JP2011001825A - ターボ分子ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】熱膨張による固定翼の座屈変形、およびその変形による固定翼と回転翼との接触を防止することができるターボ分子ポンプの提供。
【解決手段】固定翼33を軸方向上下から挟持する一対のスペーサリング35は、挟持状態において固定翼33の外周縁部が挿入されるリング状の溝350を形成し、外周縁部の外周端と該外周端に対向する溝350の底面との間の隙間寸法が、固定翼33の熱膨張による外周端の底面方向への移動量Δよりも大きく設定されているので、固定翼33が熱膨張したときの座屈を防止できる。
【選択図】図3
【解決手段】固定翼33を軸方向上下から挟持する一対のスペーサリング35は、挟持状態において固定翼33の外周縁部が挿入されるリング状の溝350を形成し、外周縁部の外周端と該外周端に対向する溝350の底面との間の隙間寸法が、固定翼33の熱膨張による外周端の底面方向への移動量Δよりも大きく設定されているので、固定翼33が熱膨張したときの座屈を防止できる。
【選択図】図3
Description
本発明は、真空排気に用いられるターボ分子ポンプに関する。
ターボ分子ポンプは、固定翼に対して回転翼を高速回転させることにより、気体の排気を行っている。固定翼および回転翼は、ポンプ軸方向に沿って、交互に複数段配置されている。複数段の固定翼は、リング状のスペーサリングにより把持され、軸方向および径方向に関して位置決めされている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ターボ分子ポンプの使用状況によっては、回転翼および固定翼の温度が100℃を超える場合がある。そのような温度条件下においては、固定翼が膨張する。従来は、スペーサリングで固定翼を挟持する際に、固定翼の外周端をスペーサリングの内周面に当接させるようにして、径方向の位置決めを行うようにしているので、固定翼の外周方向への膨張変形が制限され、固定翼の内周側が軸方向に座屈するように変形する場合がある。その結果、変形した固定翼が回転翼と接触するおそれがあった。
本発明によるターボ分子ポンプは、軸方向に複数段の回転翼が形成された回転体と、複数段の各回転翼に対して、軸方向に交互に配置される固定翼と、軸方向上下から固定翼の外周縁部を挟持して位置決めする複数のスペーサリングとを備え、固定翼を軸方向上下から挟持する一対のスペーサリングは、挟持状態において固定翼の外周縁部が挿入されるリング状の溝を形成し、外周縁部の外周端と該外周端に対向する溝の底面との間の隙間寸法が、固定翼の熱膨張による外周端の底面方向への移動量よりも大きく設定されていることを特徴とする。
さらに、スペーサリングの固定翼対向部に形成された第1の係合部と、固定翼のスペーサリング対向部に形成され、第1の係合部の外周側と係合する第2の係合部とを備えるようにしても良い。
また、固定翼をアルミ合金で形成し、スペーサリングをステンレスで形成するようにしても良い。
さらに、スペーサリングの固定翼対向部に形成された第1の係合部と、固定翼のスペーサリング対向部に形成され、第1の係合部の外周側と係合する第2の係合部とを備えるようにしても良い。
また、固定翼をアルミ合金で形成し、スペーサリングをステンレスで形成するようにしても良い。
本発明によれば、熱膨張による固定翼の座屈変形、およびその変形による固定翼と回転翼との接触を防止することができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明によるターボ分子ポンプ1の概略構成を示す断面図である。ポンプケーシング34内にはロータ30が回転自在に設けられている。図1に示したターボ分子ポンプ1は磁気軸受式のポンプであり、ロータ30は、5軸磁気軸受を構成する電磁石37,38によって非接触支持される。磁気軸受によって磁気浮上されたロータ30は、モータ36により高速回転駆動される。
ロータ30には、複数段の回転翼32と円筒状のネジロータ31とが形成されている。一方、固定側には、軸方向に対して回転翼32と交互に配置された複数段の固定翼33と、ネジロータ31の外周側に設けられたネジステータ39が設けられている。各固定翼33は、それぞれ一対のスペーサリング35によって軸方向上下から挟持されるように積層され、ベース40上に載置されている。吸気口フランジ21が形成されたポンプケーシング34をベース40に固定すると、積層されたスペーサリング35がベース40とポンプケーシング34との間に挟持され、各固定翼33が位置決めされる。
