JP2011020055A - ゲル製造方法およびゲル製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲル形成材を含む液体を確実にゲル化するためのゲル製造方法およびゲル製造装置を提供する。
【解決手段】塩化カルシウム溶液Cを、第1ヘッド31から吐出する第1吐出ステップS1と、ゲル形成材を含み塩化カルシウム溶液Cと反応してゲル化するアルギン酸ナトリウム溶液Aを、第2ヘッド41から吐出する第2吐出ステップS2と、を備え、第2吐出ステップS2では、第2ヘッド41が、第1ヘッド31から吐出された塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cへ向けて、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aを吐出することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体を化学反応によってゲル化させるゲル製造方法およびゲル製造装置に関する。
従来、ゲル状のマイクロカプセルを生成(製造)する方法は、まず、マイクロカプセルの構成材料を含む液体(特許文献1では吐出物)を、インクジェット法により、インクジェットノズルから被吐出液体の中へ吐出する。そして、吐出された液体(吐出物)が被吐出液体と化学反応することによって、ゲル化した状態となる。これにより、ゲル状のマイクロカプセルが生成される。このインクジェット法によれば、マイクロカプセルの構成材料を含む液体を、均一な大きさの液滴にして所定方向へ吐出でき、且つ、該液滴の吐出間隔、吐出速度等を該液滴に適した条件で正確に制御することが可能である。従って、インクジェット法で得られたマイクロカプセルは、その粒径や膜厚等がほぼ均一に揃ったものである(例えば特許文献1)。
特開2001−232178号公報
しかし、従来の技術において、より微小な該液滴をより短間隔で吐出したいという要望に対応する場合などでは、被吐出液体が、特許文献1に図示されているように、静止している状態であるため、微小な該液滴が被吐出液体の液面で重なり合い密着し、ゲルが個別回収できない可能性があった。さらに、微小な該液滴の吐出のために、インクジェットノズルと被吐出液体との距離を近接させると、装置の振動等で被吐出液体の液面が揺れた場合、インクジェットノズルへ被吐出液体が進入して、インクジェットノズル内がゲル状態となり、液体(吐出物)の吐出不良となりやすい、という課題もあった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るゲル製造方法は、第1液体を、第1吐出部から吐出する第1吐出ステップと、ゲル形成材を含み前記第1液体と反応してゲル化する第2液体を、第2吐出部から吐出する第2吐出ステップと、を備え、前記第2吐出ステップでは、前記第2吐出部が、前記第1吐出部から吐出される前記第1液体へ向けて、前記第2液体の液滴を吐出することを特徴とする。
このゲル製造方法によれば、第2吐出ステップにおいて、第1液体と第2液体とが交差して交わるように、第1液体へ向けて第2液体を吐出する。第1液体と第2液体とは、交わることにより、第2液体がゲル化する反応が生じ、その結果、第2液体のゲルを得ることが可能である。この方法では、第1液体と第2液体とが、それぞれの吐出ステップ後に交わって接触し反応するタイミングで吐出される。そのため、第2液体は、第1液体と確実に反応してゲル化することが可能である。また、第2吐出ステップでは、第2液体が液滴の状態で吐出されるため、この液滴の大きさを調整すれば、所望の大きさのゲルが容易に得られる。さらに、第2液体の液滴が、第1液体と交わって接触するように、タイミング良く吐出されるため、第1液体は、第2液体と反応して第2液体をゲル化させるための量だけを、第1吐出部から、都度、吐出すれば良い。そのため、第1液体の使用量の削減が図れる。一方、第1吐出ステップにおいて、第1吐出部から第1液体を連続吐出する方法にすれば、第2液体の液滴は、第1液体の吐出タイミングに合わせて吐出する必要が無く、第2液体の液滴の吐出制御が容易になる。このように、ゲルとなる第2液体の液滴を第1液体へ向けて吐出するゲル製造方法は、2つの吐出部を備えたコンパクトな装置により、第2液体を確実に吐出してゲル化することができ、また、第1液体が静止状態で無く順次吐出されるため、その汚染あるいは生菌の発生等を防止することも可能である。そして、第2液体は、ゲル形成材のほかに他の物質、例えば薬剤、酵素、細胞等を含むものも考えられる。なお、液滴として吐出された第2液体のゲルは、特許文献1におけるマイクロカプセルに該当する。
