JP2011015432A - 無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置および無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線通信資源の利用効率向上を図る場合でも、SIRを改善可能とする。
【解決手段】本発明に係る無線受信部210は、第1無線送信装置からの所望信号と、第2無線送信装置からの干渉信号と、第1無線送信装置において所望信号を遅延させた遅延信号Sdelayとを受信する受信部212と、第1無線送信装置から通知され、遅延所望信号に関する情報である遅延情報Sinfoを取得する遅延情報取得部213と、取得された遅延所望信号情報に基づき、受信部212が受信した所望信号および遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、所望信号および遅延所望信号を同位相で合成する信号合成部214とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】本発明に係る無線受信部210は、第1無線送信装置からの所望信号と、第2無線送信装置からの干渉信号と、第1無線送信装置において所望信号を遅延させた遅延信号Sdelayとを受信する受信部212と、第1無線送信装置から通知され、遅延所望信号に関する情報である遅延情報Sinfoを取得する遅延情報取得部213と、取得された遅延所望信号情報に基づき、受信部212が受信した所望信号および遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、所望信号および遅延所望信号を同位相で合成する信号合成部214とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、無線通信資源の利用効率を高めた無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置および無線通信方法に関する。
一般的に、無線通信システムでは、無線送信装置(例えば、無線基地局)は、無線受信装置(例えば、無線端末)に通信チャネルを割り当て、割り当てた通信チャネルを用いて無線信号を無線受信装置に送信する。通信チャネルは、周波数または時間スロット、あるいはこれらの無線通信資源の組み合わせによって構成されることが一般的である。通常、無線送信装置は、同一の通信チャネルを無線受信装置間で重複しないように割り当て、干渉の発生を防止している。
近年、有限な無線通信資源の利用効率を高め、無線送信装置が通信可能な無線受信装置の数を増大させる手法として、隣接するセル間で同一の周波数を使用する無線通信システムや、アダプティブアレイ制御を用いた空間多重技術が実用化されている。空間多重技術では、無線送信装置は、無線受信装置の方向に送信指向性を向け、同一の通信チャネルを用いて無線信号を同時に複数の無線受信装置に送信することができる(特許文献1参照)。
特開2006−319959号公報(段落[0005]など)
しかしながら、隣接するセル間で同一の周波数を使用する無線通信システムでは、セル間の干渉が大きな問題となる。また、上述した空間多重技術では、同一通信チャネルが割り当てられた複数の無線受信装置間の空間相関が高い場合には、空間的な多重が不可能になり、干渉の影響が大きくなる。
このように従来の技術では、無線通信資源の利用効率向上を図る場合において、干渉による所望信号対干渉信号電力比(以下、適宜“SIR”と略記する)の劣化、すなわち通信品質劣化が生じる問題があった。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、無線通信資源の利用効率向上を図る場合でも、SIRを改善することができる無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置および無線通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、無線受信装置(無線受信部210)と、前記無線受信装置向けの所望信号(信号S)を送信する第1無線送信装置(無線送信部110)と、前記所望信号に干渉する干渉信号を前記無線受信装置と異なる無線受信装置(無線受信部220)向けに送信する第2無線送信装置(無線送信部120)とを含み、前記無線受信装置は、前記所望信号および前記干渉信号を受信する無線通信システム(無線通信システム10Aまたは無線通信システム10B)であって、前記第1無線送信装置は、前記無線受信装置に送信する前記所望信号を遅延させた遅延所望信号(遅延信号Sdelay)を生成する遅延所望信号生成部(遅延信号生成部112)と、前記遅延所望信号に関する情報である遅延所望信号情報(遅延情報Sinfo)を前記無線受信装置に通知する所望信号情報通知部(遅延情報通知部114)と、前記所望信号と、前記遅延所望信号生成部によって生成された前記遅延所望信号とを送信する所望信号送信部(送信部115)とを備え、前記無線受信装置は、前記第1無線送信装置から通知された前記遅延所望信号情報を取得する情報取得部(遅延情報取得部213)と、前記所望信号、前記干渉信号および前記遅延所望信号を受信する信号受信部(受信部212)と、前記情報取得部によって取得された前記遅延所望信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記所望信号および前記遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成する信号合成部(信号合成部214)とを備えることを要旨とする。
このような無線通信システムによれば、無線受信装置は、第1無線送信装置から通知された遅延所望信号情報に基づいて所望信号および遅延所望信号を同位相で合成することによって、SIRを改善することができる。したがって、無線通信資源の利用効率向上を図る場合であっても、無線受信装置におけるSIRを改善することができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記所望信号情報通知部は、前記所望信号に対する前記遅延所望信号の遅延時間(遅延時間τ1)を示す情報を、前記遅延所望信号情報として前記無線受信装置に通知することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第1無線送信装置は、前記所望信号に対する前記遅延所望信号の遅延時間(遅延時間τ1)を示す情報を予め保持する送信側情報保持部(遅延情報保持部113)をさらに備え、前記無線受信装置は、前記送信側情報保持部が保持する前記情報と同一の情報(遅延時間τ1)を予め保持する受信側情報保持部(遅延情報保持部219)をさらに備え、前記所望信号情報通知部は、前記遅延所望信号の振幅または位相を示す情報を前記遅延所望信号情報として前記無線受信装置に通知し、前記信号合成部は、前記受信側情報保持部が保持する前記情報と、前記情報取得部によって取得された前記遅延所望信号情報とに基づき、前記信号受信部が受信した前記所望信号および前記遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成することを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第2無線送信装置は、前記異なる無線受信装置に送信する前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号(遅延信号Idelay)を生成する遅延干渉信号生成部(遅延信号生成部122)と、前記遅延干渉信号に関する情報である遅延干渉信号情報(遅延情報Iinfo)を前記無線受信装置に通知する干渉信号情報通知部(遅延情報通知部124)と、前記干渉信号と、前記遅延干渉信号生成部によって生成された前記遅延干渉信号とを送信する干渉信号送信部(送信部125)とを備え、前記情報取得部は、前記遅延所望信号情報に加え、前記第2無線送信装置から通知された前記遅延干渉信号情報を取得し、前記信号受信部は、前記所望信号、前記干渉信号および前記遅延所望信号に加え、前記遅延干渉信号を受信し、前記信号合成部は、前記情報取得部によって取得された前記遅延干渉信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成することを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記干渉信号に対する前記遅延干渉信号の遅延時間(遅延時間τ2)の長さは、前記所望信号に対する前記遅延所望信号の遅延時間(遅延時間τ1)の長さと異なり、前記干渉信号情報通知部は、前記干渉信号に対する前記遅延干渉信号の遅延時間を示す情報を、前記遅延干渉信号情報として前記無線受信装置に通知することを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記干渉信号に対する前記遅延干渉信号の遅延