムを用いることができる。例えば、構成成分として、ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリ酢酸ビニル;ポリ酢酸ビニルフタレート;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース;アクリル酸及びそのエステル;メタクリル酸及びそのエステル;キサンタンガム;カラギーナン;アルギン酸;等を用いたものが挙げられる。
複数の可食性フィルムの層は、その他の層を介して積層されてもよい。
その他の層としては、接着剤層が挙げられる。接着剤層は可食性フィルムの層間に設けられ、可食性フィルム同士を接着する役割を果たす。
溶媒の使用量は、用いる接着剤の種類等にもよるが、通常、接着剤1質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは2〜5質量部である。
形成される接着剤層の坪量は、通常、1〜50g/m2、好ましくは10〜30g/m2である。
本発明の可食性積層フィルムの厚さは、特に限定されないが、通常30μm〜3mm、好ましくは、40μm〜500μmである。
図1の可食性積層フィルム100は、2層の可食性フィルム(A)からなり、図2の可食性積層フィルム110は、3層の可食性フィルム(A)からなるものである。図3の可食性フィルム120は、可食性フィルム(A)の層−接着剤層−他の可食性フィルムの層−接着剤層−可食性フィルム(A)の層からなるものである。
例えば、可食性積層フィルム110において、可食性フィルム1a、1bは薬理活性成分等の他の添加剤を含まない層であって、可食性フィルム1cは薬理活性成分を含む層であってもよい。
(1)可食性フィルム(A)の層が2層以上直接に積層された構造を有し、該2層以上の可食性フィルム(A)の層のそれぞれが、同一の薬理活性成分を含有する可食性積層フィルム(a1)、又は、
(2)可食性フィルム(A)の層が2層以上直接に積層された構造を有し、該2層以上の可食性フィルム(A)の層のそれぞれが、互いに異なる薬理活性成分を含有する可食性積層フィルム(a2)、であるのが、以下に示す利点を有するため好ましい。
例えば、薬理活性成分を含有する可食性フィルム(A)を製造する場合、前述のとおり、溶媒、水溶性微粒子、フィルム形成剤及び薬理活性成分等からなる組成物を保持基材に塗布した後、溶媒を除去するために塗布膜を加熱乾燥する必要がある。薬理活性成分の必要投与量(α)が多い場合には、薬理活性成分の量に合わせて他の成分も増えるため、形成される塗布膜は厚くなる。そうなると加熱乾燥にかかる熱量が増え(例えば、加熱乾燥時間が長くなる)、薬理活性成分が分解等するなど、ダメージを受けるおそれが生じる。しかしながら、可食性積層フィルム(a1)は、まず、薬理活性成分を少量ずつ添加して厚みの薄い可食性フィルムを作製し、このものを薬理活性成分の総量が必要投与量(α)となるように複数枚積層して製造される。例えば、薬理活性成分の必要投与量(α)=β×3であるとすると、薬理活性成分をβ量含む可食性フィルムを3枚製造し、それらを積層して可食性積層フィルム(a1)を製造すればよい。よって、各一枚の可食性フィルムを製造する際にかかる熱量(加熱乾燥時間)は、一度に厚いフィルムを作成する場合に比べて少なくてすむため、結果として薬理活性成分に与えるダメージを軽減することができる。
例えば、製剤には、主薬と助薬を含む配合剤のように、相補的・相乗的に作用しあう2種以上の異なる薬理活性成分を同時に配合する必要がある場合がある。
このような主薬と助薬を含む配合剤としては、例えば、ランソプラゾール、アモキシシリンおよびクラリスロマイシンの組み合わせによるヘリコバクター・ピロリの除菌薬;解熱剤、鎮咳剤、殺菌剤、抗炎症剤および抗ヒスタミン剤などの組み合わせによる複合感冒薬;などが挙げられる。
可食性積層フィルム(a2)の形態によれば、異なる薬理活性成分が異なる層に分別されて含有されるため、配合剤の効果と薬理活性成分の安定性の両方が得られる利点がある。
これらの中でも、用いる可食性フィルム(A)がヒートシール性に優れるため、(i)の方法が好ましく、なかでも、後述する本発明の製造方法が特に好ましい。
本発明の可食性積層フィルムの製造方法は、上述した本発明の可食性積層フィルムを製造する方法であって、少なくとも前記可食性フィルム(A)を含む、同一又は相異なる複数の可食性フィルム同士を重ね合わせ、温度60〜200℃、好ましくは80〜150℃、圧力0.1〜5MPa、好ましくは0.3〜1MPaで,ヒートシールする工程を有することを特徴とする。このようなヒートシール法によれば、複数の可食性フィルム同士がより短時間で、より簡便かつ強固にシールされる。
先ず、前述のようにして、保持基材4a上に可食性フィルム(1a)、及び保持基材4b上に可食性フィルム(1b)を形成し、積層体130、131を用意する(図4(a))。
次に、積層体130、131を、可食性フィルム(1a)と可食性フィルム(1b)側を内側にして重ね合わせ、ヒートシールすることで、積層体140を得る(図4(b))。
保持基材4a、4bを剥離すれば、本発明の可食性積層フィルムを得ることができる。
保持基材が両最外フィルム面に付された積層体140は、保持基材が保護フィルムとしての機能を有するため、運搬、保管に有利である。なお、ヒートシールは、保持基材が付いた状態で行ってもよいし、保持基材を剥離してから行ってもよい。
適量のエタノールに、薬理活性成分としてのグリチルリチン酸二カリウム8.2質量部(和光純薬工業社製)と水溶性微粒子としてのマルトデキストリン(商品名:アミコールNo10、日澱化學社製)60.1質量部を、ホモジナイザーを用いて攪拌しながらゆっくりと添加して分散させた。次に、フィルム形成剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曹達社製)25.7質量部と、可塑剤としてのグリセリン6質量部とを攪拌しながらゆっくりと添加して溶解させ、可食性フィルム形成用組成物Aを得た。
