JP2011002747A - 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents

表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動トランジスタの寄生容量による影響を抑えて、閾値補正処理を正確に実行できるようにする。
【解決手段】駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23および保持容量24に加えて、有機EL素子21の等価容量の補助として補助容量26を設ける。この補助容量26の一端を有機EL素子21のアノード電極に、他端を行走査方向における自行iよりも前の他行、本例では前段の行i−1に属する電源供給線32i−1にそれぞれ接続する。そして、自行iに属する電源電位DSiを低電位Viniから高電位Vccpに切り替えるときに、電源供給線32i−1の電位DSi−1を一時的に下げることで、駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsによる影響を抑える。
【選択図】図12

Description

本発明は、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器に関し、特に、電気光学素子を含む画素が行列状(マトリクス状)に2次元配置された平面型(フラットパネル型)の表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を有する電子機器に関する。
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、画素(画素回路)が行列状に配置されてなる平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置の一つとして、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子を画素の発光素子として用いた表示装置がある。電流駆動型の電気光学素子としては、有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子が知られている。
画素の電気光学素子として有機EL素子を用いた有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子は、10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力である。有機EL素子は、自発光素子であるために、画素ごとに液晶にて光源からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかもバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化および薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるために動画表示時の残像が発生しない。
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様に、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とを採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線(即ち、画素数)の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
そのため、近年、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。絶縁ゲート型電界効果トランジスタとしては、一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)が用いられる。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレームの期間に亘って発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
ところで、一般的に、有機EL素子のI−V特性(電流−電圧特性)は、時間が経過すると劣化(いわゆる、経時劣化)することが知られている。有機EL素子を電流駆動するトランジスタ(以下、「駆動トランジスタ」と記述する)として特にNチャネル型のTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性が経時劣化すると、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsが変化する。その結果、有機EL素子の発光輝度が変化する。これは、駆動トランジスタのソース電極側に有機EL素子が接続されることに起因する。
このことについてより具体的に説明する。駆動トランジスタのソース電位は、駆動トランジスタと有機EL素子の動作点で決まる。そして、有機EL素子のI−V特性が劣化すると、駆動トランジスタと有機EL素子の動作点が変動してしまうために、駆動トランジスタのゲート電極に同じ電圧を印加したとしても駆動トランジスタのソース電位が変化する。これにより、駆動トランジスタのソース−ゲート間電圧Vgsが変化するために、駆動トランジスタに流れる電流値が変化する。その結果、有機EL素子に流れる電流値も変化するために、有機EL素子の発光輝度が変化することになる。
また、特にポリシリコンTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性の経時劣化に加えて、駆動トランジスタのトランジスタ特性が経時的に変化したり、製造プロセスのばらつきによってトランジスタ特性が画素ごとに異なったりする。すなわち、画素個々に駆動トランジスタのトランジスタ特性にばらつきがある。トランジスタ特性としては、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや、駆動トランジスタのチャネルを構成する半導体薄膜の移動度μ(以下、単に「駆動トランジスタの移動度μ」と記述する)等が挙げられる。
駆動トランジスタのトランジスタ特性が画素ごとに異なると、画素ごとに駆動トランジスタに流れる電流値にばらつきが生じるために、駆動トランジスタのゲート電極に画素間で同じ電圧を印加しても、有機EL素子の発光輝度に画素間でばらつきが生じる。その結果、画面のユニフォーミティ(一様性)が損なわれる。
そこで、有機EL素子のI−V特性の経時劣化や、駆動トランジスタのトランジスタ特性の経時変化等の影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に維持するために、各種の補正(補償)機能を画素回路に持たせている(例えば、特許文献1参照)。
補正機能としては、有機EL素子の特性変動に対する補償機能、駆動トランジスタの閾値電圧Vthの変動に対する補正機能、駆動トランジスタの移動度μの変動に対する補正機能などが挙げられる。以下、駆動トランジスタの閾値電圧Vthの変動に対する補正を「閾値補正」と呼び、駆動トランジスタの移動度μの変動に対する補正を「移動度補正」と呼ぶこととする。
このように、画素回路の各々に、各種の補正機能を持たせることで、有機EL素子のI−V特性の経時劣化や、駆動トランジスタのトランジスタ特性の経時変化の影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つことができる。その結果、有機EL表示装置の表示品質を向上できる。
特開2007−310311号公報
ところで、一般的に、トランジスタのドレイン領域とソース領域との間には寄生容量Cdsが付く。駆動トランジスタにあっても同様である。この駆動トランジスタに付く寄生容量Cdsは、上述した閾値補正に当たって、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsを駆動トランジスタの閾値電圧Vthに収束させる際の駆動トランジスタのソース電位の変化に影響を及ぼす。
一方、表示画像の高精細化に伴って画素の微細化が進むと、有機EL素子の等価容量や画素に書込まれた映像信号を保持する保持容量の容量値が小さくなる。このように、画素の微細化によって有機EL素子の等価容量や保持容量の容量値が減少すると、駆動トランジスタのソース電位の変化に対する駆動トランジスタの寄生容量Cdsの影響が大きくなる(その詳細については後述する)。
そして、駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線の電位の切り替えにより、駆動トランジスタのソース電位の初期化を行う表示装置(特許文献1参照)では、駆動トランジスタの寄生容量Cdsの影響によって次のような不具合が発生する。具体的には、電源供給線の電位が低い電位から高い電位に切り替わる際に、その電位変化が駆動トランジスタの寄生容量Cdsを介してソース電極に飛び込む。
すると、その飛び込みによって駆動トランジスタのソース電位が大きく変動する。そして、ソース電位の変動により、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧が閾値電圧Vthよりも小さくなると、閾値補正に当たって駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsを閾値電圧Vthに収束させるための処理が行えなくなる。その結果、表示品質の向上を目的とした閾値補正処理が行えないことになる。
そこで、本発明は、駆動トランジスタの寄生容量による影響を抑えて、閾値補正処理を正確に実行できるようにした表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を有する電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、
電気光学素子と、
映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
ソース電極が前記電気光学素子に、ドレイン電極が行ごとに配線された電源供給線にそれぞれ接続され、前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタと、
一端が前記電気光学素子のアノード電極に、他端が行走査方向における自行よりも前の他行に属する前記電源供給線にそれぞれ接続された補助容量とを有し、
前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位をその初期化電位から変化させる閾値補正処理の機能を持つ
画素が行列状に配置されてなる表示装置において、
自行の前記閾値補正処理の実行に先立って、前記他行に属する前記電源供給線の電位をあらかじめ定められた電位に変化させる。