時間(遅延時間τ2)の長さは、前記所望信号に対する前記遅延所望信号の遅延時間(遅延時間τ1)の長さと同じで、かつ、前記遅延所望信号の振幅または位相は、前記遅延所望信号の振幅または位相と異なり、前記干渉信号情報通知部は、前記遅延干渉信号の振幅または位相を示す情報を前記遅延干渉信号情報として前記無線受信装置に通知することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記第2無線送信装置は、前記干渉信号に対する前記遅延干渉信号の遅延時間(遅延時間τ2)を示す情報を保持する送信側情報保持部(遅延情報保持部123)をさらに備え、前記無線受信装置は、前記送信側情報保持部が保持する前記情報と同一の情報を予め保持する受信側情報保持部(遅延情報保持部219)をさらに備え、前記遅延干渉信号の振幅または位相は、前記遅延所望信号の振幅または位相と異なり、前記干渉信号情報通知部は、前記遅延干渉信号の振幅または位相を示す情報を前記遅延干渉信号情報として前記無線受信装置に通知し、前記信号合成部は、前記受信側情報保持部が保持する前記情報と、前記情報取得部によって取得された前記遅延干渉信号情報とに基づき、前記信号受信部が受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第5〜第7のいずれか1つの特徴に係り、前記無線受信装置は、前記信号受信部が受信した前記所望信号の受信電力と前記信号受信部が受信した前記干渉信号の受信電力とから所望信号対干渉信号電力比を算出する算出部(SIR算出部215)と、前記算出部によって算出された前記所望信号対干渉信号電力比を所定閾値と比較する比較部(SIR比較部216)とをさらに備え、前記信号合成部は、前記所望信号対干渉信号電力比が前記所定閾値よりも大きい場合、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成し、前記所望信号対干渉信号電力比が前記所定閾値よりも小さい場合、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成することを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、無線受信装置(無線受信部210)と、前記無線受信装置向けの所望信号(信号S)を送信する第1無線送信装置(無線送信部110)と、前記所望信号に干渉する干渉信号(信号I)を前記無線受信装置と異なる無線受信装置(無線受信部220)向けに送信する第2無線送信装置(無線送信部120)とを含み、前記無線受信装置は、前記所望信号および前記干渉信号を受信する無線通信システム(無線通信システム10Aまたは無線通信システム10B)であって、前記第2無線送信装置は、前記異なる無線受信装置に送信する前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号(遅延信号Idelay)を生成する遅延干渉信号生成部(遅延信号生成部122)と、前記遅延干渉信号に関する情報である遅延干渉信号情報(遅延情報Iinfo)を前記無線受信装置に通知する干渉信号情報通知部(遅延情報通知部124)と、前記干渉信号と、前記遅延干渉信号生成部によって生成された前記遅延干渉信号とを送信する干渉信号送信部(送信部125)とを備え、前記無線受信装置は、前記第2無線送信装置から通知された前記遅延干渉信号情報を取得する情報取得部(遅延情報取得部213)と、前記所望信号、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を受信する信号受信部(受信部212)と、前記情報取得部によって取得された前記遅延干渉信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成する信号合成部(信号合成部214)とを備えることを要旨とする。
このような無線通信システムによれば、無線受信装置は、第2無線送信装置から通知された遅延干渉信号情報に基づいて干渉信号および遅延干渉信号を逆位相で合成することによって、干渉信号の受信電力を低下させることができるため、SIRを改善できる。したがって、無線通信資源の利用効率向上を図る場合であっても、無線受信装置におけるSIRを改善することができる。
このような無線通信システムによれば、無線受信装置は、第2無線送信装置から通知された遅延干渉信号情報に基づいて干渉信号および遅延干渉信号を逆位相で合成することによって、干渉信号の受信電力を低下させることができるため、SIRを改善できる。したがって、無線通信資源の利用効率向上を図る場合であっても、無線受信装置におけるSIRを改善することができる。
本発明の第10の特徴は、本発明の第9の特徴に係り、前記干渉信号情報通知部は、前記干渉信号に対する前記遅延干渉信号の遅延時間(遅延時間τ2)を示す情報を、前記遅延干渉信号情報として前記無線受信装置に通知することを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、本発明の第9の特徴に係り、前記第2無線送信装置は、前記干渉信号に対する前記遅延干渉信号の遅延時間を示す情報を予め保持する送信側情報保持部(遅延情報保持部123)をさらに備え、前記無線受信装置は、前記送信側情報保持部が保持する前記情報と同一の情報を予め保持する受信側情報保持部(遅延情報保持部219)をさらに備え、前記干渉信号情報通知部は、前記遅延干渉信号の振幅または位相を示す情報を前記遅延干渉信号情報として前記無線受信装置に通知し、前記信号合成部は、前記受信側情報保持部が保持する前記情報と、前記情報取得部によって取得された前記遅延干渉信号情報とに基づき、前記信号受信部が受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成することを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、本発明の第9の特徴に係り、前記第2無線送信装置は、前記干渉信号に対する前記遅延干渉信号の遅延時間を示す情報を予め保持する送信側情報保持部(遅延情報保持部123)をさらに備え、前記無線受信装置は、前記送信側情報保持部が保持する前記情報と同一の情報を予め保持する受信側情報保持部(遅延情報保持部219)をさらに備え、前記干渉信号情報通知部は、前記遅延干渉信号の振幅または位相を示す情報を前記遅延干渉信号情報として前記無線受信装置に通知し、前記信号合成部は、前記受信側情報保持部が保持する前記情報と、前記情報取得部によって取得された前記遅延干渉信号情報とに基づき、前記信号受信部が受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成することを要旨とする。
本発明の第12の特徴は、本発明の第1〜第11のいずれか1つの特徴に係り、前記第1無線送信装置は、所定の通信チャネル(周波数f0)を用いて前記所望信号を送信し、前記第2無線送信装置は、前記所定の通信チャネルと同一の通信チャネル(周波数f0)を用いて前記干渉信号を送信することを要旨とする。
本発明の第13の特徴は、本発明の第1〜第12のいずれか1つの特徴に係り、前記第1無線送信装置は、第1通信エリア(セルC1)を形成する第1無線基地局(無線基地局11)に設けられ、前記第2無線送信装置は、前記第1通信エリアの少なくとも一部と重複する第2通信エリア(セルC2)を形成する第2無線基地局(無線基地局12)に設けられることを要旨とする。
本発明の第14の特徴は、本発明の第1〜第12のいずれか1つの特徴に係り、前記第1無線送信装置および前記第2無線送信装置は、空間多重通信を実行する1つの無線基地局(無線基地局11A)に設けられることを要旨とする。
本発明の第15の特徴は、無線受信装置(無線受信部210)向けの所望信号(信号S)と前記所望信号に干渉する干渉信号(信号I)とを受信する前記無線受信装置に対し、前記所望信号を送信する無線送信装置(無線送信部110)であって、前記無線受信装置に送信する前記所望信号を遅延させた遅延所望信号(遅延信号Sdelay)を生成する遅延所望信号生成部(遅延信号生成部112)と、前記遅延所望信号に関する情報である遅延所望信号情報(遅延情報Sinfo)を前記無線受信装置に通知する所望信号情報通知部(遅延情報通知部114)と、前記所望信号と、前記遅延所望信号生成部によって生成された前記遅延所望信号とを送信する所望信号送信部(送信部115)とを備えることを要旨とする。
本発明の第16の特徴は、無線受信装置(無線受信部210)向けの所望信号(信号S)と前記所望信号に干渉する干渉信号(信号I)とを受信する前記無線受信装置に対し、前記干渉信号を送信する無線送信装置(無線送信部120)であって、前記無線受信装置と異なる無線受信装置に送信する前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号(遅延信号Idelay)を生成する遅延干渉信号生成部(遅延信号生成部122)と、前記遅延干渉信号に関する情報である遅延干渉信号情報(遅延情報Iinfo)を前記無線受信装置に通知する干渉信号情報通知部(遅延情報通知部124)と、前記干渉信号と、前記遅延干渉信号生成部によって生成された前記遅延干渉信号とを送信する干渉信号送信部(送信部125)とを備えることを要旨とする。
