JP2011009164A - マイクロ波漏洩抑制部材およびハイブリッド式加熱炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロ波漏洩抑制部材4は、絶縁体製であって端子挿通孔80bと端子部材92との間に介装されるシール部材40と、導体製であってケース8bから突設され軸方向外端に凹部412を有する筒部材41と、絶縁体製であって凹部412を軸方向外側から覆う蓋板部材42と、導体製であって蓋板部材42を軸方向外側から覆い端子部材92が貫通する貫通孔430を有する端板部材43と、を備える。筒部材41の径方向内側から蓋板部材42を介して凹部412までマイクロ波Mを伝播させることにより、マイクロ波Mを減衰させる。貫通孔430と端子部材92との間の隙間の径方向長さをA、蓋板部材42の軸方向長さをB、凹部412の径方向長さをCとする場合、A<B<Cである。
【選択図】図6
Description
まず、本実施形態のハイブリッド式加熱炉の構成について説明する。図1に、本実施形態のハイブリッド式加熱炉の長手方向(左右方向)一部の斜視図を示す。図2に、図1のII−II方向断面図を示す。
ハウジング2は、ハウジング本体20と、加熱室21と、を備えている。ハウジング本体20は、外壁200と、断熱材201と、アプリケータ209と、を備えている。外壁200は、ステンレス鋼製(SUS製)であって、薄肉の角筒状を呈している。外壁200は、左右方向に延在している。外壁200は、電気的に接地されている。断熱材201は、セラミックファイバー製あるいは耐火煉瓦製であって、厚肉の角筒状を呈している。断熱材201は、外壁200の内側に配置されている。
ガス供給管90は、ハウジング本体20のガス供給孔に接続されている。ガス供給管90により、所定の雰囲気ガスGが加熱室21に供給される。ガス排出管91は、ハウジング本体20のガス排出孔に接続されている。ガス排出管91により、雰囲気ガスGが加熱室21から排出される。
マイクロ波発生装置6は、加熱室21にマイクロ波Mを供給している。マイクロ波発生装置6は、マグネトロン60と、導波管61と、を備えている。マグネトロン60は、アプリケータ209の後方に配置されている。マグネトロン60は、2.45GHzのマイクロ波Mを発生する。
モータ9は、アプリケータ209の上壁に配置されている。モータ9の回転軸は、回転軸挿通孔209bに挿通されている。スターラ7は、回転軸の下端に取り付けられている。スターラ7は、四枚の羽根を有している。モータ9に通電すると、スターラ7の四枚の羽根は、回転軸の軸回りに回転する。スターラ7の四枚の羽根により、導波管61からアプリケータ209内部に供給されるマイクロ波Mが、加熱室21に拡散される。
ローラ3は、炭化ケイ素製(SiC製)であって、円筒状を呈している。ローラ3は、前後方向に延在している。ローラ3は、左右方向に並んで、加熱室21に多数配置されている。ローラ3の前後方向両端は、各々、ローラ挿通孔202を介して、加熱室21からハウジング本体20の外部に突出している。ローラ3は、モータ(図略)の駆動力により、軸回りに回転可能に支持されている。
ヒータ5は、電熱式のヒータであって、通電することにより発熱する。ヒータ5は、加熱室21に熱を供給している。ヒータ5は、SiC製であって、円筒状を呈している。ヒータ5は、前後方向に延在している。ヒータ5は、左右方向に並んで、加熱室21に、多数配置されている。多数のヒータ5は、ローラ3を挟んで、上下二段に配置されている。ヒータ5の前後方向両端は、各々、ヒータ挿通孔204を介して、加熱室21からハウジング本体20の外部に突出している。
端子ボックス8aは、SUS製であって、左右方向に長い直方体箱状を呈している。端子ボックス8aは、後方に開口している。端子ボックス8aは、外壁200の前面に、上下二段に伏設されている。上段の端子ボックス8aは、上段の多数のヒータ5の前端を覆っている。下段の端子ボックス8aは、下段の多数のヒータ5の前端を覆っている。
図3に模式的に示すように、上下二段に配置された多数のヒータ5の後端は、各々、端子部材92を介して、電源95の正極側あるいは負極側に、電気的に接続されている。
