JP2011016743A - 環状アミノ化合物又はその塩 - Google Patents

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一平 佐藤
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Kazuhiro Yokoyama
和宏 横山
浩二 ▲高▼倉
Koji Takakura
Hiroshi Terada
央 寺田
Tomohiko Yamaguchi
智彦 山口
Yasushi Amano
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Abstract

【課題】可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)に関与する疾患、例えば、糖尿病合併症、循環器疾患、又は炎症性疾患等の予防及び/または治療剤として有用な化合物を提供する。
【解決手段】本発明者らは、sEH阻害作用を有する化合物又はその塩について検討し、式(I)の環状アミノ化合物又はその塩がsEH阻害作用を有することを確認し、本発明を完成した。本発明の式(I)の環状アミノ化合物又はその塩は、sEHの関与する疾患、例えば、糖尿病合併症、循環器疾患、及び/又は炎症性疾患等;具体的には、高血圧症、心血管疾患、動脈硬化症、糖尿病性腎症、慢性腎臓病、末梢動脈障害、糖尿病性網膜症、メタボリックシンドローム、及び/又は各種炎症性疾患等;の予防及び/又は治療剤として使用しうる。
【選択図】なし

Description

本発明は医薬組成物、殊に糖尿病合併症、循環器疾患、又は炎症性疾患等の治療用医薬組成物の有効成分として有用な環状アミノ化合物に関する。
エポキシエイコサトリエン酸(EETs)はアラキドン酸からチトクローム P450(CYP)エポキシゲナーゼにより産生される。ヒトにおいてEETsを産生する代表的なエポキシゲナーゼはCYP2C9、CYP2C8あるいはCYP2J2であり、5,6−、8,9−、11,12−あるいは14,15−EETの4種類の位置異性体が産生されると考えられている。生体内でのEETsのエポキシ基の水解反応は、主に可溶性エポキシド加水分解酵素(sEH)により行なわれることが報告されており、これによりEETsは生物学的反応活性の低いジヒドロキシエイコサトリエン酸(DHETs)に変換される。EETsはオートクリンまたはパラクリン的に作用し多様な生物学的反応を惹起すると考えられており、cAMPの上昇を介したカルシウム依存性Kチャネルの開口、グアニンヌクレオチド結合性タンパク質であるGαsやSrcシグナルの活性化などを引き起こすことが報告されている。またEETsは細胞内ではリン脂質に取り込まれ、Ca2+イオノフォア処置により速やかに動員されることが報告されており、リン脂質を介したシグナルトランスダクションにも関与していると考えられる。
一方、アラキドン酸同様にリノール酸もCYPエポキシゲナーゼによりエポキシオクタデカモノエノイック酸(EpOMEs)に代謝され、EpOMEはsEHによりジヒドロキシオクタデカモノエノイック酸(DiHOMEs)に加水分解される。EpOMEも多様な生物学的反応を惹起することが知られているがEETsに比べてまだ未解明な点が多い。
ヒトでのsEH発現は肝臓及び腎臓で高く、そのほか各組織に広範に分布している。これはげっ歯類などの脊椎動物においても同様であると考えられている。CYP2C9、2C8及び2J2は、生体内の各組織に広範に分布しているが、sEHとの発現部位相同性が高く、肝臓及び腎臓での発現が高いことが報告されている。sEH、CYP2C9、2C8及び2J2はともに、肝臓では主に肝実質細胞で、腎臓では近位尿細管での発現が高く、また血管での発現も比較的高いことが知られている(Journal of Histochemistry and Cytochemistry,52,447−454,2004)。
EETsの惹起する多様な生物学的反応の一つに血管弛緩作用がある。ブラジキニンやアセチルコリン、あるいはずり応力などの刺激により血管内皮細胞で産生されたEETsは、パラクリン的に血管平滑筋細胞の高伝導性Ca2+活性化Kチャネル(BKCa)を刺激しK+を放出(過分極)させることが報告されている(European Journal of Pharmacology,230,215−221,1993; Journal of Vascular Research,32,79−92,1995)。このことからEETsは、平滑筋細胞内へのCa2+流入を阻害し弛緩作用を発揮すると考えられるため、EETsは内皮由来の過分極反応を担う因子(内皮由来過分極因子;EDHF)のひとつであると考えられている(Circulation Research,78,877−884,1996)。一方、糖尿病、高血圧症あるいは高脂血症などでは内皮由来の血管弛緩反応の減弱が認められ、このことはこれら疾患のみならず、糖尿病合併症や動脈硬化の進展に関与していると考えられている(Vascular Health and Risk Management,3,853−876,2007)ことから、EETsによる全身血圧上昇の抑制や末梢細動脈血管抵抗の低下による、上記病態の改善が期待される。
EETsは血管内皮への炎症性サイトカインやLPSなどの刺激によるVCAM−1、ICAM−1、またはE−セレクチンなどの細胞接着因子の発現上昇を抑制し、単球など炎症性細胞の浸潤を抑制することも報告されている(Science,285,1276−1279,1999)。動脈硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症などでは、炎症性血管障害が病態の進展に関与しているとも考えられていることから、EETsによって上記病態の改善が期待される。
EETsはGαsを活性化し血管内皮での組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)の発現を上昇させることも報告されている(Journal of Biological Chemistry,276,15983−15989,2001)。t−PAはプラスミノーゲンをプラスミンに変換し線溶反応を亢進させるが、血管での血栓形成やアテローム性動脈硬化症においてはt−PAとその阻害因子であるプラスミノーゲン活性化因子阻害剤−1(PAI−1)の活性バランスの破綻が病態進展に関わっていると考えられている。糖尿病性腎症あるいは慢性腎臓病においては糸球体及び尿細管周囲の線維化が病態進展に密接に関わっており、この原因の一つとしてt−PAの発現減少及びPAI−1の発現亢進が認められている(Nephrology,10,S11−S13,2005)。以上のことから、EETsによるt−PA/PAI−1バランスの正常化により、上記病態の改善が期待される。
さらに、sEH阻害剤はげっ歯類を用いた高脂肪食負荷肥満モデルに対して、腎血管抵抗の上昇及び全身血圧の上昇を抑制するだけでなく、体重増加、脂質異常、インスリン抵抗性、耐糖能異常を抑制することが報告されている(American Journal Physiology Renal Physiology,293,F342−F349,2007;特許文献1)。このことからメタボリックシンドロームの改善が期待される。
以上から、sEH阻害剤は、sEHの関与する疾患、例えば、糖尿病合併症、循環器疾患、及び/又は炎症性疾患等;具体的には、高血圧症、心血管疾患、動脈硬化症、糖尿病性腎症、慢性腎臓病、末梢動脈障害、糖尿病性網膜症、メタボリックシンドローム、及び/又は各種炎症性疾患等;の治療薬となることが期待される。
例えば、sEH阻害作用を有し、血管弛緩作用及び抗炎症作用等を有する化合物として、下記の式で示される化合物が知られている(以下順に特許文献2、3)。
Figure 2011016743

