JP2011011609A - 電池の充放電制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出装置を必要とせず、システムを簡易化できるだけでなく、走行時に電池の特性を十分に引き出しながらメモリー効果を回避できるアルカリ蓄電池の充放電制御方法を提供する。
【解決手段】本発明は、検出装置を必要とせず、システムを簡易化できるだけでなく、走行時に電池の特性を十分に引き出しながらメモリー効果を回避できる、アルカリ蓄電池の充放電制御方法は、外部からの信号によって所定の充電、あるいは放電を自動的に実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池の充放電制御方法に関し、より詳しくはメモリー効果の影響を簡易的かつ効率的に低減させる技術に関する。
ニッケル水素蓄電池をはじめとするアルカリ蓄電池は、ハイブリッド車(以下HEVと記す)や非常用電源などの産業用途を中心に需要が拡大しつつある。特にHEVにおいて、メイン電源であるアルカリ蓄電池はモータ駆動(放電)と発電機からの回生電力の貯蓄(充電)の双方を行うため、SOCにより監視・制御される。
正極活物質に水酸化ニッケルを用いるアルカリ蓄電池は、完全放電(SOCがほぼ0%)や完全充電(SOCがほぼ100%)を行わないサイクルを繰り返すと、蓄電池の残容量に対する起電力値が低下し、蓄電池容量が減少する現象(以下、メモリー効果と記す)が発生する。これを避けるために、アルカリ蓄電池においては幅広いSOC領域での充放電を行うことが望ましい。
ただしHEV用のように、瞬時に大電流での充放電が絶え間なく行われる電源システムでは、個々に容量差を有する複数のアルカリ蓄電池を接続した際に、最も容量の小さい蓄電池が過充電や過放電に入るのを回避するために、これ以上のSOCに至る充電を禁止する上限SOCでの終止電圧と、これ以下のSOCに至る放電を禁止する下限SOCでの終止電圧を設け、両終止電圧の間で充放電を制御する方法が採用されている。したがって、充放電を繰り返すことによって、メモリー効果が発生してしまうことになる。このメモリー効果の影響を低減させるために種々の技術が提案されている。例えば、電池の充電状態を検出し、充電状態が所定の時間以上、低い状態で維持すると強制的に充電する方法(特許文献1)や、電池の電圧を検出しながら電池を放電させ、放電電流によって電池電圧を演算し、放電下限電圧を補正する方法(特許文献2)や、電池の温度と残容量を検出し、残容量が所定値以下となれば充電を行う方法(特許文献3)などがある。
特開2001−268806号公報 特開2001−186682号公報 特開2001−69611号公報
しかしながら、上記の特許文献の方法はいずれも電池のある状態を検出する必要があり、そのために検出装置が必要となる。また、特許文献1および3の方法では、強制的に充電を行っている間は、電池の特性を十分に引き出すことができず、特許文献2の方法では下限電圧を低くするため、電池構成材料の劣化を促進してしまうという課題がある。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、検出装置を必要とせず、システムを簡易化できるだけでなく、走行時に電池の特性を十分に引き出しながらメモリー効果を回避できる、アルカリ蓄電池の充放電制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のアルカリ蓄電池の充放電制御方法は、外部からの
信号によって所定の充電、あるいは放電を自動的に実施することを特徴とする。
外部の信号によって、所定の充電、あるいは放電を自動的に実施することで、メモリー効果を解消するリフレッシュ充放電を検出装置なしで行うことができるようになる。また、リフレッシュ充放電はハイブリッド自動車が停車している間に実施するので、走行中にリフレッシュ充放電が行われることがなく、走行中は電池の特性を十分に引き出すことができるようになる。
以上のように本発明によれば、電池を主電源とし、HEV用途など電池の耐久性も必要とされつつ、メモリー効果をも配慮すべき電源システムに対し、効果的な充放電制御方法を提供することができる。
本発明の電源システムの一例を示す模式図
以下、図を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
請求項1に記載の発明は、外部からの信号によって所定の充電、あるいは放電を自動的に実施することを特徴とする電池の充放電制御方法に関する。
