JP2011011734A - 潜水体 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量且つ単純な機構を有し、水中を移動可能な潜水体を提供する。
【解決手段】水中を移動可能な潜水体1であって、固定位置から延び、当潜水体1を連結する紐状部材7と、紐状部材7の長さを調節する長さ調節機構と、推進力を発生させるスラスタ11を有し且つ水流の方向に対する姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す形状からなる本体部材2と、本体部材2を紐状部材7に接続するアーム部材3,4と、アーム部材3,4に対する本体部材2の姿勢を制御するアクチュエータ5,6とを具備し、潜水体1が目標位置に移動するように、紐状部材7が張った状態にあるときに、本体部材2が水流を受けることにより生じる抵抗及びスラスタ11の推進力の一方又は両方によって本体部材2に作用する紐状部材7の牽引力の方向をアクチュエータ5,6によって制御すると共に紐状部材7の長さを長さ調節機構によって制御する。
【選択図】図1
【解決手段】水中を移動可能な潜水体1であって、固定位置から延び、当潜水体1を連結する紐状部材7と、紐状部材7の長さを調節する長さ調節機構と、推進力を発生させるスラスタ11を有し且つ水流の方向に対する姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す形状からなる本体部材2と、本体部材2を紐状部材7に接続するアーム部材3,4と、アーム部材3,4に対する本体部材2の姿勢を制御するアクチュエータ5,6とを具備し、潜水体1が目標位置に移動するように、紐状部材7が張った状態にあるときに、本体部材2が水流を受けることにより生じる抵抗及びスラスタ11の推進力の一方又は両方によって本体部材2に作用する紐状部材7の牽引力の方向をアクチュエータ5,6によって制御すると共に紐状部材7の長さを長さ調節機構によって制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は海や河川等の水中の探査や観察等に用いられる潜水体に関する。
近年、海や河川等の水中の探査や観察等のニーズに応えるため、様々な遠隔操作型潜水ロボット(ROV)の開発が行われている。例えば、非特許文献1に記載のROVによれば、ワイヤ等の紐状体に連結されたROVを碇によって水底に固定することで、安定した水中での停留と発電を行い、長期間の水中作業を実現している。
Proceedings of the 2008 JSME Conference on Robotics and Mechatoronics, Nagano, Japan, June 5-7, 2008 [No. 08-4] page 2A1-A04(1)-(3) 「海底定在型潜水艇ロボットの開発」
その他にも、水難救助活動の場で実際に水中探索に使用されているROVも存在する。しかしながら、そのROVは複数のスラスタを搭載しているため、装置全体が非常に大型で且つ複雑な機構な機構を有し、高価であるという問題がある。また、大型且つ複雑な機構であることから、現場への搬送と現場での準備作業が非常に困難で、一刻を争う救助作業に適さないという問題がある。更に、潜水作業中に、ROVが潮流に流されその位置が分からなくなり、効率的な探索ができないという問題もある。更に、操舵制御が困難であることや、ROVに接続されている送電ワイヤや制御ケーブル等が水底の障害物等に絡まるという問題もある。
そこで本発明は、軽量且つ単純な機構を有し、水中を移動可能な潜水体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために請求項1に記載の発明によれば、水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、推進力を発生させるスラスタを有し且つ水流の方向に対する姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す形状からなる本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、該アーム部材に対する前記本体部材の姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記本体部材が水流を受けることにより生じる抵抗及び前記スラスタの推進力の一方又は両方によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体が提供される。
すなわち、請求項1に記載の発明では、紐状部材が張った状態にあるときに、本体部材が水流を受けることにより生じる抵抗及びスラスタの推進力の一方又は両方によって本体部材に作用する紐状部材の牽引力の方向をアクチュエータによって制御することにより、紐状部材が固定される固定位置から延びる紐状部材に連結された潜水体を、固定位置を中心とし紐状部材の長さを半径とする球面軌道内で制御すると共に、長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することにより潜水体を任意の目標位置に移動させることが可能となる。
より詳細には、水流がない場合又は弱い場合には、スラスタの推進力を利用して紐状部材を張った状態に保ちながら、スラスタの推進力が働く方向及び紐状部材の長さを変えることによって潜水体を固定位置に対して移動させ、また、適度な水流がある場合には、紐状部材を張った状態に保ちながら、水流を受ける抵抗の方向及び紐状部材の長さを変えることによって潜水体を固定位置に対して移動させるというように、これら方法を切り替えて潜水体を移動させることが可能となる。更に、適度な水流がある場合には、本体部材が水流を受けたときに生じる抵抗又はスラスタの推進力の両方を利用してもよい。