図3〜図6に示すように、端子部材92の周囲には、マイクロ波漏洩抑制部材4が配置されている。マイクロ波漏洩抑制部材4は、シール部材40と、筒部材41と、蓋板部材42と、端板部材43と、ナット44と、リングストッパ45と、を備えている。
ナット44は、SUS304製であって、端子部材92の外周面に形成されたネジ部923に、螺着されている。ナット44は、端子ボックス8bの内部に配置されている。
シール部材40は、インナリング400と、アウタリング401と、を備えている。インナリング400は、ポリテトラフルオロエチレン製(PTFE製)であって、円筒状を呈している。インナリング400の後端には、フランジ部400aが配置されている。インナリング400は、端子ボックス8bの端子挿通孔80bに、挿通されている。インナリング400の外周面は、端子挿通孔80bの内周面に、当接している。フランジ部400aの前面は、端子ボックス8bの後壁の後面に、当接している。また、フランジ部400aの後面は、端子部材92のフランジ部920の前面に、当接している。
筒部材41は、内筒部材410と外筒部材411と凹部412を備えている。内筒部材410は、SUS304製であって、円筒状を呈している。内筒部材410は、端子ボックス8bの後壁の後面に、溶接されている。内筒部材410の径方向内側には、端子部材92が挿通されている。図6に示すように、内筒部材410の内周面には、大径部410aと小径部410bと径方向段差部410cとが配置されている。大径部410aは、径方向段差部410cを介して、小径部410bの前方に配置されている。
蓋板部材42は、PTFE製であって、円板状を呈している。蓋板部材42は、筒部材41の後端面に当接している。蓋板部材42は、凹部412の開口を封止している。蓋板部材42の略中心には、貫通孔420が穿設されている。貫通孔420には、端子部材92が挿通されている。貫通孔420の内周面と、端子部材92の外周面と、は当接している。
端板部材43は、SUS410製であって、円板状を呈している。端板部材43は、蓋板部材42の後面に当接している。端板部材43の略中心には、貫通孔430が穿設されている。貫通孔430には、端子部材92が挿通されている。貫通孔430の内周面と、端子部材92の外周面と、は当接している。端板部材43の熱膨張率は、端子部材92の熱膨張率よりも小さい。
リングストッパ45は、リング450と、二つのスクリュー451と、を備えている。リング450は、SUS304製であって、円環状を呈している。リング450は、端板部材43の後面に当接している。リング450には、端子部材92が挿通されている。二つのスクリュー451は、リング450に螺合している。スクリュー451の先端は、リング450を径方向に貫通して、端子部材92の外周面に圧接している。当該圧接により、リングストッパ45は、端子部材92の外周面に固定されている。
次に、本実施形態のマイクロ波漏洩抑制部材4の寸法について説明する。図6に示すように、端板部材43の貫通孔430と端子部材92との間の隙間の径方向長さAと、蓋板部材42の軸方向長さ(前後方向板厚)Bと、凹部412の径方向長さ(溝幅)Cとは、A<B<Cの関係を有している。
次に、本実施形態のマイクロ波漏洩抑制部材4の動きについて説明する。図2に示すように、加熱室21には、マイクロ波Mおよび雰囲気ガスGが供給されている。マイクロ波Mおよび雰囲気ガスGは、ヒータ挿通孔204とヒータ5との間の隙間に配置されたヒータ用マイクロ波漏洩抑制部材を通過して、加熱室21から端子ボックス8a、8b内に、漏洩する場合がある。
次に、本実施形態のハイブリッド式加熱炉1の作用効果について説明する。本実施形態のハイブリッド式加熱炉1のマイクロ波漏洩抑制部材4によると、図6に示すように、マイクロ波Mは、シール部材40を前方から後方に透過して、筒部材41の径方向内側に進入する。進入したマイクロ波Mは、蓋板部材42を径方向に伝播して、凹部412に導入される。マイクロ波Mは、凹部412の底部で反射される。このように、マイクロ波漏洩抑制部材4には、筒部材41の径方向内側→蓋板部材42→凹部412と連なるマイクロ波伝播通路が形成されている。このため、凹部412の開口付近でマイクロ波Mの入射波と反射波とを共振させることにより、マイクロ波Mを減衰させることができる。したがって、端子部材92の周囲からのマイクロ波Mの漏洩を抑制することができる。
