JP2011016303A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】混色を生じさせることなく短時間でインクの充填を行うことができる記録装置を提供すること。
【解決手段】記録ヘッドにおけるインクタンクからのインク流入部に設けられた負圧弁を強制的に開くことが可能な機構を設け、インク充填時にはその負圧弁を強制的に開放する。そして、インクタンクに設けられた加圧ポンプでインクタンクから記録ヘッドへインクの充填を行う。
【選択図】図7
【解決手段】記録ヘッドにおけるインクタンクからのインク流入部に設けられた負圧弁を強制的に開くことが可能な機構を設け、インク充填時にはその負圧弁を強制的に開放する。そして、インクタンクに設けられた加圧ポンプでインクタンクから記録ヘッドへインクの充填を行う。
【選択図】図7
Description
本発明は記録装置に関し、特にはインク充填方法に特徴を有する記録装置に関する。
従来、インクジェット記録装置は、記録媒体を横切って往復運動するキャリッジに搭載されるインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドともいう)を利用することが多い。このような記録装置では記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出して記録が行われる。記録ヘッドへのインクの補給はインク補給容器(以下、インクタンクともいう)がおこなう。
ここで、インクタンクから記録ヘッドへのインク供給機構の従来例を説明する。従来のインクジェット記録装置において、記録ヘッド内の微負圧の維持方法として水頭差を利用した方法が提示されている。しかしこの方法では、インクタンクの高さ方向や位置に制約があり、インクジェット記録装置の大きさに制約を与えて、記録装置本体の小型化の妨げになる。その問題を改善した方法として内圧に応じて開閉する弁機構を持つ記録ヘッドへ加圧インク供給するというものが提案されている。この方法では、記録ヘッドとインクタンク位置に制約が発生しないで記録ヘッド内を微負圧に維持でき、装置の小型化することもできる。このような弁機構は、インク供給室と圧力室とを備え、インクタンクから供給されたインクは、インク供給室から圧力室を経て記録ヘッドに供給される。なお、インク供給室と圧力室との間には弁が設けられており、この弁の開閉によってインク供給室と圧力室とが連通・非連通となるように構成されていた。そして、圧力室の内部のインク量が減少することによって圧力室の一部を構成するフィルム部材が変位し、その変位が弁に対して直接伝達されることによって弁が動作されるように構成する。そして、記録ヘッドにおいてインクが消費されて圧力室におけるインク量が減少し、圧力が低下すると弁が開状態となり、インク供給室から圧力室にインクが供給されるようになる。この結果、圧力室には、記録ヘッドにおけるインクの消費量に応じたインクが供給されるようになり、弁機構よりも上流側のチューブにおける圧力変動の影響が記録ヘッドへと伝わらないようになっている。つまり、圧力室が所定圧力値まで達すると弁が開き、インクが供給されると弁が閉まるという動作を繰り返すことで、圧力室は所定圧力に維持される。
前述の水頭差を利用した方法では、インク流路に用いられているチューブも記録ヘッド内と同様に負圧になっているため、チューブ内には大気からチューブ壁を通して少しずつ空気が侵入する。そのため一定期間放置された記録装置は、侵入した気泡を除去するため吸引ポンプを用いて記録ヘッド内のインクと同時に侵入した気泡を外部へと排出する。そのためこのような方法では廃インクの発生量が多くなってしまう。そこで特許文献1には、サブタンク内部にフロート弁を設け、フロート弁から気泡を除去する構成が記載されており、従来の系よりも廃インク発生量を少なくし、サブタンク内部と個別液室内部に滞留した気泡を除去する構成を提案している。
このような、内圧に応じて開閉する弁機構およびヘッド内部にフロート弁機構を用いたインク供給機構では、インク供給路にインクを充填する際、記録ヘッド内の弁機構およびフロート弁機構を通じて吸引ポンプを用いてインクを充填する。しかしこの吸引動作を高速で行うと、急激にサブタンク内の負圧が高まる。そのため、吐出ノズルに予め張られたインクのメニスカスは破壊され、複数の色を同一にキャッピングしているキャップ内に滞留した混色インクを、フィルタ下部サブタンク内へと逆流させる可能性がある。そのため充填時の吸引ポンプによる吸引動作は低速で行う必要があり、インク充填には長時間を要していた。
よって本発明は、混色を生じさせることなく短時間でインクの充填を行うことができる記録装置を提供することを目的とする。