[適用例2]上記適用例に係るゲル製造方法において、前記第1吐出ステップおよび前記第2吐出ステップでは、少なくとも前記第2吐出部がインクジェット方式により前記液滴を吐出することが好ましい。
この方法によれば、少なくとも第2吐出ステップにおいて吐出される第2液体の液滴は、液滴の大きさや、吐出の速度および方向等の制御がより確実且つより容易になされる。そのため、第2液体の液滴は、第1液体と確実に交わるように所定の大きさで吐出され、均一な大きさにゲル化することが可能である。この場合、第1吐出ステップにおける第1液体は、ディスペンサー等により吐出してもよく、第2吐出ステップと同様なインクジェット方式により吐出しても良い。第1吐出ステップの第1吐出部もインクジェット方式であれば、第1液体の大きさや、吐出の速度および方向等の制御が容易で正確に行える。そのため、第1液体に向けて吐出される第2液体との交わり位置等のバラツキが抑制でき、第2液体を常に同一条件化でゲル化することが可能である。
[適用例3]本適用例に係るゲル製造装置は、第1液体を吐出する第1吐出部と、ゲル形成材を含み前記第1液体と反応してゲル化する第2液体を吐出する第2吐出部と、を備え、前記第2吐出部は、前記第1吐出部から吐出された前記第1液体へ向けて、前記第2液体の液滴を吐出することを特徴とする。
このゲル製造装置によれば、第2吐出部は、第1液体と第2液体とが交差して交わるように、第1液体へ向けて第2液体を吐出する。第1液体と第2液体とは、交わることにより、第2液体がゲル化する反応が生じ、その結果、第2液体のゲルを得ることが可能である。この構成では、第1液体と第2液体とが、それぞれの吐出後に交わって接触し反応するタイミングで吐出される。そのため、第2液体は、第1液体と確実に反応してゲル化することが可能である。また、第2液体は、液滴の状態で吐出されるため、この液滴の大きさを調整すれば、所望の大きさのゲルが容易に得られる。さらに、第2液体の液滴が、第1液体と交わって接触するように吐出されるため、第1液体は、第2液体と反応して第2液体をゲル化させるための量だけを、第1吐出部から、都度、吐出すれば良い。そのため、第1液体の使用量の削減が図れる。一方、第1吐出部から第1液体を連続吐出するように装置構成すれば、第2液体の液滴は、第1液体の吐出タイミングに合わせて吐出する必要が無く、第2液体の液滴の吐出制御が容易になる。このように、ゲルとなる第2液体の液滴を第1液体へ向けて吐出する構成のゲル製造装置は、2つの吐出部を備えたコンパクトな装置であり、第2液体を確実に吐出してゲル化することが可能である。また、ゲル製造装置は、第1液体が静止状態で無く順次吐出されるため、その汚染あるいは生菌の発生等を防止することも可能である。
[適用例4]上記適用例に係るゲル製造装置において、前記第1吐出部および前記第2吐出部のうち、少なくとも前記第2吐出部は、インクジェット方式の機構であることが好ましい。
この構成によれば、少なくとも第2吐出部から吐出される第2液体の液滴は、液滴の大きさや、吐出の速度および方向等の制御がより確実且つより容易になされる。そのため、第2液体の液滴は、第1液体と確実に交わるように所定の大きさで吐出され、均一な大きさにゲル化することが可能である。この場合、第1液体は、ディスペンサー等により吐出してもよく、第2吐出部と同様なインクジェット方式により吐出しても良い。第1吐出部もインクジェット方式であれば、第1液体の大きさや、吐出の速度および方向等の制御が容易で正確に行える。そのため、第1液体に向けて吐出される第2液体との交わり位置等のバラツキが抑制でき、第2液体を常に同一条件化でゲル化することが可能である。
なお、第1液体および第1液体と反応してゲル化した第2液体は、同じ軌跡を描いて回収機構へ到達し、ここで第2液体のゲルが回収される。この回収機構は、第2液体のゲルが重なった状態で回収されないように、移動する機構を有することが好ましい。
本実施形態に係るゲル製造装置を示す斜視図。 ゲル製造装置の制御構成を示すブロック図。 ゲル製造方法を示すフローチャート。 (a)第1吐出ステップにおける液体吐出を示す模式図、(b)第2吐出ステップにおける液体吐出を示す模式図。 (c)液滴がゲル化する時点における状態を示す模式図、(d)ゲル粒の連続形成を示す模式図。 (a)吐出形態の変形例を示す模式図、(b)吐出機構部の変形例を示す斜視図。
以下、ゲル製造方法およびゲル製造装置の具体的な実施形態について図面に従って説明する。本実施形態のゲル製造装置は、インクジェット方式により液体を吐出して、液体のゲル化を図るものである。
(実施形態)