製造例1において、各材料の種類、含有量を下記第1表に示すように変更した以外は、製造例1と同様にして可食性フィルムB〜Dを得た。
製造例1において、可食性フィルム形成用組成物として、適量の精製水に、ヒドロキシプロピルセルロース94質量部と可塑剤としてのグリセリン6質量部とを攪拌しながらゆっくりと添加して溶解して得られたものを用いた以外は、製造例1と同様にして可食性フィルムEを得た。
AA:グリチルリチン酸二カリウム
BB:塩化セリルピリジニウム
CC:d−クロルフェニラミンマレイン酸塩
DD:アズレンスルホン酸ナトリウム
De:マルトデキストリン(粒径:35μm、5質量%水溶液の37℃における粘度:1未満)
Ma:マンニトール(粒径:30μm、5質量%水溶液の37℃における粘度:1未満)
HPC:ヒドロキシプロピルセルロース(5質量%水溶液の37℃における粘度:5500mPa/s)
G:グリセリン
得られた可食性フィルムAを2枚用意し、一方の可食性フィルムAに、もう一方の可食性フィルムAを上から重ねて、可食性フィルム同士を、温度120℃、圧力0.5MPaの条件でヒートシールして可食性積層フィルム1を得た。このものを、14.3mm×21.4mmの長方形に裁断して試験用サンプル1とした。
得られた可食性フィルムAとBを用意し、可食性フィルムAに、可食性フィルムBを上から重ねて、可食性フィルムAとBを、温度120℃、圧力0.5MPaの条件でヒートシールして可食性積層フィルム2を得た。このものを、14.3mm×21.4mmの長方形に裁断して試験用サンプル2とした。
得られた可食性フィルムAとCを用意し、可食性フィルムAに、可食性フィルムCを上から重ねて、可食性フィルムAとCを、温度120℃、圧力0.5MPaの条件でヒートシールして可食性積層フィルム3を得た。このものを、14.3mm×21.4mmの長方形に裁断して試験用サンプル3とした。
得られた可食性フィルムAとDを用意し、可食性フィルムAに、可食性フィルムDを上から重ねて、可食性フィルムAとDを、温度120℃、圧力0.5MPaの条件でヒートシールして可食性積層フィルム4を得た。このものを、14.3mm×21.4mmの長方形に裁断して試験用サンプル4とした。
得られた可食性フィルムAとBとCを用意し、可食性フィルムAに、可食性フィルムB、さらに可食性フィルムCを上から重ねて、可食性フィルムAとBとCを、温度120℃、圧力0.5MPaの条件でヒートシールして可食性積層フィルム5を得た。このものを、14.3mm×21.4mmの長方形に裁断して試験用サンプル5とした。
可食性フィルムEをそのまま比較例1の可食性フィルム6とした。このものを、14.3mm×21.4mmの長方形に裁断して試験用サンプル6とした。
実施例1〜5の試験用サンプル1〜5及び比較例1の試験用サンプル6(以下、「試験用サンプル等」という。)を、それぞれ水なしで口腔内に含ませ、試験用サンプル等が口腔内の唾液で崩壊するまでの時間を測定した。試験は3回行い、その平均値を算出した。
実施例1〜5及び比較例1の試験用サンプル等を水なしで口腔内に含ませ、試験用サンプル等が口腔内で唾液により崩壊した後、嚥下を行った後の口の中の感覚を、下記の4段階の基準で評価した。
○:口腔内がはじめは粘ついたがすぐにさっぱりとした。
△:口腔内がやや粘つく感じがした。
×:口腔内が粘ついて感触が悪かった。
評価結果を第2表に示す。
2・・・その他の可食性フィルム
3a、3b・・・接着剤層
4a、4b・・・保持基材
11・・・水溶性微粒子
12・・・水溶性フィルム
100、110、120・・・可食性積層フィルム
130、131、132・・・積層体
Claims (10)
- 同一又は相異なる複数の可食性フィルムの層が直接又はその他の層を介して積層されてなる可食性積層フィルムであって、前記複数の可食性フィルムの層の少なくとも一層が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルム(A)からなることを特徴とする可食性積層フィルム。
- 前記可食性フィルム(A)からなる層を2層以上有することを特徴とする請求項1に記載の可食性積層フィルム
- 前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤であって、該フィルム形成剤の5質量%水溶液の37℃における粘度が、1000〜100000mPa・sであるものを含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の可食性積層フィルム。
- 前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、5質量%水溶液の37℃における粘度が10mPa・s以下である水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
- 前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、マルトデキストリンおよびマンニトールのいずれか一方又は両方の水溶性微粒子が分散状態で存在する可食性フィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
- 前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在するものであって、前記水溶性微粒子の配合割合が、フィルム全体に対して、35〜70質量%である可食性フィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