そのため本発明の記録装置は、記録ヘッド内の圧力に応じて開閉する負圧弁を備え、該負圧弁を介してインクタンクに貯留されたインクを前記記録ヘッドに供給し、該記録ヘッドから前記インクを吐出して記録を行う記録装置において、前記負圧弁を強制的に開く弁開放機構を備え、前記インクタンクから前記記録ヘッドに前記インクを供給する際には、前記弁開放機構によって前記負圧弁が開かれており、前記インクタンクの内部の圧力を調整する圧力調整手段によって、前記インクタンクから前記記録ヘッドに前記インクが供給されることを特徴とする。
本発明の記録装置は、負圧弁を強制的に開く弁開放機構を備え、インクタンクから記録ヘッドにインクを供給する際には、弁開放機構によって負圧弁が開かれる。そして、インクタンクの内部の圧力を調整する圧力調整手段によって、インクタンクから記録ヘッドにインクを供給する。これによって、混色を生じさせることなく短時間でインクの充填を行うことができる記録装置を提供することができた。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明のインクジェットプリンタの模式的斜視図を示している。図1において記録媒体Sは、搬送ローラ1とこれに従動するピンチローラ2との間に挟まれ、搬送ローラ1の回転により、プラテン3上に案内、支持されながら図中矢印A方向に搬送される。このときプラテン3は、インクジェットヘッド(以下、単に記録ヘッドともいう)4のインク吐出面とこれに対向する記録媒体Sの表面との距離を一定乃至所定の距離に維持するように記録媒体Sの裏面を支持する。また、搬送方向(矢印A方向)と交差する方向における記録媒体Sの端部が、記録ヘッド4の方に浮き上がることを規制するためにプラテン3上に記録媒体押さえ14が設けられている。複数のピンチローラ2はピンチローラホルダ15に回転自由に保持されている。記録ヘッド4は記録媒体Sに向かってインクを吐出する姿勢で、不図示のモータ等の駆動手段により2本のガイドレール5、6に沿って往復移動されるキャリッジ7に着脱可能に搭載されている。このキャリッジ移動方向は記録媒体搬送方向(矢印A方向)と交差する方向であり、主走査方向と呼ばれる。これに対し、記録媒体搬送方向は副走査方向と呼ばれている。
図1は、本発明のインクジェットプリンタの模式的斜視図を示している。図1において記録媒体Sは、搬送ローラ1とこれに従動するピンチローラ2との間に挟まれ、搬送ローラ1の回転により、プラテン3上に案内、支持されながら図中矢印A方向に搬送される。このときプラテン3は、インクジェットヘッド(以下、単に記録ヘッドともいう)4のインク吐出面とこれに対向する記録媒体Sの表面との距離を一定乃至所定の距離に維持するように記録媒体Sの裏面を支持する。また、搬送方向(矢印A方向)と交差する方向における記録媒体Sの端部が、記録ヘッド4の方に浮き上がることを規制するためにプラテン3上に記録媒体押さえ14が設けられている。複数のピンチローラ2はピンチローラホルダ15に回転自由に保持されている。記録ヘッド4は記録媒体Sに向かってインクを吐出する姿勢で、不図示のモータ等の駆動手段により2本のガイドレール5、6に沿って往復移動されるキャリッジ7に着脱可能に搭載されている。このキャリッジ移動方向は記録媒体搬送方向(矢印A方向)と交差する方向であり、主走査方向と呼ばれる。これに対し、記録媒体搬送方向は副走査方向と呼ばれている。
記録ヘッド4は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出のために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば発熱抵抗素子)を備えている。そして記録ヘッド4は、熱エネルギによりインクの状態変化(膜沸騰)を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化を達成している。なお、このような熱エネルギによる方式に限らず、振動エネルギを利用してもよい。記録ヘッド4にはそれぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列が設けられている。記録ヘッド4から吐出されるインクの色に対応して、複数の独立したインクタンク8がタンク装着ユニット9に着脱交換可能に装着される。タンク装着ユニット9と記録ヘッド4とは、それぞれインクの色に対応した複数の液体供給チューブ10によって接続されている。そして、各インクタンク8をタンク装着ユニット9に装着することで、各インクタンク8内に貯留された色のインクを、各インク色に対応する記録ヘッド4の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。