以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:撮像システム100)
図1は、撮像システム100の概略的な機能を示した機能ブロック図である。撮像システム100は、撮像装置110と、撮像装置110と有線または無線で通信可能に接続された表示装置200とを含んで構成される。
図1に示されるように乳幼児102の保護者104は、乳幼児102のいる部屋R1の適所に撮像装置110を設置し、その撮像装置110によって撮像された映像データを、保護者104のいる例えばキッチンやリビングといった離隔した部屋R2の表示装置200に表示させる。従って、保護者104は、離隔した部屋R2から表示装置200を通じて乳幼児102を監視できるので、乳幼児102の状態を逐次把握でき、また乳幼児102が危険な目に遭うことを回避させ得る。以下、撮像システム100を構成する撮像装置110と表示装置200を具体的に説明する。
(撮像装置110)
図2は、撮像装置110の概略的な機能を示した機能ブロック図であり、図3は、撮像装置110の外観を説明するための説明図である。特に、図3(a)は撮像装置110の正面図を、図3(b)は横断面図を示している。撮像装置110は、撮像部112と、撮像支持部114とから構成される。
撮像部112は、撮像支持部114を通じて壁面やその他の部位に取り付けられ、撮像支持部114に回転自在に嵌合支持されつつ、被写体を撮像する。図3(a)を参照すると、当該撮像装置110が撮像部112の撮像方向正面視において外縁略円形に形成されているのが理解できる。ここで、外縁略円形とは、真円に限らず、その外径形状が任意に欠けているものや、多角形等、上下左右の固定観念が生じ難い形状を含んでいる。また、図3(b)を参照すると、撮像装置110横断面は略楕円型(流線型状)に形成され、基本的に突出物を有さず、各角部には丸めが施されている。
このように撮像装置110を、丸みを帯びた楕円体状に形成することで、撮像装置110単体での安全性を向上することができる。従って、乳幼児102の手の届く範囲に当該撮像装置110を配置することが可能となり、乳幼児102に撮像装置110を直接触れさせることもできる。さらに、撮像装置110の各構成要素の境界部分を樹脂等で覆い防水機能を加えることもできる。
また、一般的な防犯監視カメラ等では、防犯監視カメラを置くか吊るかによって映像の撮像軸の回転角度を調整しなければ、正しい回転角度で映像を視認することができない。本実施形態の撮像装置110は、図3(a)に示したように、撮像軸158回りの設置角度θに依存性が無く、撮像軸158を中心とした回転対称に形成されるので、設置角度に注意を払わなくとも様々な場所に容易に設置することが可能となる。例えば、設置角度が想定した角度より撮像軸158を中心に所定角度回転した状態で撮像装置110を設置してしまい、撮像した映像が撮像軸158を中心として回転してしまったとしても、表示装置200側でその映像を見ながら表示軸を中心にして逆回転方向に同所定角度回転させれば正しい表示回転角度で映像を視認できる。従って、設置角度の設定のために煩雑な調整スイッチ等を必要としない。また、表示装置200の設置角度は、撮像装置110の設置角度に制限されず、その映像の角度を自由に設定できるため、意図的に上下を入れ替えて映像を表示したりすることも可能である。
さらに、撮像装置110は、例えば直径100mm、厚さ30mm、重量300gといったように、小型かつ軽量に形成されているので、その撮像部112や撮像支持部114の色を複数種類準備すれば、インテリア性を高くでき、リビングなどに設置しても、従来の防犯監視カメラのように威圧感を与えたり、美観を損ねることもない。
また、図2に示すように撮像部112は、その内部に撮像素子120と、撮像制御部122と、撮像通信部124と、インターフェース部126と、バッテリ128と、近距離検知部130と、を含んでいる。
撮像素子120は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、CCD(Charge Coupled Device)センサ等で構成され、例えば撮像レンズ160を通じて入射する被写体像の光を光電変換し、映像信号を出力する。かかる撮像レンズ160としては、一般的な大きさの部屋全体を撮像できるよう広画角のものを用いる。こうして、乳幼児102が部屋R1のどこにいたとしても撮像装置110の撮像範囲内に捉えることができ、撮像装置110の撮像範囲に対応した表示装置200の表示範囲に乳幼児102のいる部屋全体を表示させることができる。
撮像制御部122は、撮像装置110全体を制御し様々な機能を遂行する。例えば、撮像制御部122は、撮像素子120から出力された映像信号に信号処理を施し映像データとして撮像通信部124に伝達する。撮像制御部122は、撮像素子120からの映像信号を送信可能な映像データにそのまま変換することもできるが、ここでは、記憶容量や通信資源を有効利用するため、映像データを変換(エンコード)して、Motion−JPEG、MPEG2,MPEG4/AVC等規格化された映像データを生成する。また、撮像制御部122は、表示装置200から送信された変形指示情報に応じて後述する撮像アクチュエータ144を駆動し、また、発光指示情報に応じて後述する撮像発光部148を発光させる。
