JP2011015732A - 超音波治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】治療部位以外への超音波照射を極力少なくする。
【解決手段】診断画像上でユーザが治療範囲を指定すると、切替器12が治療用送信器16を選択し、これによりプローブ10からは治療用の強度の超音波が生体内に送出されることとなる。この治療動作が所定時間続くと、制御部18は切替器12を制御して診断用送信器14を選択する。これにより、プローブ10は診断用超音波ビームを発し、そのエコーを検知して診断画像を生成し、治療対象部位の位置ずれ検査を行う。この検査では、制御部18は、その診断画像を、基準となる画像(例えば治療範囲指定時、又は直前の検査時、の診断画像)と比較し、両者に有意な相違が検出された場合、ずれ発生と判定し、アラームを発してユーザに位置ずれの修正を促す。位置ずれが修正されると、治療が再開可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波治療装置に関する。
虚血組織の治療、例えば心筋梗塞に対する治療などでは、従来外科手術による観血的な治療が行われていた。この方法は、患者に対する侵襲性が高く、負担が大きい。
そこで、最近では、衝撃波を用いて治療を行う方法が開発されている。これは、例えば心臓の冠動脈の一部の狭窄又は閉塞により損傷を受けた心筋組織に弱い衝撃波を照射して治療を行う方法である。衝撃波を虚血組織に照射すると、その部位での新生血管再生が促される治療効果が知られている。この方法は非侵襲的であり、患者の負担が小さい。このような方法を用いた装置の例として、例えば、特許文献1に記載される装置が知られている。この装置は、結石破砕装置を応用したものであり、結石破砕装置よりも出力を弱めた衝撃波を患部に照射する。
この種の装置では、衝撃波照射ヘッドでは生体内の画像を得られないため、照射部位の特定などのための超音波診断装置を別に用意する必要があった。また、超音波診断プローブを衝撃波照射ヘッドと同一位置に置くことはできないので、超音波診断装置の診断画像は、衝撃波照射ヘッドとは異なる視点、視線方向からのものとなってしまう。
一方、特許文献2には、骨折、褥瘡などの創傷部位に対して超音波パルスを照射して血管新生を促す装置が開示されている。
また、特許文献3には、単一のトランスデューサで治療とイメージング処理を行うシステムが開示されている(特に段落0044,0045及び図7A,B)。この装置は、主として美容のための表皮近傍組織の治療を目的としているが、治療効果の1つに血管新生が挙げられている(特に段落0013,0026)。
また、特許文献4には、心筋梗塞を起こした部位、骨折部位、歯列矯正部位等に一定時間集中的に超音波照射により刺激を与えることで治療効果を狙う装置が開示されている。この装置では、同一のトランスデューサに超音波刺激パルス波の照射と超音波観測パルス波の照射とを切り替えて実行させることで、照射部位の経過観察を可能としている。
特許第3058645号明細書 特開2005−304918号公報 特開2008−514294号公報 特開昭62−47358号公報
超音波刺激により血管新生・再生を図る治療法では、比較的長時間(例えば数十分〜数時間)にわたって患部に超音波を照射する必要がある。超音波を治療対象部位に正しく照射するために、その治療期間の間、患者の姿勢を固定しておく必要があるが、そのような長時間にわたって患者の姿勢を固定したままとすることは現実的には難しい。治療部位以外への超音波照射を極力少なくするための対策が必要である。
1つの側面では、本発明は、診断画像生成用の強度の超音波を送出するための診断超音波送出手段と、前記診断画像生成用の強度よりも強い、治療用の強度の超音波を前記診断超音波送出手段と実質的に同じ送出位置から送出するための治療超音波送出手段と、治療期間内に前記治療超音波送出手段から前記治療用の強度の超音波を送出させると共に、あらかじめ定められた条件を満たす検査タイミングごとに、前記診断用超音波送出手段から前記診断画像生成用の強度の超音波を送出させることにより当該検査タイミングでの診断画像を生成するシーケンス制御手段と、到来した検査タイミングにおける診断画像が前記シーケンス制御手段の制御により生成された場合に、当該診断画像と過去の検査タイミングに生成され記憶されていた診断画像との比較に基づき、治療対象部位の位置ずれの状態を検知するずれ検知手段と、前記ずれ検知手段により前記治療対象部位の位置ずれが検知された場合に、所定のずれ対応処理を行うずれ対応処理手段と、を備える超音波治療装置を提供する。
ある態様では、超音波治療装置は、前記治療超音波送出手段を用いた治療期間の開始前に、前記診断超音波送出手段から前記診断画像生成用の強度の超音波を送出させることにより治療範囲指定用の診断画像を生成し、表示装置に表示させる表示制御手段と、前記表示装置に表示された前記治療範囲指定用の診断画像に対するユーザからの治療範囲の指定を受け付ける範囲指定受付手段と、前記範囲指定受付手段で受け付けた前記治療範囲に前記治療用の強度の超音波を送出するように前記治療超音波送出手段を制御する治療制御手段と、を更に備える。
更なる態様では、前記治療超音波送出手段は、前記治療用の強度の超音波として、ビーム走査位置及び焦点深さを変えながら超音波ビームを送出可能であり、前記治療制御手段は、前記範囲指定受付手段で受け付けた前記治療範囲の中でビーム走査位置及び焦点深さをあらかじめ設定された治療計画パターンに従って変えながら、前記治療超音波送出手段に超音波ビームを送出させる。
