JP2011024585A - 細胞傷害性tリンパ球 - Google Patents

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Abstract

【課題】がんの治療において有用となる、特定の抗原ペプチドとHLA−A24分子との複合体を細胞表面に提示する細胞を認識するCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球を提供する。
【解決手段】特定の配列で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドとHLA−A24分子との複合体を細胞表面に提示する細胞を認識するCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球、該細胞傷害性Tリンパ球を有効成分として含有する制がん剤及び該Tリンパ球の誘導剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、RNAを導入したTリンパ球を抗原提示細胞として利用した抗原特異的なTリンパ球の誘導方法、および誘導されたTリンパ球のがんまたは感染症の治療剤としての利用に関する。また、腫瘍関連抗原であるMAGE−A4またはSAGEに特異的なHLA−A2402拘束性の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)およびその認識する抗原ペプチド、並びにそれらのCTL誘導剤および制がん剤としての利用に関する。さらに、該CTLを検出するために有用なMHC−抗原ペプチド複合体を4量体化したテトラマーに関する。
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)には、抗原ペプチドと主要組織適合性抗原遺伝子複合体(major histo-compatibility gene complex;以下、MHCと略す)にコードされる主要組織適合性抗原MHC(ヒトの場合 human leukocyte antigenと呼ばれ、以下、HLAと略す)分子との結合物である複合体を特異的なT細胞レセプター(T cell receptor;以下、TCRと略す)によって認識し、その複合体を細胞表面に提示している細胞を傷害することのできるものがある。このようなCTLは自身と同じHLA分子を有する標的細胞のみを認識し傷害することから、HLA拘束性CTLと呼ばれる。したがって該細胞傷害反応が成立するためには、1)特異的TCRを持ったCTLが存在すること、2)HLAに提示されCTLに認識される抗原ペプチドとなるために、HLA分子との結合だけでなく、TCRによる認識を受ける複合体を形成できる抗原ペプチドが存在すること、が必要である。
このような抗原ペプチドは、例えば哺乳類細胞の細胞内で合成された抗原等が小胞体でプロセスされ、小さいエピトープペプチドに分解されることにより生じ、更にHLA分子と会合し、細胞表面に提示される。すなわち、多くのサブユニットよりなるプロテオソーム複合体の中で、タンパク質は8〜15アミノ酸よりなるペプチドに分解され、そのうちのいくつかがTAPトランスポーターにより細胞質から小胞体に運ばれる。これらのペプチドは小胞体でクラスI/β2ミクログロブリン(microglobulin)のヘテロダイマーに結合できれば、3分子複合体として安定化され、ゴルジ装置を通って、細胞表面に輸送される。腫瘍関連抗原又は腫瘍特異的抗原タンパク質を発現している腫瘍細胞は、腫瘍細胞表面にTリンパ球に認識される、HLA拘束性抗原ペプチドを提示できるはずである。
さらに、ウイルス、細菌や原虫、真菌による感染においても、これらの微生物の有する抗原に対するCTLが感染防御に重要な役割を果していることが明らかにされている。
HLAクラスI分子は主としてHLA−A、−B、−Cがあり、これらに結合して提示される抗原ペプチドは、8〜10個のアミノ酸よりなり、更に各々のHLA分子によって異なる一定の構造上の特徴があることが知られている。例えば、世界的に最も頻度の高いHLA−A2.1分子に結合するペプチドとしてはN末端より2番目にLeu、且つC末端にLeu又はValを有する9〜10個のアミノ酸よりなるペプチドが最も良く知られているものである。また、日本人を始めとするアジアの人種に多いHLA−A24分子に結合するペプチドはN末端より2番目にTyr、Phe、Met、Trpのいずれか、且つC末端にLeu、Ile、Trp、Pheのいずれかを有する9〜10個のアミノ酸よりなるものであるペプチドが最もよく知られている〔非特許文献1〕。
現在までに抗原ペプチドが同定されている腫瘍抗原としては、HLA−A1に対するMAGE−1、MAGE−3、HLA−A2.1に対するMAGE−3、MART1、チロシナーゼ、gp100、HER2/neu、CEA等、HLA−Cw1に対するMAGE−3、HLA−B44に対するMAGE−3、HLA−B37に対するMAGE−A4、HLA−A24に対してはMAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、CEA、HER2/neu、チロシナーゼ、β−カテニン(catenin)等がある。これらの中の多くは、まず腫瘍細胞を認識するクラスI拘束性のCTLを株化し、このCTLの認識する腫瘍抗原を同定し、続いて遺伝子工学的方法により腫瘍抗原タンパク質中最小単位を見出し、更にHLAクラスI分子への結合モチーフに関する情報を基に最小単位中のペプチドが見出されている〔非特許文献2〕。また、まず前記のHLAクラスI分子結合ペプチドに共通したモチーフ構造を基に、腫瘍抗原タンパク質中のHLAクラスI分子結合ペプチドを見出し、続いて抗原提示細胞を利用してCTLを誘導可能なものを選択した後、最終的に腫瘍細胞に対して傷害性を有するCTLが誘導できているかどうかにより抗原ペプチドが決定されている〔非特許文献3、4〕。
一方、HLAクラスI分子はいくつかのサブタイプに分類されるが、その保有サブタイプの種類は人種間で大きく異なり、世界的にはHLA−A2が最も多く、白色人種の45%を占めている。そして、このHLA−A2拘束性の抗原ペプチドの同定が最も進んでいる。日本人ではHLA−A2は40%を占めるが、そのサブタイプを見ると白色人種と同じHLA−A*0201は20%で、残りの多くはA*0206である。これらのサブタイプへの結合ペプチドは異なり、主として研究されているHLA−A2はHLA−A*0201である。一方、日本人ではHLA−A24が60%以上を占めており、このHLA−A24はアジア人種では他の人種に比べて比率が高い。従って、HLA−A24拘束性の抗原ペプチドの発見はアジア人種、特に日本人において腫瘍細胞特異的に作用するCTLを誘導する事による、腫瘍治療に有用なCTLの提供に重要な役割を示す。
同じ抗原でも、HLAの違いに基づいて抗原ペプチドが異なるため、抗原ペプチドを利用したCTLの誘導は煩雑である。この問題を解決するために色々な工夫がなされているが、まだ満足できる成果は得られていない。工夫されていることの一つは、患者自身(自家)由来の抗原提示細胞に抗原遺伝子を形質導入し、これを利用したTリンパ球誘導方法である。抗原提示細胞として、プロフェッショナル抗原提示細胞として知られている、B細胞、マクロファージ、樹状細胞が検討され、樹状細胞を中心として、ワクチンのアジュバント等として使用する臨床試験が実施されている〔非特許文献5〕。しかし、これらの抗原提示細胞は、免疫誘導に必要な量を準備するのに労力を要することが課題である。B細胞はEBウイルスによる不死化による大量調製が可能であるが、ウイルスを使用している点から安全性上問題がある。また、遺伝子導入法に関しても、ウイルスベクターやプラスミドDNAを用いる遺伝子導入は、遺伝子が染色体上に挿入され、新たな変異体を生じる可能性が否定できない。
ジャーナル オブ イムノロジー(J. Immunol.)、第155巻、第4307〜4312頁(1995) プロシーディングズ オブ ザ ナショナル アカデミー オブ ザ サイエンシーズ オブ ザ USA(Proc. Natl. Acad. Sci. U S A)、第91巻、第3515〜3519頁(1994) プロシーディングズ オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ USA、第91巻、第2105〜2109頁(1994) ジャーナル オブ イクスペリメンタル オブ メディシン(J. Exp. Med.)、第179巻、第921〜930頁(1994) ジャーナル オブ イムノセラピー(J. Immunotherapy )、第21巻、第41〜47頁(1998)
HLA−A24拘束性抗原ペプチドは、腫瘍関連抗原の場合、MAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、CEA、HER2/neu、チロシナーゼ、βカテニン等があるがHLA−A2.1に比べると未だにその解析は遅れており、種々の腫瘍抗原に対する新たな抗原ペプチドの発見が望まれる。したがってアジア人種、特に日本人において腫瘍細胞特異的に作用するCTLの解析も遅れており、腫瘍治療に有用なCTLの提供が不可能であった。
また、プロフェッショナル抗原提示細胞として知られている、B細胞、マクロファージ、樹状細胞を使用してCTL誘導を行う試みは、これらの細胞の取り扱い、例えば採取や拡大に問題を有している。なお、従来、Tリンパ球の抗原提示能については知られていない。
CTLは、その細胞表面のT細胞レセプター(TCR)とCD3分子の複合体により、抗原提示細胞または標的細胞表面のMHC分子に結合している抗原ペプチドをMHC分子と共に認識して、活性化され、さまざまな免疫反応を起こすため、CTLの動態や機能に関する解析は、細胞自身を使用する必要があり、各種細胞株、抗原遺伝子形質転換株などを用いて、種々の工夫をしながら行われてきた。しかし、最近使用されているMHCテトラマーはMHC−抗原ペプチド複合体をビオチン−ストレプトアビジン法で4量体化したものであり、抗原提示細胞や標的細胞の代わりに、また目的のTCRを有するCTLの特異的測定法として有用性が高いことが明らかになっている。しかし、TCRに応じて、すなわち、HLAおよび抗原ペプチドの違いに応じて、それぞれに必要なテトラマーが異なるため、多種類のテロラマーが必要とされている。
本発明者らは、腫瘍抗原に対する有用なCTLの誘導方法を検討した結果、自家リンパ球をフィトヘムアグルチニン等のT細胞活性化剤で刺激し、これに抗原をコードするRNAを電気穿孔法で導入したものを抗原提示細胞として使用したところ、抗原特異的なCTLを誘導できることを明らかにした。さらに、腫瘍抗原であるMAGE−A4、SAGEに対するHLA−A24拘束性のCTLを誘導し、このCTLの認識するHLA−A24拘束性抗原ペプチドが、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列からなるペプチドであることを同定した。そしてこの抗原ペプチドがヒト末梢血リンパ球よりCTLを誘導するために有用であることを明らかにした。同時に、配列番号1または2の抗原ペプチドを使用して調製されるMHC−抗原ペプチド複合体をビオチン−ストレプトアビジンで4量体化したテトラマーを調製し、これがCTLの検出に有用であることを明らかにし、本発明を完成させた。
本発明の第1の態様は、目的とする抗原をコードするRNAを導入した、前記抗原を認識するTリンパ球を誘導する活性を有するTリンパ球に関する。
本発明の第2の態様は、第1の態様のTリンパ球を含有する免疫誘導剤に関する。
本発明の第3の態様は、第1の態様のTリンパ球を抗原提示細胞として使用することを特徴とする、前記抗原を認識するTリンパ球の誘導方法に関する。
本発明の第4の態様は、第2の態様のTリンパ球の誘導方法によって誘導されたTリンパ球を有効成分として含有してなるがんまたは感染症の治療剤に関する。
本発明の第5の態様は、配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドとHLA−A24分子との複合体を細胞表面に提示する細胞を認識するCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球に関する。
本発明の第6の態様は、第5の態様の細胞傷害性Tリンパ球を有効成分として含有してなる制がん剤に関する。
本発明の第7の態様は、配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドを有効成分として含有してなる、第5の態様の細胞傷害性Tリンパ球の誘導剤に関する。
本発明の第8の態様は、配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドを有効成分として含有してなる制がん剤に関する。
本発明の第9の態様は、配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体を含有する、第5の態様の細胞傷害性Tリンパ球の有するT細胞レセプター検出用のテトラマーに関する。
本発明により、取得の容易なTリンパ球を抗原提示細胞として使用するCTLの誘導方法が提供される。また、(HLA)−A24拘束性の新規な抗原ペプチドが提供される。前記の抗原提示細胞、抗原ペプチドを使用して誘導されるCTLは、例えばがんの治療において有用である。
HHDA2402+/−β2m−/− マウスにおけるペプチドの免疫原性を示す図である。 (a)EBNA3AcDNA、(b)MAGE−A4cDNAおよび(c)SAGEcDNAのプラスミドを用いて遺伝子銃で免疫したマウスから調製した脾臓由来のCD8+T細胞のIFN−γ ELISPOTアッセイの結果を示す図である。 MAGE−A4由来ペプチドのヒトにおける免疫原性を示す図である。 (a)MAGE−A4またはSAGEのmRNAを導入した自家CD4+PHA幼芽細胞で2回感作したヒトのバルクCTLのIFN−γ ELISPOTアッセイの結果を示す図である。MAGE−A4またはSAGEのmRNAを導入した自家LCLをAPCとして使用した。 (b)ウェル#2をMAGE−A4またはSAGEのmRNAを導入した自家LCL、自家PBMCとIL−2(20IU/ml)で増幅した結果を示す図である。得られた細胞を候補ペプチドをパルスしたT2A24をAPCとして使用してELISPOTアッセイを行った。 MAGE-A4143-151ペプチドの細胞内でプロセス後にHLA−A2402と共に細胞表面へ提示した結果を示す図である。 (aの左)MAGE-A4143-151特異的CTL#2−28細胞はMAGE-A4143-151A24テトラマー染色で陽性であり、(aの右)対照テトラマーでは陰性であった。(bの左)この#2−28細胞はHLA−A2402依存性にMAGE-A4143-151特異的な細胞傷害性を示し、また、(bの右)HLA−A2402とMAGE−A4を発現する腫瘍細胞株で細胞内でプロセスされたMAGE-A4143-151ペプチドを認識した。 SAGE715-723ペプチドのヒトにおける免疫原性を示す図である。 (a)SAGE mRNA導入自家CD4+PHA幼芽細胞で2回感作して得られたヒトバルクCTL細胞を用いたIFN−γ ELISPOTアッセイの結果を示す図である。標的細胞としては、SAGE715-723ペプチドをパルスした、または対照ペプチドをパルスしたT2A24細胞を使用した。 (b)ウェル#2のバルクCTLを拡大培養した結果を示す図である。得られたCTLはSAGE715-723A24テトラマー染色で陽性であった。 (c)SAGE715-723ペプチドをパルスしたT2A24を標的細胞として使用した場合だけにIFN−γを遊離した。 SAGE715-723ペプチドの細胞内プロセス後のHLA−A2402と共に細胞表面へ提示した結果を示す図である。 (a)SAGE715-723特異的バルクCTLから得られたSAGE715-723特異的CTL#22細胞は、SAGE715-723A24テトラマー染色で陽性であった。 (b)この#22細胞(1×104個)と、SAGE cDNA形質転換293A24細胞(1×104個)を96ウェル丸底プレートで18時間培養したところ、IFN−γが遊離された。 (c)この#22細胞は、HLA−A2402およびSAGEを発現するK562A24とR27A24に細胞傷害性を示した(cの左と中)。また、SAGE mRNAを導入したA2402陽性のLCLに対しても特異的細胞傷害性を示した(cの右)。 健常人PBMCの中のSAGE715-723特異的プレカーサーを検出した結果を示す図である。 各ウェルに5×105個のCD8+T細胞を入れ、これをSAGE715-723ペプチドをパルスしたCD8−PBMCで感作した。10日目に、テトラマーアッセイを行ったところ、試験した6人中3人でSAGE715-723A24テトラマー陽性のCD8+T細胞が検出された。図6はその一例の解析結果である。
本発明の第1の態様は、目的とする抗原をコードするRNAを導入した自家Tリンパ球を抗原提示細胞(APC)として使用することを特徴とする、該抗原認識性のTリンパ球を誘導する方法に関する。
本発明には、当該抗原を特異的に認識する細胞傷害性Tリンパ球の誘導が望まれる抗原(目的とする抗原)をコードするRNAが使用される。前記抗原には特に限定はないが、例えば、腫瘍関連抗原、感染性微生物抗原が例示される。
腫瘍関連抗原としては、MAGEファミリーのほか、SAGE、LAGE、NY−ESO−1、WT−1、hTERT等があげられる。感染性微生物抗原としては、EBNA−3A等のEBウイルス抗原、CMVpp65等のサイトメガロウイルス抗原、ヘルペスウイルス抗原、インフルエンザウイルス抗原、HIVウイルス抗原、Salmonella抗原、Shigella抗原、Enterobacter抗原、原虫や真菌由来の抗原などが挙げられる。
抗原をコードするRNAは通常の遺伝子工学的手法により調製することが可能である。また、細胞から調製したRNAも使用可能である。例えば、抗原をコードするRNAを細胞より抽出してcDNAに逆転写し、このcDNAをPCRにより増幅しておけば、この増幅DNAをテンプレートにして転写したRNAを本発明に使用することができる。cDNAがクローニングされたプラスミドが得られている場合は、これをRNA合成のテンプレートとして使用可能である。このような手法により、少量の細胞からでも本発明に使用可能な十分量のRNAを調製することが可能である。
抗原提示細胞として使用されるTリンパ球に抗原をコードするRNAを人為的に導入する方法には特に限定はなく、エレクトロポレーション(電気穿孔法)、パーティクルガン法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法、リポソーム法などの物理的方法で導入することができる。また、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクターなどのウイルスベクターを用いた遺伝子導入を行い、細胞内でRNAを発現させることができる。
抗原提示細胞として使用されるTリンパ球は患者自身のCD3陽性細胞(自家Tリンパ球)、もしくは患者とHLAのタイプが一致するドナー由来のCD3陽性細胞であれば、CD4、CD8陽性いずれでも良いが、好ましくはCD4陽性Tリンパ球である。なお、同種造血幹細胞移植等の移植を受けた患者では、移植片のドナーのTリンパ球を使用することも可能である。Tリンパ球はフィトヘムアグルチニン(PHA)、コンカナバリンA(ConA)等のレクチンや抗CD3抗体を用いて、IL−2、IL−7などを添加した培地で活性化することが必要である。活性化に使用される条件は通常使用される条件であれば特に特定されない。抗原提示細胞として使用するために、ガンマ線照射やマイトマイシンなどの処理をされる。
上記の第1の態様のTリンパ球を抗原提示細胞として使用し、抗原認識製Tリンパ球を誘導することができる(本発明の第3の態様)。誘導される抗原認識性Tリンパ球は、CD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはCD4陽性のヘルパーTリンパ球のいずれかであるが、使用される出発材料によって異なり、例えば、血液から採取した末梢血単核球(PBMC)や、PBMCより抗CD8抗体と磁気ビーズを使用した方法で分離したCD8陽性リンパ球が使用可能であり、PBMCを使用すれば、抗原認識性CTL及びヘルパーTリンパ球の通常両者が混在したリンパ球が得られるが、CD8陽性細胞を使用すれば、CTLを含有するリンパ球が得られる。
イン ビトロ(in vitro)で該CTLを誘導する場合、例えば上記のTリンパ球とHLAのタイプが一致する生体よりの体外摘出試料を用い誘導することができる。本明細書における体外摘出試料とは、血液のほか、手術などにより摘出したリンパ節、脾臓、その他各種臓器が包含され、これらの試料に存在するリンパ球や浸潤リンパ球細胞が好適に使用される。
例えば血液を用いる場合、HLAタイプが一致するヒトの血液より調製した末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells;以下、PBMCと略す)より得られるリンパ球に、上記の抗原RNAを導入したTリンパ球による抗原刺激を繰り返し与えることによりCTLを誘導することができる。誘導されたCTLは、クローン化することにより安定した細胞傷害性を有するリンパ球として維持することもできる。例えば、誘導されたCTLにフィーダー細胞、抗原、各種サイトカイン、抗CD3抗体刺激を与えることにより増殖させることができる。
誘導された抗原特異的CTLの活性は、CTLを誘導した抗原由来のペプチドをパルスした後、放射性物質等で標識した標的細胞に対する傷害性(放射性物質の遊離)によって測定できる。また、抗原ペプチドをパルスした抗原提示細胞に対するCTLの増殖反応を放射能の取り込みによって測定することも可能である。抗原DNAで形質導入、または抗原RNAを導入した標的細胞または抗原提示細胞として使用可能である。またはCTLや標的細胞より抗原特異的に遊離される抗原特異的なGM−CSF、IFN−γ等サイトカイン量を測定することにより検出することができる。その他蛍光色素等によって標識された抗原ペプチド−HLA複合体の使用によって直接確認することもできる。この場合、例えばCTLをCTL特異的抗体とカップリングさせた第1蛍光マーカーと接触させてから第2蛍光マーカーとカップリングさせた抗原ペプチド−MHC複合体を接触させ、そして二重標識細胞の存在をFACS(fluorescence−activated cell sorting)分析によって行ことができる。
こうして、第1の態様のTリンパ球を使用して誘導されたCTLは、がんまたは感染症の治療剤として使用することができる(本発明の第4の態様)。当該治療剤は、後述の第6の態様の制がん剤に準じて製剤化し、治療に供することができる。
本発明の第2の態様は第1の態様のTリンパ球を有効成分として含有してなる免疫誘導剤に関する。該免疫誘導剤は、該Tリンパ球を医薬的に許容される希釈剤に懸濁した形で提供される。なお、ここで言う希釈剤とは例えば該Tリンパ球の保存に適した培地、生理食塩水、又はリン酸緩衝生理食塩水である。培地としては、特に限定するものではないが、RPMI、AIM−V、X−VIVO10などの培地が一般的に挙げられる。また該免疫誘導剤には医薬的に許容される担体が安定化の目的で添加されていてもよい。なおここで言う担体とはヒト血清アルブミン等である。該免疫誘導剤には第1の態様のTリンパ球を、Tリンパ球1種類当り104〜108個/ml、好ましくは5×105〜5×107個/ml含有させる。
前記の免疫誘導剤は前記Tリンパ球のドナーに対して(autologous)投与できるほか、HLAのタイプが一致する別の個体に(allogenic)投与することができる。上記免疫誘導剤をヒトに投与する場合、例えば皮下、皮内、静脈内へ注射器で投与することができ、成人1人当りの投与量としては通常Tリンパ球数が、Tリンパ球1種類当り106〜1010個となるようにする。なお上記範囲は目安でありこれに限定されるものではない。さらに、当該製剤の投与は所望の効果が得られるまで反復することができる。また有効成分であるTリンパ球1種類当り106〜1010個となるようにする。なお上記範囲は目安でありこれに限定されるものではない。また、含有される細胞は、投与するヒト由来のもの、もしくはHLAのタイプが同一であるため、該免疫誘導剤の毒性は特に認められない。
前記の免疫誘導剤が投与された個体においては、該免疫誘導剤に含有されるTリンパ球に導入されたRNAにコードされた抗原を認識するCTLが誘導される。
本発明の第5の態様は、配列番号1または2で表されるHLA−A24拘束性抗原ペプチドまたはその機能的誘導体とHLA−A24分子との複合体を細胞表面に提示する細胞を認識するCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)である。配列番号1、2に示されるアミノ酸配列のペプチドはそれぞれMAGE−A4、SAGE由来のHLA−A24拘束性抗原ペプチドである。従って、前記CTLは標的細胞または抗原提示細胞に対して特異的に細胞溶解又はサイトカイン遊離反応等を起こす。
本明細書において、HLA−A24拘束性抗原ペプチドの機能的誘導体とは、HLA−A24分子との複合体形成能を有すると共に、形成された複合体が配列番号1又は2で表される抗原ペプチドとHLA−A24分子との複合体を認識するCTLに認識されるものを意味する。例えば、配列番号1又は2で表されるペプチドのアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が、欠失、他のアミノ酸若しくはアミノ酸アナログに置換、及び/又は1又は数個のアミノ酸若しくはアミノ酸アナログの付加、又はそれらの組み合わせによってアミノ酸配列は異なるが、HLA−A24分子との複合体形成能を有すると共に、形成された複合体が本発明のCTLに認識されるペプチドである。機能的誘導体のアミノ酸配列長は、9〜10残基が好ましいが、これに特に限定されない。なお、本明細書におけるアミノ酸アナログとは、種々のアミノ酸のN−アシル化物、O−アシル化物、エステル化物、酸アミド化物、アルキル化物等を意味する。
また、HLA−A24分子との複合体がCTLに認識されれば、抗原ペプチドのN末端や遊離のアミノ基は、ホルミル基、アセチル基、t−ブトキシカルボニル(t−Boc)基等が結合していてもよい。また、HLA−A24分子との複合体がCTLに認識されれば、抗原ペプチドのC末端や遊離のカルボキシル基は、メチル基、エチル基、t−ブチル基、ベンジル基等が結合していてもよい。
機能的誘導体は、配列番号1又は2で表される抗原ペプチドとHLA−A24分子との複合体を認識するCTLを用いることにより同定することが出来、例えば、下記方法が挙げられる。
第1の方法は、機能的誘導体としての候補物質とHLA−A24発現細胞を混合し、HLA−A24分子に未結合の候補物質を洗浄後、CTLと反応させる。候補物質特異的な、細胞傷害性、サイトカイン遊離、又は増殖反応が認められれば機能的誘導体であると判断出来る。
第2の方法としては、候補物質を抗原提示能を有する細胞に添加し、適当な時間、例えば、抗原が細胞内に取り込まれプロセッシングを受け、抗原ペプチドとHLA分子複合体が細胞表面に提示されるために要する時間、反応させた後、CTLと反応させる。候補物質特異的なサイトカイン遊離又は増殖反応が認められれば、該物質は機能的誘導体であると判断出来る。
第3の方法としては、後述の抗原提示能を有する細胞上のHLA−A24分子上にペプチドを提示させることが可能な発現ベクターに候補物質のアミノ酸配列をコードする核酸を結合させ、該組換えベクターにより形質転換された抗原提示能を有する細胞とCTLを反応させる。候補物質特異的なサイトカイン遊離又は増殖反応が認められれば、該物質は機能的誘導体であると判断出来る。
上記機能的誘導体としては、例えば、配列番号1又は2で表されるペプチドのアミノ酸配列において、HLA−A24分子への結合を強めるために、N末端より2番目のアミノ酸がHLA−A24分子に結合するペプチドに特徴的なTyr、Phe、Met、Trpより選択されるアミノ酸に置換、及び/又はC末端のアミノ酸がHLA−A24分子に結合するペプチドに特徴的なLeu、Ile、Trp、Pheより選択されるアミノ酸に置換されたペプチドのうち、HLA−A24分子との結合能を有し、HLA−A24分子との複合体が配列番号1又は2記載のペプチドとHLA−A24分子との複合体をCTLに認識されるペプチドが挙げられる。例えば、配列番号2記載のアミノ酸配列のC末端のアミノ酸であるPheをLeuに置換したペプチドが挙げられる。
また、配列番号1又は2記載のアミノ酸配列の1又は数個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列で表されるペプチドにおいて、置換されるそれぞれのアミノ酸と側鎖の類似したアミノ酸若しくはアミノ酸アナログに置換したペプチドのうち、HLA−A24分子と結合能を有し、HLA−A24分子との複合体が本発明のCTLに認識されるペプチドも挙げられる。側鎖の類似したアミノ酸としては、例えば、グリシン(Gly)とアラニン(Ala);バリン(Val)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)とメチオニン(Met);アスパラギン(Asn)とグルタミン(Gln);アスパラギン酸(Asp)とグルタミン酸(Glu);セリン(Ser)とスレオニン(Thr);リジン(Lys)とアルギニン(Arg);フェニルアラニン(Phe)とチロシン(Tyr)が挙げられる。
本発明の第6の態様は、第5の態様のCTLを有効成分として含有する制がん剤に関する。
該制がん剤は、特に第5の態様のCTLが認識する抗原、すなわちMAGE−4またはSAGEの発現が認められるがんの治療に有用である。
該制がん剤は、前記のCTLを医薬的に許容される希釈剤に懸濁した形で提供される。なお、ここで言う希釈剤とは例えば該CTLの保存に適した培地、生理食塩水、又はリン酸緩衝生理食塩水である。培地としては、特に限定するものではないが、RPMI、AIM−V、X−VIVO10などの培地が一般的に挙げられる。また該制がん剤には医薬的に許容される担体が安定化の目的で添加されていてもよい。なおここで言う担体とはヒト血清アルブミン等である。該制がん剤には第5の態様のCTLを、CTL1種類当り104〜108個/ml、好ましくは5×105〜5×107個/ml含有させる。
上記制がん剤をヒトに投与する場合注射器で投与することができ、成人1人当りの投与量としては通常CTL数が、CTL1種類当り106〜1010個となるようにする。なお、上記範囲は目安でありこれに限定されるものではない。また、有効成分であるCTLは投与するヒト由来のもの、もしくはHLAのタイプが同一であるため、該免疫誘導剤の毒性は特に認められない。
本発明の第7の態様は、配列番号1または2の抗原ペプチドまたはその機能的誘導体を有効成分として含有する第5の態様のCTLの誘導剤に関する。CTL誘導剤は、抗原ペプチドを単独、又は他の分子(ヘルパーT細胞抗原ペプチド及び/又はアジュバント)との混合物として生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水に懸濁した形で供給される。該抗原ペプチドは、高級脂肪酸やヘルパーT細胞抗原ペプチドとの共有結合体あるいはHLA−A24分子との複合体としてもよい。該誘導剤には抗原ペプチドを、抗原ペプチド1種類当り0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜95重量%含有させる。
該CTL誘導剤は、イン ビトロで本発明のCTLを増殖させるための培地への添加物、Tリンパ球増殖活性、遅延型皮膚反応を指標とした免疫感作状態の診断などに利用することができる。例えば培地への添加物として使用する場合、使用量は培地中のペプチド濃度として、抗原ペプチド1種類当り1ng/ml〜100μg/ml、好ましくは10ng/ml〜1μg/mlである。培地としては血清を含有するRPMI、AIM−Vなどの培地が一般的に挙げられる。
本発明の第8の態様は、配列番号1または2の抗原ペプチドまたはその機能的誘導体を有効成分から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドを含有する制がん剤に関する。該制がん剤は、1)抗原ペプチドを単独、2)抗原ペプチドと医薬的に許容される担体及び/又は希釈剤との混合物、又は3)更に必要ならば上記1)若しくは2)に補助剤を加えた形で提供される。なおここで言う担体とは例えば、ヒト血清アルブミンであり、また希釈剤とは例えばリン酸緩衝液、蒸留水、生理食塩水等である。また補助剤とは薬学的に許容されるアジュバント等が挙げられる。アジュバントとしては、(a)フロイント(Freund)完全アジュバント、(b)フロイント不完全アジュバント、(c)水酸化アルミニウム、みょうばん等の無機物ゲル、(d)リゾレシチン、ジメチルオクタデシルアンモニウムブロミド等の界面活性剤、(e)硫酸デキストラン、ポリIC等のポリアニオン、(f)ムラミルペプチド、タフトシン等のペプチド、(g)リビ(Ribi)社製のモノホスホリルリピド(monophosphoryl lipid;MPL)A等があるが、特に限定されない。該制がん剤をヒトに投与する場合、例えば皮下、皮内、静脈内へ注射器で投与することもできるし、噴霧等の方法で粘膜からの経皮吸収等で投与してもよい。該制がん剤には抗原ペプチドを、抗原ペプチド1種類当り0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜95重量%含有させる。成人1人当りの投与量はペプチド濃度として、抗原ペプチド1種類当り0.1μg/kg〜10mg/kg、好ましくは1μg/kg〜1mg/kg、更に好ましくは1μg/kg〜100μg/kgである。なおヒトに投与した場合、該ペプチドの毒性は特に認められない。
本発明の第9の態様は、配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体を含有する、第5の態様の細胞傷害性Tリンパ球の有するTCRに結合するテトラマーに関する。該テトラマーはβ2ミクログロブリン存在下で作製したHLA−A24分子と抗原ペプチドの複合体をビオチン−ストレプトアビジン法で4量体化したものであり、CTLの細胞傷害性測定の代わりに短時間で測定できる簡便な活性測定法として有用である。特に、PBMC等のCTLが微量しか含有されない検体中のCTLの検出やCTLの分離に有用である。