撮像通信部124は、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11a/b/g/n等、規格化された無線通信を通じて表示装置200と通信を確立し、例えば、撮像制御部122によってエンコードされた映像データを表示装置200に送信する。
また、撮像通信部124の通信方式は、無線接続に限らず、有線によって接続することもできる。有線接続を用いる場合、撮像装置110の撮像通信部124および後述する表示装置200の表示通信部230にはLAN(Local Area Network)ケーブルを嵌合するためのRJ45規格に基づくジャック開口部を備え、Hubを介したLANケーブルによって相互接続することができる。
ここで、Hubが電力供給可能なPoE(Power over Ethernet(登録商標))に対応していた場合、LANケーブルを介して撮像装置110や表示装置200に電力を供給することができるため、後述するバッテリ128を省略することができる。また、バッテリ128が予め備わっている場合には、LANケーブルから電力を受け、そのバッテリ128を充電することもできる。さらにLANの伝送形態として、LANケーブルの経路に電力線伝送(PLC:Power Line Communications)を経由することもできる。
インターフェース部126は、SDメモリカード等のフラッシュメモリを記憶媒体とするメモリカードが挿入された状態で、その記憶内容を読み出し、または撮像制御部122で処理された映像データをフラッシュメモリに書き込む。また、インターフェース部126は、メモリカード以外にも同一規格で動作するインターフェースワイヤレスモジュール等も接続することができ、その場合、撮像通信部124を省略することが可能となる。
バッテリ128は、撮像素子120等、撮像装置110内の各電気素子に電力を供給する。かかるバッテリ128の充電は、任意の充電器との有線接続で行うことも可能であるが、ここでは、非接触の近距離電力伝送によって実行されるのが望ましい。
近距離検知部130は、人感センサ等によって構成され、撮像装置110から所定距離内に人物(以下、生物を含む)が存在することを検知する。近距離検知部130が人物の存在を検知すると、撮像制御部122は、生物の存在を示す近距離情報を生成し、撮像通信部124を通じてその近距離情報を表示装置200に送信する。ここで生物は、乳幼児102を含む人物のみならず、ペット等の動物やその他の生物も含んでいる。
近距離検知部130として人感センサを用いる場合、例えば、センシング範囲が、距離1〜2m、指向角10〜20度程度の狭いものを採用する。また、撮像制御部122が十分な処理能力を有する場合、撮像素子120で撮像された映像データを撮像制御部122で画像処理し、例えば、輝度信号のヒストグラム分布の変化、平均輝度の変化等を通じて所定距離内の人物の存在を検知してもよい。また、このような画像処理を撮像装置110内で実行する代わりに表示装置200側で実行することもできる。
撮像支持部114は、撮像保持部140と、ベース部142とからなり、ベース部142には撮像アクチュエータ144と、簡易取付部146と、撮像発光部148とが含まれている。
撮像保持部140は、撮像部112よりも弾性に富んでいる、例えばシリコーン等のゲル状部材によって形成され、撮像部112を着脱自在に保持する。ここでは、撮像部112と撮像保持部140とが当接し、その摩擦により撮像部112が撮像保持部140に掛止される。
撮像保持部140を撮像部112よりも弾性が高い部材で形成することで、撮像部112の外筐を弾性の低い樹脂等で形成したとしても、図3のように、撮像部112の円盤端部162を撮像保持部140が狭持することになるので、撮像部112が外部に接触して衝撃を受けるのを回避することができる。例えば、撮像装置110が設置位置から落下したとしても、撮像保持部140の弾性を通じて撮像装置110本体および落下位置の対物に大きな障害を与えないで済み、より確実に安全性の向上を図ることが可能となる。このような点から、当該撮像装置110は、「装置」としてのみならず「玩具」としても用いることができ、さらには簡易なコミュニケーションツールとして利用することが可能となる。
撮像アクチュエータ144は、1または複数設けられ、表示装置200からの変形指示情報に応じて撮像保持部140を変形させる。具体的には、撮像制御部122が表示装置200から変形指示情報を受信すると、その受信直後から所定時間、例えば2秒間、撮像アクチュエータ144を駆動し、所定の動作(回転または揺振)を維持させる。従って、撮像アクチュエータ144の本体はベース部142に設けられるが、撮像アクチュエータ144の可動部は撮像保持部140に接触または接続可能に配置される(図4参照)。
撮像アクチュエータ144による撮像保持部140の変形として、まず単純な振動が挙げられる。
図4は、撮像アクチュエータ144による振動を説明する説明図である。ここで、図4に示すように、撮像アクチュエータ144は回転モータであり、その撮像アクチュエータ144の本体164が、撮像保持部140より弾性の低いベース部142に固定され、撮像アクチュエータ144の可動部である回転軸166には、その重心が回転軸166から偏倚している偏心用重り(分銅)168が連結される。そして、撮像保持部140には偏心用重り168を遊嵌する空隙170が設けられ、偏心用重り168は、その空隙170内で撮像保持部140の特定の面172に当接するように形成されている。