別の態様では、超音波治療装置は、前記治療期間の開始時点を始点として、前記治療超音波送出手段から前記治療用の強度の超音波を送出した時間を積算する治療時間積算手段と、前記ずれ対応処理手段は、前記ずれ検知手段により前記治療対象部位の位置ずれが検知された場合にその後前記治療超音波送出手段による治療が再開されるまで前記治療時間積算手段に積算を停止させ、その後前記治療超音波送出手段による治療が再開された場合に、前記位置ずれが検知された時点に対応する積算値から積算を再開するよう前記治療時間積算手段を制御する。
更なる態様では、超音波治療装置は、前記検査タイミングごとに、当該検査タイミングに生成した診断画像を、当該検査タイミングでの前記治療時間積算手段の時間の積算値と対応づけて記録する治療経過記録手段、を更に備える。
別の態様では、超音波治療装置は、治療対象である生体の周期的な動作に対応する生体信号を検知する生体信号検知手段を更に備え、前記シーケンス制御手段は、前記あらかじめ定められた条件を満たす検査タイミングとして、前回の検査タイミングからあらかじめ定められた単位治療時間が経過する時点の近傍で、前記生体信号検知手段が検知する前記生体信号から求められる前記生体の動作の時相があらかじめ定められた時相に該当する時点を選択する。
別の態様では、前記シーケンス制御手段は、前記診断超音波送出手段により前記検査タイミングにおける診断画像を生成している間は、前記治療超音波送出手段による前記治療用の強度の超音波の送出を停止させる。
別の態様では、前記シーケンス制御手段の制御により前記治療超音波送出手段から前記治療用の強度の超音波を送出している時に、その送出を停止させて前記診断用超音波送出手段から前記診断画像生成用の強度の超音波を送出させることにより診断画像を生成する旨の操作をユーザから受け付ける強制切替指示手段、を更に備える。
本発明によれば、検査タイミングごとに、診断画像を生成して過去の画像と比較することで、治療対象部位がずれていないかを確認し、ずれている場合はそれを解消するためのずれ対応処理を行うことができる。
実施形態の超音波治療装置の概略構成の例を示す図である。 制御部の内部構成の例を示す図である。 治療シーケンスの例を説明するための図である。 治療範囲の指定と、治療範囲の画面表示の例を説明するための図である。 治療対象部位のずれ検知の仕方の例を説明するための図である。 実施形態の全体的な処理手順の例を示すフローチャートである。 治療対象部位のずれが検知された場合の処理の例を示す図である。 診断用と治療用の振動子アレイを隣接配置する構成の例を示す図である。
図1を参照して、本発明に係る実施形態の超音波治療装置の概略構成を説明する。図1に示すように、超音波治療装置は、治療対象の生体に対して超音波を照射するためのプローブ10を備える。このプローブ10は治療と診断(生体内の観察)に兼用するものであり、好適な例では治療のための超音波と診断のための超音波を同一の振動子から発する。プローブ10は、診断画像の生成のために超音波パルスのビームを生成する機能を備えるものが好適であり、更にそのビームを1次元又は2次元的に走査することで、2次元断層面の画像、又は3次元空間のボリュームデータを生成できるものが好ましい。超音波ビームの走査方式は、電子式、機械式、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい・例えば、プローブ10は、リニアアレイやセクタアレイなどのような1次元電子走査型の振動子アレイを備えるものであってもよいし、電子走査型の2次元振動子アレイを備えるものであってもよい。後者の場合、3次元空間を超音波ビームで操作することができる。また、プローブ10は、電子走査型の1次元振動子アレイを振動子配列方向に直交する方向に機械走査することで3次元空間を超音波ビームで走査するメカニカル3Dプローブであってもよい。
プローブ10は、切替器12を介して診断用送信器14及び治療用送信器16という2つの送信器に接続されている。診断用送信器14は、通常の超音波診断装置で用いられる、診断のための振動子駆動用の送信信号を生成する。診断用送信器14は、送信ビームフォーマーとして機能する。すなわち、診断用送信器14は、プローブ10の振動子アレイに含まれる各振動子に対する駆動信号を供給し、それら駆動信号に対してビーム方向、焦点深度などに応じたそれぞれ適切な位相遅延を与えることで、超音波ビームパルスを形成する。なお、診断用の超音波の中心周波数は、通常の診断目的の超音波と同様(例えば1〜2MHz)でよい。
一方、治療用送信器16は、振動子に治療用の強度の超音波を発生させるためのパワーの送信信号を生成する。例えば、心筋梗塞等の虚血組織における血管新生・増殖を促進するという治療用途の場合、診断用途の超音波ビームの例えば2,3倍程度のパワーの低圧超音波でも、比較的長時間照射することで、組織内の血管増殖を促進することが知られている。この程度のパワーの超音波であれば、従来の診断用の超音波プローブでも発信可能である。このようなことから、この例では、プローブ10を診断用と治療用のために兼用している(ただし、これは必須のことではない)。なお、治療用の超音波の中心周波数は、あくまで一例に過ぎないが、例えば2〜5.5MHz(例えば3.5MHz)である。
治療用送信器16も、この例では、診断用送信器14と同様、送信超音波ビームを形成するように、各振動子へ駆動信号を供給する。また同様に、治療用送信器16は、その治療用の超音波ビームを走査したり、焦点深さを変えたりするために、各振動子への駆動信号の位相差を制御してもよい。
なお、プローブ10が1次元アレイの場合、診断の場合も治療の場合も、電子走査では断層面をカバーするだけである。このため、3次元空間の観察又は治療を行う場合には、その一次元アレイプローブを、自動(例えばメカニカル3Dプローブ)又は手動(例えばプローブの動きを規制するガイドに沿って)で、そのアレイとは異なる方向(典型的には直交する方向)に走査すればよい。
