JP2011015446A - 画像処理方法、プログラム、画像処理装置、画像形成装置 - Google Patents

画像処理方法、プログラム、画像処理装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】両面印刷時の待ち時間の確保を短縮するために吐出量の制限や間引き処理を行なうことによって、本来であれば最大限の色域を確保できる色相にまで抑制を強いることとなって画質が低下する。
【解決手段】入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行い、色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値であるとする。
【選択図】図10

Description

本発明は画像処理方法、プログラム、画像形成装置、画像処理装置、画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液滴吐出ヘッドを記録ヘッドに用いたインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、インク記録ヘッドから用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に記録液としてのインクを吐出して画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものである。
このようなインクジェット記録装置がパーソナル領域からオフィス領域に広がるためには、次の大きな2つの課題を解決しなければならない。先ず、1つは、記録速度が挙げられる。工業用の特殊なタイプを除いて、一般的なインクジェット記録装置では、記録用紙よりもずっと小さい記録ヘッドが何度も用紙上を走査してインク滴を吹き付けることで記録を行っている。これはいわば「線」で記録する方式と言え、用紙(ページ)単位、すなわち「面」で記録を行なう電子写真方式の画像形成装置に比べると、記録速度の点でかなり不利になると言える。
この印刷速度面の不利を解消するために、インク滴を噴射する周期を高めて走査速度の向上を図るものや、記録ヘッドの大型化や双方向記録による走査回数の削減、画像データを記録する部位にのみ走査を行なう最短制御といった走査シーケンスの効率化が採用されるようになってきている。これにより、小〜中部数の印刷ではむしろ、電子写真を上回る記録速度を実現することも可能になっている。
2つ目はコストに関係する問題として、普通紙対応が挙げられる。専用紙を用いた場合には、インクジェット記録画像は極めて高品質な画像再現が可能であり、昨今のパーソナル用途のインクジェット記録装置では、写真と見間違えるばかりの画像品質が得られるようになってきている。
しかしながら、これらの専用紙は一般に高価であり、企業等において厳しいコスト管理が要求される場合には導入が難しく、また、オフィス用途で出力される画像では、そこまでの画像品質は要求されないため、専用紙でしか品質の高い画像を形成できないのではデメリットが大きくなる。
そこで、普通紙に対応するために、インクの組成に改良が加えられることとなり、例えば、低浸透な染料インクの開発や、定着補助剤の利用、顔料系インクの開発等が試みられ、最新の機種では、オフィスで一般的に利用される普通紙、一般にコピー用紙として利用される用紙でも、電子写真方式の画像形成装置と同等の品質の画像を形成できるようになってきている。
このように、速度面や画像品質の改善により、インクジェット記録装置はオフィスにおいても非常に魅力的な製品となってきている。特に、レーザープリンタに比べてコスト面でのアドバンテージが高く、小型化が容易なために、デスクトップでの利用も進んでいる。
しかしながら、色剤を用紙表面に定着させる機構を持つレーザープリンタやオフセット印刷等の画像形成装置と異なり、用紙中へ色剤の浸透を利用して定着を行なうインクジェット記録では、この浸透プロセスに伴う問題や制約が常につきまとうことになる。
すなわち、インクに含まれる水分によって用紙が膨潤し、変形した用紙が記録ヘッドと接触して記録面を汚してしまうコックリングという問題が挙げられる。インク滴の噴射位置精度を上げるためには、できる限り記録ヘッドと用紙間のギャップを小さくする必要があるが、インクジェット専用紙と異なり、オフィスで使用される普通紙は膨潤対策など施されていないため、ギャップの設定を小さくしすぎると、膨潤した用紙とヘッドの接触が生じて不良画像出力へとつながるおそれがある。
また、用紙表面に着弾したインクが未乾燥の内に搬送機構の部材に擦過し、部材に付着したインクが用紙に表面を汚したり、排紙された用紙表面の未乾燥インクが、次に排紙された用紙の裏面を汚したりといった問題が発生する場合もあった。
これらの問題に対して、従来は、記録ヘッドと用紙間のギャップ(距離)を広げて物理的な接触面を減らす、印字シーケンスの最適化を図り乾燥時間を確保する、あるいは、強制的に乾燥させるためのヒーターを設ける等の手段が取られていた。
しかしながら、記録ヘッドと用紙間のギャップを大きくすることは、ドット位置精度を低下させる要因となる。また、乾燥時間を確保するために停止等を行なうと、スループットの低下を生じることになる。さらに、ヒーターの設置は、コストアップに加えて安全性にも気を配る必要があり、場合によっては暖められた用紙がカールしてしまってジャムなどにつながるおそれがある。
そこで、近年になり、インク処方の面から対策が進み、上記したような特別な手段を用いなくても印字品質を落とすことなく普通紙に記録を行うことが可能になってきた。例えば、用紙への浸透性を上げることで、用紙表面にインクが留まることなく、速やかに浸透が行われるため、部品や用紙との接触による二次転写を防止することが可能となる。このような改善によって、インクジェット記録装置は、「片面記録」(片面印刷)では、レーザープリンタに引けを取らない記録速度を実現できるまでになってきている。
ここで「片面記録」と限定したのは、両面記録(両面印刷)では依然として乾燥時間を確保する必要があり、この待ち時間によって「片面記録時」よりも大幅に記録時間がかかってしまうためである。乾燥時間を確保しなければならない理由は、用紙のリロード(再セット)における二次転写を防止するためである。一般的に、用紙搬送機構には、用紙の浮きやズレを防止する目的で、圧力をかけて用紙を送り出す加圧コロや押しつけコロといったローラ状の部品が存在する。この加圧コロの下を未乾燥の用紙の記録面が通過すると、あたかもオフセット印刷の如く、加圧コロ表面に未乾燥インクが転写され、コロの回転により用紙表面にインクが再転写されてしまうことになる。接触したレベルでは用紙中に浸透したインクがこのような部品に再転写されることはないが、加圧コロの下では用紙中のインクが強制的に絞り出されるような状態となるため、再転写が起こり易くなる。
この待ち時間を短縮するため、両面記録時は、インク使用量を抑える手法が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、記録用紙の種類に応じて乾燥のための待機時間を調整する他、間引き等によってインク使用量を抑制することが記載されている。これは、二次転写防止と裏写り、すなわち表側の面に記録されたインクが浸透によって裏側にまでにじみ出し、両面記録の画質が低下するのを防止することも目的としている。
また、特許文献2には、出力する画像データが文字か文字以外かを判断し、文字以外であれば、インク吐出量を調整することで、用紙に付着する水分量を抑えることが記載されている。
さらに、特許文献3には、インク付着量をγ補正によって制限することが記載されている。
