JP2011003823A - プラズマ処理装置およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生成されるプラズマ密度の経時変化を防ぎ、ウエハ表面のアッシングレートを維持する。
【解決手段】被処理体2を処理するための処理室1と、プロセスガスによりプラズマを生成しラジカル成分を抽出するためのプラズマ生成室11と、そのラジカル成分を処理室1に輸送する輸送室21を備える。プラズマ生成室11の入口側には、プラズマ生成室11内でプラズマ化されるプロセスガスを導入するためのプロセスガス導入部15と、酸化ガスを導入するための酸化ガス導入部16が設けられている。プロセス処理の間に定期的に酸化ガスを導入しO2ラジカルを生成することで、プラズマ生成室11の内壁の石英材料表面を定期的に酸化させ、誘電率の経時変化を抑制する。
【選択図】図1
【解決手段】被処理体2を処理するための処理室1と、プロセスガスによりプラズマを生成しラジカル成分を抽出するためのプラズマ生成室11と、そのラジカル成分を処理室1に輸送する輸送室21を備える。プラズマ生成室11の入口側には、プラズマ生成室11内でプラズマ化されるプロセスガスを導入するためのプロセスガス導入部15と、酸化ガスを導入するための酸化ガス導入部16が設けられている。プロセス処理の間に定期的に酸化ガスを導入しO2ラジカルを生成することで、プラズマ生成室11の内壁の石英材料表面を定期的に酸化させ、誘電率の経時変化を抑制する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体ウエハなどの被処理体の直上ではない箇所でプラズマを生成させ、生成したプラズマを被処理体まで輸送する真空処理装置の一例としてのプラズマ処理装置およびその使用方法に関するものである。本発明のプラズマ処理装置は、被処理体のアッシングレート変動を抑制することができるものであり、そのために、アッシングレートの変動をプラズマ生成室の物理的変化(白濁度の変化)として検出している。
半導体装置の製造工程において、配線やコンタクトホール等を形成する際のドライエッチング工程の後に、レジストを除去することを目的としたアッシング工程があり、プラズマ処理が多用されている。図5は、このようなプラズマ処理に使用されるプラズマ処理装置の概略構成を示すものである。
はじめに、従来のプラズマ処理装置の構成を、図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、プラズマ処理装置100は、被処理体を処理するための処理室1と、プロセスガスによりプラズマを生成しラジカル成分を抽出するためのプラズマ生成室11と、そのラジカル成分を処理室1に輸送する輸送室21とで構成されている。
気密された処理室1の内部に、例えば、半導体ウエハ等の被処理体2(以下、ウエハ2という。)の載置台3を備える。載置台3と対向する位置には、プラズマ生成室11で生成されたプラズマ中のイオン成分を完全に遮断するための接地電極4が設けられている。接地電極4は、例えば、アルミニウムといった金属材料を格子状形状に形成したものであり、接地されている。処理室1の下部側には排気部5が設けられている。
つぎに、プラズマ生成室11の内壁は、例えば、石英といった誘電体材料で構成されている。プラズマ生成室11の上部側には上部電極12、下部側には下部電極13が設けられ、プラズマ生成室11を挟んで対向している。上部電極12には、上部電極12に高周波電力を印加する高周波電源14が接続されている。下部電極13は接地されている。
また、プラズマ生成室11の入口側には、プラズマ生成室11内でプラズマ化されるプロセスガスを導入するためのガス導入部15が設けられている。出口側は輸送室21に接続されている。
そして、輸送室21は、例えば、テフロン(登録商標)といった絶縁体材料で構成されていて、プラズマ生成室11と処理室1とを繋いでいる。
つぎに、ウエハの処理方法を説明する。
処理室1内の載置台3上にウエハ2を載置した状態で、プラズマ生成室11内にガス導入部15より、例えばO2ガスといった、プロセスガスを導入する。つぎに、排気部5にて圧力を調整した後、高周波電源14から上部電極12に高周波電力を供給すると、プラズマ生成室11にプラズマが生成される。生成されたプラズマ中のイオン成分は、主に上部電極12、もしくは下部電極13に向かい、それぞれの電極近傍のプラズマ生成室11の側壁をエッチングする。また、本プラズマ処理装置100内部の排気は、処理室1内の排気部5しかないため、プラズマ生成室11で生成されたプラズマ中のラジカル成分は、輸送室21を通り、処理室1へ向かう。