上記構成の表示装置において、補助容量の他端の接続先である自行よりも前の他行は、自行の駆動のときは発光状態にあり、他行に属する電源供給線の電位は変化せずに固定電位の状態にある。このとき、補助容量は電気光学素子のアノード電極と固定電位との間に接続された状態、即ち電気光学素子の等価容量に対して並列的に接続された状態にあるために、電気光学素子の等価容量の補助として作用する。
そして、電源供給線の電位の切り替えにより駆動トランジスタのソース電位を初期化する表示装置にあっては、電源供給線の電位を低い電位から高い電位に切り替えるときに、他行に属する電源供給線の電位をあらかじめ定められた電位に変化させる。これにより、他行に属する電源供給線の電位の変化が、補助容量を介して駆動トランジスタのソース電極に飛び込む。
このとき、補助容量を介して飛び込む電位は、自行の電源供給線の電位の切り替えの際に、駆動トランジスタの寄生容量を介して飛び込むことによるソース電位の変化を抑える方向に作用する。これにより、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧が閾値電圧よりも小さくなるのが抑えられるために、閾値補正処理に当たって駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧を閾値電圧に収束させる処理が行える。
または、自行の閾値補正処理の実行に先立って、他行に属する電源供給線の電位をあらかじめ定められた電位に変化させることで、電源供給線の電位を切り替えなくても、駆動トランジスタのソース電位の初期化が可能な表示装置を構成できる。そして、電源供給線の電位の切り替えを行わないことで、駆動トランジスタの寄生容量を介しての電位の飛び込むことによるソース電位の変化は発生しない。したがって、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧が閾値電圧よりも小さくなることはないために、閾値補正処理に当たって駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧を閾値電圧に収束させる処理が行える。
本発明によれば、駆動トランジスタに寄生容量が付いていても、閾値補正に当たって駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧を閾値電圧に収束させる処理が行えるために、閾値補正処理を正確に実行できる。その結果、画素ごとの駆動トランジスタの閾値電圧のばらつきを抑えることができるために表示画像の画質をより向上できる。
本発明が適用される有機EL表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。 本発明が適用される有機EL表示装置の画素(画素回路)の回路構成を示す回路図である。 画素の断面構造の一例を示す断面図である。 本発明が適用される有機EL表示装置の基本的な回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 本発明が適用される有機EL表示装置の基本的な回路動作の動作説明図(その1)である。 本発明が適用される有機EL表示装置の基本的な回路動作の動作説明図(その2)である。 駆動トランジスタの閾値電圧Vthのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 駆動トランジスタの移動度μのばらつきに起因する課題の説明に供する特性図である。 閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電圧Vsigと駆動トランジスタのドレイン・ソース間電流Idsとの関係の説明に供する特性図である。 ソースシールド構造を採る駆動トランジスタの断面構造を示す断面図である。 電源電位DSの切り替えに伴って発生する不具合についての説明に供するタイミング波形図である。 第1実施形態に係る有機EL表示装置における画素の具体的な回路構成を示す回路図である。 第1実施形態に係る有機EL表示装置の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 3値の電位Vccp,Vmid,Viniを設定可能な電源供給走査回路の構成の一例を示すブロック図である。 波形整形論理回路の構成の一例を示す回路図である。 タイミング信号T1,T2のタイミング関係を示すタイミング波形図である。 第2実施形態に係る有機EL表示装置の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。 本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。 本発明が適用される携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.本発明が適用される有機EL表示装置
1−1.システム構成
1−2.回路動作
1−3.電源電位DSの切り替えに伴う不具合
2.第1実施形態(電源電位DSを切り替える構成の例)
3.第2実施形態(電源電位DSを切り替えない構成の例)
4.変形例
5.適用例(電子機器)
<1.本発明が適用される有機EL表示装置>
[1−1.システム構成]
図1は、本発明が適用されるアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。
ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子を画素(画素回路)の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
図1に示すように、本適用例に係る有機EL表示装置10は、有機EL素子を含む複数の画素20と、当該画素20が行列状に2次元配置された画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置された駆動部とを有する構成となっている。
駆動部は、書込み走査回路40、電源供給走査回路50および信号出力回路60等からなり、画素アレイ部30の各画素20を駆動する。書込み走査回路40および電源供給走査回路50は、画素20の各々を画素行単位で選択する行走査部である。
ここで、有機EL表示装置10がカラー表示対応の場合は、1つの画素は複数の副画素(サブピクセル)から構成され、この副画素が画素20に相当することになる。より具体的には、カラー表示用の表示装置では、1つの画素は、赤色光(R)を発光する副画素、緑色光(G)を発光する副画素、青色光(B)を発光する副画素の3つの副画素から構成される。
ただし、1つの画素としては、RGBの3原色の副画素の組み合わせに限られるものではなく、3原色の副画素にさらに1色あるいは複数色の副画素を加えて1つの画素を構成することも可能である。より具体的には、例えば、輝度向上のために白色光(W)を発光する副画素を加えて1つの画素を構成したり、色再現範囲を拡大するために補色光を発光する少なくとも1つの副画素を加えて1つの画素を構成したりすることも可能である。
画素アレイ部30には、m行n列の画素20の配列に対して、行方向(画素行の画素の配列方向)に沿って走査線31−1〜31−mと電源供給線32−1〜32−mとが画素行ごとに配線されている。さらに、列方向(画素列の画素の配列方向)に沿って信号線33−1〜33−nが画素列ごとに配線されている。
走査線31−1〜31−mは、書込み走査回路40の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。電源供給線32−1〜32−mは、電源供給走査回路50の対応する行の出力端にそれぞれ接続されている。信号線33−1〜33−nは、信号出力回路60の対応する列の出力端にそれぞれ接続されている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成されている。これにより、有機EL表示装置10は、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20の駆動回路は、アモルファスシリコンTFTまたは低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合には、図1に示すように、書込み走査回路40、電源供給走査回路50および信号出力回路60についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル(基板)70上に実装することができる。
書込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ等によって構成されている。この書込み走査回路40は、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書込みに際し、走査線31−1〜31−mに対して書込み走査信号WS(WS1〜WSm)を順次供給することによって画素アレイ部30の各画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ等によって構成されている。この電源供給走査回路50は、書込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電源電位Vccpと当該第1電源電位Vccpよりも低い第2電源電位Viniで切り替わる電源電位DS(DS1〜DSm)を電源供給線32−1〜32−mに供給する。後述するように、電源電位DSのVccp/Viniの切替えにより、画素20の発光/非発光の制御が行なわれる。
信号出力回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)Vsigと基準電位Vofsとを選択的に出力する。ここで、基準電位Vofsは、映像信号の信号電圧Vsigの基準となる電位(例えば、映像信号の黒レベルに相当する電位)である。
信号出力回路60から出力される信号電圧Vsig/基準電位Vofsは、信号線33−1〜33−nを介して画素アレイ部30の各画素20に対して行単位で書き込まれる。すなわち、信号出力回路60は、信号電圧Vsigを行(ライン)単位で書き込む線順次書込みの駆動形態を採っている。
(画素回路)
図2は、画素(画素回路)20の具体的な回路構成を示す回路図である。
図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子である有機EL素子21と、当該有機EL素子21を駆動する駆動回路とによって構成されている。有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線(いわゆる、ベタ配線)された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。