図1は本発明の電源システムの一例を示す模式図である。主電源1は複数のアルカリ蓄電池あるいはリチウム二次電池から構成されている。一方、受信部2は外部からの信号を受信し、その信号を制御部3へと伝達する。記憶部4には所定の充電あるいは放電を実施する条件やエンジンを停止してから起動するまでの時間が記憶されており、制御部3と接続されている。制御部3には外部からの信号が逐次送られており、制御部3はその外部からの信号によって所定の充電あるいは放電を実施する条件を制御し、主電源1の充電あるいは放電を自動的に実施させる。ここで、所定の充電あるいは放電はメモリー効果を解消する条件であれば、いかなる条件でも可能であるが、その例として、設定電圧を変更する方法や、充放電の電流値を変更する方法がある。なお主電源1の充電は発電機(図示せず)によって行われるが、HEV用途であれば発電機として内燃機関の運動エネルギーや停止時の摩擦エネルギーを充電電流に変換できるインバータを用いるのが一般的である。また、放電時に電気エネルギーを運動エネルギーに変換する際も、このインバータを用いると効率的である。
請求項2に記載の発明は、ハイブリッド自動車の給油口開閉部に受信部を具備し、外部からの信号が給油口の開閉によって伝達されることを特徴とする。ガソリンスタンドで給油をしている間にリフレッシュ充放電を行うことを目的としており、給油口の開閉によって自動的にされる。受信部は応力に反応するものであっても良いし、光や音に反応するものであっても良い。
請求項3に記載の発明は、ハイブリッド自動車が何らかのスイッチを具備し、外部からの信号がそのスイッチによって伝達されることを特徴とする。一例として、ハンドルにリフレッシュ充放電をするスイッチを設けておき、駐車時にスイッチを押すことで自動的にリフレッシュ充放電を行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明は、ハイブリッド自動車のエンジンを停止したときに、信号が伝達されることを特徴とする。この方法も、車両を駐車するときにリフレッシュ充放電を実施する一例である。
請求項5に記載の発明は、ハイブリッド自動車が何らかの走行距離を示す装置を具備し、外部からの信号がその走行距離を示す装置によって信号が伝達されることを特徴とする。例として走行距離メーターやナビゲーションシステムからの情報により、ある一定の走行距離に達すると自動的にリフレッシュ充放電を行う。リフレッシュ充放電を実施する走行距離は任意に設定できる。
請求項6に記載の発明は、ハイブリッド自動車のエンジン停止時間から起動までの時間情報によって所定の充電あるいは放電の条件が変更されることを特徴とする。電池は放置することにより自己放電という現象によりSOCが低下するため、メモリー効果を低減できる最適な充放電条件も当然ながら変動する。
請求項7に記載の発明は、ハイブリッド自動車のエンジン停止時間から起動までの時間情報と走行距離を示す装置からの情報によって所定の充電あるいは放電の条件が変更されることを特徴とする。走行距離が長くなり、電池の劣化が進行すると放置による自己放電の度合も大きく変動する。そのため停止時間と電池の劣化状態にあった最適な条件で充放電を実施しなければメモリー効果を十分に低減できなくなる。
請求項8に記載の発明は、ナビゲーションシステムからの情報によって信号が伝達されることを特徴とする。ナビゲーションシステムは地図情報をはじめ、交通情報や、気候情報、時間情報など非常に多くの情報が含まれている。これらの情報とある条件が一致すれば、リフレッシュ充放電を自動的に行うことを目的としたものである。
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の内容を踏まえて、ナビゲーションシステムからの情報が、所定の位置情報であって、ハイブリッド自動車が所定の位置に停車することによって、信号が伝達されることを特徴とする。例えば、家のガレージやコンビニエンスストアなどの駐車場を予めにナビゲーションシステムに設定しておき、車両がその位置に到着したと認識すると、リフレッシュ充放電を自動的に行うことを目的としたものである。
請求項10に記載の発明は、請求項5に記載の内容を踏まえて、ナビゲーションシステムからの情報が、時間情報であって、所定の時間になると、信号が伝達されることを特徴とする。予めナビゲーションシステムに時間を設定しておき、時間が一致するとリフレッシュ充放電を自動的に行うことを目的とした、ナビゲーションシステムの情報を活用した一例である。