本発明の第17の特徴は、所望信号(信号S)を第1無線送信装置(無線送信部110)から受信し、前記所望信号に干渉する干渉信号(信号I)を第2無線送信装置(無線送信部120)から受信する無線受信装置(無線受信部210)であって、前記所望信号と、前記干渉信号と、前記第1無線送信装置において前記所望信号を遅延させた遅延所望信号(遅延信号Sdelay)とを受信する信号受信部(受信部212)と、前記第1無線送信装置から通知され、前記遅延所望信号に関する情報である遅延所望信号情報(遅延情報Sinfo)を取得する情報取得部(遅延情報取得部213)と、前記情報取得部によって取得された前記遅延所望信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記所望信号および前記遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成する信号合成部(信号合成部214)とを備えることを要旨とする。
本発明の第18の特徴は、所望信号(信号S)を第1無線送信装置(無線送信部110)から受信し、前記所望信号に干渉する干渉信号(信号I)を第2無線送信装置(無線送信部120)から受信する無線受信装置(無線受信部210)であって、前記所望信号と、前記干渉信号と、前記第2無線送信装置において前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号(遅延信号Idelay)とを受信する信号受信部(受信部212)と、前記第2無線送信装置から通知され、前記遅延干渉信号に関する情報である遅延干渉信号情報(遅延情報Iinfo)を取得する情報取得部(遅延情報取得部213)と、前記情報取得部によって取得された前記遅延干渉信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成する信号合成部(信号合成部214)とを備えることを要旨とする。
本発明の第19の特徴は、無線受信装置と、前記無線受信装置向けの所望信号を送信する第1無線送信装置と、前記所望信号に干渉する干渉信号を前記無線受信装置と異なる無線受信装置向けに送信する第2無線送信装置とを含み、前記無線受信装置は、前記所望信号および前記干渉信号を受信する無線通信システムに適用される無線通信方法であって、前記無線受信装置に送信する前記所望信号を遅延させた遅延所望信号を前記第1無線送信装置が生成するステップ(ステップS102)と、前記遅延所望信号に関する情報である遅延所望信号情報を前記第1無線送信装置が前記無線受信装置に通知するステップ(ステップS103)と、前記所望信号と、前記生成するステップにおいて生成された前記遅延所望信号とを前記第1無線送信装置が送信するステップ(ステップS104)と、前記第1無線送信装置から通知された前記遅延所望信号情報を前記無線受信装置が取得するステップ(ステップS201)と、前記所望信号、前記干渉信号および前記遅延所望信号を前記無線受信装置が受信するステップ(ステップS202)と、前記無線受信装置が、前記取得するステップにおいて取得された前記遅延所望信号情報に基づき、前記受信するステップにおいて受信した前記所望信号および前記遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成するステップ(ステップS204)とを備えることを要旨とする。
本発明の第20の特徴は、無線受信装置と、前記無線受信装置向けの所望信号を送信する第1無線送信装置と、前記所望信号に干渉する干渉信号を前記無線受信装置と異なる無線受信装置向けに送信する第2無線送信装置とを含み、前記無線受信装置は、前記所望信号および前記干渉信号を受信する無線通信システムに適用される無線通信方法であって、前記異なる無線受信装置に送信する前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号を前記第2無線送信装置が生成するステップ(ステップS302)と、前記遅延干渉信号に関する情報である遅延干渉信号情報を前記第2無線送信装置が前記無線受信装置に通知するステップ(ステップS303)と、前記干渉信号と、前記生成するステップにおいて生成された前記遅延干渉信号とを前記第2無線送信装置が送信するステップ(ステップS304)と、前記第2無線送信装置から通知された前記遅延干渉信号情報を前記無線受信装置が取得するステップ(ステップS401)と、前記所望信号、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を前記無線受信装置が受信するステップ(ステップS402)と、前記無線受信装置が、前記取得するステップにおいて取得された前記遅延干渉信号情報に基づき、前記受信するステップにおいて受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成するステップ(ステップS403)とを備えることを要旨とする。
本発明によれば、無線通信資源の利用効率向上を図る場合でも、SIRを改善することができる無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置および無線通信方法を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の第1実施形態〜第5実施形態を説明する。以下の第1実施形態〜第5実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
[第1実施形態]
第1実施形態においては、(1)無線通信システムの概略構成、(2)無線通信システムの詳細構成、(3)信号合成処理例、(4)無線通信システムの動作、(5)作用・効果について説明する。
第1実施形態においては、(1)無線通信システムの概略構成、(2)無線通信システムの詳細構成、(3)信号合成処理例、(4)無線通信システムの動作、(5)作用・効果について説明する。
(1)無線通信システムの概略構成
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム10Aの全体概略構成図である。
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム10Aの全体概略構成図である。
図1に示すように、無線通信システム10Aは、無線基地局11、無線基地局12、無線端末21および無線端末22を有する。以下では、下り方向(無線基地局から無線端末へ向かう方向)の通信について説明する。
無線基地局11(第1無線基地局)は、任意の無線端末と通信可能な通信エリアであるセルC1(第1通信エリア)を形成する。無線端末21は、セルC1内に位置しており、無線基地局11から割り当てられた通信チャネルを用いて、無線基地局11と無線通信を実行する。セルC1内には、無線端末21以外の多数の無線端末が位置していてもよい。
無線基地局12(第2無線基地局)は、任意の無線端末と通信可能な通信エリアであるセルC2(第2通信エリア)を形成する。無線端末22は、セルC2内に位置しており、無線基地局12から割り当てられた通信チャネルを用いて、無線基地局12と無線通信を実行する。セルC2内には、無線端末22以外の多数の無線端末が位置していてもよい。
無線基地局11および無線基地局12は、例えば有線網として構成されたバックボーンネットワーク100に接続されている。また、無線基地局11が形成するセルC1、および無線基地局12が形成するセルC2は、互いに一部が重複する、いわゆる隣接セルである。図1の例では、無線端末21および無線端末22は、セルC1とセルC2との重複部分に位置している。
無線基地局11が無線端末21に割り当てた通信チャネルと、無線基地局12が無線端末22に割り当てた通信チャネルとは、同一通信チャネル、すなわち同一周波数f0かつ同一時間スロットである。無線端末21および無線端末22は、セルC1とセルC2との重複部分に位置しているため、干渉の影響が大きい。
具体的には、無線基地局11から無線端末21に送信された信号Sは、無線端末21だけでなく、無線端末22においても受信される。また、無線基地局12から無線端末22に送信された信号Iは、無線端末22だけでなく、無線端末21においても受信される。
以下では、無線端末21を主として説明し、無線端末21が無線基地局11から受信する信号Sを適宜「所望信号」と称する。また、無線端末21が無線基地局12から受信する信号Iを適宜「干渉信号」と称する。
以下では、無線端末21を主として説明し、無線端末21が無線基地局11から受信する信号Sを適宜「所望信号」と称する。また、無線端末21が無線基地局12から受信する信号Iを適宜「干渉信号」と称する。
(2)無線通信システムの詳細構成
次に、無線通信システム10Aの詳細構成について、(2.1)無線基地局の構成、(2.2)無線端末の構成の順に説明する。
次に、無線通信システム10Aの詳細構成について、(2.1)無線基地局の構成、(2.2)無線端末の構成の順に説明する。
(2.1)無線基地局の構成
図2(a)は、無線基地局11の構成を示す機能ブロック図である。
図2(a)は、無線基地局11の構成を示す機能ブロック図である。
図2(a)に示すように、無線基地局11は、無線送信部110および送信信号生成部111を有する。送信信号生成部111は、無線端末21向けの信号Sを生成する。無線送信部110は、送信信号生成部111によって生成された信号Sを送信する第1無線送信装置を構成する。
無線送信部110は、遅延信号生成部112、遅延情報保持部113、遅延情報通知部114、送信部115およびアンテナ116を有する。
遅延信号生成部112は、遅延情報保持部113が保持する遅延情報Sinfoに従って、信号Sを遅延させた遅延信号Sdelayを生成する。遅延信号生成部112は、所望信号(信号S)を遅延させた遅延所望信号(遅延信号Sdelay)を生成する遅延所望信号生成部を構成する。
遅延情報Sinfoは、信号Sに対する遅延信号Sdelayの遅延時間τ1(図4(a)参照)を含む。遅延情報Sinfoには、遅延時間τ1に加え、遅延信号Sdelayの振幅または位相の情報が含まれていてもよい。遅延情報保持部113は、遅延情報Sinfoを予め保持している。第1実施形態では、遅延信号生成部112は、セルC1内に位置する全ての無線端末に対し、同一の遅延情報Sinfoを適用する。
遅延情報通知部114は、遅延情報保持部113が保持する遅延情報Sinfoを無線端末21に通知する。第1実施形態において遅延情報通知部114は、遅延所望信号情報(遅延情報Sinfo)を通知する所望信号情報通知部を構成する。
具体的には、遅延情報通知部114は、無線端末21との通信開始時に実行されるネゴシエーションの際に、送信部115を介して遅延情報Sinfoを無線端末21に通知する。あるいは、遅延情報通知部114は、送信部115を介して遅延情報Sinfoを定期的にセルC1内に報知(ブロードキャスト)することによって、遅延情報Sinfoを無線端末21に通知する。
具体的には、遅延情報通知部114は、無線端末21との通信開始時に実行されるネゴシエーションの際に、送信部115を介して遅延情報Sinfoを無線端末21に通知する。あるいは、遅延情報通知部114は、送信部115を介して遅延情報Sinfoを定期的にセルC1内に報知(ブロードキャスト)することによって、遅延情報Sinfoを無線端末21に通知する。
送信部115には、アンテナ116が接続されている。送信部115は、上述した通信チャネル(周波数f0)を用いて、信号Sおよび遅延信号Sdelayを無線端末21に送信する。送信部115は、所望信号(信号S)と遅延所望信号(遅延信号Sdelay)とを送信する所望信号送信部を構成する。
送信部115は、遅延情報Sinfoを報知により送信する場合、例えば信号Sおよび遅延信号Sdelayの送信に用いられる通信チャネルと異なる通信チャネルである報知チャネルを用いて、遅延情報Sinfoを送信する。
次に、無線基地局12の構成について説明する。図2(b)は、無線基地局12の構成を示す機能ブロック図である。なお、無線基地局12は、無線基地局11と同様に構成されているため、無線基地局11と異なる点を主に説明する。
無線基地局12は、無線送信部120および送信信号生成部121を有する。送信信号生成部121は、無線端末22向けの信号Iを生成する。無線送信部120は、送信信号生成部121によって生成された信号Iを送信する第2無線送信装置を構成する。
無線送信部120は、遅延信号生成部122、遅延情報保持部123、遅延情報通知部124、送信部125およびアンテナ126を有する。
遅延信号生成部122は、遅延情報保持部123が保持する遅延情報Iinfoに従って、信号Iを遅延させた信号である遅延信号Idelayを生成する。遅延情報Iinfoは、信号Iに対する遅延信号Idelayの遅延時間τ2(図4(a)参照)を含む。遅延時間τ2は、遅延時間τ1と時間長が異なっている。なお、遅延情報Iinfoには、遅延時間τ2に加え、遅延信号Idelayの振幅または位相の情報が含まれていてもよい。
遅延情報保持部123は、遅延情報Iinfoを予め保持している。第1実施形態では、遅延信号生成部122は、セルC2内に位置する全ての無線端末に対し、同一の遅延情報Iinfoを適用するものとする。
遅延情報通知部124は、遅延情報保持部123が保持する遅延情報Iinfoを無線端末22に通知する。具体的には、遅延情報通知部124は、無線端末22との通信開始時に実行されるネゴシエーションの際に、送信部125を介して遅延情報Iinfoを無線端末22に通知する。あるいは、遅延情報通知部124は、送信部125を介して遅延情報Iinfoを定期的にセルC2内に報知(ブロードキャスト)することによって、遅延情報Iinfoを無線端末22に通知する。
送信部125には、アンテナ126が接続されている。送信部125は、上述した通信チャネル(周波数f0)を用いて、信号Iおよび遅延信号Idelayを無線端末22に送信する。なお、送信部125は、遅延情報Iinfoを報知により送信する場合、例えば信号Iおよび遅延信号Idelayの送信に用いられる通信チャネルと異なる報知チャネルを用いて、遅延情報Sinfoを送信する。
(2.2)無線端末の構成
図3(a)は、無線端末21の構成を示す機能ブロック図である。
図3(a)は、無線端末21の構成を示す機能ブロック図である。
図3(a)に示すように、無線端末21は、無線基地局11から信号Sを受信し、無線基地局12から信号Iを受信する無線受信部210を有する。無線受信部210は、所望信号(信号S)および干渉信号(信号I)を受信する無線受信装置を構成する。
無線受信部210は、アンテナ211、受信部212、遅延情報取得部213および信号合成部214を有する。
アンテナ211は、受信部212に接続されている。遅延情報取得部213は、無線基地局11の無線送信部110から通知された遅延情報Sinfoを受信部212を介して取得する。遅延情報取得部213は、遅延所望信号情報(遅延情報Sinfo)を取得する情報取得部を構成する。
受信部212は、信号S、信号I、遅延信号Sdelayおよび遅延信号Idelayを受信する信号受信部を構成する。信号合成部214は、遅延情報取得部213によって取得された遅延情報Sinfoに基づき、受信部212が受信した信号Sおよび遅延信号Sdelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成する。このような合成処理の詳細については後述する。
次に、無線端末22の構成について説明する。図3(b)は、無線端末22の構成を示す機能ブロック図である。なお、無線端末22は、無線端末21と同様に構成されているため、無線端末21と異なる点を主に説明する。
図3(b)に示すように、無線端末22は、無線基地局11から信号Sを受信し、無線基地局12から信号Iを受信する無線受信部220を有する。
無線受信部220は、アンテナ221、受信部222、遅延情報取得部223および信号合成部224を有する。
アンテナ221は、受信部222に接続されている。遅延情報取得部223は、無線基地局12の無線送信部120から通知された遅延情報Iinfoを受信部222を介して取得する。
受信部222は、信号S、信号I、遅延信号Sdelayおよび遅延信号Idelayを受信する。信号合成部224は、遅延情報取得部223によって取得された遅延情報Iinfoに基づき、受信部222が受信した信号Iおよび遅延信号Idelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Iおよび遅延信号Idelayを同位相で合成する。
(3)信号合成処理例
次に、図4を用いて、無線端末21の信号合成部214が実行する信号合成処理の一例について説明する。
次に、図4を用いて、無線端末21の信号合成部214が実行する信号合成処理の一例について説明する。
無線基地局11の無線送信部110は、図4(a)に示すように、信号Sに加え、信号Sを遅延時間τ1だけ遅延させた遅延信号Sdelayを送信している。一方、無線基地局12の無線送信部120は、信号Iに加え、信号Iを遅延時間τ2だけ遅延させた遅延信号Idelayを送信している。
信号S、遅延信号Sdelay、信号Iおよび遅延信号Idelayのそれぞれは、同一の通信チャネルで送信されるため、無線端末21の受信部212は、図4(a)に示すように、信号S、遅延信号Sdelay、信号Iおよび遅延信号Idelayが混在した受信信号を信号合成部214に出力する。
信号合成部214は、遅延情報取得部213が取得した遅延情報Sinfoから遅延時間τ1を特定し、遅延時間τ1に従って、信号Sおよび遅延信号Sdelayを検出する。ここで、遅延時間τ1および遅延時間τ2は異なる時間長に設定されているため、信号合成部214は、信号Sおよび遅延信号Sdelayを信号Iおよび遅延信号Idelayと区別することができる。