最初に、ゲル製造装置の一例について説明する。図1は、本実施形態に係るゲル製造装置を示す斜視図である。ゲル製造装置1は、L字状をなす一方の側が上下方向に延在するフレーム部2と、フレーム部2の上端部に設けられている第1吐出機構部3および第2吐出機構部4と、L字状をなす他方の側に設けられ移動可能なゲル回収部5と、第1吐出機構部3、第2吐出機構部4およびゲル回収部5を制御するための制御部6と、第1吐出機構部3の側面下端に設けられている撮像機7と、を備えている。
これら第1吐出機構部3および第2吐出機構部4は、フレーム部2の上端部に第2吐出機構部4、第1吐出機構部3の順に重ねて取り付けられている。そして、第2吐出機構部4の上下方向の長さは、第1吐出機構部3の上下方向の長さより長く、第2吐出機構部4における第1吐出機構部3より長い部分が、第1吐出機構部3に対し、下方向へ突出して位置している。第1吐出機構部3は、ゲル回収部5と対向して設けられている第1ヘッド(第1吐出部)31と、第1ヘッド31から吐出する第1液体である塩化カルシウム溶液Cを貯蔵するための第1タンク32と、を有している。この第1ヘッド31は、塩化カルシウム溶液Cの液滴20(20C)をゲル回収部5へ向けて下方向へ吐出する。
また、第2吐出機構部4は、第1吐出機構部3より長い部分に設けられている第2ヘッド(第2吐出部)41と、第2ヘッド41から吐出する第2液体であるアルギン酸ナトリウム溶液Aを貯蔵するための第2タンク42と、を有している。この第2ヘッド41は、塩化カルシウム溶液Cの液滴20(20C)が吐出される方向と交差する水平方向へ、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20(20A)を吐出する。即ち、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aと塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cとが、それぞれの方向へ吐出され、該交差する位置において交わって接触し反応することにより、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aがゲル化する。これら液滴20の吐出およびゲル化の詳細は、図4および図5を参照して後述する。なお、この場合、第1ヘッド31および第2ヘッド41は、共にインクジェット方式のものである。
ゲル回収部5は、第1ヘッド31と対向する上方向が開口している円筒状の枠体51と、枠体51の開口全体に設けられゲル化したアルギン酸ナトリウムを回収するための回収ネット52と、ゲル回収部5をフレーム部2の面に沿って縦横に移動させるための移動部8と、回収ネット52を通過した塩化カルシウム溶液Cを第1タンク32へ循環させるための循環部9と、を有している。移動部8は、ゲル回収部5を移動させることにより、回収したゲルが重なってしまい、変形や癒着等が生じることを防止する役目を果たしている。また、循環部9は、塩化カルシウム溶液Cを、フレーム部2に沿って第1タンク32へ戻し、再利用する役目を果たしている。そして、第1タンク32および第2タンク42には、貯蔵する液体量や液体の濃度等の液体の情報を検出するための検出器15がそれぞれ設けられている。
制御部6は、撮像機7を通して把握したゲル化状況や、ゲル製造装置1の稼動状態等を表示する表示部6aと、ゲル製造装置1の各部への指示等を入力するための操作部6bと、を有している。この場合、制御部6としていわゆるパーソナルコンピューターを用いており、ゲル製造装置1を制御するための制御部6の詳細について、次に、説明する。
図2は、ゲル製造装置の制御構成を示すブロック図である。制御部6は、ゲル製造装置1を総合的に制御するCPU(Central Processing Unit)60と、CPU60が参照して液滴20A,20Cの吐出等の各種処理を実行するためのプログラム等を保存しているROM(Read Only Memory)61と、操作部6b、撮像機7および検出器15から送られて来るデータ等を一時的に記憶しておくRAM(Random Access Memory)62と、を有している。また、制御部6は、撮像機7からの画像データを受信して解析する画像解析部63と、第1ヘッド31および第2ヘッド41を制御する吐出制御部64と、移動部8および循環部9を制御する回収制御部65と、検出器15からの液体量のデータを受信する液量検出部66と、表示部6aおよび操作部6bあるいは外部機器との入出力を行うための入出力インターフェース67と、を有している。