プラテン3上に搬送された記録媒体Sは、画像記録が実施された後、排出ローラ12とこれに従動する回転体である拍車13との間に案内され、排出ローラ12の回転によりプラテン3上から排紙される。インクジェットヘッド4の往復移動範囲内で、かつ記録媒体Sの搬送時の通過範囲外領域である非記録領域には、回復ユニット11が、記録ヘッド4のインク吐出面と対面するように配置されている。回復ユニット11は、記録ヘッド4のインク吐出面をキャッピングするキャップ部、インク吐出口面をキャッピングした状態で記録ヘッド4から強制的にインクを吸引するための吸引機構、インク吐出面の汚れを払拭するためのクリーニングブレード等を有する。
図2は、インクジェット記録ヘッドの供給構成を表した図であり、図2(a)は記録時、図2(b)はインクフル充填時、図2(c)はインク充填中時をそれぞれ示している。図2(a)に示すように、記録ヘッド4内部のサブタンク46に、液体供給チューブ10(図1参照)から流れてきたインクが直接入る。そして、入ってきたインクを記録ヘッド4内部に保持するためにサブタンク46内部の一部が、圧力変化に応じて伸縮動作を行う可とう膜25によって構成されている(図2(b)参照)。この可とう膜25の伸縮動作は、記録ヘッド4内部に負圧力を発生させる。さらに、記録ヘッド4内部がインク消費によって負圧が高まると可とう膜25の伸縮動作が、可とう膜25に接続されたアーム26に伝えられ、さらにアーム26の可とう膜25とは反対側の先端に接続された負圧弁24に伝えられる。負圧弁24は、記録ヘッド4内の負圧に応じて開閉可能であり、記録時には液体供給チューブ10と記録ヘッド4との接続部を塞いでいる(図2(b)参照)。また負圧弁24は、記録のインクの消費による内部の負圧上昇時(図2(a)参照)および吐出口16にキャップ17を用いて密閉にして吸引ポンプ27で内部の負圧上昇させた時(図2(c)参照)には、自動的に開放されインクが供給させる。切替え弁28は、吐出口16の吐出状態を回復させる際には、吸引ポンプ27とキャップ17とが連通し、インク充填時には、吸引ポンプ27とサブタンクフロート弁機構20、個別液室フロート弁機構21とが連通する構成である。サブタンク46下部には、インク流入フィルタ15を通じて、吐出口16へと導かれるインクを保持している個別液室18が配置されている。さらに、インク流入フィルタ15は重力方向に対して傾斜して配置されており、個別液室18内部にたまった後述する個別液室気泡を一部に集めることができる構成になっている。個別液室18上部において、フィルタ15の傾斜により気泡が集まりやすい部位には、インク流出フィルタ19が配置されている。そのような構成を有している記録ヘッド4において、サブタンク46上部および、個別液室18上部にはそれぞれサブタンクフロート弁機構20、個別液室フロート弁機構21が配置されている。本実施形態においては液体供給チューブ10からサブタンクフロート弁機構20上部の第1のエア排出口22までの流路抵抗が、液体供給チューブ10から個別液室フロート弁機構21上部の第2のエア排出口23までの流路抵抗よりも小さい構成となっている。例えばフィルタ部材として、東京製綱(株)製のサスミックフィルタSH10Hを用いた場合を考える。インク流入フィルタ15の面積を200mm2、インク流出フィルタ19の面積を50mm2として、4cpの粘度のインクが0.5ml/secの流量で流れるとする。その際は、実験値よりインク流入フィルタ15部で実験値より約145.8mmAqの圧力損失が発生し、さらにはインク流出フィルタ19部では約643.7mmAqの圧力損失が発生する。このようにフィルタによって生じるものだけで、上記インク粘度、インク流量場合、145.8+643.7=789.5mmAqほどの圧力損失が発生する。このようにフィルタを配置することで液体供給チューブ10からサブタンク46までの流路抵抗と、液体供給チューブ10から個別液室18までの流路抵抗と、を異ならせることでサブタンク内部気泡が個別液室内部気泡よりも先に除去される。
図3(a)から(c)は、サブタンクフロート弁機構20および個別液室フロート弁機構21に用いられているフロート弁の構成の詳細を示した図である。図3(a)に示すように、フロート弁機構29には、フロートハウジング30およびフロート上部ハウジング31が設けられている。また、気泡の排出におけるフロート弁よりも下流側には、廃気液流路32が配置されており、それぞれの液室からフロート弁機構29へと移動したエアは廃気液流路32より除去される。また、フロート弁構造は図3(b)、(c)に示すように、そのシール部材33がOリング34であったり、テーパー状シール部材35であってもよい。