患者の体内におけるTリンパ球のモニタリングのために使用されるELISPOT(Enzyme-linked Immunospot)や細胞傷害性試験の標的細胞に使用可能である。
テトラマーは細胞傷害性Tリンパ球のモニタリングに有用である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 HLA−A2402トランスジェニックマウスを使用したHLA−A2402拘束性CTLエピトープ(抗原ペプチド)の同定
(1)材料と方法
HHDA2402+/− β2m−/− mice
HLA−A2402のリーダー配列、ヒトβ2 ミクログロブリン、HLA−A2402 α1およびα2ドメイン、H−2Db α3のトランスメンブレンドメイン、および細胞質ドメインからなるDNAコンストラクト(HHDA2402)を構築し、これを発現ベクターpcDNA3.1(インビロジェン社製)にクローニングした。HHDA2402の4−kbのSalI−NotI断片を妊娠C57BL/6マウス由来の卵子に注入した。HHDA2402発現マウスをβ2m−/− mice(Jackson Laboratory, Bar Harbor、ME)と交配させ、得られるHHDA2402 +/−β2m +/−をβ2m−/−マウスと交配させ、HHDA2402+/− β2m−/−マウス(以下、HHDA2402マウス)を作製した。
(2)細胞株
TAPトランスポーター欠損株T2にHLA−A2402cDNAをトランスフェクトしてT2A24株を作製した。その他以下の細胞株を使用した。乳癌細胞株R27(A2402陰性)、食道癌株KE−4(A2402陽性)、同TE−10(A2402陽性)、慢性骨髄性白血病株K562(A2402陰性)、肺癌株11−18(A2402陽性)、胎児性腎細胞293(A2402陰性)。R27A244、K562A24、293A24はHLA−A2402cDNAをトランスフェクトして作製した。ヒトB−リンパ芽球(LCL)はHLA−A2402陽性または陰性のボランティア由来の細胞よりEBVウイルスを用いて常法により作製した。
(3)プラスミド
全長のMAGE−A4、SAGE、EBNA−3AのcDNAをpcDNA3.1にクローニングした。
(4)遺伝子銃による免疫
HHDA2402マウス(6〜8週齢、雌)の腹壁内にプラスミドDNAをコートした金粒子をHelios Gene Gun System(Bio-Rad)を用いてヘリウム加圧350〜400psiで投与した。なお、金粒子は製造元のマニュアルに従って調製した。2週後にブースターの投与を行い、その1週後に脾細胞を採取した。
(5)マウスCD8陽性T細胞の調製
最終免疫後1週目に、CD8 alpha(Lyt2)マイクロビーズを用いたMACS system(Miltenyi Biotec, Germany)により、CD8陽性細胞をポジティブセレクションした。得られたT細胞画分はフローサイトメトリー分析で95%以上の純度であった。
(6)ELISPOTアッセイ(マウス)
96ウェルのニトロセルロースELISPOTプレート(MAHA S4510; Millipore, Bedford, MA)を2μg/mlのanti-mouse IFN-gamma mAb(clone R4-6A2, PharMingen)で4℃にて一夜コートした。各ウェルをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄後、FCS入り培地でブロッキングした(37℃、2時間)。免疫マウス由来の分離した新鮮CD8陽性細胞(1×105/well)および各種ペプチドパルスしたCD8陰性細胞(1×106/well)を各ウェルに撒き、最終液量が200μlになるようにした。37℃で22時間培養後、0.05%Tween20入りPBS(PBS−Tween)で十分に洗浄し、1.25μg/ml biotinylated anti-mouse IFN-gamma mAb(PharMingen)を加え、4℃で一夜培養した。PBS−Tweenで洗浄後、1μg/ml streptavidin-alkaline phosphatase conjugate(Mabtech)を100μl加え、室温で90分反応、PBS−Tweenで洗浄後、alkaline phosphatase conjugate substrate kit(BioRad, Hercules, CA)で染色した。そして、蒸留水で洗浄し反応を停止、その後プレートを乾燥、スポットをカウントした。
(7)エピトープペプチドの推定
HLA−A2402結合能を持つ可能性のある9残基ペプチドを、BioInformatics & Molecular Analysis Section(BIMAS) HLA Peptide Binding Predictionウェブサイト(URL;http://bimas.dcrt.nih.gov/molbio/hla-bind/)で検索した。下記表1記載のSAGE由来の5個のペプチド、MAGE−A4由来の10ペプチドを選び、ペプチド合成機により化学合成した。その他、EBウイルス由来のEBNA3A246-254(RYSIFFDYM)およびHER2由来のHER263-71(TYLPTNASL)を合成した。使用したペプチドの純度は90%以上である。
Figure 2011024585
EBウイルス由来のEBNA3A遺伝子をコードする発現プラスミドを遺伝子銃でHHDA2402マウスに免疫した。2回免疫後、脾臓由来のCD8+T細胞を調製し、上記EBNA3A246-254ペプチドでパルスしたCD8陰性細胞を標的細胞として使用してELISPOTアッセイを行った。その結果、EBNA3A246-254ペプチド特異的CTLが検出された(図1a)。次に、腫瘍・精巣抗原であるMAGE−A4、SAGE由来の候補ペプチド(上記表1)について同様にELISPOTアッセイを行った。その結果、MGE−A4では2つのペプチド(MAGE-A4239-247and MAGE-A4143-151)が陽性であった(図1b)。同様にSAGEでも2つのペプチド(SAGE776-784and SAGE715-723)が陽性であった(図1c)。次に、野生型のC57BL6マウスを上記と同様の実験を行ったところ、MAGE-A4239-247とSAGE776-784のみが陽性であった。従って、MAGE-A4143-151とSAGE715-723が、HLA−A2402に提示される抗原ペプチドであると同定された。
実施例2 mRNAを導入したCD4陽性PHA幼芽細胞を使用したHLA−2402抗原ペプチド特異的ヒト細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の調製
(1)mRNAの調製
MAGE−A4及びSAGEプラスミドを直鎖にした。インビトロ転写はT7ポリメラ−ゼ(mMESSAGE mMACHINE T7 Kit; Ambion, Austin, TX)を使用して製造元のマニュアルに従って行った。その後、ポリAポリメラーゼ(Poly(A) Tailing Kit; Ambion, Austin, TX)を使用して製造元のマニュアルに従ってポリアデニル化した。得られたRNAを水に懸濁し、−80℃で使用前まで保存した。