画像解析部63は、撮像機7が撮影したアルギン酸ナトリウム溶液Aのゲル化状態を示す画像を受信して、所望の形態のゲルであるか否かを解析する。解析結果は、CPU60に伝えられ、CPU60が、吐出の継続の可否等を決定して、吐出制御部64および回収制御部65へ指示する。吐出制御部64は、CPU60の指示に基づき第1ヘッド31および第2ヘッド41からの液滴20の吐出を制御する。回収制御部65は、吐出制御部64による第1ヘッド31および第2ヘッド41からの液滴20の吐出に対応して、アルギン酸ナトリウムのゲルが回収ネット52上で重ならならように、移動部8を制御すると共に、循環部9が塩化カルシウム溶液Cをゲル回収部5から第1タンク32へ送り返す制御を行う。液量検出部66は、第1タンク32および第2タンク42のそれぞれの検出器15が検出した、塩化カルシウム溶液Cおよびアルギン酸ナトリウム溶液Aの液量を受信し、吐出継続に必要な液量であるか否かを判断する。判断結果は、CPU60に伝えられ、液量不足と判断した場合、CPU60が吐出制御部64および回収制御部65に稼動停止を指示する。稼動停止の場合、CPU60は、表示部6aへ稼動停止した旨の警報を表示させる。
次に、ゲル製造装置1のよりアルギン酸ナトリウム溶液Aのゲルを生成(製造)する方法について、フローチャートに基づいて説明する。図3は、ゲル製造方法を示すフローチャートである。このフローチャートは、1回の液滴吐出のフローを示すものである。また、ゲル製造方法におけるステップの詳細を示す図として、図4(a)は、第1吐出ステップにおける液体吐出を示す模式図、図4(b)は、第2吐出ステップにおける液体吐出を示す模式図、図5(c)は、液滴がゲル化する時点における状態を示す模式図、図5(d)は、ゲル粒の連続形成を示す模式図である。
まず、フローチャートのステップS1において、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cを吐出する。詳細には、図4(a)に示すように、第1吐出機構部3における第1ヘッド31のノズル31aから、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cを、ゲル回収部5(図1)の方向である下方へ吐出する。この場合、塩化カルシウム溶液Cは、2%の濃度の溶液であり、液滴20Cの大きさは、約50μmである。また、ノズル31a内の塩化カルシウム溶液Cは、液滴20Cを吐出し終えて、ノズル31a内へ円弧状に窪んだ状態である。一方、第2吐出機構部4における第2ヘッド41のノズル41aでは、アルギン酸ナトリウム溶液Aがノズル41aから吐出されつつある状態である。このステップS1は、第1吐出ステップに該当する。塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cを吐出後、ステップS2へ進む。
ステップS2において、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aを吐出する。詳細には、図4(b)に示すように、第2吐出機構部4における第2ヘッド41のノズル41aから、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aを、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cが吐出された方向と交差するように水平方向へ吐出する。即ち、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aは、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cへ向けて吐出される。液滴20Aと液滴20Cとの吐出は、CPU60が、操作部6bからのゲル生成情報に基づき、ROM61に保存されている吐出パターンの中から選択し、そのパターンに基づいたタイミングを吐出制御部64へ指示して行われる。ゲル生成情報とは、ゲルを生成させる液体の種類や量等のゲル生成に必要な指示情報である。
ノズル41a内のアルギン酸ナトリウム溶液Aは、液滴20Aを吐出し終えて、ノズル41a内へ円弧状に窪んだ状態である。図4(b)は、液滴20Aと液滴20Cとが空中で交わって接触する直前の状態を示しており、図5(c)は、液滴20Aと液滴20Cとがそれぞれの吐出方向の交差する位置で接触し、液滴20Aが液滴20Cの中へ取り込まれた状態を示している。この状態において、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aは、塩化カルシウム溶液Cと反応してゲル化する。そして、塩化カルシウム溶液Cにより内包される液滴20Aは、一体となってゲル回収部5の方向へ落下する。このステップS2は、第2吐出ステップに該当する。アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aを吐出後、ステップS3へ進む。
