JP2011006906A - 深礎工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】縦孔を掘削する工程と、鉄筋ユニット1を吊下ろす工程と、新たに吊下ろした鉄筋ユニット1の横配力筋11を、先行して吊下ろした鉄筋ユニット1の横配力筋11の間に差し込んで配置する工程と、鉄筋ユニット1と鉄筋ユニット1の間の重なり部11aに後入れ主筋2を挿入する工程と、縦孔の周囲に鉄筋ユニット1を配置した後に、縦孔の内部にコンクリートを打設する工程より構成する。
【選択図】図1
Description
その場合に縦孔の全円周に沿って横配力筋と、縦主筋を配筋する必要がある。
この横配力筋は直径が10m前後の大きな円形の鉄筋になるから、これを一度に配筋することはできない。
そのために、円を複数に分割した状態の円弧状の横配力筋を地上で製作する。
そして円周に沿って縦方向に、複数本の捨縦筋を配置しておき、この捨縦筋に横配力筋を仮止めしつつ縦孔の内部で接続して円形に形成してゆく方法などが採用されている。ここで捨縦筋とは、構造上の縦筋ではなく、組み立てのために使用する縦筋のことである。
<1> 分割してあるとしても、円弧状の横配力筋は長いから、それを壁面に沿って設けた足場の上で組み立ててゆく作業は容易ではない。
<2> そのために、鉄筋間の接続作業の信頼性が低い場合や、安全性に欠ける場合も考えられる。
また、前記の鉄筋ユニットに配置する横配力筋は、一段で閉合している形状である、深礎工法である。
また前記の鉄筋ユニットに配置する横配力筋は、一段で閉合せず、スパイラル状に加工した形状である、深礎工法である。
また鉄筋ユニットと鉄筋ユニットの連結は、後行する鉄筋ユニットを先行して設置した鉄筋ユニットに向けてスライドして行う深礎工法である。
また後行する鉄筋ユニットのスライド方向は、縦孔の壁面とほぼ平行方向であり、最後の鉄筋ユニットのみ、縦孔の壁面に対してほぼ直交方向である深礎工法である。
また後行する鉄筋ユニットのスライド方向は、縦孔の壁面とほぼ直交方向である深礎工法である。
また先行する鉄筋ユニットの最下段の横配力筋と主筋の下端との間隔は、後行する鉄筋ユニットの最下段の横配力筋と主筋の下端との間隔と同一ではなく、横配力筋の鉄筋1本の直径よりも大きい寸法差を設けてある深礎工法である。
また、縦孔の壁面に沿って並べた鉄筋ユニットにより構成し、前記の鉄筋ユニットは、平面視が細長楕円状、長方形状、あるいは台形状の横配力筋を、高さ方向に均等な間隔で複数段配置した鉄筋籠であり、隣接する鉄筋ユニットの間には重なり部分があり、重なり部分には後入れ主筋を挿入してあり、内部にコンクリートを打設してある深礎の構造である。
<1> 鉄筋ユニットは、地上で組み立てることができるから、縦孔の中の足場の上で組み立てる従来の工法と異なって、高い信頼性のもとに、安全に製造することができる。
<2> 鉄筋ユニットと鉄筋ユニットとの連結に際しては、先行して設置した鉄筋ユニットの横配力筋の間に、後行の鉄筋ユニットの横配力筋を差し込み、その後に後入れ主筋を上から挿入するだけであるから、きわめて簡単な作業で、信頼性の高い一体化を図ることができる。
<3> 主鉄筋と横配力筋はすでに組み立てられているため、従来工法と異なり、縦孔内での配筋作業がない。そのために、足場の設置、解体作業を省略することができる。
<4> 鉄筋ユニットは地上で事前に余裕をもって組み立てておくことができる。そのため、鉄筋ユニットの組み立てが全工程上のクリティカルパスにならず、従来工法と比較して、工程を十分に短縮することができる。
