JP2011005015A - 循環濾過システム - Google Patents
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Abstract
【課題】オーバーフロー水を再利用することによって、省資源化、低コスト化及び省エネルギー化を図ることを、一層衛生的に実現する。
【解決手段】循環濾過システム1は、仕切り板13により槽本体2に回収槽部14と入浴槽部15を形成した。回収槽部14に回収された湯水を再利用でき、回収槽部14内の清掃及びメンテナンスが容易になる。回収槽部14内で仕切り板13の高さよりも低くて仕切り板13の上端面と略水平な面に近い位置に第1の排水口20を配設したので、回収槽部14から入浴槽部15への湯水の逆流を防止できる。回収槽部14内で第1の排水口20よりも低くて循環ポンプ10の停止時における回収槽部14内の水位Wよりも低い位置に第2の排水口24を配設したので、運転休止時に回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物を自動的に排出できる。
【選択図】図1
【解決手段】循環濾過システム1は、仕切り板13により槽本体2に回収槽部14と入浴槽部15を形成した。回収槽部14に回収された湯水を再利用でき、回収槽部14内の清掃及びメンテナンスが容易になる。回収槽部14内で仕切り板13の高さよりも低くて仕切り板13の上端面と略水平な面に近い位置に第1の排水口20を配設したので、回収槽部14から入浴槽部15への湯水の逆流を防止できる。回収槽部14内で第1の排水口20よりも低くて循環ポンプ10の停止時における回収槽部14内の水位Wよりも低い位置に第2の排水口24を配設したので、運転休止時に回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物を自動的に排出できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、槽本体内の湯水を循環させて濾過する循環濾過システムに関する。
例えば入浴施設では、浴槽内の湯水を常時、或いは、定期的に循環させて濾過し、これを浴槽へ戻して再利用する循環濾過システムが備えられている。こうした循環濾過システムには、浴槽から溢れ出た湯水(オーバーフロー水)を機械室に設置された回収槽に一旦回収し、このオーバーフロー水を循環させて濾過するオーバーフロー型の循環濾過システムがある(例えば、特許文献1参照)。
従来構成の循環濾過システムでは、湯水に混入した毛髪、垢、塵埃などの浮遊物は、オーバーフロー水とともに浴槽から流出され、浮遊物が含まれたオーバーフロー水は、一旦回収槽に回収された後に濾過装置へ送られる構成となっている。しかしながら、この回収槽は、上記したように機械室に設置されているので、回収槽の清掃及びメンテナンスなどが難しく、その結果、レジオネラ菌が発生するなどして不衛生なものであった。
こうした衛生的問題のため、近年では回収槽を機械室に設置することが禁止され、浮遊物が含まれたオーバーフロー水は回収されず、そのまま捨てられるようになった。しかしながら、このような構成では、レジオネラ菌が発生するなどの衛生的問題は解決できるが、オーバーフロー水の再利用ができず不経済なものである。また、その捨てた量に相当する湯水を補充するには、低い温度の水を適温にまで加熱する必要があり、エネルギー的にも不経済である。
そこで、不衛生になることなく、オーバーフロー水を再利用することによって、省資源化、低コスト化及び省エネルギー化を図るようにした循環濾過システムが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
この循環濾過システムは、仕切り板によって浴槽の一部を仕切ることによって、回収槽部と入浴槽部とを形成し、回収槽部内に回収された湯水を循環濾過して入浴槽部に戻して再利用するように構成されている。また、この循環濾過システムによれば、湯水を回収する回収槽部が、機械室に設けられているのではなく、浴槽内の一部に設けられているので、回収槽部内の清掃及びメンテナンスを容易に行うことができる。
この循環濾過システムは、仕切り板によって浴槽の一部を仕切ることによって、回収槽部と入浴槽部とを形成し、回収槽部内に回収された湯水を循環濾過して入浴槽部に戻して再利用するように構成されている。また、この循環濾過システムによれば、湯水を回収する回収槽部が、機械室に設けられているのではなく、浴槽内の一部に設けられているので、回収槽部内の清掃及びメンテナンスを容易に行うことができる。
しかしながら、上記特許文献2に記載の循環濾過システムでは、回収槽部内の清掃及びメンテナンスを容易に行うことができるものの、例えば、仮に回収槽部内の掃除及びメンテナンスを長期間行わなかった場合や、短期間に多人数が入浴して通常よりも汚れたオーバーフロー水が回収槽部内に流入した場合などには、回収槽部が不衛生になってしまうという課題がある。従って、このような課題を解決するための更なる改良が求められていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、オーバーフロー水を再利用することによって、省資源化、低コスト化及び省エネルギー化を図ることを、一層衛生的に実現することができる循環濾過システムを提供することにある。
本発明は、吸込口と噴出口とを有する槽本体と、湯水を濾過する濾過装置と、湯水を加熱する熱交換器と、湯水を循環させるポンプとを備え、前記槽本体内の湯水が前記ポンプによって循環されることにより、前記槽本体内の湯水が前記吸込口から前記濾過装置へ送られて前記濾過装置で濾過された後に前記熱交換器で所定温度に加熱されて前記噴出口から前記槽本体へ戻される循環濾過システムにおいて、前記槽本体内の一部を仕切ることによって前記吸込口を有する回収槽部と前記噴出口を有する入浴槽部とを形成し、その上端が前記槽本体の上端よりも低く形成されているとともに、その下端に前記入浴槽部の槽内の底部と前記回収槽部の槽内の底部とを連通する連通口が形成された仕切り板と、前記入浴槽部から前記連通口を通じて前記回収槽部へ流出される湯水の流出量を調整する流出量調整手段と、前記回収槽部内で前記仕切り板の高さよりも低くて前記仕切り板の上端面と略水平な面に近い位置に配設され、前記回収槽部内の湯水を第1の排水路を通して前記回収槽部の外部へ排水可能に構成された第1の排水口と、前記回収槽部内で前記第1の排水口よりも低くて前記ポンプの停止時における前記回収槽部内の水位よりも低い位置に配設され、前記回収槽部内の湯水を第2の排水路を通して前記回収槽部の外部へ排水可能に構成された第2の排水口と、前記ポンプの駆動時に前記第2の排水路を閉じ、前記ポンプの停止時に前記第2の排水路を開く開閉弁とを備えたことに特徴を有する。
本発明の循環濾過システムによれば、槽本体内の一部を仕切ることによって回収槽部と入浴槽部とを形成する仕切り板の高さを、槽本体の上端よりも低く形成した。これにより、入浴槽部内の湯水は、水位が仕切り板よりも高くなると、槽本体の上端の高さに達する前に、仕切り板を越えてオーバーフロー水として回収槽部内に回収される。その際、入浴槽部内の湯水に浮かんでいる浮遊物もオーバーフロー水とともに回収槽部内に回収される。
また、仕切り板の下端に入浴槽部の槽内の底部と回収槽部の槽内の底部とを連通する連通口を形成したので、入浴槽部内の底部の湯水は、噴出口からの水流や入浴槽部内の水圧によって、連通口を通じて回収槽部に流出される。その際、入浴槽部内の底に沈んでいる沈殿物も、入浴槽部内の底部の湯水とともに回収槽部内へ流出して回収される。そして、回収槽部内に回収された湯水は、吸込口から濾過装置へ送られて汚染物質や沈殿物などが取り除かれて滅菌,濾過された後、熱交換器で所定温度に加熱されて噴出口から入浴槽部へ戻される。
このように、本発明の循環濾過システムによれば、オーバーフロー水も含めて回収槽部内に回収された湯水を再利用することができ、水資源の節約によって省資源化を図ることができるとともに上下水道の料金の低減によって低コスト化を図ることができる。また、略適温に近い温度であるオーバーフロー水を所定温度に加熱して再利用することができ、低い温度の水を所定温度にまで加熱する必要がなく、省エネルギー化を図ることができる。
また、本発明の循環濾過システムによれば、流出量調整手段によって連通口を通じた湯水の流出量を調整可能に構成したので、入浴槽部の湯張り量(水位)を仕切り板の高さよりも入浴定員の排水量分低くしてポンプ(循環濾過用のポンプ)を運転しながら流出量調整手段による流出量を少なく調整すれば、その分、仕切り板を越えてオーバーフロー水が回収槽部に流入するようになり、これにより、入浴槽部に入浴者が入っていなくても浮遊物,沈殿物などを回収槽部に回収することができる。また、運転停止時における入浴槽部(槽本体)の湯張り量を少なくした分だけ、運転時に回収槽部に空間ができ、その後、この空間の容積は、入浴槽部への入浴者の出入りによって変動する。そして、入浴槽部の入浴者数が定員になるまでは、湯水が槽本体の外部に排水されることがない。これにより、衛生的で、しかも、省資源化,省エネルギー化を図ることができる。一方、流出量を多く調整すれば、その分、仕切り板を越えるオーバーフロー水の量が少なくなる。このように連通口を通じた湯水の流出量を調整することによってオーバーフロー水の量を調整することができ、ユーザが所望する量でオーバーフロー水を回収することができる。
また、本発明の循環濾過システムによれば、槽本体内の一部に回収槽部を設けているので、回収槽部内の清掃及びメンテナンスを、槽本体の清掃をするのと同様にして容易に行うことができる。これにより、レジオネラ菌が発生するなどのトラブルを容易に防ぐことができ、より衛生的な循環濾過を行うことができる。
また、本発明の循環濾過システムによれば、回収槽部内において、仕切り板の高さよりも低い高さ位置であって、且つ、仕切り板の上端面と略水平な面に近い高さ位置に、回収槽部内の湯水を第1の排水路を通して回収槽部の外部へ排水する第1の排水口を備えた。従って、回収槽部内の湯水は、入浴者が定員以上になり水位が第1の排水口に達すると、当該第1の排水口から浮遊物とともに回収槽部の外部へ排水される。これにより、回収槽部内に回収された湯水が仕切り板を越えて入浴槽部に逆流してしまうことを防止することができ、入浴槽部内の湯水を衛生的に保つことができる。
また、本発明の循環濾過システムによれば、回収槽部内において、第1の排水口よりも低い高さ位置であって、且つ、ポンプの停止時における回収槽部内の水位よりも少し低い位置に、回収槽部内の湯水を第2の排水路を通して回収槽部の外部へ排水する第2の排水口を備えた。また、本発明の循環濾過システムによれば、ポンプの駆動時には第2の排水路を閉じ、ポンプの停止時には第2の排水路を開く開閉弁を備えた。従って、ポンプの駆動時、即ち、湯水の循環濾過が行われている状態では、第2の排水路が閉じられることから、回収槽部内の湯水が第2の排水口から排出されることがなく、回収槽部内に極力多くの湯水(第2の排水口よりも高い位置にある第1の排水口の高さ位置までの水量)を回収することができる。一方、ポンプの駆動停止時、即ち、湯水の循環濾過が停止されている状態では、第2の排水路が開かれることから、回収槽部内の湯水が第2の排水口から排水されるようになる。また、この排水とともに回収槽部内の湯水に浮かぶ浮遊物も第2の排水口から排出される。これにより、ポンプの駆動停止時(循環濾過システムの運転停止時)においては、回収槽部内の湯水に浮かぶ浮遊物を湯水とともに自動的に第2の排水口から排出させることができ、回収槽部内を衛生的に維持することができる。なお、第2の排水口を、第2の排水路を開いて所定時間後(浮遊物などが十分に流出する時間が経過した後)に、タイマーなどによる経過時間に応じて自動的に閉止するように構成するとよい。また、運転前に第2の排水口から排水された湯水量に相当する湯水を、水位センサなどによる検出水位に応じて自動的に槽本体内(入浴槽部内)に補給するように構成するとよい。
このように、本発明の循環濾過システムによれば、オーバーフロー水を再利用することによって、省資源化、低コスト化及び省エネルギー化を図ることを、一層衛生的に実現することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明を適用した循環濾過システム1の全体構成図である。
循環濾過システム1は、槽本体2と、循環路3とを備えて構成されている。槽本体2は、上部が開口して全体的に凹状に形成されており、内部に貯水可能となっている、この槽本体2は、その内壁面2aに噴出口4を有するとともに、その底面2bに噴出口5と吸込口6,7を有して構成されている。また、槽本体2の周囲には、洗場床2dが設けられている。
循環濾過システム1は、槽本体2と、循環路3とを備えて構成されている。槽本体2は、上部が開口して全体的に凹状に形成されており、内部に貯水可能となっている、この槽本体2は、その内壁面2aに噴出口4を有するとともに、その底面2bに噴出口5と吸込口6,7を有して構成されている。また、槽本体2の周囲には、洗場床2dが設けられている。
循環路3は、吸込口6,7から噴出口4,5に至る配管8上にヘアキャッチャ9と、循環ポンプ10と、濾過装置11と、熱交換器12とを備えて構成されている。
循環ポンプ10は、循環路3において吸込口7から噴出口4,5に向かう方向(図中、矢印A参照)へ湯水を循環させる。ヘアキャッチャ9は、湯水に含まれる毛髪やタオル屑などを除去する。
循環ポンプ10は、循環路3において吸込口7から噴出口4,5に向かう方向(図中、矢印A参照)へ湯水を循環させる。ヘアキャッチャ9は、湯水に含まれる毛髪やタオル屑などを除去する。
濾過装置11は、図示しない濾材によって湯水中の汚染物質や沈殿物などを除去する。なお、湯水に浮かぶ浮遊物は、吸込口7から吸い込まれ難く、従って、濾過装置11まで送られることは殆どない。そのため、濾過装置11による浮遊物の除去は困難である。循環濾過システム1は、このように除去することが困難な浮遊物を、後述する構成,作用によって容易に除去可能に構成されたものである。
熱交換器12は、湯水を所定温度(入浴に適した温度であり、例えば42℃程度)に加熱する。このような構成により、槽本体2中の湯水は、循環ポンプ10によって循環路3内で循環されることに伴い(図中、矢印A参照)、ヘアキャッチャ9で毛髪やタオル屑などが除去され、濾過装置11で汚染物質などが除去され、熱交換器12で所定温度に加熱された後に、噴出口4,5から槽本体2内へ戻される(図中、矢印B参照)。
さて、上記した構成において、槽本体2内には仕切り板13が配設されている。この仕切り板13は、槽本体2の一部を仕切ることによって、上記した吸込口7を底部に有する回収槽部14と、上記した噴出口4を側面下部に有し、噴出口5及び吸込口6を底部に有する入浴槽部15とを形成する。この場合、回収槽部14の底部は、入浴槽部15の底部よりも低くなるように段差を有して設けられている。なお、回収槽部14は、詳しくは後述するが、湯水を回収し衛生的に且つ経済的に再利用するための調整槽として機能するものである。また、入浴槽部15は、入浴者が実際に入浴する浴槽として機能するものである。
仕切り板13の高さ(図中、H1参照)は、槽本体2の高さ(図中、H2参照)よりも低く形成されている。また、仕切り板13の下端には、入浴槽部15の槽内の底部と回収槽部14の槽内の底部とを連通する連通口16が形成されている。この連通口16は、入浴槽部15側(図では右側)が大きく開口し、回収槽部14側(図では左側)に向かってその開口面積が徐々に小さくなるように設けられている。連通口16の入浴槽部15側の開口部には、例えば鋼材を孔子状に形成した網16aが取り付けられている。連通口16の回収槽部14側の部分には、バルブ18(流出量調整手段に相当)が設けられている。
このバルブ18は、連通口16の回収槽部14側の端部から下方に向かって屈曲するようにして延び、その先端部が回収槽部14の底部に上方から対向している。このバルブ18の開閉量(開度、或いは、閉度)を調節することによって、入浴槽部15から連通口16を通じて回収槽部14へ流れる湯水(図中、矢印C参照)の流出量を調整できるようになっている。また、バルブ18は下方に屈曲していることから、このバルブ18を通して、高い位置にある入浴槽部15から低い位置にある回収槽部14に湯水が流れ易くなっている。
回収槽部14の上部には、グレイチング19が配設されている。このグレイチング19は、例えば鋼材を格子状に形成したものであり、その一部に第1の排水口20が併設されている。また、このグレイチング19は、槽本体2の内壁面2cの上部にて内方に突出するように形成された支持部22と、仕切り板13の側壁面の上部にて内方に突出するように形成された支持部23とによって、仕切り板13の高さよりも若干低い高さ位置であって、且つ、当該仕切り板13の上端面と略水平な面に近い高さ位置(図中、H3参照)にて支持されている。よって、グレイチング19に併設された第1の排水口20も、仕切り板13の高さよりも若干低い高さ位置であって、且つ、当該仕切り板13の上端面と略水平な面に近い高さ位置(図中、H3参照)にて保持されている。なお、仕切り板13の上端面と略水平な面に近い高さ位置とは、後述するように回収槽部14から入浴槽部15への湯水の逆流を防止しつつ、回収槽部14内に極力多くの湯水を回収することができるように、第1の排水口20が、仕切り板13の上端面の高さに極力近い高さ位置に設けられていることを意味する。
この第1の排水口20には、槽本体2(回収槽部14)の外部に延びる第1の排水路20aが接続されている。これにより、第1の排水口20に流入した湯水は、第1の排水路20aを通して槽本体2(回収槽部14)の外部に排水されるようになっている。
また、回収槽部14の内部において、第1の排水口20よりも若干低い高さ位置であって、且つ、回収槽部14内の極力上部の高さ位置(図中、H4参照)には、第2の排水口24が配設されている。この第2の排水口24が配設される高さ位置は、後述する作用によって、循環ポンプ10の駆動停止時(循環濾過システム1の運転停止時)における回収槽部14内の湯水の水位(図中、一点鎖線W参照)よりも少し低い位置となるように設計されている。なお、回収槽部14内の湯水の水位よりも少し低い位置とは、循環濾過システム1の運転停止時に回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物などを湯水とともに第2の排水口24から排出できるように、第2の排水口24が、運転停止時における回収槽部14内の湯水の水位(運転停止時水位)よりも若干低い位置であって、且つ、運転停止時水位に極力近い高さ位置に設けられていることを意味する。また、この第2の排水口24を取り付ける高さ位置を適宜設計することによって、運転停止時に第2の排水口24から排水される湯水の量を調整することがでる。
この第2の排水口24は、回収槽部14の内壁面(この場合、槽本体2の内壁面2c)に樋状に取り付けられている。また、この第2の排水口24には、上述の第1の排水路20aに連通接続された第2の排水路24aが接続されている。これにより、第2の排水口24に流入した湯水は、第2の排水路24a及び第1の排水路20aの一部(第2の排水路24aが接続された部分よりも下流の部分)を通して槽本体2(回収槽部14)の外部に排水されるようになっている。
この第2の排水路24aの途中部分(回収槽部14の外部に配管された下流部分)には、モーター25によって自動的に開閉される電動弁26(開閉弁に相当)が設けられている。このモーター25は、循環ポンプ10の駆動時には、電動弁26を閉じて第2の排水路24aを封鎖するようになっている。また、このモーター25は、循環ポンプ10の駆動停止時には、電動弁26を開いて第2の排水路24aを開通するようになっている。そして、モーター25は、第2の排水路24aを開通した後、タイマー(図示せず)によって計時される経過時間が所定時間(回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物などが十分に排出される時間)を超えると、自動的に電動弁26を閉じて第2の排水路24aを封鎖するようになっている。
また、第2の排水路24aの途中部分(回収槽部14の内部に配管された上流部分)には、第1の排水路20aに連通接続されたバイパス排水路24bが設けられている。このバイパス排水路24bには、手動によって開閉される手動弁27が設けられている。この手動弁27は、循環ポンプ10の駆動時,駆動停止時にかかわらず常時は閉じられており、バイパス排水路24bを封鎖するようになっている。
また、上記した構成において、回収槽部14の底部に形成された接続口28には、連通管29及び弁30を介して、水位計として機能する水位センサ31が接続されている。ここで、水位センサ31の内部と回収槽部14内の内部とは連通管29を介して連通されている。そのため、水位センサ31内の湯水の水位と回収槽部14内の湯水の水位とは連動して変化する。水位センサ31は、当該水位センサ31内部にて上から下に延び長さの異なる6本の電極棒31a〜31fによって当該水位センサ31内の湯水の水位を検出することにより、回収槽部14内の湯水の水位を検出するようになっている。そして、水位センサ31は、検出した水位に応じて、補給湯器32に給湯を停止させる旨の信号または給湯を開始させる旨の信号を送り、当該補給湯器32から入浴槽部15への給湯(図中、矢印D参照)を停止または開始させる。
また、上記した構成において、濾過装置11は、逆洗機能を備えている。この逆洗機能とは、濾材に溜まった汚染物質などを湯水とともに除去し排出する機能のことである。具体的に説明すると、濾過装置11において、逆洗時には、濾過装置11内の弁が切り換わることによって濾材内の湯水の流れが通常時(循環濾過時)とは逆方向になる。また、入浴槽部15の底部の吸込口6と配管8の上流部(この場合、ヘアキャッチャ9よりも上流側の部分)とを連通する逆洗用配管8aに設けられた電動弁33がモーター34によって自動的に開かれると、入浴槽部15内の湯水が吸込口6から濾過装置11へ送られる。そして、この送られてきた湯水が濾材内を逆方向に流れることによって濾材の逆洗が行われ、濾材に溜まっていた汚染物質などが湯水とともに排出管11aから排出される。
次に、上記した構成の作用について説明する。
入浴者が入浴槽部15に入ると、これに応じて、入浴槽部15内の湯水の水位が高くなり、入浴槽部15から回収槽部14に流れ込む湯水の量が多くなり、回収槽部14内の空間が入浴槽部15の入浴者数に応じて(比例して)増減する。この場合、上記したように入浴槽部15と回収槽部14とを仕切る仕切り板13の高さ(H1)が槽本体2の高さ(H2)よりも低く形成されているので、入浴槽部15内の湯水は、その水位が仕切り板13の高さよりも高くなったとしても、入浴槽部15から槽本体2の外部へ流出されるのではなく、入浴槽部15から仕切り板13を越えて回収槽部14へ流出されることになり、つまり、入浴槽部15から溢れ出すオーバーフロー水として回収槽部14内へ回収されることになる。このとき、入浴槽部15内の湯水に浮かんでいる浮遊物も、オーバーフロー水とともに回収槽部14内へ回収されることになる(図中、矢印E参照)。なお、入浴槽部15に入浴者がいない状態であっても、入浴槽部15内の湯水は回収槽部14にオーバーフローしており、入浴槽部15内に浮遊物が滞留することがなく清潔で衛生的である。
入浴者が入浴槽部15に入ると、これに応じて、入浴槽部15内の湯水の水位が高くなり、入浴槽部15から回収槽部14に流れ込む湯水の量が多くなり、回収槽部14内の空間が入浴槽部15の入浴者数に応じて(比例して)増減する。この場合、上記したように入浴槽部15と回収槽部14とを仕切る仕切り板13の高さ(H1)が槽本体2の高さ(H2)よりも低く形成されているので、入浴槽部15内の湯水は、その水位が仕切り板13の高さよりも高くなったとしても、入浴槽部15から槽本体2の外部へ流出されるのではなく、入浴槽部15から仕切り板13を越えて回収槽部14へ流出されることになり、つまり、入浴槽部15から溢れ出すオーバーフロー水として回収槽部14内へ回収されることになる。このとき、入浴槽部15内の湯水に浮かんでいる浮遊物も、オーバーフロー水とともに回収槽部14内へ回収されることになる(図中、矢印E参照)。なお、入浴槽部15に入浴者がいない状態であっても、入浴槽部15内の湯水は回収槽部14にオーバーフローしており、入浴槽部15内に浮遊物が滞留することがなく清潔で衛生的である。
一方、入浴槽部15の下層では、主として噴出口4,5から噴出される湯水によって、入浴槽部15から回収槽部14へ向かう方向に水流が形成される(図中、矢印C参照)。そして、このような水流によって、入浴者が入浴槽部15へ入ったか否かに拘わらず、入浴槽部15内の湯水(特に入浴槽部15の槽内の底部の湯水)は、入浴槽部15内から連通口16を通じて回収槽部14内へ流出されることになり、つまり、回収槽部14内に回収されることになる。このとき、入浴槽部15の下層に沈んでいる沈殿物も、この水流とともに回収槽部14内へ流出して回収されることになる。
そして、回収槽部14内に回収された湯水は、循環ポンプ10によって循環路3内で循環されることに伴い、ヘアキャッチャ9で毛髪やタオル屑などが除去され、濾過装置11で汚染物質などが除去され、熱交換器12で所定温度に加熱された後に、噴出口4,5から入浴槽部15内へ戻される。
また、バルブ18によって連通口16の開口面積を小さく調整すると、入浴槽部15内から連通口16を通じて回収槽部14内へ流出される湯水(図中、矢印C参照)の流出量が少なくなり、その分、入浴槽部15内から仕切り板13を越えて回収槽部14内へ回収されるオーバーフロー水(図中、矢印E参照)の量が多くなる。一方、バルブ18によって連通口16の開口面積を大きく調整すると、連通口16を通じた入浴槽部15内から回収槽部14内への湯水の流出量が多くなり、その分、入浴槽部15内から仕切り板13を越えるオーバーフロー水の量が少なくなる。
また、多人数の入浴者が一斉に入浴槽部15に入ると、入浴槽部15内から仕切り板13を越えて回収槽部14内へ流出される湯水の水量が一斉に増加し、回収槽部14内の湯水の水位も一斉に高くなるが、この場合、上記したように、グレイチング19に併設された第1の排水口20が仕切り板13の高さよりも低い高さで保持されているので、回収槽部14内の湯水は、その水位が第1の排水口20の高さ(H3)に達すると、仕切り板13を超えて入浴槽部15に逆流するのではなく、第1の排水口20から回収槽部14の外部へ浮遊物とともに排水されることになる(図中、矢印F参照)。なお、循環ポンプ10の駆動時(循環濾過システム1の運転時)には、第2の排水口24に連通する第2の排水路24aが電動弁26によって封鎖されていることから、回収槽部14内に回収された湯水は、第2の排水口24からは排水されないようになっている。
次に、上記構成の循環濾過システム1を、例えばスーパー銭湯に設置されるような大型浴槽に適用する場合における一設計例について説明する。
まず、入浴槽部15の面積S1(底面積)について説明する。入浴槽部15の面積S1は、次に示す式(1)によって求められる。
入浴槽部の面積S1=[入浴槽部の定員]×[入浴者1人あたりが入浴槽部を占める面積] ・・・・・(1)
まず、入浴槽部15の面積S1(底面積)について説明する。入浴槽部15の面積S1は、次に示す式(1)によって求められる。
入浴槽部の面積S1=[入浴槽部の定員]×[入浴者1人あたりが入浴槽部を占める面積] ・・・・・(1)
ここで、一般に、入浴者が多人数で入浴する場合に入浴者1人あたりに最低限必要な面積は少なくとも1平方メートルとされている。そのため、例えば定員10人の入浴槽部15を設ける場合、式(1)によって求められる入浴槽部15の面積S1は10平方メートルとなる。
次に、この入浴槽部15の入浴者数が定員(この場合、10人)であるときに当該入浴槽部15から溢れ出す湯水の量(定員入浴時のオーバーフロー水量V)を算出する。この定員入浴時のオーバーフロー水量Vは、次に示す式(2)によって求められる。
定員入浴時のオーバーフロー水量V=[入浴者1人あたりが入浴槽部を占める体積]×[入浴者数]・・・・・(2)
定員入浴時のオーバーフロー水量V=[入浴者1人あたりが入浴槽部を占める体積]×[入浴者数]・・・・・(2)
ここで、入浴者1人あたりが入浴槽部15を占める体積、即ち、入浴者1人が入浴することに伴い入浴槽部15から溢れ出る湯水の流出量を50リットル(0.05立方メートル)と仮定すると、式(2)によって求められる定員入浴時のオーバーフロー水量V(入浴槽部15に定員である10人が入浴したときの湯水の流出量)は、500リットルとなる。
ここで、上記構成の循環濾過システム1は、従来では槽本体2の外部に溢れ出て排水されていた湯水を、入浴槽部15から回収槽部14内に回収して再利用するという観点に基づいて開発されたものである。そのため、入浴槽部15から溢れ出る湯水を無駄なく再利用するためには、少なくとも定員入浴時のオーバーフロー水量V(この場合、500リットル)に相当する容積の空間を、循環濾過システム1の運転時に回収槽部14内に形成する必要がある。次に、このように、オーバーフロー水量Vに相当する容積の空間を、循環濾過システム1の運転時に回収槽部14内に形成するための設計例について説明する。
上記構成の循環濾過システム1では、当該循環濾過システム1の運転が停止した状態、即ち、循環ポンプ10が停止して湯水が循環されていない状態では、入浴槽部15及び回収槽部14には湯水が一様に(同一水位で)貯えられる。また、この運転停止時においては、第2の排水口24に接続された第2の排水路24aは、電動弁26によって開通される。従って、循環濾過システム1の運転停止時においては、回収槽部14内の湯水(この回収槽部14を含む槽本体2内の湯水)は、その水位が第2の排水口24の高さ(H4)に達すると、当該第2の排水口24から排水されるようになっている(図中、矢印G参照)。また、この第2の排水口24からの排水とともに、回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物が自動的に第2の排水口24から排出されるようになっている。
回収槽部14内の湯水が第2の排水口24から排水されることによって、循環濾過システム1の運転停止時における入浴槽部15及び回収槽部14内の水位(W)、換言すれば、これら入浴槽部15及び回収槽部14の両槽からなる槽本体2内の水位(W)は、第2の排水口24の高さ位置(H4)となる。つまり、循環濾過システム1の運転停止時に、入浴槽部15及び回収槽部14の両槽に貯えられる湯水の水位(運転停止時水位)は、第2の排水口24の高さ位置にて一時的に等しくなる。排水弁たる電動弁26は、回収槽部14内の浮遊物が十分に排出された後、タイマーによる経過時間に基づいて自動的に閉止される。そして、濾過運転開始前には、水位センサ31による検知水位に基づいて、補給湯器32から自動的に湯水が槽本体2内(入浴槽部15内)に補給され、濾過運転前に必要な水位が復元されるようになっている。
この状態から、循環濾過システム1を運転(循環ポンプ10を駆動)するとともに、バルブ18の開閉量を調節して連通口16を通じた湯水の流出量を少なく調整すると、回収槽部14内の湯水が循環路3を経て入浴槽部15内に徐々に移動される(図中、矢印A,B参照)。これにより、回収槽部14内の水位が徐々に下降し、その分、入浴槽部15内の水位が徐々に上昇するようになる。そして、循環濾過システム1の運転時における最終的な入浴槽部15内の水位(運転時水位)は、仕切り板13の高さ(H1)に達し、これにより、入浴槽部15の上層の湯水が回収槽部14側に連続的に(常に)溢れ出す状態となる。一方、回収槽部14内には入浴槽部15に移動した湯水分の空間が形成され、これにより、入浴槽部15から回収槽部14内に溢れ出す湯水(オーバーフロー水)を回収可能な状態となる。なお、このような状態を実現するための調整は、循環濾過システム1の運転条件(例えば、運転時における入浴槽部15内の湯水の水位や、循環させる湯水の総量)などを変更しなければ、1度行えば十分である。また、運転条件などを変更した場合には、適宜調整を行えばよい。
このように、循環濾過システム1の運転時には、回収槽部14内に、入浴槽部15に移動された湯水分の空間が形成される。そのため、上記式(2)によって求められた定員入浴時のオーバーフロー水量V(この場合、500リットル)に相当する容積の空間を、循環濾過システム1の運転時に回収槽部14内に効率よく形成するためには、循環濾過システム1の運転停止時に、入浴槽部15内にオーバーフロー水量Vに相当する容積の空間を形成できればよいことになる。
ここで、入浴槽部15の面積S1は、この場合、式(1)に基づいて10平方メートルに設計されていることから、入浴槽部15に定員入浴時のオーバーフロー水量Vに相当する容積の空間を形成するには、仕切り板13の高さと運転停止時における入浴槽部15内の湯水の水位(運転停止時水位)との差Dを調整して設計する必要がある。この差Dは、次に示す式(3)によって求められる。
仕切り板の高さと運転停止時水位との差D-=[入浴槽部に形成する空間の容積]/[入浴槽部の面積]・・・・・(3)
仕切り板の高さと運転停止時水位との差D-=[入浴槽部に形成する空間の容積]/[入浴槽部の面積]・・・・・(3)
この場合、入浴槽部15に形成する空間の容積は定員入浴時のオーバーフロー水量Vに相当する500リットルであり、入浴槽部15の面積S1は10平方メートルであるから、式(3)によって求められる差Dは、50ミリメートルとなる。
ここで、上述したように、入浴槽部15の運転停止時水位は、第2の排水口24の高さ(H4)によって決定される。従って、仕切り板13の高さを、例えば回収槽部14の底部から600ミリメートルで設計した場合には、入浴槽部15の運転停止時水位を決定する第2の排水口24を、仕切り板13の高さよりも50ミリメートルよりも少し低い高さ、即ち、回収槽部14の底部から550ミリメートルよりも少し低い高さに配設するように設計すればよい。
これにより、循環濾過システム1の運転停止時には、入浴槽部15内に定員入浴時のオーバーフロー水量Vに相当する容積の空間が形成され、循環濾過システム1の運転時には、回収槽部14内に定員入浴時のオーバーフロー水量Vに相当する容積の空間が形成されるようになる。これにより、循環濾過システム1の運転時において、定員入浴時のオーバーフロー水量Vに相当する湯水を、回収槽部14内に回収することができるようになる。
ところで、入浴槽部15の入浴者数が定員(この場合、10人)を超えた場合には、回収槽部14内に、定員入浴時のオーバーフロー水量Vを超える湯水が流入することになる。つまり、定員10人の入浴槽部15内に例えば12人が入浴した場合には、回収槽部14内に定員入浴時のオーバーフロー水量V(500リットル)を超える600リットルの湯水が流入してしまう。
ここで、循環濾過システム1の運転時においては、第2の排水口24に接続された第2の排水路24aは、電動弁26によって閉じられている。そのため、回収槽部14内に定員入浴時のオーバーフロー水量Vを超える湯水が流入した場合に、その超えた分の湯水を第2の排水口24から排水することはできない。しかし、上記構成の循環濾過システム1では、第2の排水口24よりも若干高い位置であって、しかも、仕切り板13の高さよりも低い高さ位置に、循環濾過システム1の運転時においても運転停止時においても湯水を排水可能に開通される第1の排水口20を備えている。従って、第2の排水口24から湯水を排出することができない循環濾過システム1の運転時においても、第1の排水口20から湯水を排水することができ、回収槽部14から入浴槽部15への湯水の逆流を防止して、入浴槽部15内の湯水を衛生的に維持することができる。
ところで、このような第1の排水口20からの排水によって、循環濾過システム1において循環されている湯水の総量が減少してくると、入浴槽部15内に貯留される湯水量が減り、当該入浴槽部15からオーバーフロー水が流出し難くなる。また、これに伴い、回収槽部14内の湯水量も減り当該回収槽部14内の水位も上がり難くなる。しかし、上記構成の循環濾過システム1は、回収槽部14内の湯水の水位を検出する水位センサ31を備えており、この水位センサ31によって所定の低水位が検出されると、補給湯器32から新しく湯水が給湯されるように構成されている(図中、矢印D参照)。このような構成により、循環濾過システム1全体としては、古い湯水が排水され、新しい湯水が給湯されるようになる。また、補給湯器32からの補給湯によって、入浴槽部15内に十分な湯水が貯留されるようになり、当該入浴槽部15の上層から回収槽部14内に湯水が溢れ出す衛生的で清潔感のある状態を直ちに復旧させることができる。
以上のように、所定の条件に基づいて循環濾過システム1の各部を設計することによって、入浴者数が定員以下である場合には、オーバーフロー水を再利用することができ、一方、入浴者数が定員を超える場合には、その超えた人数分のオーバーフロー水を新しい湯水に入れ替えることができるといった効果を得ることができる。
さて、上記した回収槽部14の容積は、仕切り板13の配設位置や高さ寸法などを適宜設計することによって決まるものである。ここで、回収槽部14の一設計例について更に詳しく説明する。
上記構成の循環濾過システム1のように、湯水を循環させるために循環ポンプ10を使用する構成のものにおいては、循環ポンプ10の吸引力によって湯水に渦が発生して、当該循環ポンプ10に空気が吸入されしまうことがある。循環ポンプ10に空気が吸入されると、循環ポンプ10の循環機能が損なわれてしまう。そのため、このような渦の発生を防止するために、上述のように回収槽部14内に空間を形成しつつ、当該回収槽部14内における湯水の水位を、ある程度確保する必要がある。