- 前記可食性フィルム(A)が、ヒドロキシプロピルセルロースを含むフィルム形成剤を含有する材料から形成された水溶性フィルムの内部に、水溶性微粒子が分散状態で存在するものであって、前記フィルム形成剤の配合割合が、フィルム全体に対して、25〜60質量%である可食性フィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
- 前記可食性フィルム(A)が、さらに薬理活性成分を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の可食性積層フィルム。
- 前記可食性フィルム(A)からなる層を2層以上有し、該2層以上の可食性フィルム(A)からなる層のそれぞれが、同一又は相異なる薬理活性成分を含有することを特徴とする請求項8に記載の可食性積層フィルム。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の可食性積層フィルムを製造する方法であって、少なくとも前記可食性フィルム(A)を含む、同一又は相異なる複数の可食性フィルム同士を重ね合わせ、温度60〜200℃、圧力0.1〜5MPaでヒートシールする工程を有することを特徴とする可食性積層フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009175083A JP5497358B2 (ja) | 2009-07-28 | 2009-07-28 | 可食性積層フィルムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009175083A JP5497358B2 (ja) | 2009-07-28 | 2009-07-28 | 可食性積層フィルムおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011025581A true JP2011025581A (ja) | 2011-02-10 |
JP5497358B2 JP5497358B2 (ja) | 2014-05-21 |
Family
ID=43634901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009175083A Expired - Fee Related JP5497358B2 (ja) | 2009-07-28 | 2009-07-28 | 可食性積層フィルムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5497358B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016507485A (ja) * | 2012-12-04 | 2016-03-10 | サムスン ファイン ケミカルズ カンパニー リミテッドSamsungfine Chemicals Co.,Ltd. | 積層フィルム及びフィルム積層方法 |
EP3565532A4 (en) * | 2017-01-04 | 2020-10-28 | Bonayo Lifesciences Private Limited | ORAL DISPERSIBLE FILM COMPOSITION |
JP7489424B2 (ja) | 2021-10-01 | 2024-05-23 | 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司 | 医療用二層フィルム及びその製造方法 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5129218A (en) * | 1974-07-05 | 1976-03-12 | Schering Ag | Fuoirukeijono yakuzaino seiho |
JPH11116469A (ja) * | 1997-10-08 | 1999-04-27 | Kyukyu Yakuhin Kogyo Kk | 速溶性フィルム製剤 |
JP2004043450A (ja) * | 2002-05-16 | 2004-02-12 | Kyukyu Yakuhin Kogyo Kk | 速溶性フィルム状製剤 |
JP2006044793A (ja) * | 2004-07-01 | 2006-02-16 | Nitto Denko Corp | 貼付材包装体 |
JP2007509172A (ja) * | 2003-10-24 | 2007-04-12 | アドヒーシブズ・リサーチ・インコーポレイテッド | 医薬又は化粧用薬剤を送達するための迅速分解性フイルム |
WO2009072572A1 (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-11 | Lintec Corporation | 可食性フィルム |
JP2010158173A (ja) * | 2009-01-06 | 2010-07-22 | Lintec Corp | 可食性フィルム、可食性フィルム用組成物及び可食性フィルム積層体の製造方法 |
-
2009
- 2009-07-28 JP JP2009175083A patent/JP5497358B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5129218A (en) * | 1974-07-05 | 1976-03-12 | Schering Ag | Fuoirukeijono yakuzaino seiho |
JPS6028810B2 (ja) * | 1974-07-05 | 1985-07-06 | シエーリング・アクチエンゲゼルシヤフト | 医薬用フオイルの製法 |
JPH11116469A (ja) * | 1997-10-08 | 1999-04-27 | Kyukyu Yakuhin Kogyo Kk | 速溶性フィルム製剤 |
