JP2011001006A - 斜張ワイヤーの取り付け構造および該構造を有する車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】斜張ワイヤーを効率的に車両用シートのサイドフレームに取り付け可能である斜張ワイヤーの取り付け構造および該構造を有する車両用シートを提供する。
【解決手段】斜張ワイヤー110は、第1取り付け部および第2取り付け部を通じてサイドフレーム118に取り付けられ、該第1取り付け部および第2取り付け部の少なくとも一方は、サイドプレートに向かって押圧される被押圧面254を備え、さらに、ピン204、ナット206、スぺーサ210、傾斜面252を備えたスラントブロック214を有し、前記取り付け部は、前記傾斜面252に案内される被案内面を前記被押圧面254の反対側に備え、さらに、一方の面232が、前記被押圧面254に当接する第1当接面264、他方の面が、前記ヘッド部220に当接する第2当接面266を形成し、前記ピン204のシャンク部208が貫通可能な貫通孔217を備えたプッシュプレート218とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、斜張ワイヤーの取り付け構造および該構造を有する車両用シートに関し、より詳細には、斜張ワイヤーを効率的に車両用シートのフレーム構造に取り付け可能である斜張ワイヤーの取り付け構造および該構造を有する車両用シートに関する。
本発明者は、特願2008−270003号において、斜張ワイヤーを備えた車両用シートのバックシートフレーム構造および該構造を有する車両用シートを提案した。
この斜張ワイヤーを備えた車両用シートのバックシートフレーム構造は、クッションシートフレーム構造に対して傾動可能となるように、下端部が該クッションシートフレーム構造の後端部に連結されたバックシートフレーム構造を有し、バックシートフレーム構造は、それぞれ上下方向に延設する一対のサイドフレームを有し、上端が一対のサイドフレームの側部で、下端がバックシートフレーム構造の回転中心より車両の前部側で、バックシートフレーム構造にそれぞれ固定され、かつ車両後方側への荷重がバックシートフレーム構造に負荷されたときに、該荷重に基づいてバックシートフレーム構造に対して作用するモーメントを軽減するようにバックシートフレーム構造に対して引張力を作用する一方、外部圧縮力に対して抗しない特性を有する斜張ワイヤーが、一対のサイドフレームの少なくとも一方の側部に設けられている。
より詳細には、プーリーが、一対のサイドフレームの少なくとも一方の側部およびバックシートフレーム構造にそれぞれ設けられ、斜張ワイヤーは、無端状とされ、両プーリー間に掛け渡され、斜張ワイヤーに、ワイヤーの長さ調整手段が設けられ、この長さ調整手段は、ボルト-ナット機構からなり、ボルトのナットに対するねじ込み量を調整することにより、ワイヤーの長さを調整するようにしている。
このような構成によれば、車両前方側に負荷される衝撃荷重による曲げモーメントに耐えるような一対のサイドフレームの断面係数を設定して、断面形状を決定しておき、車両後方側にそれにより大きな衝撃荷重が負荷されるときには、このような衝撃荷重に基づいてバックシートフレーム構造に作用する曲げモーメントを軽減するように、ボルトのナットに対するねじ込み量の調整を通じて、斜張ワイヤーからバックシートフレーム構造に対して引張力が作用するように斜張ワイヤーを位置決めすることにより、車両前方側への衝撃荷重と車両後方側への衝撃荷重との差分を斜張ワイヤーに負担させることが可能であり、従来のように車両後方側への衝撃荷重に対して耐えるように一対のサイドフレームの断面形状を決定することが不要となるので、斜張ワイヤーにより必要な強度あるいは剛性を担保しつつ、一対のサイドフレームの重量を低減することが可能となる。
しかしながら、このような斜張ワイヤーをサイドフレームに設けるに際し、以下のような技術的問題点が引き起こされる。