従って、撮像アクチュエータ144の回転軸166を回転させることで、回転中の所定角度の間のみ、偏心用重り168の偏心部分が撮像保持部140の特定の面172に接触して撮像保持部140を押圧し、回転モータの回転周期で振動(変形)が生じることとなる。上述したように撮像保持部140は、シリコーン等の撮像部112よりも弾性の高いゲル状部材で形成されているため、その振動が撮像保持部140の前面まで伝達し、ユーザは、撮像装置110の変形を視認することができる。ここでは、撮像保持部140の変形に従動して撮像部112も平面方向に揺振することとなるが、撮像アクチュエータ144によって撮像部112を直接揺振させ、撮像装置110全体を変形させることもできる。
また、上述した例では、撮像アクチュエータ144をベース部142に固定し、撮像アクチュエータ144の回転軸166の回転に応じて弾性の高い別材料で形成された撮像保持部140を振動させる構成を述べたが、例えば、撮像支持部114の撮像保持部140とベース部142とが1の材料で一体形成されていた場合、その撮像支持部114の内部に撮像アクチュエータ144を埋設し、同撮像支持部114の任意の面に偏心用重り168を接触させてもよい。かかる構成では、振動効率は低下するものの、撮像支持部114の構成を簡易にすることができるので、メンテナンスの簡略化およびコストの削減を図ることが可能となる。
図5は、撮像アクチュエータ144による他の振動を表した説明図である。ここで、図5に示すように、撮像アクチュエータ144はリニアモータであり、その撮像アクチュエータ144の本体164が、撮像保持部140より弾性の低いベース部142に固定される。そして、撮像保持部140には、空隙174が設けられ、撮像アクチュエータ144の可動部であるピストン軸176が伸長する際、ピストン軸176が撮像保持部140に接触するように、空隙174には接触面178が設けられる。
従って、撮像アクチュエータ144をピストン運動させることで、ピストン軸176が伸長したときに接触面178に接触して撮像保持部140を押圧し、リニアモータの揺振周期で振動が生じることとなる。図4を用いた回転モータの場合同様、撮像保持部140は、シリコーン等のゲル状部材で形成されているため、その振動が正面まで伝達し、ユーザは、撮像装置110の振動を視認することができる。
また、上述した例では、撮像アクチュエータ144をベース部142に固定し、撮像アクチュエータ144の揺振に応じて弾性の高い別材料で形成された撮像保持部140を振動させる構成を述べたが、例えば、撮像支持部114の撮像保持部140とベース部142とが1の材料で一体形成されていた場合、その撮像支持部114の内部に撮像アクチュエータ144を埋設し、同撮像支持部114の接触面178にピストン軸176を接触させてもよい。
また、ここでは、ピストン運動の方向が平面方向(撮像装置110外周半径方向)となるように撮像アクチュエータ144を配置したため振動も平面方向となるが、かかる場合に限らず、撮像アクチュエータ144の配置によって振動方向を自由に設定することができる。例えば、ピストン運動の方向が撮像方向(撮像軸158方向)となるように撮像アクチュエータ144を配置すると、撮像方向に振動させることができる。
続いて、撮像アクチュエータ144を用いて撮像保持部140を変形させる他の例を説明する。
図6は、撮像アクチュエータ144による変形を表した説明図である。図6を参照すると、図5同様、撮像アクチュエータ144はリニアモータであり、その撮像アクチュエータ144の本体164が、撮像保持部140より弾性の低いベース部142に固定される。そして、撮像保持部140には、空隙174が設けられ、撮像アクチュエータ144のピストン軸176が伸長する際に、ピストン軸176が撮像保持部140に接触するように空隙174には接触面178が設けられている。ただし、ここでは、ベース部142と撮像保持部140とは分離可能に別体に構成され、複数の撮像アクチュエータ144が、撮像軸158を中心にして正面視で等角度となるように放射状に配置される。
ここでも、図5の撮像アクチュエータ144同様、撮像アクチュエータ144をピストン運動させることで、ピストン軸176が伸長するときに接触面178に接触して撮像保持部140を押圧し、リニアモータの揺振周期で振動を生じさせる。ただし、かかる例では、ベース部142に設けられた複数の撮像アクチュエータ144が位相を異ならせて揺振する。
図7は、2つの撮像アクチュエータ144による変形を説明するための説明図であり、図8は、3つの撮像アクチュエータ144による変形を説明するための説明図である。図7では、2つの撮像アクチュエータ144a、144bが撮像軸158を中心にして対向配置されており、ピストン軸176の押圧方向も正反対となっている。そして、各撮像アクチュエータ144a、144bは相対的に動作し、揺振周期(例えば1Hz以上)は等しいもののその位相は180度相異する。
従って、図7(a)に示すように、一方の撮像アクチュエータ144aのピストン軸176が縮退しているとき、他方の撮像アクチュエータ144bのピストン軸176が伸長し、撮像保持部140が他方の撮像アクチュエータ144bのピストン軸176方向に押圧され、偏心を伴い矢印の方向に大きく変形する。そして、他方の撮像アクチュエータ144bのピストン軸176が縮退したときには、一方の撮像アクチュエータ144aのピストン軸176が伸長するので、今度は図7(b)に示すように、一方の撮像アクチュエータ144aのピストン軸176方向に押圧され、矢印の方向に変形することとなる。こうして、ベース部142を基準に撮像保持部140が直線的に揺振することとなる。