ここで、本発明者は、大型浴槽の湯水を循環させるための大きな吸引力を有するポンプを循環ポンプ10として使用する場合、水位が130ミリメートル程度、或いは、それ以上あれば渦が発生しないことを実験的に見出している。そこで、回収槽部14に、上述のようにして定員入浴時のオーバーフロー水量V(500リットル)に相当する容積の空間が形成されたときに、当該回収槽部14内の湯水の水位が130ミリメートル程度確保されるように、回収槽部14を設計する必要がある。
ここで、仕切り板13の高さ(H1)や、第1の排水口20の配設位置(H3)、第2の排水口24の配設位置(H4)などは、回収槽部14内に定員入浴時のオーバーフロー水量Vに相当する容積の空間を形成するために設計されている。そこで、ここでは、回収槽部14の面積S2(底面積)を設計することによって、当該回収槽部14内の湯水の水位を確保する。回収槽部14の面積S2は、次に示す式(4)によって求められる。
回収槽部の面積S2=[回収槽部に形成する空間の容積]/([第2の排水口の高さ]−[確保したい回収槽部内の水位])・・・・・(4)
回収槽部の面積S2=[回収槽部に形成する空間の容積]/([第2の排水口の高さ]−[確保したい回収槽部内の水位])・・・・・(4)
この場合、回収槽部14に形成する空間の容積は500リットルであり、第2の排水口24の高さは回収槽部14の底部から550ミリメートルであり、確保したい回収槽部14内の水位は130ミリメートルであるから、式(4)によって求められる回収槽部14の面積S2は、およそ1.2平方メートルである。
従って、回収槽部14の面積S2を1.2平方メートル(この場合、入浴槽部15の面積S1である10平方メートルの約12パーセント)として設計することによって、回収槽部14に定員入浴時のオーバーフロー水量Vに相当する容積の空間が形成されたときに、当該回収槽部14内の湯水の水位が、ある程度(この場合、130ミリメートル程度、或いは、それ以上)確保されるようになる。これにより、循環ポンプ10に空気が吸入されて当該循環ポンプ10の循環機能が損なわれてしまうことが防止される。
次に、このような構成の循環濾過システム1によって得られる経済的な効果について具体的な数値を挙げて説明する。
一般的に、スーパー銭湯の男女それぞれの浴室には、少なくとも5箇所以上の浴槽が設置され、浴槽ごとに、例えば「通常の湯水の風呂」、「温泉風呂」、「水風呂」、「泡風呂」、「薬湯」など多種類の風呂が用意されている。そして、入浴者は、多種類の風呂のうち好みの風呂に繰り返し入浴したり、或いは、異なる種類の風呂に順に入浴したりして、複数回入浴することが通常である。
一般的に、スーパー銭湯の男女それぞれの浴室には、少なくとも5箇所以上の浴槽が設置され、浴槽ごとに、例えば「通常の湯水の風呂」、「温泉風呂」、「水風呂」、「泡風呂」、「薬湯」など多種類の風呂が用意されている。そして、入浴者は、多種類の風呂のうち好みの風呂に繰り返し入浴したり、或いは、異なる種類の風呂に順に入浴したりして、複数回入浴することが通常である。
ここで、入浴者1人あたりが平均的に3回入浴すると仮定して、本願発明を適用しない構成、即ち、入浴槽から溢れた湯水を全て排水する構成(オーバーフロー水を再利用しない構成)における年間の排水量、この排水量に対する下水道料金、及び、この排水量に対する燃料料金を、以下の条件の下で算出する。
・入浴者1人あたりの湯水の排水量=0.05[立方メートル/人](上記参照)
・一日あたりの入浴者数=1,500[人/日]
・水量1立方メートルあたりの下水道使用量=200[円/立方メートル]
・加熱前の水(井水)の温度=17[℃]
・入浴槽部の湯水の適温=42[℃]
・特A重油1リットルあたりの料金=45[円/リットル]
・特A重油1リットルあたりの発熱量=8,773[kcal/リットル]
(=42,700[kj/kg])
・ボイラー効率=88[パーセント]
・入浴者1人あたりの湯水の排水量=0.05[立方メートル/人](上記参照)
・一日あたりの入浴者数=1,500[人/日]
・水量1立方メートルあたりの下水道使用量=200[円/立方メートル]
・加熱前の水(井水)の温度=17[℃]
・入浴槽部の湯水の適温=42[℃]
・特A重油1リットルあたりの料金=45[円/リットル]
・特A重油1リットルあたりの発熱量=8,773[kcal/リットル]
(=42,700[kj/kg])
・ボイラー効率=88[パーセント]
これらの条件の下で算出される年間の排水量は、
年間の排水量=0.05[立方メートル/人]×1,500[人/日]×3[回]
×365[日]
=82,125[立方メートル/年]
である。
年間の排水量=0.05[立方メートル/人]×1,500[人/日]×3[回]
×365[日]
=82,125[立方メートル/年]
である。
そして、この排水量に対する下水道料金は、
下水道料金=82,125[立方メートル/年]×200[円/立方メートル]
=16,425,000[円/年]
として算出される。
下水道料金=82,125[立方メートル/年]×200[円/立方メートル]
=16,425,000[円/年]
として算出される。
また、この排水量に対する燃料料金は、
燃料料金=82,125,000[リットル/年]×45[円/リットル]
×(42[℃]−17[℃])/(8,773[kcal/リットル]
×88[パーセント])
≒11,967,325[円/年]
として算出される。
燃料料金=82,125,000[リットル/年]×45[円/リットル]
×(42[℃]−17[℃])/(8,773[kcal/リットル]
×88[パーセント])
≒11,967,325[円/年]
として算出される。
このように、入浴槽から溢れた湯水を全て排水する構成(オーバーフロー水を再利用しない構成)では、下水道料金及び燃焼料金において、年間数千万円の費用が必要となる。
これに対して、本願発明を適用した循環濾過システム1の構成によれば、従来では全て排水していた湯水(オーバーフロー水)を再利用する構成であることから、上記のように算出された年間数千万円の費用を不要とすることができ、省資源化、低コスト化、及び、省エネルギー化を大きく期待することができる。
これに対して、本願発明を適用した循環濾過システム1の構成によれば、従来では全て排水していた湯水(オーバーフロー水)を再利用する構成であることから、上記のように算出された年間数千万円の費用を不要とすることができ、省資源化、低コスト化、及び、省エネルギー化を大きく期待することができる。
以上に説明したように本実施形態の循環濾過システム1によれば、オーバーフロー水も含めて回収槽部14内に回収された湯水を再利用するように構成したので、水資源の節約によって省資源化を図ることができるとともに水道料金の低減によって低コスト化を図ることができる。また、略適温に近い温度であるオーバーフロー水を所定温度に加熱して再利用でき、低い温度の水を所定温度にまで加熱する必要がなく、省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施形態の循環濾過システム1によれば、バルブ18によって連通口16を通じた湯水の流出量を調整可能に構成したので、流出量を少なく調整すれば、その分、仕切り板13を越えるオーバーフロー水の量が多くなり、一方、流出量を多く調整すれば、その分、仕切り板13を越えるオーバーフロー水の量が少なくなる。このように連通口16を通じた湯水の流出量を調整することによってオーバーフロー水の量を調整することができ、ユーザが所望する量でオーバーフロー水を調整,回収することができる。