すなわち、斜張ワイヤーをサイドフレームに効率的に取り付けるのが困難である。より具体的には、斜張ワイヤーをサイドフレームに取り付ける際、ボルトのナットに対するねじ込み量を抑えた状態で、無端状の斜張ワイヤーを一対のプーリーに掛け渡し、その後にボルトのナットに対するねじ込み量を増大して、斜張ワイヤーの長さを短くすることにより、斜張ワイヤーに弛みが生じないようにサイドフレームに取り付けることが可能である。
しかしながら、ボルトのナットに対するねじ込み量を調節するのに、たとえば六角レンチを用いて斜張ワイヤーの延び方向を中心としてナットを回転させる必要があるところ、斜張ワイヤーがサイドフレームに取り付けられることから、サイドフレームが邪魔となって、六角レンチを斜張ワイヤーの延び方向を中心に制約なく360度回転させることができず、六角レンチによるナットの支持面をそのつど交換しながら、ナットを締め付けざるを得ず、斜張ワイヤーのサイドフレームに対する取り付けを効率的に行うことが困難であった。
さらに、斜張ワイヤーのサイドフレームに対する取り付け後、斜張ワイヤーに生じる初期張力をボルトのナットに対するねじ込み量を調節する場合も同様な問題が引き起こされる。
以上の技術的問題点は、特願2008−号において別途提案した、斜張ワイヤーを備えた車両用シートのクッションシートフレーム構造および該構造を有する車両用シートの場合にも、そのまま当てはまり、斜張ワイヤーのクッションシートフレーム構造のサイドフレームに対する効率的な取り付け、あるいは取り付けた斜張ワイヤーの簡便な初期張力の調節が、同様に困難であった。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、以上の技術的問題点に鑑み、斜張ワイヤーを効率的に車両用シートのサイドフレームに取り付け可能である斜張ワイヤーの取り付け構造および該構造を有する車両用シートを提供することにある。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、車両用シートのサイドフレームに取り付けた斜張ワイヤーに生じる初期張力を簡便に調整可能である斜張ワイヤーの取り付け構造および該構造を有する車両用シートを提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明に係る斜張ワイヤーの取り付け構造は、
車両用シートのサイドフレームに取り付けられる斜張ワイヤーの取り付け構造であって、
斜張ワイヤーは、一端に設けられた第1取り付け部と、他端に設けられた第2取り付け部とを有し、該第1取り付け部および第2取り付け部を通じて斜張ワイヤーがサイドフレームに取り付けられ、該第1取り付け部および第2取り付け部の少なくとも一方は、サイドプレートに向かって押圧される被押圧面を備え、
さらに、ヘッド部と、先端部が螺子切られたシャンク部とを有するピンと、
車両用シートのサイドフレームに設けられた非円形開口を貫通した状態の該ピンに螺合可能なナットと、
プレート部と、プレート部の一方の面から突出し、サイドフレームに設けられた非円形開口に内嵌する嵌合部とを有するスぺーサであって、該嵌合部および該プレート部を貫通し、前記ピンのシャンク部が貫通可能な貫通孔を備えたスぺーサとを有し、
該プレート部は、前記嵌合部を非円形開口に内嵌する際、前記一方の面に、サイドフレームに当接する肩部が前記嵌合部のまわりに形成されるとともに、サイドフレームの延び方向に沿う向きに方向付けられた縁部を有し、
さらに、端面に、前記スぺーサの前記プレート部が嵌る凹部を備え、端面を囲む周側面に、前記取り付け部を案内するための案内面を備え、前記凹部に連通し、前記ピンのシャンク部が貫通可能な貫通孔を有するスラントブロックであって、該案内面は、前記端面に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面を備えたスラントブロックを有し、
前記被押圧面を備えた前記取り付け部は、前記スラントブロックの前記傾斜面に案内される被案内面を前記被押圧面の反対側に備え、
