JP2011025429A - ワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法と単結晶サファイア基板 - Google Patents

ワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法と単結晶サファイア基板 Download PDF

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Abstract

【課題】表面の反り形状が等方的に凹面である単結晶サファイア基板を製造する際に好適なワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法と単結晶サファイア基板を提供する。
【解決手段】少なくとも2つの回転ローラA,B間に互いに所定の間隔を介して平行に張設された複数のワイヤ10から成るワイヤ列を、円柱形状若しくは略円柱形状を有しかつ長手方向の中心軸を回転中心として回転するサファイア単結晶20に対し、相対的に押し付けながら各ワイヤを一方向あるいは往復方向へ走行させて切断し、複数枚のサファイア単結晶ウェハを得るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法であって、上記ワイヤの線速度が300m/min以上500m/min以下の条件下、サファイア単結晶の回転数を15rpm以上150rpm以下とすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法と単結晶サファイア基板に係り、特に、表面の反り形状が等方的に凹面である単結晶サファイア基板を製造する際に好適なサファイア単結晶の切断方法と単結晶サファイア基板の改良に関するものである。
単結晶サファイア基板は、近年、青色発光ダイオードや白色発光ダイオードに使用される窒化物半導体成長用の基板材料として注目を集めている。特に、c面を主面とする単結晶サファイア基板上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させ、発光構造を形成して上述の発光ダイオードとしている。
ところで、単結晶サファイア基板上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させた場合、エピタキシャル成長後における単結晶サファイア基板は凸形状に大きく反ることが知られている。この現象はサファイアと窒化物半導体との格子定数の差異に起因する。このため、エピタキシャル成長前における単結晶サファイア基板については、エピタキシャル成長後における上記凸形状の反りが緩和される程度の凹形状の反りを表面に有することが望まれている。但し、単結晶サファイア基板の凹形状が過度に大きかったり、歪んだ形状であったりすると、エピタキシャル成長が不均一あるいは不可能となる。このため、エピタキシャル成長用の単結晶サファイア基板としては、基板表面に歪んだ形状でなくお椀形のような等方的かつ適度に窪んだ形状を有していることが望ましい。
このような単結晶サファイア基板を作製する場合、円柱形状若しくは略円柱形状を有するサファイア単結晶をワイヤソーにより切断して複数枚のサファイア単結晶ウェハをまず製造し(例えば、特許文献1参照)、その後、サファイア単結晶ウェハのエピタキシャル成長面に対応する面を鏡面研磨して表面に付着した汚れを除去し、窒化物半導体成長用の単結晶サファイア基板とする方法が広く知られている。
以下、従来のワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法について図1を用いて説明する。図1はワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法を模式的に示す説明図で、一対の回転ローラA、B間に互いに所定の間隔を介して平行に張設された複数のワイヤ10から成るワイヤ列を、円柱形状若しくは略円柱形状を有するサファイア単結晶20に対し、その切断方向へ相対的に押し付けながら各ワイヤ10を一方向あるいは往復方向へ走行させて切断加工を行う方法である。また、ワイヤソーによるこの切断方法には、ワイヤとサファイア単結晶が接触する部分に砥粒を含む加工液を供給する方式(遊離砥粒方式)と予めワイヤに砥粒を固着させたものを用いる方式(固定砥粒方式)がある。
上記ワイヤソーによる従来の切断方法では、矢印aにて示すようにワイヤ列のサファイア単結晶20に対する移動方向が一方向であるため、切断が進行するに伴いサファイア単結晶20の切断長bが変化することや、ワイヤ10やローラA、Bが高速回転するために発熱、膨張することで所定の溝間隔が変動し、サファイア単結晶20の切断面に変形が生じる。すなわち、矢印aで示す切断方向では凹み量が大きく、切断方向と直交する方向には凹み量が小さくなるような、切断方向に依存した切断形状になる(すなわち、異方性を伴う切断形状になる)という問題が存在した。上記異方性を伴う切断形状は、鏡面研磨加工後におけるサファイア単結晶ウェハの最終形状にも残存するため、このサファイア単結晶ウェハにより構成される単結晶サファイア基板を用いて上述の窒化物半導体層のエピタキシャル成長をさせた場合、成長不良を引き起こす問題が存在した。