(2)CD4陽性フィトヘムアグルチニン(PHA)幼芽細胞の調製
MACS CD4マイクロビーズ(Miltenyi Biotec, Germany)を用いたポジティブ選択によって分離して得られた新鮮なCD4陽性細胞を、24ウェルプレート(Corning, NY)に1ウェル当り1〜2×106個/ml RPMI−1640培地(25mM Hepes、10%非働化ヒトAB血清、2mM L−グルタミン、100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン)の細胞濃度で植えた。Day 0に10μg/mlのPHA(HA15, Murex, UK)を培地に添加した。Day 3に培地の半量をIL−2(20U/ml)及びIL−7(40ng/ml)を含む完全培地に交換した。同じ操作を3日ごとに繰り返した。得られた活性化CD4陽性細胞を培養後14〜28日目にエレクトロポレーションを行い、抗原提示細胞として使用した。
(3)mRNA導入CD4陽性幼芽細胞を用いたIn vitroでのヒトCTL誘導
PBMCよりMACS CD8 Microbeads(Miltenyi Biotec)を用いて分離したCD8+T細胞5×105個を、1×105個の放射線(30Gy)照射したmRNA導入CD4+PHA幼芽細胞で、96ウェル丸底プレート(Nunc)中で刺激した。7日後、CD8+T細胞を1×105個の放射線(30Gy)照射したmRNA導入CD4+PHA幼芽細胞で再刺激し、さらにIL−2(20IU/m)入り培地で7日間培養した。
(4)CTLのインビトロ増幅
抗原特異的CTLを含有する、感作CD8+T細胞を増幅するために、標的抗原mRNAをエレクトロポレーションで導入した自己LCL(5×106個)、自己PBMC(2.5×107個)とIL−2(20IU/ml)を加え、抗CD3抗体なしで25mlフラスコ(Corning)で培養した。
(5)限界希釈
96ウェル丸底プレート(Nunc)に0.3個/ウェルとなるように希釈し、自家PBMC(5×104個/ウェル)、放射線照射LCL(1×104個/ウェル)、IL−2(20IU/ml)、および抗CD3mAb(30ng/ml)を加えて培養した。標的である抗原提示細胞を溶解するCD8+T細胞はさらに放射線照射PBMC、放射線照射LCLおよび抗CD3mAb存在下で増幅した。
(6)ELISPOTアッセイ(ヒト)
96ウェルのニトロセルロースELISPOTプレート(MAHA S4510; Millipore, Bedford, MA)を2μg/ml antihuman IFN-γ mAb(1-D1K)で4℃にて一夜コートした。各ウェルをPBSで洗浄後、10%ヒトAB血清入り培地でブロッキングした(37℃、2時間)。エフェクター細胞(2×104/well)およびペプチドパルスしたT2A24細胞(5×104/well)を各ウェルに撒いた。37℃で18時間培養後、PBS−Tweenで十分に洗浄し、1.25μg/ml biotinylated anti-mouse IFN-gamma mAb(PharMingen)を加え、4℃で一夜培養した。PBS−Tweenで洗浄後、1μg/ml streptavidin-alkaline phosphatase conjugate(Mabtech)を100μl加え、室温で60分反応、PBS−Tweenで洗浄後、alkaline phosphatase conjugate substrate kit(BioRad, Hercules, CA)で染色した。そして、蒸留水で洗浄し反応を停止、その後プレートを乾燥、スポット数をカウントした。
(7)51Cr遊離細胞傷害性アッセイ
細胞傷害性は常法に従って行った。標的細胞は100μCi(3.7×106Bq) 51Crで標識し、1×104個を96ウェルのV底プレート(Nunc)で細胞数を変えたエフェクター細胞と37℃で反応させた。5時間後、100μlの上清を集め、測定した。アッセイは3連で行い、3ウェルの特異的溶解%の平均を計算した。
特異的細胞傷害活性(%)=〔(各ウェルの測定値−最小放出値)/(最大放出値−最小放出値)〕×100
上式において、最小放出値は標的細胞及びK562細胞のみ入っているウェルの51Cr量であり、標的細胞からの51Crの自然遊離量を示す。また、最大放出値は、標的細胞に界面活性剤トリトンX−100を加えて細胞を破壊した際の51Cr遊離量を示している。
健常人より調製したCD8+細胞をインビトロでmRNA導入した自家CD4+PHA幼芽細胞で感作した。MAGE−A4 mRNAを導入した自家CD4+PHA幼芽細胞で2回刺激後に、MAGE−A4特異的バルクCTLが得られた(図2a)。このバルク細胞をmRNA導入自家LCL、自家PBMC及びIL−2で増幅して得られた細胞は、MAGE-A4143-151ペプチドをパルスしたT2A24細胞に特異的な反応を示した(図2b)。限界希釈法に得られた#2−28細胞は、MAGE-A4143-151テトラマーによって陽性に染色されたが、対象として使用したテトラマーでは染色されなかった(図3a)。そして、この#2−28細胞は、MAGE-A4143-151ペプチドをパルスした標的細胞にHLA−A2402拘束性に細胞傷害性を示した(図3b左)。さらに、この2−28細胞はMAGE−A4およびHLA−A2402の両者を発現する腫瘍細胞株に対して細胞傷害性を示した(図3b右)。このことからMAGE-A4143-151ペプチドは、mRNA導入CD4+PHA幼芽細胞だけでなくHLA−2402陽性の腫瘍細胞でもMAGE−A4抗原が細胞内でプロセスされ抗原提示されることを示している。
次に、SAGE715-723特異的バルクCTLがtruncated SAGE mRNAを導入したCD4+幼芽細胞で2回刺激により誘導された(図4a)。フローサイトメトリー分析により、このバルクCTLがSAGE715-723HLA−A24テトラマー陽性のCD8+細胞を含有していることが明らかとなった(図4b)。SAGE715-723特異的HLA−A24 CTL細胞#22を限界希釈法により作製した。この#22細胞はSAGE715-723HLA-A24テトラマー陽性であった(図5a)。この細胞はSAGE遺伝子全長をコードするプラスミドで遺伝子導入した293−A2402と共培養するとIFN−γを分泌した(図5b)。この細胞は、K562A24及びR27A24(両者ともHLA−A2402とSAGEを発現する)いずれにも細胞傷害性を示した(図5c左及び中)。さらにSAGE遺伝子のmRNAを導入したA2402+LCL細胞に対して特異的な細胞傷害性を示した(図5c右)。
実施例3 SAGE715-723特異的CD8+T細胞はA2402陽性健常人から高い確率で誘導される。
in vitroでのペプチドをパルスしたCD8−のPBMCを用いたヒトCTLの誘導