特許第2879872号公報 特開平09−123431号公報 特開2005−053087号公報
しかしながら、上述した特許文献1ないし3に記載の方法では、実際に用紙に付着するインク量を制限することができるが、その制限の効果は画像全体に及ぶため、画像濃度が全体的に低くなるといった課題が生じている。
例えば、1次色のみの画像データであれば、インク付着量は最大でも単色ベタ以上のインクは使用されず、この単色ベタというインク付着量は、画像データにもよるが、両面記録において必ずしも使用不可能な量ではない。それにもかかわらず、吐出量の制限や間引き処理を行なうことによって、本来であれば最大限の色域を確保できる色相にまで抑制を強いることとなって画質が低下することになる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、乾燥のための待ち時間の短縮化を図りつつ、画像品質の低下をできる限り抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像処理方法は、
入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する両面印刷が可能な画像形成装置に対して送出する画像データを生成処理する画像処理方法において、
入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行い、
前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、
前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
構成とした。
ここで、一次色から二次色への色相の変化と記録液付着量の変化が対応している構成とできる。
また、前記色空間変換後の記録液付着量が両面印刷条件下で規定される最大記録液付着量である構成とできる。
また、一次色記録液最大付着量≦変換後の記録液付着量≦両面印刷条件下で規定される最大記録液付着量の関係にある構成とできる。
また、前記画像データを構成するオブジェクト毎に前記補正係数を切替える構成とできる。
本発明に係るプログラムは、
入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理をコンピュータに行なわせるプログラムにおいて、
入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行わせ、
前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行わせ、
前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
構成とした。
本発明に係る画像処理装置は、
入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して画像を形成する両面印刷が可能な画像形成装置に対して送出する画像データを生成処理する画像処理装置において、
入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行う手段を有し、
前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、
前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、
入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して画像を形成する画像形成装置において、
入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行う手段を有し、
前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、
前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
構成とした。
本発明に係る画像処理方法、プログラム、画像処理装置、画像形成装置及び画像形成システムによれば、入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行い、前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である構成としたので、乾燥のための待ち時間を短縮しつつ、画像品質の低下を抑制することができる。
画像形成装置の一例を示すインクジェット記録装置の機構部の概略構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 同装置のヘッドユニット構成を説明する斜視説明図である。 同装置の搬送ベルトの一例を説明する説明図である。 同装置による画像形成動作の説明に供する説明図である。 同装置の制御部の概要を示すブロック図である。 本発明に係る画像処理装置における本発明に係るプリンタドライバの構成の一例を機能的に説明するブロック図である。 同じく本発明に係るプリンタドライバの構成の他の例を機能的に説明するブロック図である。 プリンタドライバ内での画像処理の流れの詳細を説明するブロック説明図である。 本発明の一実施形態に係る色空間変換処理の説明に供するフロー図である。 本発明の他の実施形態に係る色空間変換処理の説明に供するフロー図である。 従来の両面印刷時の補正方法による不具合の説明に供する説明図である。 同じく色域として見たときの説明に供する説明図である。 本発明における色空間変換処理における補正係数の説明に供する説明図である。 本発明における色空間変換処理を行なった場合を色域で見たときの説明に供する説明図である。 CMMパラメータを構成する3次元ルックアップテーブルの説明に供する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、画像形成装置としてのインクジェット記録装置の一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同記録装置の機構部全体の概略構成図、図2は同記録装置の要部平面説明図、図3は同記録装置のヘッド構成を説明する斜視説明図、図4は同記録装置の搬送ベルトの模式的断面説明図である。
このインクジェット記録装置は、装置本体1の内部に画像形成部2等を有し、装置本体1の下方側に多数枚の記録媒体(以下「用紙」という。)3を積載可能な給紙トレイ4を備え、この給紙トレイ4から給紙される用紙3を取り込み、搬送機構5によって用紙3を搬送しながら画像形成部2によって所要の画像を記録した後、装置本体1の側方に装着された排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
また、このインクジェット記録装置は、装置本体1に対して着脱可能な両面ユニット7を備え、両面印刷を行なうときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構5によって用紙3を逆方向に搬送しながら両面ユニット7内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
ここで、画像形成部2は、ガイドシャフト11、12にキャリッジ13を摺動可能に保持し、図示しない主走査モータでキャリッジ13を用紙3の搬送方向と直交する方向に移動(主走査)させる。このキャリッジ13には、液滴を吐出する複数の吐出口であるノズル孔14n(図3参照)を配列した液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド14を搭載し、また、この記録ヘッド14に液体を供給するインクカートリッジ15を着脱自在に搭載している。なお、インクカートリッジ15に代えてサブタンクを搭載し、メインタンクからインクをサブタンクに補充供給する構成とすることもできる。