さらに、一方の面が、前記被押圧面に当接する第1当接面を形成し、他方の面が、前記ヘッド部または前記ナットに当接する第2当接面を形成し、前記ピンのシャンク部が貫通可能な貫通孔を備えたプッシュプレートと、
を有する構成としている。
以上の構成を有する斜張ワイヤーの取り付け構造によれば、スぺーサのプレート部と嵌合部との間に形成される肩部がサイドフレームに当接するように、スぺーサの嵌合部をサイドフレームの非円形開口に内嵌させ、スぺーサのプレート部をスラントブロックの端面に設けられた凹部に嵌め込むことにより、スラントブロックは、スぺーサを通じてサイドフレームに対して回転不能に固定されるとともに、プレート部の縁部がサイドフレームの延び方向に沿う向きに方向付けられることから、スラントブロックの案内面において、端面に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面は、サイドフレームの延び方向に向き、サイドフレームに近づくにつれて下方に傾斜するように位置決めされる。
この状態で、第1取り付け部あるいは第2取り付け部を通じて車両用シートに固定した斜張ワイヤーの他方の取り付け部の被案内面をスラントブロックの案内面に当接させて、プッシュプレートの第1当接面を取り付け部の被押圧面に当接させ、サイドフレーム、スぺーサ、スラントブロック、およびプッシュプレートそれぞれの貫通穴にピンを通して、シャンク部の先端と螺合するナットを締め付け方向に回すことにより、ピンがサイドフレームに向かって移動し、それによりヘッド部またはナットにより第2当接面を通じてプッシュプレートもサイドフレームに向かって押圧され、その結果、プッシュプレートの第1当接面により、取り付け部の被押圧面がサイドフレームに向かって押圧されて、取り付け部の被案内面がスランクブロックの傾斜面に沿って案内されながら移動し、それにより斜張ワイヤーがサイドプレートの延び方向に沿って斜張ワイヤーを緊張させる向きに移動する。
以上より、単にナットを締め付け方向に回すことにより、斜張ワイヤーを効率的に車両用シートのサイドフレームに取り付け可能であり、さらにナットの締め付け量を調整することにより、斜張ワイヤーに発生する初期張力を簡便に所望値に調整することが可能である。
また、前記案内面は、前記端面に対して直立し、かつ互いに略平行な2つの直立面と、2つの直立面の間に介在する傾斜面とを有し、前記取り付け部の前記凹部は、前記2つの直立面それぞれに当接し、互いに対向する当接面を有し、前記取り付け部は、前記2つの当接面それぞれが、対応する前記直立面に当接しながら、前記被案内面が前記傾斜面に沿って案内されるのがよい。
さらに、前記斜張ワイヤーは、ループ状であり、前記被押圧面を備えた取り付け部は、斜張ワイヤーが掛け渡される外周部と、該外周部に対してほぼ直交する方向に貫通するとともに、該外周部が設けられていない側で開放された凹部とを有するプーリーであり、該凹部は、前記スラントブロックの前記傾斜面に案内される被案内面を備えるのでもよい。
さらにまた、他方の前記取り付け部は、斜張ワイヤーが掛け渡される外周部を有するプーリであるのでもよい。
加えて、前記斜張ワイヤーは、紐状であり、
前記取り付け部は、リングであり、前記プッシュプレートは、一方の面に、前記リングの開口に内嵌する環状の突出部を前記プッシュプレートの前記貫通穴まわりに有し、
前記プッシュプレートの前記貫通穴を構成する内周面が、前記被案内面を形成するのでもよい。
さらに、前記プッシュプレートの前記貫通部は、矩形状であり、前記内周面は、互いに対向する一対の対向面を2組有し、いずれか一対の対向面の一方の面が、前記被案内面を形成するのがよい。
さらにまた、他方の前記取り付け部は、サイドフレームを貫通するピンにより固定されるリングであるのがよい。
加えて、前記斜張ワイヤーは、車両用シートのバックシートのサイドフレームの外側面に設けられ、前記非円形開口は、該サイドフレームの該側面に設けられるのでもよい。
