JP2011023387A - レジスト膜の形成方法 - Google Patents

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典仁 福上
Naohiro Kaneko
尚宏 金子
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Abstract

【課題】スピンコート法によって基板に塗布されたレジスト膜の均一性を向上することで、半導体デバイスや半導体製造用フォトマスク等の最終製品の基板面内の寸法均一性を向上させることのできるレジスト膜の形成方法を提供する。
【解決手段】半導体デバイスや半導体製造用フォトマスク等の微細加工分野におけるレジスト膜の形成方法において、基板表面に、最終目標の膜厚の1/5以下、もしくは膜厚30nm以下のレジストを、スピンコート法でプレコートした後、引き続いて、最終目標の膜厚のレジストをスピンコート法で本コートする。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンピュータ等の電子機器に使用する半導体デバイスや、半導体製造用フォトマスクにおける、電子線レジストやフォトレジスト等の塗液をスピンコート方法で塗布しレジスト膜を形成する方法に関する。
従来、フォトマスクや半導体製造における電子線レジストやフォトレジストの塗布には、スピンコート法が用いられている。これは、フォトマスクブランクやシリコンウェハなどの基板中央にレジストを滴下し、その後、基板を高速回転することによって、その遠心力でレジストを基板全面に均一に塗布しようとする方法である。レジスト滴下時に、基板が静止している方法をスタティックディスペンス、基板が既に回転しているものをダイナミックディスペンスと呼んでいる。この場合のレジストの膜厚は、レジストの粘度や基板の回転数、回転時間等のパラメータで制御される。基板面内で所望のレジスト膜厚および均一な膜厚分布を得るには、多くのステップで回転数を変化させたシーケンスを組み込んで制御する必要がある。
近年、半導体デバイスや半導体製造用フォトマスクの微細化が進む中で、基板面内の寸法均一性への要求が厳しくなってきている。例えば、半導体の40nm技術世代では、半導体デバイスでは1〜2nm、半導体製造用フォトマスクでは2〜3nmの寸法面内均一性が求められている。寸法の面内均一性を決定するプロセス要因としては、レジストコート、コート後のベーク、描画もしくは露光、露光後ベーク、現像、ドライエッチングなどが挙げられる。一般に、面内均一性に影響が大きいのは現像とドライエッチングである。しかしながら、前述したように、面内均一性の要求スペックが厳しくなってきており、レジストコート膜自体の特性の均一性が重要となっている。
従来のスピンコート法では、所望の平均膜厚と、面内の膜厚分布を制御しているが、コートしたレジスト自体が持っている膜質までは考慮されておらず、最終的に寸法に影響を与える膜質の面内均一性は制御出来ていない。その結果、現像やドライエッチングなどのプロセスで、面内で均一な寸法になるように、各装置のプロセス条件を追い込むことになる。しかし、コート後のレジスト膜質の基板面内の不均一性(特に基板中心と外周で特性が異なる)によって、最終製品の寸法の面内均一性は不十分となる問題があった。
均一なスピンコートを行うために、レジスト滴下前に、レジストの希釈液や洗浄溶媒を基板表面に滴下することで、基板とレジストとの濡れ性改善や、塗布欠陥の低減、さらにレジスト滴下量の削減を行うプリウェットという方法が提案されている。例えば、特許文献1には、レジストノズル以外に、前処理液及び洗浄液を滴下する前処理ノズルを備えた塗布装置によって、レジスト塗布前の半導体ウェハー表面の清浄度を向上させて均一かつ欠陥のないレジスト膜の形成技術が開示されている。また、特許文献2には、低粘度のポリイミドワニスを所定回転数以下と所定回転数以上で塗布する前処理を行った後に、通常粘度のポリイミドワニスによってスピンコートを行うことで所望の膜厚の乾燥膜を得る塗布方法が開示されている。しかし、このプリウェット方法では、本番のレジストコート時にレジストが希釈されてしまい、所望の膜厚が得られず薄くなって膜厚分布も悪くなる問題や、プリウェット材料が本番レジストと異なるために、感度や現像膜減り量などのレジスト特性が変化してしまう問題点があった。
実開昭61−195046号公報 特開平7−38234号公報