従って、アクチュエータの制御により本体部材の姿勢を制御し且つ長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することによって、目標位置へ移動可能な潜水体を軽量且つ単純な機構で実現することが可能となる。本発明によれば、本体部材が水流を受けたときに生じる抵抗又はスラスタの推進力の一方又は両方によって、紐状部材は常に張った状態に保持されるため、従来のROVでしばしば問題となっていたような紐状部材が水底の障害物等に絡まるようなことがないという利点もある。
なお、固定位置とは母船や海岸等の陸地や水底等がある。水底の場合には碇等によって固定される。固定位置が母船の場合、水流がなくても母船を動かすことによって相対的な水流を生成し利用しても良い。長さ調整機構は、紐状部材を巻き取るリール等が考えられる。
また、請求項2に記載の発明によれば、水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、水流の方向に対する姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す形状からなる本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、該アーム部材に対する前記本体部材の姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記本体部材が水流を受けることにより生じる抵抗によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体が提供される。
すなわち、請求項2に記載の発明では、紐状部材が張った状態にあるときに、本体部材が水流を受けることにより生じる抵抗によって本体部材に作用する紐状部材の牽引力の方向をアクチュエータによって制御することにより、紐状部材が固定される固定位置から延びる紐状部材に連結された潜水体を、固定位置を中心とし紐状部材の長さを半径とする球面軌道内で制御すると共に、長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することにより潜水体を任意の目標位置に移動させることが可能となる。
従って、アクチュエータを制御し本体部材の姿勢を制御し且つ長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することによって、目標位置へ移動可能な潜水体を軽量且つ単純な機構で実現することが可能となる。本発明によれば、本体部材が水流を受けたときに生じる抵抗によって、紐状部材は常に張った状態に保持されるため、従来のROVでしばしば問題となっていたような紐状部材が水底の障害物等に絡まるようなことがないという利点もある。
また、請求項3に記載の発明によれば、水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、推進力を発生させるスラスタを有する本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、該アーム部材に対する前記本体部材の姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記スラスタの推進力によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体が提供される。
すなわち、請求項3に記載の発明では、紐状部材が張った状態にあるときに、スラスタの推進力によって本体部材に作用する紐状部材の牽引力の方向をアクチュエータによって制御することにより、紐状部材が固定される固定位置から延びる紐状部材に連結された潜水体を、固定位置を中心とし紐状部材の長さを半径とする球面軌道内で制御すると共に、長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することにより潜水体を任意の目標位置に移動させることが可能となる。
従って、アクチュエータを制御し本体部材の姿勢を制御し且つ長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することによって、目標位置へ移動可能な潜水体を軽量且つ単純な機構で実現することが可能となる。本発明によれば、スラスタの推進力によって、紐状部材は常に張った状態に保持されるため、従来のROVでしばしば問題となっていたような紐状部材が水底の障害物等に絡まるようなことがないという利点もある。
また、請求項4に記載の発明によれば、水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、前記本体部材又は前記アーム部材に取り付けられ推進力を発生させるスラスタと、前記本体部材又は前記アーム部材に対する前記スラスタの姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記スラスタの推進力によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体が提供される。
すなわち、請求項4に記載の発明では、紐状部材が張った状態にあるときに、スラスタの推進力によって本体部材に作用する紐状部材の牽引力の方向をアクチュエータによって制御することにより、紐状部材が固定される固定位置から延びる紐状部材に連結された潜水体を、固定位置を中心とし紐状部材の長さを半径とする球面軌道内で制御すると共に、長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することにより潜水体を任意の目標位置に移動させることが可能となる。