処理室1へ輸送されたラジカル成分は、接地電極4を通り、ウエハ2上へ降りかかる。そして、ラジカル成分は、ウエハ2の表面処理を行い、排気部5より排気される。
上記のようなウエハ処理を行う工程は、ドライエッチング工程の後に、レジストを除去することを目的としたアッシング工程であり、プロセスガスには従来、O2ガスを用いたO2プラズマによるO2ラジカルでウエハ処理を行ってきた。レジストの主成分は炭素と水素であるため、O2ガスを用いたプラズマによる灰化反応を起こすことで、容易にレジストの除去が可能であった。
しかしながら、デバイスの微細化に伴い、O2ラジカルでのレジスト除去が困難になってきた。配線工程を微細化するためには、層間絶縁膜にLow-k膜を用いることは公知の事実である。Low-k膜とは誘電率の低い材料で構成されている膜であり、一般的に多孔性である。O2ラジカルでLow-k膜表面を処理すると、Low-k膜表面の炭素成分が酸化反応してしまいLow-kダメージ層が形成されてしまう。Low-kダメージ層は誘電率が高い方向に変化してしまっているため、層間絶縁膜に所望の誘電率が得られなくなってしまう。
そこで、誘電率の変化を抑制する手法として、還元ガスであるH2ガスを用いたH2プラズマによるH2ラジカルでレジストを除去することが行われる。特許文献1には、プラズマエッチング装置に1.33×102〜1.33×103Pa(1〜10Torr)の水素ガスを導入して放電することによって、酸化物を除去することが開示されている。H2ラジカルを用いると、Low-k膜表面の炭素成分が引き抜かれることがなくなるため、酸化反応は起こらない。逆に、H2ラジカルによる酸素成分が引き抜かれる還元反応が生じるため、酸化物が除去できるのである。
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、ウエハの処理自体は可能であるが、プラズマ生成室などの構成部材の表面の劣化を加速させてしまうため、ランニングコストが著しく高くなってしまう。
プロセスガスにH2ガスを用いると、ウエハ表面のレジストは、H2ラジカルによる還元反応により除去されるので問題はないが、H2ラジカルが接する他の箇所は、その還元反応により徐々に酸素原子が引き抜かれてしまう。その結果、プラズマ生成室11の内壁の石英材料表面より酸素原子が引き抜かれてしまい、石英材料表面はSi化(金属化)してしまう。すると、石英材料自身の誘電率が小さい方向に経時変化してしまい、生成されるプラズマ密度が小さくなってしまう。すると、H2ガスから生成されるH2ラジカルの乖離量が少なくなり、ウエハ表面のアッシングレートが徐々に低下してしまう。このとき、石英材料表面は、物理的にはSi化(金属化)に伴って白濁化が進むことになる。
その評価結果を図6に示す。RF積算放電時間が60時間を越えると、アッシングレートが徐々に低下し、80時間を越えると加速的にアッシングレートが低下しているのが分かる。
この対応として、該当箇所、すなわちプラズマ生成室を難還元材料へ変更することを検討したが、還元反応自体の抑制は困難であり、誘電率の経時変化が少ない材料も高価になってしまうため、コスト的に変更は不可能であった。
したがって、本発明の目的は、半導体の製造工程で使用される、被処理体の直上ではない箇所にプラズマを生成させることのできるプラズマ処理装置において、プラズマ生成室の内壁の誘電体の誘電率の経時的な低下の抑制が可能で、ランニングコストの低減を図ることができるプラズマ処理装置およびその使用方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のプラズマ処理装置は、処理室と、処理室の圧力を調整する排気部と、誘電体材料で構成されたプラズマ生成室と、プラズマ生成室に設置された一対の電極と、一対の電極に高周波電力を供給する高周波電源と、プラズマ生成室に還元性のプロセスガスを導入するプロセスガス導入部と、プラズマ生成室に酸化ガスを導入する酸化ガス導入部と、プラズマ生成室のプラズマにより生成されたラジカルをプラズマ生成室から処理室まで輸送する輸送室とを備えている。
この構成によれば、プロセスガス導入部からプラズマ生成室に還元性のプロセスガスを導入し、還元性のプロセスガスのプラズマにより処理室内の被処理体を処理した後に、酸化ガス導入部からプラズマ生成室に酸化ガスを導入し、酸化ガスのプラズマを生成してプラズマ生成室の内壁を酸化させることにより、還元性のプロセスガスのラジカルによるプラズマ生成室の内壁からの酸素原子の引き抜きを修復することができ、プラズマ生成室の内壁の誘電体の誘電率の経時的な低下の抑制が可能である。したがってプラズマ生成室のプラズマ密度の低下を抑制できるので、被処理体のアッシングレートの低下を抑制することができる。そのため、プラズマ処理装置のランニングコストの削減が可能となる。