そこで、本発明は、スピンコート法によって基板に塗布されたレジスト膜の均一性を向上することで、半導体デバイスや半導体製造用フォトマスク等の最終製品の基板面内の寸法均一性を向上させることのできるレジスト膜の形成方法を提供することを課題としている。
本発明の請求項1に係る発明は、半導体デバイスや半導体製造用フォトマスク等の微細加工分野におけるレジスト膜の形成方法において、基板表面に、最終目標の膜厚の1/5以下、もしくは膜厚30nm以下のレジストを、スピンコート法でプレコートした後、引き続いて、最終目標の膜厚のレジストをスピンコート法で本コートすることを特徴とするレジスト膜の形成方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記プレコートに用いるレジストと、前記本コートに用いるレジストが同一成分で、且つ、同じ粘度を有するものであることを特徴とする請求項1に記載するレジスト膜の形成方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記プレコートに用いるレジストが、前記本コートに用いるレジストと同一成分で、且つ、前記本コートに用いるレジストを低粘度に希釈したものであることを特徴とする請求項1に記載するレジスト膜の形成方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記プレコートが、前記本コートよりも高い回転数でレジストをスピンコートすることを特徴とする請求項1または2に記載するレジスト膜の形成方法である。
本発明のレジスト膜の形成方法では、プレコートした後、引き続いて、本コートすることで、基板とレジストの濡れ性が向上し、面内で均一な膜質のレジスト膜が形成できる。また、プレコートする材料は、本コートで用いるレジストと同一成分であるため、レジスト膜の基本的な特性を変化させることなく、本コートでのレジストが希釈されて薄くなることもない。さらに、プレコートのレジスト膜厚は、本コートの最終目標の膜厚の1/5以下、もしくは膜厚30nm以下であるので、本コートのレジストの膜厚や膜厚分布に影響しない。したがって、本コートされたレジストは、均一な膜厚であり、膜の上層と下層で組成上の変化がない。その結果、本発明の方法で形成されたレジスト膜を用いた描画パターンは、パターン乱れの少ない良質のパターンとなる。
本発明のレジスト膜の形成方法を実施するスピンコーターの一例を示す説明図。
本発明のレジスト膜の形成方法を、一実施形態に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明のレジスト膜の形成方法を実施するスピンコーターの一例を示す説明図
である。図1において、チャックステージ1は、マスクブランクや半導体ウェハ等の基板2を保持して、高速回転する図示しない回転機構と連結している。その回転数は、例えば、少なくとも3000rpmであり、望ましくは、5000〜15000rpmである。チャックステージ1は、排気口4及びドレイン機構を備えたコーターカップ3の内側にあり、チャックステージ1の上方には、プレコート用ノズル5、本コート用ノズル6、リンス用ノズル7を備え、各ノズルは適宜使い分けることができる。
プレコートのレジスト膜厚を、本コートの最終目標の膜厚の1/5以下にする一つの手段として、本コートに用いるレジストを溶剤によって希釈して、プレコート用レジストとして用い、本コートと同じ回転数でプレコートすることができる。その希釈割合は、容積比で、本コート用レジスト:溶剤=1:5〜20の範囲が指定できる。ちなみに、粘度3.0mPa・sの市販のポジ型電子線レジストである「FEPレジスト」(商品名:富士フィルムエレクトロニクスマテリアル社製)を、粘度1.0mPa・sの市販の溶剤「FEPシンナー」(商品名:富士フィルムエレクトロニクスマテリアル社製)によって、レジスト:溶剤=1:5の割合で希釈すると、希釈したレジストの粘度は約1.3mPa・sになる。これを、本コートと同じ回転数でコートすれば、プレコートのレジスト膜厚は本コートの最終目標の膜厚の1/5になる。
また、プレコートのレジスト膜厚を、本コートの最終目標の膜厚の1/5以下にする他の手段として、本コートに用いるレジストを希釈せずに、レジスト粘度をそのままにして用い、スピンコート回転数の変更でプレコートすることができる。一般に回転数と膜厚の関係はT=a・1/Rで表される。ここで、Rは回転数(rpm)、Tはレジスト膜厚、a、bは正の定数である。そこで、本コート膜厚の1/5の膜厚でプレコートするためには、概ね本コートの10倍の回転数でプレコートするれば良い。なお、上記した2種類の手段を組み合わせることも可能である。