<5> きわめて簡単な作業で鉄筋を組み立てられるため、従来工法と比較して、作業員の人数を減らすことができる。
本発明の深礎工法は、縦孔を掘削する工程と、鉄筋ユニット1を吊下ろす工程と、新たに吊下ろした鉄筋ユニット1の横配力筋11を、先行して吊下ろした鉄筋ユニット1の横配力筋11の間に差し込んで配置する工程と、鉄筋ユニット1と鉄筋ユニット1の間の重なり部分に後入れ主筋を挿入する工程と、縦孔の周囲に鉄筋ユニット1を配置した後に、縦孔の内部にコンクリートを打設する工程より構成する。
本発明の構成で採用する鉄筋籠である鉄筋ユニット1について説明する。
鉄筋ユニット1は、内外2本の平行した鉄筋の端を連結した形状の、平面視が細長楕円状、長方形状、あるいは台形状の横配力筋11を使用する
この細長楕円状、あるいは長方形状の横配力筋11を高さ方向に均一な間隔で複数段配置する。
横配力筋11が平面視で細長楕円の場合、その内外の平行する横配力筋11は円弧状になるが、その円弧は、掘削する縦孔の壁面wの円弧と同心円状である。
横配力筋11が長方形、あるいは台形の場合には、その横配力筋11は、縦孔の壁面wと正確には平行とならないが、縦孔の直径が大きいので、同心円状でなくとも問題はない。
横配力筋11が細楕円形状の場合には、横配力筋11の端はU字状に形成されることになるが、この端部を重なり部11aとして利用する。
横配力筋11が長方形状の場合には、横配力筋11の端の重なり部11aはコ字状に形成されることなる。
なお以下の説明では横配力筋11が細楕円形状の場合について説明して、長方形状あるいは台形の横配力筋11においての説明を省略するが、その構成、機能などは同様である。
また、図の実施例では横配力筋11は1段ごとに閉合している形状について説明するが、上下の段がスパイラル状に連続している場合も本発明の実施例として採用することができる。
水平方向に、均一な間隔を介して複数段配置する横配力筋11群を、縦方向の主筋12群で接続する。
すると水平方向の横配力筋11群と、鉛直方向の主筋12群によって、全体が円弧状の鉄筋籠を形成することができる。
ただし、本発明ではこの鉄筋ユニット1において、特に横配力筋11の端のU字状の重なり部11aには縦方向の主筋12を配筋しないことを特徴とする。
このように、横配力筋11の端の重なり部11aに縦方向の主筋12が存在しないために、先行して配置した鉄筋ユニット1の端の重なり部11aの上下段の間に、後行して配置する鉄筋ユニット1の端の重なり部11aを差し込むことができる。
したがって主筋12を配筋しない範囲は、先行鉄筋ユニット1の端の重なり部11aの間に、後行鉄筋ユニット1の端の重なり部11aを差し込んだ後にできる空間に、鉛直方向から後入れ主筋2を挿入できる程度の範囲である。
前記したように横配力筋11は均一なピッチで主筋12に固定してある。
その場合に、先行する鉄筋ユニット1の最下段の横配力筋11bと主筋12の下端との間隔bは、後行する鉄筋ユニット1の最下段の横配力筋11bと主筋12の下端との間隔aと同一ではなく、横配力筋11の鉄筋1本の直径よりも大きい寸法差を設けてあることが特徴である。
これは、後述するように先行する鉄筋ユニット1の横配力筋11の端の重なり部11aの間に、後行する鉄筋ユニット1の横配力筋11の端の重なり部11aを挿入するためである。
鉄筋ユニット1は、縦孔の壁面wの内面に、全高さに配置する。