さらに、前記斜張ワイヤーは、車両用シートのクッションシートのサイドフレームの外側面に設けられ、前記非円形開口は、該サイドフレームの該側面に設けられるのでもよい。
さらにまた、クッションシートフレーム構造とバックシートフレーム構造との間に、車両用リクライナーが設けられ、バックシートがクッションシートに対して傾動可能とされ、該車両用リクライナーは、
クッションシートに固定されるベース部材と、
該ベース部材に回動可能に支持され、かつバックシートに固定された回動アームと、
前記ベース部材および前記回動アーム間に介装され、前記ベース部材に形成された凹部側壁により進退自在に案内され、かつ先端に外歯を形成した摺動係止部材と、
前記回動アームに形成した内歯に噛合する係止位置と、内歯から離間する係止解除位置との間で該摺動係止部材を移動させる回動可能なカムと、
該カムを回動させる操作レバーとを有し、
前記回動アームは、内部に円形開口を有する、所定板厚の環状リングからなり、
該環状リングの内周面に沿って前記内歯が設けられ、該環状リングの外周面には、バックシートに固定する複数の取付ブラケット部が設けられ、
さらに、前記ベース部材と反対側から前記円形開口を塞ぐ蓋板を有し、
前記蓋板の板厚は、前記環状リングの板厚より薄く、
前記ベース部材は、所定の板厚を有する円形板材で、前記ベース部材の中心部に設けられ、前記操作レバーの枢軸が貫通する貫通穴を備えたブラケット部を有し、
さらに、前記ベース部材の板厚より薄いべース部材ブラケットを前記回動アームと反対側に有し、
該べース部材ブラケットには、クッションシートに固定するための取り付け部が設けられ、
前記斜張ワイヤーの一方の端が、前記斜張ワイヤーの前記取り付け部を通じて、前記ベース部材ブラケットの前記取り付け部に固定されるのがよい。
さらに、前記斜張ワイヤーは、金属製ワイヤーあるいはCFRP製ワイヤーからなるのがよい。
上記課題を達成するために、本発明に係る車両用シートは、
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造が設けられた前記車両用シートのクッションシートフレーム構造全体を覆うように設けられたパッドと、前記車両用シートのクッションシートフレーム構造および該パッド全体を覆うように設けられた袋状の表皮とを有する構成としている。
このような構成の車両用シートによれば、このような構成の車両用シートのバックシートフレーム構造に対してパッドをあてがうことにより車両用シートとして完成する場合、斜張ワイヤー自体をパッドの中に埋設させることで、車両用シートの外観を損なうことが防止される。
本発明に係る斜張ワイヤーの取り付け構造によれば、サイドフレームに対して、スぺーサ、スラントブランク、およびプッシュプレートをこの順に整列させた状態で、プーリーをスラントブランクの傾斜面により案内可能とし、車両用シートのサイドフレームおよびスぺーサ、スラントブランク、およびプッシュプレートそれぞれの貫通孔にピンを通してナットをピンに螺合させることにより、単にナットを締め付け方向に回すことにより、斜張ワイヤーを効率的に車両用シートのサイドフレームに取り付け可能であり、さらにナットの締め付け量を調整することにより、斜張ワイヤーに発生する初期張力を簡便に所望値に調整することが可能である。
本発明に係る車両用シートによれば、このような構成の車両用シートのフレーム構造に対してパッドをあてがうことにより車両用シートとして完成する場合、斜張ワイヤー自体をパッドの中に埋設させることで、車両用シートの外観を損なうことが防止される。
本発明に係る車両用シートの実施形態を図面を参照しながら、自動車のフロントシートに適用される場合を例として、以下に詳細に説明する。
図1および図2に示すように、本発明に係る車両用シート100は、車室フロアに固定され、後に説明する斜張ワイヤー102A,Bを有するクッションシートフレーム構造部104と、下端部106がクッションシートフレーム構造部104の後端部108に対して傾動可能に連結され、後に説明する斜張ワイヤー110A,Bを有するバックシートフレーム構造部112と、バックシートフレーム構造部112とクッションシートフレーム構造部104との間に介在するリクライナー構造部114とを有する車両用シートフレーム構造と、車両用シートフレーム構造全体を覆うように設けられたパッド(図示せず)と、車両用シートのフレーム構造および該パッド全体を覆うように設けられた袋状の表皮(図示せず)とを有する。図1には、回転軸線X−Xを示す。なお、図1において、車両の前方は、図中右側であり、図2において、車両の前方は、図中左側である。
バックシートフレーム構造部112について説明すれば、バックシートフレーム構造部112は、全体として逆U字状をなし、それぞれ上下方向に延びる一対のサイドフレーム118A,Bと、一対のサイドフレーム118A,Bの各々の上端同士を掛け渡すアッパーフレーム120とを有する。
図3に示すように、一対のサイドフレーム118A,Bの各々は、外郭形状を構成する車両の前後方向に有幅の主側面部122と、主側面部122の前後縁より内方に立ち上がる張り出しフランジ部123A,Bとが断面内向きのコ字形状に形成されている。
逆U字状のバックシートフレーム構造部112の内部に形成される開口部には、フラットマット124が張設され、一対のサイドフレーム118A,Bの上部同士を連結するアッパーメンバー125、一対のサイドフレーム118A,Bの下部同士を連結するロアメンバー127が設けられ、さらに、アッパーフレーム120には、ヘッドレスト(図示せず)取り付け用部材129が付設されている。アッパーフレーム120の両下端部は、一対のサイドフレーム118A,Bと同様に、コ字断面に形成され、それぞれ一対のサイドフレーム118A,Bの上部に嵌合して連結されるようにしてある。
斜張ワイヤー110A,Bについて説明すれば、斜張ワイヤー110A,Bは、一対のサイドフレーム118A,Bの各々の主側面部122に付設されている。いずれの斜張ワイヤー102A,Bも同様な構造であるので、その1つについて、以下に説明する。
斜張ワイヤー110の上端は、一対のサイドフレーム118の側部で、下端がバックシートフレーム構造部112の回転中心より車両の前部側で、バックシートフレーム構造112にそれぞれ固定されて、斜めに張設されている。斜めの角度は、想定される衝撃荷重等に応じて適宜設定すればよい。
より詳細には、斜張ワイヤー110の上端は、一対のサイドフレーム118の上端とアッパーフレーム120との嵌合重なり部126に設けられ、一方斜張ワイヤー110の下端は、後に説明するリクライナー構造部114のブラケット部58に設けられる。これにより、斜張ワイヤー110の上端は、構造的に補強された部位に設けることが可能であり、一方斜張ワイヤー110の下端は、リクライナー構造部114のブラケット部58を利用して、位置決めすることが可能となる。
特に、斜張ワイヤー110の上端とバックシートフレーム構造部112の回転中心とを結ぶ線と、斜張ワイヤー110の下端とバックシートフレーム構造部112の回転中心とを結ぶ線とがなるべく直交するように、斜張ワイヤー110を位置決めするのが好ましい。
プーリー128A,Bが、一対のサイドフレーム118の主側面部122およびブラケット部58それぞれに設けられ、斜張ワイヤー110は、無端状とされ、両プーリー128A,B間に掛け渡されている。この場合、プーリー128Bは、ブラケット部58に対して固定され、一方プーリー128Aは、後に説明する斜張ワイヤーの取り付け構造の一部を構成し、主側面部122に対して固定されず、同様に斜張ワイヤーの取り付け構造の一部を構成するスラントブランク214に対して可動に載置されるようにしている。
斜張ワイヤー110の種類および材質は、たとえば衝突の際に車両用シート100に衝撃荷重が負荷された場合に、このような衝撃荷重の一部を負担しつつ、自身が構造健全性を確保できるような強度あるいは剛性を備える限り任意であるが、たとえば金属製あるいはCFRP製が好ましい。
斜張ワイヤー110の取り付け構造200について説明すれば、図4および図5に示すように、斜張ワイヤーの取り付け構造200は、斜張ワイヤーの一端が巻き掛けられるプーリー128Aと、ピン204と、ピン204に螺合可能なナット206と、ピン204のシャンク部208が貫通可能な貫通孔212を備えたスぺーサ210と、ピン204のシャンク部208が貫通可能な貫通孔216を有するスラントブロック214と、ピン204のシャンク部208が貫通可能な貫通孔217を備えたプッシュプレート218とから概略構成され、サイドフレーム118の主側面部122に対して、スぺーサ210、プーリー128Aを載置したスラントブロック214、およびプッシュプレート218をこの順に整列させた状態で、車両用シートのサイドフレーム118およびそれぞれの貫通孔212、216、217にピン204を通してナット206をピン204に螺合させることにより、ナット206の締め付けにより斜張ワイヤーのサイドフレーム118に対する取り付けを可能としている。
図5に示すように、ピン204は、ヘッド部220と、先端部が螺子切られたシャンク部208とを有し、シャンク部208は、サイドフレーム118に設けられた非円形開口222、およびスぺーサ210、スラントブロック214およびプッシュプレート218それぞれの貫通孔212、216、217を貫通した状態で、その先端部に対してナット206が螺合可能な程度の長さを有する。サイドフレーム118に設けられた非円形開口222の形状は、サイドフレーム118の延び方向に沿って延びる互いに平行な一対の直線縁部224A,Bと、一対の直線縁部224A,Bそれぞれの上部同士、下部同士を接続する一対の曲線縁部226A,Bとから構成されるが、これに限定されることなく、後に説明するスぺーサ210の嵌合部228が内嵌した際、スぺーサ210がシャンク部208の延び方向を中心に回転不能となる限り任意の形状でよく、たとえば楕円形状でもよい。
図5に示すように、スぺーサ210は、プレート部230と、プレート部230の一方の面から突出し、サイドフレーム118に設けられた非円形開口222に内嵌する嵌合部228とを有する。嵌合部228は、サイドフレーム118に設けられた非円形開口222に嵌合可能な形状を有し、より具体的には、嵌合部228は一対の直線縁部224A,Bそれぞれに当接する、互いに平行な一対の平面部234A,B(図面上はその一方のみが示されている)と、一対の曲線縁部226A,Bそれぞれに当接する曲面部236A,B(図面上はその一方のみが示されている)とを有し、プレート部230は、一対の平面部234A,Bそれぞれと平行に延びる一対の縁部238A,Bを有する。ピン204のシャンク部208が貫通可能な貫通孔212が、嵌合部228およびプレート部230を貫通した状態で設けられる。
以上から、嵌合部228を非円形開口222に内嵌する際、一方の面に、サイドフレーム118に当接する肩部が嵌合部228のまわりに形成されるとともに、一対の縁部238A,Bは、サイドフレーム118の延び方向に沿う向きに方向付けられるようになっている。
図5および図6(A)に示すように、スラントブロック214は、その端面240に、スぺーサ210のプレート部230が嵌る凹部242を備え、端面240を囲む周側面244に、後に説明するプーリー128Aを案内するための案内面246を備える。ピン204のシャンク部208が貫通可能な貫通孔216は、凹部242に連通し、プレート部230が凹部242に内嵌することにより、スラントブロック214がスぺーサ210に対して、それぞれの貫通穴212、216を貫通するピン204の延び方向を中心に回転不能なようにしている。