有機EL素子21を駆動する駆動回路は、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23および保持容量24を有する構成となっている。ここでは、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いている。ただし、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
なお、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いると、アモルファスシリコン(a−Si)プロセスを用いることができる。a−Siプロセスを用いることで、TFTを作成する基板の低コスト化、ひいては本有機EL表示装置10の低コスト化を図ることが可能になる。また、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23を同じ導電型の組み合わせにすると、両トランジスタ22,23を同じプロセスで作成することができるために低コスト化に寄与できる。
駆動トランジスタ22は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が有機EL素子21のアノード電極に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が電源供給線32(32−1〜32−m)に接続されている。
書込みトランジスタ23は、一方の電極(ソース/ドレイン電極)が信号線33(33−1〜33−n)に接続され、他方の電極(ドレイン/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。また、書込みトランジスタ23のゲート電極は、走査線31(31−1〜31−m)に接続されている。
駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23において、一方の電極とは、ソース/ドレイン領域に電気的に接続された金属配線を言い、他方の電極とは、ドレイン/ソース領域に電気的に接続された金属配線を言う。また、一方の電極と他方の電極との電位関係によって一方の電極がソース電極ともなればドレイン電極ともなり、他方の電極がドレイン電極ともなればソース電極ともなる。
保持容量24は、一方の電極が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他方の電極が駆動トランジスタ22の他方の電極および有機EL素子21のアノード電極に接続されている。
上記構成の画素20において、書込みトランジスタ23は、書込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加されるHighアクティブの書込み走査信号WSに応答して導通状態となる。これにより、書込みトランジスタ23は、信号線33を通して信号出力回路60から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsをサンプリングして画素20内に書き込む。この書き込まれた信号電圧Vsigまたは基準電位Vofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。
駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電源電位Vccpにあるときには、一方の電極がドレイン電極、他方の電極がソース電極となって飽和領域で動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、電源供給線32から電流の供給を受けて有機EL素子21を電流駆動にて発光駆動する。より具体的には、駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作することにより、保持容量24に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
駆動トランジスタ22はさらに、電源電位DSが第1電源電位Vccpから第2電源電位Viniに切り替わったときには、一方の電極がソース電極、他方の電極がドレイン電極となってスイッチングトランジスタとして動作する。これにより、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21への駆動電流の供給を停止し、有機EL素子21を非発光状態にする。すなわち、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21の発光/非発光を制御するトランジスタとしての機能をも併せ持っている。
この駆動トランジスタ22のスイッチング動作により、有機EL素子21が非発光状態となる期間(非発光期間)を設け、有機EL素子21の発光期間と非発光期間の割合(デューティ)を制御することができる。このデューティ制御により、1フレーム期間に亘って画素が発光することに伴う残像ボケを低減できるために、特に動画の画品位をより優れたものとすることができる。
電源供給走査回路50から電源供給線32を通して選択的に供給される第1,第2電源電位Vccp,Viniのうち、第1電源電位Vccpは有機EL素子21を発光駆動する駆動電流を駆動トランジスタ22に供給するための電源電位である。また、第2電源電位Viniは、有機EL素子21に対して逆バイアスを掛けるための電源電位である。この第2電源電位Viniは、基準電位Vofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をVthとするときVofs−Vthよりも低い電位、好ましくはVofs−Vthよりも十分に低い電位に設定される。
(画素構造)
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、ガラス基板201上には、駆動トランジスタ22等を含む駆動回路が形成されている。そして、画素20は、ガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204がその順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。ここでは、駆動回路の各構成素子のうち、駆動トランジスタ22のみを図示し、他の構成素子については省略している。
有機EL素子21は、アノード電極205と、有機層(電子輸送層、発光層、ホール輸送層/ホール注入層)206と、カソード電極207とから構成されている。アノード電極205は、ウインド絶縁膜204の凹部204Aの底部に形成された金属等からなる。有機層206は、アノード電極205上に形成されている。カソード電極207は、有機層206上に全画素共通に形成された透明導電膜等からなる。
この有機EL素子21において、有機層206は、アノード電極205上にホール輸送層/ホール注入層2061、発光層2062、電子輸送層2063および電子注入層(図示せず)が順次堆積されることによって形成される。そして、図2の駆動トランジスタ22による電流駆動の下に、駆動トランジスタ22からアノード電極205を通して有機層206に電流が流れることで、当該有機層206内の発光層2062において電子と正孔が再結合する際に発光するようになっている。
駆動トランジスタ22は、ゲート電極221と、半導体層222の両側に設けられたソース/ドレイン領域223,224と、半導体層222のゲート電極221と対向する部分のチャネル形成領域225とから構成されている。ソース/ドレイン領域223は、コンタクトホールを介して有機EL素子21のアノード電極205と電気的に接続されている。
そして、図3に示すように、ガラス基板201上に、絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204を介して有機EL素子21が画素単位で形成された後は、パッシベーション膜208を介して封止基板209が接着剤210によって接合される。この封止基板209によって有機EL素子21が封止されることにより表示パネル70が形成される。
[1−2.回路動作]
続いて、上記構成の有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に図5および図6の動作説明図を用いて説明する。なお、図5および図6の動作説明図では、図面の簡略化のために、書込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。また、有機EL素子21の等価容量25についても図示している。
図4のタイミング波形図には、走査線31の電位(書込み走査信号)WS、電源供給線32の電位(電源電位)DS、信号線33の電位(Vsig/Vofs)、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsのそれぞれの変化を示している。
(前フレームの発光期間)
図4のタイミング波形図において、時刻t11以前は、前のフレーム(フィールド)における有機EL素子21の発光期間となる。この前フレームの発光期間では、電源供給線32の電位DSが第1電源電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpにあり、また、書込みトランジスタ23が非導通状態にある。
このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設計されている。これにより、図5(A)に示すように、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
(閾値補正準備期間)
時刻t11になると、線順次走査の新しいフレーム(現フレーム)に入る。そして、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpから、信号線33の基準電位Vofsに対してVofs−Vthよりも十分に低い第2電源電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
ここで、有機EL素子21の閾値電圧をVthel、共通電源供給線34の電位(カソード電位)をVcathとする。このとき、低電位ViniをVini<Vthel+Vcathとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが低電位Viniにほぼ等しくなるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