上記構成のプラズマ処理装置においては、プラズマ生成室の温度を一定に制御する温度制御機構を備えることが好ましい。
この構成によれば、イオン照射による電極近傍からの温度勾配を抑制し、プラズマ生成室内壁全体の均一な温度制御、および加熱が可能になり、内壁全体の酸化反応速度の均一化および促進が可能になる。したがって、酸化時間の短時間化を実現することができる。
また、上記構成のプラズマ処理装置においては、プラズマ生成室の内壁の表面白濁度を監視する透過型センサーを備え、透過型センサーにより監視されたプラズマ生成室の内壁の表面白濁度の情報に基づいてプラズマ生成室に対する酸化ガス導入時間を増減するフィードバック制御回路を備えることが好ましい。
この構成によれば、プラズマ生成室の内壁の表面白濁度の情報に基づいてプラズマ生成室に対する酸化ガス導入時間を増減するので、例えば定期的に実行される酸化処理時の酸化時間の最適化を図ることができる。
さらに、上記構成のプラズマ処理装置においては、プラズマ生成室の内壁の表面白濁度を監視するCCDセンサーを備え、CCDセンサーにより監視されたプラズマ生成室の内壁の表面白濁度の情報に基づいてプラズマ生成室に対する酸化ガス導入時間を増減するフィードバック制御回路を備えてもよい。
この構成によれば、プラズマ生成室の内壁の表面白濁度の情報に基づいてプラズマ生成室に対する酸化ガス導入時間を増減するので、例えば定期的に実行される酸化処理時の酸化時間の最適化を図ることができる。しかも、CCDセンサーによる画像に基づいてプラズマ生成室の内壁の表面白濁度の情報を得ているので、酸化時間の最適化をより高精度に実現することができる。
本発明のプラズマ処理装置の使用方法は、上述のプラズマ処理装置を使用する方法であって、プロセスガス導入部からプラズマ生成室に還元性のプロセスガスを導入し、還元性のプロセスガスのプラズマにより処理室内の被処理体を処理した後に、酸化ガス導入部からプラズマ生成室に酸化ガスを導入し、酸化ガスのプラズマを生成することによりプラズマ生成室の内壁を酸化させるものである。
この方法によれば、還元性のプロセスガスのラジカルによるプラズマ生成室の内壁からの酸素原子の引き抜きを修復することができ、プラズマ生成室の内壁の誘電体の誘電率の経時的な低下の抑制が可能である。したがってプラズマ生成室のプラズマ密度の低下を抑制できるので、被処理体のアッシングレートの低下を抑制することができる。そのため、プラズマ処理装置のランニングコストの削減が可能となる。
本発明のプラズマ処理装置によれば、酸化ガス導入部からの酸化ガスをプラズマ化させO2ラジカルを生成することで、プロセスガスをプラズマ化させた時のH2ラジカルによる還元反応による酸素原子の引き抜きを修復することができ、プラズマ生成室の内壁の誘電体の誘電率の経時的な低下の抑制が可能である。したがって、プラズマ生成室のプラズマ密度の低下を抑制できるので、被処理体のアッシングレートの低下を抑制することができる。そのため、プラズマ処理装置のランニングコストの削減が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置200の全体構成を示す概略図である。
図1は、本発明の実施の形態1のプラズマ処理装置200の全体構成を示す概略図である。
図1において、符号1はウエハを処理するための処理室を、符号2は処理されるウエハを、符号3はウエハ載置台を、符号4はプラズマ中のイオン成分を完全に遮断するための接地電極を、符号5は所定の圧力を維持するための排気口をそれぞれ示す。また、符号11はガスをプラズマ化するプラズマ生成室を、符号12はプラズマを発生させる上部電極を、符号13はプラズマを発生させる下部電極を、符号14は上部電極12に高周波電力を印加するための高周波電源を、符号15はプラズマ生成室11にプロセスガスを供給するためのプロセスガス導入部を、符号16はプラズマ生成室に酸化ガスを供給するための酸化ガス導入部をそれぞれ示す。また、符号21はラジカルをプラズマ生成室11から処理室1へ輸送する輸送室を示す。
本実施の形態1のプラズマ処理装置200は、図1に示すように、被処理体である、例えば半導体ウエハを処理するための処理室1と、プロセスガスによりプラズマを生成しラジカル成分を抽出するためのプラズマ生成室11と、そのラジカル成分を処理室1に輸送する輸送室21とで構成されている。