ここで、記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドである独立した4個のインクジェットヘッド14y、14m、14c、14kとしているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。なお、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
給紙トレイ4の用紙3は、給紙コロ(半月コロ)21と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体1内に給紙され、搬送機構5に送り込まれる。
搬送機構5は、給紙された用紙3をガイド面23aに沿って上方にガイドし、また両面ユニット7から送り込まれる用紙3をガイド面23bに沿ってガイドする搬送ガイド部23と、用紙3を搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24に対して用紙3を押し付ける加圧コロ25と、用紙3を搬送ローラ24側にガイドするガイド部材26と、両面印刷時に戻される用紙3を両面ユニット7に案内するガイド部材27と、搬送ローラ24から送り出す用紙3を押圧する押し付けコロ28とを有している。
さらに、搬送機構5は、記録ヘッド14で用紙3の平面性を維持したまま搬送するために、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に掛け渡した搬送ベルト33と、この搬送ベルト33を帯電させるための帯電ローラ34と、この帯電ローラ34に対向するガイドローラ35と、図示しないが、搬送ベルト33を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)と、搬送ベルト33に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
ここで、搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、駆動ローラ31と従動ローラ(テンションローラ)32との間に掛け渡されて、図1の矢示方向(用紙搬送方向)に周回するように構成している。
この搬送ベルト33は、単層構成、又は図4に示すように第1層(最表層)33aと第2層(裏層)33bの2層構成あるいは3層以上の構成とすることができる。例えば、この搬送ベルト33は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とで構成する。
帯電ローラ34は、搬送ベルト33の表層に接触し、搬送ベルト33の回動に従動して回転するように配置されている。この帯電ローラ34には図示しない高圧回路(高圧電源)から高電圧が所定のパターンで印加される。
また、搬送機構5から下流側には画像が記録された用紙3を排紙トレイ6に送り出すための排紙ローラ38を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト33は矢示方向に周回し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ34と接触することで正に帯電される。この場合、帯電ローラ34からは所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、所定の帯電ピッチで帯電させる。
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト33上に用紙3が給送されると、用紙3内部が分極状態になり、搬送ベルト33上の電荷と逆極性の電荷が用紙3のベルト33と接触している面に誘電され、ベルト33上の電荷と搬送される用紙3上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙3は搬送ベルト33に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト33に強力に吸着した用紙3は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そこで、搬送ベルト33を周回させて用紙3を移動させ、キャリッジ13を片方向又は双方向に移動走査しながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動し、図5(a)、(b)に示すように、記録ヘッド14から液滴14iを吐出(噴射)させて、停止している用紙3に液滴であるインク滴を着弾させてドットDiを形成することにより、1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後、次の行の記録を行なう。記録終了信号又は用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。なお、図5(b)は図5(a)のドットDi形成部分を拡大したものである。
このようにして、画像が記録された用紙3は排紙ローラ38によって排紙トレイ6に排紙される。
次に、このインクジェット記録装置で使用する記録液としてのインクについて説明する。
本発明において、画像形成装置が使用するインクの色材としては、顔料、染料のいずれでも用いることができ、また、混合して用いることができる。
〔顔料〕
顔料としては、以下に挙げるものが好適に用いられる。また、これら顔料は複数種類を混合して用いても良い。
有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
これらの顔料の粒子径は0.01〜0.30μmで用いることが好ましく、0.01μm以下では粒子径が染料に近づくため、耐光性、フェザリングが悪化してしまう。また、0.30μm以上では、吐出口の目詰まりやプリンタ内のフィルタでの目詰まりが発生し、吐出安定性を得ることができない。
ブラック顔料インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が、50〜300平方メートル/g、DBP吸油量が、40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上、三菱化学製)、Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(以上、コロンビア製)、Regal400R、同330R、同660R、MogulL、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(以上、キャボット製)、カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(以上、デグッサ製)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
カラー顔料の具体例を以下に挙げる。
有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
色別により具体的には以下のものが挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同73、同74、同75、同83、同93、同95、同97、同98、同114、同128、同129、同151、同154等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
マゼンタインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同7、同12、同48(Ca)、同48(Mn)、同57(Ca)、同57:1、同112、同123、同168、同184、同202等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
シアンインクに使用できる顔料の例としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15:3、同15:34、同16、同22、同60、C.I.バットブルー4、同60等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
以上に挙げた顔料は高分子分散剤や界面活性剤を用いて水性媒体に分散させることでインクジェット用記録液とすることができる。このような有機顔料粉体を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。
水溶性樹脂の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、これらの中でも重量平均分子量3000〜20000のものが、インクジェット用記録液に用いた場合に、分散液の低粘度化が可能であり、かつ分散も容易であるという利点があるので特に好ましい。
高分子分散剤と自己分散型顔料を同時に使うことは、適度なドット径を得られるため好ましい組み合わせである。その理由は明かでないが、以下のように考えられる。
高分子分散剤を含有することで記録紙への浸透が抑制される。その一方で、高分子分散剤を含有することで自己分散型顔料の凝集が抑えられるため、自己分散型顔料が横方向にスムーズに拡がることができる。そのため、広く薄くドットが拡がり、理想的なドットが形成できると考えられる。
また、分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。又、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。又、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
また、顔料は親水性基を有する樹脂によって被覆し、マイクロカプセル化することで、分散性を与えることもできる。
水不溶性の顔料を有機高分子類で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能である。従来公知の方法として、化学的製法、物理的製法、物理化学的方法、機械的製法などが挙げられる。具体的には、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化被膜法、コアセルベーション(相分離)法、液中乾燥法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法、酸析法、転相乳化法などを挙げることができる。
界面重合法とは、2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相と連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法である。in−situ重合法とは、液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法である。液中硬化被膜法とは、芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法である。
コアセルベーション(相分離)法とは、芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート(濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法である。液中乾燥法とは、芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法である。
融解分散冷却法とは、加熱すると液状に溶融し常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細な粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法である。気中懸濁被覆法とは、粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液を噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法である。
スプレードライング法とは、カプセル化原液を噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分を蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法である。酸析法とは、アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中で混練した後、酸性化合物で中性または酸性にし有機化合物類を析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法である。転相乳化法とは、水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体を有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法である。
マイクロカプセルの壁膜物質を構成する材料として使用される有機高分子類(樹脂)としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリウレア、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、多糖類、ゼラチン、アラビアゴム、デキストラン、カゼイン、タンパク質、天然ゴム、カルボキシポリメチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸の重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アルギン酸ソーダ、脂肪酸、パラフィン、ミツロウ、水ロウ、硬化牛脂、カルナバロウ、アルブミンなどが挙げられる。
これらの中ではカルボン酸基またはスルホン酸基などのアニオン性基を有する有機高分子類を使用することが可能である。また、ノニオン性有機高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体)、2−オキサゾリンのカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。
また、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類の量は、有機顔料またはカーボンブラックなどの水不溶性の色材に対して1重量%以上20重量%以下である。有機高分子類の量を上記の範囲にすることによって、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低いために、有機高分子類が顔料表面を被覆することに起因する顔料の発色性の低下を抑制することが可能となる。有機高分子類の量が1重量%未満ではカプセル化の効果を発揮しづらくなり、逆に20重量%を越えると、顔料の発色性の低下が著しくなる。さらに他の特性などを考慮すると有機高分子類の量は水不溶性の色材に対し5〜10重量%の範囲が好ましい。