切替器12は、診断用送信器14又は治療用送信器16の一方の出力を選択的にプローブ10に接続する。
切替器12により診断用送信器14が選択されている場合、診断用の駆動信号が診断用送信器14からプローブ10に供給される。この駆動信号がプローブ10の各振動子により機械的な振動へと変換され、超音波ビームが送出されることとなる。この超音波ビームは観測対象である生体内部で反射され、反射された超音波(エコー)がプローブ10の振動子により電気信号に変換される。これら各振動子がエコーを受信することで生成された電気信号(受信信号)は、切替器12を介して整相加算器20へと入力される。整相加算器20は、それら各振動子の受信信号の位相を合わせて加算することで、受信ビームに対応する信号を形成する。
Bモード処理部22は、整相加算後の信号に対する検波、対数圧縮処理等を実行することで、Bモード画像を生成する。カラー処理部24は、整相加算後の信号から血流や組織等のビーム方向の運動速度を表すいわゆるカラードプラ画像を生成する。例えば、カラー処理部24は、直交検波回路により整相加算後の信号に対して参照信号を混合することにより直交検波処理を実行し、その結果である複素信号を求める。そして、その複素信号に対して自己相関演算を実行し、その演算結果である複素信号に対して逆正接演算を行うことにより速度を演算する。その速度は超音波ビーム方向に沿った速度成分である。ドプラ処理部26は、整相加算後の信号からスペクトルドプラ信号等の画像を求める。
DSC(デジタルスキャンコンバータ)28は、Bモード処理部22,カラー処理部24,ドプラ処理部26から入力される画像(この時点ではビーム走査の座標系で表される)を、それぞれ表示装置30の座標系へと走査変換し(必要に応じて補間し)、合成することで表示装置30に表示する表示画像を形成する。なお、図1の例では、Bモード処理部22,カラー処理部24,ドプラ処理部26という3種類の画像を生成する処理部を有していたが、これは必須のことではない。
制御部18は、この実施形態の超音波治療装置全体を制御するユニットである。本実施形態の関係では、制御部18は、超音波を用いた治療の流れを制御する。例えば、制御部18は、切替器12を制御してプローブ10を治療、診断(生体内部の画像生成)のいずれに用いるかを制御する。制御部18の詳細は、後で説明する。
記憶装置32は、画像等を保存するための、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置である。この実施形態との関係では、記憶装置32には、治療中の各検査タイミングの診断画像を含む治療記録情報が保存される。
入力装置34は、超音波治療装置に対する指示を入力するための装置であり、例えばキーパッド、マウス又はトラックボール等のポインティングデバイス、又はタッチパネル等(又はそれら2以上)を含んでいる。この実施形態との関係では、入力装置34は、治療範囲の指定のために用いられる。
生体信号検出器36は、治療対象の生体の周期的な生体現象を検出し、その生体現象を表す生体信号を出力する。生体信号検出器36としては、例えば心電図装置を挙げることができる。この場合、周期的な生体現象を表す信号としては、心電図信号において周期的に現れる特徴的な波形(例えばR波)などを例示することができる。例えば治療対象部位が心臓の場合、心電図の信号を用いることで、診断画像生成などにおいて心時相を考慮した制御が可能になる。また、呼吸モニタを生体信号検出器36として用い、呼気又は吸気の開始時点等を表す周期的な信号を基準として、診断画像生成などを制御してもよい。
次に、図2を参照して、制御部18の詳細を説明する。図2には、制御部18が備える様々な機能のうち、治療のための制御に用いられる各機能を例示している。
制御部18の機能のうち、シーケンス制御部40は、超音波治療時における超音波治療装置各部の処理シーケンスの管理を行う。
この実施形態の超音波治療処理シーケンスは、図3に例示するように、治療範囲指定100の後、治療用の強度の超音波を照射する治療モード110と、治療部位の位置ずれをチェックする検査モード120とを交互に繰り返す。治療モード110では、治療用送信器16を用いて、あらかじめ定められた単位時間(例えば数秒から数分程度。一例として1分程度)に渡って、治療用の強度の超音波がプローブ10から治療部位に向けて照射される。検査モード120では、診断用送信器14による送信超音波により診断画像130(例えばBモード画像)を生成し、これを過去の診断画像130(例えば前回のずれ検査処理120に生成したもの)と比較することで、その診断画像130内に表示された治療部位の位置ずれを検知する。検査モード120の時間は、1フレーム分の診断画像を得るための時間と画像比較の時間との和程度でよいので、例えば1秒もあれば十分であり、治療モード110の単位時間よりもはるかに短い。治療モード110や検査モード120の単位時間は、例えばユーザが指定してもよいし、あらかじめデフォルト値として定めておいてもよい。
シーケンス制御部40は、このような治療範囲指定100と、治療モード110及び検査モード120の交互実行という処理シーケンスを実現するよう、切替器12を初めとする各部を制御する。また、シーケンス制御部40は、検査モード120において、治療部位の位置ずれが検知された場合に、あらかじめ定められた、ずれ対応処理を実行する。ずれ対応処理の一例としては、治療モード110と検査モード120の交互実行という処理シーケンスを中断し、ユーザ(医師等)からの治療再開指示があるまで治療モード110への切替を行わないようにする処理がある。また、ずれ対応処理として、音声又は画面表示(又はその両方)などでアラームを発し、ユーザに、治療部位の位置ずれの解消のための作業を促すようにしてもよい。