[式中、R1は、C1−C8アルキル、アリールC0−C8アルキル、C3−C12シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ1から2個のC1−C8アルキル、C1−C8ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリールであり;Aは1から2個のR7で置換されていてもよいヘテロシクリルであり; Y1は結合、C(R52、NR5又はOであり; Y2は、結合、NR5又はOであり; R5は、H、アルキル又は−C(=O)R6である。nは0又は1である。式中の他の記号は、特許文献2を参照のこと。]
Figure 2011016743

[式中、Xは、As、N、P、Se又はSであり; Wは、NH、O、S又はCHnであり; また、YはNH、O、S又はCHn; Zは、N、O、S又は存在しない。nは0、1、2又は3である。式中の他の記号は、特許文献3を参照のこと]
11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害作用を有し、II型糖尿病等の疾患の治療に有用な化合物として、下記の式で示される化合物が知られている(特許文献4)。
Figure 2011016743
[式中、Qは、非置換フェニル;ハロゲン、低級アルキル、−COOA、−CF3、−OA、−NC(=O)A、及びフェニルよりなる群から独立に選択される基で、単置換、二置換、又は三置換されているフェニルである置換フェニル;環炭素原子により結合しており、かつ硫黄、窒素及び酸素よりなる群から選択される1から3個の環ヘテロ原子を有する、5員又は6員芳香族複素環である非置換ヘテロシクリル;−COOA又はハロゲンで置換されているヘテロシクリルである置換ヘテロシクリル;ナフチル;環炭素により結合しており、かつ硫黄、窒素及び酸素よりなる群から選択される1から3個の環ヘテロ原子を有する、9員及び10員二環式不飽和若しくは部分不飽和ヘテロシクリル、あるいはハロゲン又は低級アルキルから選択される置換基で、単置換、二置換又は三置換されている、9員又は10員二環式ヘテロシクリルである置換二環式ヘテロシクリルであり;Aは、1から4個の炭素原子を有する低級アルキルである。式中の他の記号は、特許文献4を参照のこと]
また、sEH阻害作用を有し、かつ、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ タイプ1(11β−HSD1)阻害作用を有し、高血圧等の疾患の治療に有用な化合物として、下記の式で示される化合物が知られている(特許文献5)。

Figure 2011016743


[Aは、A1等; Wは、S(O2)R2又はC(O)NR22;R2は、独立して、H、CH3、Re、Rf、Rg、Rh、又はRm。式中の他の記号は、特許文献5を参照のこと]。なお、特許文献5において、R2が、ヘテロシクロアルキルに該当する基の記載はない。
国際公開WO2008/094869号パンフレット 国際公開WO2007/106525号パンフレット 国際公開WO2007/022059号パンフレット 国際公開WO2006/094633号パンフレット 国際公開WO2009/070497号パンフレット
医薬組成物、特にsEHの関与する疾患、例えば、糖尿病合併症、循環器疾患、及び/又は炎症性疾患等;具体的には、高血圧症、心血管疾患、動脈硬化症、糖尿病性腎症、慢性腎臓病、末梢動脈障害、糖尿病性網膜症、メタボリックシンドローム、及び/又は各種炎症性疾患等;の治療用医薬組成物の有効成分として有用な化合物を提供する。
本発明者らはsEHの関与する疾患の治療剤について鋭意検討した結果、環状アミノ化合物を見出して本発明を完成した。
即ち、本発明は、式(I)の化合物又はその塩、並びに、式(I)の化合物又はその塩、及び賦形剤を含有する医薬組成物に関する。
Figure 2011016743

(式中、
1は、ヘテロシクロアルキル、同一又は異なった1から5個の低級アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいC6-12シクロアルキル、あるいは、同一又は異なった1から5個のハロゲンで置換されていてもよいアリールであり、
kは、0又は1であり、
mは、0又は1であり、
nは、0又は1であり、
Xは、N又はCHであり、
ここで、XがNの場合、
Aは、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいアリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいヘテロアリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−C(=O)−アリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−低級アルキレン−アリール、−C(=O)O−低級アルキル、
あるいは、式(II)
Figure 2011016743