そして、信号合成部214は、信号Sおよび遅延信号Sdelayと、信号Iおよび遅延信号Idelayとを分離し、信号Sおよび遅延信号Sdelayを時間軸上で一致させる。その際、遅延時間τ1および遅延時間τ2は異なる時間長に設定されているため、信号Iおよび遅延信号Idelayは一致しない。
なお、図4(a)の例では、遅延時間τ2は、遅延時間τ1よりも長い。遅延時間τ1および遅延時間τ2は、無線伝搬路での伝搬遅延差および位相回転などを考慮して、ある程度長い時間に設定されている。
このようにして信号合成部214が信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成することによって、図4(b)に示すように、信号Sに遅延信号Sdelayの受信電力が加算される。一方、信号Iおよび遅延信号Idelayは時間軸上で不一致の状態であり、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成する際、信号Iおよび遅延信号Idelayは合成されない。すなわち、信号Iおよび遅延信号Idelayのそれぞれの受信電力と比較して、合成後の信号Sの受信電力が大幅に上昇し、SIRが改善される。
なお、無線端末22の信号合成部224においても同様の処理が実行されるが、信号合成部224は、信号Iおよび遅延信号Idelayを同位相で合成する。
(4)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10Aの動作について、(4.1)無線基地局の動作、(4.2)無線端末の動作の順に説明する。
次に、無線通信システム10Aの動作について、(4.1)無線基地局の動作、(4.2)無線端末の動作の順に説明する。
(4.1)無線基地局の動作
図5は、第1実施形態に係る無線基地局11の無線送信部110(第1無線送信装置)の動作を示すフローチャートである。
図5は、第1実施形態に係る無線基地局11の無線送信部110(第1無線送信装置)の動作を示すフローチャートである。
ステップS101において、送信信号生成部111は、無線端末21向けの信号Sを生成する。
ステップS102において、遅延信号生成部112は、遅延情報保持部113が保持する遅延情報Sinfoに従って、信号Sを遅延させた遅延信号Sdelayを生成する。
ステップS103において、遅延情報通知部114は、遅延情報保持部113が保持する遅延情報Sinfoを無線端末21に通知する。なお、ステップS103の処理は、ステップS102の前、またはステップS101の前に実行されてもよい。
ステップS104において、送信部115は、送信信号生成部111によって生成された信号S、および遅延信号生成部112によって生成された遅延信号Sdelayを通信チャネル(周波数f0)を用いて無線端末21に送信する。
(4.2)無線端末の動作
図6は、第1実施形態に係る無線端末21の無線受信部210(無線受信装置)の動作を示すフローチャートである。
図6は、第1実施形態に係る無線端末21の無線受信部210(無線受信装置)の動作を示すフローチャートである。
ステップS201において、遅延情報取得部213は、無線基地局11から通知された遅延情報Sinfoを受信部212を介して取得する。
ステップS202において、受信部212は、信号Sおよび遅延信号Sdelayを無線基地局11から受信し、信号Iおよび遅延信号Idelayを無線基地局12から受信する。
ステップS203において、信号合成部214は、遅延情報取得部213によって取得された遅延情報Sinfoに基づき、受信部212が受信した信号Sおよび遅延信号Sdelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成する。
ステップS203において、信号合成部214は、遅延情報取得部213によって取得された遅延情報Sinfoに基づき、受信部212が受信した信号Sおよび遅延信号Sdelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成する。
(5)作用・効果
以上説明したように、第1実施形態によれば、無線端末21は、無線基地局11から通知された遅延情報Sinfoに基づいて信号Sおよび遅延信号Sdelayを同相合成することによって、SIRを改善することができる。このため、隣接するセル(セルC1およびセルC2)間で同一周波数の通信チャネル(周波数f0)を無線端末21に割り当てることができ、無線通信資源の利用効率、具体的には、周波数利用効率を向上させることができる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、無線端末21は、無線基地局11から通知された遅延情報Sinfoに基づいて信号Sおよび遅延信号Sdelayを同相合成することによって、SIRを改善することができる。このため、隣接するセル(セルC1およびセルC2)間で同一周波数の通信チャネル(周波数f0)を無線端末21に割り当てることができ、無線通信資源の利用効率、具体的には、周波数利用効率を向上させることができる。
第1実施形態によれば、無線端末22は、無線基地局12から通知された遅延情報Iinfoに基づいて信号Iおよび遅延信号Idelayを同相合成することによって、SIRを改善することができる。したがって、隣接するセル(セルC1およびセルC2)間で同一周波数の通信チャネル(周波数f0)を無線端末22に割り当てることができ、周波数利用効率を向上させることができる。
[第1実施形態の第1変更例]
上述した第1実施形態では、無線基地局11は、信号Sを基準とした遅延信号Sdelayの遅延時間τ1を含む遅延情報Sinfoを無線端末21に通知していた。また、無線基地局12は、信号Iを基準とした遅延信号Idelayの遅延時間τ2を含む遅延情報Iinfoを無線端末22に通知していた。
上述した第1実施形態では、無線基地局11は、信号Sを基準とした遅延信号Sdelayの遅延時間τ1を含む遅延情報Sinfoを無線端末21に通知していた。また、無線基地局12は、信号Iを基準とした遅延信号Idelayの遅延時間τ2を含む遅延情報Iinfoを無線端末22に通知していた。
第1実施形態の第1変更例では、無線基地局11および無線基地局12は、遅延時間τ1および遅延時間τ2を直接通知せずに、遅延時間τ1および遅延時間τ2を識別する識別情報を通知する。そして、無線端末21は、無線基地局11から通知された識別情報から遅延時間τ1を求める。無線端末22は、無線基地局12から通知された識別情報から遅延時間τ2を求める。
図7は、第1変更例に係る無線端末21および無線端末22の構成を示すブロック図である。
図7(a)に示すように、無線端末21の無線受信部210は、遅延時間τ1と識別情報とを対応付けたテーブルを保持する遅延情報保持部219を有する。遅延情報取得部213は、識別情報を含む遅延情報Sinfoを受信部212が受信すると、当該識別情報に対応する遅延時間τ1を遅延情報保持部219から取得する。
図7(b)に示すように、無線端末22の無線受信部220は、遅延時間τ2と識別情報とを対応付けたテーブルを保持する遅延情報保持部229を有する。遅延情報取得部223は、識別情報を含む遅延情報Iinfoを受信部222が受信すると、当該識別情報に対応する遅延時間τ2を遅延情報保持部229から取得する。
[第1実施形態の第2変更例]
上述した第1実施形態では、無線基地局11は、遅延時間τ1を含む遅延情報Sinfoを無線端末21に通知していた。また、無線基地局12は、遅延時間τ2を含む遅延情報Iinfoを無線端末22に通知していた。
上述した第1実施形態では、無線基地局11は、遅延時間τ1を含む遅延情報Sinfoを無線端末21に通知していた。また、無線基地局12は、遅延時間τ2を含む遅延情報Iinfoを無線端末22に通知していた。
しかしながら、このような遅延時間を遅延情報Sinfoおよび遅延情報Iinfoに含める場合に限らず、遅延信号Sdelayおよび遅延信号Idelayの振幅または位相を示す情報を遅延情報Sinfoおよび遅延情報Iinfoに含めてもよい。
第1実施形態の第2変更例では、遅延時間τ1および遅延時間τ2が同一の時間長に設定されており、遅延信号Sdelayおよび遅延信号Idelayのそれぞれの振幅または位相が異なる場合について、図2および図7を参照して説明する。ただし、第1実施形態と同様の動作については、重複する説明を省略する。
図2(a)に示す無線基地局11において、遅延情報保持部113は、信号Sと遅延信号Sdelayとの振幅比、あるいは、信号Sからの遅延信号Sdelayの位相回転量を遅延情報Sinfoとして予め記憶している。遅延信号生成部112は、信号Sを遅延時間τ1だけ遅延させた遅延信号Sdelayを生成する際に、遅延情報保持部113が保持する振幅比または位相回転量に従って遅延信号Sdelayの振幅または位相を調整する。例えば、遅延情報Sinfoにおける位相回転量がπ/2に設定されていれば、遅延信号生成部112は、遅延信号Sdelayの位相をπ/2だけ回転させる。