治療範囲指定部42は、ユーザから治療範囲の指定を受け付ける。この実施形態では、プローブ10を診断用送信器14で駆動したときに得られる診断画像を表示装置30に表示し、この診断画像上でユーザから治療範囲の指定を受け付ける。ユーザは、診断画像上で治療対象部位を確認し、その治療対象部位の一部又は全部を含むような治療範囲を入力する。例えば、治療範囲は、超音波ビームのビーム方向及び走査方向に平行な線で囲まれる図形(例えばリニア走査の場合は、矩形)の範囲として指定することができる。この場合、治療範囲は、入力装置34(例えばトラックボールなど)を操作して、そのような図形の対角線上の2点の位置を指定することで、一意に定めることができる。
例えば、図4(a)の例は、心筋梗塞に対する超音波治療の場合の例であり、セクタ走査プローブの扇形の診断画像範囲152の中に、その扇形の一部の角度範囲(電子走査方向の範囲)と深さ範囲(ビーム方向の範囲)をカバーする治療範囲154が設定されている。この治療範囲154は、図4(b)に模式的に示す診断画像130上で設定されたものであり、診断画像130上でユーザが識別した治療対象部位132の大部分を含むように設定されている。図4(c)に示すように、治療範囲154を画像化し、診断画像130に重畳して表示するようにしてもよい。治療範囲154は、例えば指定した色の枠(内部は空白)として表現してもよいし、半透明色の面として表現してもよい。この他にも様々な表現方法をとり得る。このような治療範囲154の画像を、DSC28に供給し、診断画像130に重畳させることができる。このように治療範囲154を診断画像130に重畳することで、ユーザは生体内のどの部分に治療超音波が照射されているのかを視覚的に認識することができる。したがって、例えば、治療中に患者が動くなどして治療部位が元の位置からずれた場合、ユーザは表示装置30を見れば表示された治療範囲154から治療対象部位132が外れたことを視認することができる。
図4は2次元の治療範囲の指定の例であるが、2Dアレイやメカニカル3Dプローブを用いる例では、3次元の治療範囲を指定できるようにしてもよい。
治療計画部44は、指定された治療範囲154や、ユーザから入力されたその他のパラメータ(例えば治療時間の長さなど)に基づき、治療用の超音波ビームの走査やビームフォーカス移動の計画パターンを作成する。例えば、治療計画部44は、治療用の超音波ビームの走査範囲とビームフォーカスの深さの可変範囲を治療範囲154から定めるとともに、超音波ビームの走査のパターンやレート(走査速度)、フォーカス深さを可変するパターンやレートなどを定める。シーケンス制御部40及び治療用送信器16は、このように決定された治療計画に従って、治療用強度の超音波ビームを走査し、ビームフォーカスを可変する。
また、治療計画部44は、単位面積当たりの治療時間(治療用強度の超音波の照射時間)の指定をユーザから受け付け、この単位面積当たりの治療時間と、治療範囲154の面積と、を例えば乗算することで、治療範囲154全体についての総治療時間を計算してもよい。計算した総治療時間は、シーケンス制御部40による治療シーケンスの制御に用いることができる。また、単位面積当たりの治療時間の代わりに、単位面積当たりの治療用超音波ビームの照射回数(カウント数)をユーザに指定させてもよく、この場合も治療時間の場合と同様の制御が可能である。以下では、治療時間をユーザに指定させる場合を代表例として説明する。
ずれ検知部46は、シーケンス制御部40の制御の下、検査モード120で取得した診断画像と、基準となる過去の診断画像(基準画像と呼ぶ)とを比較することで、治療対象部位の位置ずれを検知する。基準画像としては、例えば1つ前の検査モード120期間に取得した診断画像を用いればよい。また、別の例では、治療範囲154の指定のために用いた診断画像、或いは1回目の検査モード120の時に取得した診断画像など、固定的な診断画像を基準画像として用いてもよい。基準画像は、DSC28から取得され、基準画像記憶部48に記憶される。基準画像記憶部48は、例えばシーケンス制御部40が備えるランダムアクセスメモリ上に確保しておけばよい。1つ前の検査モード120期間に取得した診断画像を基準画像として用いる場合は、基準画像記憶部148内に記憶される基準画像は検査モードの度に書き換えられることとなる。
ずれ検知部46での今回の診断画像と基準画像との比較では、例えば、一方から他方を画素ごとに減算して両画像の差分画像を構成すればよい。そして、差分画像に含まれる値が0以外の画素の数に基づき、治療対象部位の位置ずれが生じたか否かを判定すればよい。例えば、差分画像中で値が0以外の画素の数があらかじめ定めたしきい値を越えたら、位置ずれ有りと判定し、そうでなければ位置ずれ無しと判定する等の処理でよい。なお、差分画像における画素値が厳密に0でない場合でも、ある許容幅以内に収まっていれば画素値0と判定すればよい。例えば図5(a)の例では、基準画像130Aから今回の診断画像130Bを引いた結果の差分画像160の全画素の値が0なので、位置ずれは生じていないと判定される。一方、図5(b)の例では、差分画像170中に、画素値が0でない画素(図では黒色で示す)が相当数存在するので、位置ずれが生じたと判定される。
なお、上述したずれ検知部46の処理内容はあくまで一例に過ぎない。ずれ検知部46は、この他にも、相関係数演算など、両画像の違いの程度を求めることができる演算処理なら、どのような処理を用いてもよい。
なお、ずれ検知部46は、基準画像と診断画像とを上述のように画像全体について比較したが、これは必須のことではない。この代わりに、比較対象を一部分、例えば治療範囲154内の画像、に限定してもよい。