従って、アクチュエータを制御しスラスタの姿勢を制御し且つ長さ調整機構によって紐状部材の長さを調節することによって、目標位置へ移動可能な潜水体を軽量且つ単純な機構で実現することが可能となる。本発明によれば、スラスタの推進力によって、紐状部材は常に張った状態に保持されるため、従来のROVでしばしば問題となっていたような紐状部材が水底の障害物等に絡まるようなことがないという利点もある。
また、請求項5に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、前記アーム部材が前記本体部材の縁部に接続されていることを特徴とする潜水体が提供される。すなわち、請求項5に記載の発明では、アーム部材を本体部材の縁部に接続することによって、本体部材に対してアーム部材を広い範囲で可動させることが可能となると共に紐状部材に対する本体部材の姿勢を全方向に変えることが可能となり、本体部材が水流を受けることにより生じる抵抗及びスラスタの推進力を切り替えて行う潜水体の移動をより効率的に行うことが可能となる。
また、請求項6に記載の発明によれば請求項1から3のいずれか1つに記載の発明において、前記アーム部材が少なくとも1つの関節を有し、前記アクチュエータが前記少なくとも1つの関節の屈曲を制御することを特徴とする潜水体が提供される。すなわち、請求項6に記載の発明では、アーム部材が少なくとも1つの関節を有することによって、潜水体を様々な方向に移動させることが可能となる。
また、請求項7に記載の発明によれば請求項1から4のいずれか1つに記載の発明において、前記本体部材が頂部に浮揚部材と底部に重量部材とを有することを特徴とする潜水体が提供される。すなわち、請求項7に記載の発明では、本体部材が浮揚部材及び重量部材を有することによって、本体部材の水中での姿勢をより安定させることが可能となる。
また、請求項8に記載の発明によれば請求項1又は2に記載の発明において、前記本体部材が板状の部材であることを特徴とする潜水体が提供される。すなわち、請求項8に記載の発明では、本体部材が板状の部材であることにより、水流の方向に対する姿勢に応じた流体抵抗及びその変化が非常に大きく、潜水体を移動させるためにより大きな力を得ることが可能となる。
また、請求項9に記載の発明によれば請求項1から4のいずれか1つに記載の発明において、前記本体部材が水中の状態を検出するセンサを有することを特徴とする潜水体が提供される。すなわち、請求項9に記載の発明では、センサを有することによって、水中での探査や観察等が可能となる。
各請求項に記載の発明によれば、水中を移動可能な潜水体を軽量且つ単純な機構で実現することができるという共通の効果を奏する。
図1は本発明による潜水体の実施形態を示す全体斜視図である。1は潜水体、2は矩形の板状の本体部、3は本体部2の頂部に回動可能に一端が接続された第1アーム、4は第1アーム3の他端と回動可能に接続された第2アーム、5は本体部2と第1アーム3との接続部の回動を制御する第1アクチュエータ、6は第1アーム3と第2アーム4との接続部の回動を制御する第2アクチュエータ、7は第2アーム4の端部と所定の固定位置Sとを接続するワイヤ等の紐状体を示す。固定位置Sでは、紐状体7の長さを調節するため、例えばリールのような長さ調節機構が設けられている。潜水体1は、頂部には浮きの役割を果たす浮揚体8と底部には重りの役割を果たす重量体9とを有し、水中での姿勢を維持することが可能となる。更に、水中の探査、探索、観察等を行うためのカメラや超音波センサ等のセンサ10と、潜水体1に本体部2の平面と平行な方向の推進力を与えるスラスタ11とを有する。
第1アーム3は本体部2の頂部中央にその端部が配置され、本体部2の平面内にあって、頂部の辺に対して垂直な回転軸α周りに回動するよう接続されている。また、第2アーム4は、回転軸αに対して垂直な回転軸β周りに回動するよう第1アーム3に接続されている。これら2つの回転軸α、β周りの回転角を第1アクチュエータ5及び第2アクチュエータ6によって制御することによって、本体部2を様々な角度に傾けることが可能となる。
図2から図5は、水流のある水中での潜水体1の制御方法について説明する図である。本制御方法では、第1アクチュエータ5及び第2アクチュエータ6を制御することによって本体部2の姿勢を制御し、本体部2が受ける水流Fの抵抗Rの大きさ及び方向を変化させることによって、潜水体1を目標方向へ移動させる。
図2及び図3は水中での潜水体1の側面図を示す。潜水体1は、固定位置Sとしての水面に浮かぶ母船20と紐状体7によって接続され、潮流や川の流れや静水中の母船20の進行により牽引された結果として生じる相対的な流れ等である水流Fの中に配置されている。従って、紐状体7は水流Fの抵抗Rを受け、常にピンと張った状態にある。このとき、浮揚体8及び重量体9の作用によって、本体部2の頂部が水面側に、本体部2の底部が水底側となる姿勢が維持される。図2及び図3においては、説明を簡略化するため、紙面右方向から左方向の水流Fに対して、第1アクチュエータ5を制御することによって、本体部2は紙面垂直方向に延びるように配置されている。
この状態で、図2に示されるように、第2アクチュエータ6を制御することによって水流Fを受けている本体部2の表面を紐状体7に対して水面方向に向けると、本体部2が受ける水流Fの抵抗Rと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には水底方向の分力Cが働く。その結果、潜水体1は水底方向(矢印M方向)に移動する。なお、張力Tは、本体部材2に作用する紐状体7の牽引力である。
一方、図3に示されるように、第2アクチュエータ6を制御することによって水流Fを受けている本体部2の表面を紐状体7に対して水底方向に向けると、本体部2が受ける水流Fの抵抗Rと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には水面方向の分力Cが働く。その結果、潜水体1は水面方向(矢印M方向)に移動する。
