JP2011025193A - 排ガス浄化構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貴金属量に対するPM燃焼効率を高めた排ガス浄化構造体を提供する。
【解決手段】平行配置された複数のフィルタ壁11のフィルタ壁間が排ガス流通方向の下流側と上流側とで1つおきに交互に目詰めされることにより形成されたガス流入側セル18及びガス流出側セル19と、ガス流入側セル18内のフィルタ壁に設けられた触媒層15とを備えており、フィルタ壁11の壁中に比べて、壁面に設けられた触媒層15に貴金属が多く担持されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばエンジン等の熱機関などの排出ガスに含まれる例えば煤、燃料やエンジンオイルの燃えかすである可溶有機成分等の粒子状物質を浄化するのに好適な排ガス浄化構造体及びその製造方法に関する。
種々の燃焼・焼却施設等のほか、例えばディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排出ガス(以下、排ガスともいう。)中には、一般に窒素酸化物(NO)や一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)などに加え、煤、燃料やエンジンオイルの燃えかすである可溶有機成分(SOF:Soluble Organic Fraction)等の炭素を主成分とする粒子状物質(Particulate Matter;以下、PMと略記することがある。)が含まれている。
そのため、内燃機関の開発及びその使用に際しては、大気や土壌等の汚染防止の観点から内燃機関より排出された排出ガスを浄化するための方法が検討されている。近年では、特にディーゼル機関において、PMの浄化が注目されている。
PMを浄化する技術に関しては、例えば内燃機関(例:ディーゼルエンジン)等の熱機関から排出された排出ガス中の粒子状物質を減少させるフィルタ〔DPF(=Diesel particulate filter);以下、DPFと略記する。〕を用いる方法が知られている。このDPFには、DPF用基材の内部に貴金属を担持させるとともに、その表面に貴金属を担持させたDPF触媒もある。
例えば、粒子状物質を捕集・除去するフィルタとして、触媒金属をセル側壁及び内部に担持し、触媒金属を担持する担体として、平均細孔径よりも小さい粒径のものが90wt%以上を占める高比表面積材料を担持したディーゼル排ガス浄化フィルタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。このフィルタでは、高比表面積材料がセル側壁の表面及び内部に被覆され、圧力損失を低くできるとされている。
また、孔を形成する多孔質の壁の表面層に酸化触媒が担持された排気ガス浄化構造体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−220423号公報 特開2006−7117号公報
DPF触媒に排ガスを流通させた場合、一般的にPMが堆積する初期段階ではフィルタ壁内に少量のPMが蓄積されるものの、大部分のPMは壁面に層状に蓄積される。そのため、蓄積したPMの燃焼に携わる貴金属が少なく、燃焼効率が低いばかりか、この燃焼に携わるフィルタ壁面の貴金属は多量のPMを燃焼することによる熱負荷によって劣化が促進されやすい。その一方、フィルタ内部の貴金属の燃焼への寄与率は低く、無駄が生じている。そのため、例えば上記のディーゼル排ガス浄化フィルタのように、触媒金属がセル側壁の表面及び内部に担持された形態であると、PMの堆積が壁表面及び内部に均一でなく壁表面に偏って堆積するために、PMの燃焼に寄与しない触媒金属が多く存在しているのが実状である。