心臓などのように患者の姿勢が固定されていてもそのもの自体が周期的に動く器官を対象とする場合、ずれ検知部46では、その器官の周期的な動作パターンの中の同一の動き状態にあるタイミング(時相)の診断画像同士を比較する。このために、生体信号検出器36から出力される周期的な生体信号を利用する。すなわち、シーケンス制御部40は、生体信号検出器36から供給される生体信号に基づき、あらかじめ定められた時相に該当するタイミングを特定し、そのタイミングの診断画像フレームを基準画像として記憶し、また毎回の検査モード120でもその時相の診断画像を基準画像と比較する。例えば、心電図信号のR波からあらかじめ定められた時間だけ後の時相の画像同士を比較するなどである。
アラーム処理部50は、治療対象部位の位置ずれが検知された場合に、音声又は画面表示などにより、その旨をユーザに報知する。
治療時間積算部52は、治療開始時点からの治療用超音波の照射時間のカウントを行う。例えば、治療時間積算部52は、治療モード110の期間中は例えば1秒単位等の所定単位ごとに照射時間を積算していき、検査モード120の期間中は積算を中断する。治療時間積算部52の時間積算値が、あらかじめ治療計画(又はユーザの指定)により定められた総治療時間に達すると、シーケンス制御部40が治療用超音波の照射を中止し(もし行っていれば)、治療シーケンスを終了する。また、治療時間積算部52の時間積算値は、治療経過レコードの一項目として記録してもよい。
ここで、ユーザから総治療時間そのものの指定を受け付けるようにしてもよいし、また別の方法として、ユーザから単位面積当たりの治療時間の指定を受け付け、これと、ユーザから指定された治療範囲154の面積とに基づき総治療時間を計算するようにしてもよい。前者の場合、面積が異なる治療範囲に対し同じ総治療時間を指定すると、単位面積当たりの治療時間が治療範囲ごとに異なってくるが、後者の場合は治療範囲の面積が異なれば、それに応じて総治療時間も異なるようになり、単位面積当たりの治療時間を指定値に保つことができる。
治療経過記録部54は、検査モード120期間ごとに、その期間に求めた診断画像とその診断画像を生成した時点の治療時間の積算値とを含んだ治療経過レコードを作成し、記憶装置54に記憶する。治療経過レコードは、例えば患者の識別情報や日付や時刻の情報などといった他の属性情報と関連づけて記録するようにしてもよい。このような治療経過レコードは、治療の効果や進捗などを、治療(照射)時間とそれに対応する時点の診断画像の組で表しており、例えば治療経過のエビデンスの1つとして利用できる。
以上、制御部18の各機能について説明したが、この制御部18は、例えば、CPU(中央演算装置)とメモリを備えた汎用コンピュータをベースに実装することができる。この場合、上述した各機能は、上述した各機能を記述したプログラムをCPUに実行させることにより実現される。もちろん、それら各機能のうちの一部又は全部をハードウエア回路として実装してもよい。
次に、図6及び図7を参照して、この実施形態の超音波治療装置の処理手順の例を説明する。
ユーザ(医師)は、超音波治療装置を診断モード(検査モード)に設定し、患者に対してプローブ10を当てて表示装置30上で患部近傍の診断画像を観察し、プローブ10を動かしながら治療対象部位を特定し、プローブ10を最適の位置に位置決めする(S10)。プローブ10は、例えば機械的な保持機構に装着されており、位置決めした位置をその保持機構により維持することができるようになっている。この状態で、ユーザが治療モードを指示すると、シーケンス制御部40は、治療範囲の指定画面を表示装置30に表示し、ユーザから治療範囲の指定走査を受け付ける(S12)。指定画面には、診断モードでの診断用の超音波の走査により得られた生体内の画像(例えばBモードの動画像)が表示され、ユーザはそれを見ながら治療範囲を特定し、入力装置34を操作して上に例示したような方法で治療範囲を指定する。このとき、範囲指定をやりやすくするために、ユーザの操作に応じて画像表示をフリーズ(一時停止)状態としてもよい。
治療範囲が指定されると、治療計画部44が上述のようにしてその治療範囲に対応する治療計画を作成し、シーケンス制御部40及び治療用送信器16に設定する(S14)。その後、シーケンス制御部40及び治療用送信器16は、その計画に従って制御を実行することになる。
治療計画の作成、設定が終わると、治療シーケンスが開始される。治療シーケンスの開始は、治療計画の後自動的に開始されるようにしてもよいし、ユーザからの開始指示を待って開始されるようにしてもよい。
治療シーケンスが開始されると、治療範囲指定の期間中に取得された診断画像フレームのうち、あらかじめ定められた時相、又はユーザが指定した時相の画像が、基準画像(あるいは最初の基準画像)として基準画像記憶部48に記憶されるとともに、初期状態の治療経過レコードが治療経過記録部54により作成され、記憶装置32に保存される(S16)。初期状態の治療経過レコードには、治療範囲指定の期間に取得された、あらかじめ定められた又はユーザが指定した時相の診断画像と、治療(照射)時間=0などの情報が含まれる。
また、治療シーケンスが開始されると、シーケンス制御部40は、治療時間積算部52の積算値を0(例えば秒単位。単位は、必要とされる時間管理精度に応じて決定すればよい)にリセットする。また、シーケンス制御部40は、治療時間積算部52が持つ積算値が、指定された総治療時間に達しているか否かを判定する(S18)。達していれば治療シーケンスは終了となり、例えば治療が終了したことを示す画面などを表示する。治療シーケンスの開始時点では、S18の判定は否定(No)となる。