次に、時刻t12で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、図5(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、信号出力回路60から信号線33に対して基準電位Vofsが供給されているために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが基準電位Vofsになる。また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、基準電位Vofsよりも十分に低い電位Viniにある。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。ここで、Vofs−Viniが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthよりも大きくないと、後述する閾値補正処理を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthなる電位関係に設定する必要がある。
このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgを基準電位Vofsに、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ固定して(確定させて)初期化する処理が、後述する閾値補正処理を行う前の準備(閾値補正準備)の処理である。したがって、基準電位Vofsおよび低電位Viniが、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの各初期化電位となる。
(閾値補正期間)
次に、時刻t13で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが保たれた状態で閾値補正処理が開始される。すなわち、ゲート電位Vgから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向けて駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。
ここでは、便宜上、駆動トランジスタ22のゲート電極の初期化電位Vofsを基準として、当該初期化電位Vofsから駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを減じた電位に向けてソース電位Vsを変化させる処理を閾値補正処理と呼んでいる。この閾値補正処理が進むと、やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束する。この閾値電圧Vthに相当する電圧は保持容量24に保持される。
なお、閾値補正処理を行う期間(閾値補正期間)において、電流が専ら保持容量24側に流れ、有機EL素子21側には流れないようにするために、有機EL素子21がカットオフ状態となるように共通電源供給線34の電位Vcathを設定しておくこととする。
次に、時刻t14で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(A)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極が信号線33から電気的に切り離されることによってフローティング状態になる。しかし、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに等しいために、当該駆動トランジスタ22はカットオフ状態にある。したがって、駆動トランジスタ22にドレイン−ソース間電流Idsは流れない。
(信号書込み&移動度補正期間)
次に、時刻t15で、図6(B)に示すように、信号線33の電位が基準電位Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t16で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書込みトランジスタ23による信号電圧Vsigの書込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigとなる。そして、映像信号の信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量24に保持された閾値電圧Vthに相当する電圧と相殺される。この閾値キャンセルの原理の詳細については後述する。
このとき、有機EL素子21はカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にある。したがって、映像信号の信号電圧Vsigに応じて電源供給線32から駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)は有機EL素子21の等価容量25に流れ込み、当該等価容量25の充電が開始される。
有機EL素子21の等価容量25の充電により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが時間の経過と共に上昇していく。このとき既に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきがキャンセルされており、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは当該駆動トランジスタ22の移動度μに依存したものとなる。駆動トランジスタ22の移動度μは、当該駆動トランジスタ22のチャネルを構成する半導体薄膜の移動度μである。
ここで、映像信号の信号電圧Vsigに対する保持容量24の保持電圧Vgsの比率、即ち書込みゲインGが1(理想値)であると仮定する。すると、駆動トランジスタ22のソース電位VsがVofs−Vth+ΔVの電位まで上昇することで、駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVとなる。
すなわち、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇分ΔVは、保持容量24に保持された電圧(Vsig−Vofs+Vth)から差し引かれるように、換言すれば、保持容量24の充電電荷を放電するように作用し、負帰還がかけられたことになる。したがって、ソース電位Vsの上昇分ΔVは負帰還の帰還量となる。
このように、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVでゲート‐ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることで、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消すことができる。この打ち消す処理が、駆動トランジスタ22の移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正処理である。
より具体的には、駆動トランジスタ22のゲート電極に書き込まれる映像信号の信号振幅Vin(=Vsig−Vofs)が高いほどドレイン−ソース間電流Idsが大きくなるために、負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなる。したがって、発光輝度レベルに応じた移動度補正処理が行われる。
また、映像信号の信号振幅Vinを一定とした場合、駆動トランジスタ22の移動度μが大きいほど負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなるために、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことができる。したがって、負帰還の帰還量ΔVは移動度補正の補正量とも言える。移動度補正の原理の詳細については後述する。
(発光期間)
次に、時刻t17で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は、信号線33から電気的に切り離されるためにフローティング状態になる。
ここで、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態にあるときは、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間に保持容量24が接続されていることにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変動に連動してゲート電位Vgも変動する。このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがソース電位Vsの変動に連動して変動する動作が、保持容量24によるブートストラップ動作である。
駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になり、それと同時に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ始めることにより、当該電流Idsに応じて有機EL素子21のアノード電位が上昇する。
そして、有機EL素子21のアノード電位がVthel+Vcathを越えると、有機EL素子21に駆動電流が流れ始めるため有機EL素子21が発光を開始する。また、有機EL素子21のアノード電位の上昇は、即ち駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇すると、保持容量24のブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも連動して上昇する。
このとき、ブートストラップゲインが1(理想値)であると仮定した場合、ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVで一定に保持される。そして、時刻t18で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigから基準電位Vofsに切り替わる。
以上説明した一連の回路動作において、閾値補正準備、閾値補正、信号電圧Vsigの書込み(信号書込み)および移動度補正の各処理動作は、1水平走査期間(1H)において実行される。また、信号書込みおよび移動度補正の各処理動作は、時刻t6−t7の期間において並行して実行される。
なお、ここでは、閾値補正処理を1回だけ実行する駆動法を採る場合を例に挙げて説明したが、この駆動法は一例に過ぎず、この駆動法に限られるものではない。例えば、閾値補正処理を移動度補正および信号書込み処理と共に行う1H期間に加えて、当該1H期間に先行する複数の水平走査期間に亘って分割して複数回実行する、いわゆる分割閾値補正を行う駆動法を採ることも可能である。
この分割閾値補正の駆動法を採用することにより、高精細化に伴う多画素化によって1水平走査期間に割り当てられる時間が短くなったとしても、閾値補正期間として複数の水平走査期間に亘って十分な時間を確保することができるために、閾値補正処理を確実に行うことができる。
〔閾値キャンセルの原理〕
ここで、駆動トランジスタ22の閾値キャンセル(即ち、閾値補正)の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
図7に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの特性を示す。
この特性図に示すように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに対するキャンセル処理を行わないと、閾値電圧VthがVth1のとき、ゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds1になる。
これに対して、閾値電圧VthがVth2(Vth2>Vth1)のとき、同じゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds2(Ids2<Ids)になる。すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが変動すると、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定であってもドレイン−ソース間電流Idsが変動する。
一方、上記構成の画素(画素回路)20では、先述したように、発光時の駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVである。したがって、これを式(1)に代入すると、ドレイン−ソース間電流Idsは、次式(2)で表される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しない。その結果、駆動トランジスタ22の製造プロセスのばらつきや経時変化により、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが画素ごとに変動したとしても、ドレイン−ソース間電流Idsが変動しないために、有機EL素子21の発光輝度を一定に保つことができる。
〔移動度補正の原理〕
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
画素Aと画素Bで移動度μにばらつきがある状態で、駆動トランジスタ22のゲート電極に例えば両画素A,Bに同レベルの信号振幅Vin(=Vsig−Vofs)を書き込んだ場合を考える。この場合、何ら移動度μの補正を行わないと、移動度μの大きい画素Aに流れるドレイン−ソース間電流Ids1′と移動度μの小さい画素Bに流れるドレイン−ソース間電流Ids2′との間には大きな差が生じてしまう。このように、移動度μの画素ごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素間で大きな差が生じると、画面のユニフォーミティが損なわれる。
ここで、先述した式(1)のトランジスタ特性式から明らかなように、移動度μが大きいとドレイン−ソース間電流Idsが大きくなる。したがって、負帰還における帰還量ΔVは移動度μが大きくなるほど大きくなる。図8に示すように、移動度μの大きな画素Aの帰還量ΔV1は、移動度の小さな画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きい。
そこで、移動度補正処理によって駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVでゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることにより、移動度μが大きいほど負帰還が大きくかかることになる。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを抑制することができる。
具体的には、移動度μの大きな画素Aで帰還量ΔV1の補正をかけると、ドレイン−ソース間電流IdsはIds1′からIds1まで大きく下降する。一方、移動度μの小さな画素Bの帰還量ΔV2は小さいために、ドレイン−ソース間電流IdsはIds2′からIds2までの下降となり、それ程大きく下降しない。結果的に、画素Aのドレイン−ソース間電流Ids1と画素Bのドレイン−ソース間電流Ids2とはほぼ等しくなるために、移動度μの画素ごとのばらつきが補正される。
以上をまとめると、移動度μの異なる画素Aと画素Bがあった場合、移動度μの大きい画素Aの帰還量ΔV1は移動度μの小さい画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きくなる。つまり、移動度μが大きい画素ほど帰還量ΔVが大きく、ドレイン−ソース間電流Idsの減少量が大きくなる。
したがって、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じた帰還量ΔVで、ゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかけることで、移動度μの異なる画素のドレイン−ソース間電流Idsの電流値が均一化される。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。すなわち、駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)に応じた帰還量ΔVで、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに負帰還をかける処理が移動度補正処理となる。
ここで、図2に示した画素(画素回路)20において、閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電圧Vsigと駆動トランジスタ22のドレイン・ソース間電流Idsとの関係について図9を用いて説明する。
図9において、(A)は閾値補正および移動度補正を共に行わない場合、(B)は移動度補正を行わず、閾値補正のみを行った場合、(C)は閾値補正および移動度補正を共に行った場合をそれぞれ示している。図9(A)に示すように、閾値補正および移動度補正を共に行わない場合には、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素A,B間で大きな差が生じることになる。
これに対し、閾値補正のみを行った場合は、図9(B)に示すように、ドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをある程度低減できるものの、移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差は残る。そして、閾値補正および移動度補正を共に行うことで、図9(C)に示すように、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差をほぼ無くすことができる。したがって、どの階調においても有機EL素子21の輝度ばらつきは発生せず、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、図2に示した画素20は、閾値補正および移動度補正の各補正機能に加えて、先述した保持容量24によるブートストラップ動作の機能を備えていることで、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、有機EL素子21のI−V特性の経時変化に伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化したとしても、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電位Vgsを一定に維持することができる。したがって、有機EL素子21に流れる電流は変化せず一定となる。その結果、有機EL素子21の発光輝度も一定に保たれるために、有機EL素子21のI−V特性が経時変化したとしても、それに伴う輝度劣化のない画像表示を実現できる。
[1−3.電源電位DSの切り替えに伴う不具合]
上述した回路動作の説明から明らかなように、画素20が2つのトランジスタ22,23を用いて構成されてなる有機EL表示装置10では、電源電位DSを低電位Viniに切り替えることにより駆動トランジスタ22のソース電位Vsを初期化するようにしている。この電源電位DSの切り替えに伴って発生する不具合について以下に具体的に説明する。
前にも述べたように、一般的に、トランジスタのドレイン領域とソース領域との間に寄生容量Cdsが付き、駆動トランジスタ22にあっても同様である。特に、駆動トランジスタ22は、有機EL素子21に電流を流して当該有機EL素子21を駆動するトランジスタであるために、外部からの電位の飛び込みを防ぐ構造が採られる。具体的には、図10に示すように、駆動トランジスタ22は、チャネル領域221のゲート電極222と反対側を、ソース領域223と電気的に接続されたシールド材224によってシールドしたソースシールド構造となっている。
このように、外部からの電位の飛び込みを防ぐためにソースシールド構造を採る駆動トランジスタ22の場合、ドレイン領域225とソース領域223との間にシールド材224を介して寄生容量Cdsが特に付き易い。
この駆動トランジスタ22に付く寄生容量Cdsは、次式(3)から明らかなように、閾値補正に当たって、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsを閾値電圧Vthに収束させる際の駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変化に影響を及ぼす。
駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vdsの上昇分をΔVds、保持容量24の容量値をCs、有機EL素子21の等価容量25の容量値をColedとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変化量ΔVsは次式(3)で与えられる。
ΔVs=ΔVds×{Cds/(Cs+Coled+Cds) ……(3)
すなわち、閾値補正開始時(図4の時刻t13)に電源供給線32の電位(電源電位)DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わる際の変化分をΔVdsとすると、この変化分ΔVdsが駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vdsの上昇分となる。そして、この閾値補正開始時の駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電圧Vdsの上昇分ΔVdsがソース電位Vsの変化量ΔVsとなる。
一方、表示画像の高精細化に伴って画素20の微細化が進むと、保持容量24の容量値Csや有機EL素子21の等価容量25の容量値Coledが小さくなる。このように、画素20の微細化によって保持容量24や有機EL素子21の等価容量25の容量値が減少すると、式(3)から明らかなように、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変化量ΔVsに対する駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsの影響が大きくなる。
特に、画素の微細化に伴って有機EL素子21の等価容量25の容量値Coledが小さくなり、発光エリアが小さくなると、小さくなる前と同じ発光輝度を得るためには、駆動トランジスタ22を通して大きな電流を有機EL素子21に流す必要が生じる。すなわち、小さい画素ほど大きな電流を流す必要があるため、当該画素の駆動トランジスタ22のサイズを大きくせざるを得なくなる。その結果、駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsが大きくなるため、当該寄生容量Cdsのソース電位Vsの変化量ΔVsに対する影響が大きくなる。
そして、駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsの影響によって次のような不具合が発生する。具体的には、前にも述べたように、電源電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わる際に、その電位変化が駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsを介して駆動トランジスタ22のソース電極に飛び込む。
すると、図11のタイミング波形図に示すように、その寄生容量Cdsを介しての飛び込みにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇する。そして、ソース電位Vsの変動量(上昇量)ΔVsが大きくなると、閾値補正期間において駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthよりも小さくなる。
このように、駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsを介しての電位の飛び込みによりソース電位Vsが上昇し、ゲート−ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthよりも小さくなると、ゲート−ソース間電圧Vgsを閾値電圧Vthに収束させるための処理が行えなくなる。その結果、表示品質の向上を目的とした閾値補正処理が行えない(破綻する)ことになる。
この閾値補正処理の破綻が、電源電位DSの切り替えに伴って発生する、駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsに起因する不具合である。この不具合を解消すべく為されたのが、以下に説明する本発明の第1,第2実施形態である。
<2.第1実施形態>
(画素回路)
図12は、第1実施形態に係る有機EL表示装置10Aにおける画素20の具体的な回路構成を示す回路図である。図12において、図2と同等部分(対応する部分)には同一符号を付して示し、重複説明は省略する。また、図12には、図面の簡略化のために、ある画素列におけるi−1行目、i行目の画素20i−1,20iを代表して示している。
図12に示すように、本実施形態の場合、有機EL素子21を駆動する駆動回路は、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23および保持容量24に加えて、補助容量26を有する構成となっている。補助容量26は、有機EL素子21の等価容量25の補助として、当該有機EL素子21の容量不足を補う作用を為す。
具体的には、補助容量26は、一端が有機EL素子21のアノード電極(駆動トランジスタ22のソース電極)に、他端が行走査方向における自行よりも前の他行、本例では前段の行に属する電源供給線32(32i−1)にそれぞれ接続されている。ここで、前段の行i−1は、自行iの駆動のときは発光状態にある。
したがって、前段の行i−1に属する電源供給線32i−1の電位DSi−1は変化せずに、高電位Vccpに固定された状態にある。このとき、補助容量26は有機EL素子21のアノード電極と固定電位(Vccp)との間に接続された状態、即ち有機EL素子21の等価容量25に対して並列的に接続された状態にあるために、有機EL素子21の等価容量25の補助として作用する。
(回路動作)
続いて、上記構成の画素20i−1,20iを有する有機EL表示装置10Aの回路動作について、図13のタイミング波形図を用いて説明する。図13のタイミング波形図には、i行目の駆動タイミングを示し、電源供給線32の電位DSとして、i−1行目の電位DSi−1とi行目の電位DSiとを示している。
なお、閾値補正準備期間、閾値補正期間および信号書込み&移動度補正期間における基本的な回路動作については、先述した図4のタイミング波形図に基づく回路動作の場合と同様である。本実施形態に係る有機EL表示装置10Aにおける回路動作の特徴部分は、閾値補正を開始する時刻t13、即ち電源供給線32の電位DSiが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わるときの動作にある。
具体的には、電源供給線32iの電位DSiの低電位Viniから高電位Vccpへの切り替え時に、先述したように、駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsを介しての電位の飛び込みによって駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変動(上昇)する。この電源電位DSiの切り替え時(t13)に、電源供給走査回路50は、前段の行i−1に属する電源供給線32i−1の電位DSi−1を一時的に、高電位Vccpからあらかじめ定められた電圧ΔDSだけ変化させる(下げる)。
ここで、電圧ΔDSだけ下げたときの電源供給線32i−1の電位DSi−1、即ちVccp−ΔDSの電位は、i−1行目の有機EL素子21の発光中の駆動トランジスタ22の飽和領域での動作に対して影響を及ぼさない電位に設定される。すなわち、電圧ΔDSだけ下げたときの電源供給線32i−1の電位DSi−1をあらかじめ定められた電位(Vccp−ΔDS)に設定することで、電位DSi−1の変化がi−1行目の有機EL素子21の発光状態に何ら影響を及ぼさない。
電源供給走査回路50は、電源供給線32i−1の電位DSi−1を電圧ΔDSだけ下げた後、当該電位DSi−1を所定の時定数をもって徐々に(緩やかに)元の高電位Vccpに戻す。その際、電源供給走査回路50は、電源供給線32i−1の電位DSi−1を元の高電位Vccpに戻す動作を、下げた直後に開始するようにしても良いし、一定時間経過後に開始するようにしても良い。
このように、時刻t13のタイミングで電源供給線32i−1の電位DSi−1を一時的に下げることで、その電位変化が補助容量26を介して駆動トランジスタ22のソース電極に飛び込む。この飛び込み(補助容量26を介してのカップリング)により駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化する。このときソース電位Vsが変化する方向は、電源供給線32iの電位DSiの切り替え時に駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsを介しての電位の飛び込みによってソース電位Vsが変化する方向と逆方向となる。
すなわち、電源供給線32i−1の電位DSi−1の変化に伴って補助容量26を介してのカップリングによる電位変化は、電源供給線32iの電位DSiの切り替え時に駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsを介してのカップリングによるソース電位Vsの変化を抑える方向に作用する。これにより、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthよりも小さくなるのが抑えられるため、閾値補正処理に当たって駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsを閾値電圧Vthに収束させる処理を実現できる。
ここで、補助容量26の容量値をCsubとすると、当該補助容量26を介してのカップリングによる飛び込み量(ソース電位Vsの変化量)ΔVjは、次式(4)で与えられる。
ΔVj=ΔDS×{Csub/(Cs+Csub+Coled+Cds)
……(4)
因みに、先述した式(3)は、補助容量26を持たない画素の場合の、電源電圧DSの切り替え時における駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変化量ΔVsである。補助容量26を持つ画素の場合の変化量ΔVsは次式(5)で与えられる。
ΔVs=ΔVds×{Cds/(Cs+Csub+Coled+Cds)
……(5)
上述したように、電源供給線32i−1の電位DSi−1を一時的に電圧ΔDSだけ下げる動作を行うことで、閾値補正処理の開始時(t13)の駆動トランジスタ22のソース電位Vsの最終的な変化量ΔVoはΔVs−ΔVjとなる。そして、最終的な変化量ΔVoがVg−Vth−Vini以下(ΔVo≦Vg−Vth−Vini)であれば、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsを閾値電圧Vthに収束させることができる。
換言すれば、ΔVo(=ΔVs−ΔVj)≦Vg−Vth−Viniなる条件を満足するように、補助容量26の容量値Csubと電源電位DSを一時的に変化させる電圧ΔDSを設定することで、閾値補正処理の動作を正常に行うことができる。先述したように、電源電位DSを一時的に変化させる電圧ΔDSにより、電源電位DSを一時的に変化させるときの電位(Vccp−ΔDS)が決まる。
(電源供給回路)
ところで、電源供給走査回路50は、電源電位DSを一時的に高電位Vccpから電位(Vccp−ΔDS)に変化させるということは、電源電位DSとして高電位Vccp、電位(Vccp−ΔDS)および低電位Viniの3値を設定できるということである。以下では、電位(Vccp−ΔDS)を電位Vmidと呼ぶこととする。
ここで、電源供給線32の電位(電源電位)DSとして、3値の電位Vccp,Vmid,Viniを設定可能な電源供給走査回路50の具体的な構成について説明する。
図14は、3値の電位Vccp,Vmid,Viniを設定可能な電源供給走査回路50の構成の一例を示すブロック図である。
電源供給走査回路50は、シフトレジスタ51と波形整形論理回路52とから構成されている。シフトレジスタ51は、書込み走査回路40(図1参照)による垂直走査に同期して、2つのタイミング信号T1,T2を画素行ごとに出力する。波形整形論理回路52は、2つのタイミング信号T1,T2に基づいて3値の電位Vccp,Vmid,Viniを適宜出力する。
図15は、波形整形論理回路52の構成の一例を示す回路図である。本例に係る波形整形論理回路52は、2つのNAND回路521,522と、2つのインバータ523,524と、2つのPchMOSトランジスタ525,526と、1つのNchMOSトランジスタ527とから構成されている。
NAND回路521は、入力端子in1を介して入力されるタイミング信号T1を一方の入力とし、入力端子in2を介して入力され、インバータ524で論理反転されるタイミング信号T2を他方の入力とする。NANAD回路522は、入力端子in1を介して入力され、インバータ523で論理反転されるタイミング信号T1を一方の入力とし、入力端子in2を介して入力され、インバータ524で論理反転されるタイミング信号T2を他方の入力とする。
PchMOSトランジスタ525は、NAND回路521の出力をゲート入力とし、当該出力がLowレベルのときに導通状態となって電源電位VDD1を高電位Vccpとして出力端子outを通して出力する。PchMOSトランジスタ526は、NAND回路522の出力をゲート入力とし、当該出力がLowレベルのときに導通状態となって電源電位VDD2を電位Vmidとして出力端子outを通して出力する。NchMOSトランジスタ527は、タイミング信号T2をゲート入力とし、当該タイミング信号T2がHighレベルのときに導通状態となって電源電位VSSを低電位Viniとして出力端子outを通して出力する。
図16に、タイミング信号T1,T2のタイミング関係を示す。先述したように、駆動対象である自行をi行とする。i行目では、タイミング信号T1が常時Highレベルの状態にあり、閾値補正準備期間(t11−t13)でタイミング信号T2がHighレベルになる。これにより、NchMOSトランジスタ527が導通状態となるために、電源供給走査回路50から電源電位VSSが低電位Viniとして出力される。
i行目の閾値補正準備期間以外では、タイミング信号T2がLowレベルになる。これにより、PchMOSトランジスタ525が導通状態となるために、電源供給走査回路50から電源電位VDD1が高電位Vccpとして出力される。
一方、自行よりも前の行、本例では前段のi−1行目では、タイミング信号T2が常時Lowレベルの状態にあり、閾値補正の開始時刻t13でタイミング信号T1がHighレベルからLowレベルに遷移することで、PchMOSトランジスタ526が導通状態になる。これにより、電源供給走査回路50から電源電位VDD2が電位Vmid(=Vccp−ΔDS)として出力される。
<3.第2実施形態>
(画素回路)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る画素20は、第1実施形態に係る有機EL表示装置10Aにおける画素20と同じ構成を採っている。すなわち、有機EL素子21を駆動する駆動回路は、駆動トランジスタ22、書込みトランジスタ23および保持容量24に加えて、有機EL素子21の容量不足を補うための補助容量26を有する構成となっている。
補助容量26は、一端が有機EL素子21のアノード電極(駆動トランジスタ22のソース電極)に、他端が行走査方向における自行よりも前の他行、本例では前段の行に属する電源供給線32(32i−1)にそれぞれ接続されている。前にも述べたように、補助容量26は、有機EL素子21のアノード電極と固定電位(Vccp)との間に接続されることで、有機EL素子21の等価容量25の補助として作用する。
ただし、本実施形態に係る有機EL表示装置は、第1実施形態に係る有機EL表示装置10Aのように、電源供給線32の電位DSの高電位Vccpから低電位Viniへの切り替えによって駆動トランジスタ22のソース電位Vsを初期化する構成を採らない。したがって、電源供給線32を駆動する電源供給走査回路50は、電源電位DSとして高電位Vccpと低電位Viniの2値を設定しない。
2値Vccp,Viniを設定しない代わりに、電源供給走査回路50は、自行の閾値補正処理の実行に先立って、行走査方向における自行よりも前の他行、本例では前段の行に属する電源供給線32の電位DSをあらかじめ定められた電位に変化させる。以下に、具体的な回路動作について説明する。
(回路動作)
図17は、第2実施形態に係る有機EL表示装置の回路動作の説明に供するタイミング波形図である。図17において、時刻t22〜時刻t27は、図4の時刻t13〜時刻t18にそれぞれ対応しており、時刻t22以降の閾値補正、信号書込み&移動度補正および発光の各動作については図4に基づいて説明した各動作と同じである。
駆動対象である自行をi行とするとき、i行に属する電源供給線32iの電位DSiの切り替えは行われず、高電位Vccpに固定の状態にある。そして、時刻t21以前は、前のフレームの発光期間となる。この発光期間では、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流Idsが、電源供給線32iから駆動トランジスタ22を通して有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
時刻t21になると、線順次走査の新しいフレーム(現フレーム)に入る。そして、前段の行i−1に属する電源供給線32i−1の電位DSi−1が一時的に高電位Vccpから、あらかじめ定められた電圧ΔDSだけ変化する。具体的には、電源電位DSi−1が高電位Vccpから電圧ΔDSだけ低い電位Vmidに変化する。
ここで、高電位Vccpから電圧ΔDSだけ低い電位Vmid、即ちあらかじめ定められた電位Vmidは、駆動トランジスタ22のソース電位Vsおよびゲート電位Vgの各初期化電位間の電圧を、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vth以上の電圧に設定する電位である。そして、この電位Vmidは、i−1行目の有機EL素子21の発光中の駆動トランジスタ22の飽和領域での動作に対して影響を及ぼさない電位に設定される。これにより、電源供給線32i−1の電位DSi−1の変化がi−1行目の有機EL素子21の発光状態に何ら影響を及ぼさない。
このように、時刻t21で電源供給線32i−1の電位DSi−1を一時的に、あらかじめ定められた電位Vmidに下げる動作を行うことで、その電位変化が補助容量26を介して駆動トランジスタ22のソース電極に飛び込む。
これにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが、補助容量26を介してカップリングを受けて下がる。このソース電位Vsに対するカップリングによる飛び込み量ΔVjは、次式(6)で与えられる。
ΔVj=ΔDS×{Csub/(Cs+Csub+Coled+Cds)
……(6)
ここで、ゲート電位Vgの初期化電位をVofsとするとき、飛び込み量ΔVjがΔVj≧発光期間中のVs−(Vofs−Vth)なる条件を満足するように、補助容量26の容量値Csubと電源電位DSを一時的に変化させる電圧ΔDSを設定する。これにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが、ゲート−ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthよりも大きくなる電位に初期化される。
駆動トランジスタ22のゲート電位Vgの初期化については、時刻t21で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することによって行われる。すなわち、時刻t21では信号出力回路60から信号線33に対して基準電位Vofsが供給されているために、当該基準電位Vofsが書込みトランジスタ23によって駆動トランジスタ22のゲート電極に書き込まれる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが基準電位Vofsに初期化される。
そして、時刻t22で、電源供給線32i−1の電位DSi−1が高電位Vccpに戻るべく、電位Vmidから高電位Vccpに向けて所定の時定数をもって徐々に(緩やかに)上昇する。この電源供給線32i−1の電位DSi−1の制御は電源供給走査回路50によって行われる。
ここでは、電源供給走査回路50は、電源供給線32i−1の電位DSi−1を元の高電位Vccpに戻す動作を、時刻t21から一定時間経過後の時刻22で開始するようにしているが、時刻t21の直後に開始するようにしても良い。
時刻t22で電源供給線32i−1の電位DSi−1が上昇を開始することで、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが初期化電位から、ゲート電位Vgの初期化電位Vofsから閾値電圧Vthを減じた電位に向けて上昇を開始する。この閾値補正処理により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsは最終的に閾値電圧Vthに収束する。
上述したように、自行iの閾値補正処理の実行に先立って、i行よりも前の他行に属する電源供給線32i−1の電位DSi−1をあらかじめ定められた電位Vmidに変化させることで、駆動トランジスタ22のソース電位Vsを初期化できる。すなわち、第1実施形態に係る有機EL表示装置のように、電源供給線32の電位DSを高電位Vccpと低電位Viniで切り替えなくても、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの初期化を実現できる。
そして、電源供給線32の電位DSの切り替えを行わないことで、駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsを介してのカップリングによる電位の飛び込は発生しない。したがって、当該カップリングによる駆動トランジスタ22のソース電位Vsの変化は発生しないために、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthよりも小さくなることはない。
また、電源供給線32の電位DSを低電位Viniに設定しないことで、有機EL素子21に逆バイアスが印加されるストレス時間を極限まで短くすることができるために、有機EL素子21の特性の経時劣化や滅点になることを防ぐことができる。
ただし、電源供給線32の電位DSの切り替えを行わないことで、第1実施形態の場合のように有機EL素子21の発光期間と非発光期間の割合、即ちデューティを制御することはできなくなる。その反面、有機EL素子21の発光期間を、デューティ制御を行なう場合よりも長く設定できる利点がある。
<4.変形例>
上記実施形態では、有機EL素子21の駆動回路が、基本的に、駆動トランジスタ22および書込みトランジスタ23の2つのトランジスタからなる画素構成の場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの画素構成への適用に限られるものではない。例えば、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgの初期化電位となる基準電位Vofsを専用に書き込むスイッチングトランジスタを有するなど、種々の画素構成のものが考えられる。