また、壁表面へのPM堆積は多いものの、PMの一部は壁内部に流れ込んで蓄積される。内部に蓄積したPMは、フィルタ壁の細孔を詰まらせるため、上記の排気ガス浄化構造体のように表面層に酸化触媒が担持されるだけでは、内部に蓄積したPMが原因で圧損が高くなりやすく、安定的に圧損を低く維持することは難しい。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、圧力損失を低く維持すると共に、貴金属量に対するPM燃焼効率を高めた排ガス浄化構造体及びその製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、PM(粒子状物質)の蓄積量に合わせた貴金属の配置により、部分的な貴金属の熱劣化を抑制し、必要最低限の貴金属量で高い浄化能を発揮し、結果として貴金属量の低減を図ることができるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
上記目的を達成するために、第1の発明である排ガス浄化構造体は、排ガスが通過する多孔質壁の、排ガス流通方向上流側の壁面における貴金属担持量が壁中における貴金属担持量に比べて多い構成としたものである。
第1の発明においては、主としてPMが燃焼する多孔質壁の壁面に壁中より高濃度の貴金属を担持することで、壁面では多孔質壁の内部よりも壁面に多く蓄積されるPMの燃焼の際に、貴金属量が少量であるために生じやすい壁面の貴金属の熱劣化を抑制し、燃焼効率を高め、また壁中では、PM燃焼に伴なう熱ストレスが少ないため、孔を詰まらせない程度にPMの燃焼除去が可能であり、使用時の圧損を低減することができる。これにより、低圧損を維持しながら、少ない貴金属量(低コスト)で効率よく排ガス浄化することができる。
第1の発明である排ガス浄化構造体は、排ガスが通過可能な多孔質壁と、前記多孔質壁で区画され、排ガス流通方向下流側が閉塞されたガス流入側セルと、前記多孔質壁で区画されるとともに多孔質壁を介してガス流入側セルに隣接し、排ガス流通方向上流側が閉塞されたガス流出側セルとを設けて構成することができる。この場合、ガス流入側セルを構成する多孔質壁の壁面における貴金属担持量が壁中における貴金属担持量に比べて多くなっており、ガス流入側セルに流れ込んだ排ガスは、ガス流入側セルの多孔質壁を通過してガス流入側セルと隣接するガス流出側セルに進入する過程で浄化される。
第1の発明である排ガス浄化構造体は、多孔質壁の壁中の貴金属担持量に対するガス流入側の壁面の貴金属担持量の比率(壁面/壁中比;[質量比])は、70/30以上100/0未満であることが好ましい。多孔質壁に担持されている全貴金属のうち、多孔質壁全体における壁面の貴金属担持比率が質量比で70%以上であることにより、PM堆積量の多い壁面でのPM燃焼除去効率が向上するとともに燃焼に伴なう貴金属の熱劣化が抑えられる。
更には、多孔質壁において、その壁面における貴金属担持量を0.5g/L以上3g/L以下とし、壁中における貴金属担持量を0.01g/L以上0.5g/L未満とした場合が好ましい。上記同様に、壁中の貴金属量をPM燃焼に必要な少ない量に抑えつつ担持し、壁面の貴金属量をPMの堆積に合わせて壁中より多い前記範囲内とするので、比較的PMの蓄積が少ない壁中でのPM燃焼作用を維持し圧力損失を低く保ち、PM堆積量の多い壁面でのPM除去効率の向上と熱負荷の大きい壁面の貴金属の熱劣化抑制が図れる。
多孔質壁においては、少なくともその壁面に担持される貴金属が、白金、又は白金及びパラジウムである場合が好ましい。壁面の貴金属に白金、又は白金及びパラジウムを用いると、貴金属量が増えたり熱劣化を来すことなく、PMの燃焼効率が高められる。
第2の発明に係る排ガス浄化構造体の製造方法は、多孔質壁の孔内に、前記多孔質壁の平均細孔径より小さい平均粒径の担体を用いて貴金属を担持する工程と、前記多孔質壁の壁面に、前記多孔質壁の平均細孔径より大きい平均粒径の担体を用いて貴金属を担持する工程と、を設けて構成されたものである。