気密された処理室1の内部に、ウエハ2の載置台3を備える。載置台3と対向する位置には、プラズマ生成室11で生成されたプラズマ中のイオン成分を完全に遮断するための接地電極4が設けられている。接地電極4は、例えば、アルミニウムといった金属材料を格子状形状に形成したものであり、接地されている。処理室1の下部側には排気部5が設けられている。
つぎに、プラズマ生成室11の内壁は、例えば、石英といった誘電体材料で構成されている。プラズマ生成室11の上部側には上部電極12、下部側には下部電極13が設けられ、プラズマ生成室11を挟んで対向している。上部電極12には、上部電極12に高周波電力を印加する高周波電源14が接続されている。下部電極13は接地されている。
また、プラズマ生成室11の入口側には、プラズマ生成室11内でプラズマ化されるプロセスガスを導入するためのプロセスガス導入部15が設けられている。さらに、プラズマ生成室11内で酸素プラズマを発生させるために、プラズマ生成室11に酸化ガスを導入するための酸化ガス導入部16を、プロセスガス導入部15と並行する形で設け、どちらもプラズマ生成室11に導入可能な形に配置する。出口側は輸送室21に接続されている。
そして、輸送室21は、例えば、テフロン(登録商標)といった絶縁体材料で構成されている。プラズマ生成室11と処理室1を繋いでおり、プラズマ生成室11で生成されたプラズマ中のラジカル成分を処理室1へ輸送する。
つぎに、ウエハの処理方法を説明する。
処理室1において、まず、ウエハ載置台3の上にウエハ2を載置する。つぎに、プラズマ生成室11のプロセスガス導入部15よりH2ガスなどの還元性のプロセスガスを100〜10000cc程度導入し、処理室1の排気部5で圧力を1〜1000Pa程度の圧力に調整した後、高周波電源14から上部電極12に100〜5000ワット程度の高周波電力を供給すると、プラズマ生成室11にH2をメインとしたプラズマが生成される。そのうちのラジカル成分は輸送室21を通り、処理室1に輸送される。接地電極4は接地されているため、プラズマ生成室11で生成されたプラズマ中のイオン成分を完全に除去することができる。したがって、プラズマ生成室11で生成されたプラズマ中のラジカル成分のみを抽出することができ、ラジカル成分のみをウエハ表面に降らしてウエハ処理を行う。
つぎに、ウエハ2を載置台3から取り出した後、プラズマ生成室11の酸化ガス導入部16よりO2ガスといった酸化ガスを100〜10000cc程度導入し、処理室1の排気部5で圧力を1〜1000Pa程度の圧力に調整した後、高周波電源14から上部電極12に100〜5000ワット程度の高周波電力を印加すると、酸化ガスがプラズマ化される。プラズマ生成室の内壁は、石英といった誘電体材料で構成されているため、酸化される。このように、ウエハが載置台3上にない時に、定期的にプラズマ生成室11の内壁を酸化させることで、プラズマ生成室11の内壁の誘電率の変化を抑制し、それによってアッシングレートの経時変化を防ぐことが可能になる。その評価結果を図4に示す。RF積算放電時間が60時間を越えてもアッシングレートは低下せず安定しており、100時間に到達するまでアッシングレートが安定しているのが分かる。
この実施の形態によれば、プロセスガス導入部15からプラズマ生成室11に還元性のプロセスガスであるH2ガスを導入し、H2ガスのプラズマにより処理室1内のウエハ2を処理した後に、酸化ガス導入部16からプラズマ生成室11に酸化ガスであるO2ガスを導入し、O2ガスのプラズマを生成してプラズマ生成室11の内壁を酸化させることにより、H2ガスのラジカルによるプラズマ生成室11の内壁からの酸素原子の引き抜きを修復することができ、プラズマ生成室11の内壁の誘電体の誘電率の経時的な低下の抑制が可能である。したがってプラズマ生成室11のプラズマ密度の低下を抑制できるので、ウエハ2のアッシングレートの低下を抑制することができる。そのため、プラズマ処理装置のランニングコストの削減が可能となる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2のプラズマ処理装置300の全体構成を示す概略図であある。
図2は、本発明の実施の形態2のプラズマ処理装置300の全体構成を示す概略図であある。
図2において、符号17はプラズマ生成室11内の温度制御を行うための温度制御機構を示す。その他の構成は図1と同様である。