また、ベース部142には、図6に示すように、撮像部112の外周に沿ってリング形状のリブ部180が設けられ、撮像保持部140には、そのリブ部180を滑動自在に遊嵌する遊嵌溝部182が設けられている。かかる構成により、ベース部142を基準に別体の撮像保持部140が揺振したとしても、撮像保持部140のベース部142からの脱落を防止することができる。
また、図8では、3つの撮像アクチュエータ144c、144d、144eが撮像軸158を中心にして120度ずつ相異する位置に配置しており、ピストン軸176の押圧方向も120度ずつ相違する。そして、各撮像アクチュエータ144c、144d、144eは、2つの撮像アクチュエータ144a、144bと同様、相対的に動作し、その位相も120度ずつ相異する。
従って、図8(a)に示すように、いずれか1の撮像アクチュエータ144cのピストン軸176が伸長しているとき、他の撮像アクチュエータ144d、144eのピストン軸176は縮退しており、撮像保持部140が1の撮像アクチュエータ144cのピストン軸176方向に押圧され、偏心を伴い白抜き矢印の方向に変形する。そして、他の撮像アクチュエータ144dのピストン軸176が伸長すると、今度は図8(b)に示すように、その撮像アクチュエータ144dのピストン軸176方向に押圧され、白抜き矢印の方向に変形する。さらに他の撮像アクチュエータ144eのピストン軸176が伸長すると、図8(c)のように白抜き矢印の方向に変形し、図8(a)から図8(c)までの状態を繰り返す。
ただし、図7と異なり、図8の場合、各撮像アクチュエータ144c、144d、144eの位相が120度ずつずれて動作するため、単純な直線的揺振にはならず、ベース部142を基準に、撮像保持部140が実線矢印のように回転しているように見える。さらに、撮像保持部140は、シリコーン等のゲル状部材で形成されているため、その回転は無秩序に動いているように把握され、ユーザの興味を引くことができる。
図9は、撮像アクチュエータ144による他の変形を表した模式図である。図9を参照すると、複数(ここでは3つ)の撮像アクチュエータ144f、144g、144hは回転モータであり、各撮像アクチュエータ144f、144g、144hの回転軸166が撮像軸158と平行するようにベース部142に固定される。ここでは、各撮像アクチュエータ144f、144g、144hの回転軸166に、図9のようなそれぞれ無秩序に偏心されたカム184が連結されている。また、撮像支持部114(撮像保持部140)は、弾性が非常に高いゴム等の弾性部材で構成され、カム184の突出部に押圧された部分が伸縮するようになっている。
そして、撮像アクチュエータ144f、144g、144hを回転運動させることで、カム184が撮像支持部114を押圧し、回転モータの回転周期で変形を生じさせる。ここでは、複数の撮像アクチュエータ144f、144g、144hを、位相を異ならして回転運動させることで、撮像保持部140を無秩序に動かすことができる。また、複数の撮像アクチュエータ144f、144g、144hそれぞれのカム184の形状、撮像アクチュエータ144f、144g、144hの回転周期、回転方向を異ならせることで、さらに予測の付かない態様で形状変化させることができ、ユーザの興味をさらに引くことが可能となる。
上述した撮像アクチュエータ144による撮像保持部140の変形例では、弾性の低いベース部142に撮像アクチュエータ144を固定し、弾性の高い撮像保持部140を変形させているが、撮像アクチュエータ144を撮像保持部140側に固定することもできる。
以上のように、撮像保持部140を変形させることで、それを視認する、例えば乳幼児102が撮像装置110自体に興味を示すこととなる。また、後述するように、保護者104は、乳幼児102の状態、例えば撮像装置110の方を凝視している等に合わせて撮像装置110を変形させることで、乳幼児102は、撮像装置110が自身の動きに反応していることを把握し、撮像装置110とのコミュニケーションを図ることができる。このように、保護者104が、撮像装置110を通じて乳幼児102に間接的に反応することで、それぞれ離隔した部屋R1、R2にいる乳幼児102と保護者104との間接コミュニケーションを図ることが可能となる。
簡易取付部146は、ベース部142に設けられた吸盤、磁石、マジックテープ(登録商標)等からなり、撮像装置110を様々な接地面に取り付け得る構造を成している。簡易取付部146として、例えば吸盤を採用した場合、壁面や窓ガラス等、フラットな面における任意の位置に撮像装置110を配置することができる。同様に、簡易取付部146として磁石を採用した場合には金属で形成される様々な部位に撮像装置110を設置できる。また、簡易取付部146は、取付構造を複数種類並設することもでき、例えば、ベース部142内に磁石を埋設し、その外側で吸盤を形成することも可能である。
かかる簡易取付部146によって、撮像装置110の設置位置を自由に設定できるので、例えば、乳幼児102を撮像し易い位置、かつ乳幼児102に視認され易い位置に撮像装置110を配置することが可能となる。また、配置設定のみならず撮像装置110の配置変更も容易にできるため、その配置を変えて、乳幼児102を飽きさせないことも可能である。こうして、撮像装置110側と表示装置200側との簡易かつ確実なコミュニケーションを図ることができる。