請求項11に記載の発明は、請求項5に記載の内容を踏まえて、ナビゲーションシステムからの情報が、温度情報であって、温度情報によって所定の充電あるいは放電の条件が変更されることを特徴とする。電池の温度が変わると、充放電時における閉回路電圧も変動し、メモリー効果を低減できる最適な充放電条件も当然ながら変動する。したがって、それぞれの温度条件に適した充放電を行うことで、いかなる状況においても本発明の効果がより明確に発揮されることになる。例えば、温度が低温である場合、放電時の電圧は低下し、大電流での放電ができなくなる。この場合、放電電流を小さくすることで、より効果的にメモリー効果を低減することが可能となる。逆に高温の場合は、放電時の電圧も上昇し、比較的大電流の放電も可能となる。この場合、放電電流を大きくしても、十分にメモリー効果を低減することができるだけでなく、電流が大きいためにリフレッシュ充放電に要する時間も短縮することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項5に記載の内容を踏まえて、ナビゲーションシステムからの情報が、地形の高低情報であって、地形の高低情報によって所定の充電あるいは
放電の条件が変更されることを特徴とする。同じ走行距離であっても高低差が大きい地域では電池にかかる負荷も大きくなり、SOCの変動も大きくなるだけでなく電池の劣化もより進行する。したがって、それぞれの高低条件に適した充放電を行うことで、いかなる状況においても本発明の効果がより明確に発揮されることになる。
以下、本発明を実施例について、詳細に説明する。なお本発明がこの実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
本実施例では、主電源1を構成する電池として、ニッケル水素蓄電池を用いた。
(実施例1)
水酸化ニッケルを活物質とする長尺状の正極と、水素吸蔵合金を活物質とする長尺状の負極とを、スルホン化処理したポリプロピレン不織布からなるセパレータを介して捲回し、電極群を構成した。この電極群を内径30mm、長さ60mmの円筒型電槽缶に挿入し、水酸化カリウムを主体とする電解液を注入して封口し、公称容量6Ahのニッケル水素蓄電池を得た。このニッケル水素蓄電池を12セル直列に接続して主電源とした。
この主電源に対し、図1のように受信部、記憶部および制御部を配列し、電流値30AとしてSOC20%の電圧に達するまで放電させた後、SOC80%の電圧に達するまで充電させた。この充放電サイクルを1サイクルとする。この時、受信部は給油口の開閉部に設置し、給油口を開閉することによって、信号が受信部に伝わるようにした。この電源システムを20℃の雰囲気下で充放電サイクルを200サイクル毎に給油口を開閉して、リフレッシュ充放電の信号を伝達させ、合計1000サイクルの充放電を実施した。このときのリフレッシュ充放電の条件を標準条件とする。この電源システムを実施例1とする。(比較例1)
受信部を給油口に設置せず、充放電サイクルを1000サイクル実施した以外は、実施例1と同様に構成した電源システムを比較例1とする。
(実施例2)
スイッチをハンドルに設置し、これを受信部と連動させて、200サイクル毎にスイッチを押してリフレッシュ充放電の信号を伝達させた以外は、実施例1と同様に構成した電源システムを実施例2とする。
(比較例2)
スイッチをハンドルに設置せず、リフレッシュ充放電の信号を伝達させないこと以外は、実施例2と同様に構成した電源システムを比較例2とする。
(実施例3)
ハイブリッド自動車のエンジンを停止すると受信部が連動させて、200サイクル毎にハイブリッド自動車を停車させ、リフレッシュ充放電の信号を伝達させた以外は、実施例1と同様に構成した電源システムを実施例3とする。
(比較例3)
ハイブリッド自動車のエンジンの停止と受信部を連動させないこと以外は、実施例3と同様に構成した電源システムを比較例3とする。
(実施例4)
ハイブリッド自動車の走行距離メーターと受信部を連動させて、200サイクル毎に相当する走行距離に達すると、信号を伝達させた以外は、実施例1と同様に構成した電源システムを実施例4とする。
(比較例4)
ハイブリッド自動車の走行距離メーターと受信部を連動させないこと以外は、実施例4と同様に構成した電源システムを比較例4とする。
(実施例5)
100サイクル毎に充放電を24時間休止させ、このときには充放電の電流値を条件Aでリフレッシュ充放電を実施させた以外は実施例1と同様に構成した電源システムを実施例
5とする。ここで、条件Aとは充放電の電流が休止の無い場合よりも大きく設定した条件である。
(比較例5)
実施例1の条件でリフレッシュ充放電を実施した以外は、実施例5と同様に構成した電源システムを比較例5とする。
(実施例6)
100サイクル毎に充放電を24時間休止させ、合計2000サイクルまで充放電を実施し、1000サイクルまでは充放電の電流値を条件Aで、1000サイクルから2000サイクルまでは充放電の時間を条件Bでリフレッシュ充放電を実施させた以外は実施例1と同様に構成した電源システムを実施例6とする。ここで、条件Bとは充放電の時間が条件Aよりも長く設定した条件である。