また、図2(b)に示す無線基地局12において、遅延情報保持部123は、信号Iと遅延信号Idelayとの振幅比、あるいは、信号Iからの遅延信号Idelayの位相回転量を遅延情報Sinfoとして予め記憶している。遅延信号生成部122は、信号Iを遅延時間τ2だけ遅延させた遅延信号Idelayを生成する際に、遅延情報保持部123が保持する振幅比または位相回転量に従って遅延信号Idelayの振幅または位相を調整する。ここで、遅延信号Idelayにおける振幅または位相の調整量は、遅延信号Sdelayにおける振幅または位相の調整量と異なっている。
第2変更例では、遅延時間τ1および遅延時間τ2が同一の時間長に設定されているため、無線基地局11の遅延情報通知部114は、遅延時間τ1を通知せずに、遅延信号Sdelayの振幅または位相の情報のみを遅延情報Sinfoとして通知する。また、無線基地局12の遅延情報通知部124は、遅延時間τ2を通知せずに、遅延信号Idelayの振幅または位相の情報のみを遅延情報Iinfoとして通知する。
図7(a)に示す無線端末21において、遅延情報取得部213は、遅延信号Sdelayの振幅または位相を示す情報を含む遅延情報Sinfoを取得し、遅延時間τ1を遅延情報保持部219から取得する。信号合成部214は、遅延信号Sdelayの振幅または位相を示す情報と、遅延時間τ1とに基づいて、受信部212が受信する信号Sおよび遅延信号Sdelayを同相合成する。
図7(b)に示す無線端末22において、遅延情報取得部223は、遅延信号Idelayの振幅または位相を示す情報を含む遅延情報Iinfoを取得し、遅延時間τ2を遅延情報保持部229から取得する。信号合成部224は、遅延信号Idelayの振幅または位相を示す情報と、遅延時間τ2とに基づいて、受信部222が受信する信号Iおよび遅延信号Idelayを同相合成する。
このように、第2変更例によれば、遅延時間τ1および遅延時間τ2が同一時間長の場合でも、無線端末21および無線端末22においてSIRを改善することができる。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、無線端末21において信号Sおよび遅延信号Sdelayを同相合成し、無線端末22において信号Iおよび遅延信号Idelayを同相合成することで、SIRの改善を実現していた。
上述した第1実施形態では、無線端末21において信号Sおよび遅延信号Sdelayを同相合成し、無線端末22において信号Iおよび遅延信号Idelayを同相合成することで、SIRの改善を実現していた。
第2実施形態では、無線端末21において信号Iおよび遅延信号Idelayを逆相合成し、無線端末22において信号Sおよび遅延信号Sdelayを逆相合成することで、SIRを改善する構成について説明する。
なお、以下の第2実施形態〜第5実施形態においては、第1実施形態と異なる点を主に説明し、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、図2(a)に示す無線基地局11の遅延情報通知部114は、遅延情報Sinfoを無線端末22に通知する。例えば、遅延情報通知部114は、上述した報知(ブロードキャスト)により遅延情報Sinfoを無線端末22に通知することができる。あるいは、遅延情報通知部114は、バックボーンネットワーク100および無線基地局12を介して、遅延情報Sinfoを無線端末22に通知してもよい。
一方、図2(b)に示す無線基地局12の遅延情報通知部124は、遅延情報Iinfoを無線端末21に通知する。例えば、遅延情報通知部124は、上述した報知(ブロードキャスト)により遅延情報Iinfoを無線端末21に通知することができる。あるいは、遅延情報通知部124は、バックボーンネットワーク100および無線基地局11を介して、遅延情報Iinfoを無線端末21に通知してもよい。
さらに、第2実施形態では、図3(a)に示す無線端末21の遅延情報取得部213は、無線基地局12の遅延情報通知部124から通知された遅延情報Iinfoを取得する。無線端末21の信号合成部214は、遅延情報取得部213によって取得された遅延情報Iinfoに基づき、受信部212が受信した信号Iおよび遅延信号Idelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Iおよび遅延信号Idelayを逆位相で合成することによって、信号Iの受信電力を低下させる。その際、信号Iおよび遅延信号Idelayのそれぞれの受信電力(振幅)が等しい場合には、信号I(および遅延信号Idelay)を完全に除去することができる。
一方、図3(b)に示す無線端末22の遅延情報取得部223は、無線基地局11の遅延情報通知部114から通知された遅延情報Sinfoを取得する。無線端末22の信号合成部224は、遅延情報取得部223によって取得された遅延情報Sinfoに基づき、受信部212が受信した信号Sおよび遅延信号Sdelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Sおよび遅延信号Sdelayを逆位相で合成することによって、信号Sの受信電力を低下させる。その際、信号Sおよび遅延信号Sdelayのそれぞれの受信電力(振幅)が等しい場合には、信号S(および遅延信号Sdelay)を完全に除去することができる。
図8は、第2実施形態に係る無線基地局12の無線送信部120(第2無線送信装置)の動作を示すフローチャートである。
ステップS301において、図2(b)に示す送信信号生成部121は、無線端末22向けの信号Iを生成する。
ステップS302において、遅延信号生成部122は、信号Iを遅延させた遅延信号Idelayを生成する。すなわち、第2実施形態において遅延信号生成部122は、干渉信号(信号I)を遅延させた遅延干渉信号(遅延信号Idelay)を生成する遅延干渉信号生成部を構成する。
ステップS303において、遅延情報通知部124は、遅延情報Iinfoを無線端末21に通知する。第2実施形態において遅延情報通知部124は、干渉信号(信号I)に対する遅延干渉信号(遅延信号Idelay)の遅延時間τ2を含む遅延干渉信号情報(遅延情報Iinfo)を通知する干渉信号情報通知部を構成する。
ステップS304において、送信部125は、信号Iおよび遅延信号Idelayを送信する。第2実施形態において送信部125は、干渉信号(信号I)と遅延干渉信号(遅延信号Idelay)とを送信する干渉信号送信部を構成する。
図9は、第2実施形態に係る無線端末21の無線受信部210(無線受信装置)の動作を示すフローチャートである。
ステップS401において、図3(a)に示す遅延情報取得部213は、無線基地局12の遅延情報通知部124から通知された遅延情報Iinfoを受信部212を介して取得する。
ステップS402において、受信部212は、受信部212は、所望信号である信号Sおよび遅延信号Sdelayを無線基地局11から受信し、干渉信号である信号Iおよび遅延信号Idelayを無線基地局12から受信する。
ステップS403において、信号合成部214は、遅延情報取得部213によって取得された遅延情報Iinfoに基づき、受信部212が受信した信号Iおよび遅延信号Idelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Iおよび遅延信号Idelayを逆位相で合成することによって、信号Iの受信電力を低下させる。
このように、第2実施形態によれば、無線端末22向けの信号Iの受信電力を無線端末21において低下させることができるため、無線端末21のSIRを改善することができる。また、第2実施形態によれば、無線端末21向けの信号Sの受信電力を無線端末22において低下させることができるため、無線端末22のSIRを改善することができる。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態の第1変更例で説明したように、遅延時間τ1および遅延時間τ2を直接通知せずに、遅延時間τ1および遅延時間τ2を識別する識別情報を通知する構成としてもよい。また、第1実施形態の第2変更例で説明したように、遅延時間τ1および遅延時間τ2が等しく、かつ遅延信号Sdelayおよび遅延信号Idelayのそれぞれの振幅または位相が異なる構成とし、遅延時間τ1および遅延時間τ2を通知しなくてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態では、上述した第1実施形態および第2実施形態を併用する構成について説明する。具体的には、無線端末21は、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同相合成するとともに、信号Iおよび遅延信号Idelayを逆相合成する。無線端末22は、信号Iおよび遅延信号Idelayを同相合成するとともに、信号Sおよび遅延信号Sdelayを逆相合成する。