また、本実施形態の循環濾過システム1によれば、入浴者数が定員以下であれば、入浴槽部15から回収槽部14に湯水を適切に回収することができ、回収槽部14内に回収された湯水は外部に排水されることなく連続的に循環され再利用される。また、入浴槽部15の上層では、湯水が回収槽部14に連続的に溢れ出すことから、入浴槽部15の上層に浮遊している浮遊物を回収槽部14に常に回収することができる。そして、このような入浴槽部15の上部における湯水の流れによれば、見た目においても入浴者に対して清潔感を与えることができる。
また、入浴槽部15の下層では、連通口16を通じて入浴槽部15の底部に沈殿している沈殿物を回収槽部14に常に回収することができる。即ち、本実施形態の循環濾過システム1によれば、槽本体2の底面近傍に位置する仕切り板13の下端部分に、入浴槽部15の槽内の底部と回収槽部14の槽内の底部とを連通する連通口16を設けたので、入浴槽部15の湯水に浮かんでいる浮遊物を回収槽部14内に回収するのみでなく、入浴槽部15の底に沈んでいる沈殿物をも回収槽部14内に回収することができる。
また、本実施形態の循環濾過システム1によれば、入浴槽部15の入浴者数が定員を超えたとしても、定員を超えた分の湯水は第1の排水口20から排水されることから、回収槽部14から入浴槽部15への湯水の逆流を防止することができ、入浴槽部15内の湯水を衛生的に維持することができる。
即ち、入浴槽部15の入浴者数が定員を超えない状態であれば、当該入浴槽部15内に湯水を補給しなくても、入浴槽部15の上層に浮遊している浮遊物を回収槽部14に常に回収することができ、また、入浴槽部15の底部に沈殿している沈殿物をも回収槽部14に常に回収することができる。従って、本実施形態の循環濾過システム1は、従来構成よりも、衛生的にも経済的にも優れたものとなっている。
また、本実施形態の循環濾過システム1では、従来構成の回収槽に相当する機能を担う回収槽部14を、槽本体2内の一部を仕切り板13によって仕切ることで入浴槽部15と一体的に構成している。従って、グレイチング19を一時的に取り外すことで、回収槽部14内の清掃及びメンテナンスを、槽本体2(入浴槽部15)の清掃をするのと同様にして容易に行うことができる。即ち、回収槽が入浴槽から離れた位置(機械室など)に設置される従来構成のものとは異なり、回収槽部14の掃除及びメンテナンスに要する労力を格段に抑えることができる。これにより、回収槽部14内にレジオネラ菌が発生するなどのトラブルを容易に防ぐことができ、より衛生的な湯水の循環濾過及び再利用を行うことができる。
さらに、従来の構成では、機械室に設置された回収槽内の湯水を濾過装置に送るための回収用ポンプを、循環濾過用のポンプ(循環ポンプ10)とは別に設けなければならなかったが、本実施形態の循環濾過システム1では、このような回収用ポンプを不要とすることができる。
また、本実施形態の循環濾過システム1によれば、回収槽部14内において、仕切り板13の高さよりも低い高さ位置であって、且つ、仕切り板13の上端面と略水平な面に近い高さ位置に、回収槽部14内の湯水を第1の排水路20aを通して回収槽部14の外部へ排水する第1の排水口20を備えた。従って、回収槽部14内の湯水は、水位が第1の排水口20に達すると、当該第1の排水口20から回収槽部14の外部へ排水される。これにより、回収槽部14内に回収された湯水が仕切り板13を越えて入浴槽部15に逆流してしまうことを防止することができ、入浴槽部15内の湯水を衛生的に保つことができる。
また、本実施形態の循環濾過システム1によれば、回収槽部14内において、第1の排水口20よりも低い高さ位置であって、且つ、循環ポンプ10の駆動停止時における回収槽部14内の水位よりも少し低い高さ位置に、回収槽部14内の湯水を第2の排水路24aを通して回収槽部14の外部へ排水する第2の排水口24を備え、運転停止時に、回収槽部14内の浮遊物が湯水とともに循環濾過システム1の外部へ流出されるように構成した。また、本実施形態の循環濾過システム1によれば、循環ポンプ10の駆動時には第2の排水路24aを閉じ、循環ポンプ10の停止時には第2の排水路24aを開く電動弁26を備えた。従って、循環ポンプ10の駆動時、即ち、湯水の循環濾過が行われている状態(循環濾過システム1による湯水の循環濾過の運転時)では、第2の排水路24aが閉じられていることから、回収槽部14内の湯水が第2の排水口24から排出されることがなく、回収槽部14内に極力多くの湯水(第2の排水口24よりも高い位置にある第1の排水口20の高さ位置までの水量)を回収することができる。一方、循環ポンプ10の駆動停止時、即ち、湯水の循環濾過が停止されている状態(循環濾過システム1による湯水の循環濾過の運転停止時)では、第2の排水路24aが開かれることから、回収槽部14内の湯水が第2の排水口24から排水されるようになる。また、この排水とともに回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物も第2の排水口24から排出される。これにより、循環ポンプ10の駆動停止時(循環濾過システム1の運転停止時)においては、回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物を湯水とともに自動的に第2の排水口24から排出させることができ、回収槽部14内を衛生的に維持することができる。
このように、本実施形態の循環濾過システム1によれば、オーバーフロー水を再利用することによって、省資源化、低コスト化及び省エネルギー化を図ることを、一層衛生的に実現することができる。
また、第2の排水路24aと第1の排水路20aとを連通接続するバイパス排水路24bに、手動によって開閉される手動弁27を設けたので、仮に電動弁26が故障した場合であっても、当該手動弁27によって第2の排水路24aを第1の排水路20aに開通することができ、第2の排水口24による排水機能や浮遊物の排出機能を損なうことなく機能させることができる。即ち、この手動弁27は、この場合、電動弁26の補助的な開閉弁として機能するようになっている。
なお、この循環濾過システム1が備える第1の排水口20は、回収槽部14内の湯水の水位が第1の排水口20に達していない場合には湯水を回収槽部14の外部へ排水することはなく、逆に、回収槽部14内の湯水の水位が第1の排水口20に達した場合にのみ湯水を回収槽部14の外部へ排水するものである。つまり、第1の排水口20は、回収槽部14内の湯水の水位が当該第1の排水口20に達したことを条件として湯水を回収槽部14の外部へ排水するものである。
これにより、回収槽部14内の湯水の水位が当該第1の排水口20に達していない場合には、回収槽部14内に空間が形成された状態を維持することができ、この空間内に湯水を回収して再利用することができる。
さらに、第1の排水口20は、回収槽部14内の湯水が仕切り板13の高さに達する前に当該回収槽部14の外部へ排水し、これにより、回収槽部14から入浴槽部15へ湯水の逆流を防止するものである。即ち、例えば、大勢の入浴者が一斉に入浴槽部15に入浴して、当該入浴槽部15から回収槽部14へ流出する湯水の水量が急激に増加した場合であっても、回収槽部14に形成されている空間の容積を超えてしまった分の湯水を第1の排水口20を介して外部に排出することができ、回収槽部14から入浴槽部15への湯水の逆流を防止して、入浴槽部15内の湯水を衛生的に保つことができる。