積算値が総治療時間に達していなければ、シーケンス制御部40は切替器12を制御して治療用送信器16を選択することで、超音波治療装置を治療モードに移行すると共に、治療時間積算部52に時間のカウントアップを開始させる(S20)。これにより、プローブ10からは、治療用の強度の超音波ビームが、生体内の治療範囲に向けて照射されることとなる。治療用送信器16は、治療計画が示す走査及びフォーカス深さのパターンに従ってビーム位置・方向及びフォーカス深さが時間的に変化するよう、プローブ10の各振動子に与える駆動信号を時間的に調整する。
その後シーケンス制御部40は、今回の治療モード110の開始時点から、1回の治療モード110の継続時間である前述の単位時間(例えば1分程度)が経過するまで、治療モード110の動作(すなわち治療用強度の超音波照射、及び治療時間の積算)を継続する(S22)。
なお、以上の治療モード110の期間(単位時間)の間、表示装置30には、基準画像記憶部48に記憶された基準画像を表示するようにしてもよい。このとき、表示する画像に、治療範囲154の画像を重畳表示してもよく、このようにすれば例えばユーザはどのあたりを治療しているのかを目視確認できる。なお、このとき、表示している画像はリアルタイム画像ではないことを示すメッセージ又はマークを表示装置30に表示してもよい。これにより、ユーザが表示中の画像をリアルタイム画像と誤解する可能性を低減できる。
S22で今回の治療モード110の開始から単位時間が経過したことを検知した場合、シーケンス制御部40は、切替器12の選択を治療用送信器16から診断用送信器14へと切り替えることで、超音波治療装置を検査(診断)モード120へと移行させる(S24)。このとき、治療時間積算部52に時間積算を停止させる。これにより、治療時間積算部52の持つ積算値は次に積算再開が指示されるまで、現在の値のまま維持される。検査モード120では、プローブ10から診断用の強度の超音波パルスビームが送出され、そのエコーからBモード画像などの診断画像が生成され、表示装置30に表示される。診断画像は、例えばリアルタイムの動画像として表示してもよく、治療範囲154の画像を重畳表示してもよい。ユーザは、その画像表示により、目視で治療範囲と治療対称との位置関係を確認できる。
また、シーケンス制御部40は、ずれ検知部46に対して治療対象部位の位置ずれの検知処理を指示する。ずれ検知部46は、今回の検査モード120で生成されている診断画像のうち、生体信号検出器36からの周期的な生体信号に基づき決定される、あらかじめ定められた時相(基準画像の時相と同じ時相)の画像(フレーム)と、基準画像記憶部48に記憶された基準画像とを比較し、有意なずれ(しきい値を越える程度のずれ)が生じているかどうかを判定する(S26)。
S26の判定で有意なずれがないと判定されると(S28の判定結果が否定)、シーケンス制御部40は、治療経過記録部54に治療経過レコードの記録を指示する(S16)。治療経過記録部54は、S26での比較に用いられた今回の検査モード120での診断画像と、治療時間積算部52が示す治療時間積算値とを含んだ治療経過レコードを作成し、記憶装置32に保存する。このとき、ずれ検知のための基準画像として前回の検査モード120期間の診断画像を用いる設定の場合は、基準画像記憶部48に対し、S26での比較に用いられた今回の検査モード120での診断画像を新たな基準画像として上書きする。
そして、シーケンス制御部40は、治療時間積算部52が持つ積算値が、指定された総治療時間に達しているか否かを判定し(S18)、達していなければ、超音波治療装置を治療モード110へと切り替え、治療時間積算部52に積算(カウントアップ)を再開させる(S20)。以降、S22以下の処理を繰り返す。
S26の判定で有意なずれがあると判定されると(S28の判定結果が肯定)、処理は図7に例示する手順に進む。この手順では、シーケンス制御部40は、アラーム処理部50にアラーム処理の実行を指示する(S30)。アラーム処理では、例えば、アラーム音声を発したり、治療対象部位の位置ずれが生じたことを示すメッセージや画像を表示装置30に表示したり、その両方を行ったりする。また、位置ずれを修正することをユーザに促すメッセージを表示してもよい。
ユーザは、このアラームに応じて、患者の姿勢や位置、或いはプローブ10の向きや位置を調整し、プローブ10を、治療対象部位に対する正しい位置、姿勢となるよう再位置決めする(S32)。この再位置決め作業では、ユーザは、表示装置30に表示されている診断画像を見ながら、患者やプローブ10の位置・姿勢を調整する。この間、表示装置には、例えばリアルタイムの診断画像が表示されており、更にS12で指定された治療範囲154の画像を重畳表示してもよい。ここで、治療範囲154の画像は、画面上でのプローブ10の位置に対して固定されており、患者又はプローブ10の位置又は姿勢が変わると、例えば画面上で固定された治療範囲154に対し、その範囲内に入る診断画像の部分が変化することになる。ユーザは、このような表示を確認しながら、治療対象部位が正しく治療範囲154内に収まるよう、患者又はプローブ10の位置又は姿勢を調整する。なお、この再位置決めのためのガイドとして、S12で治療範囲が決定されたときの、又は直前の検査モード120期間の診断画像(治療範囲154が重畳表示されたもの)を、リアルタイムの診断画像と並べて表示してもよい。ユーザは、そのガイド画面とリアルタイムの診断画像を見比べながら、再位置決めが正しくなされたかどうかを判断できる。また、このとき、ずれ検知部46に、この再位置決めしたときの診断画像(ただし基準画像と同じ時相の物を選択)を基準画像と比較させ、有意なずれがあれば、位置決めのし直しを促すようにしてもよい。