本実施の形態2のプラズマ処理装置300は、図2に示すように、プラズマ生成室の外側に50〜1500℃の範囲で温度を制御可能な温度制御機構17を搭載している。その他の構成は図1のプラズマ処理装置200と同様である。温度制御機構17は、例えばジャケットヒーターからなり、プラズマ生成室11の外側一面に貼り付けられている。その温度制御機構17、すなわちジャケットヒーターの内側には、プラズマ生成室の温度を検出する温度センサー(図示せず)が複数個、プラズマ生成室の各部に分散させた状態に取り付けられており、複数の温度センサーにより検出されたプラズマ生成室の各部の温度を監視し、設定温度よりずれてきた際に、プラズマ生成室の各部の温度がそれぞれ設定温度になるように温度制御を行う。この際、それぞれの温度センサーが設置されたプラズマ生成室の各部の温度制御を独立してできるようにする。なお、図2では、温度制御フィードバックシステムの図示は省略している。
これにより、イオン照射による電極近傍からの温度勾配を抑制し、プラズマ生成室内壁全体の均一な温度制御、および加熱が可能になり、内壁全体の酸化反応速度の均一化および促進が可能になる。したがって、酸化時間の短時間化を実現することができる。
つまり、上記のように加熱を行って、内壁全体に熱を加え、内壁を反応熱以上の温度にすることにより、酸化反応が促進され、酸化時間の短時間化が図られる。例えば、酸化炉などは、O2などを大流量流し、例えば900℃程度まで上昇させて酸化させている。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3のプラズマ処理装置400の全体構成を示す概略図であある。その他の構成は図1と同様である。
図3は、本発明の実施の形態3のプラズマ処理装置400の全体構成を示す概略図であある。その他の構成は図1と同様である。
図3において、符号18はプラズマ生成室11の内壁の白濁レベルを検知する透過型センサーを、符号19は酸化ガス導入時間を設定する酸化時間フィードバックシステムを、それぞれ示す。透過型センサー18により白濁レベルのモニタリングを常時行い、定期的に酸化時間フィードバックシステム19へ連絡を行う。つまり、プラズマ発光強度の変化量で処理時間を判定する、エンドポイントシステムとなっている。ここで、白濁レベルのモニタリングは、例えば0.1秒以下のサイクルで行われるに対し、酸化時間フィードバックシステムへの連絡はモニタリングより長い約1秒のサイクルで行われる。そのため、前者を常時、後者を定期的と表現している。
白濁レベルが一定のレベルに達した際に、プロセスガス導入を停止し、酸化ガス導入を実施するようそれぞれの導入部へ接続されている信号線を介し信号を送る。そして、白濁レベルが減少し一定のレベルに達した際に、酸化ガス導入を停止し、プロセスガス導入を再開する信号を送る。このように、酸化時間フィードバックシステムを用いることで白濁レベルを常時監視し、経時変化を防ぐことが可能となる。
上記の酸化時間フィードバックシステムから設備側へ送る信号の種類は、(a)プロセスガス導入信号、(b)プロセスガス導入停止信号、(c)酸化ガス導入信号、(d)酸化ガス導入停止信号の4つが挙げられる。
本実施の形態3のプラズマ処理装置400は、図3に示すように、プラズマ生成室11の内壁を監視する透過型センサー18を搭載し、さらに、透過型センサー18の検出信号を受けて酸素ガス導入時間を制御する酸化時間フィードバックシステム19を設けている。その他の構成は図1のプラズマ処理装置200と同様である。
上記の透過型センサー18は、発光部18Aと受光部18Bとを有し、プラズマ生成室11を挟んで対向する状態に発光部18Aと受光部18Bとが配置され、発光部18Aから出た光が受光部18Bに入射するように構成されている。
プラズマ生成室11を構成する石英材料は、表面のSi化(金属化)が進むと、誘電率が低下するが、このとき石英材料は白濁化が進む。つまり、プラズマ生成室11を構成する石英材料の誘電率の低下とプラズマ生成室11の内壁の表面白濁度の増加との間に相関がある。そこで、透過型センサー18を用いて、プラズマ生成室11の内壁の表面白濁度を検出することで、誘電率の変化の定量化を実現している。
具体的に説明すると、プラズマ生成室11の内壁の表面白濁度の増加に伴って、受光部18Bに入射する光量が減少するので、透過型センサー18の発光レベルに対する受光レベルの変化量を検出することで、プラズマ生成室11の内壁の表面白濁度を検出することができるということである。