すなわち、色材の一部が実質的に被覆されずに露出しているために発色性の低下を抑制することが可能となり、また、逆に、色材の一部が露出せずに実質的に被覆されているために顔料が被覆されている効果を同時に発揮することが可能となるのである。また、有機高分子類の数平均分子量としては、カプセル製造面などから、2000以上であることが好ましい。ここで「実質的に露出」とは、例えば、ピンホール、亀裂などの欠陥などに伴う一部の露出ではなく、意図的に露出している状態を意味するものである。
さらに、色材として自己分散性の顔料である有機顔料または自己分散性のカーボンブラックを用いれば、カプセル中の有機高分子類の含有率が比較的低くても、顔料の分散性が向上するために、十分なインクの保存安定性を確保することが可能となるので本発明にはより好ましい。
なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。
マイクロカプセル化の方法として転相法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材との複合物または複合体、あるいは自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。上記転相法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。
一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、自己分散性有機顔料または自己分散型カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。
また、上記に挙げたようなマイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類;ベンゾール、トルオール、キシロールなどの芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;クロロホルム、二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明に用いることができる記録液を得る。以上の如き方法で得られるカプセル化顔料の平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。
このように樹脂被覆することによって顔料が印刷物にしっかりと付着することにより、印刷物の擦過性を向上させることができる。
〔染料〕
記録液に用いられる染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。これら染料は複数種類を混合して用いても良いし、あるいは必要に応じて顔料等の他の色材と混合して用いても良い。これら着色剤は、本発明の効果が阻害されない範囲で添加される。
(a)酸性染料及び食用染料として、
C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,44,79,142
C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289
C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,249
C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,94
C.I.フード・イエロー 3,4
C.I.フード・レッド 7,9,14
C.I.フード・ブラック 1,2
(b)直接染料として、
C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,26,33,44,50,86,120,132,142,144
C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227
C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102
C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202
C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171
(c)塩基性染料として、
C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112
C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155
C.I.ベーシック・ブラック 2,8
(d)反応性染料として、
C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12,17
C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67
C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97
C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が使用できる。
〔染料・顔料共通の添加剤、物性〕
本発明に係る画像形成装置で使用する記録液を所望の物性にするため、あるいは乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止するためなどの目的で、色材の他に、水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。水溶性有機溶媒には湿潤剤、浸透剤が含まれる。湿潤剤は乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加される。
湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエ−テル額;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
また、浸透剤は記録液と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加される。浸透剤としては、下記式(I)〜(IV)で表されるものが好ましい。すなわち、下記式(I)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤、式(II)のアセチレングリコール系界面活性剤、下記式(III)のポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤ならびに式(IV)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系界面活性剤は、液の表面張力を低下させることができるので、濡れ性を向上させ、浸透速度を高めることができる。

(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、kは5〜20)


(m、nは0〜40)

(Rは分岐していても良い炭素数6〜14の炭化水素鎖、nは5〜20)

(Rは炭素数6〜14の炭化水素鎖、m、nは20以下の数)
前記式(I)〜(IV)の化合物以外では、例えばジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類を用いることができるが、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明に係る画像形成装置で使用する記録液の表面張力は、10〜60N/mであることが好ましく、被記録媒体との濡れ性と液滴の粒子化の両立の観点からは15〜30N/mであることがさらに好ましい。