撮像発光部148は、LED(Light Emitting Diode)やランプ等で構成され、表示装置200からの発光指示情報に応じて発光する。具体的には、撮像制御部122が表示装置200から発光指示情報を受信すると、その受信直後から所定時間、例えば2秒間、撮像発光部148を発光(点灯、点滅)させる。上述したように本実施形態では撮像装置110の特に撮像保持部140を変形させることによって、撮像装置110を見ているユーザとの意志疎通を図ることができる。ここでは、その変形に加えて、または単独で、撮像装置110の一部または全部を発光させ、さらにユーザの興味を向けさせることが可能となる。
図10は、撮像発光部148の発光動作を説明するための説明図である。ここでは、図6に示した撮像アクチュエータ144の変形構造に、さらに撮像発光部148を加えた構成を説明する。
図10における撮像発光部148は、ベース部142に固定され、撮像装置110の平面方向外周側に光線が向いている。このとき撮像保持部140は透明または半透明の材料に光拡散性を付与した部材で形成され、背面には反射部材が塗布または貼着された反射面188が形成される。そして、撮像装置110が表示装置200からの発光指示情報を受けると、撮像制御部122を通じて撮像発光部148が発光し、撮像発光部148からの光は、図10の破線で示したように撮像保持部140の反射面188で反射しつつ撮像保持部140正面側に拡散し、撮像装置110の表面に広角放射する。
図11は、撮像発光部148の他の発光動作を説明するための説明図である。撮像発光部148は、環状の光ファイバ190とLED192とから構成され、光ファイバ190を撮像支持部114の正面に円周に沿って配置し、光ファイバ190の開口端にLED192を指向させる。かかる構成により、LED192の数を少なくしても、撮像保持部140の周囲に渡って均等かつ効果的に光を放射することができる。
ここでは、撮像発光部148をベース部142に固定し、間接的に撮像装置110表面から発光する例を挙げているが、かかる場合に限られず、撮像発光部148を撮像保持部140に固定し、撮像装置110表面に直接光を放射する構成をとることもできる。
本実施形態では、当該撮像発光部148による発光を撮像アクチュエータ144の変形と並行して実行することができるので、撮像装置110が変形しながら発光することが可能となり、ユーザのさらなる興味を惹くことができる。
(表示装置200)
図12は、表示装置200の概略的な機能を示した機能ブロック図であり、図13は、表示装置200の外観を説明するための説明図である。特に、図13(a)は表示装置200の正面図を、図13(b)は横断面図を示している。表示装置200は、表示部210と、表示支持部212とを含んで構成され、撮像装置110同様、表示方向正面から外縁略円形に形成されている。また、表示装置200は、撮像装置110とほぼ同一の大きさおよび形状で形成することができ、表示部210と撮像部112とを置換することも可能である。
表示装置200が撮像装置110同様の形状で形成されているため、撮像装置110の形状に基づく効果は等しくなり、例えば、丸みを帯びた楕円体状に形成することで、表示装置200単体での安全性を確保することができ、表示装置200を設置角度に依存性の無い円対称に形成することで、設置角度に注意を払わなくとも様々な場所に容易に設置することが可能となる。
また、表示部210は、その内部に、表示通信部230と、表示制御部232と、ディスプレイ234と、生成部236と、インターフェース部238、バッテリ240と、を含んでいる。
表示通信部230は、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11a/b/g/n等、規格化された無線通信を通じて撮像装置110と通信を確立し、例えば、撮像装置110から送信された映像データを受信する。また、後述する表示制御部232において変形指示情報や発光指示情報が生じた場合、表示通信部230は、その変形指示情報や発光指示情報を撮像装置110に送信する。表示通信部230は、撮像通信部124同様、無線通信に限らず、LANケーブル等を介して有線によって接続することもできる。
表示制御部232は、表示装置200全体を制御し様々な機能を遂行する。例えば、表示制御部232は、表示通信部230で受信された映像データに信号処理を施す。ここで、表示制御部232は、受信された映像データがMotion−JPEG、MPEG2,MPEG4/AVC等の規格化された映像データであれば、ディスプレイ234に表示可能な信号(例えばR、G、Bアナログ信号等)に変換(デコード)する。また、表示制御部232は、後述する生成部236の操作入力を検出すると、変形指示情報または発光指示情報を生成し、表示通信部230を通じて撮像装置110に送信する。