の基であり、
ここで、XがCHの場合、
Aは、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−O−アリール、あるいは、同一又は異なった1から5個の低級アルキルで置換されていてもよい−O−SiH3であり、
Yは、O、NH、又はCH2であり、
Aは、−C(=O)O−低級アルキル、−C(=O)OH、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)OH、ハロゲン、C3-6シクロアルキル、低級アルキルで置換されていてもよい−C(=O)NH2、又は、ハロゲンで置換されていてもよい低級アルキルであり、
−−−−は、二重結合又は単結合である。)
なお、特に記載がない限り、本明細書のある化学式中の記号が他の化学式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
また、本発明は、式(I)の化合物又はその塩を含有するsEHの関与する疾患の治療用医薬組成物、即ち、式(I)の化合物又はその塩を含有するsEHの関与する疾患治療剤に関する。
また、本発明は、sEHの関与する疾患治療用医薬組成物の製造のための式(I)の化合物又はその塩の使用、並びに、式(I)の化合物又はその塩の有効量を患者に投与することからなるsEHの関与する疾患の治療方法に関する。
式(I)の化合物又はその塩は、sEHの関与する疾患、例えば、糖尿病合併症、循環器疾患、及び/又は炎症性疾患等;具体的には、高血圧症、心血管疾患、動脈硬化症、糖尿病性腎症、慢性腎臓病、末梢動脈障害、糖尿病性網膜症、メタボリックシンドローム、及び/又は各種炎症性疾患等;の予防及び/又は治療剤として使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
「ハロゲン」は、F、Cl、Br、Iを意味する。
「低級アルキル」とは、直鎖又は分枝状の炭素数が1から6(以後、C1-6と略す)のアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等である。別の態様としては、C1-4アルキルである。
「低級アルキレン」とは、直鎖又は分枝状のC1-6のアルキレン、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン、メチルメチレン、エチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1,2,2−テトラメチルエチレン等である。別の態様としては、C1-4アルキレンであり、さらに別の態様としては、メチレン又はエチレンである。
「C6-12シクロアルキル」とは、C6-12の飽和炭化水素環基であり、例えば、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、アダマンチル等である。別の態様としては、ビシクロ[3.1.1]ヘプチルである。
「C3-6シクロアルキル」とは、C3-6の飽和炭化水素環基であり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等である。別の態様としては、シクロプロピルである。
「アリール」とは、C6-14の単環から三環式芳香族炭化水素環基であり、例えばフェニル、ナフチル、インダニルであり、別の態様としてはフェニルが挙げられる。また別の態様としてはインダニルが挙げられる。
「ヘテロアリール」とは、窒素、酸素、及び硫黄からなる群より選択された同一又は異なるヘテロ原子を1個以上有する単環から二環式の芳香族へテロ環を意味する。具体的には例えば、ピリジル、ピラジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、フリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、又はベンゾチアゾリル等を挙げることができる。ある態様としては、環を構成する元素の少なくとも一つが窒素原子である芳香族へテロ環が挙げられる。別の態様としては、ピリジル、ピリミジニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、又はベンゾチアゾリルが挙げられる。
「ヘテロシクロアルキル」とは、窒素、酸素、及び硫黄からなる群より選択された同一または異なるヘテロ原子を1個以上有する単環の4から8員環の非芳香環を意味し、これらは部分的に不飽和結合を有していてもよい。具体的には例えば、テトラヒドロピラニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、アゾカニル、モルホリニルなどが挙げられる。ある態様としては、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル又はモルホリニルが挙げられる。
「環状アミノ」とは、環の構成原子の少なくとも一つが窒素原子であるヘテロシクロアルキルを意味する。別の態様としては、ピペリジル、ピペラジニル又はモルホリニルである。
「置換されていてもよい」とは、無置換、若しくは置換基を1から5個有していることを意味する。なお、複数個の置換基を有する場合、それらの置換基は同一であっても、互いに異なっていてもよい。
本明細書において、以下の略号を用いることがある。
CDI:1,1’−カルボニルジイミダゾール、DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド、DEAD:(E)−ジアゼン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、DIBOC:ジ−tert−ブチルジカルボナート、DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、DME:1,2−ジメトキシエタン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMSO:ジメチルスルホキシド、DPPA:ジフェニルリン酸アジド、EtOAc:酢酸エチル、EtOH:エタノール、HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、MeCN:アセトニトリル、MeOH:メタノール、MgSO4:無水硫酸マグネシウム、Na2SO4:無水硫酸ナトリウム、NaHCO3:炭酸水素ナトリウム、NaOH:水酸化ナトリウム、PPh3:トリフェニルホスフィン、TEA:トリエチルアミン、THF:テトラヒドロフラン、WSC:3−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、WSC・HCl:3−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、brine:飽和食塩水、(−)−cis−ミルタニルアミン:(1−[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メタンアミン)、tert:ターシャリー。
本発明のある態様を以下に示す。
(1)R1が、同一又は異なった2個の低級アルキルで置換されていてもよいビシクロ[3.1.1]ヘプチルである式(I)の化合物又はその塩、あるいは、別の態様として、2個のメチルで置換されているビシクロ[3.1.1]ヘプチルである式(I)の化合物又はその塩。
(2)kが、0である式(I)の化合物又はその塩。
(3)mが、1である式(I)の化合物又はその塩。
(4)nが、1である式(I)の化合物又はその塩。
(5)Xが、Nである式(I)の化合物又はその塩、又は別の態様として、CHである式(I)の化合物又はその塩。
(6)Aが、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいフェニル、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいピリジルである、あるいは、別の態様として、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−O−フェニルである式(I)の化合物又はその塩。
(7)Yが、CH2である式(I)の化合物又はその塩。
(8)上記(1)から(7)の態様に示された基のうち二以上の組み合わせである式(I)の化合物又はその塩。
本発明における上述の態様(8)の例を以下に示す。
(9)R1が、2個のメチルで置換されているビシクロ[3.1.1]ヘプチルであり、
Xが、Nであり、
Aが、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいフェニル、あるいは、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいピリジルである式(I)の化合物又はその塩。
(10)R1が、2個のメチルで置換されているビシクロ[3.1.1]ヘプチルであり、
Xが、CHであり、
Aが、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−O−フェニルである式(I)の化合物又はその塩。
本発明に包含される具体的化合物の例として、以下の化合物又はその塩が挙げられる。
4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}安息香酸、6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸、4−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]シクロヘキシル}オキシ)安息香酸、4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}−3−(トリフルオロメチル)安息香酸、4−(4−{2−[(2−シクロヘキシルエチル)アミノ]−2−オキソエチル}ピペリジン−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)安息香酸、3−シクロプロピル−4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸。
式(I)の化合物には、置換基の種類によって、互変異性体や幾何異性体が存在しうる。本明細書中、式(I)の化合物が異性体の一形態のみで記載されることがあるが、本発明は、それ以外の異性体も包含し、異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
また、式(I)の化合物には、不斉炭素原子を有する場合があり、これに基づく光学異性体が存在しうる。本発明は、式(I)の化合物の光学異性体の分離されたもの、あるいはそれらの混合物も包含する。
さらに、本発明は、式(I)で示される化合物の製薬学的に許容されるプロドラッグも包含する。製薬学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等に変換されうる基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog.Med.,5, 2157−2161(1985)や、「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163−198に記載の基が挙げられる。
また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩であり、置換基の種類によって、酸付加塩又は塩基との塩を形成する場合がある。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リシン、オルニチン等の有機塩基との塩、アセチルロイシン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明は、式(I)の化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多形の物質も包含する。また、本発明は、種々の放射性又は非放射性同位体でラベルされた化合物も包含する。
(製造法)
式(I)の化合物及びその塩は、その基本構造あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料から中間体へ至る段階で適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能な基)に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような保護基としては、例えば、ウッツ(P. G. M. Wuts)及びグリーン(T. W. Greene)著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」に記載の保護基等を挙げることができ、これらの反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行なったあと、必要に応じて保護基を除去することにより、所望の化合物を得ることができる。
また、式(I)の化合物のプロドラッグは、上記保護基と同様、原料から中間体へ至る段階で特定の基を導入、あるいは得られた式(I)の化合物を用いてさらに反応を行なうことで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者に公知の方法を適用することにより行うことができる。
以下、式(I)の化合物の代表的な製造法を説明する。各製法は、当該説明に付した参考文献を参照して行うこともできる。なお、本発明の製造法は以下に示した例には限定されない。
(第一製法)
Figure 2011016743
本発明化合物(I)は化合物(1)と化合物(2)とを反応させて製造できる。本反応では、化合物(1)と化合物(2)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、縮合剤の存在下、反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは−20℃から60℃において、通常0.1時間から5日間撹拌する。溶媒の例としては、特に限定はされないが、トルエン又はキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン又はクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、DMF、DMSO、EtOAc、MeCN又は水、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤の例としては、WSC、DCC、CDI、DPPA、オキシ塩化リンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。添加剤(例えばHOBt)を用いることが反応に好ましい場合がある。TEA、DIPEA若しくはN−メチルモルホリン等の有機塩基、又はK2CO3若しくはKOH等の無機塩基の存在下で反応を行うことが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
また、化合物(2)を反応性誘導体へ変換した後に化合物(1)と反応させる方法もできる。カルボン酸の反応性誘導体の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオニル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸ハロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反応して得られる混合酸無水物、HOBt等と縮合して得られる活性エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体と化合物(1)との反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは、−20℃から60℃で行うことができる。
〔文献〕S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」16巻(2005年)(丸善)
(第二製法)
Figure 2011016743
[式中、Lvは脱離基を示す。]
本発明化合物(I−1)又はその塩は、化合物(3)と化合物(4)を反応させて製造できる。Lvの例としてはクロロ、ブロモ等のハロゲン;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ;等を挙げることができる。
Aは、次に示す[1]と[2]に場合分けすることができる。[1]同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−C(=O)−アリール、−C(=O)O−低級アルキル、あるいは前述の式(II)で示される基である場合、[2]同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいアリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいヘテロアリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−低級アルキレン−アリールである場合が存在する。
Aが[1]に示す基の場合、第一製法の方法に従って製造することができる。
Aが[2]に示す基の場合、化合物(3)と化合物(4)とを等量若しくは一方を過剰量用い、これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中、又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好ましくは0℃から80℃において、通常0.1時間から5日間撹拌する。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定はされないが、芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;ハロゲン化炭化水素類;DMF、DMSO、EtOAc、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。有機塩基又は無機塩基の存在下で反応を行うのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
〔文献〕S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
(第三製法)
Figure 2011016743

