JP2011025130A - 金属被覆シート体の難燃加工方法及び難燃性金属被覆シート体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、金属被覆シート体を十分な難燃性及び柔軟性を有するように加工するとともに環境負荷の小さい金属被覆シート体の難燃加工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る金属被覆シート体の難燃加工方法では、まず、固形のホットメルト樹脂材料を加熱溶融し難燃剤を均一に分散するように混合してコーティング材を作製する。そして、金属により被覆された合成樹脂材料からなる金属被覆シート体の少なくとも片面に液状化したコーティング材をコーティングし、コーティング材を冷却して金属被覆シート体に固着させることで難燃樹脂層を形成する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る金属被覆シート体の難燃加工方法では、まず、固形のホットメルト樹脂材料を加熱溶融し難燃剤を均一に分散するように混合してコーティング材を作製する。そして、金属により被覆された合成樹脂材料からなる金属被覆シート体の少なくとも片面に液状化したコーティング材をコーティングし、コーティング材を冷却して金属被覆シート体に固着させることで難燃樹脂層を形成する。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子機器から発生する電磁波の遮蔽や静電気対策などのために電磁波シールド材として用いられる金属被覆シート体の難燃加工方法及び当該方法により加工された十分な難燃性及び柔軟な風合いを併せ持った難燃性金属被覆シート体に関する。
家電製品等の電子機器の普及に伴い電子機器から発生する静電気や電磁波が及ぼす影響により、別の電子機器に誤動作を起こすという電磁波障害が問題となっている。こうした電磁波の影響を防止するために様々な電磁波シールド材が開発されている。
電子機器に電磁波シールド材を用いる場合、電子機器と同様の難燃性が求められており、例えばFMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standard)規格及びUL(Underwriters Laboratories Inc.)規格に規定する難燃性を備えることが要請されている。
電磁波シールド材として、布帛の繊維表面を金属で被覆したものが挙げられるが、こうした材料は、被覆された金属が酸化触媒となって可燃性を増長することが指摘されている。そのため、布帛の繊維表面を金属で被覆した電磁波シールド材の難燃性を高める改良工夫が行われている。例えば、特許文献1では、金属被覆布帛の一方の面にアクリル樹脂を主体とする樹脂層を形成し、他方の面に難燃剤を含むウレタン樹脂からなる樹脂層を形成した難燃性を有する金属被覆布帛が記載されている。また、特許文献2では、金属被覆布帛の片面に付与した難燃剤樹脂層が裏面に漏れ出さないようにコーティング時の樹脂粘度を制御して製造するEMI遮蔽材料が記載されている。
上述した特許文献では、金属被覆布帛の表面に形成するための樹脂材料を有機溶媒等の溶剤に溶解させるか乳化剤によりエマルション状態にしてコーティングしているが、溶剤型及びエマルジョン型のコーティング樹脂材料には多量の難燃剤を含有させることができないため十分な難燃性を確保するのが難しく、有機溶媒を用いた場合金属被覆布帛を構成する樹脂材料の膨潤により金属被覆層が割れて導電性に悪影響を及ぼすおそれがある。また、こうした有機溶媒や乳化剤は、加工時に外部に排出されたり、加工後に金属被覆シート体に残留するため、環境負荷が大きいといった課題がある。
そこで、本発明は、金属被覆シート体を十分な難燃性及び柔軟性を有するように加工するとともに環境負荷の小さい金属被覆シート体の難燃加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る金属被覆シート体の難燃加工方法は、固形のホットメルト樹脂材料を加熱溶融し難燃剤を均一に分散するように混合してコーティング材を作製し、金属により被覆された合成樹脂材料からなる金属被覆シート体の少なくとも片面に液状化した前記コーティング材をコーティングし、前記コーティング材を冷却して前記金属被覆シート体に固着させることで難燃樹脂層を形成することを特徴とする。さらに、前記コーティング材は、前記難燃剤を混合した後冷却固化され、コーティングする際に再度加熱溶融することを特徴とする。さらに、前記コーティング材は、粘度を3000〜100000cpsに調整してコーティングすることを特徴とする。