さらに、表示制御部232は、撮像装置110の近距離検知部130としても機能する。表示制御部232は、映像データの各画素における輝度の変化等を通じ、撮像データの画像中に被撮像物が変化しているのを検知し、それを生物の移動(生物の存在)と見なして表示制御部232に伝達する。そして、表示制御部232は、生物の存在を検知すると、後述する表示アクチュエータ254を生物の検知時から所定時間駆動し、または表示発光部258を所定時間発光させて、その旨保護者104等ユーザに伝達する。かかる構成により、例えば、表示装置200側の保護者104は、表示装置200の変形に応じて撮像装置110側の乳幼児102が撮像装置110に接近しているのを把握することができ、乳幼児102が撮像装置110を見ている状態で、生成部236を操作して撮像装置110を変形させ、乳幼児102へのリアクションを実行することが可能となる。
ディスプレイ234は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等比較的薄型の表示デバイスで構成され、表示制御部232で信号処理された映像データを表示する。表示制御部232は、撮像装置110において広画角で撮像された映像データを、表示制御部232内の画像処理によるソフトウェアズーム機能を通じて、拡大表示または縮小表示することができる。表示装置200側の保護者104は、かかる映像データによって乳幼児102の素行を観ることが可能となる。
生成部236は、押圧スイッチやタッチセンサで形成され、ユーザの操作入力を表示制御部232に伝達する。表示制御部232は、その操作入力から変形指示情報や発光指示情報を生成する。ただし、生成部236を押圧スイッチで形成する場合、丸みを帯びた楕円体状を保持するため、その押圧面を弾性の高い部材で覆い、その部材を介して押し下げ可能とするのが望ましい。
インターフェース部238は、SDメモリカード等のフラッシュメモリを記憶媒体とするメモリカードが挿入された状態で、その記憶内容を読み出し、または表示制御部232で処理された映像データを書き込む。また、インターフェース部238は、メモリカード以外にも同一規格で動作するインターフェースワイヤレスモジュール等も接続することができ、その場合、表示通信部230を省略することが可能となる。
バッテリ240は、表示通信部230等、表示装置200内の各電気素子に電力を供給する。かかるバッテリ240の充電は、充電器との有線接続で行うことも可能であるが、ここでは、非接触の近距離電力伝送によって実行されるのが望ましい。
表示支持部212は、表示保持部250と、ベース部252とからなり、ベース部252には表示アクチュエータ254と、簡易取付部256と、表示発光部258とが含まれている。
表示保持部250は、表示部210よりも弾性に富んでいる、シリコーン等のゲル状部材によって変形自在に形成され、表示部210を着脱自在に保持する。ここでは、撮像装置110同様、表示部210と表示保持部250とが当接し、その摩擦により表示部210が表示保持部250に掛止される。表示保持部250を表示部210よりも弾性が高い部材で形成することで、表示部210が外部に接触して衝撃を受けるのを回避することができる。
表示アクチュエータ254は、表示制御部232からの変形指示情報に応じて表示保持部250を変形させる。具体的には、表示制御部232が、生成部236におけるユーザ入力を受け付けると変形指示情報を生成し、撮像装置110に送信すると共に、その変形指示情報の生成直後から所定時間、例えば2秒間、撮像アクチュエータ144を駆動し、所定の動作(回転または揺振)を維持させる。従って、表示アクチュエータ254の本体はベース部252に設けられるが、表示アクチュエータ254の可動部は表示保持部250に接触または接続可能に配置される。かかる表示アクチュエータ254の具体的構成および動作は、撮像アクチュエータ144と実質的に等しいため、ここではその説明を省略する。
ただし、表示装置200における表示アクチュエータ254は、撮像アクチュエータ144による映像のブレを抑制する方向に表示部210を駆動することができる。撮像装置110において撮像アクチュエータ144を駆動すると、撮像保持部140の変形により撮像部112が動いて映像がブレることがある。ここでは、表示アクチュエータ254に撮像アクチュエータ144と同一の動作を、位相や駆動継続時間を合わせて(同期させて)実行させることで映像のブレを相殺する。
映像のブレは、撮像保持部140のゲル状部材による変形の遅れも伴っているが、表示装置200の表示保持部250も同特性の部材を用いることによって変形の遅れも実質的に等しくすることができる。従って、撮像装置110で撮像された映像と表示装置200で表示される映像とが同方向に移動し、表示装置200から離間した固定位置からディスプレイ234を見ると画像のブレがほとんどなくなり、静止物が静止して見える。即ち、映像のブレが抑制される。
また、表示装置200に表示アクチュエータ254を設けない場合や、かかる撮像アクチュエータ144と表示アクチュエータ254との同期機能を有していない場合であっても、表示制御部232において画像処理を実行することで、表示された映像のブレを抑制することができる。
簡易取付部256は、ベース部252に設けられた吸盤、磁石、マジックテープ(登録商標)等からなり、表示装置200を様々な接地面に取り付け得る構造を成している。かかる簡易取付部256の具体的構成および効果も、撮像装置110の簡易取付部146と実質的に等しいため、ここではその説明を省略する。