[式中、A1は、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいアリール基、又は、同一又は異なった1から5個の低級アルキルで置換されていてもよいSiH3を示す。]
本発明化合物(I−2)は、化合物(5)に化合物(6)を反応させて製造できる。いわゆる光延反応であり、PPh3又はトリブチルホスフィン、及び、DEADや1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)等の脱水剤を用いて反応させる。反応に用いる溶媒としては、THF、ジオキサン、トルエンが用いられ、好ましくはTHFである。基質にもよるが、DEADのような脱水剤を用いる場合には、通常−10℃から50℃、好ましくは0℃から30℃で行う。
〔文献〕S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional Group Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(2005年)(丸善)
(第四製法)
Figure 2011016743
本発明化合物である(I−3)及び(I−4)は、化合物(7)と化合物(8)を反応させて製造できる。
Step3−1は、ホスホリル基置換安定カルボアニオンのカルボニル付加により、Wittig反応と類似のメカニズムにより、α,β−不飽和カルボニル基が形成される。反応溶媒としては、反応を妨げない溶媒であればよく、通常、エーテル系溶媒又は芳香族系溶媒等が用いられる。例えば、トルエンやDMFが用いられる。反応には通常塩基が用いられ、NaH等の強塩基が通常用いられる。
Step3−2は、いわゆる接触還元であり、化合物(I−4)は、化合物(I−3)の水素添加反応により得ることができる。この反応では、水素雰囲気下、反応に不活性な溶媒中、化合物(I−3)を金属触媒存在下で、通常1時間〜5日間撹拌する。この反応は、通常、冷却下から加熱下、好ましくは室温で行われる。ここで用いられる溶媒の例としては、特に限定されないが、MeOH等のアルコール類、エーテル類、水、EtOAc、DMF、DMSO及びこれらの混合物が挙げられる。金属触媒としては、パラジウム炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム等のパラジウム触媒、白金板、酸化白金等の白金触媒、還元ニッケル、ラネーニッケル等のニッケル触媒、テトラキストリフェニルホスフィンクロロロジウム等のロジウム触媒、還元鉄等の鉄触媒等が好適に用いられる。水素ガスの代わりに、化合物(I−2)に対し等量〜過剰量のギ酸またはギ酸アンモニウムを水素源として用いることもできる。
〔文献〕M. Hudlicky著、「Reductions in Organic Chemistry, 2nd ed (ACS Monograph :188)」、ACS、1996年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」19巻(2005年)(丸善)
(第一中間体製法)
Figure 2011016743