このような技術的背景の下、切断の進行に伴い上記切断長が変化する現象を解消する方法として、特許文献2では、円柱形状若しくは略円柱形状を有する被加工物を自転させながらワイヤソーで切断する方法が提案されている。この切断方法によれば、シリコン、セラミック、ソーダガラス等の硬脆材料から成るインゴット(被加工物)を自転させることで、高速で表面粗度(Ra)が低いウェハに切断することを可能にしている。すなわち、この切断方法においては、切断時において長手方向の中心軸を回転中心として上記インゴット(被加工物)が自転するため、切断の進行に伴い上記切断長が変化する現象を回避することができ、表面粗度(Ra)が低いウェハに切断することを可能にしている。
そこで、異方性を伴うサファイア単結晶の切断形状を解消するため、言い換えるとサファイア単結晶の切断形状が等方的になる方法を求めて、特許文献2で提案された被加工物を自転させながらワイヤソーで切断する方法を試みた。
まず、円柱形状若しくは略円柱形状を有するサファイア単結晶を長手方向の中心軸を回転中心として低回転数で回転させながらサファイア単結晶のc面を切断した場合、得られる切断形状は3回対称の凸凹形状となり等方的にならないことが確認された。これは、サファイア単結晶を低回転数で回転させながらワイヤソーで切断すると、サファイア単結晶とワイヤとが点接触になって切断負荷が小さくなるため、サファイア単結晶におけるc面の結晶癖の影響が切断形状に顕著に現れたためと推測される。そして、切断形状が3回対称の大きな凸凹形状を有するサファイア単結晶ウェハを、従来の研磨量で鏡面研磨加工した場合、得られる単結晶サファイア基板の最終形状にも上記凸凹形状が残存してしまい、等方的な形状とはならない。
他方、円柱形状若しくは略円柱形状を有するサファイア単結晶を長手方向の中心軸を回転中心として高回転数で回転させながらワイヤソーで切断すると、切断面の凸形状が大きくなり過ぎる結果、鏡面研磨加工後の凹面形状が必要以上に大きくなってしまう。
このため、鏡面研磨加工後における切断形状が等方的に凹面で、かつ、上述の窒化物半導体層等のエピタキシャル成長に適した単結晶サファイア基板を得るためのワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法が求められている。
特開2008−229752号公報 特開2000−135663号公報
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、鏡面研磨加工後における切断形状が等方的に凹面で、かつ、窒化物半導体層等のエピタキシャル成長に適した単結晶サファイア基板を得るためのワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法を提供し、合わせて上述の単結晶サファイア基板を提供することにある。
すなわち、請求項1に係る発明は、
少なくとも2つの回転ローラ間に互いに所定の間隔を介して平行に張設された複数のワイヤから成るワイヤ列を、円柱形状若しくは略円柱形状を有しかつ長手方向の中心軸を回転中心として回転するサファイア単結晶に対し、相対的に押し付けながら各ワイヤを一方向あるいは往復方向へ走行させて切断し、複数枚のサファイア単結晶ウェハを得るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法において、
上記ワイヤの線速度が300m/min以上500m/min以下の条件下、サファイア単結晶の回転数を15rpm以上150rpm以下とすることを特徴とし、
請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法において、
上記サファイア単結晶の回転数を30rpm以上90rpm以下とすることを特徴とするものである。
また、請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の切断方法により得られたサファイア単結晶ウェハにより構成され、かつ、その表面に窒化物半導体層を成長させる単結晶サファイア基板において、
面方位がc面でかつ反り形状が等方的に凹面である基板表面を有することを特徴とする。
請求項1〜2に記載の発明に係るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法によれば、ワイヤの線速度が300m/min以上500m/min以下の条件下、サファイア単結晶の回転数を15rpm以上150rpm以下としているため、サファイア単結晶のc面を低回転数で回転させながら切断したサファイア単結晶ウェハの切断面に現れる3回対称の凸凹形状が低減され、かつ、サファイア単結晶を高回転数で回転させながら切断したサファイア単結晶ウェハにおける切断面の凸形状が大きくなり過ぎる現象も回避することが可能となる。
従って、上記サファイア単結晶ウェハを従来の研磨量で鏡面研磨加工した場合でも、鏡面研磨加工後における切断形状が等方的に凹面で、かつ、窒化物半導体層等のエピタキシャル成長に適した単結晶サファイア基板を製造することができる。
また、請求項3に記載の発明に係る単結晶サファイア基板によれば、面方位がc面でかつ反り形状が等方的に凹面である基板表面を有するため、窒化物半導体層のエピタキシャル成長時における単結晶サファイア基板の形状変形も等方的となり、窒化物半導体層の良好なエピタキシャル成長が可能となる。
ワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法を模式的に示す説明図。 ワイヤソーによる切断時の結晶回転数と切断後におけるウェハのSORI値との関係を示すグラフ図。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法は、少なくとも2つの回転ローラ間に互いに所定の間隔を介して平行に張設された複数のワイヤから成るワイヤ列を、円柱形状若しくは略円柱形状を有しかつ長手方向の中心軸を回転中心として回転するサファイア単結晶に対し、相対的に押し付けながら各ワイヤを一方向あるいは往復方向へ走行させて切断し、複数枚のサファイア単結晶ウェハを得るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法において、ワイヤの線速度が300m/min以上500m/min以下の条件下、サファイア単結晶の回転数を15rpm以上150rpm以下とすることを特徴とするものである。
そして、サファイア単結晶を回転させながら切断する本発明方法により得られたサファイア単結晶ウェハの切断面に現れる「切断形状の傾向」として、以下の表1に示すように3回対称の凸凹(山谷)形状(サファイア単結晶におけるc面の結晶癖の影響に起因して現れる形状)を呈するものを「A」、等方的な凸面形状を呈するものを「B」として示している。尚、観察される上記サファイア単結晶ウェハの切断面は、鏡面研磨加工されて窒化物半導体層を成長させる面を対象としている。また、上記「A」「B」は「切断形状の傾向」を示すものであり、サファイア単結晶ウェハの合否を示すものではない。
また、表1の「鏡面研磨加工後の等方性」は、サファイア単結晶ウェハを鏡面研磨加工して得られる単結晶サファイア基板のエピタキシャル成長面について、窒化物半導体層をエピタキシャル成長させるのに適した等方的な凹面を具備しているか否かの評価欄を示している。そして、「切断形状の傾向」が「A」評価のサファイア単結晶ウェハを、従来の研磨量で鏡面研磨加工した後においても3回対称の凸凹(山谷)形状が依然として確認される場合を「×」、上記「切断形状の傾向」が「A」評価のサファイア単結晶ウェハを、従来の研磨量で鏡面研磨加工した後において3回対称の凸凹(山谷)形状が僅かに確認される場合を「△」、「切断形状の傾向」が「A」評価のサファイア単結晶ウェハを、従来の研磨量で鏡面研磨加工した後において3回対称の凸凹(山谷)形状が確認されない場合を「○」として評価する。尚、「切断形状の傾向」が「B」であるサファイア単結晶ウェハについては、鏡面研磨加工後においてもそのエピタキシャル成長面は等方的な凹面形状を呈するため「○」として評価する。
次に、表1の「鏡面研磨加工後のSORI値」は、SEMIスタンダードの反り「吸着固定しない状態のウェハ表面ベストフィット基準面(最小二乗法により算出された面)とウェハ表面の距離の最大値と最小値の差」に基づく評価欄を示している。そして、上記鏡面研磨加工後のSORI値がエピタキシャル成長面として適する5μm以上12μm以下が「○」、上記SORI値が5μm未満あるいは12μmを超えて15μm以下が「△」、上記SORI値が15μmを越える場合を「×」として評価する。
尚、図2のグラフ図は、ワイヤソーによる切断時の結晶回転数と切断後におけるウェハのSORI値との関係を示している。
Figure 2011025429
以下、本発明について実施例により具体的に説明する。
固定砥粒方式のワイヤを用いて実施した。すなわち、図1に示すワイヤソー装置を使用して、直径3インチのサファイア単結晶塊を切断時に60rpmで一定方向に連続回転させながら切断した。このときのワイヤ線速は330m/minであり、約20秒周期で往復運動させた。尚、サファイア単結晶塊の外周から中心まですべて切断してしまうと、サファイア単結晶ウェハがばらばらに脱離してしまう。このため、サファイア単結晶塊の中心手前6mmで切断を一旦停止し、サファイア単結晶ウェハ外周とサファイア単結晶塊を回転させる回転保持冶具とを接着剤で固定した後、サファイア単結晶塊を回転させずに切断を再開し、サファイア単結晶塊の中心部分を切断した。
その後、得られたサファイア単結晶ウェハについてSEMIスタンダードのSORI値を測定したところ16μm(5枚を測定した平均値)で、3回対称に応じた凸凹形状を有する切断形状となった。
次に、得られたサファイア単結晶ウェハのエピタキシャル成長面側を鏡面研磨加工した。このときの研磨量は鏡面研磨側で約50μmである。
この結果、3回対称に応じた凸凹形状は確認されず、等方的に整った凹面形状を有する単結晶サファイア基板が製造された。このときSORI値は8μm(5枚を測定した平均値)であった。
そして、得られた単結晶サファイア基板を用いそのエピタキシャル成長面に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させたところ、エピタキシャル成長に伴う単結晶サファイア基板の形状変形が等方的なため良好な窒化物半導体層のエピタキシャル成長が確認された。
尚、この実施例においては、ワイヤ線速が330m/minに設定されているが、ワイヤ線速を300m/minに設定した場合と、500m/minに設定した場合も実施しており、ワイヤ線速が330m/minの場合と略同一の結果が得られている。また、この実施例においては、約20秒周期でワイヤを往復運動させているが、往復運動させずに一方向のみにワイヤを走行させた場合でも略同一の結果が得られている。
[比較例1]