以上説明したように、誘電率の変化量を、プラズマ生成室11の内壁の表面白濁度と相関付けることが可能になる。酸化ガスを導入し、プラズマ生成室11の内壁の白濁レベルが小さくなると、プラズマ生成室11の内壁の誘電率が変化(増加)し、アッシングレートが変化(増大)する。そこで、透過型センサー18の発光レベルに対する受光レベルの変化量とアッシングレートの経時変化量の相関をとることで、誘電率変化の定量化が可能になる。そうすると、透過型センサー18の受光レベルの変化量と酸化ガス導入時間の相関関係がとれるため、酸化時間フィードバックシステム19により、透過型センサー18の受光レベルの変化量を酸化ガス導入時間にフィードバックさせることにより、プラズマ生成室11に対する酸化ガス導入時間を増減することができ、酸化時間の最適化を実現することができる。
その他の効果は第1の実施の形態と同様である。
なお、実施の形態2に、透過型センサーおよび酸化時間フィードバックシステムの構成を追加してもよく、実施の形態3と同様の効果が得られる。
(実施の形態4)
上記第3の実施の形態では、プラズマ生成室の内壁の表面白濁度を検出するために、透過型センサーを用いたが、この実施の形態4では、透過型センサーに代えてCCDセンサーを用いている。なお、プラズマ処理装置の基本的な構成は、図3のプラズマ処理装置と同じであるので、図示は省略する。
上記第3の実施の形態では、プラズマ生成室の内壁の表面白濁度を検出するために、透過型センサーを用いたが、この実施の形態4では、透過型センサーに代えてCCDセンサーを用いている。なお、プラズマ処理装置の基本的な構成は、図3のプラズマ処理装置と同じであるので、図示は省略する。
このCCDセンサーは、レンズ角度やフォーカス深度は可変であり、基本的にはプラズマ生成室の外側からプラズマ生成室の内部を撮影するように設置されていて、プラズマ生成室の内壁の表面白濁度を画像として検出できるようになっている。
そこで、CCDセンサーの画像信号レベルの変化量とアッシングレートの経時変化量の相関関係をとることで、誘電率変化の定量化が可能になる。そうすると、CCDセンサーの画像信号レベルの変化量と酸化ガス導入時間の相関がより高精度にとれるため、図3と同様の酸化時間フィードバックシステムを用いて、CCDセンサーの画像信号レベルの変化量を酸化ガス導入時間にフィードバックさせることにより、酸化時間の最適化をより高精度に実現することができる。
CCDセンサーを用いた構成は、根本的には、透過型センサーを用いた構成と同等である。CCDセンサーを用いる構成では、CCDセンサーで取得されるプラズマ生成室内壁の明るさ(白濁箇所)の積分値(面積)を白濁化の判断材料として用いる。このプラズマ生成室内壁の明るさ(白濁箇所)の積分値は、プラズマ生成室の内壁の白濁化の進行とともに経時的に変化していくことになる。このプラズマ生成室内壁の明るさの積分値を予め定めた一定の値と比較する。そして、積分値(白濁レベル)が一定の値に達した際に、プロセスガス導入を停止し、酸化ガス導入を実施するようそれぞれの導入部へ接続されている信号線を介し信号を送る。そして、積分値が減少し一定の値に達した際に、酸化ガス導入を停止し、プロセスガス導入を再開する信号を送る。このように、酸化時間フィードバックシステムを用いることで白濁レベルを常時監視し、経時変化を防ぐことが可能となる。
先に述べた透過型センサーでは、白濁レベルは分かるが、実際に白濁する際には、白濁面積が徐々に広がって行くので、その拡大具合は判別できない。しかし、CCDセンサーを用いた構成では、プラズマ生成室内壁の明るさを撮像しているので、プラズマ生成室内壁における白濁箇所の拡大具合を白濁箇所の面積の増大として検出判別することができ、白濁レベルを高精度には判定できる。その結果、最適なタイミングで生成室の内壁の酸化処理を行うことができる。
この実施の形態によれば、プラズマ生成室11の内壁の表面白濁度の情報に基づいてプラズマ生成室11に対する酸化ガス導入時間を増減するので、例えば定期的に実行される酸化処理時の酸化時間の最適化を図ることができる。しかも、CCDセンサーによる画像に基づいてプラズマ生成室11の内壁の表面白濁度の情報を得ているので、酸化時間の最適化をより高精度に実現することができる。
なお、実施の形態2に、CCDセンサーおよび酸化時間フィードバックシステムの構成を追加してもよく、実施の形態3と同様の効果が得られる。
以上の内容は被処理体の直上ではない箇所にプラズマを生成させることのできる真空処理装置の、全般に適用することができる。
本発明により、微細プロセスでのアッシングレート低下検知、および抑制として有用である。また、プラズマ生成室の内壁の寿命を延命することができ、ランニングコスト(COC:Cost of Consumable)を低減する方法として有用である。
1 処理室
2 ウエハ
3 ウエハ載置台
4 接地電極
5 排気口
11 プラズマ生成室
12 上部電極
13 下部電極
14 高周波電源
15 プロセスガス導入部
16 酸化ガス導入部
17 温度制御機構