[式中、Protは保護基を示す。]
化合物(3)又はその塩は、化合物(1)又はその塩と化合物(9)又はその塩を反応させて得られた化合物(10)を、脱保護することにより製造できる。
Step4−1は、前述の第一製法と同様にして製造できる。
Step4−2は、通常の脱保護、例えば、ウッツ(P.G.M.Wuts)及びグリーン(T.W.Greene)著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」を参照して行うことができる。
(第二中間体製法)
Figure 2011016743
化合物(5)又はその塩は、化合物(1)又はその塩と化合物(11)又はその塩を反応させて得られた化合物(12)を、脱保護することにより製造できる。
Step5−1は、前述の第一製法と同様にして製造できる。
Step5−2は、通常の脱保護、例えば、ウッツ(P.G.M.Wuts)及びグリーン(T.W.Greene)著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」を参照して行うことができる。
(第三中間体製法)
Figure 2011016743
化合物(9)は、化合物(13)と化合物(14)を反応させて得られた化合物(15)を脱保護して製造できる。
Step6−1は、前述のStep3−1の製法と同様にして製造できる。
Step6−2は、通常のエステルのアルカリ加水分解により脱保護することも可能であるが、例えば、ウッツ(P.G.M.Wuts)及びグリーン(T.W.Greene)著、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(第4版、2006年)」を参照して行うことができる。化合物(9)を所望により接触還元すれば、二重結合が単結合になった化合物も製造できる。
なお、上述の一般的製法において、他の官能基を壊さないよう適切な段階で、接触還元すれば、二重結合が単結合になった化合物も製造できる。
[文献] W.C.Still et.al., Tetrahedron Letters, 24, 4405, 1983年
(第四中間体製法)
Figure 2011016743
化合物(11)は、化合物(13)と化合物(16)を反応させて得られた化合物(17)を脱保護して製造できる。上述の第三中間体製法と同様の方法を用いて製造できる。
式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、水和物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質として単離され、精製される。式(I)の化合物の塩は、常法の造塩反応に付すことにより製造することもできる。
単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分画クロマトグラフィー等、通常の化学操作を適用して行なわれる。
各種の異性体は、適当な原料化合物を選択することにより製造でき、あるいは異性体間の物理化学的性質の差を利用して分離することができる。例えば、光学異性体は、ラセミ体の一般的な光学分割法(例えば、光学活性な塩基又は酸とのジアステレオマー塩に導く分別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロマトグラフィー等)により得られ、また、適当な光学活性な原料化合物から製造することもできる。
試験例
式(I)の化合物の薬理活性は、以下の試験により確認した。
試験例1:sEH阻害試験(in vitro)
a.酵素の調製(ヒトおよびラット)
例えば、ヒトsEH cDNAを3 x FLAG tagを含むベクターにクローニングした。このプラスミドを293細胞にトランスフェクションし、3 x FLAG tagged ヒトsEHを一過的に発現させた。発現細胞を40mM Tris−HCl pH8.0, 150 mM NaCl, 1mM EDTA, 0.2mM PMSFを含むバッファーに懸濁し、凍結融解により破砕した。遠心分離により上清を回収し、M2−agaroseを用いて3 x FLAG tagged ヒトsEHを部分精製した。ラットsEHについても同様の手法で酵素を精製した。さらに純度を上げるため、イオン交換クロマトグラフィーを行い高純度酵素を得た。
また、上記の手法以外にも、ヒト・ラットのsEHを適当なプラスミドにクローニングし、動物細胞・昆虫細胞・大腸菌等に発現させたものをイオン交換クロマトグラフィー等で精製する等して、酵素とした。
b.酵素阻害実験
上記手法により取得したヒトおよびラットsEH酵素を適宜希釈して用いた。被験化合物はDMSOで希釈して用い、0.02% Triton−X 100含有の25 mMのBis−Trisバッファー中で酵素と混合した。基質として終濃度50 μMのPHOME((3−フェニル−オキシラニル)−酢酸 シアノ−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−メチルエステル)(Analytical Biochemistry 2005年、343、pp.66−75)を添加し、マルチウェルプレートを用いて室温にて50分間反応させた。反応後、蛍光プレートリーダーにて励起光355 nm/放射光460 nmで測定を行った。被験化合物の活性は、溶媒添加群の測定値を0%阻害、酵素無添加の測定値を100%阻害とし、ロジスティック回帰により50%抑制する被験化合物の濃度(IC50)として算出した。
式(I)の化合物のうちいくつかの化合物について、酵素阻害実験の結果(IC50値)を表1に示す。表中のNo欄に記載されたExは実施例番号を示す。
Figure 2011016743
試験例2 経口吸収性・生体内安定性試験(ex vivo)
a.ラット血漿中化合物濃度を検出する試験
SD系雄性ラット(6−8週齢、150−250 g、非絶食)に、被験化合物を経口投与し、4時間後にヘパリン採血管を用いて眼窩静脈叢より血漿を採取し、ラット赤血球のsEH活性を利用した阻害反応試験に供する検体とした。ラット赤血球は、SD系雄性ラット(6−8週齢、150−250 g、非絶食)の腹部大動脈より採取した全血を、遠心分離操作によりバフィーコートを除去し、生理的塩濃度の試験バッファー(5mMグルコース、0.2%牛アルブミンを添加)による洗浄操作により調製した。阻害反応試験は、5 x 108個/mLの赤血球に対して、被験化合物を投与した血漿を添加し、基質として100ng/mLの14,15−EETを添加し、37℃で30分間反応させた。反応後の上清を遠心分離操作により回収し、上清中の14,15−DHET量をELISA法(デトロイトR&D)にて測定した。ELISAは、抗14,15−DHET抗体を固相化した96ウェルプレートに被験サンプルまたは14,15−DHET標準液を添加し、同時にHRPを標識した14,15−DHET抗体を添加し、室温にて2時間インキュベートした。洗浄後、TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)溶液にて発色させ450 nMの吸光度を測定した。被験化合物の阻害活性は、溶媒のみを投与した群の14,15−DHET濃度を0%阻害、反応液の基質である14,15−EETを添加しない群を100%阻害とし、被験化合物群の阻害率を算出した。
式(I)の化合物のうちいくつかの化合物について、3mg/kg経口投与時のsEH阻害試験の結果を表1に示す。表中のNo欄に記載されたExは実施例番号を示す。
Figure 2011016743
上記試験の結果、式(I)の化合物はsEH阻害作用を有することが確認された。従って、sEHの関与する疾患、例えば、糖尿病合併症、循環器疾患、又は炎症性疾患等;具体的には、高血圧症;うっ血性心不全、狭心症又は心筋梗塞等の心血管疾患;動脈硬化症;糖尿病性腎症;慢性腎臓病;末梢動脈障害;糖尿病性網膜症;メタボリックシンドローム;又はリウマチ、変形性関節症、クローン病、潰瘍性大腸炎、腎炎、非アルコール性脂肪性肝炎等の各種炎症性疾患等;の治療に使用できる。
式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている賦形剤、即ち、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、通常使用されている方法によって調製することができる。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、関節内、静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、1種又は2種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、及び/又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等のような崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水又はエタノールを含む。当該液体組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤は、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を含有する。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はオリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、又はポリソルベート80(局方名)等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解又は懸濁して使用することもできる。
外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリーム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ローション剤、点眼剤、眼軟膏等を包含する。一般に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含有する。例えば、軟膏又はローション基剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、白色ワセリン、サラシミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウロマクロゴール、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体又は半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば公知の賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは医薬的に許容し得る担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は多数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、クロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001〜100 mg/kg、好ましくは0.1〜30 mg/kg、更に好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2回〜4回に分けて投与する。静脈内投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001〜10 mg/kgが適当で、1日1回〜複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001〜100 mg/kgを1日1回〜複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
式(I)の化合物又はその塩は、前述の式(I)の化合物が有効性を示すと考えられる疾患の種々の治療剤又は予防剤と併用することができる。当該併用は、同時投与、或いは別個に連続して、若しくは所望の時間間隔をおいて投与してもよい。同時投与製剤は、配合剤であっても別個に製剤化されていてもよい。
以下、実施例に基づき、式(I)の化合物又はその塩の製造法をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また、原料化合物の製法を製造例に示す。また、式(I)の化合物の製造法は、以下に示される具体的実施例の製造法のみに限定されるものではなく、式(I)の化合物はこれらの製造法の組み合わせ、あるいは当業者に自明である方法によっても製造されうる。
製造例1
ジエトキシホスホリル酢酸 12.0 g、1−[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メタンアミン 10.3 g、WSC・HCl 12.9 g、HOBt 9.09 gおよびDMF 120 mLの混合物を室温で終夜攪拌した。反応液にEtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、1 M 塩酸、飽和NaHCO3水溶液、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=95:5)で精製し、ジエチル [2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ホスホナート 20.0 gを黄色油状物として得た。
製造例3
4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチル 15.7 gとEtOAc 100 mLの混合物に、氷冷下4 M塩化水素/EtOAc溶液 100 mLを加え、室温で、6時間攪拌した。反応液を減圧留去し、得られた固体をEtOAc 200 mLで洗浄し、N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 塩酸塩 13.0 gを無色固体として得た。
製造例4
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 塩酸塩 600 mg、6−クロロニコチン酸 tert−ブチル 492 mg、K2CO3 663 mgおよびDMSO 10 mLの混合物を100℃で、4時間攪拌した。反応液にEtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製し、6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸 tert−ブチル 490 mgを淡黄色固体として得た。
製造例5
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 塩酸塩 2.0 gにクロロホルム、TEA 1.3 mLを加え、室温で30分攪拌した。反応液に水を加え、有機層を分離後、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去し、N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 1.69 gを淡黄色固体として得た。
製造例6
4−ブロモ3−メチル安息香酸 3.0 gにDMF(1滴)、DCM 30 mLを加え、氷冷下二塩化オキザリル 2.4 mLを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧留去し、トルエンで2回共沸した。得られた残渣とTHF 30 mLの混合物に氷冷下tBuOK 1.88 gを加え、更に室温で1時間撹拌した。反応液にEtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層をbrineで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=95:5)で精製し、4−ブロモ3−メチル安息香酸 tert−ブチル 1.40 gを無色油状物として得た。
製造例7
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド350 mg、4−ブロモ3−メチル安息香酸 tert−ブチル 480 mg、酢酸パラジウム(II) 14 mg、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン 60 mg、リン酸カリウム 806 mg及び1,4−ジオキサン 8.8 mLの混合物をアルゴン雰囲気下、100℃で終夜攪拌した。反応液を冷却後、EtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製し、4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}−3−メチル安息香酸 tert−ブチル 418 mgを淡黄色非晶性固体として得た。
製造例11
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イルアセトアミド 400 mg、3−ブロモ−4−フルオロ安息香酸 tert−ブチル 474 mg、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン 0.50 mLおよびDMSO 8.0 mLの混合物を100℃で3日間攪拌した。反応液にEt
OAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製し、3−ブロモ−4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸 tert−ブチル 597 mgを淡黄色固体として得た。
製造例12
3−ブロモ−4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸 tert−ブチル 280 mg、シクロプロピルボロン酸 90 mg、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 50 mg、リン酸カリウム 334 mg及び1,4−ジオキサン 5.6 mLの混合物をアルゴン雰囲気下、100℃で終夜攪拌した。反応液をシリカゲルで濾過し、EtOAcで有機物を溶出し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=8:1)で精製し、3−シクロプロピル−4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸 tert−ブチル 98 mgを無色油状物として得た。
製造例13
5−(tert−ブトキシカルボニル)−2−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸 200 mg、塩化アンモニウム 64 mg、WSC・HCl 92 mg、HOBt 65 mg、TEA 0.17 mLおよびDMF 4.0 mLの混合物を室温で終夜攪拌した。反応液にEtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、飽和NaHCO3水溶液、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をEtOAcで固体化させ、3−カルバモイル−4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸 tert−ブチル 148 mgを無色固体として得た。
製造例14
5−(tert−ブトキシカルボニル)−2−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸 300 mg、4−メチルモルホリン 64 mg、DME 6.0 mLの混合物に、−5℃にて、クロロギ酸イソブチル 86 mgを加え、3分撹拌した。析出した白い固体をろ過で除き、ろ液を再び−5℃で冷却し、水素化ホウ素ナトリウム 102 mgと水2.0 mLの混合物をゆっくり滴下し、30分後更に、水素化ホウ素ナトリウム 102 mgと水2.0 mLの混合物をゆっくり滴下し、室温で1時間攪拌した。反応溶液を1 M塩酸で中和し、溶媒を3分の2ほど留去した後に、水およびEtOAcを加え、EtOAcで抽出した。有機層をbrineで洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1 から 1:1)で精製し、4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}−3−(ヒドロキシメチル)安息香酸tert−ブチル 139 mgを無色固体として得た。
製造例15
4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル 1.0 g、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン2.58 g、DMSO 10 mLの混合物を60℃で終夜攪拌した。反応液にEtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、クエン酸水溶液、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去し、4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−3−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル 1.68 gを淡黄色固体として得た。
製造例16
4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−3−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル 800 mg、THF 8.0 mL、1 M塩酸 8.0 mLの混合物を室温で5日間攪拌した。反応液にEtOAcおよび1M NaOH水溶液を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去し、4−(4−オキソピペリジン−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)安息香酸メチル 599 mgを淡黄色固体として得た。
製造例17
3−(2−ヒドロキシエチル)安息香酸 tert−ブチル 750 mg、塩化 4−メチルベンゼンスルホニル、772 mg、TEA 1.4 mL、DCM 15 mLの混合物に4−ジメチルアミノピリジン 41 mgを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧留去し、EtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、1 M 塩酸、飽和NaHCO3水溶液、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:1)で精製し、3−(2−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}エチル)安息香酸 tert−ブチル 660 mgを無色油状物として得た。
製造例18
4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸 10.0 g、2−メチルプロパン−2−オール 76 mL、DIBOC 21.0 g、DMAP 881 mg、DCM 200 mLの混合物を4日間室温で攪拌した。反応液に1 M塩酸、水を加え有機層分離後、飽和NaHCO3水、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=4:1)にて精製し、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸 tert−ブチルを無色油状物として得た。
製造例19
2−フルオロ−5−ホルミル安息香酸 5.30 g、2−メチル−2−ブテン 15 mL、亜塩素酸ナトリウム 10.5 g、リン酸二水素ナトリウム 3.49 g、THF 50 mL、水 10.0 mLの混合物を室温にて終夜撹拌した。反応液にEtOAc、亜硫酸水素ナトリウム水溶液、クエン酸水溶液を順次加え、EtOAcにて抽出した。有機層を水、brineで順次洗浄し、Na2SO4水溶液で洗浄し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1 から 0:1)で精製し、4−フルオロ−3−(メトキシカルボニル)安息香酸 4.22 gを淡黄色固体として得た。
製造例20
水素化ナトリウム (55wt%, 501 mg)にDME 20 mLを加え、氷冷下ジエチル (シアノメチル)ホスホナート 2.0 gのDME溶液(20 mL)をゆっくり滴下し、そのままの温度で、1時間攪拌した。次いで反応液に、氷冷下、4,4−ジメチルシクロヘキサノンのDME溶液(20 mL)をゆっくりと滴下し、室温で、更に1日攪拌した。反応液に水を加え、EtOAcで抽出した。有機層をbrineで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=4:1)で精製し、無色油状物を得た。得られた油状物にラネーニッケル 2 g、エタノール17 mL、アンモニア水溶液(28%, 1.7 mL)を加え、水素加圧下(0.3 M Pa)終夜撹拌した。セライトで濾過し、溶媒を減圧留去し、2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)エタンアミン 1.39 gを無色油状物として得た。
実施例2