このようにして、第2アクチュエータ6を制御して紐状体7に対する水流Fを受けている本体部2の表面の向きを変化させることによって、潜水体1の水面方向及び水底方向の移動を制御することが可能となる。
図4及び図5は水中での潜水体1の水面側から水底側を見た上面図を示す。潜水体1は、図2及び図3と同様に母船20と紐状体7によって接続され、水流7の中に配置されている。従って、紐状体7は水流Fの抵抗Rを受け、常にピンと張った状態にある。図4及び図5においては、説明を簡略化するため、紙面右方向から左方向の水流Fに対して、第2アクチュエータ6を制御することによって、本体部2は紙面垂直方向、すなわち鉛直方向に延びるように配置されている。
この状態で、図4に示されるように、第1アクチュエータ5を制御することによって、本体部2を、水流Fを表面に垂直に受けるように配置された状態から時計回りに回転させると、本体部2が受ける水流Fの抵抗Rと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には時計回りに回転させる分力Cが働く。その結果、潜水体1は時計回り(矢印M方向)に移動する。
一方、図5に示されるように、第1アクチュエータ5を制御することによって、本体部2を、水流Fを表面に垂直に受けるように配置された状態から反時計回りに回転させると、本体部2が受ける水流Fの抵抗Rと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には反時計回りに回転させる分力Cが働く。その結果、潜水体1は反時計回り(矢印M方向)に移動する。
このようにして、第1アクチュエータ5を制御して水流Fを受けている本体部2の表面の向きを変化させることによって、潜水体1の水平方向の移動を制御することが可能となる。
以上より、第1アクチュエータ5及び第2アクチュエータ6を制御することによって、固定位置Sを中心とし紐状体7の長さを半径とする球面軌道内で潜水体1を移動させることが可能となる。更に、第1アクチュエータ5及び第2アクチュエータ6の制御と共に、固定位置Sに設けられた長さ調節機構を用いて紐状体7の手繰り出し量を調整することによって、潜水体1を任意の目標位置に移動させることが可能となる。これら制御の間は、本体部2が水流Fを受けることによって、紐状体7は常に張られた状態にあることから、水底の障害物等に紐状体7が絡まることはない。
ところで、上述の制御方法は、流れのある水中でなければ使用することができない。すなわち、流れがある場合には、スラスタ11は使用しなくても潜水体1の制御を行うことができる。次に、流れがないため又は流れが弱いために上述の制御方法では潜水体1を制御することができない場合に、スラスタ11を使用した潜水体1の制御方法について説明する。
図6から図9は、流れがないため又は流れが弱い水中での潜水体1の制御方法について説明する図である。本制御方法では、水流の抵抗を利用できないため、スラスタ11からの噴射12により得られる推進力Pを利用することによって、潜水体1を目標方向へ移動させる。
図6及び図7は水中での潜水体1の側面図を示す。潜水体1は、固定位置Sとしての水面に浮かぶ母船20と紐状体7によって接続されている。このとき、浮揚体8及び重量体9の作用によって、本体部2の頂部が水面側に、本体部2の底部が水底側となる姿勢が維持される。図6及び7においては、説明を簡略化するため、第1アクチュエータ5を制御することによって、本体部2の表面が紙面と平行な方向に配置されている。すなわち、スラスタ11からの噴射12の方向も紙面と平行な方向となる。スラスタ11からの噴射中は、紐状体7は常にピンと張った状態となる。
この状態で、図6に示されるように、第2アクチュエータ6を制御することによってスラスタ11からの噴射12を紐状体7に対して水面方向に向けると、噴射12により得られる推進力Pと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には水底方向の分力Cが働く。その結果、潜水体1は水底方向(矢印M方向)に移動する。
一方、図7に示されるように、第2アクチュエータ6を制御することによってスラスタ11からの噴射12を紐状体7に対して水底方向に向けると、噴射12により得られる推進力Pと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には水底方向の分力Cが働く。その結果、潜水体1は水面方向(矢印M方向)に移動する。
このようにして、第2アクチュエータ6を制御して紐状体7に対するスラスタ11からの噴射12の方向を制御することによって、潜水体1の水面方向及び水底方向の移動を制御することが可能となる。
図8及び図9は水中での潜水体1の水面側から水底側を見た上面図を示す。潜水体1は、図6及び図7と同様に母船20と紐状体7によって接続されている。図8及び図9においては、説明を簡略化するため、第2アクチュエータ6を制御することによって本体部2は紙面垂直方向、すなわち鉛直方向に延びるように配置されている。なお、スラスタ11からの噴射中は、紐状体7は常にピンと張った状態となる。
この状態で、図8に示されるように、第1アクチュエータ5を制御することによって、スラスタ11からの噴射12を母船20の方向から反時計回りに回転させると、噴射12により得られる推進力Pと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には反時計回りに回転させる分力Cが働く。その結果、潜水体1は反時計回り(矢印M方向)に移動する。
一方、図9に示されるように、第1アクチュエータ5を制御することによって、スラスタ11からの噴射12を母船20の方向から時計回りに回転させると、噴射12により得られる推進力Pと紐状体7の張力Tのバランスが崩れ、潜水体1には時計回りに回転させる分力Cが働く。その結果、潜水体1は時計回り(矢印M方向)に移動する。