しかし上下方向に全高さの鉄筋ユニット1を一度に製造し、それを一度に吊り上げて設置することは効率的ではない。
そこで、縦孔の高さを分割した高さの鉄筋ユニット1を製造する。
そして、下段の鉄筋ユニット1を縦孔の内部に吊り下げた後に、上段の鉄筋ユニット1の主筋12の最下部を、下段の鉄筋ユニット1の主筋12の最上部に接続して構成することもできる。
上下の主筋12の接続は、溶接、圧接その他の公知の方法を採用することができる。
次に、上記のように構成した鉄筋ユニット1群を使用して深礎を構築する工法について説明する。
まず深礎を構築する位置に縦孔を掘削する。
縦孔を掘削する方法などは公知の工法を採用する。
縦孔の掘削に応じて壁面wの内側にコンクリートを吹き付けたり、ライナープレートを張り付けたりして、壁面wの崩壊を阻止しておくが、この工程も公知の工程である。
先行する鉄筋ユニット1Aを縦孔の内部に、壁面wに平行に吊り下げる。
鉄筋ユニット1の縦方向の主筋12の長さ、すなわち高さが、縦孔の深さよりも短い場合には、順次主筋12を縦方向に接続する。
こうして先行する鉄筋ユニット1Aを孔底まで吊下ろす。
同様にして、後行する鉄筋ユニット1Bを縦孔の壁面wに平行に吊り下げる。
この吊り下げ位置は、先行鉄筋ユニット1Aの横配力筋11の端の重なり部11aからわずかに離れた位置に、後行鉄筋ユニット1Bの端の重なり部11aが位置するように吊り下げる。
後行する鉄筋ユニット1Bを吊下ろしたら、先行して設置した鉄筋ユニット1Aに向けてスライドさせる。(図2)
この後行する鉄筋ユニット1Bのスライド方向は、縦孔の壁面wとほぼ平行方向である。
先行する鉄筋ユニット1Aの横配力筋11と、後行する鉄筋ユニット1Bの横配力筋11とは、高さ方向の位置において、横配力筋11の鉄筋の直径以上の差がある。
そのために後行する鉄筋ユニット1Bの横配力筋11の重なり部11aを、先行して設置した鉄筋ユニット1Aの横配力筋11の端の重なり部11aの間に挿入することができる。
すると、先行した鉄筋ユニット1Aの横配力筋11の端の重なり部11aと、後行して配置した鉄筋ユニット1Bの端の重なり部11aとの間に平面視、円形、楕円形、矩形の空間が生じることになる。
なお、図の実施例では、後行する鉄筋ユニット1Bのスライド方向が縦孔の壁面wとほぼ平行方向である場合について説明したが、縦孔の壁面wに向けて直交する方向からスライドさせることによっても、先行して設置した鉄筋ユニット1の横配力筋11の端の重なり部11aの間に後行する鉄筋ユニット1Bを挿入することもできる。
縦孔の壁面wの円周に沿って、複数の分割した鉄筋ユニット1を順次、先行する鉄筋ユニット1Aに向けて、後行する鉄筋ユニット1Bをスライドさせながら連結してゆく。
しかし最後の鉄筋ユニット1は縦孔の壁面wに沿ってスライドさせる余裕がない。
だが、縦孔は全体にわたって掘削した空洞であるから、最後の鉄筋ユニット1は、縦孔の壁面wに対してほぼ直交方向から、両側に位置する先行する鉄筋ユニット1Aに向けてスライドさせることができる。(図4)
すると、最後の鉄筋ユニット1の横配力筋11の重なり部11aを、両側に先行して設置した鉄筋ユニット1の横配力筋11の端の重なり部11aの間に挿入することができる。
こうして縦孔の壁面wの全円周に沿って鉄筋ユニット1群を配置することができる。(図5)
この鉄筋ユニット1群の配置は、縦孔の内側に1列を設置する場合だけでなく、同心円状に複数列、配置することもできる。