第3実施形態では、上述した第1実施形態および第2実施形態を併用する構成について説明する。具体的には、無線端末21は、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同相合成するとともに、信号Iおよび遅延信号Idelayを逆相合成する。無線端末22は、信号Iおよび遅延信号Idelayを同相合成するとともに、信号Sおよび遅延信号Sdelayを逆相合成する。
図10は、第3実施形態に係る無線端末21の無線受信部210(無線受信装置)の動作を示すフローチャートである。
ステップS501において、図3(a)に示す遅延情報取得部213は、遅延情報Sinfoおよび遅延情報Iinfoを受信部212を介して取得する。
ステップS501において、図3(a)に示す遅延情報取得部213は、遅延情報Sinfoおよび遅延情報Iinfoを受信部212を介して取得する。
ステップS502において、受信部212は、所望信号である信号Sおよび遅延信号Sdelayを無線基地局11から受信し、干渉信号である信号Iおよび遅延信号Idelayを無線基地局12から受信する。
ステップS503において、信号合成部214は、遅延情報取得部213によって取得された遅延情報Iinfoに基づき、受信部212が受信した信号Iおよび遅延信号Idelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Iおよび遅延信号Idelayを逆位相で合成する。
ステップS504において、信号合成部214は、遅延情報取得部213によって取得された遅延情報Sinfoに基づき、受信部212が受信した信号Sおよび遅延信号Sdelayを時間軸上で一致させるとともに、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成する。なお、ステップS504の処理は、ステップS503の前に実行されてもよい。
このように、第3実施形態によれば、無線端末21および無線端末22は、第1実施形態および第2実施形態のそれぞれと比較して、SIRをさらに改善することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態では、無線端末21は、信号Sおよび遅延信号Sdelayの同相合成、または信号Iおよび遅延信号Idelayの逆相合成のいずれか一方を選択し、選択した方を実行する。無線端末22は、信号Iおよび遅延信号Idelayの同相合成、または信号Sおよび遅延信号Sdelayの逆相合成のいずれか一方を選択し、選択した方を実行する。
第4実施形態では、無線端末21は、信号Sおよび遅延信号Sdelayの同相合成、または信号Iおよび遅延信号Idelayの逆相合成のいずれか一方を選択し、選択した方を実行する。無線端末22は、信号Iおよび遅延信号Idelayの同相合成、または信号Sおよび遅延信号Sdelayの逆相合成のいずれか一方を選択し、選択した方を実行する。
図11は、第4実施形態に係る無線端末21Aの構成を示す機能ブロック図である。
図11に示すように、無線端末21Aの無線受信部210Aは、SIR算出部215およびSIR比較部216を有する点で、上述した第1実施形態〜第3実施形態とは異なっている。
SIR算出部215は、受信部212が受信した信号S(所望信号)の受信電力と、受信部212が受信した信号I(干渉信号)の受信電力とからSIR(所望信号対干渉信号電力比)を算出する。SIR比較部216は、SIR算出部215によって算出されたSIRを所定閾値と比較する。
信号合成部214は、SIR比較部216における比較結果に応じて、適切な合成処理を選択する。具体的には、信号合成部214は、SIRが所定閾値よりも大きい場合、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成し、SIRが所定閾値よりも小さい場合、信号Iおよび遅延信号Idelayを逆位相で合成する。
図12は、第4実施形態に係る無線端末21Aの無線受信部210Aの動作を示すフローチャートである。
ステップS601において、図11に示す遅延情報取得部213は、遅延情報Sinfoおよび遅延情報Iinfoを受信部212を介して取得する。
ステップS602において、受信部212は、所望信号である信号Sおよび遅延信号Sdelayを無線基地局11から受信し、干渉信号である信号Iおよび遅延信号Idelayを無線基地局12から受信する。
ステップS603において、SIR算出部215は、SIRを算出する。
ステップS604において、SIR比較部216は、SIR算出部215によって算出されたSIRを所定閾値と比較する。算出されたSIRを所定閾値よりも大きい場合、処理がステップS605に進む。一方、算出されたSIRを所定閾値よりも小さい場合、処理がステップS606に進む。
ステップS605において、信号合成部214は、信号Sおよび遅延信号Sdelayを同位相で合成する。ステップS606において、信号合成部214は、信号Iおよび遅延信号Idelayを逆位相で合成する。
このように、第4実施形態によれば、無線端末21が信号Sおよび遅延信号Sdelayの同相合成、または信号Iおよび遅延信号Idelayの逆相合成のいずれか一方のみを実行するため、両方を実行する場合と比較して、無線端末21の処理負荷および消費電力を低減することができる。また、無線端末21は、算出したSIRに対して適切な合成処理を選択するため、同相合成または逆相合成のいずれか一方のみを実行する場合でも、SIRの改善効果を高く保つことができる。
[第5実施形態]
上述した第1実施形態〜第4実施形態では、隣接セル間干渉の影響を低減する構成について説明したが、第5実施形態では、同一セル内の干渉の影響を低減する構成について説明する。
上述した第1実施形態〜第4実施形態では、隣接セル間干渉の影響を低減する構成について説明したが、第5実施形態では、同一セル内の干渉の影響を低減する構成について説明する。
図13は、第5実施形態に係る無線通信システム10Bの全体概略構成図である。
図13に示すように、無線通信システム10Bは、無線基地局11A、無線端末21および無線端末22を有する。無線端末21および無線端末22のそれぞれは、第1実施形態〜第4実施形態と同様にして構成される。
無線基地局11Aは、アダプティブアレイ制御を用いた空間多重通信を実行する無線基地局である。すなわち、無線基地局11Aは、無線端末21および無線端末22のそれぞれが位置する方向に送信指向性(指向性ビーム)を向け、同一の通信チャネル(周波数f0)を用いて無線信号を同時に無線端末21および無線端末22に送信する。図13の例では、無線端末21および無線端末22の間の空間相関が高く、無線端末21および無線端末22は、互いに干渉の影響を受ける。
図14は、第5実施形態に係る無線基地局11Aの構成を示す機能ブロック図である。図14に示すように、無線基地局11Aは、第1実施形態〜第4実施形態において説明した無線送信部110(第1無線送信装置)と、第1実施形態〜第4実施形態において説明した無線送信部120(第2無線送信装置)とを含んでいる。ただし、アンテナ116およびアンテナ126は、1つのアンテナユニットとしてもよい。
第5実施形態によれば、空間多重技術を用いた無線通信システム10Bにおいて、同一セルC1内において同一通信チャネルが割り当てられた無線端末21および無線端末22の距離が近い場合でも、無線端末21および無線端末22においてSIRを改善可能とすることができる。
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
上述した各実施形態では、無線端末21および無線端末22に同一通信チャネルが割り当てられていたが、干渉の問題は、隣接チャネル(隣接周波数)などでも生じ得る。このため、互いに隣接する通信チャネルが無線端末21および無線端末22に割り当てられる場合にも、本発明は効果的である。
なお、上述した各実施形態では、以上の実施例では複数アンテナでの送信について記述していないが、基地局側において複数アンテナを用いて送信する場合には、送信に用いるすべてのアンテナにおいて同じ遅延情報を適用して送信を行う。複数アンテナでの適応送信等を行う際には、適応送信等の後段において本発明の手法を適応することが好ましい。
また、端末側において複数アンテナでの受信を行う場合には、受信に用いるすべてのアンテナにおいて同様に同じ遅延情報を用いて合成処理を行う。複数アンテナでの適応受信や、伝播路における遅延波の等化処理は、本発明の手法の後段において行うことが好ましい。
さらに、上述した各実施形態では、下り方向の通信を主に説明したが、下り方向の通信に限らず、上り方向(無線端末から無線基地局へ向かう方向)の通信に本発明を適用してもよい。
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