同じく記録液の粘度は、1.0〜20mPa・sの範囲内であることが好ましく、吐出安定性の観点からは5.0〜10mPa・sの範囲内であることが好ましい。
また、記録液のpHは3〜11の範囲内であることが好ましく、接液する金属部材の腐食防止の観点からはpHは6〜10の範囲内であることがさらに好ましい。
さらに、記録液には防腐防黴剤を含有することができる。防腐防黴剤を含有することによって、菌の繁殖を押さえることができ、保存安定性、画質安定性を高めることができる。防腐防黴剤としてはベンゾトリアゾール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
また、記録液には防錆剤を含有することができる。防錆剤を含有することによって、ヘッド等の接液する金属面に被膜を形成し、腐食を防ぐことができる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が使用できる。
さらに、記録液には酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を含有することによって、腐食の原因となるラジカル種が生じた場合にも酸化防止剤がラジカル種を消滅させることで腐食を防止することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系化合物類、アミン系化合物類が代表的であるがフェノール系化合物類としては、ハイドロキノン、ガレート等の化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のヒンダードフェノール系化合物が例示され、アミン系化合物類としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン等が例示される。また、後者としては、硫黄系化合物類、リン系化合物類が代表的であるが、硫黄系化合物としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が例示され、リン系化合物類としては、トリフェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールフォスファイト等が例示される。
また、記録液にはpH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等を用いることができる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部100は、装置全体の制御を司るCPU101と、CPU101が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM102と、画像データ等を一時格納するRAM103と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)104と、各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理(場合によっては後述する画像処理の一部の処理を含む)やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105とを備えている。
また、この制御部100は、本発明に係る画像処理装置を含むパーソナルコンピュータ(以下「PC」とも表記する。)等のホスト90側とのデータ、信号の送受を行なうためのI/F106と、記録ヘッド14を駆動制御するためのヘッド駆動制御部107及びヘッドドライバ108と、主走査モータ110を駆動するための主走査モータ駆動部111と、副走査モータ112を駆動するための副走査モータ駆動部113と、環境温度及び/又は環境湿度を検出する環境センサ118、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O116などを備えている。
また、この制御部100には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作パネル117が接続されている。さらに、制御部100は、帯電ローラ34に対する高電圧を印加する高圧回路(ACバイアス供給部)114のオン/オフの切り替え及び出力極性の切り替え制御を行なう。
ここで、制御部100は、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト90側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F106で受信する。なお、この制御部100に対する印刷データの生成出力は、ホスト90側の本発明に係るプリンタドライバ91によって行なうようにしている。
そして、CPU101は、I/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にてデータの並び替え処理(その他の後述する画像処理の一部の処理を含む構成とすることもできる。)等を行ってヘッド駆動制御部107に画像データを転送する。なお、画像出力するための印刷データのビットマップデータへの変換は、前述したようにホスト90側のプリンタドライバ91で画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしているが、例えばROM102にフォントデータを格納して行っても良い。
ヘッド駆動制御部107は、記録ヘッド14の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1行分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ108にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ108に送出する。
このヘッド駆動制御部107は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM102で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
また、ヘッドドライバ108は、ヘッド駆動制御部107からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値をヘッド駆動制御部107からのラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド14のアクチュエータ手段に印加してヘッドを駆動する。
次に、この画像形成装置をよって画像を形成するために画像データを転送するホスト側となる本発明に係るプリンタドライバを含む本発明に係る画像処理装置(データ処理装置)の構成の異なる例について図7及び図8を参照して説明する。なお、これらの画像処理装置及び上述した画像形成装置によって本発明に係る画像形成システムを構成している。
まず、図7に示す例では、ホストのプリンタドライバ91は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ130を、モニター表示用の色空間から記録装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行なう本発明に係る色空間変換処理部であるCMM(Color Management Module)処理部131、CMYの値から黒生成/下色除去を行なうBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理部132、記録装置の特性やユーザーの嗜好を反映した入出力補正を行なうγ補正部133、記録装置の解像度に合わせて拡大処理を行なうズーミング(Zooming)部134、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部135を含んでいる。