また、上記実施形態では、画素20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではない。具体的には、本発明は、無機EL素子、LED素子、半導体レーザー素子など、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子(発光素子)を用いた表示装置全般に対して適用可能である。
<5.適用例>
以上説明した本発明による表示装置は、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。一例として、図18〜図22に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなどの表示装置に適用することが可能である。
このように、あらゆる分野の電子機器の表示装置として本発明による表示装置を用いることにより、各種の電子機器における表示画像の画質を改善できる。すなわち、先述した各実施形態の説明から明らかなように、本発明による表示装置は、電源供給線32の電位DSの切り替えの際に駆動トランジスタ22の寄生容量Cdsを介してのカップリングによるソース電位Vsの変化を抑えて、閾値補正処理を正確に行うことができる。したがって、本発明による表示装置を用いることで、各種の電子機器において高品質な表示画像を提供できる。
本発明による表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部が貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。なお、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以下に、本発明が適用される電子機器の具体例について説明する。
図18は、本発明が適用されるテレビジョンセットの外観を示す斜視図である。本適用例に係るテレビジョンセットは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明による表示装置を用いることにより作成される。
図19は、本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図20は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図21は、本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図22は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す外観図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここではヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含んでいる。そして、ディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明による表示装置を用いることにより本適用例に係る携帯電話機が作製される。
10,10A…有機EL表示装置、20(20i−1,20i)…画素、21…有機EL素子、22…駆動トランジスタ、23…書込みトランジスタ、24…保持容量、25…有機EL素子の等価容量、26…保持容量、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…電源供給線、33(33−1〜33−n)…信号線、34…共通電源供給線、40…書込み走査回路、50…電源供給走査回路、60…信号出力回路、70…表示パネル

Claims (13)

  1. 電気光学素子と、
    映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
    前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
    ソース電極が前記電気光学素子に、ドレイン電極が行ごとに配線された電源供給線にそれぞれ接続され、前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタと、
    一端が前記電気光学素子のアノード電極に、他端が行走査方向における自行よりも前の他行に属する前記電源供給線にそれぞれ接続された補助容量とを有し、
    前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位をその初期化電位から変化させる閾値補正処理の機能を持つ
    画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
    自行の前記閾値補正処理の実行に先立って、前記他行に属する前記電源供給線の電位をあらかじめ定められた電位に変化させる電源供給走査部と
    を備える表示装置。
  2. 前記駆動トランジスタは、チャネル領域のゲート電極と反対側を、ソース領域と電気的に接続されたシールド材でシールドしたソースシールド構造となっている
    請求項1記載の表示装置。
  3. 前記電源供給走査部は、自行の前記閾値補正処理に当たって自行に属する前記電源供給線の電源電位を、前記電気光学素子を発光駆動する第1の電位から前記電気光学素子に対して逆バイアスを掛ける第2の電源電位に変化させ、しかる後再度前記第1の電源電位に変化させるときに、前記他行に属する前記電源供給線の電位を前記あらかじめ定められた電位に変化させる
    請求項1記載の表示装置。
  4. 前記電源供給走査部は、自行に属する前記電源供給線の電源電位を前記第1の電源電位から前記第2の電源電位に変化させるタイミングによって自行に属する前記電気光学素子の発光期間を設定する
    請求項3記載の表示装置。
  5. 前記第2の電源電位は、前記駆動トランジスタのソース電位の初期化電位である
    請求項4記載の表示装置。
  6. 前記あらかじめ定められた電位は、前記他行に属する前記電気光学素子の発光中の前記駆動トランジスタの飽和領域での動作に対して影響を及ぼさない電位である
    請求項4記載の表示装置。
  7. 前記第2の電源電位から前記第1の電源電位への切り替え時に前記駆動トランジスタの寄生容量を介してのカップリングにより当該駆動トランジスタのソース電位が変化する変化量をΔVs、前記他行に属する前記電源供給線の電位の前記あらかじめ定められた電位への変化時に前記補助容量を介してのカップリングにより前記駆動トランジスタのソース電位が変化する変化量をΔVj、前記駆動トランジスタのゲート電位をVg、当該駆動トランジスタの閾値電圧をVth、前記第2電源電位をViniとするとき、
    ΔVs−ΔVj≦Vg−Vth−Vini
    なる条件を満足するように、前記補助容量の容量値および前記あらかじめ定められた電位が設定される
    請求項6記載の表示装置。
  8. 前記電源供給走査部は、自行の前記閾値補正処理の実行に先立って、前記他行に属する前記電源供給線の電位を前記あらかじめ定められた電位に変化させることで、前記駆動トランジスタのソース電位を初期化する
    請求項1記載の表示装置。
  9. 前記あらかじめ定められた電位は、前記駆動トランジスタのソース電位およびゲート電位の各初期化電位間の電圧を、前記駆動トランジスタの閾値電圧以上の電圧に設定する電位である
    請求項8記載の表示装置。
  10. 前記あらかじめ定められた電位は、前記他行に属する前記電気光学素子の発光中の前記駆動トランジスタの飽和領域での動作に対して影響を及ぼさない電位である
    請求項9記載の表示装置。
  11. 前記他行に属する前記電源供給線の電位の前記あらかじめ定められた電位への変化時に前記補助容量を介してのカップリングにより前記駆動トランジスタのソース電位が変化する変化量をΔVj、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位をVofs、当該駆動トランジスタの閾値電圧をVth、発光期間中のソース電位をVsとするとき、
    Vofs−Vth≧Vs−ΔVj
    なる条件を満足するように、前記補助容量の容量値および前記あらかじめ定められた電位が設定される
    請求項10記載の表示装置。
  12. 電気光学素子と、
    映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
    前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
    ソース電極が前記電気光学素子に、ドレイン電極が行ごとに配線された電源供給線にそれぞれ接続され、前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタと、
    一端が前記電気光学素子のアノード電極に、他端が行走査方向における自行よりも前の他行に属する前記電源供給線にそれぞれ接続された補助容量とを有し、
    前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位をその初期化電位から変化させる閾値補正処理の機能を持つ
    画素が行列状に配置されてなる表示装置の駆動に当たって、
    自行の前記閾値補正処理の実行に先立って、前記他行に属する前記電源供給線の電位をあらかじめ定められた電位に変化させる
    表示装置の駆動方法。
  13. 電気光学素子と、
    映像信号を書き込む書込みトランジスタと、
    前記書込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、
    ソース電極が前記電気光学素子に、ドレイン電極が行ごとに配線された電源供給線にそれぞれ接続され、前記保持容量に保持された前記映像信号に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタと、
    一端が前記電気光学素子のアノード電極に、他端が行走査方向における自行よりも前の他行に属する前記電源供給線にそれぞれ接続された補助容量とを有し、
    前記電気光学素子の発光駆動に先立って、前記駆動トランジスタのゲート電位の初期化電位を基準として当該初期化電位から前記駆動トランジスタの閾値電圧を減じた電位に向けてソース電位をその初期化電位から変化させる閾値補正処理の機能を持つ
    画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
    自行の前記閾値補正処理の実行に先立って、前記他行に属する前記電源供給線の電位をあらかじめ定められた電位に変化させる電源供給走査部と
    を備える表示装置を有する電子機器。
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