水素化ナトリウム (55wt%, 1.97 g)にDME 90 mLを加え、氷冷下ジエチル [2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ホスホナート 16.2 gのDME溶液(90 mL)をゆっくり滴下し、そのままの温度で、1時間攪拌した。次いで反応液に、氷冷下tert−ブチル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシラートのDME溶液(90 mL)をゆっくりと滴下し、室温で、更に4.5時間攪拌した。反応液に水(500 mL)を加え、EtOAcで抽出した。有機層をbrineで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製し、4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチル15.7 gを無色固体として得た。
実施例3
6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸 tert−ブチル 490 mg、TFA 4.0 mL、DCM 8.0 mLの混合物を室温にて終夜攪拌した。反応液を減圧留去した後、水、クロロホルムで希釈後、飽和NaHCO3水で中和した。有機層を分離後、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=95:5)で精製し、6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸 396 mgを無色固体として得た。
実施例4
6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸 240 mg、Pd炭素 34 mg、THF 5.0 mLの混合物を、水素雰囲気下2日間攪拌した。反応液をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=9:1)で精製し、EtOAcで固体化させ、6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸 141 mgを無色固体として得た。
実施例5
4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}−3−メチル安息香酸 tert−ブチル 380 mg、TFA 3.0 mL、DCM 5.0 mLの混合物を室温で4.5時間攪拌した。反応液を減圧留去した後、水、クロロホルムで希釈後、飽和NaHCO3水で中和した。有機層を分離後、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=95:5)で精製した。得られた残渣にEtOAc 5.0 mL、4 M塩化水素/EtOAc溶液を加え、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をアセトニトリルで固体化させ、4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}−3−メチル安息香酸 塩酸塩 313 mgをベージュ色固体として得た。
実施例6
4−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]シクロヘキシル}オキシ)安息香酸メチル 420 mg、1 M NaOH水溶液 1.1 mL、THF 3.0 mL、EtOH 3.0 mLの混合物を60℃で終夜攪拌した。反応液を室温まで冷却し、1 M 塩酸で中和し、溶媒を減圧留去し、生じた固体を濾取し、4−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]シクロヘキシル}オキシ)安息香酸 563 mgを無色固体として得た。
実施例7
2−(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}シクロヘキシリデン)−N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アセトアミド 12.9 gにTHF 120 mL、1 M塩酸 120 mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧留去した後、クロロホルムを加え、飽和水および1 MNaOH水溶液で中和した。有機層を分離後、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=94:6)で精製し、N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシリデン)アセトアミド 9.20 gを無色固体として得た。
実施例8
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−(4−ヒドロキシシクロヘキシリデン)アセトアミド 300 mg、3−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル 210 mg、トリフェニルホスフィン 324 mg の混合物に、氷冷下、DEAD(トルエン溶液, 40%, ca.2.2M, 0.56 mL)を加え、氷冷下1時間攪拌後、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製し、4−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]シクロヘキシル}オキシ)−3−フルオロ安息香酸メチル 225 mgを無色固体として得た。
実施例9
4−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]シクロヘキシル}オキシ)−3−フルオロ安息香酸メチル 195 mg、1 M NaOH水溶液 0.53 mL、THF 2.0 mL及びMeOH 2.0 mLの混合物を60℃で終夜攪拌した。反応液を冷却後、1 M塩酸で中和し溶媒を減圧留去した。得られた残渣を水で希釈し、クロロホルムで抽出し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=92:8)で精製し、EtOAcで固体化させ、4−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]シクロヘキシル}オキシ)−3−フルオロ安息香酸 114 mgを無色固体として得た。
実施例10
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 塩酸塩 500 mg、1−(クロロスルホニル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル 429 mg、TEA 0.67 mL及びDCM 10 mLの混合物を室温で2時間攪拌した。反応液をクロロホルムで希釈後、水で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=98:2)で精製し、1−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}スルホニル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル 647 mgを無色固体として得た
実施例11
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 塩酸塩 350 mg、3−(ブロモメチル)安息香酸メチル 308 mg、K2CO3 387 mg及びDMF 10 mLの混合物を室温で、5時間攪拌した。反応液にEtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH=95:5)で精製し、3−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}メチル)安息香酸メチル 444 mgを無色油状物として得た。
実施例14
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 250 mg、4−ホルミル−3−メチル安息香酸メチル 322 mg、酢酸 0.15 mL、水素化ホウ素トリアセトキシナトリウム 288 mg、1,2−ジクロロエタン 15 mLの混合物を終夜攪拌した。反応液に1 M NaOH水溶液 25 mLを加えEtOAcで抽出し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=8:1)で精製し、4−({4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}メチル)−3−メチル安息香酸メチル 341 mgを淡黄色固体として得た。
実施例15
N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イリデンアセトアミド 塩酸塩 10.0 g、Pd炭素 1.0 g、TEA 4.5 mL、MeOH 100 mLの混合物を、水素雰囲気下2時間攪拌した。反応液をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。残渣にEtOAcおよびK2CO3水溶液を加え、EtOAcにて抽出した。有機層をNa2SO4で洗浄し、溶媒を減圧留去し、N−{[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}−2−ピペリジン−4−イルアセトアミド 7.27 gを無色固体として得た。
実施例16
5−クロロ−6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエル]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸 tert−ブチル 370 mg、TFA 3.7 mL、DCM 3.7 mLの混合物を室温にて4時間撹拌した。反応液を減圧留去し、EtOAcを加え、生じた固体をろ別、乾燥し、5−クロロ−6−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエル]ピペリジン−1−イル}ニコチン酸 トリフルオロ酢酸塩 215 mgを無色固体として得た。
実施例17
4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチリデン]ピペリジン−1−イル}安息香酸 塩酸塩 300 mgにEtOAcおよび水を加え、K2CO3、クエン酸を順次加えフリー体とし、有機層をEtOAcで抽出し、水、brineで順次洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣にPd炭素 30 mg、THF 3 mLを加え、水素雰囲気下終夜攪拌した。反応液をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去し、EtOAcとヘキサンで洗浄し、4−{4−[2−({[(1S,2R,5S)−6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル]メチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピペリジン−1−イル}安息香酸 218 mgを無色固体として得た。
実施例101
{1−[4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−4−イル}酢酸 300 mg、2−フェニルエチルアミン 113 mg、WSC・HCl 178 mg、HOBt 126 mgおよびDMF 3.0 mLの混合物を室温で終夜攪拌した。反応液にEtOAcおよび水を加え、EtOAcで抽出し、有機層を水、1 M 塩酸、飽和NaHCO3水溶液、brineで順次洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)で精製し、無色固体を得た。得られた固体にTFA 3.2 mL、DCM 3.2 mLの混合物を室温にて4時間攪拌した。反応液を減圧留去し、ジエチルエーテルとヘキサンにて固体化させ、4−(4−{2−オキソ−2−[(2−フェニルエチル)アミノ]エチル}ピペリジン−1−イル)−3−(トリフルオロメチル)安息香酸 227 mgを無色固体として得た。
上述の実施例又は製造例の方法と同様にして、後記表に示す実施例及び製造例の化合物を製造した。実施例及び製造例の化合物について、構造を表3〜表31に、物理化学的データ及び製造法を表32〜表36に示す。表中、Prは製造例番号、Exは実施例番号を表す。Noの欄は、実施例又は製造例番号を記載する。Refの欄には、参考にして製造できる実施例又は製造例番号を記載する。Strは構造式を表す。Dataの欄は、1H−NMR及び/又はMSデータを記載する。NMRは、DMSO−d6中での1H−NMRデータを表す。ESI及びEIは、それぞれエレクトロスプレーイオン化法による質量分析値、電子イオン化法による質量分析値を表し、ESIおよびEIデータの+又は未記載の場合にはポジティブを意味する。APCIは、大気圧化学イオン化法質量分析を示し、APCI/ESIはAPCIとESIで同時測定された質量分析値を意味する。