(比較例6)
1000サイクルから2000サイクルまでの充放電を条件Aでリフレッシュ充放電を実施した以外は、実施例6と同様に構成した電源システムを比較例6とする。
(実施例7)
ハイブリッド自動車にナビゲーションシステムを搭載し、温度情報は20℃、位置情報として自宅のガレージを設定し、自宅のガレージに停車すると受信部が連動してリフレッシュ充放電の信号を伝達させた以外は、実施例1と同様に構成した電源システムを実施例7とする。
(比較例7)
ナビゲーションシステムの位置情報と受信部を連動させない以外は、実施例7と同様に構成した電源システムを比較例7とする。
(実施例8)
ナビゲーションシステムの時間情報として、ある時刻を設定し、その時刻になると受信部が連動してリフレッシュ充放電の信号を伝達させた以外は、実施例1と同様に構成した電源システムを実施例8とする。
(比較例8)
ナビゲーションシステムの時間情報と受信部を連動させない以外は、実施例7と同様に構成した電源システムを比較例8とする。
(実施例9)
ナビゲーションシステムの温度情報として、温度が5℃である時には充放電の電流値を条件Cでリフレッシュ充放電を実施させた以外は実施例7と同様に構成した電源システムを実施例9とする。ここで、条件Cとは充放電の電流値が20℃の時よりも小さく設定した条件である。
(比較例9)
条件Dでリフレッシュ充放電を実施した以外は、実施例9と同様に構成した電源システムを比較例9とする。ここで、条件Dとは充放電の電流値が20℃の時よりも大きく設定した条件である。
(比較例10)
20℃の時の条件でリフレッシュ充放電を実施した以外は、実施例9と同様に構成した電源システムを比較例10とする。
(実施例10)
ナビゲーションシステムの地形の高低差情報として高低差500mを設定し、ハイブリッド自動車を高低差500m以上ある経路を走行させ、走行時の高低差が500mに達すると充放電の電流値を条件Eでリフレッシュ充放電を実施させた以外は実施例4と同様に構成した電源システムを実施例10とする。ここで、条件Eとは充放電の電流値が高低差500m未満の時よりも大きく設定した条件である。
(比較例11)
標準条件でリフレッシュ充放電を実施した以外は、実施例10と同様に構成した電源システムを比較例11とする。

以上の各電源システムを用いて、以下に示すメモリー効果の評価を行った。
(メモリー効果)
メモリー効果の有無を見極めるために、1000サイクル終了時の充電時における上限終止電圧から放電時における下限終止電圧に到達までの放電容量を評価した。この放電容量が2Ah未満のものをメモリー効果が「顕著」、2〜3.0Ah未満のものをメモリー効果が「有り」、3.0〜3.5Ah未満のものをメモリー効果が「少し有り」、3.5Ah以上のものをメモリー効果が「無し」とし、表1に記した。
充放電1000サイクルの間に、リフレッシュ充放電を実施しなかった比較例1〜4と比較例7、8の電源システムはメモリー効果が顕著に見られる結果になったのに対して、様々な方法で外部からの信号を与えることによってリフレッシュ充放電を実施した実施例1〜10の電源システムはメモリー効果がほとんど見られなかった。このように外部からの信号を感知して、リフレッシュ充放電を実施すれば、本来の課題であったメモリー効果は十分に低減することが可能となることがわかった。また、本発明の方法によれば、システムの中に電源の電圧や温度、電流や容量といった因子を検出する必要が無く、検出装置が不要となる為にシステムが大幅に簡易化できる。さらに、従来の方法ではリフレッシュ充放電中は、ハイブリッド自動車としての電池からのアシスト機能が低下するという課題があったが、本発明の方法ではリフレッシュ充放電は停車中に実施するために、走行中は電池の性能を十分に発揮できるようになる。
100サイクル毎に充放電を24時間休止させた比較例5は標準条件でリフレッシュ充放電を行ったが、メモリー効果が見られる結果となった。一方、100サイクル毎に充放電を24h休止させた場合であってもリフレッシュ充放電の電流値を大きくした条件Aで実施した実施例5の電源システムではメモリー効果がほとんど見られなかった。これは、休止時の自己放電による容量低下の影響を最適なリフレッシュ充放電条件とすることで充電が深くまでできるようになり、リフレッシュ充放電の効果が大きくなった為である。
100サイクル毎に充放電を24時間休止させた上に、2000サイクルまで条件Aでリフレッシュ充放電を行った比較例6はメモリー効果が少し見られる結果となった。一方、1000サイクルから2000サイクルまでをリフレッシュ充放電の電流値を長くした条件Bで実施した実施例6の電源システムではメモリー効果がほとんど見られなかった。これは、サイクルによって電池の劣化が進行し、休止中の自己放電の効果が大きくなるこ