次に、プレコートのレジスト膜厚を、30nm以下にする手段としては、上記した2つの手段を同様に用いて、回転数と粘度を一定の範囲とすることで可能である。この場合、プレコートの最適回転数は500〜15000rpmの範囲が望ましい。また、レジスト粘度は、半導体やフォトマスクの場合は粘度1.0〜3.0mPa・sが望ましい。また、レジスト膜厚を、30nm以下にする手段としては、通常のレジストコート後に、酸素プラズマ処理によるレジストの薄膜化も可能である。ここで使用できるレジストとしては、例えば、ポジ型電子線レジストである「FEP171」(商品名:富士フィルムエレクトロニクスマテリアル社製)や、例えば、ネガ型電子線レジストである「FEN271」(商品名:富士フィルムエレクトロニクスマテリアル社製)で実施可能である。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
本コートの最終目標の膜厚を200nmと想定し、それに対して、プレコート膜厚を本コート膜厚の、1/10(実施例1)、1/7(実施例2)、1/5(実施例3)、1/3(比較例1)、及びプレコート無し(比較例2)となるよう、表1に示す希釈割合による希釈後のレジストをプレコート用レジストとした。
フォトマスク用基板に対して、表1に示す希釈割合による希釈後のレジストで、回転数2150rpm、時間5秒間プレコートを実施した。引き続いて、本コートの最終目標の膜厚を200nmと想定して、粘度が2.7mPa・sの希釈をしていないレジストを用いて、回転数2150rpm、時間3秒間本コートを実施した。
ここで、レジストとして上記した市販のポジ型電子線レジスト「FEP171」を用い、希釈溶剤として上記した市販の溶剤「FEPシンナー」(プロピレングリコールモノメチルエーテル:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=2:8)を用いた。
Figure 2011023387
本コート後の最終膜厚は表1に示すように、プレコート膜厚が本コート膜厚の1/5以下、すなわち、ここでは40nm以下であれば、比較例2のプレコート無しの場合と同じ膜厚でコートできることが確認できた。
次いで、実施例1〜3、比較例1,2で得られたレジストコート済みのフォトマスク用基板からフォトマスクを作製し、マスク面内のパターンの寸法均一性を調べた。その結果を表2に示す。表2の面内膜厚分布のレンジ、及び、寸法均一性レンジの値が示すように、本発明に係る実施例1〜3は、いずれも良好な寸法均一性が得られた。それに対して比較例1及び2は、寸法均一性レンジが大きく、不良であった。
Figure 2011023387
1・・・チャックステージ 2・・・基板 3・・・コーターカップ
4・・・排気口 5・・・プレコート用ノズル 6・・・本コート用ノズル
7・・・リンス用ノズル

Claims (4)

  1. 半導体デバイスや半導体製造用フォトマスク等の微細加工分野におけるレジスト膜の形成方法において、
    基板表面に、最終目標の膜厚の1/5以下、もしくは膜厚30nm以下のレジストを、スピンコート法でプレコートした後、引き続いて、最終目標の膜厚のレジストをスピンコート法で本コートすることを特徴とするレジスト膜の形成方法。
  2. 前記プレコートに用いるレジストと、前記本コートに用いるレジストが同一成分で、且つ、同じ粘度を有するものであることを特徴とする請求項1に記載するレジスト膜の形成方法。
  3. 前記プレコートに用いるレジストが、前記本コートに用いるレジストと同一成分で、且つ、前記本コートに用いるレジストを低粘度に希釈したものであることを特徴とする請求項1に記載するレジスト膜の形成方法。
  4. 前記プレコートが、前記本コートよりも高い回転数でレジストをスピンコートすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載するレジスト膜の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109136855A (zh) * 2018-09-05 2019-01-04 京东方科技集团股份有限公司 一种蒸发源及蒸镀装置

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