図4は、本実施形態が適用されるインクジェット記録装置の供給系全体構成を示した図である。記録ヘッド4はインクタンク8内部に設けられたインク袋37と液体供給チューブ10を通じて連通している。さらに、インク袋37からインクを供給するために、加圧ポンプ38を用いてインクタンク8内部を加圧している。供給されたインクは、液体供給チューブ10から記録ヘッド4内部のサブタンク46に入り、その後、インク流入フィルタ19を通じて不純物がろ過されて個別液室18に入る。個別液室18内部のインクは個別液室18下部に配置された吐出口16へと導かれる。個別液室18の最上部近傍には、インク流出フィルタ19が配置されており、インク流出フィルタ19上部にはフロート弁機構21が設けられ、廃気や廃液はフロート弁機構21を通じて、廃気液流路32へと流れる。サブタンクフロート弁機構20および個別液室フロート弁機構21上部に設けられた各々の廃気液流路32はヘッド内部で統合され、記録ヘッド外部との本体廃気液流路に39系統として連通される。本体には廃インクタンク40が設けられている。記録ヘッド4と廃インクタンク40の間の本体廃気液流路上には、記録ヘッド4に負圧を加えるために吸引ポンプ27が配置されており、エア除去動作実施時に駆動させる。
図5(a)から(c)は、本実施形態の記録ヘッド4における気泡除去時のインク流れを示す図である。初期状態は図5(a)に示すように、サブタンク46と個別液室18には、それぞれサブタンク気泡41および個別液室気泡42が入っている。この状態で切替え弁28によって第1のエア排出口22および第2のエア排出口23と、吸引ポンプ27と、を連通させて吸引ポンプ27を駆動させる。上述したように本実施形態における記録ヘッド4においては、液体供給チューブ10から第1のエア排出口22までの流路抵抗が、液体供給チューブ10から第2のエア排出口23までの流路抵抗よりも小さくなる構成である。このため吸引ポンプ27を駆動させると、流路抵抗が小さいサブタンク46側のエア除去動作が実施され、図5(a)に示すように、サブタンク46内部のエア除去を実行できる。サブタンク46内部のエア除去終了後は、サブタンクフロート弁機構20がシール部材33と接触しシールされる。その状態のまま、吸引ポンプ27を駆動し続けると、個別液室フロート弁機構21より個別液室18内部のエアの除去動作が実行され、最終的には図5(c)に示すようにサブタンク46および個別液室18の両方のエアが除去できる。すなわち、液体供給チューブ10からサブタンクフロート弁機構20上部の第1のエア排出口22までの流路抵抗を、液体供給チューブ10から個別液室フロート弁機構21上部の第2のエア排出口23までの流路抵抗よりも小さくする。これによって、サブタンク46内部の気泡が除去された後に個別液室18内部の気泡を除去することができる。その結果、サブタンク46内部の気泡を個別液室18に取り込むことがなくなる。このように、従来の回復方法では気泡の除去のために大量の廃インクが発生していたが、廃インク量の低減および、サブタンク46および個別液室18内部より気泡をより多く除去することができる。
(記録中のインク供給動作)
次に、記録動作におけるインクの流れと各部の動きを説明する。
図6は、記録時の記録ヘッド4へのインク供給時のインクの流れを示した図である。記録によって記録ヘッド4内のインクが消費されていくと、記録ヘッド4内の負圧が高まる。その結果、負圧弁24が開くので、加圧ポンプ38によってインクタンク8で加圧されたインクが記録ヘッド4に供給され、記録ヘッド4内の負圧との釣り合いによって負圧弁24は閉じられる。記録中は上記の動作の繰り返しによって、インクが記録ヘッド4に供給される。
次に、記録動作におけるインクの流れと各部の動きを説明する。
図6は、記録時の記録ヘッド4へのインク供給時のインクの流れを示した図である。記録によって記録ヘッド4内のインクが消費されていくと、記録ヘッド4内の負圧が高まる。その結果、負圧弁24が開くので、加圧ポンプ38によってインクタンク8で加圧されたインクが記録ヘッド4に供給され、記録ヘッド4内の負圧との釣り合いによって負圧弁24は閉じられる。記録中は上記の動作の繰り返しによって、インクが記録ヘッド4に供給される。
(非記録時のインク充填動作)
図7は、非記録時のインク充填動作におけるインク流れを示した図である。加圧ポンプ38を使用してインクタンク8内を加圧することによって、インク袋37から液体供給チューブ10へインクが流れる。その際、予め記録ヘッド4の外部に設けてある負圧弁開放機構47を用いて、可とう膜25を押すことで負圧弁24を開にする。こうすることで、サブタンク46内を負圧にしなくても負圧弁24の開くことができる。本実施形態では、このように強制的に負圧弁24を開き、インクタンク8内を加圧することで、記録ヘッド4内に短時間でインクを充填することができる。したがって記録ヘッド4内へのインク充填では吸引ポンプ27を用いずに、吸引ポンプ27は充填後の気泡の除去で用いる。