18 透過型センサー
19 酸化時間フィードバックシステム
21 輸送室
2 ウエハ
3 ウエハ載置台
4 接地電極
5 排気口
11 プラズマ生成室
12 上部電極
13 下部電極
14 高周波電源
15 プロセスガス導入部
16 酸化ガス導入部
17 温度制御機構
18 透過型センサー
19 酸化時間フィードバックシステム
21 輸送室
Claims (5)
- 処理室と、前記処理室の圧力を調整する排気部と、誘電体材料で構成されたプラズマ生成室と、前記プラズマ生成室に設置された一対の電極と、前記一対の電極に高周波電力を供給する高周波電源と、前記プラズマ生成室に還元性のプロセスガスを導入するプロセスガス導入部と、前記プラズマ生成室に酸化ガスを導入する酸化ガス導入部と、前記プラズマ生成室のプラズマにより生成されたラジカルを前記プラズマ生成室から前記処理室まで輸送する輸送室とを備えたプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成室の温度を一定に制御する温度制御機構を備えた請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成室の内壁の表面白濁度を監視する透過型センサーを備え、前記透過型センサーにより監視された前記プラズマ生成室の内壁の表面白濁度の情報に基づいて前記プラズマ生成室に対する酸化ガス導入時間を増減するフィードバック制御回路を備えた請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ生成室の内壁の表面白濁度を監視するCCDセンサーを備え、前記CCDセンサーにより監視された前記プラズマ生成室の内壁の表面白濁度の情報に基づいて前記プラズマ生成室に対する酸化ガス導入時間を増減するフィードバック制御回路を備えた請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 請求項1記載のプラズマ処理装置の使用方法であって、前記プロセスガス導入部から前記プラズマ生成室に還元性のプロセスガスを導入し、前記還元性のプロセスガスのプラズマにより前記処理室内の被処理体を処理した後に、前記酸化ガス導入部から前記プラズマ生成室に酸化ガスを導入し、前記酸化ガスのプラズマを生成することにより前記プラズマ生成室の内壁を酸化させるプラズマ処理装置の使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009147395A JP2011003823A (ja) | 2009-06-22 | 2009-06-22 | プラズマ処理装置およびその使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009147395A JP2011003823A (ja) | 2009-06-22 | 2009-06-22 | プラズマ処理装置およびその使用方法 |
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JP2011003823A true JP2011003823A (ja) | 2011-01-06 |
Family
ID=43561524
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011003823A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11251052B2 (en) | 2017-06-29 | 2022-02-15 | Tokyo Electron Limited | Plasma processing method and plasma processing apparatus |
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2009
- 2009-06-22 JP JP2009147395A patent/JP2011003823A/ja active Pending
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US11251052B2 (en) | 2017-06-29 | 2022-02-15 | Tokyo Electron Limited | Plasma processing method and plasma processing apparatus |
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