実施例1と同じ固定砥粒方式のワイヤおよびワイヤソー装置を使用し、直径3インチのサファイア単結晶塊を切断時に1rpmで一定方向に連続回転させながら実施例1と同様にして切断した。そして、実施例1と同様に中心手前6mmで切断を一旦停止し、サファイア単結晶ウェハ外周とサファイア単結晶塊を回転させる回転保持冶具とを接着剤で固定した後、サファイア単結晶塊を回転させずに切断を再開し、サファイア単結晶塊の中心部分を切断した。このときSORI値が66μm(5枚を測定した平均値)で、3回対称に応じた凸凹形状を有する切断形状となった。
次に、得られたサファイア単結晶ウェハのエピタキシャル成長面側を実施例1と同様に鏡面研磨加工した。このときの研磨量も鏡面研磨側で約50μmである。
しかし、加工処理後の単結晶サファイア基板を調べた結果、凹面形状ではあるものの切断形状と同じ3回対称に応じた凸凹形状が残存していた。このときのSORI値は17μm(5枚を測定した平均値)であった。そして、得られた比較例1に係る単結晶サファイア基板を用いそのエピタキシャル成長面に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させたところ、上記3回対称に応じた凸凹形状に起因して窒化物半導体層の良好なエピタキシャル成長が困難となることが確認された。
尚、切断時におけるサファイア単結晶塊の回転数を変化させた場合における「鏡面研磨加工後の等方性」の評価並びに「鏡面研磨加工後の反り量」の評価について上記表1に示すと共に、切断時におけるサファイア単結晶塊の回転数と切断後のサファイア単結晶ウェハのSORI値との関係を図2に示す。
[比較例2]
実施例1と同じ固定砥粒方式のワイヤおよびワイヤソー装置を使用し、直径3インチのサファイア単結晶塊を実施例1とは異なり切断時に結晶を回転させずに切断した。この場合、サファイア単結晶塊外周と上述した回転保持冶具(但し、比較例2においては回転させずに保持具として作用する)とを固定しておき、切断途中で一旦停止させることなく切断した。このときSORI値が30μm(5枚を測定した平均値)の凹面形状となったが、切断方向の凹み量が約30μm、切断方向と直交する方向の凹み量が約10μmと異方性をもった切断形状となった。
次に、得られたサファイア単結晶ウェハのエピタキシャル成長面側を実施例1と同様に鏡面研磨加工した。このときの研磨量も鏡面研磨側で約50μmである。
しかし、加工処理後の単結晶サファイア基板を調べた結果、凹面形状ではあるものの切断方向の凹み量が大きく、異方性を持った形状となった。このときのSORI値は18μm(5枚を測定した平均値)であり、切断時の異方性を持った形状が鏡面加工後の形状に影響していることが推察される。また、得られた比較例2に係る単結晶サファイア基板を用いそのエピタキシャル成長面に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させたところ、上記異方性を持った形状に起因して窒化物半導体層の良好なエピタキシャル成長が困難となることが確認された。
本発明に係るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法によれば、サファイア単結晶のc面を低回転数で回転させながら切断したサファイア単結晶ウェハの切断面に現れる3回対称の凸凹形状が低減され、かつ、サファイア単結晶を高回転数で回転させながら切断したサファイア単結晶ウェハにおける切断面の凸形状が大きくなり過ぎる現象も回避することが可能となる。従って、サファイア単結晶ウェハを従来の研磨量で鏡面研磨加工した場合でも鏡面研磨加工後における切断形状が等方的に凹面となるため、窒化物半導体層等のエピタキシャル成長に適した単結晶サファイア基板として適用される産業上の利用可能性を有している。
10 ワイヤ
20 サファイア単結晶
A 回転ローラ
B 回転ローラ
a ワイヤ列の移動方向を示す矢印
b サファイア単結晶の切断長

Claims (3)

  1. 少なくとも2つの回転ローラ間に互いに所定の間隔を介して平行に張設された複数のワイヤから成るワイヤ列を、円柱形状若しくは略円柱形状を有しかつ長手方向の中心軸を回転中心として回転するサファイア単結晶に対し、相対的に押し付けながら各ワイヤを一方向あるいは往復方向へ走行させて切断し、複数枚のサファイア単結晶ウェハを得るワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法において、
    上記ワイヤの線速度が300m/min以上500m/min以下の条件下、サファイア単結晶の回転数を15rpm以上150rpm以下とすることを特徴とするワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法。
  2. 上記サファイア単結晶の回転数を30rpm以上90rpm以下とすることを特徴とする請求項1に記載のワイヤソーによるサファイア単結晶の切断方法。
  3. 請求項1または2に記載の切断方法により得られたサファイア単結晶ウェハにより構成され、かつ、その表面に窒化物半導体層を成長させる単結晶サファイア基板において、
    面方位がc面でかつ反り形状が等方的に凹面である基板表面を有することを特徴とする単結晶サファイア基板。
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