以上、本発明のハイブリッド式加熱炉の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
20:ハウジング本体、21:加熱室、40:シール部材、41:筒部材、42:蓋板部材、43:端板部材、44:ナット、45:リングストッパ、60:マグネトロン、61:導波管、80b:端子挿通孔、90:ガス供給管、91:ガス排出管、92:端子部材、95:電源。
200:外壁、201:断熱材、202:ローラ挿通孔、203:アプリケータ取付孔、204:ヒータ挿通孔、209:アプリケータ、209a:導波管取付孔、209b:回転軸挿通孔、400:インナリング、400a:フランジ部、401:アウタリング、410:内筒部材、410a:大径部、410b:小径部、410c:径方向段差部、411:外筒部材、411a:大径部、411b:小径部、411c:径方向段差部、412:凹部、420:貫通孔、430:貫通孔、450:リング、451:スクリュー、920:フランジ部、921:内側接続部、922:外側接続部、923:ネジ部、930:ボルト、931:ナット、932:ワッシャリング、933:ヒータ側端子、940:ボルト、941:ナット、942:ワッシャリング、943:電源側端子、944:ブスバ。
G:雰囲気ガス、M:マイクロ波、W:被加熱物、λ:波長。
Claims (5)
- ケースの端子挿通孔に挿通されると共に該ケース内外を電気的に接続する端子部材の周囲からのマイクロ波の漏洩を抑制するマイクロ波漏洩抑制部材であって、
絶縁体製であって、前記端子挿通孔と前記端子部材との間に介装されるシール部材と、
導体製であって、該端子挿通孔を囲むように前記ケースから突設され、軸方向外端に環状の凹部を有し、該端子部材が貫通する筒部材と、
絶縁体製であって、該凹部を軸方向外側から覆い、該端子部材が貫通する蓋板部材と、
導体製であって、該蓋板部材を軸方向外側から覆い、該端子部材が貫通する貫通孔を有する端板部材と、
を備えてなり、
該筒部材の径方向内側から該蓋板部材を介して該凹部まで前記マイクロ波を伝播させることにより、該マイクロ波を減衰させると共に、
該貫通孔と該端子部材との間の隙間の径方向長さをA、該蓋板部材の軸方向長さをB、該凹部の径方向長さをCとして、該A<該B<該Cであることを特徴とするマイクロ波漏洩抑制部材。 - 前記筒部材の前記軸方向外端の径方向内端から前記凹部の径方向中心までの径方向長さをD、該凹部の軸方向長さをE、前記マイクロ波の波長をλとして、
前記Bは0.02λ以上0.04λ以下、前記Cは該Bよりも大きくかつ0.04λ以上0.08λ以下、該Dは0.1λ以上0.3λ以下、該Eは0.2λ以上0.3λ以下である請求項1に記載のマイクロ波漏洩抑制部材。 - 前記筒部材は、内筒部材と、該内筒部材の径方向外側に配置される外筒部材と、を有し、
前記凹部は、該内筒部材と該外筒部材との間に区画されている請求項1または請求項2に記載のマイクロ波漏洩抑制部材。 - 前記端板部材の熱膨張率は、前記端子部材の熱膨張率よりも小さい請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマイクロ波漏洩抑制部材。
- 外壁と、該外壁の内部に区画される加熱室と、該外壁を貫通すると共に該加熱室と外部とを連通するヒータ挿通孔と、を有するハウジングと、
該ヒータ挿通孔に挿通される電熱式のヒータと、
該外壁の外面に配置され、該ヒータの軸方向一端を覆う端子ボックスと、
を備え、マイクロ波と該ヒータの熱とを併用して、該加熱室において被加熱物を加熱するハイブリッド式加熱炉であって、
さらに、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のマイクロ波漏洩抑制部材を備え、
前記ケースは、前記端子ボックスであり、
前記端子部材は、該端子ボックスの外部の電源と、該ヒータと、を電気的に接続することを特徴とするハイブリッド式加熱炉。
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