ステップS3において、アルギン酸ナトリウム溶液Aがゲル化していることを確認する。つまり、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aが所望の形態にゲル化しているか否かの判断をする。ここで、図5(d)は、ゲル粒の連続形成を示す模式図である。図5(d)に示すように、液滴20Aを内包した液滴20Cは、ゲル回収部5の回収ネット52において、ゲル化した液滴20Aと塩化ナトリウム溶液Cとが分離し、回収ネット52には、ゲル化したアルギン酸ナトリウムであるゲル粒25のみが残る。
撮像機7は、このゲル粒25を撮影してその画像を画像解析部63(図2)へ送信する。画像解析部63は、撮像機7が撮影したゲル粒25の状態を示す画像を受信してRAM62に一時保存し、ゲル粒25が所望の形態のゲルであるか否かを解析する。この解析は、受信した画像とROM61に保存されているゲル画像とを比較して行う。解析結果は、CPU60に伝えられ、CPU60が、この後の吐出の継続または中止等について決定して、吐出制御部64よび回収制御部65へ指示する。即ち、ゲル粒25が所望の形態であると判断すれば、ステップS4へ進み、一方、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aがゲル化していない場合も含め、ゲル粒25が所望の形態ではないと判断すれば、ステップS5へ進む。
ゲル粒25が所望の形態である場合は、ステップS4において、回収ネット52を移動する。この場合、ゲル粒25が所望の形態であるため、吐出制御部64は、CPU60の指示に基づき、第1ヘッド31および第2ヘッド41から液滴20の吐出を継続する。そして、回収制御部65は、ゲル粒25が回収ネット52の上で重なって粒変形やゲル粒同士の癒着等が発生しないように、移動部8を制御する。移動部8は、次に回収するゲル粒25が前に回収したゲル粒25とは異なる回収ネット52上の位置へ回収されるように、ゲル回収部5を移動させる。以上で、液滴20の1回の吐出操作が完了する。
一方、ゲル粒25が所望の形態でない場合は、ステップS5において、警報表示を行う。ゲル粒25の生成に異常がある旨の警報表示は、画像解析部63の解析結果に基づき、CPU60の指示で表示部6aに表示される。そして、警報表示に合わせて、CPU60より吐出制御部64および回収制御部65へ、稼動停止の指示がなされ、フローが終了する。以上のようなステップにより、一回の液滴吐出が行われる。
なお、上記実施形態では、ゲル粒25に所望の物質を含有させることも可能である。例えば、第2吐出機構部4の第2タンク42に貯蔵されているアルギン酸ナトリウム溶液Aに、薬剤、酵素、細胞、顔料、触媒、ナノ粒子、蛍光粒子等を含ませておき、第2ヘッド41からこれら物質を含むアルギン酸ナトリウム溶液Aを液滴として吐出する。吐出されたこの液滴は、アルギン酸ナトリウム溶液A単体の液滴20Aの場合と同様に、ゲル化してゲル粒となる。即ち、薬剤、酵素、細胞、顔料、触媒、ナノ粒子、蛍光粒子等を内部に封入した均一な大きさのゲル粒を得ることができる。さらに、第1液体および第2液体として、特許部文献1に記載されている各種材料を用いることもでき、これらの材料は、ゲル製造装置1の第1ヘッド31または第2ヘッド41から吐出されて、均一な大きさのゲル粒であるマイクロカプセルを生成することもできる。
以上、ゲル製造装置1を用いたゲル製造方法の実施形態について説明した。以下に、実施形態の効果をまとめて記載する。
(1)ゲル製造装置1は、第2ヘッド41がインクジェット方式であるため、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aの大きさや、吐出の速度および方向等の制御が他吐出方式より正確に行える。さらに、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cを吐出する第1ヘッド31もインクジェット方式であり、液滴20Cに向けて吐出されるアルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aは、液滴20Cとの交わり位置等のバラツキが抑制でき、液滴20Aを常に同一条件化で均一な大きさにゲル化することができる。特に、微小なゲル粒25であっても、ゲル粒25の均一化が図れる。