Figure 2011016743



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式(I)の化合物又はその塩は、sEHに関与する疾患、例えば、糖尿病合併症、循環器疾患、及び/又は炎症性疾患等;具体的には、高血圧症、心血管疾患、動脈硬化症、糖尿病性腎症、慢性腎臓病、末梢動脈障害、糖尿病性網膜症、メタボリックシンドローム、及び/又は各種炎症性疾患等;の予防及び/又は治療剤として使用できる。

Claims (3)

  1. 式(I)の化合物又はその塩。
    Figure 2011016743

    (式中、
    1は、ヘテロシクロアルキル、同一又は異なった1から5個の低級アルキル又はハロゲンで置換されていてもよいC6-12シクロアルキル、あるいは、同一又は異なった1から5個のハロゲンで置換されていてもよいアリールであり、
    kは、0又は1であり、
    mは、0又は1であり、
    nは、0又は1であり、
    Xは、N又はCHであり、
    ここで、XがNの場合、
    Aは、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいアリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいヘテロアリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−C(=O)−アリール、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−低級アルキレン−アリール、−C(=O)O−低級アルキル、
    あるいは、式(II)
    Figure 2011016743

    の基であり、
    ここで、XがCHの場合、
    Aは、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−O−アリール、あるいは、同一又は異なった1から5個の低級アルキルで置換されていてもよい−O−SiH3であり、
    Yは、O、NH、又はCH2であり、
    Aは、−C(=O)O−低級アルキル、−C(=O)OH、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−C(=O)OH、ハロゲン、C3-6シクロアルキル、低級アルキルで置換されていてもよい−C(=O)NH2、又は、ハロゲンで置換されていてもよい低級アルキルであり、
    −−−−は、二重結合又は単結合である。)
  2. 1が、2個のメチルで置換されているビシクロ[3.1.1]ヘプチルであり、
    Xが、Nであり、
    Aが、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいフェニル、あるいは、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよいピリジルである請求項(I)に記載の化合物又はその塩。
  3. 1が、2個のメチルで置換されているビシクロ[3.1.1]ヘプチルであり、
    Xが、CHであり、
    Aが、同一又は異なった1から5個のRAで置換されていてもよい−O−フェニルである請求項1に記載の化合物又はその塩。
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