JP2011016417A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ランフラット耐久性を損なうことなく通常走行時の乗り心地を向上させる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】サイド補強層を具える空気入りタイヤであって、該サイド補強層を構成するゴム組成物が、加硫ゴム物性において、動歪1%、25℃における動的貯蔵弾性率(E’)が10MPa以下であり、且つ該カーカス層を構成するコードが、下記式(I)及び(II)、
σ≧−0.01×E+1.2 (I)
σ≧0.02 (II)
[上記式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である。]
で表される関係を満足する繊維を含むことを特徴とする空気入りタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、加硫ゴム特性において、動的貯蔵弾性率(E’)がある値以下であるゴム組成物をサイド補強層に用い、且つ特定の熱収縮応力を有する繊維を特定質量%以上含むコードをカーカス層に用いてなる空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤ、特にランフラットタイヤにおいて、サイドウォール部の剛性向上のために、ゴム組成物単独又はゴム組成物と繊維等の複合体によるサイド補強層が配設されている。(例えば、特許文献1参照)
空気入りタイヤは、パンク等によりタイヤの内部圧力(以下、内圧という)が低下した場合での走行、いわゆるランフラット走行状態になると、タイヤのサイドウォール部やビードフィラーの変形が大きくなり、発熱が進み、場合によっては200℃以上に達する。このような状態では、サイド補強層を具えた空気入りタイヤであっても、サイド補強層が破壊限界を超え、タイヤ故障に至る。
このような故障に至るまでの時間を長くする手段として、サイド補強層に用いるゴム組成物に硫黄を高配合し、ゴム組成物を高弾性化することにより、タイヤのサイドウォール部の変形量を抑える手法があるが、タイヤの通常走行時の転がり抵抗が高くなり低燃費性が低下する問題がある。
これに対し、特許文献2では、各種変性共役ジエン−芳香族ビニル共重合体及び耐熱向上剤等を含有するゴム組成物をサイド補強層に用いることが提案されている。
さらに、特許文献3では、特定の共役ジエン系重合体とフェノール系樹脂を含有するゴム組成物をサイド補強層に用いることが提案されている。
これらは、いずれもサイド補強層に用いたゴム組成物の弾性率を高くすると共に、高温時の弾性率低下を抑えることを目的としたものであり、ランフラット耐久性の大幅な改良が得られるものの、通常走行時の乗り心地が著しく悪化してしまう。
一方、上記故障に至るまでの時間を稼ぐ手段として、配設するサイド補強層の最大厚さを増大するなど、ゴムの体積を増大させるものがあるが、このような方法をとると、通常走行時の乗り心地が悪化するばかりでなく、重量の増加及び騒音レベルの増大などの好ましくない事態までもが発生する。
前述の事態、例えば乗り心地の悪化を回避するために、配設するサイド補強層の体積を減少させると、ランフラット時の荷重を支えきれず、ランフラット時にタイヤのサイドウォール部分の変形が非常に大きくなり、ランフラット耐久性が著しく低下する問題があった。
特開平11−310019号公報 WO02/02356パンフレット 特開2004−74960号公報
本発明は、このような状況下で、ランフラット耐久性を改良すると共に、通常走行時の乗り心地を向上させる空気入りタイヤを提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記の好ましい性質を有する空気入りタイヤを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、加硫ゴム物性において、動的貯蔵弾性率(E’)がある値以下であるゴム組成物をサイド補強層に用いると共に、特定の熱収縮応力を有する繊維を特定質量%以上含むコードをカーカス層に用いることにより、上記課題を解決し得る空気入りタイヤが得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]サイド補強層を具える空気入りタイヤであって、該サイド補強層を構成するゴム組成物が、加硫ゴム物性において、動歪1%、25℃における動的貯蔵弾性率(E’)が10MPa以下であり、且つ該カーカス層を構成するコードが、下記式(I)及び(II)、
σ≧−0.01×E+1.2 (I)
σ≧0.02 (II)
[上記式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である。]
で表される関係を満足する繊維を含むことを特徴とする空気入りタイヤ、
[2]ビードコア、カーカス層、トレッドゴム層、インナーライナー、サイド補強層及びビードフィラーを具える上記[1]に記載の空気入りタイヤ、
[3]前記繊維がポリケトン繊維である上記[1]又は[2]に記載の空気入りタイヤ、
[4]前記カーカス層を構成するコードが、前記繊維を少なくとも50質量%含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[5]前記ゴム組成物の正接損失tanδの28〜150℃におけるΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]が5.0以下である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[6]前記ゴム組成物が、ゴム成分と、該ゴム成分100質量部に対して50質量部以下のカーボンブラックとを含む上記[1]〜[5]のいずれかの空気入りタイヤ、
[7]前記カーボンブラックが、FEF、HAF、IISAF、N339及びISAFからなる群から選択される少なくとも1種である上記[6]の空気入りタイヤ、
[8]前記ゴム成分が、変性共役ジエン系重合体を含む上記[1]〜[7]のいずれかの空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、
(1)サイド補強層を構成するゴム組成物が、加硫ゴム物性において、動歪1%、25℃における動的貯蔵弾性率(E’)が10MPa以下であり、且つカーカス層を構成するコードが、177℃における熱収縮応力σが上記式(I)及び(II)で表される関係を満足する繊維を含むことにより、ランフラット耐久性を改良すると共に、通常走行時の乗り心地を向上させることができる。
(2)ポリケトン繊維コードは、従来のカーカスに用いられていたレーヨン等のセルロース系の繊維コードと重量が同等であるので、カーカス層を構成するコードとして、ポリケトン繊維コードを用いることにより、タイヤ重量を増加させず、タイヤの乗り心地を悪化させないで、ランフラット耐久性を向上させることができる。
上記ポリケトン繊維コードは、高温における熱収縮応力が大きいため、タイヤが高温になるランフラット走行時において、初期の比較的タイヤの歪が小さい時から高い剛性を発揮し、タイヤのサイドウォール部の径方向の曲げ剛性を上昇させて、タイヤの撓みを抑制し、その結果として、タイヤのランフラット耐久性を向上させることができる。一方、上記ポリケトン繊維コードは、通常走行時のコード伸張方向のタイヤの歪が小さい時には、低剛性であるため、通常走行時のタイヤの縦バネを上昇させることが無い。
(3)サイド補強層を構成するゴム組成物の正接損失tanδの28〜150℃におけるΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]が5.0以下であることにより、ランフラット走行時の発熱を大幅に抑えることができるために、サイド補強ゴム層のゲージを薄くすることができ、薄ゲージにしてもランフラット性の確保が可能となり、軽量化と共に更なる低発熱化により低燃費性も向上する。
(4)サイド補強層を構成するゴム組成物が、ゴム成分と、該ゴム成分100質量部に対して50質量部以下のカーボンブラックとを含むことにより、すなわち、充填材の低充填化により低発熱化が可能となる。
(5)さらに、ゴム成分として変性共役ジエン系重合体(アミン変性、特に第一アミン変性共役ジエン系重合体)を用いることでカーボンブラックの分散性を向上させ発熱を抑えることが可能となる。
(6)前述のようにランフラット走行により加硫ゴムの温度が上昇する。温度上昇にしたがってその力学特性(破断応力、破断伸びなど)が大幅に低下し破壊に至る。しかしながら上記(1)及び(3)項の効果によって本発明のタイヤに用いられるゴム組成物はランフラット走行時の発熱を大幅に抑えることができるために、サイド補強ゴム層のゲージを薄くすることができ、薄ゲージにしてもランフラット性の確保が可能となり、軽量化と共に更なる低発熱化により低燃費性も向上する。
本発明の空気入りタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。 ゴム組成物の加硫ゴム物性におけるΣtanδ(28〜150℃)を求めるための説明図である。
[空気入りタイヤ]
先ず、本発明の空気入りタイヤを以下、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。
本発明の空気入りタイヤは、サイド補強層を具える空気入りタイヤであって、好ましくは、ビードコア、カーカス層、トレッドゴム層、インナーライナー、サイド補強層及びビードフィラーを具える空気入りタイヤである。
図1において、本発明の空気入りタイヤの好適な実施態様は、一対のビードコア1、1'(1’は図示せず)間にわたってトロイド状に連なり、両端部が該ビードコア1をタイヤ内側から外側へ巻き上げられる少なくとも1枚のラジアルカーカスプライからなるカーカス層2と、該カーカス層2のサイド領域のタイヤ軸方向外側に配置されて外側部を形成するサイドゴム層3と、該カーカス層2のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配置されて接地部を形成するトレッドゴム層4と、該トレッドゴム層4と該カーカス層2のクラウン領域の間に配置されて補強ベルトを形成するベルト層5と、該カーカス層2のタイヤ内方全面に配置されて気密膜を形成するインナーライナー6と、一方の該ビードコア1から他方の該ビードコア1'へ延びる該カーカス層2本体部分と該ビードコア1に巻き上げられる巻上部分との間に配置されるビードフィラー7と、該カーカス層のサイド領域の該ビードフィラー7側部からショルダー区域10にかけて、該カーカス層2と該インナーライナー6との間に、タイヤ回転軸に沿った断面形状が略三日月形である、少なくとも1枚のサイド補強層8とを具える空気入りタイヤである。この空気入りタイヤのサイド補強層8に本発明に係るゴム組成物を用いることにより、本発明の空気入りタイヤは、上述の作用効果を奏することができる。
[ゴム組成物]
前述した本発明の空気入りタイヤにおいては、サイド補強層8に、加硫ゴム物性において、動歪1%、25℃における動的貯蔵弾性率(E’)が10MPa以下であるゴム組成物を用いることを要する。この動歪1%、25℃における動的貯蔵弾性率(E’)が10MPaを超えると、通常走行時におけるタイヤが撓みにくくなり乗り心地性が低下する。
なお、ランフラット耐久性と乗り心地性の両立の観点から、動的貯蔵弾性率(E’)は3MPa以上が好ましく、さらに好ましい動的貯蔵弾性率(E’)は3〜9MPaであり、特に好ましい動的貯蔵弾性率(E’)は3〜8MPaである。
なお、上記動的貯蔵弾性率(E’)の測定方法は、後述する。
また、上記加硫ゴム物性として、正接損失tanδの28℃〜150℃におけるΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]が5.0以下であることが好ましい。このtanδのΣ値が5.0を超えると、ランフラット走行時のタイヤの発熱が大きく、タイヤのランフラット走行耐久性が低下する。Σ値[Σtanδ(28〜150℃)]の下限に特に制限はないが、通常3程度である。
なお、上記Σ値[Σtanδ(28〜150℃)]の測定方法は、後述する。
[カーカス層を構成するコード]
本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカス層を構成するコードが、下記式(I)及び(II)、
σ≧−0.01×E+1.2 (I)
σ≧0.02 (II)
[上記式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である。]
で表される関係を満足する繊維を含むことを要する。
カーカス層に用いるコードが上記式(I)を満足しない場合は、熱収縮応力σが大きいものの弾性率Eが低いコードを使用すると、ランフラット走行時のタイヤの撓みを十分に抑制することができず、タイヤのランフラット耐久性が低下し、一方、弾性率Eが高いものの熱収縮応力σが小さいコードを使用すると、通常走行時のタイヤの縦バネが大きくなり、通常走行時のタイヤの乗り心地が悪化する。また、使用するコードの177℃における熱収縮応力σが0.02cN/dtex未満では、ランフラット走行時のたわみ量が大きくなってしまい、ランフラット耐久距離が短くなってしまう。
ここで、上記繊維コードは、177℃における熱収縮応力σが1.5cN/dtex以下であることが好ましい。繊維コードの177℃における熱収縮応力σが1.5cN/dtexを超えると、加硫時の収縮力が大きくなり過ぎ、結果的に、タイヤ内部のコード乱れやゴムの配置乱れを引き起こし、耐久性の悪化やユニフォミティーの悪化を招いてしまう。また、上記繊維コードは、ランフラット走行時のタイヤの変形を十分に抑制する観点から、177℃における熱収縮応力σが0.20cN/dtex以上であることが好ましく、ランフラット走行時のタイヤの変形を確実に抑制する観点から、177℃における熱収縮応力σが0.30cN/dtex以上であることが更に好ましく、0.4cN/dtex超であることがより一層好ましい。なお、熱収縮応力σが高い程、ランフラット走行時のタイヤの変形を抑制する効果が高い。更に、上記繊維コードは、ランフラット走行時のタイヤの変形を十分に抑制する観点から、25℃における49N荷重時の弾性率Eが30cN/dtex以上であることが好ましく、ランフラット走行時のタイヤの変形を確実に抑制する観点から、49N荷重時の弾性率Eが80cN/dtex以上であることが更に好ましい。また更に、上記繊維コードは、耐疲労性を十分に確保する観点から、25℃における49N荷重時の弾性率Eが170cN/dtex以下であることが好ましく、耐疲労性を良好にする観点から、49N荷重時の弾性率Eが160cN/dtex以下であることが更に好ましく、150cN/dtex以下であることが特に好ましい。
また、本発明においては、上記カーカス層を構成するコードが、下記式(III)、(IV)、
N=n×(0.125×D/ρ)1/2×10-3 (III)
0.34≦N (IV)
(上記式中、Nは上撚り係数、nは上撚り数(回/10cm)であり、Dはコードの総デシテックス数(dtex)であり、ρは繊維コードの比重(g/cm3)である。)で表される関係を満足することがより好ましく、また、上記上撚り係数Nが、下記式(V)
0.55≦N≦0.90 (V)
で表される関係を満足することがさらに好ましい。
また、上記カーカス層を構成するコードの打込み本数が、30〜60本/50mmであることが好ましく、さらにまた、上記カーカス層を構成するコードが、繊度500〜2000のフィラメント束を撚ったものからなることが好ましい。
また、上記コードに含まれる繊維の原糸における引張強度が10cN/dtex以上で、弾性率が200cN/dtex以上で、且つ、接着剤処理後の150℃×30分間乾熱処理時の熱収縮率が1〜5%の範囲であることが好ましい。
また、上記カーカス層を構成するコードに含まれる上記式(I)及び(II)で表される関係を満足する繊維がポリケトン繊維であることが好ましい。ポリケトン繊維は、高温下で収縮し、室温に戻すと伸張する可逆性を有するので、上記式(I)及び(II)で表される関係を好適に満足することができる。
また、20℃と177℃での熱収縮応力の差が0.20cN/dtex以上、好ましくは0.25cN/dtex以上の可逆的なポリケトン繊維コードを用いることにより、通常走行時での乗り心地性及びランフラット走行時での耐久性を更に高めることができるので好ましい。
本発明の空気入りタイヤにおいては、カーカス層を構成するコードが、上記式(I)及び(II)で表される関係を満足する繊維、特にポリケトン繊維を少なくとも50質量%含むことが好ましい。上記式(I)及び(II)で表される関係を満足する繊維を50質量%以上含むことにより、タイヤ重量を増加させず、タイヤの乗り心地を悪化させないで、より好適にランフラット耐久性を向上させることができるからである。
上記ポリケトン繊維が、下記一般式(a)
Figure 2011016417
(式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一でも異なっていても良い)で表される繰り返し単位から実質的になることが好ましく、上記一般式(a)中のAがエチレン基であることが好ましい。
また、上記ポリケトン繊維の中でも、繰り返し単位の97モル%以上が1−オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンが好ましく、99モル%以上が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
上記ポリケトン繊維の原料のポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していても良いが、不飽和化合物由来の部分とケトン基が交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記一般式(a)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン,ブテン,ペンテン,シクロペンテン,ヘキセン,シクロヘキセン,ヘプテン,オクテン,ノネン,デセン,ドデセン,スチレン,アセチレン,アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,ビニルアセテート,アクリルアミド,ヒドロキシエチルメタクリレート,ウンデセン酸,ウンデセノール,6−クロロヘキセン,N−ビニルピロリドン,スルニルホスホン酸のジエチルエステル,スチレンスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナトリウム,ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であっても良い。
更に、上記ポリケトンの重合度としては、下記式(b)、
Figure 2011016417
(式中、t及びTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノール及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり;cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である。)で定義される極限粘度[η]が1〜20dL/gの範囲にあることが好ましく、2〜10dL/gの範囲にあることが更に好ましく、3〜8の範囲にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時及び延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間及びコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性及び物性に悪影響が出ることがある。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度及び倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)又は(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載のようなヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載のような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン,エタノール,イソプロパノール,n−ヘキサン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、更に脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、更に、該未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行っても良いが、多段で行うことが好ましい。該熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲が好ましく、総延伸倍率は、10倍以上であることが好ましい。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。ここで、熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留が大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
上記のようにして得られたポリケトン繊維コードをコーティングゴムで被覆することで、上記カーカスプライに用いるコード/ゴム複合体を得ることができる。ここで、ポリケトン繊維コードのコーティングゴムとしては、特に制限は無く、従来のカーカスプライに用いていたコーティングゴムを用いることができる。なお、ポリケトン繊維コードのコーティングゴムによる被覆に先立って、ポリケトン繊維コードに接着剤処理を施し、コーティングゴムとの接着性を向上させても良い。
(充填材)
本発明に係るゴム組成物においては、ゴム成分と、そのゴム成分100質量部に対して50質量部以下のカーボンブラックとを含むことが好ましい。カーボンブラックの量が50質量部を超えると充分な低発熱性、及び低弾性等の効果が発揮されず、得られるゴム組成物の加硫ゴム物性において、動歪1%、25℃における動的貯蔵弾性率(E’)が10MPa以下にならない場合がある。また、カーボンブラックの量が多すぎると、得られるゴム組成物の加硫ゴム物性において、正接損失tanδの28℃〜150℃におけるΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]が5.0以下にならない場合がある。従って、当該カーボンブラックのより好ましい量は30〜50質量部であり、特に好ましくは40〜48質量部である。カーボンブラックの量が30重量部以上であればゴムの破壊強度が確保され、ランフラット耐久性が損なわれない。
ここで、カーボンブラックとしては、得られるゴム組成物の加硫ゴム物性が上記の加硫ゴム物性を好適に満たすためには、FEF、HAF、IISAF、N339及びISAFからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。カーボンブラックは1種を単独に又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に係るゴム組成物においては、上述のカーボンブラックに加えて、又は上述のカーボンブラックの一部を置換して、シリカ及び一般式(V)
nM・xSiOy・zH2O・・・・・・・・(V)
[式中,Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及び上記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y、及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。]で表される無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種を配合しても良い。
シリカは特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが好ましい。シリカは1種を単独に又は2種以上を混合して使用することができる。
上記一般式(V)で表わされる無機充填材は、具体的には、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al23)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。
また、一般式(V)で表される無機充填材としては、Mがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及びアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一種のものが好ましい。
上述のシリカ及び/又は一般式(V)で表される充填材は、1種を単独に又は2種以上を混合して使用することができる。
(ゴム成分)
本発明に係るゴム組成物に含まれるゴム成分としては、共役ジエン系重合体を変性した変性共役ジエン系重合体を用いることが好ましく、アミン変性したアミン変性共役ジエン系重合体を用いることが特に好ましい。このような変性共役ジエン系重合体を好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上の割合で含むものを用いることができる。ゴム成分が上記変性共役ジエン系重合体を30質量%以上含むことにより、得られるゴム組成物は低発熱化し、サイド補強層のゲージを薄くすることができランフラット走行耐久性を損なうことなく通常走行時の乗り心地性が向上した空気入りタイヤ与えることができる。
この変性共役ジエン系重合体としては、分子内に、変性用官能基として、スズ原子、窒素原子及び珪素原子の少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
上記分子中にスズ原子の少なくともひとつを含む化合物が、四塩化スズ、トリブチルスズクロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド及び塩化トリフェニルスズが好ましく挙げられる。
上記分子中に窒素原子の少なくともひとつを含む化合物が、イソシアネート系化合物、アミノベンゾフェノン化合物、尿素誘導体、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
変性共役ジエン系化合物としては、アミン変性共役ジエン系重合体が好ましく、分子内に、変性用官能基として、アミン系官能基であるプロトン性アミノ基及び/又は脱離可能基で保護されたアミノ基を導入したものが好ましく、さらにケイ素原子を含む官能基を導入したものが好ましく挙げられる。
上記ケイ素原子を含む官能基としては、ケイ素原子にヒドロカルビルオキシ基及び/又はヒドロキシ基が結合してなるシラン基を挙げることができる。
このような変性用官能基は、共役ジエン系重合体の重合開始末端、側鎖及び重合活性末端のいずれかに存在すれば良いが、本発明においては、好ましくは重合末端、より好ましくは同一重合活性末端に、プロトン性アミノ基及び/又は脱離可能基で保護されたアミノ基と、ヒドロカルビルオキシ基及び/又はヒドロキシ基が結合したケイ素原子、特に好ましくは、1又は2個のヒドロカルビルオキシ基及び/又はヒドロキシ基が結合したケイ素原子とを有するものである。
上記プロトン性アミノ基としては、第一アミノ基、第二アミノ基及びそれらの塩の中から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
一方、脱離可能基で保護されたアミノ基としては、例えばN,N−ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ基及びN−(トリヒドロカルビルシリル)イミノ基を挙げることができ、好ましくはヒドロカルビル基が炭素数1〜10のアルキル基であるトリアルキルシリル基を挙げることができ、特に好ましくはトリメチルシリル基を挙げることができる。
脱離可能基で保護された第一アミノ基(保護化第一アミノ基ともいう。)の例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ基を挙げることができ、脱離可能基で保護された第二アミノ基の例としてはN−(トリメチルシリル)イミノ基を挙げることができる。このN−(トリメチルシリル)イミノ基含有基としては、非環状イミン残基、及び環状イミン残基のいずれであっても良い。
上記したアミン変性共役ジエン系重合体のうち、第一アミノ基で変性された第一アミン変性共役ジエン系重合体としては、共役ジエン系重合体の活性末端に、保護化第一アミン化合物を反応させて得られた、保護化第一アミノ基で変性された第一アミン変性共役ジエン系重合体が好適である。
<共役ジエン系重合体>
変性に用いる共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物単独重合体であっても良く、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体であっても良い。
上記共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上組み合わせて用いても良いが、これらの中で、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良いが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
上記共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体が好ましく、ポリブタジエンが特に好ましい。
共役ジエン系重合体の活性末端に、保護化第一アミンを反応させて変性させるには、該共役ジエン系重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性又は擬似リビング性を有するものが好ましい。このようなリビング性を有する重合反応としては、有機アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させる反応か、あるいは有機溶媒中でランタン系列希土類元素化合物を含む触媒による共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを配位アニオン重合させる反応が挙げられる。前者は、後者に比較して共役ジエン部のビニル結合含有量の高いものを得ることができるので好ましい。ビニル結合量を高くすることによって耐熱性を向上させることができる。
上述のアニオン重合の開始剤として用いられる有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物が好ましい。有機リチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いられ、前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、且つ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えばリチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。これらの中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド等の環状リチウムアミドが好ましく、特にリチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、第二アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−Situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
上記有機リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、上記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の活性末端を有する共役ジエン系重合体が得られる。
また、有機リチウム化合物を重合開始剤として用いた場合には、前述のランタン系列希土類元素化合物を含む触媒を用いた場合に比べ、活性末端を有する共役ジエン系重合体のみならず、活性末端を有する共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体も効率よく得ることができる。
上記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、2−へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
また、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は55質量%以下の範囲が好ましい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばスチレン−ブタジエン共重合体におけるブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加等、あるいは芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばスチレン−ブタジエン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化等の作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、オキソラニルプロパンオリゴマー類[特に2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパンを含む物等]、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタン等のエーテル類及び第三アミン類等を挙げることができる。また、カリウムtert−アミレート、カリウムtert−ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウムtert−アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。また、その使用量は、リチウム化合物1モル当たり、好ましくは0.01〜1000モル当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
<変性剤>
本発明においては、上記のようにして得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体の活性末端に、変性剤として、例えば、スズ原子は、四塩化スズ、トリブチルスズクロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、塩化トリフェニルスズなどのスズ化合物によって導入できる。 窒素原子は、2,4−トリレンジイソシアナート、ジイソシアナートジフェニルメタンなどのイソシアネート系化合物;4,4'ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのアミノベンゾフェノン化合物、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジンなどの尿素誘導体、その他、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどの窒素含有化合物によって導入することができる。 珪素原子は、アルコキシシランやアミノアルコキシシランなどの末端変性剤によって導入することができる。 具体的には、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキリシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシランなどが挙げられる。
特に好ましい変性剤として、保護化第一アミン化合物を反応させることにより、第一アミン変性共役ジエン系重合体を製造することができる。上記保護化第一アミン化合物としては、保護化第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物が好適である。
当該変性剤として用いられる保護化第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えばN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等を挙げることができ、好ましくは、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン又は1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンである。
また、変性剤としては、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(メチル)ジエトキシシランなどの保護化第二アミノ基を有するアルコキシシラン化合物;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどのイミノ基を有するアルコキシシラン化合物;3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シランなどのアミノ基を有するアルコキシシラン化合物なども挙げられる。
これらの変性剤は、一種単独で用いても良く、二種以上組み合わせて用いても良い。またこの変性剤は部分縮合物であっても良い。
ここで、部分縮合物とは、変性剤のSiORの一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。
上記変性剤による変性反応において、該変性剤の使用量は、好ましくは0.5〜200mmol/kg・共役ジエン系重合体である。同使用量は、さらに好ましくは1〜100mmol/kg・共役ジエン系重合体であり、特に好ましくは2〜50mmol/kg・共役ジエン系重合体である。ここで、共役ジエン系重合体とは、製造時又は製造後、添加される老化防止剤等の添加剤を含まないポリマーのみの質量を意味する。変性剤の使用量を上記範囲にすることによって、充填材、特にカーボンブラックの分散性に優れ、加硫後の耐破壊特性、低発熱性が改良される。
なお、上記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法等が挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
また、変性剤は、重合開始末端や重合終了末端以外に重合体主鎖や側鎖のいずれに結合させることもできるが、重合体末端からエネルギー消失を抑制して低発熱性を改良しうる点から、重合開始末端あるいは重合終了末端に導入されていることが好ましい。
<縮合促進剤>
本発明では、上記した変性剤として用いる保護化第一アミノ基を有するアルコキシシラン化合物が関与する縮合反応を促進するために、縮合促進剤を用いることが好ましい。
このような縮合促進剤としては、第三アミノ基を含有する化合物、又は周期律表(長周期型)の3族、4族、5族、12族、13族、14族及び15族のうちのいずれかの属する元素を一種以上含有する有機化合物を用いることができる。さらに縮合促進剤として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有する、アルコキシド、カルボン酸塩、又はアセチルアセトナート錯塩であることが好ましい。
ここで用いる縮合促進剤は、上記変性反応前に添加することもできるが、変性反応の途中及び又は終了後に変性反応系に添加することが好ましい。変性反応前に添加した場合、活性末端との直接反応が起こり、活性末端に保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビロキシ基が導入されない場合がある。
縮合促進剤の添加時期としては、通常、変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。
縮合促進剤としては、具体的には、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンオリゴマー、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、ビス(オレート)ビス(2−エチルヘキサノエート)チタン、チタンジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタントリブトキシステアレート、チタントリプロポキシステアレート、チタントリプロポキシアセチルアセトネート、チタンジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリプロポキシ(エチルアセトアセテート)、チタンプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタントリブトキシアセチルアセトネート、チタンジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリブトキシエチルアセトアセテート、チタンブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタンオキサイド、ビス(ラウレート)チタンオキサイド、ビス(ナフテネート)チタンオキサイド、ビス(ステアレート)チタンオキサイド、ビス(オレエート)チタンオキサイド、ビス(リノレート)チタンオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタン、テトラキス(ラウレート)チタン、テトラキス(ナフテネート)チタン、テトラキス(ステアレート)チタン、テトラキス(オレエート)チタン、テトラキス(リノレート)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ステアレート)、チタンオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタンテトラ(ラクテート)等が挙げられる。中でも、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好ましい。
また、縮合促進剤としては、例えば、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテネート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテネート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテネート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等を挙げることができる。
また、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−1エチルヘキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテネート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等を挙げることができる。
さらに、スズ系として、二価のスズのジカルボン酸{特に、ビス(ヒドロカルビルカルボン酸)塩}や、四価のスズのジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩{ビス(ヒドロカルビルカルボン酸)}塩を含む)、ビス(β−ジケトネート)、アルコキシハライド、モノカルボン酸塩ヒドロキシド等が好適に挙げられる。具体的には、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ等が挙げられる。
上述の縮合促進剤の内、チタン化合物が好ましく、チタン金属のアルコキシド、チタン金属のカルボン酸塩、又はチタン金属のアセチルアセトナート錯塩が特に好ましい。
この縮合促進剤の使用量としては、上記化合物のモル数が、反応系内に存在するヒドロカルビロキシ基総量に対するモル比として、0.1〜10となることが好ましく、0.5〜5が特に好ましい。縮合促進剤の使用量を上記範囲にすることによって縮合反応が効率よく進行する。
本発明における縮合反応は、上述の縮合促進剤と、水蒸気又は水の存在下で進行する。水蒸気の存在下の場合として、スチームストリッピングによる脱溶媒処理が挙げられ、スチームストリッピング中に縮合反応が進行する。
また、縮合反応を水溶液中で行っても良い。
縮合反応時の温度は20〜180℃が好ましく、さらに好ましくは30〜160℃、特に好ましくは50〜150℃である。
縮合反応時の温度を20〜180℃の範囲にすることによって、縮合反応を効率よく進行完結することができ、得られる変性共役ジエン系重合体の経時変化によるポリマーの老化反応等による品質の低下等を抑えることができる。
なお、縮合反応時間は、通常、5分〜10時間、好ましくは15分〜5時間程度である。縮合反応時間を上記範囲にすることによって縮合反応を円滑に完結することができる。
なお、縮合反応時の反応系の圧力は、通常、0.01〜20MPa、好ましくは0.05〜10MPaである。
縮合反応を水溶液中で行う場合の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行っても良い。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
本発明の変性共役ジエン系重合体の変性剤由来の第一アミノ基は、上述のように脱保護処理を行うことによって生成する。上述したスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理によっても脱保護処理が可能であるが、それ以外の脱保護処理の好適な具体例を以下に詳述する。
すなわち、第一アミノ基上の保護基を加水分解することによって遊離した第一アミノ基に変換する。これを脱溶媒処理することにより、第一アミノ基を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる。なお、該縮合処理を含む段階から、脱溶媒して乾燥ポリマーまでのいずれかの段階において必要に応じて変性剤由来の保護された第一アミノ基の脱保護処理を行うことができる。
<変性共役ジエン系重合体>
このようにして得られた変性共役ジエン系重合体はムーニー粘度(ML1+4,100℃)が、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜100である。ムーニー粘度が10未満の場合は耐破壊特性を始めとするゴム物性が十分に得られず、150を超える場合は作業性が悪く配合剤とともに混練りすることが困難である。
また、上記変性共役ジエン系重合体を所望により配合した本発明に係る未加硫ゴム組成物のムーニ−粘度(ML1+4,130℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは30〜100である。
本発明に係るゴム組成物に好適に用いられる変性共役ジエン系重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、即ち分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であることが好ましく、1.1〜2.7であることがより好ましい。
変性共役ジエン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲内にすることで該変性共役ジエン系重量体をゴム組成物に配合しても、ゴム組成物の作業性を低下させることがなく、混練りが容易で、ゴム組成物の物性を十分に向上させることができる。
また、本発明に係るゴム組成物に好適に用いられる変性共役ジエン系重合体は、数平均分子量(Mn)が100,000〜500,000であることが好ましく、150,000〜300,000であることがさらに好ましい。変性共役ジエン系重合体の数平均分子量を上記範囲内にすることによって加硫物の弾性率の低下、ヒステリシスロスの上昇を抑えて優れた耐破壊特性を得るとともに、該変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物の優れた混練作業性が得られる。
本発明に係るゴム組成物に用いられる変性共役ジエン系重合体は一種用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
<他のゴム成分>
(A)ゴム成分において、上記変性共役ジエン系重合体と併用されるゴム成分としては、天然ゴム及び他のジエン系合成ゴムが挙げられ、他のジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン−イソプレン共重合体(SIR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)及びこれらの混合物が挙げられる。また、他のジエン系合成ゴムの一部又は全てが多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているジエン系変性ゴムであることがより好ましい。
さらに、本発明に係るゴム組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
上記加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0質量部である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低発熱性が低下するおそれがあり、10.0質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。
本発明で使用できる加硫促進剤は、特に限定されるものではないが、例えば、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系、DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系、あるいはTOT(テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド)等のチウラム系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0質量部である。
また、本発明に係るゴム組成物で使用できる軟化剤として用いるプロセス油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられる。その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、100質量部以下であれば加硫ゴムの引張強度、低発熱性(低燃費性)が悪化するのを抑制することができる。
さらに、本発明に係るゴム組成物で使用できる老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。その使用量は、(A)ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜3.0質量部である。
(ゴム組成物の調製、空気入りタイヤの作製)
本発明に係るゴム組成物は、上記配合処方により、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、図1における空気入りタイヤのサイド補強層8として用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、本発明に係るゴム組成物をサイド補強層8に用い、且つ上記式(I)及び(II)で表される関係を満足する繊維を含む繊維コードをコーティングゴムで被覆してなるコード/ゴム複合体をカーカス層2に用いて通常のランフラットタイヤの製造方法によって製造される。すなわち、上記のように各種薬品を含有させた本発明に係るゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、また、上記コード/ゴム複合体がカーカス層2としてタイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、空気入りタイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、ランフラット耐久性を改良すると共に、通常走行時の乗り心地を向上させたものとなる。
なお、本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスを用いることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、諸特性は下記の方法に従って測定した。
《ゴム組成物の加硫ゴム物性の測定》
<動的貯蔵弾性率(E’)>
ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm及び長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所(株)製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200μm、動的歪1%、周波数52Hz、測定温度25℃の条件で測定した。
<Σ値[Σtanδ(28〜150℃)]>
ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫処理して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所社製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200μm、動的歪1%、周波数52Hz、測定開始温度25〜200℃の測定条件にて正接損失tanδを測定し、図2に示すように、温度とtanδとの関係をグラフ化し、斜線部分の面積を求め、その値をΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]とした。
《空気入りタイヤの評価》
<乗り心地性>
各供試タイヤを乗用車に装着し、専門のドライバー2名により乗り心地性のフィーリングテストを行い、1−10の評点をつけその平均値を求めた。その値が大きいほど乗り心地性は良好である。
なお、乗り心地の合格ラインは7以上である。
<ランフラット耐久性>
各供試タイヤ(タイヤサイズ215/45ZR17の乗用車ラジアルタイヤ)を常圧でリム組みし、内圧230kPaを封入してから38℃の室内中に24時間放置後、バルブのコアを抜き、内圧を大気圧として、荷重4.17kN(425kg)、速度89km/h、室内温度38℃の条件でドラム走行テストを行なった。各供試タイヤの故障発生までの走行距離を測定し、比較例2の走行距離を100として、以下の式により、指数表示した。指数が大きい程、ランフラット耐久性が良好である。
ランフラット耐久性(指数)=(供試タイヤの走行距離/比較例2のタイヤの走行距離)×100
《未変性又は変性共役ジエン系重合体の物性》
<ミクロ構造の分析法>
赤外法(モレロ法)により、ビニル結合含有量(%)を測定した。
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定>
GPC[東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフランである。
<第一アミノ基含有量(mmol/kg)の測定>
先ず、重合体をトルエンに溶解した後、大量のメタノール中で沈殿させることにより重合体に結合していないアミノ基含有化合物をゴムから分離した後、乾燥した。本処理を施した重合体を試料として、JIS K7237に記載された「全アミン価試験方法」により全アミノ基含有量を定量した。続けて、上記処理を施した重合体を試料として「アセチルアセトンブロックド法」により第二アミノ基及び第三アミノ基の含有量を定量した。試料を溶解させる溶媒には、o−ニトロトルエンを使用、アセチルアセトンを添加し、過塩素酢酸溶液で電位差滴定を行った。全アミノ基含有量から第二アミノ基及び第三アミノ基の含有量を引いて第一アミノ基含有量(mmol)を求め、分析に使用したポリマー質量で割ることにより重合体に結合した第一アミノ基含有量(mmol/kg)を求めた。
ポリマー製造例1 (未変性ポリブタジエンの製造)
窒素置換された5Lオートクレーブに、窒素下、シクロヘキサン1.4kg、1,3−ブタジエン250g、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン(0.0285mmol)シクロヘキサン溶液として注入し、これに2.85mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、攪拌装置を備えた50℃温水浴中で4.5時間重合を行なった。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。この重合体溶液を、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを含むメタノール溶液に抜き取り重合を停止させた後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、未変性ポリブタジエンを得た。得られた未変性ポリブタジエンについてミクロ構造(ビニル結合量)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。その結果、ビニル結合量は14%、Mwは150、000、Mw/Mnは1.1であった。
ポリマー製造例2 (第一アミン変性ポリブタジエンの製造)
上記ポリマー製造例1で得られた重合体溶液を、重合触媒を失活させることなく、温度50℃に保ち、第一アミノ基が保護されたN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン1129mg(3.364mmol)を加えて、変性反応を15分間行った。最後に反応後の重合体溶液に、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒及び保護された第一アミノ基の脱保護を行い、110℃に調温された熟ロールによりゴムを乾燥し、第一アミン変性ポリブタジエンを得た。得られた第一アミン変性ポリブタジエンについてミクロ構造(ビニル結合量)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び第一アミノ基含有量を測定した。その結果、ビニル結合量は14%、Mwは150、000、Mw/Mnは1.2、第一アミノ基含有量は4.0mmol/kgであった。
ポリマー製造例3 (第二アミン変性ポリブタジエンの製造)
上記ポリマー製造例2における変性剤である第一アミノ基が保護されたN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを、第二アミンであるN−メチル−N−(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランに等モル量で変更した以外は上記ポリマー製造例2と同様に変性反応をおこない第二アミン変性ポリブタジエンを得た。
ポリマー製造例4 (第三アミン変性ポリブタジエンの製造)
上記ポリマー製造例2における変性剤である第一アミノ基が保護されたN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを、第三アミンである3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシランに等モル量で変更した以外は上記ポリマー製造例2と同様に変性反応をおこない第三アミン変性ポリブタジエンを得た。
製造例1〜5
ポリマー製造例1〜4で得られたポリブタジエンを用いて、第1表に示す製造例1〜5
の5種類のゴム組成物を調製した。得られた5種のゴム組成物の加硫ゴム物性、すなわち動的貯蔵弾性率(E’)及びΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]を求めた。結果を第1表に示す。
Figure 2011016417
[注]
1)天然ゴム:TSR20
2)未変性ポリブタジエン:ポリマー製造例1で得られた未変性ポリブタジエン
3)第一アミン変性ポリブタジエン:ポリマー製造例2で得られた第一アミン変性ポリブタジエン
4)第二アミン変性ポリブタジエン:ポリマー製造例3で得られた第二アミン変性ポリブタジエン
5)第三アミン変性ポリブタジエン:ポリマー製造例4で得られた第三アミン変性ポリブタジエン
6)カーボンブラック:FEF(N550)、旭カーボン社製「旭#60」
7)プロセスオイル:アロマティックオイル、富士興産社製「アロマックス#3」
8)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック6C」
9)加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーCZ」
10)加硫促進剤DZ:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーDZ」
11)加硫促進剤TOT:テトラキス(2−エチルへキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクセラーTOT−N」
次に、カーカスプライコードとして、第2表に示す、ポリケトン及びレーヨンの2種類のコードを調製した。
Figure 2011016417
[注]
12)ポリ(1−オキソトリメチレン)繊維、旭化成せんい(株)製、商品名「サイバロン(登録商標)」
実施例1〜6及び比較例1〜6
次に、第1表に示す製造例1〜5の5種類のゴム組成物を図1に示すサイド補強層8に第3表に示すゲージで配設し、且つ第2表に示すカーカスプライコードを第2表に示す打ち込み数で第3表に従って配設して、それぞれタイヤサイズ215/45ZR17の乗用車用ラジアルタイヤを常法に従って製造し、それらのタイヤについて乗り心地性及びランフラット耐久性を評価した。それらの結果を第3表に示す。なお、第3表に示すサイド補強層のゲージ(mm)は、サイド補強層の最大厚みを示す。
Figure 2011016417
第3表から明らかなように、本発明の空気入りタイヤは、ランフラット耐久性を改良すると共に、通常走行時の乗り心地を向上させることができた。
本発明の空気入りタイヤは、サイド補強型ランフラットタイヤとして好適に用いられる。
1、1' ビードコア
2 カーカス層
3 サイドゴム層
4 トレッドゴム層
5 ベルト層
6 インナーライナー
7 ビードフィラー
8 サイド補強層
10 ショルダー区域

Claims (8)

  1. サイド補強層を具える空気入りタイヤであって、該サイド補強層を構成するゴム組成物が、加硫ゴム物性において、動歪1%、25℃における動的貯蔵弾性率(E’)が10MPa以下であり、且つ該カーカス層を構成するコードが、下記式(I)及び(II)、
    σ≧−0.01×E+1.2 (I)
    σ≧0.02 (II)
    [上記式中、σは177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である。]
    で表される関係を満足する繊維を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. ビードコア、カーカス層、トレッドゴム層、インナーライナー、サイド補強層及びビードフィラーを具える請求項1に記載の空気入りタイヤ
  3. 前記繊維がポリケトン繊維である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカス層を構成するコードが、前記繊維を少なくとも50質量%含む請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物の正接損失tanδの28〜150℃におけるΣ値[Σtanδ(28〜150℃)]が5.0以下である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ゴム組成物が、ゴム成分と、該ゴム成分100質量部に対して50質量部以下のカーボンブラックとを含む請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記カーボンブラックが、FEF、HAF、IISAF、N339及びISAFからなる群から選択される少なくとも1種である請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ゴム成分が、変性共役ジエン系重合体を含む請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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