図7は、非記録時のインク充填動作におけるインク流れを示した図である。加圧ポンプ38を使用してインクタンク8内を加圧することによって、インク袋37から液体供給チューブ10へインクが流れる。その際、予め記録ヘッド4の外部に設けてある負圧弁開放機構47を用いて、可とう膜25を押すことで負圧弁24を開にする。こうすることで、サブタンク46内を負圧にしなくても負圧弁24の開くことができる。本実施形態では、このように強制的に負圧弁24を開き、インクタンク8内を加圧することで、記録ヘッド4内に短時間でインクを充填することができる。したがって記録ヘッド4内へのインク充填では吸引ポンプ27を用いずに、吸引ポンプ27は充填後の気泡の除去で用いる。
図8は、インク充填方法のフローチャートであり、図8(a)は本実施形態のインク充填方法を示したフローチャートであり、図8(b)は、従来のインク充填方法を示したフローチャートである。まず、本実施形態のインク充填方法についてフローチャートに沿って説明する。インク供給路内にインクを充填するために、ステップS101で負圧弁24を開放し、その後ステップS102で加圧ポンプ38を駆動させる。加圧ポンプ38の駆動によってインク袋37内のインクがインク供給路10に供給される。ステップS103でインク供給路10内にインクは充填されると、ステップS104で加圧ポンプ38の駆動を停止する。次に記録ヘッド4内部に溜まった気泡を取り除くために、ステップS105で切替弁28をフロート弁側に連通させ、ステップS106で吸引ポンプ27を吐出口16に予めクリアインクで張られたメニスカスを破壊しないよう低速で駆動させる。そしてステップS107で記録ヘッド4内の泡抜き吸引動作を行う。泡抜き完了後に、ステップS108で吸引ポンプ27の駆動を終了し、ステップS109で吐出口16内にインクを充填するために切替弁28をキャップ側に連通させる。ステップS110で再び吸引ポンプ27を駆動させ、ステップS111で吐出口16にインクが充填されて終了となる。
ここで、従来のインク充填方法について図8(b)のフローチャートに沿って説明する。インク供給路内のインクを充填するためにステップS113で切替弁をフロート弁側に連通させる。そして、ステップS114で吐出口に予めインクで張られたメニスカスを破壊しないよう吸引ポンプを低速で駆動させて記録ヘッド内にインクを充填し、ステップS115で記録ヘッド内の泡抜き吸引動作を行う。この時、記録ヘッド4内の負圧を利用してインクを充填しているにもかかわらず、その負圧を高くする(吸引ポンプ27を高速で駆動する)とメニスカスを破壊して記録ヘッド4内にキャップ内に滞留した混色インクを記録ヘッド内に流入させてしまう。そのため吸引ポンプ27は低速で駆動させる。その後、ステップS116で吸引ポンプ27の駆動を終了し、ステップS117で吐出口16内にインクを充填するために切替弁28をキャップ側に連通させる。そしてステップS118で吸引ポンプを駆動させてステップS119で吐出口116にインクが充填されて終了する。
従来のインク充填方法と本実施形態の充填方法を比較すると、本実施形態のインク充填制御方法は、インクタンク8から記録ヘッド4へのインク供給は加圧ポンプ38によって行い、気泡の除去の際に吸引ポンプ27を低速で駆動させる。そのため、インクの供給から気泡の除去までの全てを吸引ポンプ27で行う従来の方法と比較して、短時間でインクを充填することがでる。そして、なおかつ廃インクを伴うことなくインク内の気泡を除去することが出来るため、廃インク量を少なく記録ヘッド4へのインクの供給を行うことができる。
このように、記録ヘッドにおけるインクタンクからのインク流入部に設けられた負圧弁を強制的に開くことが可能な機構を設け、インク充填時にはその負圧弁を強制的に開放する。そして、インクタンクに設けられた加圧ポンプでインクタンクから記録ヘッドへインクの充填を行う。これによって、混色を生じさせることなく短時間で記録ヘッドへのインクの充填を行うことができる記録装置を実現することができた。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
図9は、本実施形態の記録装置の要部を表わした模式図である。加減圧ポンプ43、圧力センサ44およびリリーフ弁(大気開放弁)45の配置以外は、第1の実施形態と同様であるため説明は割愛する。
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。