ベース40には排気ポート41が設けられ、この排気ポート41にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させつつモータ36により高速回転駆動することにより、吸気口21a側の気体分子は排気ポート41側へと排気される。
図2,3は固定翼とスペーサリングとの関係を説明する図である。図2は、固定翼33とスペーサリング35とを回転軸方向に沿って見た平面図である。リング状のスペーサリング35は、内周寸法が回転翼32の外周寸法よりも大きく設定されており、組み立て時にはロータ上方から軸方向に装着する。一方、固定翼33は、上下の回転翼32の間に外周方向から挿入するように配置するため、半リング状の分割固定翼33a,33bで構成されている。
各分割固定翼33a,33bは、内周側リブ部331と外周側リブ部332との間に複数のブレード330が形成されている。本実施の形態では、内周側および外周側の両方にリブ部を設けているが、内周側のみ、または、外周側のみにリブ部を形成するような構成であっても構わない。また、本実施の形態では、ダイキャスト法により固定翼33を形成しているが、切削加工のものや、板材をプレスまたはエッチング加工した後に、曲げ加工により翼角度を形成して製作された固定翼にも、本発明は同様に適用することができる。
図2に示すように、スペーサリング35は、固定翼33の外周部分を挟持している。図3は、一対のスペーサリング35によって挟持された固定翼33を示す断面図である。スペーサリング35の断面形状は略L字形状をしており、上下に重ねたスペーサリング35の、上側のスペーサリング35の下端部分と下側のスペーサリング35の上端部分とは、嵌め合い構造になっている。一対のスペーサリング35で固定翼33を上下から挟むようにすると、スペーサリング35によってリング状の溝350が形成され、この溝350内に固定翼33の外縁部(外側リブ部332)を挿入するようにして挟持する。
固定翼33の外形寸法をD1、溝350の底面の径寸法をD2とすると、本実施の形態では「D2>D1+Δ」のように設定されている。ここで、Δは、固定翼33の熱膨張による外周方向への膨張量である。そのため、常温時には、図3に示すように溝350内に膨張スペースSが形成されている。なお、膨張量Δは、実際には、スペーサリング35の熱膨張も考慮した膨張量である。
図4は、固定翼33が熱膨張した場合を、従来のターボ分子ポンプの場合と比較して示した図であり、(a)は本実施の形態の場合を示し、(b)は従来の場合を示す。図4(b)の従来のターボ分子ポンプでは、固定翼33の外周端部が、スペーサリング35の内周面に接触するような構成であった。そのため、温度上昇時における固定翼33の外周方向への膨張が制限され、スペーサリング35によって挟持されていない固定翼内周側が、図4(b)の一点差線で示すように軸方向上下に座屈するように変形する。その結果、変形した固定翼33が、高速回転している回転翼32に接触するおそれがあった。
一方、本実施の形態では、図4(a)に示すように固定翼33の外周側に膨張スペースSが形成されているため、固定翼33の外周方向への膨張が制限されることがない。そのため、従来のように、熱膨張時に固定翼33の内周部分が軸方向に座屈変形するのを防止することができる。
図5は、本実施の形態の変形例を示す図である。図5において(a)は図3と同様の断面図であり、(b)は符号Cで示す部分を拡大して示したものである。上述した、図3に示した構造の場合、固定翼33とスペーサリング35との間に膨張スペースSが形成されるための、組み立て時に固定翼33が横方向にずれないように、慎重に組み立てを行う必要がある。なお、組み立て後は、固定翼33は上下のスペーサリング35によって挟持されるので、横方向にずれる心配はない。
そこで、図5に示す変形例では、固定翼組み付け時のこのような横ズレを防止できるような構造とした。一例として、図5(b)に示すように、スペーサリング35の上面と固定翼33の下面との間に、固定翼33の横方向の移動を禁止する係合部(333,351)を形成した。固定翼33(外周側リブ部332)の下面には、リング状の突起333が形成されている。一方、スペーサリング35の上面にはリング状の突起351が形成されている。突起333の内周面と突起351の外周面とが接触することにより、固定翼33の横ズレを防止している。なお、突起333の内周面と突起351の外周面とが接触する構造なので、固定翼33の外周方向への熱膨張に影響を及ぼすことはない。
図5は係合構造の一例を示したものであり、固定翼33と上側のスペーサリング35との間に係合部が形成されていても良く、突起もリング状でなくても構わない。また、固定翼33およびスペーサリング35のいずれか一方にピンを設け、他方にピンの突出している部分が入る穴を形成して係合させるようにしても良い。