JP2004043450A (ja) * | 2002-05-16 | 2004-02-12 | Kyukyu Yakuhin Kogyo Kk | 速溶性フィルム状製剤 |
JP2007509172A (ja) * | 2003-10-24 | 2007-04-12 | アドヒーシブズ・リサーチ・インコーポレイテッド | 医薬又は化粧用薬剤を送達するための迅速分解性フイルム |
JP2006044793A (ja) * | 2004-07-01 | 2006-02-16 | Nitto Denko Corp | 貼付材包装体 |
WO2009072572A1 (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-11 | Lintec Corporation | 可食性フィルム |
JP2010158173A (ja) * | 2009-01-06 | 2010-07-22 | Lintec Corp | 可食性フィルム、可食性フィルム用組成物及び可食性フィルム積層体の製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016507485A (ja) * | 2012-12-04 | 2016-03-10 | サムスン ファイン ケミカルズ カンパニー リミテッドSamsungfine Chemicals Co.,Ltd. | 積層フィルム及びフィルム積層方法 |
EP3565532A4 (en) * | 2017-01-04 | 2020-10-28 | Bonayo Lifesciences Private Limited | ORAL DISPERSIBLE FILM COMPOSITION |
JP7489424B2 (ja) | 2021-10-01 | 2024-05-23 | 南亞塑膠工業股▲分▼有限公司 | 医療用二層フィルム及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5497358B2 (ja) | 2014-05-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DK2248519T3 (en) | Non-mucoadhesive film dosage forms | |
AU2003210202B2 (en) | Taste-masked film-type or wafer-type medicinal preparation | |
US10092651B2 (en) | High-content fast dissolving film with masking of bitter taste comprising sildenafil as active ingredient | |
JP5199244B2 (ja) | 経口投与剤の製造方法 | |
JP5379499B2 (ja) | 嚥下物包装体および可食性フィルム接合体 | |
WO2011108643A1 (ja) | 不快な味を有する薬物を含有するフィルム製剤 | |
SG176545A1 (en) | Fast-dissolving oral film for effectively concealing unpleasant tastes | |
JP4953673B2 (ja) | 経口投与剤 | |
JP2010158173A (ja) | 可食性フィルム、可食性フィルム用組成物及び可食性フィルム積層体の製造方法 | |
WO2005097198A1 (ja) | 経口投与剤 | |
KR20060130747A (ko) | 약제의 제조 방법 | |
JP2005263704A (ja) | 口腔内粘膜フィルム剤 | |
JP4860312B2 (ja) | 経口投与剤 | |
JP5952646B2 (ja) | 口腔内溶解型フィルム製剤 | |
JP5497358B2 (ja) | 可食性積層フィルムおよびその製造方法 | |
JP5284070B2 (ja) | 口腔内粘膜貼付製剤 | |
JP5101191B2 (ja) | フィルム状製剤およびその製造方法 | |
JP2008037794A (ja) | 経口投与剤 | |
JP2014189548A (ja) | 嚥下物被覆体 | |
JPWO2010110320A1 (ja) | 固形製剤 | |
JP5209274B2 (ja) | 嚥下補助用フィルム、嚥下補助用中空フィルム接合体およびその連続製造方法 | |
JPWO2013121663A1 (ja) | 口腔内溶解型フィルム製剤 | |
Kumar et al. | A comprehensive review on pharmaceutical Oral dissolving films | |
JP2009280611A (ja) | 口腔内粘膜フィルム剤 | |
JP2014058470A (ja) | 可食性積層フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130319 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130517 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140304 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140306 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5497358 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |