JP2011003213A - 自動販売機 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺のLED照明を分割することなく、安価に製作することを可能とし、照明効率の向上を図った照明装置を備えた自動販売機を提供する。
【解決手段】自動販売機用の照明装置1は、第1の面と反対側の第2の面に複数の発光素子61を実装した回路基板70を内部に保持するパイプ部材10と、自動販売機に設けられた蛍光灯ソケット部に接続される口金20,30と、パイプ部材10と口金20,30とを接続するジョイント部材40,50とを有している。蛍光灯ソケット部に対する取付形態に応じて口金20,30とジョイント部材40,50との相対的角度を位置決めする。回路基板70の両面に実装した複数の発光素子61を自動販売機に対して傾斜して配設することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置を備えた自動販売機に係わり、特に、缶飲料等の展示用物品を発光素子により照明する照明装置を備えた自動販売機に関する。
近年、照明装置としては、蛍光灯に代えてLED等の発光素子を用いたものが利用されるようになってきている。この種の発光素子を用いた照明装置の一例としては、例えば断面がコ字状をなす長尺な取付ベースと、この取付ベースの上部に嵌合される蓋部とを有しており、この蓋部の内部に絶縁板を介して多数個のLEDが実装された基板を配設した構成の照明装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1に記載された従来の照明装置は、取付ベースの終端部にLED電力供給配線用の電極端子、あるいはジョイントに具備された電気接続部を配設しており、必要に応じて、取付ベースの電極端子同士、あるいはジョイントの電気接続部同士を接続することで多数個の照明装置を直列に連結して配置できる構成とされている。
特開2005−19299号公報
ところで、缶飲料等の自動販売機としては、缶飲料等の展示用物品の個数、配列間隔や配列位置などが異なる各種の自動販売機がある。このような自動販売機における販売用物品のサンプル等を照明する照明装置に上記従来の照明装置を使用しようとすると、3次元的に複雑な形状を有する取付ベース及び蓋部の長さ寸法や奥行き寸法などを展示用物品の個数や配列間隔などに対応させて多種多様に設計製作する必要がある。しかも、取付ベース及び蓋部の長さ寸法や奥行き寸法などが長くなるに伴い取付ベース及び蓋部を成型するための金型が大型化となり、金型製作期間が長くなる。それに加えて、取付ベース及び蓋部の長さや形状が変わる度に専用の金型を必要とするので、金型費を含む生産コストが高騰するという問題点を有している。
従って、本発明は上記従来の課題を解決すべくなされたものであり、その具体的な目的は、長尺のLED照明を分割することなく、安価に製作することを可能とし、照明効率の向上を図った照明装置を備えた自動販売機を提供することにある。
[1]本発明は、上記目的を達成するため、展示用物品を展示するための内部空間を有し、前記展示用物品に対応する販売用物品を払い出すための物品払出機構を内蔵する販売機本体と、前記販売機本体の内部空間に設けられた蛍光灯ソケット部に着脱自在に装着され、前記展示用物品を照明する照明装置とを備え、前記照明装置は、複数の発光素子と、第1の面及び前記第1の面と反対側の第2の面を有し、前記第2の面に複数個の前記発光素子を実装するとともに、前記複数の発光素子を点灯するための配線パターンが形成された回路基板と、内部に前記複数の発光素子と前記回路基板を保持する光透過性管状部材とを有し、前記発光素子が前記販売機本体の背面パネルを照射するように前記回路基板が前記背面パネルに対して所定の角度を有して配設されたことを特徴とする自動販売機にある。
[2]上記[1]記載の発明にあって、前記光透過性管状部材の両側端部に取り付けられ前記蛍光灯ソケット部に接続される第1及び第2の口金と、前記光透過性管状部材及び前記口金を接続する第1及び第2のジョイント部材と、前記蛍光灯ソケット部に対する取付角度に応じて前記口金と前記ジョイント部材との相対的角度を位置決めする位置決め手段とを有していることを特徴としている。
[3]上記[2]記載の発明にあって、前記口金及び前記ジョイント部材のいずれか一方に、前記蛍光灯ソケット部に接続される一対の電極端子を有し、前記一対の電極端子が絶縁的に支持されていることを特徴としている。
[4]上記[2]記載の発明にあって、前記位置決め手段は、前記ジョイント部材に係止凸部又は係止凹部を有し、前記口金に前記係止凸部又は係止凹部と係着する係止凹部又は係止凸部を有していることを特徴としている。
[5]上記[2]記載の発明にあって、前記光透過性管状部材の内部は、長手方向に沿って平行に延びる一対の係合受部を有し、前記一対の係合受部に前記回路基板の長手方向の両端部を係合支持したことを特徴としている。
[6]上記[1]記載の発明にあって、前記発光素子は、前記回路基板の長手方向の中心線に対して、前記回路基板の前記第1の面及び前記第2の面に線対称に配置されていることを特徴としている。
[7]上記[1]又は[6]記載の発明にあって、前記発光素子は、発光ダイオードであることを特徴としている。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の自動販売機に内蔵されて所定の周波数の高周波電圧を発生するインバータを備え、前記照明装置は、前記インバータのコンデンサに直列に接続されたコンデンサと、前記インバータのコンデンサと並列に接続されたインダクタンスによって形成され、前記インバータから前記電源端子を介して入力した高周波電圧を所定の比によって増減して前記発光素子の駆動電圧とする共振回路と、前記駆動電圧を前記発光素子に印加する直流電圧に変換する整流回路とを含むことを特徴としている。
[9]上記[8]記載の発明にあって、前記コンデンサ、前記共振回路、及び前記整流回路は、前記光透過性管状部材の中に封入されており、前記回路基板に実装されていることを特徴としている。
[10]上記[8]記載の発明にあって、前記電源端子は、前記インバータの前記高周波電圧を出力する一対の出力端子に接続された第1及び第2の出力端子と、前記インバータのコンデンサの両端子に接続された第3及び第4の出力端子を備え、前記電源端子の前記第1及び第3の出力端子は、前記電源端子の前記第2及び第4の出力端子と対応関係を特定することなく接続可能であり、前記電源端子の前記第2及び第4の出力端子は、前記電源端子の前記第1及び第3の出力端子と対応関係を特定することなく接続可能であることを特徴としている。
本発明は、長尺のLED照明を分割することなく、簡単にかつ安価に製作することができるとともに、照明効率の高い照明装置を備えた自動販売機を効果的に得ることができる。
蛍光灯型LEDランプの一部切欠分解斜視図である(第1の実施の形態)。 (a)は蛍光灯型LEDランプを基板表面側からみた平面図、(b)は基板裏面側からみた平面図である。 (c)は図2A(a)のIIC−IIC線矢視断面拡大図であり、(d)は蛍光灯型LEDランプに用いられる口金及びジョイント部材の関係を説明するための図である(第1の実施の形態)。 (a)及び(b)は自動販売機の照明装置に取り付けられる蛍光灯型LEDランプの長さを説明するための図である(第1の実施の形態)。 蛍光灯型LEDランプが自動販売機のインバータ式照明装置に取り付けられた場合の一構成例を模式的に示す回路図である(第2の実施の形態)。 蛍光灯型LEDランプを備えた自動販売機の全体を示す正面図である(第3の実施の形態)。 蛍光灯型LEDランプを備えた自動販売機の全体を示すブロック図である(第3の実施の形態)。 (a)は展示スペースの一部分を前面側からみた正面図であり、(b)は展示スペースを右側面からみた断面図である(第3の実施の形態)。 (c)は図7A(b)の押釦部分を示す拡大断面図である(第3の実施の形態)。 蛍光灯型LEDランプから照射されるLED光のLED指向特性を説明するために展示スペースの右側方向からみた断面図である(第3の実施の形態)。 蛍光灯型LEDランプから照射されるLED光のLED指向特性を説明するための自動販売機の正面図である(第3の実施の形態)。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
[第1の実施の形態]
(照明装置の全体構成)
図1及び図2において、符号1は蛍光灯型LEDランプ(以下、LED照明灯という。)の一構成例を模式的に示している。このLED照明灯1の基本構成は、円筒パイプからなるパイプ部材10と、パイプ部材10の両端を閉蓋するキャップ状の第1及び第2の口金20,30と、パイプ部材10及び口金20,30を連結固定する円筒状の第1及び第2のジョイント部材40,50と、複数の発光素子であるLED素子(以下、LEDともいう。)61,…,61を直列接続したLEDモジュール60を実装するための図示しない配線パターンが形成された回路基板70とにより主に構成されている。LEDモジュール60は回路基板70の両面に備えられている。回路基板70はパイプ部材10の内部に収容されている。
(パイプ部材の構成)
LED照明灯1のパイプ部材10は、例えばアクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂などの光透過性管状部材からなる。パイプ部材10は、押出成形により形成されており、既存の直管蛍光灯とほぼ同一の大きさ、寸法、及び外郭形態を有している。パイプ部材10は、内周面から径方向に突出し、内周面の長手方向に沿って平行に延びる一対の係合受部である凹部11が形成されている。この凹部11には回路基板70が係合支持されている。図示例によれば、パイプ部材10の凹部11は、内周面の長手方向に沿って延びるレール状の凹凸部となっているが、これに限定されるものではなく、例えばパイプ部材10の内周面から径方向に窪んでおり、内周面の長手方向に沿って延びる溝状に凹設してもよい。
(口金の構成)
LED照明灯1の第1及び第2の口金20,30は同一構造を有している。口金20,30の材質としては、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金などの材料が好適である。この口金20,30のそれぞれは、LEDモジュール60を自動販売機のインバータに接続させるための2本一対の第1〜第4の電源端子(以下、端子ピンという。)21,22,31,32をベークライトにより絶縁的に支持している。これらの端子ピン21,22,31,32の突出端は自動販売機のインバータに電気的に接続される。端子ピン21,22,31,32の突出端とは反対側の他端は、端子ピン21,22,31,32に接続された2本一対のリード線24,24,34,34を介してLEDモジュール60と接続されている。口金20,30には内周面から径方向に突出する一対の係止凸部23,23,33,33が対向して形成されている。
(ジョイント部材の構成)
LED照明灯1の第1及び第2のジョイント部材40,50は同一構造を有している。ジョイント部材40,50の材質は、例えばポリブチレンテレフタレート樹脂あるいはポリカーボネートからなる。このジョイント部材40,50の外周面には円環状の当接リブ41,51が突設されており、その当接リブ41,51を挟んで基端側筒部42,52と口金側筒部43,53とが形成されている。基端側筒部42,52はパイプ部材10の一端側の内周端面に接着剤により接着されている。一方の口金側筒部43,53は口金20,30の内周端面に接着剤により接着されている。
基端側筒部42,52と口金側筒部43,53とは、内部に形成された円盤状の隔壁44,54により区画されている。基端側筒部42,52は基板端部収容部とされており、口金側筒部43,53はリード線収容部とされている。その隔壁44には8つのリード線挿通孔44aが周方向に所定の位相差をもって貫通して形成されている。第2のジョイント部材50の隔壁54にも、第1のジョイント部材40と同様に、8つのリード線挿通孔が周方向に所定の位相差をもって貫通して形成されている。
このジョイント部材40,50の口金側筒部43,53の外周面には、口金20,30の係止凸部23,33と係着する係止凹部45,55を有している。図示例によれば、ジョイント部材40,50は8つの係止凹部44a〜44h,54a〜54hを有しており、周方向に45度の位相差をもって形成されている。一方の基端側筒部42,52には、左右対称の一対の脚部を有する矩形板状のブラケット46,46,56,56が延設されている。そのブラケット46,56には、パイプ部材10の凹部11に挿入固定する一対の取付リブ47,47,57,57が長手方向に突設されるとともに、回路基板70の一対の当接面部73,73に当接するスリット状の一対の嵌合切欠部48,48,58,58が取付リブ47,57と同一直線上に切り欠き形成されている。回路基板70の当接面部73とジョイント部材40,50の嵌合切欠部48,58とにより回路基板70がパイプ部材10の長手方向に位置ズレするのを防止することができるように構成されている。
(位置決め手段の構成)
LED照明灯1は、販売機本体における蛍光灯ソケット部に装着して使用される。口金20,30の係止凸部23,23,33,33とジョイント部材40,50の係止凹部45a〜45h,55a〜55hとは、販売機本体の蛍光灯ソケット部の一対のピン穴が水平方向、垂直方向又は45度の角度をなす方向に並設した取付形態である何れの場合においても、回路基板70に実装されたLEDモジュール60を所定の傾斜角度θをもって取り付けることができるように口金20,30とジョイント部材40,50との相対的角度を位置決めする位置決め手段として構成されている。
LED照明灯1は、例えば口金20,30の端子ピン21,22,31,32を回転させることなく、蛍光灯器具の押し込み型ソケット部の一対のピン穴に水平、垂直又は45度に装着する場合と、口金20,30の端子ピン21,22,31,32を90度回転することで蛍光灯器具の回し込み型ソケット部の一対のピン穴に装着する場合などがある。
押し込み型ソケット部の一対のピン穴に水平に装着する場合は、図2B(d)に示すように、ジョイント部材40,50の係止凹部45a〜45h,55a〜55hのうち、係止凹部45a,45e,55a,55eに口金20,30の係止凸部23,23,33,33を接着剤により接着して口金20,30とジョイント部材40,50との相対的角度を設定しておくことで、自動販売機の正面に向けてLED照明灯1の照射面の傾斜角度θが30度となるように取り付けることができる。押し込み型ソケット部の一対のピン穴に垂直に装着する場合は、係止凹部45c,45g,55c,55gに口金20,30の係止凸部23,23,33,33を接着剤により接着して口金20,30とジョイント部材40,50との相対的角度を設定しておくことで、自動販売機の正面に向けてLED照明灯1の照射面の傾斜角度θが30度となるように取り付けることができる。
押し込み型ソケット部の一対のピン穴に45度で装着する場合は、図2B(d)に示すように、ジョイント部材40,50の係止凹部45d,45h,55d,55hに口金20,30の係止凸部23,23,33,33を接着剤により接着して口金20,30とジョイント部材40,50との相対的角度を設定しておくことで、自動販売機の正面に向けてLED照明灯1の照射面の傾斜角度θが30度となるように取り付けることができる。なお、口金20,30の端子ピン21,22,31,32を90度右回り回転、あるいは90度左回り回転する回し込み型ソケット部などの場合にあっても、係止凸部23,23,33,33と係止凹部45a〜45h,55a〜55hとの相対的角度を適宜設定しておけばよい。
上記のように構成された位置決め手段によれば、ジョイント部材40,50の係止凹部45a〜45h,55a〜55hと口金20,30の係止凸部23,23,33,33との相対的角度を簡単に位置決めしておくことができる。これにより、販売機本体における蛍光灯ソケット部の一対のピン穴の取付形態に応じてLED照明灯1のLED照射を販売機本体の正面方向及び背面方向に簡単に合わせることができるようになる。位置決め手段としては、係止凸部23,33と係止凹部45a〜45h,55a〜55hとの嵌合による連結に限定されるものではなく、他の連結構造とすることもできることは勿論である。
(回路基板の構成)
LED照明灯1の回路基板70は、図1及び図2に示すように、3本のリード線74を介して電気的に接続された2枚の第1及び第2の回路基板71,72からなる。回路基板70の材質としては、例えばガラス基材(例えば、FR−4等)又はエポキシ系・ポリエステル系コンポジット基材(例えば、CEM−3等)の材料が挙げられる。回路基板71,72の第1の面71a,72a及び第2の面71b,72bの両面には複数個のLED素子61が実装されている。回路基板71,72の口金側対向端部は、左右対称の当接面部73,73を介して幅狭に形成された第1及び第2の基板端部を有している。その基板端部は、第1及び第2のジョイント部材40,50における基端側筒部42,52の基板端部収容部内に差し込まれている。
第1の回路基板71の口金側対向端部には、第1のコンデンサC1と、第1及び第2のインダクタンス(以下、第1及び第2のコイルという。)L1,L2と、第1の整流回路75を構成する整流ダイオード75a〜75dとを有する第1の回路部が備えられている。一方の第2の回路基板72の口金側対向端部には、第1及び第2のヒューズ77a,77bと、第2のコンデンサC2と、第2の整流回路76を構成する整流ダイオード76a〜76dとを有する第2の回路部が備えられている。これらの実装部品を介して2枚の回路基板71,72の両面に直列に実装されたLEDモジュール60が電気的に接続されている。なお、第1及び第2のコイルの代わりに抵抗を使用してもよい。
図示例にあっては、第1の回路基板71の第1の面71aには、8個のLED素子61と、第1のコイルL1と、第1のコンデンサC1と、第1の整流回路75のうち3個の整流ダイオード75a〜75cとが実装されている。第1の回路基板71の第2の面71bには、8個のLED素子61と、第2のコイルL2と、第1の整流回路75のうち残りの1個の整流ダイオード75dとが実装されている。一方の第2の回路基板72の第1の面72aには、7個のLED素子61と、第1及び第2のヒューズ77a,77bと、第2のコンデンサC2と、第2の整流回路76のうち2個の整流ダイオード76a,76bとが実装されている。第2の回路基板72の第2の面72bには、7個のLED素子61と、第2の整流回路76のうち残りの2個の整流ダイオード76c,76dとが実装されている。
(LEDモジュールの構成)
回路基板70の第1の面71a,72aには、例えば照明対象である自動販売機の展示用物品の配置数に対応した数のLED素子61が実装される。そのLED素子61の配置個数は必要な明るさや照明効果などを考慮して設定される。LED素子61の配置個数は、図示例に限定されるものではなく、LED素子61の配置個数を任意に設定することができることは勿論である。
回路基板70の第2の面71b,72bには、第1の面71a,72aに装着されたLED素子61とは逆方向を照明するようにLED素子61が装着される。LED素子61の配置個数は、照明対象である自動販売機の背面パネルに対して必要な明るさや照明効果などを考慮して設定される。回路基板70の第2の面71b,72bに配置されるLED素子61の配置個数にあっても、図示例に限定されるものではなく、LED素子61の配置個数を任意に設定することができる。
この第1の実施の形態では、LED照明灯1として広視野角のチップタイプのLED素子61が使用されているが、図示例に限定されるものではない。LED素子61の他の一例としては、例えば青色LEDを蛍光体により波長変換して白色を発光可能に構成されていてもよく、それぞれ互いに異なる色光を発する3種類の赤色LED素子、緑色LED素子及び青色LED素子を有するLED素子からなっていてもよい。LED素子61の更に他の一例としては、例えば赤色光、緑色光あるいは青色光のいずれかの単色光のうち、2種類の単色光を混合して組み合わせた色光を、あるいは3種類の単色光を混合して組み合わせた白色光をそれぞれ発光可能に構成したLED素子を使用することができる。
図示例にあっては、2枚の回路基板71,72からなる回路基板70に複数個のLED素子61を直列接続した構成を例示したが、これに限定されるものではない。回路基板70としては、例えば1枚の回路基板、あるいは3枚以上の回路基板を直列接続した構成であってもよく、複数個のLED素子61を並列接続した構成であってもよい。
図示例にあっては、口金20,30に端子ピン21,22,31,32を突設した構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば端子ピン21,22,31,32をジョイント部材40,50に突設した構成であってもよい。端子ピン21,22,31,32としては、例えばインサート成形したり、ピン挿通孔に圧入固定したり、あるいは螺合固定したりすることで突設すればよい。
上記のように構成されたLED照明灯1は、図3に示すように、LED照明灯1の長さ寸法A1,A2に応じてパイプ部材10を押出成形により成形される。LED照明灯1の長さ寸法Aとしては、例えば580mm、630mm、830mm及び1000mmがある。図示例では、長さ寸法A1が1000mmであるLED照明灯1、及び長さ寸法A2が580mmであるLED照明灯1が例示されている。LED照明の照射面となるパイプ部材10を押出成形により成形することで、従来のごとく長尺のLED照明を分割して成形する必要がなくなり、LED照明灯1を簡単かつ安価に製作することができるようになる。
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態に係るLED照明灯1によると、次の効果が得られる。
(1)LED照明灯1のLED照射面となるパイプ部材10を押出成形により成形することができるので、LED照明灯1の長さ寸法が長い場合でも、パイプ部材10を分割して成形する必要がなくなり、必要とするLED照明灯1の長さに応じてLED照明灯1を簡単かつ安価に製作することができるようになる。それに加えて、金型装置の複雑化や大型化を招くことなく、部材費や材料費等を低減することができるとともに、金型費を含む成形加工費が大幅に低減可能となる。
(2)口金20,30とジョイント部材40,50との相対的角度を位置決めすることにより、既存の蛍光灯器具(インバータ式照明装置)における蛍光灯ソケット部の一対のピン穴の取付形態にかかわらず、回路基板70に実装されたLEDモジュール60を所定の傾斜角度をもって配置することができるようになり、LEDモジュール60からの光の出射方向を照射したい方向に一致させることができる。
[第2の実施の形態]
図4を参照すると、図1及び図2に示したLED照明灯1が自動販売機のインバータ式の蛍光灯器具に取り付けられた場合の点灯回路の一構成例が模式的に示されている。なお、図4において、上記LED照明灯1の構成部品と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材に関する詳細な説明は省略する。
(点灯回路の構成)
図4において、符号80は自動販売機におけるインバータ式照明装置の構成をブロック的に示している。符号81は図示しないスイッチング素子をオン・オフ制御して直流電源電圧を高周波電圧に変換するインバータを示している。LED照明灯1の第1及び第2の口金20,30は、端子ピン21,22,31,32をインバータ式照明装置80の蛍光灯ソケット部の一対のピン穴に差し込むことでインバータ式照明装置80に固定されるとともに、インバータ式照明装置80の蛍光灯ソケット部を介して自動販売機のインバータ81と接続されている。そのインバータ81は、共振コイルL3と共振コンデンサC3とから導出される50KHzの周波数の共振回路によりLC共振させ、LED照明灯1の第1及び第2の回路基板(以下、第1及び第2の点灯回路ともいう。)71,72に50KHzの高周波電力を供給する。
第1の点灯回路71は、第1のコンデンサC1、第1及び第2のコイルL1,L2、及び第1の整流回路75である整流ダイオード75a〜75dを有している。一方の第2の点灯回路72は、第1及び第2のヒューズ77a,77b、第2のコンデンサC2、及び第2の整流回路76である整流ダイオード76a1〜76dを有している。一対の整流回路75,76のそれぞれは、インバータ81から入力される交流電圧を全波整流して直流電圧に変換する。この直流電圧は第1及び第2の整流回路75,76の出力端子を通じてLEDモジュール60へと印加される。
第1の口金20の端子ピン21,22間は、第1のコンデンサC1により接続されている。第1のコンデンサC1の両端には第1及び第2のコイルL1,L2を通じて第1の整流回路75の整流ダイオード75a及び75cの入力側端子が接続されている。一方、第2の口金30の端子ピン31,32間には第1及び第2のヒューズ77a,77bを通じて第2のコンデンサC2が接続されている。第2のコンデンサC2の両端には第2の整流回路76の整流ダイオード76a及び76dの入力側端子が接続されている。
第1の整流回路75の整流ダイオード75a,75cの出力側端子はLED素子61のアノード側端子に接続されている。LED素子61のカソード側端子は第2の整流回路76の整流ダイオード76a,76cの出力側端子に接続されている。一方、第2の整流回路76の整流ダイオード76b,76dの出力側端子はLED素子61のアノード側端子と接続されている。LED素子61のカソード側端子は第1の整流回路75の整流ダイオード75b,75cの出力側端子と接続されている。第1の整流回路75及び第2の整流回路76の出力側端子は相互接続されている。第1の整流回路75及び第2の整流回路76の入力側端子も相互接続されている。
LED照明灯1に適用される共振回路においては、共振コンデンサC3は第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2のそれぞれに直列接続されている。第1のコイルL1及び第2のコイルL2のそれぞれはLEDモジュール60に直列接続されており、50KHzの高い周波数を有するインバータ出力であり、エネルギー損失を少なくするとともに、コイルL1,L2を小さくしている。
以上のごとく構成された点灯回路を有するLED照明灯1においては、第1の口金20の端子ピン21から第2の口金30の端子ピン31間、第2の口金30の端子ピン31から第1の口金20の端子ピン21間、第1の口金20の端子ピン22から第2の口金30の端子ピン32間、あるいは第2の口金30の端子ピン32から第1の口金20の端子ピン22間にインバータ81からの高周波電力を正常に供給することができる。更には、第1の口金20の端子ピン21から第2の口金30の端子ピン32間、あるいは第2の口金30の端子ピン31から第1の口金20の端子ピン22間においても、インバータ81からの高周波電力を正常に供給することができることは勿論である。LED照明灯1の取付方向及び取付回転方向などに影響されることはない。LED照明灯1を自動販売機用のインバータ81を利用して既存のLED照明灯1に取付けることができるようになり、正常に点灯することができる。
第1の口金20の端子ピン21から第2の口金30の端子ピン31間にインバータ81からの高周波電力が供給される場合は、インバータ81の正側のスイッチング素子がオンされると、電流は、共振コイルL3→端子ピン21→第1のコイルL1→第1の整流回路75の整流ダイオード75a→LEDモジュール60→第2の整流回路76の整流ダイオード76a→ヒューズ77a→端子ピン31を流れる。このとき、第1の口金20の端子ピン22及び第2の口金30の端子ピン32間に電流は流れない。第1のコンデンサC1及び共振コンデンサC3に流れる電流によりLEDモジュール60の電圧が決まり、LEDモジュール60が点灯する。
第2の口金30の端子ピン31から第1の口金20の端子ピン21間にインバータ81からの高周波電力が供給される場合は、インバータ81の負側のスイッチング素子がオンされると、電流は、端子ピン31→ヒューズ77a→第2の整流回路76の整流ダイオード76b→LEDモジュール60→第1の整流回路75の整流ダイオード75b→第1のコイルL1→端子ピン21→共振コイルL3を流れる。このとき、第1の口金20の端子ピン22及び第2の口金30の端子ピン32間に電流は流れない。第2のコンデンサC2及び共振コンデンサC3に流れる電流によりLEDモジュール60の電圧が決まり、LEDモジュール60が点灯する。
なお、第1の口金20の端子ピン22及び第2の口金30の端子ピン32間、第1の口金20の端子ピン21及び第2の口金30の端子ピン32間、あるいは第2の口金30の端子ピン31及び第1の口金20の端子ピン22間にインバータ81からの高周波電力が供給される場合においても、LEDモジュール60を確実に点灯することができる。
第1のコンデンサC1又は第2のコンデンサC2に流れる電流によりLEDモジュール60の電圧を決定することができるので、共振コイルL3及び共振コンデンサC3の共振周波数による高周波電圧に応じて第1のコンデンサC1又は第2のコンデンサC2の容量を設定し、LED素子61の必要な電圧に対して高周波電圧を所定の比によって増減することで、第1のコイルL1又は第2のコイルL2のそれぞれからLEDモジュール60に必要な高周波電圧を印加することができる。第1のコンデンサC1又は第2のコンデンサC2の容量は、LED素子61の配置個数及び必要な電圧と、共振コイルL3及び共振コンデンサC3の共振周波数と、インバータ81の高周波電圧とに基づいて適宜に設定すればよい。
この第2の実施の形態に係る点灯回路71,72によると、上記第1の実施の形態の効果に加えて、次の効果が得られる。
(1)自動販売機におけるインバータ式照明器具80にLED照明灯1を効果的に使用することができる。
(2)自動販売機用のインバータ81を利用して、LED照明灯1の取付方向及び取付回転方向などに影響されることなく、LED照明灯1を正常に点灯することができる。
[第3の実施の形態]
図5〜図9を参照すると、上記第1の実施の形態であるLED照明灯1を備えた自動販売機の一構成例が模式的に示されている。なお、図5〜図9において、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。従って、上記第1の実施の形態と実質的に同じ部材に関する詳細な説明は省略する。
(自動販売機の全体構成)
図5、図6及び図7Aにおいて、符号100は上記第1及び第2の実施の形態であるLED照明灯1を備えた自動販売機を示している。この自動販売機100は、缶飲料の販売用物品を販売するための販売機本体102と、販売用物品に対応する照明対象としての複数の展示用物品(容器)Bを照明するLED照明灯1を含むインバータ式照明装置80とにより主に構成されている。
複数の展示用物品Bは、図5及び図7A(b)に示すように、10個の展示用物品Bが一列に並置された3群の展示用物品群b1,b2,b3に区分して3段に配置されており、背面パネル122の物品視認者側にステージ125を介して所定の角度に保持されている。
展示用物品Bは、図7A及び図7Bに示すように、販売用物品を示す情報が表面に印刷表示されたプラスチック製の光透過性部材からなる半円筒又は円筒によって形成されている。展示用物品Bとしては、半円筒又は円筒の表面に印刷表示する代わりに、その印刷表示内容と同一の情報が表示されたシールを貼付したものであってもよい。販売用物品が光透過性部材によって形成されている場合には展示用物品Bとして販売用物品を展示してもよい。
(販売機本体の構成)
販売機本体102は、図6に示すように、外装体としての筐体104と、この筐体(貯蔵部)104内に貯蔵する販売用物品を代金と引き換えに外部に払い出すための物品払出ユニット(物品払出機構)105と、この物品払出ユニット105及びインバータ式照明装置80を駆動制御する制御ユニット106とを備えている。
(筐体の構成)
筐体104は、図5及び図6に示すように、前方に開口する箱体104A及び箱体104Aの前方開口部を開閉する扉体104Bを有し、全体が略矩形箱によって形成されている。
箱体104A内には、インバータ式照明装置80、物品払出ユニット105、及び制御ユニット106などを収容するための図示しない収容空間が形成されている。扉体104Bは箱体104Aに回動自在に枢支されている。
扉体104Bの前面上部には、前面上部カバーとしての光透過性部材からなる前面パネル(電照板)107が配設されている。前面パネル107の前面部には、外部に露出する光透過性部材からなる物品選択用の押釦108が複数の展示用物品Bに対応して複数個配設されている。前面パネル107と背面パネル122との間には、展示用物品Bを展示するための展示スペース(内部空間)109が形成されている。
扉体104Bの前面下部には、購買者が販売用物品の代金としての紙幣・硬貨をそれぞれ挿入・投入するための紙幣挿入口112・硬貨投入口113と、釣銭を返却するための釣銭返却口114と、購買者が販売用物品を取り出すための図示しないフラッパ付きの物品取出口115とが配設されている。扉体104Bの前面下部には、紙幣挿入口112・硬貨投入口113に挿入・投入された紙幣・硬貨を購買者の操作によって返却するための返却レバー116と、釣銭切れや挿入紙幣・投入硬貨に関する情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)等の表示器117と、扉体104Bの開動作をロック状態とするためのドアロック118とが取り付けられている。なお、符号200は、販売物品等の情報を宣伝するための広告スペースを示している。
(物品払出ユニットの構成)
物品払出ユニット105は、販売用物品を貯蔵する図示しない物品貯蔵部を有している。物品払出ユニット105は、図6に示すように、箱体104Aの収容空間に複数個収容されており、制御ユニット106に接続されている。物品払出ユニット105は、紙幣挿入口112・硬貨投入口113に対する紙幣・硬貨の挿入・投入による代金と引き換えに販売用物品を払い出すように構成されている。
(制御ユニットの構成)
制御ユニット106は、挿入紙幣及び投入硬貨を処理して貨幣処理信号及び釣銭処理信号を発生する図示しない貨幣・釣銭処理装置を有している。制御ユニット106は、図6に示すように、物品払出ユニット105と同様に箱体104Aの収容空間に収容されている。
(照明装置の構成)
背面パネル122は、図7A(b)に示すように、展示スペース109内の後方に前面パネル107と所定の間隔をもって平行に配置されている。背面パネル122にはインバータ式照明装置80の蛍光灯ソケット部123が挟持固定されている。LED照明灯1は蛍光灯ソケット部123の図示しない一対のピン穴に差し込むことで展示スペース109内に配置されている。背面パネル122は、複数の展示用物品群b1,b2,b3のそれぞれに対応した色、柄、及び形状を有している。背面パネル122の他の一例としては、展示用物品群b1,b2,b3の全部又はその一部に対応した色、柄、及び形状を有していてもよい。
背面パネル122にはステージ125が取り付けられている。ステージ125は、板金からなり、展示用物品Bが所定の個数だけ並べて展示されるとともに、展示用物品Bに関する情報、例えば価格や温冷等を表示する表示部126を有している。
展示用物品が10個に対応する仕様のLED照明灯1は、図7Aに示すように、10個の展示用物品のそれぞれに対応した物品選択用の押釦108、及び価格や温冷等を表示する表示部126を照明する。回路基板70の第1の面71a,72aに実装されたLEDモジュール60は、自動販売機100の前側上方向の展示用物品B、押釦108、及び表示部126の配置方向にLED光が照射される。
一方、回路基板70の第2の面71b,72bに実装されたLEDモジュール60は、下側後方の背面パネル122の配置方向にLED光が照射されるように設定されている。回路基板70の取付角度θとしては、例えば自動販売機100の水平面に対して20〜40度の範囲内にあることが好適である。図示例にあっては、回路基板70の取付角度θは、前面パネル107、物品選択用の押釦108、価格や温冷等を表示する表示部126、及び背面パネル122等を効果的に照明するために、自動販売機100の水平面に対して30度に設定されている。なお、自動販売機100に対して回路基板70を水平に配置してもよい。
回路基板70の第1の面71a,72aに実装されたLEDモジュール60からのLED光は、展示用物品Bに下方向から入射し、半円筒又は円筒形の展示用物品B(販売用物品を示す情報が表面に印刷表示された光透過性部材)を透過して展示用物品Bの前面部を照明するとともに、ステージ125に取り付けられた表示部126を背面側から照射する。前面パネル107に取り付けられた物品選択用の押釦108を透過して物品視認者側に照射され、押釦108の輪郭照明がなされる。
押釦108は、図7B(c)に示したように、前面パネル107に取り付けられて釦部の基部となるベース181と、ベース181に取り付けられてスイッチ端子等の配線パターン等を有する基板182と、シリコンゴムで形成されたベース181に装着されるカバー183と、カバー183にネームプレート184を挟んで装着され、商品購入者が指先等で押すためのレンズ185と、レンズ185の内部に装着され、背面から入射する光を自動販売機100の前面へ効果的に反射させるためのリフレクトケース186と、レンズ185の周辺に所定の隙間を介しベース181と嵌合して押釦108を構成するケース187とから構成されている。カバー183は、基板182のスイッチ端子に接触してスイッチオンさせる切片を備え、釦部が押されたときの復元力を発生させ、水密構造とするための半透明のシリコンゴムで形成されている。
ベース181、基板182、及びレンズ185は光透過性部材からなり、ネームプレート184及びケース187は不透過性部材からなるので、ベース181に入射したLED光190は、レンズ185の周辺部185a、及びレンズ185とケース187との隙間188を主に透過して自動販売機100の前面へと照射される。ベース181が、例えば緑色の光透過性材料で形成されている場合は、レンズ185の周辺部185aと隙間188が緑色に輝き、いわゆる輪郭照明がなされる。
LED照明灯1は、自動販売機100に対して傾斜して取り付けられているので、回路基板70の第2の面71b,72bに実装されたLEDモジュール60から後側下方向にLED光が照射される。これにより、LED光の大部分が背面パネル122を照射することになるので、物品視認者側から最も明るいと認識できる背面パネル122を限られたLED光で効果的に照明することができる。
図8を参照すると、回路基板70の第1の面71a,72aに実装されたLED素子61から前側上方向に照射されるLED光の指向特性400、及び回路基板70の第2の面71b,72bに実装されたLED素子61から後側下方向に照射されるLED光のLED指向特性400がそれぞれ示されている。このLED素子61から図8に示す角度で照射されるLED光は、矢印先端を通る同心円状の目盛りで相対照度が示される。
従来の蛍光灯は360度の全方向に光が照射されるのに対して、この第3の実施形態におけるLED素子61のLED光は、LED指向特性400を有するので、展示用物品Bの前面部分と背面パネル122とに向けて効率よくLED光が照射されることとなる。LED照明灯1が自動販売機100に対して傾斜して取付けられた場合は、より効率よく照明が可能となる。
図9を参照すると、図8に示す照射指向特性400により照明した場合の自動販売機100を正面からみた状態が示されている。LED照明灯1を傾斜配置して指向特性を有するLED光により照明することで、展示用物品Bの照明部分(図8の斜線部分)420、背面パネル122の照明部分(図8の斜線部分)421、及び広告スペース200の照明部分(図8の斜線部分)422が特に明るく照明される。
LED素子61のLED光は、LED指向特性400を有するので、回路基板70の第1の面71a,72a上に実装されるLED素子61は、回路基板70の短手方向の中心からなるべく後方(背面パネル122方向)よりに配置される方が、効率よく展示用物品Bの前面部分を照明できる。回路基板70の第1の面71a,72a上に実装されるLED素子61としては、例えば展示用物品Bの中心から約22mm後方であって背面パネル122から約15mmの位置に配置されることが好適である。
一方の回路基板70の第2の面71b,72b上に実装されるLED素子61は、回路基板70の短手方向の中心からなるべく前方より(前面パネル107の方向)に配置される方が、効率よく背面パネル122を照明できる。回路基板70の第2の面71b,72b上に実装されるLED素子61としては、特に限定するものではないが、例えば展示用物品Bの中心から約12mm後方であって背面パネル122から約25mmの位置に配置されるのが好ましい。
LED照明灯1を含むインバータ式照明装置の動作においては、展示用物品群b1,b2,b3のそれぞれに対応して、LED素子61の照明光の色、及び強度等を異なるようにすることもできるが、時間とともに照明光の色、及び強度等が変化するように制御ユニット106でコントロールすることもできる。更には、展示用物品Bに対応するそれぞれのLED素子61の照明光の色、及び強度等を独立に制御することもできる。
(第3の実施の形態の効果)
この第3の実施の形態に係る自動販売機100によると、上記第1及び第2の実施の形態の効果に加えて、次の効果が得られる。
(1)自動販売機100によれば、LED照明灯1の照射面を自動販売機の内部で所定の傾斜角度θをもって取り付けているので、展示用物品Bの前面部分と背面パネル122を効率よく照明することが可能となる。従来の蛍光灯は360度の全方向に光が照射されるのに対して、LED光は指向特性を有するので、特に展示用物品Bの前面部分と背面パネル122に効率よくLED光が照射されることとなり、効果的な自動販売機100の照明が可能となる。
(2)展示用物品Bの展示個数、及び配列間隔等が異なる自動販売機100にインバータ式照明装置80を適用する場合は、LED照明灯1の照射面となるパイプ部材10を分割して成形することなく、展示用物品Bに対応させて種々の横幅の自動販売機100に対応することができる。その結果、LED照明灯1及びインバータ式照明装置80を新たに設計したり、製作したりする必要がなくなり、設計開発期間の短縮、及び製造コストの低減等に大きく寄与することが可能となる。
(3)LED照明灯1を含むインバータ式照明装置80によれば、展示用物品Bの一段分の展示個数に対応した一体的に構成された照明装置が得られる。そのLED照明灯1を自動販売機100におけるインバータ式照明装置80の蛍光灯ソケット部123に簡単な取付け方法により自動販売機100への組込みが可能であるので、自動販売機100への組立性に優れるとともに、交換も容易であることからメンテナンス性にも優れるという効果を有することができる。
(4)LED照明灯1では、LED素子61の配置個数を展示用物品Bの数に対応した構成となっているので、照明時に制御ユニット106により、照明光の色、及び強度等を変化させたり、点滅動作させたりすることができる。展示用物品群b1,b2,b3のそれぞれに対応して照明コントロールができるので、物品視認者の視覚に訴えるイルミネーション効果を持たせることが可能となる。展示用物品Bを3個ないし4個を1ユニットとして交互に制御することもできるようになり、イルミネーション効果と省エネ効果が得られる。
(5)回路基板70の第1の面71a,72a及び第2の面71b,72b上に実装されたLED素子61から照射されるLED光により、展示用物品Bだけではなく、ステージ125に取り付けられた表示部126の照明、及び前面パネル107に取り付けられた物品選択用の押釦108の輪郭照明が可能となるので、押釦108及び表示部126に専用の照明装置が不要になり、コストの低廉化を図ることが可能となる。