とに対して充電時間を長くすることで充電をより深くまでできるようになり、リフレッシュ充放電の効果が大きくなった為である。なお、サイクルが進行した場合は電池の劣化が進んでいるので、充電電流値を大きくするよりも充電時間を長くすることが好ましい。
環境温度が5℃である比較例10は20℃の時の条件でリフレッシュ充放電を行ったが、メモリー効果が少し見られる結果となった。また、環境温度が5℃で20℃の時よりもリフレッシュ充放電の電流値を大きくした比較例9では、メモリー効果が見られる結果となった。一方、環境温度が5℃であってもリフレッシュ充放電の電流値を小さく変更した実施例9の電源システムではメモリー効果がほとんど見られなかった。これは、温度が低くなったことで電源の放電電圧が低下し、電流値を小さくすることで放電が深くまでできるようになり、リフレッシュ充放電の効果が大きくなった為である。
また、地形の高低差が500m以上ある経路を走行し、走行距離によって標準条件でリフレッシュ充放電を行った比較例11はメモリー効果が少し見られる結果となった。一方、高低差が500m以上ある場合でも条件Eでリフレッシュ充放電を実施した実施例10の電源システムではメモリー効果がほとんど見られなかった。これは、高低差が大きい場合は走行距離が同じであっても電池の充放電にかかる負荷が大きくなり、その負荷に適した充電電流値とすることでリフレッシュ充放電の効果が大きくなった為である。
このようにナビゲーションシステムの温度情報に基づいて、リフレッシュ充放電の条件を変更することで、メモリー効果を低減させる効果は飛躍的に大きくなる。今回の実施例では5℃の場合を例にしたが、いかなる温度であっても適応できる。また条件を変更する方法として、今回は電流値を変更したが、電圧や温度といった他の因子によって変更することもできる。
本発明によれば簡易的な構造でメモリー効果がない電源システムが具現化できるので、アルカリ蓄電池の利点であるタフユース(HEV、家庭用コージェネ、産業用)用途での利用可能性は高く、かつその効果が高いと考えられる。
1 主電源
2 受信部
3 制御部
4 記憶部

Claims (12)

  1. 電池の充放電範囲を制御しながら充放電させる電気回路を有するハイブリッド自動車用の充放電制御方法であって、前記電気回路は、外部からの信号によって所定の充電、あるいは放電を自動的に実施することを特徴とする電池の充放電制御方法
  2. 前記ハイブリッド自動車の給油口開閉部に受信部を具備し、前期給油口の開閉によって前記信号が伝達されることを特徴とする請求項1記載の充放電制御方法
  3. 前記ハイブリッド自動車は、前記信号を伝達するスイッチを具備し、前記スイッチを押すことで、前記信号が伝達されることを特徴とする請求項1記載の充放電制御方法
  4. 前記ハイブリッド自動車のエンジンを停止したときに、前記信号が伝達されることを特徴とする請求項1記載の充放電制御方法
  5. 前記ハイブリッド自動車は、走行距離を示す装置を具備し、前記走行距を示す装置からの情報によって、前記信号が伝達されることを特徴とする請求項1記載の充放電制御方法
  6. 前記ハイブリッド自動車は、エンジンを停止させてから再び起動するまでの時間によって、前記所定の充電、あるいは放電の条件が変更されることを特徴とする請求項1記載の充放電制御方法
  7. 前記ハイブリッド自動車は、エンジンを停止させてから再び起動するまでの時間と前記走行距離を示す装置からの情報によって、前記所定の充電、あるいは放電の条件が変更されることを特徴とする請求項1記載の充放電制御方法
  8. 前記ハイブリッド自動車は、ナビゲーションシステムを具備し、前記ナビゲーションシステムからの情報によって、前記信号が伝達されることを特徴とする請求項1記載の充放電制御方法
  9. 前記ナビゲーションシステムからの情報が、所定の位置情報であって、前記ハイブリッド自動車が前記所定の位置に停車することによって、前記信号が伝達されることを特徴とする請求項8記載の充放電制御方法
  10. 前記ナビゲーションシステムからの情報が、時間情報であって、前記所定の時間になると、前記信号が伝達されることを特徴とする請求項8記載の充放電制御方法
  11. 前記ナビゲーションシステムからの情報が、温度情報であって、前記温度情報によって前記所定の充電、あるいは放電の条件が変更されることを特徴とする請求項8記載の充放電制御方法
  12. 前期ナビゲーションシステムからの情報が、地形の高低情報であって、前期高低情報によって前記所定の充電、あるいは放電の条件が変更されることを特徴とする請求項8記載の充放電制御方法
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