表示発光部258は、LEDやランプ等で構成され、表示制御部232からの発光指示情報に応じて発光する。具体的には、表示制御部232が、生成部236におけるユーザ入力を受け付けると発光指示情報を生成し、撮像装置110に送信すると共に、その発光指示情報の生成直後から所定時間、例えば2秒間、表示発光部258を発光(点灯、点滅)させる。かかる表示発光部258の具体的構成および効果も、撮像発光部148と実質的に等しいため、ここではその説明を省略する。
(コミュニケーション方法)
次に、上述した撮像装置110と表示装置200とを用いたコミュニケーション方法を説明する。
図14は、コミュニケーション方法の具体的な処理の流れを示したシーケンシャル図である。まず、撮像装置110および表示装置200の電源を投入すると(S300)、撮像装置110では、撮像素子120で撮像された映像データが撮像制御部122で処理され、さらにMotion−JPEG、MPEG2、MPEG4/AVC等規格化された映像データにエンコードされ(S302)、撮像通信部124を通じて表示装置200に送信される(S304)。表示装置200では、表示通信部230を介して受信した映像データが表示制御部232でデコードされ、ディスプレイ234に表示される(S306)。
ここで、撮像装置110が設置された部屋R1にいる乳幼児102が撮像装置110に接近すると、近距離検知部130が乳幼児102の撮像装置110への接近を検知し(S308)、撮像制御部122が近距離情報を生成して表示装置200に送信する(S310)。かかる近距離情報を受信した表示装置200は、表示制御部232を通じて表示アクチュエータ254を駆動し(S312)、表示装置200の変形を通じて保護者に乳幼児102の接近を報知する(S314)。
保護者104は、乳幼児102が撮像装置110近辺にいることをディスプレイ234を通じて確認すると、生成部236を操作し、表示制御部232は、その生成部236の操作入力を検知し(S316)、表示通信部230を通じて撮像装置110に変形指示情報および発光指示情報を送信する(S318)。
撮像装置110の撮像制御部122は、かかる変形指示情報を受けて、撮像アクチュエータ144を駆動すると共に(S320)、撮像発光部148を発光する(S322)。自身の視野にある撮像装置110の変形および発光によって、乳幼児102は、撮像装置110が自身の動きに反応していることを把握し、撮像装置110とのコミュニケーションを図ることができる。このように、保護者104が、撮像装置110を通じて乳幼児102に間接的に反応することで、それぞれ離隔した部屋R1、R2にいる乳幼児102と保護者104との間接コミュニケーションを図ることが可能となる。
以上、説明したように、撮像装置110と表示装置200との組合せによって、撮像装置110や表示装置200の設置位置の自由度を高めると共に、表示装置200側からのリアクションを撮像装置110側に伝達することで撮像装置110側と表示装置200側のコミュニケーションを図ることが可能となる。
(第2の実施形態:監視システム)
上述した第1の実施形態では、撮像装置110側のユーザと表示装置200側のユーザのコミュニケーションを主な目的としている。第2の実施形態では、第1の実施形態の撮像システム100に対して、監視に特化した機能を追加し、利便性が向上した監視システムを提供することを目的としている。
図15は、第2の実施形態における撮像装置410の概略的な機能を示した機能ブロック図である。撮像装置410は、撮像装置110同様、撮像部412と、撮像支持部414とから構成される。また、撮像部412は、撮像素子120と、不審者検知部として機能する撮像制御部422と、撮像通信部124と、インターフェース部126、バッテリ128と、近距離検知部130と、不在検知部430と、を含んで構成され、撮像支持部414は、撮像保持部140と、撮像アクチュエータ144と、簡易取付部146と、撮像発光部148と、を含んで構成される。
第1の実施形態における構成要素として既に述べた撮像素子120と、撮像通信部124と、インターフェース部126、バッテリ128と、近距離検知部130と、撮像保持部140と、撮像アクチュエータ144と、簡易取付部146と、撮像発光部148とは、実質的に機能が同一なので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する不在検知部430と、不審者検知部として機能する撮像制御部422と、撮像支持部414とを主に説明する。
不在検知部430は、人感センサ等によって構成され、近距離検知部130より広い範囲、ここでは撮像装置110の撮像範囲に特定の生物の不在を検知する。ここでも特定の生物は、乳幼児102を含む人物のみならず、ペット等の動物やその他の生物も含んでいる。
不在検知部430として人感センサを用いる場合、例えば、センシング範囲が、距離10m、指向角70〜110度程度の、部屋全体を見渡せる広いものを採用する。そして、不在検知部430は、人物(生物)の存否、特に対象とする人物(生物)が不在になったことを検知する。また、撮像制御部422が十分な処理能力を有する場合、撮像素子120で撮像された映像データを画像処理し、例えば輝度信号のヒストグラム分布の変化、平均輝度の変化等を通じて所定の撮像範囲内の人物の不在を検知してもよい。また、このような画像処理を撮像装置410内で実行する代わりに表示装置200側で実行することもできる。