再位置決めが正しくなされたと判断したユーザが、超音波治療装置に対して治療再開を指示すると、シーケンス制御部40は、治療時間積算部52が持つ積算値から、直前の治療モード110の時間分の値を減算することで、積算値を調整する(S34)。これは、その治療モード110の直後の検査で位置ずれが検知されたので、その治療モード110では治療用の超音波が正しく照射されなかったものと見なす、すなわちその治療モード110自体が無効であったと見なす、という考え方に基づく。この場合、無効と見なしたその治療モード110の期間全体を治療(照射)時間から省くことになる。これに対し、別の考え方として、位置ずれが検知された検査の直前の治療モード110の期間も有効であったと見なす考え方もあり、この考え方に従えば、S34の処理は不要である。どちらの考え方を採用するかを、ユーザが超音波治療装置に対して設定できるようにしてもよい。
このようにして、再位置決めがなされ、ユーザから治療再開の指示がなされると、シーケンス制御部40は図6の手順のS20に戻り、超音波治療装置を治療モード110へと切り替えて処理を続行する。
なお、図6及び7に例示した手順はあくまで一例に過ぎない。本発明の範囲内で、様々な変形が可能である。
以上では、1次元アレイのプローブ10を用い、そのアレイによりカバーされる断層面内の治療範囲を治療する場合を代表例にとって説明した。これに対し、実際に治療したい範囲が3次元の広がりを持つ場合は、例えば、ある断層面の治療が完了した後プローブ10をアレイ方向に直交する方向にずらし、図6及び7の手順を繰り返すようにしてもよい。また、1次元アレイをアレイ方向に直交する方向に少しずつずらす動作を自動制御する機構を備えたプローブ(メカニカル3Dプローブ)を用いてもよい。この場合、アレイ方向に直交する方向についてずらし位置が異なる各断層面での治療範囲は、共通のものとしてもよいし、断層面ごとに別々に指定できるようにしてもよい。また、2Dアレイプローブを用いる場合についても、メカニカル3Dプローブと同様の取扱が可能である。また、2Dアレイプローブ又はメカニカル3Dプローブを用いる場合、治療範囲を3次元のボリューム画像表示上で指定できるようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施形態の装置によれば、治療用の強度の超音波の照射中に定期的に診断画像が生成され、その診断画像を用いて治療対象部位の位置ずれが生じていないかどうかを検査することができる。そして、検査の結果、有意な位置ずれが検知されれば、治療対象部位がプローブ10の照射範囲に対して正しく位置決めし直されるまで、治療用強度の超音波照射が再開されないよう制御するので、治療対象部位以外への治療用超音波照射を極力少なくすることができる。
また、この実施形態では、1つのプローブ10を診断画像生成用と治療用の両方に兼用したので、超音波の送出原点、及び進行経路が診断画像生成時と治療時とで同一となる。したがって、診断画像を基準に設定された治療範囲154に正しく治療用強度の超音波が照射できることが高い可能性で成り立つ。
治療用の超音波発生源と診断用のプローブとを別体とし、両者が体表面上の異なる位置から同じ対象部位をめがけて超音波を送出する構成も考えられなくはないが、この構成では、治療用の超音波と診断用の超音波は体内でまったく異なった経路を辿ることとなる。生体内の組織ごとの音響インピーダンスの相違の影響などにより、超音波の音速は組織ごとに異なり、診断画像上で同じ長さであっても、その長さが意味する実際の生体内での長さは、音速に応じて部分ごとに異なってくる。したがって、治療用の超音波発生源と診断用のプローブとが別体の場合、診断画像が表示している治療範囲に治療用の超音波が正しく照射されている可能性は、診断と治療に同一プローブ(すなわち同一振動子)を用いる場合よりも低くなる。
なお、治療と診断とにまったく同じ振動子アレイを用いることは、必ずしも必須のことではない。この代わりに、例えば図8に例示するように診断用の振動子アレイ200と治療用の振動子アレイ202とを別々のアレイとし、それら両アレイ200,202を、図示のように、アレイ方向に直交する方向について隣接するように並列配置したプローブを用いてもよい。このような場合でも、診断用の振動子アレイ200と治療用の超音波が隣接しているので、診断時と治療時の超音波の送出原点、伝搬経路は実質的に同一となる。なお、図8の例では、診断用の振動子アレイ200の振動子210のサイズと、治療用の振動子アレイ202の振動子210のサイズとを便宜上同一サイズとしたが、これは必須のことではない。診断用と治療用で別々の振動子(アレイ)を用いることで、治療用の超音波の強度を(両用途に同一振動子を用いる場合に比べて)強めることも可能となる。
また、上記実施形態では、診断用と治療用とで実質的に同一位置の振動子アレイ(兼用の場合も含む)を用いたことで、診断画像上で指定した治療範囲に対して治療用超音波を照射する際の制御が容易になる。すなわち、例えば、治療用超音波について診断用の場合と同様のビーム走査やフォーカス深さ制御を行えば、治療範囲に対して治療用超音波を正しく照射できる。
また、上記実施形態では、治療範囲154を、診断画像におけるビーム方向及び走査方向にそれぞれ平行な線で区切られた範囲とすることで、治療用超音波ビームについても単純に走査範囲及びフォーカス深さ範囲をその治療範囲に従って制限するだけで、治療用ビームのライン及びフォーカス深さをその治療範囲内で振ることができるようになる。なお、治療範囲を上述のようにすることはあくまで一例に過ぎない。治療範囲を任意形状としても、治療用送信器16がその形状に合わせてビーム走査及びフォーカス深さを制御することは可能である。