第2の発明においては、孔内に貴金属を担持するときにはその平均細孔径より小さい担体を用い、これに所望量の貴金属を担持させて孔内に所望量進入させ得る状態にすることで、孔内に所望量の貴金属を担持させることが可能であり、壁面に貴金属を担時するときにはその平均細孔径より大きい担体を用いることで、これに貴金属を担時させると孔内には進入できずに壁面に所定の貴金属を存在させることが可能であるので、多孔質壁の壁面における貴金属担持量が壁中における貴金属担持量より多い排ガス浄化構造体を作製することができる。
本発明の排ガス浄化構造体は、ガス浄化用触媒のほか、ディーゼルエンジン等の内燃機関等の熱機関又はボイラー等の燃焼装置から排出される排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集除去するフィルター(例えばDPF)として好適に用いられる。
本発明によれば、圧力損失を低く維持すると共に、貴金属量に対するPM燃焼効率を高めた排ガス浄化構造体及びその製造方法を提供することができる。
これにより、浄化性能を損なわずに、貴金属の担持量低減を達成することができる。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化構造体の概略構成を示す断面図である。 図1のAの部分を拡大して示す拡大断面図である。 再生耐久処理中の圧損推移を実施例と比較例とで対比して示すグラフである。 再生耐久処理後のPM堆積量を実施例と比較例とで対比して示すグラフである。
以下、図1〜図4を参照して、本発明の排ガス浄化構造体及びその製造方法の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明においては、下記実施形態に制限されるものではない。
本実施形態の排ガス浄化構造体10は、図1に示すように、流通する排ガスが矢印で示すように通過可能に構成された多孔質のフィルタ壁11が、所定の間隔をおいて互いに略平行に配置されており、配置されたフィルタ壁11は、排ガス流通方向(図1の矢印方向)下流側の端部において、隣り合うフィルタ壁間を1つおきに目詰め材12で目詰めして閉塞されており、さらに排ガス流通方向上流側の端部において、フィルタ壁の下流側が目詰めされていないフィルタ壁間を1つおきに目詰め材12で目詰めして閉塞されている。これにより、排ガス流通方向下流側を目詰めしたフィルタ壁間には、ガス流入側セル18が形成されており、排ガス流通方向上流側を目詰めしたフィルタ壁間には、ガス流出側セル19が形成されている。
上記のように、ガス流入側セル18及びガス流出側セル19は、フィルタ壁11により区画されると共にフィルタ壁11を介して隣接しており、図2に示すように、流通されてガス流入側セル18に進入した排ガスは、ガス流入側セル18からフィルタ壁11を通過してガス流出側セル19に移動できる構成になっている。
フィルタ壁としては、多数の孔が内部に形成された気体の流通が可能なものであれば使用することができる。フィルタ壁を構成する主成分としては、窒化ケイ素、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、ムライト、炭化珪素−コージェライト系複合材料、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられ、好ましくは、窒化ケイ素、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、ムライト、炭化珪素−コージェライト系複合材料、及びアルミナから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせた材料が用いられる。具体的な例としては、コージェライト製ハニカム基材、SiC製ハニカム基材、メタルハニカム基材などが挙げられる。
なお、「主成分」とは、フィルタ壁の成分の80質量%以上を占めることをいう。
フィルタ壁の平均細孔径としては、7〜20μmの範囲が好ましく、9〜15μmの範囲がより好ましい。平均細孔径は、7μm以上であると、圧力損失をある程度低く抑えることができ、20μm以下であることにより、PMの捕集効率を維持することができる。
なお、平均細孔径は、水銀圧入式細孔分布測定法により測定される値である。
多孔質のフィルタ壁11の内部には、フィルタ壁の平均細孔径よりも平均粒径が小さい担体にPtを担持した触媒粒子が担持されている。触媒粒子の貴金属としては、Pt、Pd、ロジウム(Rh)等が挙げられ、PMの燃焼効率の観点からPt、Pdが好ましい。担体の平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定法により測定された2次粒子径の平均値(平均2次粒子径)をいう。担体の平均粒径としては、30μm以下が好ましい。担体としては、二酸化ジルコニウム(ZrO)や酸化アルミニウム(Al)、シリカ、シリカ−アルミナ、セリア(CeO)、ゼオライトなどの酸化物の粒子、並びにこれらの混合粒子を用いることができる。
フィルタ壁11の壁中におけるPt等の貴金属の担持量は、内部に蓄積したPMを燃焼し、圧力損失を低く維持する点で、0.01〜0.5g/Lの範囲が好ましい。
ガス流入側セル18のセル内には、フィルタ壁11の上に、貴金属として白金(Pt)及びパラジウム(Pd)が担持された触媒層15が形成されている。具体的には、触媒層15は、フィルタ壁11の平均細孔径よりも大きい平均粒径の担体にPt及びPdを担持したPt・Pd担持触媒粒子が担持されている。触媒粒子の貴金属としては、Pt、Pd、ロジウム(Rh)等が挙げられ、PMの燃焼効率の観点から、Pt、Pdが好ましく、更にはPMの燃焼効率と熱劣化抑制の点で、Pt及びPdの混合が好ましい。触媒層15における担体の平均粒径も、前記同様に平均2次粒子径をいい、レーザー回折式粒度分布測定法により測定される値である。担体の平均粒径としては、20μm以上が好ましい。この場合、フィルタ壁11の平均細孔径Dより平均粒径が大きい担体の、平均細孔径Dに対する平均粒径の比率は1〜3であるのが好ましい。
フィルタ壁11の壁面(ここでは触媒層15)における貴金属の担持量は、0.5g/L以上3g/L以下が好ましい。ガス流入側における触媒層中の貴金属量は、0.5g/L以上であると、比較的PMが多く堆積する壁面のPM燃焼効率が良好になり、貴金属が受ける熱負荷も抑えられ、また、3g/L以下の範囲ではコスト的に有利である。このとき、フィルタ壁11の壁中の貴金属担持量は、0.01g/L以上0.5g/L未満であることが好ましい。更には、触媒層15における貴金属の担持量が0.8g/L以上1.5g/L以下であって、フィルタ壁11の壁中の貴金属担持量が0.05g/L以上0.3g/L未満である場合が特に好ましい。
触媒層15には、フィルタ壁の平均細孔径よりも大きい平均粒径の担体が用いられる。この平均粒径の担体は、フィルタ壁の孔内に進入できずに壁面に所定の貴金属を存在させることが可能である。このようにすることで、多孔質壁の壁面における貴金属担持量が壁中における貴金属担持量より多い排ガス浄化構造体を好適に作製することができる。
フィルタ壁の平均細孔径が9〜15μmの範囲である場合に、壁中の担体の平均粒径が1〜10μm、かつ壁面の担体の平均粒径が10〜50μmである態様が好ましい。
触媒層15は、触媒能を有する貴金属をコーティング等して多孔質壁上に設けた構造にしてもよい。貴金属を担持させることにより、多孔質壁の壁面に堆積するPM(粒子状物質)の燃焼除去を促進し、PMの燃焼性をより向上できる。貴金属の例としては、白金、パラジウム、ロジウム(Rh)等が挙げられる。
Ptは、PMの燃焼能、ガス中のNOへの酸化活性に優れており、排ガス中のパーティクル低減、NO生成によりガス浄化が行なえる。Pdもまた、PMの燃焼能、ガス中のNOへの酸化活性を有している。また、Pdを用いると耐熱性が得られ、Ptの粒成長を抑制する効果も有しており、例えばPtと共にPdを存在させることで、更なる高耐熱化が図れる。これにより、PM燃焼に伴なう貴金属(特にPt)の熱劣化を効果的に抑制することができる。
Pt、Pdは、所望の担体に担持して触媒層中に含有することができる。ここでの担体としては、二酸化ジルコニウム(ZrO)や酸化アルミニウム(Al)、シリカ、シリカ−アルミナ、セリア(CeO)、ゼオライトなどの酸化物の粒子、並びにこれらの混合粒子を用いることができる。
Pt、Pdを層中に含有する場合、Ptが担持されたPt担持酸化物の粒子とPdが担持されたPd担持酸化物の粒子とを混合してもよいし、Pt及びPdをともに担持した酸化物粒子を用いてもよい。Pt担持酸化物は、例えば、ZrO粉末等の酸化物の粉状物や粒状物と、ジ硝酸ジアンミン白金溶液、塩化白金溶液、アンミン白金溶液などとを混合し、乾燥、焼成(例えば400〜800℃程度)する等により得られる。また、Pt及びPdをともに担持した酸化物粒子は、例えば、ZrO粉末等の酸化物の粉状物や粒状物と、ジ硝酸ジアンミン白金溶液、塩化白金溶液、アンミン白金溶液などと、硝酸パラジウム溶液、塩化パラジウム溶液などとを混合し、乾燥、焼成(例えば400〜800℃程度)する等により得ることができる。
排ガス流通方向上流側の壁面であるガス流入側セル内のフィルタ壁面、すなわち触媒層15に担持される貴金属の担持量は、フィルタ壁の壁中の貴金属担持量より多くなっている。特には、フィルタ壁の壁中のPt等の貴金属担持量に対するフィルタ壁面(触媒層15)の貴金属担持量の比率(壁面/壁中比;質量比)が、70/30以上100/0未満の範囲であるのが好ましい。貴金属担持量の比率は、70/30以上であることにより、貴金属の総担持量を増やすことなく、壁面に多く堆積したPMの燃焼効率を高め、燃焼時の熱劣化を抑制することができ、100/0未満としてフィルタ壁中に必要量の貴金属を担持させた構成にするので、PM詰まりが解消され、圧損を低減できる。一般に排ガスがフィルタ壁を通過する際、PMはフィルタ壁面に多く堆積しやすいため、このようにフィルタ壁の壁面に壁中より貴金属を多く存在させることで、これまで壁中に存在してPM燃焼に寄与しなかった貴金属の燃焼寄与率が高める一方、貴金属の熱劣化も抑えられる。
なお、図示しないが、PM量や圧損変動防止などの観点から必要に応じて、更に、ガス流出側セル19におけるフィルタ壁11の上にPtやPdが担持された触媒層を形成することができる。触媒層は、触媒層15と同様、多孔質壁の平均細孔径よりも大きい平均粒径の担体にPtやPd等の貴金属を担持した貴金属担持触媒を担持して形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
−スラリーの調製−
(1)スラリー1
平均粒径(2次粒子径)10μm以下の酸化アルミニウム(Al)が分散されている酢酸系アルミナゾル(Al濃度:10質量%)300gに、白金(Pt)0.2gを含むジニトロジアンミン白金溶液を混合し、適量の純水で濃度を調整することにより、スラリー1を調製した。
(2)スラリー2
平均粒径(2次粒子径)35μm以上の酸化アルミニウム(Al)10g、及び1モル/Lの硝酸アルミニウム溶液4gを適量の純水中に分散させたスラリーに、白金(Pt)0.4gを含むジニトロジアンミン白金溶液と、パラジウム(Pd)0.1gを含む硝酸パラジウム溶液と混合し、スラリー2を調製した。
−DPF触媒の作製−
多孔質壁を有するDPF基材として、図1に示すように、平行配置された複数のフィルタ壁11のフィルタ壁間が、排ガス流通方向(矢印方向)下流側と上流側とで1つおきに交互に目詰めされることによりガス流入側セル18とガス流出側セル19とが形成された、コージェライト製のDPF基材(φ160mm×幅100mm、平均細孔径:25μm、気孔率:55%)を用意した。
このDPF基材をスラリー1に含浸した後、500℃で1時間焼成し、DPF基材の内部に20gのAlと0.2gのPtを担持した。このとき、DPF基材の内部におけるPtの担持量は、0.16g/Lである。続いて、スラリー2を用い、このDPF基材のガス流入側セル18に必要量を流し込んでコーティングし、再び500℃で1時間、焼成して、DPF基材のガス流入側セル18内の表面に触媒層15を形成した。このとき、触媒層15には、10gのAl、0.4gのPt、及び0.1gのPdが担持されており、触媒層(基材表面)におけるPt及びPdの合計の担持量は、0.8g/Lである。
以上のようにして、DPF触媒を作製した。このDPF触媒の全体における貴金属量は、Pt:0.6g、Pd:0.1gであり、DPF基材の内部に担持された貴金属量に対する基材表面(ここでは触媒層15)に担持された貴金属量の比率は、2.5(=0.5/0.2)であった。
(比較例1)
−スラリー3の調製−
平均粒径(2次粒子径)10μm以下の酸化アルミニウム(Al)が分散されている酢酸系アルミナゾル(Al濃度:10質量%)300gに、白金(Pt)2gを含むジニトロジアンミン白金溶液を混合し、適量の純水で濃度を調整することにより、スラリー3を調製した。
実施例1と同様のDPF基材を用意し、このDPF基材をスラリー3に含浸した後、500℃で1時間焼成し、DPF基材に300gのAlと2gのPtを担持して、DPF触媒を作製した。このDPF触媒の全体における貴金属量は、Pt:2gであった。
(評価)
上記の実施例及び比較例で作製したDPF触媒を、Pt3.6gが担持されたモノリス触媒(φ130mm×幅100mm)のガス流通方向下流側に位置するように配置してコンバータを作製し、これを燃焼室に軽油添加部を備えた2.2Lディーゼルエンジンの排気系に設置した。このディーゼルエンジンを3000rpmで動作させ、負荷調整を行なって350℃(2分間)と550℃(30秒間)とを繰り返して200時間、PM捕集及びDPF触媒の再生耐久処理を実施した。この際、再生耐久処理中における圧力損失の推移と耐久処理終了時のPM堆積量とを測定した。このときの結果を図3〜図4に示す。
図3〜図4に示すように、実施例では、比較例に比べて、貴金属量が約65%低減しているにも関わらず両者間に特性上の差異はみられず、貴金属の減量による低コスト化を図りながら、良好な性能を保持することができた。
11・・・フィルタ壁(多孔質壁)
15・・・触媒層
18・・・ガス流入側セル
19・・・ガス流出側セル

Claims (6)

  1. 排ガスが通過する多孔質壁の、排ガス流通方向上流側の壁面における貴金属担持量が壁中における貴金属担持量に比べて多い排ガス浄化構造体。
  2. 排ガスが通過可能な多孔質壁と、前記多孔質壁で区画され、排ガス流通方向下流側が閉塞されたガス流入側セルと、前記多孔質壁で区画されるとともに多孔質壁を介してガス流入側セルに隣接し、排ガス流通方向上流側が閉塞されたガス流出側セルとを備えており、前記壁面は、前記ガス流入側セルにおける前記多孔質壁の表面であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化構造体。
  3. 前記壁中の貴金属担持量に対する前記壁面の貴金属担持量の比率(壁面/壁中比;質量比)は、70/30以上100/0未満であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化構造体。
  4. 前記壁面の貴金属担持量が0.5g/L以上3g/L以下であり、前記壁中の貴金属担持量が0.01g/L以上0.5g/L未満であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の排ガス浄化構造体。
  5. 少なくとも前記壁面に担持された貴金属は、白金、又は白金及びパラジウムであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の排ガス浄化構造体。
  6. 多孔質壁の孔内に、前記多孔質壁の平均細孔径Dより小さい平均粒径の担体を用いて貴金属を担持する工程と、
    前記多孔質壁の壁面に、前記多孔質壁の平均細孔径Dより大きい平均粒径の担体を用いて貴金属を担持する工程と、
    を有する排ガス浄化構造体の製造方法。
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