図9は、本実施形態の記録装置の要部を表わした模式図である。加減圧ポンプ43、圧力センサ44およびリリーフ弁(大気開放弁)45の配置以外は、第1の実施形態と同様であるため説明は割愛する。
記録ヘッド4は液体供給チューブ10および加減圧ポンプ43(圧力調整手段)を介してインクタンク8内部に設けられたインク袋37と接続されている。本実施形態では、加減圧ポンプ43を用いてインクタンク8内の圧力を調整して記録ヘッド4へインクの供給を行う。その供給方法について以下で説明する。先ず、加減圧ポンプ43を用いてインク袋37からインクを吸引し、その後、加減圧ポンプ43から記録ヘッド4間は、加減圧ポンプ43でインクを加圧することで記録ヘッド4にインクを供給する。その際、液体供給チューブ10内部の圧力は圧力センサ44によって管理される。そして、インクタンク8および記録ヘッド4はそれぞれ取り外し可能な構成になっており、記録ヘッド4を交換する際には、リリーフ弁45で液体供給チューブ10内を大気開放してから記録ヘッド4を取り外す。また、インクタンク8を交換する際には、リリーフ弁46によって液体供給チューブ10内を大気開放してからインクタンク8を取り外す。
このような構成を用いて、第1の実施形態と同様の制御手段を行うことで、混色を生じさせることなく短時間で記録ヘッドへのインクの充填を行うことができる記録装置を実現することができた。
4 記録ヘッド
8 インクタンク
24 負圧弁
38 加圧ポンプ
47 負圧弁開放機構
8 インクタンク
24 負圧弁
38 加圧ポンプ
47 負圧弁開放機構
Claims (5)
- 記録ヘッド内の圧力に応じて開閉する負圧弁を備え、該負圧弁を介してインクタンクに貯留されたインクを前記記録ヘッドに供給し、該記録ヘッドから前記インクを吐出して記録を行う記録装置において、
前記負圧弁を強制的に開く弁開放機構を備え、前記インクタンクから前記記録ヘッドに前記インクを供給する際には、前記弁開放機構によって前記負圧弁が開かれており、前記インクタンクの内部の圧力を調整する圧力調整手段によって、前記インクタンクから前記記録ヘッドに前記インクが供給されることを特徴とする記録装置。 - 前記圧力調整手段は、前記インクタンクの内部の圧力を加圧することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記圧力調整手段は、前記インクタンクの内部の圧力を減圧することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記圧力調整手段は、加減圧調整が可能であることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッド内の前記インクに浮く浮きによって構成された弁が備えられていることを特徴とする請求項1ないし4に記載の記録装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009162813A JP2011016303A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 記録装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2962855A3 (en) * | 2014-06-30 | 2016-07-20 | Canon Finetech Inc. | Liquid accommodating container, liquid ejecting device and liquid introducing method |
-
2009
- 2009-07-09 JP JP2009162813A patent/JP2011016303A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2962855A3 (en) * | 2014-06-30 | 2016-07-20 | Canon Finetech Inc. | Liquid accommodating container, liquid ejecting device and liquid introducing method |
US9592670B2 (en) | 2014-06-30 | 2017-03-14 | Canon Finetech Inc. | Liquid accommodating container, liquid ejecting device and liquid introducing method |
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