このようにして、第1アクチュエータ5を制御してスラスタ11からの噴射12の方向を制御することによって、潜水体1の水平方向の移動を制御することが可能となる。
以上より、流れがなくても又は流れが弱くても、スラスタ11から噴射12を行いながら第1アクチュエータ5及び第2アクチュエータ6を制御することによって、固定位置Sを中心とし紐状体7の長さを半径とする球面軌道内で潜水体1を移動させることが可能となる。更に、第1アクチュエータ5及び第2アクチュエータ6の制御と共に、固定位置Sに設けられた長さ調節機構を用いて紐状体7の手繰り出し量を調整することによって、潜水体1を任意の目標位置に移動させることが可能となる。これら制御の間はスラスタ11から得られる推進力Pによって、紐状体7は常に張った状態にある。従って、水底の障害物等に紐状体7が絡まることはない。
以上の記載では、水流のある水中において、本体部2が受ける水流Fの抵抗Rの大きさ及び方向を変化させることによって潜水体1を目標位置へ移動させる制御方法(図2から図5)と、水流のない水中において、スラスタ11からの噴射12により得られる推進力Pを利用することによって、潜水体1を目標位置へ移動させる制御方法(図6から図9)とを説明した。
しかし、図1に示される潜水体1では、これら制御方法を組み合わせて使用してもよい。すなわち、水流のある水中において、本体部が受ける水流の抵抗とスラスタからの噴射により得られる推進力とを同時に利用して潜水体が目標位置へ移動するようにアクチュエータの制御と紐状体の長さの調整をするようにしてもよい。
また、水流のある水中であっても、スラスタの推進力を利用した制御方法のみを用いてもよい。一方、図1に示される実施形態では、本体部はスラスタを備えているが、水流のある水中でのみ使用する場合には、スラスタはなくてもよい。
また、図1に示されるように本体部として矩形の板状の部材を例に説明したが、その他の形状であってもよい。但し、潜水体を移動させる力を生じさせるためには、水流の方向に対する本体部の姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す形状でなければならず、従って、球形状は本体部として選択することはできない。その点、板状の部材は、その姿勢に応じた水流方向に対する流体抵抗の差が大きく、本体部として望ましい。
更に、スラスタからの噴射により得られる推進力を利用する制御方法のみを用いる場合には、本体部の形状として任意の形状を採用することが可能である。この場合、球形状であってもよい。
上述した実施形態では、潜水体の様々な方向の移動を可能にするため、関節(第1アーム3と第2アーム4との接続部分)を1つ有するアームを使用したが、関節を有さない構成、例えば第1アーム3が本体部2と紐状体7とを直接接続するような構成であってもよい。この場合には、水面方向及び水底方向の移動の制御が困難であるが、水底のみを探査等する用途においては有用である。更に、この構成において、本体部にバラストタンクを搭載し、潜水体の比重を変化させることによって、水面方向及び水底方向の移動を制御することも可能である。一方、アームが複数の関節を有するような構成、すなわち、3つ以上のアームから成る構成であってもよい。更に、上述した実施形態では、アームは本体部の頂部に接続されていたが、側部や本体部の表面に接続するようにしてもよい。
上述した実施形態において、固定位置Sから張られる紐状体7の方向と、紐状体7の長さ、すなわち固定位置Sに配置されたリール等の長さ調節機構からの手繰り出し量とから、固定位置S(母船20)に対する潜水体1の相対的な位置を算出することが可能となる。更に、母船に全地球測位システム(GPS)を搭載することによって、潜水体1の絶対的な位置を算出することが可能となる。また、紐状体の固定位置として母船以外にも、海岸等の陸地や水底に碇等で固定してもよい。また、本体部は、矩形の平板以外にも円形や多角形の平板でもよく、水流が強すぎる状況下において、スリット等の貫通孔を設けて抵抗を低減させるようにしてもよい。
更に、以上の説明では、移動媒体としては、海洋や河川での水中としたが、水以外の流体中においても同様な効果が期待できる。更に気体中では、気体の流れに対する姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す凧状の本体部材や気球と、それに接続するアーム部材によって同様の効果が期待できる。
図10は本発明による潜水体の別の実施形態を示す全体斜視図であり、図11は図10に示された潜水体の側面図であり、図12は図10に示された潜水体の正面図である。図12に示される潜水体101の向きを正面とする。本実施形態による潜水体は、水流の抵抗を利用せず、スラスタからの噴射により得られる推進力を利用することによって、潜水体を目標方向へ移動させるものである。従って、潜水体を移動させる原理は、図6から図9を用いて説明した上述の実施形態と同様である。
101は潜水体を示し、102は本体部を示す。本体部102は、浮きの役割を果たす円柱状の浮揚体103、及び、円柱状の浮揚体103を斜めに支持し、重りの役割を果たすと共に潜水体101が平地で直立するように自立することを可能にする一対の脚部104を有する。105は一部が屈曲したアーム、106はアーム105の両側に配置された一対のスラスタ、107は各スラスタ106の方向を制御するためそれぞれ対応する一対のアクチュエータ108を制御する操舵装置、109は各スラスタ106と対応するアクチュエータ108とを連結する一対のリンク機構、110はアーム105の他端部と所定の固定位置Sとを接続するワイヤ等の紐状体を示す。アーム105は、操舵装置107を介して本体部102に対して回転軸γ周りに回動可能なように脚部104の延長部分である連結部102aに接続されている。固定位置Sでは、紐状体110の長さを調節するため、例えばリールのような長さ調節機構が設けられている。