1×107個のCD8陰性PBMCに10μMのペプチドで室温で1時間、37℃で5%CO2で1時間パルスした後、抗原提示細胞として使用した。次に、分離した5×105個のCD8+T細胞に対して、ペプチドをパルスした1×106個のCD8−PBMCで10〜12日間刺激した。1、4、7日目に、培地を半量交換し、ヒトIL−2(20IU/ml)、IL−7(50ng/ml)を追加した。誘導は24ウェル(Nunc)プレートで200μlのRPMI培地(25mM Hepes、10%非働化ヒトAB血清、2mM L−グルタミン、100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン)で行った。
HLA−A2402拘束性SAGE715-723特異的CTLが、HLA−A2402陽性の健常人ボランティアにおいて、SAGE715-723ペプチドをパルスしたCD8陰性のPBMCでin vitroで一回CD8+細胞を刺激することによって誘導されるかを検討した。6人のHLA−A2402+健常人のうち3人において、in vitroでの混合リンパ球反応10日後にSAGE715-723HLA−A24テトラマー陽性T細胞が検出された。図6にその一例の解析結果を示す。
実施例4 テトラマー作製及びフローサイトメトリー分析
MHC−ペプチドテトラマーの作製は、HLA−A2402重鎖とβ2−ミクログロブリンは不溶性重合体として大腸菌で発現させた。重鎖のC末端は、ビオチン化酵素BirAの基質となる配列を付加した。モノマーのHLA/β2−ミクログロブリン/ペプチド複合体は、in vitroでMAGE-A4143-151ペプチドまたはSAGE715-723の存在下にフォールディングさせた。MHCはBirA酵素組換え体(Avidity, Denver, CO, USA)でビオチン化され、phycoerythrin-labelled streptavidin(Molecular Probes, Eugene, OR, USA)を使用して4量体化された。
染色においては、感作CD8+T細胞をテトラマー20μg/mlで37℃で30分反応させ、その後、Tricolor anti-CD8 monoclonal antibody(Caltag, Burlingame, CA, USA)と氷上で15分間反応させた。洗浄後、染色した細胞はフローサイトメトリー(FACSCalibur; Becton Dickinson)で分析した。
なお、本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
〔1〕 目的とする抗原をコードするRNAを導入した、前記抗原を認識するTリンパ球を誘導する活性を有するTリンパ球。
〔2〕 Tリンパ球がフィトヘムアグルチニンで活性化されたCD4陽性細胞である前記〔1〕記載のTリンパ球。
〔3〕 前記〔1〕または〔2〕記載のTリンパ球を含有する免疫誘導剤。
〔4〕 目的とする抗原をコードするRNAを導入したTリンパ球を抗原提示細胞として使用することを特徴とする、前記抗原を認識するTリンパ球の誘導方法。
〔5〕 Tリンパ球がフィトヘムアグルチニンで活性化されたCD4陽性細胞である前記〔4〕記載の誘導方法。
〔6〕 抗原を認識するTリンパ球がCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球であることを特徴とする前記〔4〕記載の誘導方法。
〔7〕 抗原が腫瘍関連抗原または感染性微生物抗原である前記〔4〕〜〔6〕いずれか記載の誘導方法。
〔8〕 癌組織から調製したRNAを使用することを特徴とする前記〔7〕記載の誘導方法。
〔9〕 EBNA3A、CMVpp65の少なくとも一つのウイルス抗原を発現するRNAを使用することを特徴とする前記〔7〕記載の誘導方法。
〔10〕 前記〔4〕〜〔9〕いずれか記載の方法によって誘導されたTリンパ球を有効成分として含有してなるがんまたは感染症の治療剤。
〔11〕 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドとHLA−A24分子との複合体を細胞表面に提示する細胞を認識するCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球。
〔12〕 前記〔11〕記載の細胞傷害性Tリンパ球を有効成分として含有してなる制がん剤。
〔13〕 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドを有効成分として含有してなる、前記〔11〕記載の細胞傷害性Tリンパ球の誘導剤。
〔14〕 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドを有効成分として含有してなる制がん剤。
〔15〕 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体を含有する、前記〔11〕記載の細胞傷害性Tリンパ球の有するT細胞レセプター検出用のテトラマー。
本発明の抗原認識Tリンパ球の誘導方法は、HLAに関係なく、抗腫瘍性または抗感染性微生物抗原に対する特異的Tリンパ球を誘導できることから、誘導した特異的Tリンパ球は、がんまたは感染症に対する免疫療法における治療剤として有用である。また、腫瘍関連抗原であるMAGE−A4またはSAGEに特異的なHLA−A2402拘束性の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)およびその認識する抗原ペプチドは免疫療法における制がん剤として有用である。さらに、該抗原ペプチドを使用したMHC−抗原ペプチド複合体テトラマーは、調製したCTLの機能測定やCTL投与後のモニタリングに有用である。

Claims (5)

  1. 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドとHLA−A24分子との複合体を細胞表面に提示する細胞を認識するCD8陽性の細胞傷害性Tリンパ球。
  2. 請求項1記載の細胞傷害性Tリンパ球を有効成分として含有してなる制がん剤。
  3. 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドを有効成分として含有してなる、請求項1記載の細胞傷害性Tリンパ球の誘導剤。
  4. 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体から選択される少なくとも一つの抗原ペプチドを有効成分として含有してなる制がん剤。
  5. 配列番号1又は2で表されるヒト主要組織適合性抗原(HLA)−A24拘束性抗原ペプチド及びその機能的誘導体を含有する、請求項1記載の細胞傷害性Tリンパ球の有するT細胞レセプター検出用のテトラマー。
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