さらに、前記難燃剤は、前記ホットメルト樹脂材料100重量部に対して200〜400重量部の配合割合で混合することを特徴とする。さらに、前記ホットメルト樹脂材料は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。さらに、前記難燃剤は、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、熱膨張性黒鉛、赤燐からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明は、ホットメルト樹脂材料を加熱溶融して難燃剤を均一に分散するように混合してコーティング材を作製し、難燃剤を均一に分散したコーティング材を加熱溶融して金属被覆シート体にコーティングして難燃樹脂層を形成するようにしているので、多量の難燃剤をシート体全体に均一に分布させることができ、十分な難燃性を持たせることが可能となる。また、難燃樹脂層は、ホットメルト樹脂材料を用いてコーティングするので、急速に冷却固化して形成され、シート体内部への浸透や裏面への滲み出しを抑止することができ、コーティング後に均一に分散した難燃剤が流動化して偏在することのない。そして、難燃樹脂層は、強力な接着力によりシート体に固定されて剥離することがないので、層厚を薄く形成することができ、シート体の柔軟性を損なうことがない。
また、固形のホットメルト樹脂材料を無溶剤で用いてコーティングすることで、有機溶媒等を用いた場合のように、加工時に排気ガスが発生することがなく難燃樹脂層に有機溶媒が残留することもないため環境負荷を小さくすることができる。
さらに、形成した難燃樹脂層を接着層として使用することもできる。例えば、金属被覆シート体の両端部を重ね合わせて筒状に形成する場合に、重ね合わせた部分の難燃樹脂層を加熱溶融して接着させればよく、別途接着剤を用いる必要がないため製造工程を簡略化することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。本発明において用いられる金属被覆シート体の基材としては、織物、編物、不織布、フィルムなどの形態のものを挙げることができ、特に限定されない。また、基材に用いられる材料としては、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリウレタン系といった合成繊維、ポリイミド系の繊維又はフィルムが挙げられ、セルロース系(ジアセテート、トリアセテート等)、蛋白質系(プロミックス等)といった半合成繊維、セルロース系(レーヨン、キュプラ等)、蛋白質系(カゼイン繊維等)といった再生繊維、セルロース系(木綿、麻等)、蛋白質系(羊毛、絹等)といった天然繊維が挙げられる。なお、これらの材料を2種類以上組み合わせたものを用いることもでき、シート体として柔軟性を備えるものであれば、特に限定されない。
こうした材料からなるシート体の表面に金属材料からなる被覆層を形成して金属被覆シート体を作成するには、蒸着法、スパッタリング法、電気メッキ法、無電解メッキ法等の従来公知の方法により行うことができる。金属被覆層に用いられる金属材料としては、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、及びそれらの合金といったものを挙げられる。導電性及び製造コストを考慮すると銅、ニッケルが好ましいが、電磁波シールド性や耐久性を考慮して選択すればよく、特に限定されない。
こうして作成された金属被覆シート体に難燃加工を行う場合、本発明では、ホットメルト樹脂材料を用いる。ホットメルト樹脂材料としては、従来公知の樹脂材料を使用することができ、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂といったものが挙げられ、いずれかを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、金属被覆シート体のコーティング後における柔軟性を確保する観点からみると、ウレタン樹脂、アクリル樹脂が好ましく、アクリル樹脂がより好ましい。アクリル樹脂は、難燃剤を均一に分散させて混合することができ、コーティング後の風合いが柔軟であることから、特に好ましく用いられる。ホットメルト樹脂材料の融点は70〜130℃であることが好ましい。融点が70℃より低いと、金属被覆シート体を実装した製品環境が融点に近い温度域の場合はホットメルト樹脂材料が溶融するおそれがあり、130℃を超えると、金属被覆シート体の製造機において設定される溶融温度を融点よりも高い温度条件にする必要があり、製造機に対する熱的負荷が大きくなるといった不具合が生じる。
ホットメルト樹脂材料は、後述する難燃剤を金属被覆シート体に固着させるバインダー樹脂として用いられるとともに接着剤としても使用することができる。例えば、電磁波シールドガスケットを製造する際に、発砲体等の芯材に難燃加工した金属被覆シート体を巻き付けてシート体の端部同士を重ね合わせて接着させる場合に、コーティングしたホットメルト樹脂材料を加熱溶融させて接着させればよい。
ホットメルト樹脂材料を加熱溶融し難燃剤を均一に分散するように混合してコーティング材を作製する。難燃剤としては、従来公知の難燃剤で溶融温度に対して耐久性のあるものを使用することができ、例えば、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、熱膨張性黒鉛、赤燐といったものが挙げられ、いずれかを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、難燃性及びコスト面からみると、ハロゲン系化合物、三酸化アンチモンが好ましいが、近年の環境問題に対応するために、難燃剤はノンハロゲン系を使用する傾向が強まっている。そのため、リン酸エステル、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムの併用がより好ましい。
難燃剤の配合量は、ホットメルト樹脂材料100重量部に対して、200〜400重量部、より好ましくは250〜350重量部であることが必要である。難燃剤の配合量は、ホットメルト樹脂材料100重量部に対して200重量部未満では金属被覆シート体に十分な難燃性を付与することができず、400重量部を超えるとホットメルト樹脂材料の接着強度が低下するなどの不具合が生じる。
難燃剤は粒子状又は粉体状で混合すればよい。公知の混合装置を用いて加熱溶融した液状のホットメルト樹脂材料に難燃剤を投入して撹拌又は混練し、難燃剤が均一に分散した状態で冷却して固化する。混合装置としては、難燃剤を均一に分散混合できるものであれば使用することができる。例えば、2軸エクストルーダー、プロペラ撹拌による分散混合、ニーダー又はローラー等の混練による分散混合が挙げられる。
作製されたコーティング材は、一旦冷却固化し、金属被覆シート体にコーティングする前に加熱溶融して液状化され、液状化されたコーティング材を金属被覆シート体の少なくとも片面にコーティングする。コーティング材を冷却固化することで、難燃剤が均一に分散した状態で保存することができ、コーティングする際に均一分散状態で使用することが可能となる。また、作製されたコーティング材を加熱溶融状態のままコーティングしてもよく、製造工程に合わせて適宜選択すればよい。
コーティング装置としては、従来公知のコーティング装置を使用することができ、例えば、スロットコーター、ロールコーター、カーテンスプレー、グラビアコーター、スパイラルコーター、フレキソコーターといったものが挙げられる。特に、コーティング量の調整及び均一性を考慮すると、スロットコーターが好ましい。
液状化したコーティング材の粘度は、3000〜100000cps、より好ましくは10000〜80000cpsとなるように溶融温度を調整すればよい。コーティング材の粘度が3000cps未満では金属被覆シート体が繊維材料を用いている場合に裏漏れして品質を損なうおそれがあり、100000cpsを超えるとコーティングする際の密着性が低下する。
金属被覆シート体に対するコーティング材の付与量は、金属被覆シート体100重量%に対して、難燃剤重量が150〜500重量%、より好ましくは200〜400重量%であることが必要である。付与量が150重量%未満であると、金属被覆シート体に十分な難燃性を得られないおそれがあり、500重量%を超えると、金属被覆シート体の柔軟性が損なわれる。
以上説明したように金属被覆シート体に難燃樹脂層を形成して難燃加工を施す。難燃樹脂層は、金属被覆シート体の片面又は両面に形成すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。実施例中の「部」及び「%」は重量基準であるものとする。
また、得られた難燃性金属被覆シート体の性能は、次の方法により評価した。
(1)難燃性
得られた難燃性金属被覆シート体をUL94 VTM−0試験法に従って難燃性を評価した。
(2)難燃樹脂層の接着強度
難燃性金属被覆シート体を、縦210mm×横30mmに切断し、PETフィルム(テイジンテトロンフィルムGE:50μm)に貼り合わせて位置決めした後、固着器(オムロン株式会社製スコッチテスターE5AW)によりプレス圧46g/cm2、プレス温度140℃、プレス時間30秒の条件で固着させた。その後、180度引き剥がしの場合における接着強度を測定した。測定器として株式会社エー・アンド・ディ製テンシロン万能試験機RTG−1250を用いた。
(3)環境耐久性
恒温恒湿器(株式会社ナガノ科学機械製作所製LH−30−00 PRGLAH;60℃、95%)に難燃性金属被覆シートを設置し、150時間放置した。その後、難燃性金属被覆シート体の金属被膜について以下の評価を行った。
(3−1)表面抵抗値
抵抗値測定器(三菱化学株式会社製のロレスターMCP−T350;ESPタイプ)を用い、難燃性金属被覆シート体の金属被膜表面(難燃樹脂層が形成されていない面)の抵抗値を測定した。
(3−2)金属被膜の変色、腐食性試験
恒温恒湿器投入前の金属被膜表面及び放置後の金属被膜表面を目視観察し、変色の有無及び腐食状況を比較観察した。
(4)4VOC含有量測定
難燃性金属被覆シート体について、測定器(パーキンエルマー社製HS40、株式会社島津製作所製GCMS−QP5000)を用い、4VOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)の測定を行った。
(1)難燃性
得られた難燃性金属被覆シート体をUL94 VTM−0試験法に従って難燃性を評価した。
(2)難燃樹脂層の接着強度
難燃性金属被覆シート体を、縦210mm×横30mmに切断し、PETフィルム(テイジンテトロンフィルムGE:50μm)に貼り合わせて位置決めした後、固着器(オムロン株式会社製スコッチテスターE5AW)によりプレス圧46g/cm2、プレス温度140℃、プレス時間30秒の条件で固着させた。その後、180度引き剥がしの場合における接着強度を測定した。測定器として株式会社エー・アンド・ディ製テンシロン万能試験機RTG−1250を用いた。
(3)環境耐久性
恒温恒湿器(株式会社ナガノ科学機械製作所製LH−30−00 PRGLAH;60℃、95%)に難燃性金属被覆シートを設置し、150時間放置した。その後、難燃性金属被覆シート体の金属被膜について以下の評価を行った。
(3−1)表面抵抗値
抵抗値測定器(三菱化学株式会社製のロレスターMCP−T350;ESPタイプ)を用い、難燃性金属被覆シート体の金属被膜表面(難燃樹脂層が形成されていない面)の抵抗値を測定した。
(3−2)金属被膜の変色、腐食性試験
恒温恒湿器投入前の金属被膜表面及び放置後の金属被膜表面を目視観察し、変色の有無及び腐食状況を比較観察した。
(4)4VOC含有量測定
難燃性金属被覆シート体について、測定器(パーキンエルマー社製HS40、株式会社島津製作所製GCMS−QP5000)を用い、4VOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)の測定を行った。
[実施例1]
金属被覆シート体は、ポリエステル系繊維からなる織物(経糸56dtex/36f、緯糸56dtex/36f)を精練、乾燥、熱処理した後、従来公知の方法により繊維表面を金属で被覆した。織物には銅10g/m2及びニッケル4g/m2が付与されており、目付は64g/m2であった。
金属被覆シート体は、ポリエステル系繊維からなる織物(経糸56dtex/36f、緯糸56dtex/36f)を精練、乾燥、熱処理した後、従来公知の方法により繊維表面を金属で被覆した。織物には銅10g/m2及びニッケル4g/m2が付与されており、目付は64g/m2であった。
コーティング材は、以下の処方1で作製した。まず、ホットメルト樹脂を加熱溶融して液状化し、2軸エクストルーダーを用いて難燃剤を投入しながら分散混合した後冷却して固化させた。
<処方1>
ホットメルト樹脂 30部
(メタクリル酸エステル共重合体樹脂;融点100℃)
難燃剤(水酸化アルミニウム;粉末) 40部
難燃剤(水酸化マグネシウム;粉末) 30部
難燃剤(リン酸エステル;粉末) 30部
<処方1>
ホットメルト樹脂 30部
(メタクリル酸エステル共重合体樹脂;融点100℃)
難燃剤(水酸化アルミニウム;粉末) 40部
難燃剤(水酸化マグネシウム;粉末) 30部
難燃剤(リン酸エステル;粉末) 30部
次に、冷却固化したコーティング材を溶融温度180℃で液状化して粘度を50000cpsに調整した。そして、得られた金属被覆シート体の片面に、粘度調整したコーティング材をスロットコーターを用いてコーティングした。コーティング材の付与量は200g/m2であった。金属被覆シート体を冷却してコーティング材を固着させて難燃樹脂層を形成した。
[実施例2]
実施例1と同様の金属被覆シート体を用いて、その片面に実施例1と同様のコーティング材を用いてスロットコーターにより実施例1と同じ条件でコーティングした。コーティング材の付与量は100g/m2であった。
実施例1と同様の金属被覆シート体を用いて、その片面に実施例1と同様のコーティング材を用いてスロットコーターにより実施例1と同じ条件でコーティングした。コーティング材の付与量は100g/m2であった。
[比較例1]
実施例1と同様の金属被覆シート体を用い、コーティング材は以下の処方2で実施例1と同様に作製した。金属被覆シート体の片面に、作製したコーティング材を用いてスロットコーターにより実施例1と同じ条件でコーティングした。コーティング材の付与量は200g/m2であった。
<処方1>
ホットメルト樹脂 30部
(メタクリル酸エステル共重合体樹脂;融点100℃)
難燃剤(水酸化アルミニウム;粉末) 50部
難燃剤(水酸化マグネシウム;粉末) 40部
難燃剤(リン酸エステル;粉末) 40部
実施例1と同様の金属被覆シート体を用い、コーティング材は以下の処方2で実施例1と同様に作製した。金属被覆シート体の片面に、作製したコーティング材を用いてスロットコーターにより実施例1と同じ条件でコーティングした。コーティング材の付与量は200g/m2であった。
<処方1>
ホットメルト樹脂 30部
(メタクリル酸エステル共重合体樹脂;融点100℃)
難燃剤(水酸化アルミニウム;粉末) 50部
難燃剤(水酸化マグネシウム;粉末) 40部
難燃剤(リン酸エステル;粉末) 40部
[比較例2]
実施例1と同様の金属被覆シート体を用い、コーティング材は以下の処方3で作製した。溶剤にホットメルト樹脂を溶解させた後難燃剤を投入して液状のコーティング材を作製した。
<処方3>
溶剤系ウレタンホットメルト樹脂 50部
(固形分50%、融点100℃)
難燃剤(リン酸エステル;粉末) 50部
溶剤(トルエン) 15部
コーティング材の粘度は、溶剤を追加して50000cpsに調整した。金属被覆シート体の片面に、粘度調整したコーティング材を用いてスロットコーターによりコーティングした。コーティング材の付与量は100g/m2であった。
実施例1と同様の金属被覆シート体を用い、コーティング材は以下の処方3で作製した。溶剤にホットメルト樹脂を溶解させた後難燃剤を投入して液状のコーティング材を作製した。
<処方3>
溶剤系ウレタンホットメルト樹脂 50部
(固形分50%、融点100℃)
難燃剤(リン酸エステル;粉末) 50部
溶剤(トルエン) 15部
コーティング材の粘度は、溶剤を追加して50000cpsに調整した。金属被覆シート体の片面に、粘度調整したコーティング材を用いてスロットコーターによりコーティングした。コーティング材の付与量は100g/m2であった。
実施例1及び2に関しては十分な難燃性が確保され、金属被膜の変色及び腐食が生じることなく4VOC含有量の少ない難燃性金属被覆シート体を得ることができた。これに対して、比較例1では、十分な難燃性を得られるものの難燃剤の配合割合が大きくなって難燃樹脂層の接着性の低下が認められる。また、比較例2では、コーティング材に溶剤を使用しているため、溶剤を金属被覆シート体に残留していることがわかる。
Claims (7)
- 固形のホットメルト樹脂材料を加熱溶融し難燃剤を均一に分散するように混合してコーティング材を作製し、金属により被覆された合成樹脂材料からなる金属被覆シート体の少なくとも片面に液状化した前記コーティング材をコーティングし、前記コーティング材を冷却して前記金属被覆シート体に固着させることで難燃樹脂層を形成することを特徴とする金属被覆シート体の難燃加工方法。
- 前記コーティング材は、前記難燃剤を混合した後冷却固化され、コーティングする際に再度加熱溶融することを特徴とする請求項1に記載の難燃加工方法。
- 前記コーティング材は、粘度を3000〜100000cpsに調整してコーティングすることを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃加工方法。
- 前記難燃剤は、前記ホットメルト樹脂材料100重量部に対して200〜400重量部の配合割合で混合することを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃加工方法。
- 前記ホットメルト樹脂材料は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の難燃加工方法。
- 前記難燃剤は、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、熱膨張性黒鉛、赤燐からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の難燃加工方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の難燃加工方法により加工された難燃性金属被覆シート体。
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