(2)また、第2吐出ステップでは、アルギン酸ナトリウム溶液Aがインクジェット方式の第2ヘッド41から液滴20Aの状態で吐出されるため、10μmの大きさの均一なゲル粒25が得られる。この液滴20Aの大きさを調整すれば、本実施形態で生成した10μm以外の所望の大きさのゲル粒25が容易に得られる。さらに、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aは、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cと交わって接触するように、タイミング良く吐出されるため、第1ヘッド31は、液滴20Aと反応して液滴20Aをゲル化させるだけの量の液滴20Cを、吐出すれば良く、塩化カルシウム溶液Cの使用量の削減が図れる。この液滴20Cの大きさも、液滴20Aと同様、本実施形態で用いた50μm以外の所望の大きさに調整することができる。
(3)ゲル粒25となる液滴20Aを塩化カルシウム溶液Cへ向けて吐出するゲル製造方法は、インクジェット方式の第1ヘッド31および第2ヘッド41を備えたコンパクトなゲル製造装置1により、液滴20Aを確実に吐出してゲル化することができる。また、塩化カルシウム溶液Cが静止状態ではなく順次吐出される方式であるため、塩化カルシウム溶液Cの汚染あるいは生菌の発生等を防止することができる。
(4)そして、ゲル回収部5は、回収したゲル粒25が互いに重なった状態で回収されないように、都度、移動する機構である。これにより、ゲル粒25は、回収ネット52の上で重なって粒変形やゲル粒同士の癒着等が発生しない状態で、確実に回収される。
また、ゲル製造方法およびゲル製造装置1は、上記の実施形態に限定されるものではなく、次に挙げる変形例のような形態であっても、実施形態と同様な効果が得られる。
(変形例1)ゲル製造装置1において、第1吐出機構部3から吐出される塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cと、第2吐出機構部4から吐出されるアルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aとは、一対一で同調して吐出されているが、この吐出方法に限定されるものではない。例えば、図6(a)は、吐出形態の変形例を示す模式図である。これによれば、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cは、液滴20Aに比べて吐出頻度が多くなるように、連続して吐出される設定である。このように、第1吐出機構部3から液滴20Cを高頻度で連続吐出すれば、液滴20Aは、液滴20Cの吐出タイミングに合わせて完全に同調させる必要が無い。つまり、吐出された液滴20Aは、連続吐出される液滴20Cのいずれかと接触して反応する。そのため、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aの吐出制御が非常に容易になる。さらに、この連続吐出は、液滴を吐出する状態ではなく、定常流
やミスト状であっても良い。
(変形例2)また、図6(b)は、吐出機構部の変形例を示す斜視図である。ゲル製造装置10は、第1ヘッド31と第2ヘッド41とを、それぞれ1つ備えているゲル製造装置1に限定されることなく、図6(b)に示すように、複数の第1ヘッド31および複数の第2ヘッド41を備えていても良い。第1ヘッド31および第2ヘッド41は、それぞれ互いに対になっており、一対の第1ヘッド31および第2ヘッド41は、実施形態と同様に液滴20A,20Cを吐出してゲル粒25を生成する。こうすれば、多量のゲル粒25を効率良く生成することができる。さらに、ゲル製造装置10は、複数の第1ヘッド31を有する第1吐出機構部3と、複数の第2ヘッド41を有する第2吐出機構部4とを、それぞれ複数組備えた構成であっても良い。こうすれば、より多量のゲル粒25を効率良く生成することができる。
(変形例3)塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cを吐出する第1ヘッド31、およびアルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aを吐出する第2ヘッド41からの液滴吐出方向は、それぞれ下向き方向および水平方向であるが、この吐出方向に限定されず、斜め方向等への吐出により、ゲル粒25を生成しても良い。即ち、液滴20Cと液滴20Aとが交差して接触するように吐出すれば、吐出方向は任意で良い。
(変形例4)そして、第1ヘッド31と第2ヘッド41とは、設置位置が逆であっても良い。つまり、第1吐出機構部3に第2ヘッド41を設置し、第2吐出機構部4に第1ヘッド31を設置する。この構成であっても、液滴20A,20Cを正確に吐出してゲル粒25が生成できる。