更に、水中の探査、探索、観察等を行うために、円柱状の浮揚体103の底面にはカメラ111が配置され、各脚部104にはランプ112を備えると共に各脚部104間にソナー113を備えている。円柱状の浮揚体103の上面には、水中からの引き上げ時や搬送時等において、潜水体101を取り扱い易いように、把持部114が設けられている。更に、図示しないが潜水体101は水位センサを搭載し、水面からの距離を測定することができる。潜水体101が水中にある場合に浮揚体103により得られる浮力の大きさは、潜水体101全体の重量と等しくなるように、すなわち比重が1となるように調整される。それにより、スラスタ106の方向制御によって潜水体101は水中を上下左右に自在に動くことが可能となる。
次に、操舵装置107によるスラスタ106の操作について、図13から図20を参照しながら説明する。ここで、本体部102及びそれに付随するカメラ111等以外の潜水体101の推進に関連する部分を推進生成部115と称する。図13は水底方向に推進力を生成している推進生成部115の上面図、図14は図13に示された推進生成部115の側面図、図15は水面方向に推進力を生成している推進生成部115の上面図、図16は図15に示された推進生成部115の側面図、図17は紙面上方向に推進力を生成している推進生成部115の上面図、図18は図17に示された推進生成部115の側面図、図19は紙面下方向に推進力を生成している推進生成部115の上面図、図20は図19に示された推進生成部115の側面図である。
まず、リンク機構109について説明する。116は操舵装置107のアクチュエータ108によって回転軸δ周りに回転される駆動リンク、117は駆動リンク116の端部と一端で回動可能に連結される中間リンク、118は中間リンク117の他端と回動可能に連結され従動リンクを構成する従動L字板を示す。従動L字板118は、第1プレート118aと第2プレート118bとでL字型を形成する。第1プレート118aは、基本的には、リンク機構109が回転する平面と略同じ平面内に延在し、その上方、すなわち水面方向の端部近傍に中間リンク117との連結部を有する。第2プレート118bは、第1プレート118aの下端、すなわち水底方向の端部から第1プレート118aに対して略垂直で内方に延在する。従動L字板118の第1プレート118aの外側面には、紐状体110がピンと張る方向に推進力が働くようにスラスタ106が取り付けられている。各従動L字板118の第1プレート118aは互いに平行状態にある。
各従動L字板118の第2プレート118bは、アーム105に対して直交して配置された主ロッド119によって互いに連結され、その連結部において主ロッド119は、第2プレート118bに垂直な軸線周りに回動可能である。また、主ロッド119は、その軸線周りに回転可能なように、アーム105に設けられた回転支持部材120によって支持され、且つ、軸線方向の移動は規制されている。さらに、副ロッド121が、主ロッド119の隣に平行し、本体部102とは反対側に配置されている。副ロッド121は、主ロッド119と同様に従動L字板118の第2プレート118b間を連結し、その連結部において、第2プレート118bに垂直な軸線周りに回動可能である。副ロッド121は、主ロッド119と同様にアーム105に対して直交して配置されているが、アーム105を跨ぐように中央部分がコの字型に形成されており、主ロッド119との平行状態を保ったまま、軸線方向にも移動可能である。副ロッド121が軸線方向に移動する際には、各従動L字板118は、中間リンク117と第1プレート118aとの連結部及び主ロッド119と第2プレート118bとの連結部とを通る軸線を中心に、各第1プレート118a間の平行を保ったまま揺動可能である。
アクチュエータ108によって、駆動リンク116が回転すると、中間リンク117を介して従動L字板118へ駆動力が伝達する。従動L字板118は、回転支持部材120によって支持されているため、第1プレート118aを従動リンクとして、主ロッド119の軸線周りに揺動する。この揺動運動によって、第1プレート118aの外側面に取り付けられたスラスタ106の推進力を、水底方向(図13及び14)及び水面方向(図15及び16参照)の間で自由に制御することが可能となる。すなわち、スラスタ106は、図11の揺動運動X1が可能となる。
また、一対のスラスタ106に対応する各リンク機構109の位相をずらすことによって、スラスタ106の推進力を紙面上方向又は下方向に制御することが可能となる。すなわち、駆動リンク116の回転の位相に関し、図14,16,18,20の視点から、時計回りを進角側、反時計回りを遅角側とすると、例えば、図17において下側、すなわち図18において手前側の駆動リンク116の位相が、図17において上側、すなわち図18において紙面奥側の駆動リンク116の位相に較べて遅角側にある。この場合、連結された各従動L字板118には異なる方向ベクトルの駆動力が作用する。各従動L字板118に異なる方向ベクトルの駆動力が作用した結果、図17において、副ロッド121は紙面下方へ移動すると共に各従動L字板118の第1プレート118aはその平行状態を保ったまま図において時計回りに回転する。従って、各スラスタ106は、図17において紙面上方向に同じ方向ベクトルの推進力を生成するように移動する。
同様に、図19において下側、すなわち図20において手前側の駆動リンク116の位相が、図19において上側、すなわち図20において奥側の駆動リンク116の位相に較べて進角側にある。この場合、各スラスタ106は、図19において紙面下方向に同じ方向ベクトルの推進力を生成するように移動する。従って、スラスタ106は、図13の揺動運動X2が可能となる。