また、図8に示す例では、ホストのプリンタドライバ91は、アプリケーションソフトなどから与えられた画像データ130をモニター表示用の色空間から記録装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行なうCMM(Color Management Module)処理部131、CMYの値から黒生成/下色除去を行なうBG/UCR(black generation/ Under Color Removal)処理部132、記録装置の特性やユーザーの嗜好を反映した入出力補正を行なうγ補正部133を含んでいる。
そして、この図8の構成の場合、画像形成装置側の制御部100では、γ補正処理を行なった後の出力データを受信して、このデータに対して記録装置の解像度に合わせて拡大処理を行なうズーミング(Zooming)部134、画像データを記録装置から噴射するドットのパターン配置に置き換える多値・少値マトリクスを含む中間調処理部135を含むことになる。
なお、図7は全ての画像処理をPC側で処理するいわば「廉価機」であり、図8は一部の処理を画像形成装置に内蔵したASICで分担するいわば「高速機」である。この図8の構成例では、画像処理をホスト側と画像形成装置側で分担して処理することができるために、画像処理にかかる時間を短縮できるだけでなく、ホストPCの開放を早めることができる。ただし、より高性能なASICの(場合によっては大容量のメモリも)搭載が必要となるため、一般的に「廉価機」よりも価格設定が高くなる傾向にある。
次に、ホスト側のプリンタドライバ91による画像処理の流れについて図9に示すブロック図を参照して説明する。
パーソナルコンピュータなどのデータ処理装置上で動作するアプリケーションソフトから「印刷」指示が出されると、プリンタドライバ91においては、入力200に対してオブジェクト判定処理201でオブジェクトの種類を判定し、オブジェクト毎、つまり文字の画像データ202、線画の画像データ203、グラフィックスの画像データ204、イメージの画像データ205毎にデータが渡され、それぞれのルートを通って処理が行われる。
つまり、文字202、線画203、グラフィックス204については、カラー調整処理206を行ない。そして、文字についてはカラーマッチング処理207、BG/UCR処理209、総量規制処理211、γ補正処理213を行い、更に文字ディザ処理(中間調処理)215を行なう。また、線画及グラフィックスについてカラーマッチング処理208、BG/UCR処理210、総量規制処理212、γ補正処理214を行い、更にグラフィックスディザ処理(中間調処理)216を行なう。
一方、イメージ205については、色判定及び圧縮方式判定処理221を行って、通常の場合には、カラー調整処理222、カラーマッチング処理223を行なった後、BG/UCR処理224、総量規制処理225、γ補正処理226を行い、更に誤差拡散処理(中間調処理)227を行なう。また、2色以下の場合には、イメージ間引き処理231、カラー調整処理232、カラーマッチング処理233a又はインデックスレス処理(カラーマッチングを行なわない処理)233bを行なった後、BG/UCR処理224、総量規制処理225、γ補正処理226を行い、更に誤差拡散処理(中間調処理)227を行なう。
なお、線画及びグラフィックスについてはカラー調整処理206に至る前に分岐してROP処理241を経てイメージの場合のカラーマッチング処理232に移行することもある。
このようにしてオブジェクト毎に処理された画像データは、また元の一つの画像データに合成され、画像形成装置へと渡されることになる。
本発明に係る画像処理方法は、カラーマッチング処理で行なう、入力データをモニター表示用の色空間から画像形成装置用の色空間への変換(RGB表色系→CMY表色系)を行なう「CMM処理」に関するものである。
本発明の一実施形態においては、図10に示すように、基準となる(片面用)色空間処理変換テーブルを用いてCMM処理を行い、両面印刷か片面印刷かを判別して、両面印刷のときにはCMM処理で得られた値に補正係数を乗算して、乗算した値をCMM値として、また、片面印刷のときにはCMM処理で得られた値をそのままCMM値として、次のBG/UCR処理に移行するようにしている。この例では、通常の片面用CMM処理と補正係数乗算処理とを併せた処理が本発明でいう「色空間変換処理」となる。
また、本発明の他の実施形態においては、図11に示すように、予め片面用色空間処理変換テーブルとこれに補正係数を乗じた両面用色空間処理変換テーブルとを作成しておき、両面印刷か片面印刷かを判別して、片面印刷のときには片面用色空間処理変換テーブルを用いたCMM処理(片面用CMM処理)を行い、両面印刷のときには両面用色空間処理変換テーブルを用いたCMM処理(両面用CMM処理)を行なった後、得られた結果をCMM値として次のBG/UCR処理に移行するようにしている。
このように、片面印刷と両面印刷とでCMM処理を異ならせることよって、記録液付着量と色相毎の色再現域を考慮し、両面印刷時に障害となる記録液付着量に達する色相に関しては抑制を行い、そうでない色相に関しては抑制を行わないことで、両面印刷時の色域を最大限に確保し、片面印刷に対する色再現域の減少を最小限に抑えることができ、両面印刷における画像品質の低下を抑制することができる。
つまり、前述した従来の両面印刷時に採用されている「間引き処理」、「吐出量抑制」を行では、図12に示すように、同図(a)のオリジナル画像に対して間引き処理を行なうと、同図(b)に示すように間引きパターンによって画像情報が欠落して明らかな画像品質の低下を招くことになり、また吐出量抑制を行うと、同図(c)に示すように画像情報の欠落は生じないものの全体的に画像濃度が低下することになる。
これを色再現域で見ると、図13に示すように、片面印刷時には同図(a)に示すような色再現域であるが、上述した従来の補正を行ったときには同図(b)に示すように均一に色再現域が小さくなる。使用されるインクの組成や、単位面積当たりに付着可能なインク総量の規制により、各色相方向で再現される色域は異なることになる。インク付着量的には、インク1色で表現される一次色に近い色相程、インク付着量は少なく、一次色同士の中間に近い色相程インク付着量は多くなる。従来の補正処理においては、色相毎の付着量に関わらず、全色相に均一に補正の効果が及ぶため、色空間は、片面印刷に比べて相似形で縮小されることになる。
ここで、例えば、両面印刷ときに障害が発生しないインク付着量の最大値が、一次色のベタ付着量まで許容されるとするならば、一次の色相は、両面にインクが付着する両面印刷時であっても片面印刷時と同等の色再現を行うことが可能となるはずである。また、一次色に近い色相では、補正によって抑制される色域は僅かなもので済み、画質的に低下したしたという印象を最小限に留めることが可能となる。
そこで、本発明では、色相毎のインク付着量を元に補正係数を算出し、CMM処理からの出力値に対してこの補正係数を乗算することで、両面印刷時であっても許容される最大限の色域の確保を可能としている。例えば、図14に示す例では、両面印刷ときに許容されるインク付着量に制限するとした場合、マゼンタ(M)については許容値まで付着させても障害を生じないので補正係数を1.0(補正なし)とし、オレンジ(O)については補正係数0.73とし、レッド(R)については補正係数0.55としている。これによって、色再現域で見ると、図15に示すように、片面印刷時の色域に対して両面印刷時の色域は非相似形となる。