(変形例5)塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cを吐出する第1ヘッド31は、インクジェット方式ではなく、例えば、ディスペンサー等により塩化カルシウム溶液Cを滴下等する方法であっても良い。少なくとも、第2ヘッド41がインクジェット方式であれば、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aを塩化カルシウム溶液Cへ向けて、正確に吐出することができ、ゲル粒25の生成が行える。このように、インクジェット方式と多様な吐出方式とを併用することにより、吐出する種々の溶液に対応したゲル製造装置を提供できる。そして、粘性の高い溶液を吐出するために、溶液を加熱して粘度を低くする機構をゲル製造装置1に設けても良い。
(変形例6)ゲル粒25を生成するためのフローチャートにおいて、塩化カルシウム溶液Cの液滴20Cを吐出するステップS1と、アルギン酸ナトリウム溶液Aの液滴20Aを吐出するステップS2とは、液滴20Cと液滴20Aとが反応できるように吐出できれば、どちらのステップが先であっても良く、また、同時であっても良い。
(変形例7)上記実施形態では、アルギン酸のゲル粒25を得るために、ゲル化する第2液体としてアルギン酸ナトリウム溶液Aを用い、第1液体として塩化カルシウム溶液Cを用いた場合を例に説明した。このほかに、アルギン酸のゲル粒25を得るためには、第2液体としてアルギン酸カリウム溶液を用い、第1液体として塩化バリウム溶液を用いる方法等であっても良い。また、それぞれの溶液における液滴の大きさや濃度は、実施形態の設定に限定されない。
(変形例8)ゲル製造装置1は、第1ヘッド31および第2ヘッド41の目詰まりを防止するためのクリーニング機構を備えていても良い。クリーニング機構は、例えば、所定数の液滴吐出後または画像解析部63がゲル粒25の異常を解析した場合等に、第1ヘッド31および第2ヘッド41からの強制的な液滴吸引やヘッド清掃を行い。ゲル製造装置1の安定稼動を図るものである。
(変形例9)ゲル製造装置1のゲル回収部5は、枠体51が円筒状以外の形状であっても良い。また、ゲル回収部5は、移動部8によって縦横に移動する構成に限定されず、回転等を含む移動であっても良い。
ゲル製造装置1によるゲル製造方法は、少なくとも、ゲル化する第2液体をインクジェット方式で吐出することにより、別途吐出された第1液体と反応させて確実にゲル化させている。ゲル化したゲル粒25は、微小なものであっても均一な大きさとなる。また、ゲル粒内に任意の物質を封入することも容易にできる。従って、ゲル製造装置1によるゲル製造方法は、薬品・医療分野、生体材料分野、液晶等の表示装置関係などの、広範な分野に用いられる種々のゲル粒を生成するために、有効に活用できる。
1,10…ゲル製造装置、2…フレーム部、3…第1吐出機構部、4…第2吐出機構部、5…ゲル回収部、6…制御部、7…撮像機、8…移動部、9…循環部、15…検出器、20…液滴、20A…(アルギン酸ナトリウム)液滴、20C…(塩化カルシウム)液滴、25…ゲル粒、31…第1吐出部としての第1ヘッド、31a…ノズル、32…第1タンク、41…第2吐出部としての第2ヘッド、41a…ノズル、42…第2タンク、51…枠体、52…回収ネット、A…第2液体としてのアルギン酸ナトリウム溶液、C…第1液体としての塩化カルシウム溶液。

Claims (4)

  1. 第1液体を、第1吐出部から吐出する第1吐出ステップと、
    ゲル形成材を含み前記第1液体と反応してゲル化する第2液体を、第2吐出部から吐出する第2吐出ステップと、を備え、
    前記第2吐出ステップでは、前記第2吐出部が、前記第1吐出部から吐出される前記第1液体へ向けて、前記第2液体の液滴を吐出することを特徴とするゲル製造方法。
  2. 請求項1に記載のゲル製造方法において、
    前記第1吐出ステップおよび前記第2吐出ステップでは、少なくとも前記第2吐出部がインクジェット方式により前記液滴を吐出することを特徴とするゲル製造方法。
  3. 第1液体を吐出する第1吐出部と、
    ゲル形成材を含み前記第1液体と反応してゲル化する第2液体を吐出する第2吐出部と、を備え、
    前記第2吐出部は、前記第1吐出部から吐出された前記第1液体へ向けて、前記第2液体の液滴を吐出することを特徴とするゲル製造装置。
  4. 請求項3に記載のゲル製造装置において、
    前記第1吐出部および前記第2吐出部のうち、少なくとも前記第2吐出部は、インクジェット方式の機構であることを特徴とするゲル製造装置。
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