先行して配置した鉄筋ユニット1Aの横配力筋11の端の重なり部11aと、後行して配置した鉄筋ユニット1Bの端の重なり部11aとの間の平面視、円形、楕円形、矩形の空間に後入れ主筋2を鉛直に挿入する。(図8)
後入れ主筋2も通常の鉄筋である。
この後入れ主筋2を、鉛直方向に、上記の重なり部11aの空間内を挿入する。
すると、隣接する鉄筋ユニット1Aと鉄筋ユニット1Bの位置関係を拘束して妄動することが制約できる。
この後入れ主筋2の挿入は、鉄筋ユニット1間に重なり部11aの空間が生じるごとに行うことも、最後にまとめて行うこともできる。
こうして縦孔の壁面wの全円周に沿って配置した個別の鉄筋ユニット1群を一体として配置することができる。
鉄筋ユニット1の横配力筋11と後入れ鉄筋2とは、公知の方法で拘束して一体化する。
縦孔の内部に、その壁面wの円周に沿って鉄筋ユニット1群による鉄筋の配置が終わったら、縦孔の内部にコンクリートを打設する。
コンクリートが硬化すれば、地中に大口径のコンクリートのブロック、すなわち深礎を構築することができる。
11:横配力筋
12:主筋
11a:重なり部
2:後入れ主筋
Claims (8)
- 縦孔を掘削する工程と、
鉄筋ユニットを吊下ろす工程と、
新たに吊下ろした鉄筋ユニットの横配力筋を、先行して吊下ろした鉄筋ユニットの横配力筋の間に差し込んで配置する工程と、
鉄筋ユニットと鉄筋ユニットの間の重なり部に後入れ主筋を挿入する工程と、
縦孔の周囲に鉄筋ユニットを配置した後に、縦孔の内部にコンクリートを打設する工程よりなり、
前記の鉄筋ユニットは、
平面視が細長楕円状、長方形状、あるいは台形状の横配力筋を、高さ方向に均等な間隔で複数段配置し、
この複数段の横配力筋群を、縦方向の主筋群で接続してあり、
特に横配力筋の端の重なり部には縦方向の主筋を配置せず、
先行鉄筋ユニットの端の重なり部の間に、後行鉄筋ユニットの端の重なり部を差し込んだ後に、
横配力筋の端の重なり部と重なり部に、後入れ主筋を挿入できる空間を形成し得る鉄筋ユニットである、
深礎工法。
- 前記の鉄筋ユニットに配置する横配力筋は、
一段で閉合している形状である、
請求項1記載の深礎工法。
- 前記の鉄筋ユニットに配置する横配力筋は、
一段で閉合せず、スパイラル状に加工した形状である、
請求項1記載の深礎工法。
- 前記の鉄筋ユニットと鉄筋ユニットの連結は、
後行する鉄筋ユニットを、
先行して設置した鉄筋ユニットに向けてスライドして行う、
請求項1記載の深礎工法。
- 後行する鉄筋ユニットのスライド方向は、
縦孔の壁面とほぼ平行方向であり、
最後の鉄筋ユニットのみ、縦孔の壁面に対してほぼ直交方向である、
請求項1記載の深礎工法。
- 後行する鉄筋ユニットのスライド方向は、
縦孔の壁面に対してほぼ直交方向である、
請求項1記載の深礎工法。
- 先行する鉄筋ユニットの最下段の横配力筋と主筋の下端との間隔は、
後行する鉄筋ユニットの最下段の横配力筋と主筋の下端との間隔と同一ではなく、
横配力筋の鉄筋1本の直径よりも大きい寸法差を設けてある、
請求項1記載の深礎工法。
- 縦孔の壁面に沿って並べた鉄筋ユニットにより構成し、
前記の鉄筋ユニットは、
平面視が細長楕円状、長方形状、あるいは台形状の横配力筋を、高さ方向に均等な間隔で複数段配置した鉄筋籠であり、
隣接する鉄筋ユニットの間には重なり部があり、
重なり部には後入れ主筋を挿入してあり、
内部にコンクリートを打設してある、
深礎の構造。
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