以上の説明からも明らかなように、本発明は、上記各実施の形態及び図示例に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲内で様々に設計変更が可能である。本発明は、例えばたばこ等のパッケージ商品、缶又はペットボトル等に充填した飲料商品などの各種の自動販売機に効果的に使用することができる。
1 LED照明灯
10 パイプ部材
11 凹部
20,30 口金
21,22 第1,2の端子ピン
23,33 係止凸部
24,34,74 リード線
31,32 第3,4の端子ピン
40,50 ジョイント部材
41,51 当接リブ
42,52 基端側筒部
43,53 口金側筒部
44,54 隔壁
44a リード線挿通孔
45,55 係止凹部
46,56 ブラケット
47,57 取付リブ
48,58 嵌合切欠部
60 LEDモジュール
61 LED素子
70 回路基板
71,72 第1,第2の回路基板
71a,72a 第1の面
71b,72b 第2の面
73 当接面部
75,76 第1,第2の整流回路
75a〜75d,76a〜76d 整流ダイオード
77a,77b 第1,第2のヒューズ
80 インバータ式照明装置
81 インバータ
100 自動販売機
102 販売機本体
104 筐体
104A 箱体
104B 扉体
105 物品払出ユニット
106 制御ユニット
107 前面パネル
108 押釦
109 展示スペース
112 紙幣挿入口
113 硬貨投入口
114 釣銭返却口
115 物品取出口
116 返却レバー
117 表示器
118 ドアロック
122 背面パネル
123 蛍光灯ソケット部
125 ステージ
126 表示部
181 ベース
182 基板
183 カバー
184 ネームプレート
185 レンズ
185a 周辺部
186 リフレクトケース
187 ケース
188 隙間
190 LED光
200 広告スペース
400 LED光の指向特性
420,421,422 照明部分
B 展示用物品
b1,b2,b3 展示用物品群
C1,C2 第1,第2のコンデンサ
C3 共振コンデンサ
L1,L2 第1,第2のコイル
L3 共振コイル

Claims (10)

  1. 展示用物品を展示するための内部空間を有し、前記展示用物品に対応する販売用物品を払い出すための物品払出機構を内蔵する販売機本体と、
    前記販売機本体の内部空間に設けられた蛍光灯ソケット部に着脱自在に装着され、前記展示用物品を照明する照明装置とを備え、
    前記照明装置は、
    複数の発光素子と、
    第1の面及び前記第1の面と反対側の第2の面を有し、前記第2の面に複数個の前記発光素子を実装するとともに、前記複数の発光素子を点灯するための配線パターンが形成された回路基板と、
    内部に前記複数の発光素子と前記回路基板を保持する光透過性管状部材とを有し、
    前記発光素子が前記販売機本体の背面パネルを照射するように前記回路基板が前記背面パネルに対して所定の角度を有して配設されたことを特徴とする自動販売機。
  2. 前記光透過性管状部材の両側端部に取り付けられ前記蛍光灯ソケット部に接続される第1及び第2の口金と、
    前記光透過性管状部材及び前記口金を接続する第1及び第2のジョイント部材と、
    前記蛍光灯ソケット部に対する取付角度に応じて前記口金と前記ジョイント部材との相対的角度を位置決めする位置決め手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
  3. 前記口金及び前記ジョイント部材のいずれか一方に、前記蛍光灯ソケット部に接続される一対の電極端子を有し、前記一対の電極端子が絶縁的に支持されていることを特徴とする請求項2記載の自動販売機。
  4. 前記角度決め手段は、前記ジョイント部材に係止凸部又は係止凹部を有し、前記口金に前記係止凸部又は係止凹部と係着する係止凹部又は係止凸部を有していることを特徴とする請求項2記載の自動販売機。
  5. 前記光透過性管状部材の内部は、長手方向に沿って平行に延びる一対の係合受部を有し、前記一対の係合受部に前記回路基板の長手方向の両端部を係合支持したことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
  6. 前記発光素子は、前記回路基板の長手方向の中心線に対して、前記回路基板の前記第1の面及び前記第2の面に線対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
  7. 前記発光素子は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1又は6記載の自動販売機。
  8. 上記請求項1〜7のいずれかに記載の自動販売機に内蔵されて所定の周波数の高周波電圧を発生するインバータを備え、
    前記照明装置は、
    前記インバータのコンデンサに直列に接続されたコンデンサと、
    前記インバータのコンデンサと並列に接続されたインダクタンスによって形成され、前記インバータから前記電源端子を介して入力した高周波電圧を所定の比によって増減して前記発光素子の駆動電圧とする共振回路と、
    前記駆動電圧を前記発光素子に印加する直流電圧に変換する整流回路とを含むことを特徴とする自動販売機。
  9. 前記コンデンサ、前記共振回路、及び前記整流回路は、前記光透過性管状部材の中に封入されており、前記回路基板に実装されていることを特徴とする請求項8記載の自動販売機。
  10. 前記電源端子は、前記インバータの前記高周波電圧を出力する一対の出力端子に接続された第1及び第2の出力端子と、前記インバータのコンデンサの両端子に接続された第3及び第4の出力端子を備え、
    前記電源端子の前記第1及び第3の出力端子は、前記電源端子の前記第2及び第4の出力端子と対応関係を特定することなく接続可能であり、
    前記電源端子の前記第2及び第4の出力端子は、前記電源端子の前記第1及び第3の出力端子と対応関係を特定することなく接続可能であることを特徴とする請求項8記載の自動販売機。
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