また、超音波治療装置の操作パネル等に、治療モードと診断(検査)モードの切り替えのための操作部(例えばボタン)を設けておき、上述の治療シーケンス(図6参照)の実行中に、ユーザの意志に応じてモード切り替えできるようにしてもよい。このような構成によれば、例えば、治療モード110の実行中に、ユーザ(医師等)が患者の姿勢変化を見て取ったときなどに、ユーザがその操作部を操作して検査モードへと強制的に切り替え、治療対象部位の位置ずれが生じたかどうかをチェックできるようにすることができる。
また、以上の例では、治療中のずれ検査のタイミングを定期的にした(言い換えれば、すべての治療モード110期間を同じ長さとした)が、これは必須のことではない。個々の検査タイミングを別の条件から決めてもよく、検査タイミングは必ずしも同一周期ごとでなくてもよい。
また、以上では、心筋梗塞などの虚血組織の血管新生・再生治療を例に取ったが、この実施の形態の超音波治療装置は他の治療目的にも適用可能である。
10 プローブ、12 切替器、14 診断用送信器、16 治療用送信器、18 制御部、20 整相加算器、22 Bモード処理部、24 カラー処理部、26 ドプラ処理部、28 DSC、30 表示装置、32 記憶装置、34 入力装置、36 生体信号検出器。

Claims (8)

  1. 診断画像生成用の強度の超音波を送出するための診断超音波送出手段と、
    前記診断画像生成用の強度よりも強い、治療用の強度の超音波を前記診断超音波送出手段と実質的に同じ送出位置から送出するための治療超音波送出手段と、
    治療期間内に前記治療超音波送出手段から前記治療用の強度の超音波を送出させると共に、あらかじめ定められた条件を満たす検査タイミングごとに、前記診断用超音波送出手段から前記診断画像生成用の強度の超音波を送出させることにより当該検査タイミングでの診断画像を生成するシーケンス制御手段と、
    到来した検査タイミングにおける診断画像が前記シーケンス制御手段の制御により生成された場合に、当該診断画像と過去の検査タイミングに生成され記憶されていた診断画像との比較に基づき、治療対象部位の位置ずれの状態を検知するずれ検知手段と、
    前記ずれ検知手段により前記治療対象部位の位置ずれが検知された場合に、所定のずれ対応処理を行うずれ対応処理手段と、
    を備える超音波治療装置。
  2. 前記治療超音波送出手段を用いた治療期間の開始前に、前記診断超音波送出手段から前記診断画像生成用の強度の超音波を送出させることにより治療範囲指定用の診断画像を生成し、表示装置に表示させる表示制御手段と、
    前記表示装置に表示された前記治療範囲指定用の診断画像に対するユーザからの治療範囲の指定を受け付ける範囲指定受付手段と、
    前記範囲指定受付手段で受け付けた前記治療範囲に前記治療用の強度の超音波を送出するように前記治療超音波送出手段を制御する治療制御手段と、
    を更に備える請求項1に記載の超音波治療装置。
  3. 前記治療超音波送出手段は、前記治療用の強度の超音波として、ビーム走査位置及び焦点深さを変えながら超音波ビームを送出可能であり、
    前記治療制御手段は、前記範囲指定受付手段で受け付けた前記治療範囲の中でビーム走査位置及び焦点深さをあらかじめ設定された治療計画パターンに従って変えながら、前記治療超音波送出手段に超音波ビームを送出させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の超音波治療装置。
  4. 前記治療期間の開始時点を始点として、前記治療超音波送出手段から前記治療用の強度の超音波を送出した時間を積算する治療時間積算手段と、
    前記ずれ対応処理手段は、前記ずれ検知手段により前記治療対象部位の位置ずれが検知された場合にその後前記治療超音波送出手段による治療が再開されるまで前記治療時間積算手段に積算を停止させ、その後前記治療超音波送出手段による治療が再開された場合に、前記位置ずれが検知された時点に対応する積算値から積算を再開するよう前記治療時間積算手段を制御する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波治療装置。
  5. 前記検査タイミングごとに、当該検査タイミングに生成した診断画像を、当該検査タイミングでの前記治療時間積算手段の時間の積算値と対応づけて記録する治療経過記録手段、を更に備える請求項4に記載の超音波治療装置。
  6. 治療対象である生体の周期的な動作に対応する生体信号を検知する生体信号検知手段を更に備え、
    前記シーケンス制御手段は、前記あらかじめ定められた条件を満たす検査タイミングとして、前回の検査タイミングからあらかじめ定められた単位治療時間が経過する時点の近傍で、前記生体信号検知手段が検知する前記生体信号から求められる前記生体の動作の時相があらかじめ定められた時相に該当する時点を選択する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波治療装置。
  7. 前記シーケンス制御手段は、前記診断超音波送出手段により前記検査タイミングにおける診断画像を生成している間は、前記治療超音波送出手段による前記治療用の強度の超音波の送出を停止させる、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波治療装置。
  8. 前記シーケンス制御手段の制御により前記治療超音波送出手段から前記治療用の強度の超音波を送出している時に、その送出を停止させて前記診断用超音波送出手段から前記診断画像生成用の強度の超音波を送出させることにより診断画像を生成する旨の操作をユーザから受け付ける強制切替指示手段、を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の超音波治療装置。
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