なお、一対の駆動リンク116の回転の位相を同一にすると、紙面上方向又は紙面下方向の推進力は生じない。また、上述したような、揺動運動X1及びX2は組み合わせて制御することが可能である。それによって、固定位置Sを中心とし紐状体110の長さを半径とする球面軌道内で潜水体101を制御することが可能となる。
以上より、推進生成部115によって、すなわち、スラスタ106から噴射を行いながらその推進力の方向を制御すると共に固定位置Sに設けられた長さ調節機構を用いて紐状体110の手繰り出し量を調整することによって、潜水体101を任意の目標位置に移動させることが可能となる。これら制御の間はスラスタ106から得られる推進力によって、紐状体110は常に張った状態にある。従って、水底の障害物等に紐状体7が絡まることはない。
図21は、水中における、本実施形態による潜水体101の側面図である。潜水体101は、浮きとしての浮揚体103の下方に重りとしての脚部104があり、従って水中では浮心の下方に潜水体101全体の重心があることから、浮揚体103が水面側に、脚部104が水底側となる直立姿勢が維持される。また、外力が働いて潜水体101が直立姿勢から傾いたとしても、浮心と重心とが離間した位置関係にあることから、復元する方向のモーメントが生じ、再び直立姿勢に復帰する。
本実施形態では、カメラ111等は主に水底方向を探査等の対象とするように本体102に対して固定して配置されるので、水中の探査等の際には潜水体101を水位センサに基づいて水平方向、特に正面方向に移動させることが望ましい。正面方向の移動の際、潜水体101はその正面全体に流体抵抗を受ける。本体部102と推進生成部115とは、連結部102aによって連結されるが、連結部102aの脚部104下面からの高さは、流体抵抗の合力が作用する位置に設定することが望ましい。そのように設定することによって、流体抵抗の合力と推進生成部115によって本体部102に作用する力とが同一の点である連結部102aに作用し、潜水体101はその正面方向の移動中であっても傾くことなく直立姿勢を維持することが可能となる。
なお、スラスタ106の推進力による潜水体101の移動の際に、ピンと張られた紐状体110とアーム105の伸びる方向とが略一直線上に整列していることが、水中の探査におけるカメラ111の位置の把握等において望ましい。これに関し、アーム105の長さが短いと、潜水体101がスラスタ106の推進力によって固定位置Sを中心とする球面軌道内で移動する際に潜水体101の姿勢が安定しない。すなわち、紐状体110とアーム105とが一直線上にある状態で、それに対して横方向の力が潜水体101に加わると、紐状体110の張力によってそれを元に戻そうとする回転モーメントがアーム105及び紐状体110の接続部に生じる。潜水体101には球面軌道内での移動時にスラスタ106の推進力による横方向の力が働くが、アーム105の長さが短いと、上述の回転モーメントも小さく、紐状体110とアーム105とが曲がってしまう。そして、その屈曲の度合は予測が困難であることから、カメラ111等の位置を正確に把握することができない。
さらに、この時の潜水体101の運動は、潜水体101の後方にスラスタ106が位置するため、スラスタ106が進もうとする方向とは異なる方向に潜水体101が向いてしまい、潜水体101を目標位置に移動させることができない。一方、紐状体110を強く牽引することによって紐状体110とアーム105とを略一直線上に整列させた場合には、潜水体101を目標位置に移動させることができる。このように、紐状体110の牽引の仕方によって、スラスタ106を同じように制御しても潜水体101の推進方向はまったく変わることになってしまう。そのため、潜水体101の操舵を安定して行うことが困難である。
そこで、アーム105の長さをより長くすることによって、同じ紐状体110の張力であっても回転モーメントが大きくなり、それによって紐状体110とアーム105とが一直線上にある状態で、潜水体101を球面軌道内で目標位置に移動させることが可能となる。ただし、アーム105を長くしすぎると潜水体101の重量が増加し、運搬等の取り扱いも不便となることから、これらの事情を考慮した上でその最適な長さを決定することが望ましい。
本実施形態では、潜水体が2つのスラスタを有しているが、1つ又は3つ以上のスラスタを有する構成であってもよく、その推進力が働く方向の制御に関しても、スラスタの姿勢を制御可能な任意の機構を用いることができる。従って、最初の実施形態による潜水体1の構成は、スラスタ11が本体部2に対して固定されていたが、スラスタ11の姿勢を本体部2に対して制御するようにしてもよい。すなわち、スラスタは、本体部又はアーム等、潜水体の任意の箇所に任意の個数を取り付け可能である。いずれの実施形態においても、スラスタが、本体部に取り付けられた場合には、本体部又はアームに対する姿勢を制御してもよく、アームに取り付けられた場合にも、本体部又はアームに対する姿勢を制御してもよく、その他任意の場所に取り付けられた場合には、任意の場所を基準としてその姿勢を制御するようにしてもよい。
最初の実施形態と同様に、固定位置Sから張られる紐状体110の方向と、紐状体110の長さ、すなわち固定位置Sに配置されたリール等の長さ調節機構からの手繰り出し量とから、固定位置S(母船20)に対する潜水体101の相対的な位置を算出することが可能となる。更に、母船に全地球測位システム(GPS)を搭載することによって、潜水体1の絶対的な位置を算出することが可能となる。また、紐状体の固定位置として母船以外にも、海岸等の陸地や水底に碇等で固定してもよい。
また、潜水体の相対的な位置を算出する更なる方法として、水位センサ等のセンサを潜水体に搭載することにより水面からの距離を測定し、固定位置Sから張られる紐状体の方向と、紐状体の長さ、すなわち固定位置Sに配置されたリール等の長さ調節機構からの手繰り出し量とから、固定位置S(母船20)に対する潜水体の相対的な位置を算出するようにしてもよい。なお、紐状体の長さの調節に関し、長さ調節機構を用いることなく人が手で直接手繰り寄せたり送り出したりするようにしてもよい。
当然のことながら、アクチュエータの制御やカメラによる観察結果等、潜水体に付随する各種機器の制御や監視は、紐状体の外部又は内部に沿って配置されたケーブルによって行われてもよく、又は、無線によって行われてもよい。また、これら機器への電源の供給は、紐状体の外部又は内部に沿って配置された電源ケーブルによって行われてもよく、潜水体自体がそのための電池を搭載していてもよい。
更に、以上の説明では、移動媒体としては、海洋や河川での水中としたが、水以外の流体中においても同様な効果が期待できる。
1 潜水体
2 本体部
3 第1アーム
4 第2アーム
5 第1アクチュエータ
6 第2アクチュエータ
2 本体部
3 第1アーム
4 第2アーム
5 第1アクチュエータ
6 第2アクチュエータ
Claims (9)
- 水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、推進力を発生させるスラスタを有し且つ水流の方向に対する姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す形状からなる本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、該アーム部材に対する前記本体部材の姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記本体部材が水流を受けることにより生じる抵抗及び前記スラスタの推進力の一方又は両方によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体。
- 水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、水流の方向に対する姿勢に応じて異なる流体抵抗を示す形状からなる本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、該アーム部材に対する前記本体部材の姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記本体部材が水流を受けることにより生じる抵抗によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体。
- 水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、推進力を発生させるスラスタを有する本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、該アーム部材に対する前記本体部材の姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記スラスタの推進力によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体。
- 水中を移動可能な潜水体であって、固定位置から延び当該潜水体を連結する紐状部材と、該紐状部材の長さを調節する長さ調節機構と、本体部材と、該本体部材を前記紐状部材に接続するアーム部材と、前記本体部材又は前記アーム部材に取り付けられ推進力を発生させるスラスタと、前記本体部材又は前記アーム部材に対する前記スラスタの姿勢を制御するアクチュエータとを具備し、当該潜水体が目標位置に移動するように、前記紐状部材が張った状態にあるときに、前記スラスタの推進力によって前記本体部材に作用する前記紐状部材の牽引力の方向を前記アクチュエータによって制御すると共に前記紐状部材の長さを前記長さ調節機構によって制御することを特徴とする潜水体。
- 前記アーム部材が前記本体部材の縁部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の潜水体。
- 前記アーム部材が少なくとも1つの関節を有し、前記アクチュエータが前記少なくとも1つの関節の屈曲を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の潜水体。
- 前記本体部材が頂部に浮揚部材と底部に重量部材とを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の潜水体。
- 前記本体部材が板状の部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の潜水体。
- 前記本体部材が水中の状態を検出するセンサを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の潜水体。
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CN110539865A (zh) * | 2019-09-19 | 2019-12-06 | 中国船舶科学研究中心(中国船舶重工集团公司第七0二研究所) | 一种rov联动式矢量调节推进系统 |
-
2010
- 2010-01-29 JP JP2010018980A patent/JP2011011734A/ja active Pending
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CN106768554B (zh) * | 2016-12-29 | 2023-03-07 | 合肥工业大学 | 一种潜水推力测量装置 |
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