例えば、乳幼児102が誤って部屋R1から出てしまった場合、もしくは不審者が侵入、または不審者に乳幼児102が連れ去られた場合、撮像装置410は、不在検知部430によって、乳幼児102がいなくなったことを検知し、撮像制御部422に伝達する。撮像制御部422は、撮像通信部124を通じて特定の生物の不在を示す不在情報を生成し、表示装置200に送信する。
表示装置200の表示制御部232は、撮像装置410から不在情報を受けると、表示アクチュエータ254を駆動し、表示装置200全体を変形して保護者104に報知する。保護者104は、表示装置200の変形により、乳幼児102の不在を把握することができるので、迅速かつ的確にその問題に対処することができる。また、ここでは不在情報を受けて表示アクチュエータ254を駆動する例を挙げたが、表示発光部258を発光させたり、別途スピーカを設けて警告音を鳴らすことも可能である。
撮像制御部422は、不審者検知部として機能し、撮像装置410の撮像範囲における特定の生物以外の人物を検知する。
本実施形態において撮像制御部422は、乳幼児102や家族の顔やその他の特徴を識別可能な状態で予め記憶し、映像データ中から抽出された顔と、記憶された顔との認証を行う。そして、認証した結果が記憶された顔と一致しなかった場合に、その映像データ中の顔を不審者と見なし、撮像通信部124を通じて特定の生物以外の人物の存在を示す不審者情報を表示装置200に送信する。
表示装置200の表示制御部232は、撮像装置410から不審者情報を受けると、表示アクチュエータ254を駆動し、表示装置200全体を変形して保護者104に報知する。保護者104は、表示装置200の変形により、不審者の部屋への侵入を把握することができるので、迅速かつ的確にその問題に対処することができる。また、ここでは不審者情報を受けて表示アクチュエータ254を駆動する例を挙げたが、表示発光部258を発光させたり、別途スピーカを設けて警告音を鳴らすことも可能である。
かかる不在検知部430や不審者検知部の構成により、監視システムは、コミュニケーションと防犯との両方の機能を併せ持つことが可能となる。
また、本実施形態における撮像保持部140は、撮像部412を、相対位置を変えて保持することができ、また、撮像支持部414における撮像部412の撮像方向(撮像軸158方向)に対応する部分(ベース部142の一部または全部)は光通過性を有するように透明または半透明の部材で形成されている。
図16は、撮像支持部414による他の利用形態を説明するための説明図である。図16に示すように、ここでは、撮像装置410が玄関ドア460のドアスコープ462に取付られる。詳細に、撮像部412は表裏対象な形状をしているので、撮像部412を撮像支持部414に対して表裏逆に保持することができる。このとき、撮像レンズ160が存在する面が撮像支持部414に埋設される。ここでは、撮像支持部414の、表裏逆に保持された撮像部412の撮像レンズ160の撮像方向(撮像軸158方向)に対応した部分が透明または半透明かつ入射光を平行光とする光学特性を有する部材で形成されているので、撮像部412では、撮像装置410背面側の映像データを取得することができる。
通常、ドアスコープ462は、玄関ドア460の外部の映像が、玄関ドア460外面のレンズと玄関ドア460内面のレンズを介して、玄関ドア460内面のレンズ上に、結像するように構成されている。また、ドアスコープ462の種類によっては、魚眼レンズの構造を有し、玄関ドア460外部の映像を広視野で見ることができるものもある。そこで、かかる撮像部412の撮像レンズ160を図16の矢印のように、ドアスコープ462に位置合わせすることで、ドアスコープ462の外側、即ち、玄関ドア460の外を、目視と実質的に等しい映像で監視することが可能となる。
かかる構成により、ユーザは、表示装置200の位置において、玄関ドア460の外側を監視することができ、来訪者があった場合、または玄関ドア460付近に不審者がいた場合に、玄関ドア460に近づくことなく、また、相手に悟られることなくその相手を確認することが可能となる。本実施形態の撮像装置410は、通常の玄関ドア460に設置する防犯監視カメラに対して小型かつ低コストであり、乳幼児102の監視等、屋内の監視と併用して利用できるので、利便性も高い。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、撮像装置110と表示装置200とが1対1で構成される例を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、1の撮像装置110の映像を複数の表示装置200で確認したり、複数の撮像装置110の映像を1の表示装置200で表示を切り替えて、または一度に確認することもできる。
また、上述した実施形態においては、表示装置200から撮像装置110への意思伝達手段として撮像保持部140の変形または発光を挙げているが、マイクロホンおよびスピーカを設けて、音声による意志伝達を行ってもよい。
さらに上述した実施形態においては、不在検知部430を乳幼児102の不在検知に利用しているが、不審者や乳幼児の離脱を他の手段で担保できる場合、乳幼児102がいないときに省電力モードに切り替え、乳幼児の在室により自動的に撮像を開始するスイッチとして利用することもできる。
なお、本明細書のコミュニケーション方法における各工程は、必ずしもシーケンシャル図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むとしても良い。