要するに、回収槽部14内で仕切り板13の高さよりも低くて当該仕切り板13の上端面と略水平な面に近い位置に配設された第1の排水口20は、極力多くの湯水を回収するために回収槽部14に形成される空間の容積を十分に確保し、しかも、回収槽部14から入浴槽部15への湯水の逆流を防止して入浴槽部15内の湯水を衛生的に維持することを目的として備えられたものである。
また、循環濾過システム1が備える第2の排水口24は、当該循環濾過システム1の運転時には閉じられて排水不能となることから、回収槽部14内の湯水の排水やこの排水に伴う浮遊物などの除去に何ら作用しないものである。しかし、この第2の排水口24は、循環濾過システム1の運転休止時には開かれて排水可能となることから、回収槽部14内の湯水の排水やこの排水に伴う浮遊物などの除去に作用する。
要するに、回収槽部14内で第1の排水口20よりも低くて循環濾過システム1の運転休止時(循環ポンプ10の駆動停止時)における回収槽部14内の水位よりも少し低い位置に配設された第2の排水口24は、循環濾過システム1の運転停止時に回収槽部14内の湯水に浮かぶ浮遊物などを自動的に排出し、これにより、例えば、仮に回収槽部14内の掃除及びメンテナンスを長期間行わなかった場合や、短期間に多人数が入浴して通常よりも汚れたオーバーフロー水が回収槽部14内に流入した場合などにおいても、回収槽部14内を衛生的に保つことを目的として備えられたものである。
なお、これら第1の排水口20及び第2の排水口24は、回収槽部14の下方側部分ではなく、回収槽部14の上方側部分に配置されている。一方、連通口16は、回収槽部14の上方側部分ではなく、回収槽部14の下方側部分に配置されている。即ち、第1の排水口20及び第2の排水口24と、連通口16とは、回収槽部14の上方と下方とに離れて配置されており、それぞれの配設位置や機能が全く異なるものである。
また、第1の排水口20は、主として循環濾過システム1の運転時に作用するものであり、第2の排水口24は、主として循環濾過システム1の運転休止時に作用するものである。このように、第1の排水口20と第2の排水口24とは、その構成や機能が全く異なるものである。
また、このような第1の排水口20及び第2の排水口24を備えたことにより、濾過装置11では除去が困難な浮遊物を、容易に槽本体2の外部に排出して除去することができ、回収槽部14内、ひいては、槽本体2内を清潔で衛生的に維持することができる。
なお、本発明は、上述した一実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば次のように変形または拡張することができる。
第2の排水口24は、例えば回収槽部14の内壁面(槽本体2の内壁面2c)にフック部材などによって引っ掛けるようにして、着脱可能に設けるようにしてもよい。この場合、第2の排水路24aの全部または一部(少なくとも回収槽部14内に配管される部分、或いは、その一部)を、例えば蛇腹状に形成され可撓性や伸縮性を有するホースなどで構成するとよい。このような構成によれば、作業者は、第2の排水口24を取り外して、当該第2の排水口24を回収槽部14のうち特に浮遊物の多い箇所に移動させることができ、浮遊物を一層除去し易くすることができる。
第2の排水口24は、例えば回収槽部14の内壁面(槽本体2の内壁面2c)にフック部材などによって引っ掛けるようにして、着脱可能に設けるようにしてもよい。この場合、第2の排水路24aの全部または一部(少なくとも回収槽部14内に配管される部分、或いは、その一部)を、例えば蛇腹状に形成され可撓性や伸縮性を有するホースなどで構成するとよい。このような構成によれば、作業者は、第2の排水口24を取り外して、当該第2の排水口24を回収槽部14のうち特に浮遊物の多い箇所に移動させることができ、浮遊物を一層除去し易くすることができる。
また、第2の排水口24は、循環濾過システム1の運転停止時に回収槽部14内の湯水を排水できる高さ位置であれば、運転停止時における回収槽部14内の湯水と略同じ高さ位置に配設することも可能である。
また、第1の排水口20の形状は、図に示すような形状(上部が開口し、下部が円弧状、或いは、半球状となる形状)に限られるものではなく、適宜変更して実施することができる。
また、第2の排水口24の形状は、図に示すような形状(上部が開口した矩形容器状)に限られるものではなく、例えば、樋のように溝状、或いは、筒状に形成するなど、適宜変更して実施することができる。
開閉弁としては、電動弁26を設けず手動弁27のみを設けるようにしてもよい。これにより、高価な電動弁26を用いることなく循環濾過システム1を構成することができ、コストを抑えることができる。
流出量調整手段は、バルブ18の開閉によって流出量の調整を行うものに限られるものではなく、例えば、連通口16に当該連通口16の開口面積を調整するための開口蓋板を設け、いわゆる堰状に設けるようにしてもよい。この場合、開口蓋部は、例えば、連通口16に上下方向に長い支持板を設け、この支持板に上下方向にスライド可能に取り付けるとよい。さらに、スライドさせた開口蓋部を当該スライド位置にて固定するための固定部材(例えば、ねじなど)を設けるとよい。
本願発明は、スーパー銭湯に設置されるような大型浴槽のほか、例えば、家庭用の小型浴槽などにも適用可能である。また、本願発明は、いわゆる浴槽のみならず、例えば遊泳や競泳用のプールにも適用可能である。要は、槽本体内の湯や水を循環させて濾過するように構成されたシステム全般に適用することができる。
図面中、1は循環濾過システム、2は槽本体、4,5は噴出口、7は吸込口、10は循環ポンプ(ポンプ)、11は濾過装置、12は熱交換器、13は仕切り板、14は回収槽部、15は入浴槽部、16は連通口、18はバルブ(流出量調整手段)、20は第1の排水口、20aは第1の排水路、24は第2の排水口、24aは第2の排水路、26は電動弁(開閉弁)を示す。
Claims (2)
- 吸込口と噴出口とを有する槽本体と、湯水を濾過する濾過装置と、湯水を加熱する熱交換器と、湯水を循環させるポンプとを備え、前記槽本体内の湯水が前記ポンプによって循環されることにより、前記槽本体内の湯水が前記吸込口から前記濾過装置へ送られて前記濾過装置で濾過された後に前記熱交換器で所定温度に加熱されて前記噴出口から前記槽本体へ戻される循環濾過システムにおいて、
前記槽本体内の一部を仕切ることによって前記吸込口を有する回収槽部と前記噴出口を有する入浴槽部とを形成し、その上端が前記槽本体の上端よりも低く形成されているとともに、その下端に前記入浴槽部の槽内の底部と前記回収槽部の槽内の底部とを連通する連通口が形成された仕切り板と、
前記入浴槽部から前記連通口を通じて前記回収槽部へ流出される湯水の流出量を調整する流出量調整手段と、
前記回収槽部内で前記仕切り板の高さよりも低くて前記仕切り板の上端面と略水平な面に近い位置に配設され、前記回収槽部内の湯水を第1の排水路を通して前記回収槽部の外部へ排水可能に構成された第1の排水口と、
前記回収槽部内で前記第1の排水口よりも低くて前記ポンプの停止時における前記回収槽部内の水位よりも低い位置に配設され、前記回収槽部内の湯水を第2の排水路を通して前記回収槽部の外部へ排水可能に構成された第2の排水口と、
前記ポンプの駆動時に前記第2の排水路を閉じ、前記ポンプの停止時に前記第2の排水路を開く開閉弁とを備えたことを特徴とする循環濾過システム。 - 前記回収槽部の底部は、前記入浴槽部の底部よりも低く設けられ、
前記流出量調整手段は、前記連通口から下方に向かって延びるバルブで構成されていることを特徴とする請求項1記載の循環濾過システム。
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