なお、図1に示す最上段の固定翼33の上側のスペーサリング35を、ポンプケーシング34と一体で形成する構造のターボ分子ポンプもあるが、そのような場合には、ポンプケーシング側のスペーサリングに相当する部分の構造を、本実施の形態のような構造とする。
近年は、より高速排気性能が求められており、この要求に応えるために回転体の高速回転化が進んでいる。一方、回転体の高速回転化に比例して、万が一の事故により回転体が破壊したとき破壊トルクはより大きくなる。そのため、そのような破壊に備えて、スペーサリング35をステンレスで構成する場合があるが、その場合には、ステンレスの膨張係数が固定翼33を構成するアルミ合金よりも小さいため、上述した膨張による変形がより顕著になる。そのような場合においても、本実施の形態のように膨張スペースSを設けることで、固定翼33の座屈と、座屈による固定翼33と回転翼32との接触を確実に防止することができる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、磁気軸受式でないターボ分子ポンプにも適用可能である。
1:ターボ分子ポンプ、30:ロータ、32:回転翼、33:固定翼、35:スペーサリング、50:溝、330:ブレード、331:内周側リブ部、332:外周側リブ部、333、351:突起
Claims (3)
- 軸方向に複数段の回転翼が形成された回転体と、
前記複数段の各回転翼に対して、軸方向に交互に配置される固定翼と、
軸方向上下から前記固定翼の外周縁部を挟持して位置決めする複数のスペーサリングとを備え、
前記固定翼を軸方向上下から挟持する一対の前記スペーサリングは、挟持状態において前記固定翼の外周縁部が挿入されるリング状の溝を形成し、前記外周縁部の外周端と該外周端に対向する前記溝の底面との間の隙間寸法が、前記固定翼の熱膨張による前記外周端の前記底面方向への移動量よりも大きく設定されていることを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記スペーサリングの固定翼対向部に形成された第1の係合部と、
前記固定翼のスペーサリング対向部に形成され、前記第1の係合部の外周側と係合する第2の係合部とを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
前記固定翼はアルミ合金で形成され、前記スペーサリングはステンレスで形成されていることを特徴とするターボ分子ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009143041A JP2011001825A (ja) | 2009-06-16 | 2009-06-16 | ターボ分子ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009143041A JP2011001825A (ja) | 2009-06-16 | 2009-06-16 | ターボ分子ポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011001825A true JP2011001825A (ja) | 2011-01-06 |
Family
ID=43559995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009143041A Pending JP2011001825A (ja) | 2009-06-16 | 2009-06-16 | ターボ分子ポンプ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2011001825A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015132259A (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-23 | プファイファー・ヴァキューム・ゲーエムベーハー | ステータディスク |
-
2009
- 2009-06-16 JP JP2009143041A patent/JP2011001825A/ja active Pending
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JP2015132259A (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-23 | プファイファー・ヴァキューム・ゲーエムベーハー | ステータディスク |
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