このとき、1次色から2次色へと色相の変化とインク付着量の変化が対応しているため、付着量に応じた補正係数乗算処理(補正処理)が適用されても、色相間の階調・彩度の連続性は維持されることになる。
なお、図14に示す例では、両面印刷時に許容されるインク付着量を1次色ベタの1.1倍として計算しているが、あくまでも一例であり、必ずしもこの比率に限定されるものではない。用紙やシステム構成によってもこの比率は変わるため、「変換後のインク付着量=両面印刷条件下で規定される最大インク付着量」となるように補正を行う。
ただし、画像品質的には1次色ベタは是非保証したいところであるから、より好ましくは、「一次色最大インク付着量≦変換後のインク付着量≦両面印刷条件下で規定される最大インク付着量」となるように補正を行う。
そして、CMMパラメータは、通常、図16に示すように、3次元ルックアップテーブル(LUT)で構成するので、補正係数も同じく3次元の構成となる。補正のかけ方については、前述したように、CMMパラメータを通した出力値に対して補正ルックアップテーブルの係数を乗算する(図10の例)、予め係数を乗算したのと同じ結果になる両面印刷用CMMパラメータと片面印刷用CMMパラメータを用意し、切り替えて使用する(図11の例)のいずれでも良い。
なお、両面時に切り替えるCMMパラメータ或いは乗算用の補正係数は、必ずしも1種類に限定されるものではない。すなわち、市場には、さまざまなタイプの用紙が流通していることから、両面印刷時により多くのインクを使用しても不具合の発生し難い用紙、逆により制限の厳しい用紙も存在する。複数のCMMパラメータもしくは補正係数を、ユーザーの選択によって、あるいは、画像形成装置に搭載した用紙判別手段による自動判別結果に応じて切り替えるようにすることもできる。
ここで、用紙の自動判別手段としては、画像形成装置本体、もしくは、画像形成システムに組み込まれたフォトセンサや画像読取り装置を使用して、用紙の濃度や明度、色調等の情報を元に判別する方法や、用紙の一部に記載されたバーコード等の情報を読み取る構成とすることができる。また、予め用紙の銘柄を指定した給紙トレイ(給紙手段)を設ける、つまり用紙と給紙手段とを関連付けることで、離れた位置にある画像形成装置からネットワークを通じで出力するときに用紙に応じた両面印刷を行うことが可能となる。
さらに、オフィス環境では、テキストとグラフ画像の混在した所謂ビジネス文書の出力が主となる。テキストが主体となる画像データでは、単位面積あたりのインク付着量が小さくなるので、両面印刷時のインク付着量に対する制限を緩和することができる。
そこで、CMMパラメータ若しくは補正係数の切り替えを、画像データを構成するオブジェクト、すなわち、テキスト、細線、グラフィック、写真など毎に行うことで、テキストや細線はくっきりと、グラフィックや写真部分は不具合の発生しない範囲で最大限の色域を確保するようにできる。
なお、上記実施形態においては、本発明に係るプログラムとしてのプリンタドライバが本発明に係る画像処理方法をコンピュータに実行させるようにして画像処理装置を構成したが、画像形成装置自体が上述した画像処理方法を実行する手段を備えるようにすることもできる。また、本発明に係る画像処理方法を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)を画像形成装置に搭載することもできる。
2…画像形成部
3…用紙
5…搬送機構部
14…記録ヘッド
33…搬送ベルト
90…ホスト(画像処理装置)
91…プリンタドライバ(プログラム)
131…CMM処理(色空間変換処理)
207、208、233a、223…カラーマッチング処理

Claims (8)

  1. 入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して用紙に画像を形成する両面印刷が可能な画像形成装置に対して送出する画像データを生成処理する画像処理方法において、
    入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行い、
    前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、
    前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 一次色から二次色への色相の変化と記録液付着量の変化が対応していることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記色空間変換後の記録液付着量が両面印刷条件下で規定される最大記録液付着量であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  4. 一次色記録液最大付着量≦変換後の記録液付着量≦両面印刷条件下で規定される最大記録液付着量の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  5. 前記画像データを構成するオブジェクト毎に前記補正係数を切替えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  6. 入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して画像を形成する画像形成装置に対して送出する画像データを生成する処理をコンピュータに行なわせるプログラムにおいて、
    入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行わせ、
    前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行わせ、
    前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
    ことを特徴とするプログラム。
  7. 入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して画像を形成する両面印刷が可能な画像形成装置に対して送出する画像データを生成処理する画像処理装置において、
    入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行う手段を有し、
    前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、
    前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
    ことを特徴とする画像処理装置。
  8. 入力データに基づいて、記録液の液滴を吐出する記録ヘッドを搭載して画像を形成する画像形成装置において、
    入力データを前記画像形成装置用の色空間値に変換する色空間変換処理を行う手段を有し、
    前記色空間変換処理では、両面印刷を行うときには、色空間変換で得られた出力値に色相ごとに補正係数を乗算した値を両面印刷時の出力値とする処理を行い、
    前記色相ごとの補正係数は、当該色相における両面印刷時において許容される最大記録液付着量に対応する階調値/最大階調値、で算出された値である
    ことを特徴とする画像形成装置。
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