10A,10B…無線通信システム、11,11A,12…無線基地局、21,21A,22…無線端末、100…バックボーンネットワーク、110…無線送信部、111…送信信号生成部、112…遅延信号生成部、113…遅延情報保持部、114…遅延情報通知部、115…送信部、116…アンテナ、120…無線送信部、121…送信信号生成部、122…遅延信号生成部、123…遅延情報保持部、124…遅延情報通知部、125…送信部、126…アンテナ、210,210A…無線受信部、211…アンテナ、212…受信部、213…遅延情報取得部、214…信号合成部、215…SIR算出部、216…SIR比較部、219…遅延情報保持部、220…無線受信部、221…アンテナ、222…受信部、223…遅延情報取得部、224…信号合成部、229…遅延情報保持部
Claims (9)
- 無線受信装置と、前記無線受信装置向けの所望信号を送信する第1無線送信装置と、前記所望信号に干渉する干渉信号を前記無線受信装置と異なる無線受信装置向けに送信する第2無線送信装置とを含み、前記無線受信装置は、前記所望信号および前記干渉信号を受信する無線通信システムであって、
前記第1無線送信装置は、
所定の遅延時間、および/または、所定の振幅または位相を示す遅延所望信号情報に従って、前記所望信号を遅延させた遅延所望信号を生成する遅延所望信号生成部と、
前記遅延所望信号情報を前記無線受信装置に通知する所望信号情報通知部と、
前記所望信号と、前記遅延所望信号生成部によって生成された前記遅延所望信号とを送信する所望信号送信部と
を備え、
前記第2無線送信装置は、
前記所定の遅延時間とは異なる遅延時間、および/または、前記所定の振幅または位相と異なる振幅または位相を示す遅延干渉信号情報に従って、前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号を生成する遅延干渉信号生成部と、
前記干渉信号と、前記遅延干渉信号生成部によって生成された前記遅延干渉信号とを送信する干渉信号送信部と
を備え、
前記無線受信装置は、
前記第1無線送信装置から通知された前記遅延所望信号情報を取得する情報取得部と、
前記所望信号、前記干渉信号、前記遅延所望信号、および前記遅延干渉信号を受信する信号受信部と、
前記情報取得部によって取得された前記遅延所望信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記所望信号および前記遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成する信号合成部と
を備える無線通信システム。 - 前記第2無線送信装置は、前記遅延干渉信号情報を前記無線受信装置に通知する干渉信号情報通知部をさらに備え、
前記情報取得部は、前記遅延所望信号情報に加え、前記第2無線送信装置から通知された前記遅延干渉信号情報を取得し、
前記信号合成部は、前記情報取得部によって取得された前記遅延干渉信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記干渉信号および前記遅延干渉信号を時間軸上で一致させるとともに、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成する請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記無線受信装置は、
前記信号受信部が受信した前記所望信号の受信電力と前記信号受信部が受信した前記干渉信号の受信電力とから所望信号対干渉信号電力比を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記所望信号対干渉信号電力比を所定閾値と比較する比較部と
をさらに備え、
前記信号合成部は、
前記所望信号対干渉信号電力比が前記所定閾値よりも大きい場合、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成し、
前記所望信号対干渉信号電力比が前記所定閾値よりも小さい場合、前記干渉信号および前記遅延干渉信号を逆位相で合成する請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記第1無線送信装置は、所定の通信チャネルを用いて前記所望信号を送信し、
前記第2無線送信装置は、前記所定の通信チャネルと同一の通信チャネルを用いて前記干渉信号を送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第1無線送信装置は、第1通信エリアを形成する第1無線基地局に設けられ、
前記第2無線送信装置は、前記第1通信エリアの少なくとも一部と重複する第2通信エリアを形成する第2無線基地局に設けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記第1無線送信装置および前記第2無線送信装置は、空間多重通信を実行する1つの無線基地局に設けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
- 無線受信装置向けの所望信号と、前記所望信号に干渉する干渉信号と、前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号とを受信する前記無線受信装置に対し、前記所望信号を送信する無線送信装置であって、
前記無線送信装置に固有の遅延時間、および/または、前記無線送信装置に固有の振幅または位相を示す遅延所望信号情報に従って、前記所望信号を遅延させた遅延所望信号を生成する遅延所望信号生成部と、
前記遅延所望信号情報を前記無線受信装置に通知する所望信号情報通知部と、
前記所望信号と、前記遅延所望信号生成部によって生成された前記遅延所望信号とを送信する所望信号送信部と
を備える無線送信装置。 - 所望信号を第1無線送信装置から受信し、前記所望信号に干渉する干渉信号を第2無線送信装置から受信する無線受信装置であって、
前記所望信号と、前記干渉信号と、前記第1無線送信装置において前記所望信号を遅延させた遅延所望信号と、前記第2無線送信装置において前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号とを受信する信号受信部と、
前記第1無線送信装置から通知され、前記第1無線送信装置に固有の遅延時間、および/または、前記第1無線送信装置に固有の振幅または位相を示す遅延所望信号情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部によって取得された前記遅延所望信号情報に基づき、前記信号受信部が受信した前記所望信号および前記遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成する信号合成部と
を備える無線受信装置。 - 無線受信装置と、前記無線受信装置向けの所望信号を送信する第1無線送信装置と、前記所望信号に干渉する干渉信号を前記無線受信装置と異なる無線受信装置向けに送信する第2無線送信装置とを含み、前記無線受信装置は、前記所望信号および前記干渉信号を受信する無線通信システムに適用される無線通信方法であって、
前記第1無線送信装置が、所定の遅延時間、および/または、所定の振幅または位相を示す遅延所望信号情報に従って、前記所望信号を遅延させた遅延所望信号を生成するステップと、
前記第1無線送信装置が、前記遅延所望信号情報を前記無線受信装置に通知するステップと、
前記第1無線送信装置が、前記所望信号と、生成された前記遅延所望信号とを送信するステップと、
前記第2無線送信装置が、前記所定の遅延時間とは異なる遅延時間、および/または、前記所定の振幅または位相と異なる振幅または位相を示す遅延干渉信号情報に従って、前記干渉信号を遅延させた遅延干渉信号を生成するステップと、
前記第2無線送信装置が、前記干渉信号と、生成された前記遅延干渉信号とを送信するステップと、
前記無線受信装置が、前記第1無線送信装置から通知された前記遅延所望信号情報を取得するステップと、
前記無線受信装置が、前記所望信号、前記干渉信号、前記遅延所望信号、および前記遅延干渉信号を受信するステップと、
前記無線受信装置が、取得された前記遅延所望信号情報に基づき、受信した前記所望信号および前記遅延所望信号を時間軸上で一致させるとともに、前記所望信号および前記遅延所望信号を同位相で合成するステップと
を備える無線通信方法。
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JP2010204929A JP2011015432A (ja) | 2010-09-13 | 2010-09-13 | 無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置および無線通信方法 |
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