図6(A)に示すように、案内面246は、端面240に対して直立し、かつ互いに略平行な2つの直立面250A,B(図面上一方のみ示す)と、2つの直立面250A,Bの間に介在する傾斜面252とを有し、この傾斜面252は、端面240に向かうにつれて下方に傾斜する。傾斜面252の傾斜角度は、ナット206のピン204に対する締め付けにより、後に説明するプーリー128Aの被案内面260が傾斜面252に案内されながら、斜張ワイヤー110が円滑にサイドフレーム118の延び方向に沿って緊張する向きに移動するように設定すればよい。たとえば、スラントブロック214およびプーリー128Aが鋼製であり、被案内面260および傾斜面252それぞれに対して通常の仕上加工を施した場合、両者の間の動摩擦係数は、約0.3ないし0.5程度であることから、傾斜面252の角度(図面上α)は、30°ないし45°が好ましい。なお、ナット206のピン204に対する締め付けをたとえば、インパクターにより行う場合には、上述のような傾斜面252の角度制限はより緩やかであり、ナット206の締め付け量に対するプーリー128A、かくして斜張ワイヤー110の移動割合を効率的にする観点からは、αを小さくすることが好ましく、一方斜張ワイヤー110に発生する初期張力の調節に対する感度を向上する観点からは、αを大きくすることが好ましい。
プーリー128Aについて説明すれば、図5および図6(B)に示すように、プーリー128Aは、サイドフレーム118に向かって押圧される被押圧面254と、斜張ワイヤー110が掛け渡される外周部256と、外周部256に対してほぼ直交する方向に貫通するとともに、外周部256が設けられていない側で開放された凹部258とを有する。外周部256は、円弧状であるが、その中心角度は、斜張ワイヤー110の掛け渡しに支障が生じない範囲で設定すればよく、たとえば、少なくとも270°以上が好ましい。
図6(B)に示すように、凹部258は、スラントブロック214の傾斜面252に案内される被案内面260を被押圧面254の反対側に備え、被案内面260は、2つの直立面250A,Bそれぞれに当接し、互いに対向する当接面262A,Bを有し、それにより、プーリー128Aは、2つの当接面262A,Bそれぞれが、対応する直立面250A,Bに当接しながら、被案内面260が傾斜面252に沿って案内されるようにしてある。これにより、プーリー128Aは、リクライナーに固定されるプーリー128Bとは異なり、サイドフレーム118に対して直接固定されずに、スラントブロック214に対して可動に載置されながらも、サイドフレーム118の延び方向に直交する向きにはぶれることなしに、サイドフレーム118の延び方向に被案内面260が傾斜面252に沿って案内されるようにしてある。
図5に示すように、プッシュプレート218は、一方の面が、被押圧面254に当接する第1当接面264を形成し、他方の面が、ヘッド部220に当接する第2当接面266を形成し、プッシュプレート218の大きさは、プーリー128Aの被押圧面254より大きいのが好ましい。これにより、サイドフレーム118の非円形開口222、スぺーサ210、プーリー128Aが載置されたスラントブロック214、およびプッシュプレート218それぞれの貫通穴212、216、217にピン204を通して、サイドフレーム118の内側でナット206をピン204に対して締め付けることにより、ヘッド部220により第2当接面266を通じてプッシュプレート218がサイドフレーム118に向かって押圧され、第1当接面264により被押圧面254を通じてプーリー128Aがスラントブロック214の傾斜面252に案内されながら、サイドフレーム118に向かって移動し、その結果、斜張ワイヤー110を緊張する向きに設定することが可能になっている。
変形例として、図9に示すように、斜張ワイヤー110には、ワイヤーの張力の微調整手段に該当するボルトーナット機構130を別途設けてもよい。より詳細には、斜張ワイヤー110の各端には、雄ねじが切られたボルト132A,Bが付設され、一方、各端から内方に向かって雌ねじが切られたボア134A,Bを有するナット136が設けられている。各ボルト132を対応するボア134に対して、螺合することにより、ねじ込み量を調節し、それにより、斜張ワイヤー110を両プーリー128A,Bに掛け渡した状態で、ワイヤーに生じる張力を微調整できるようにしている。このような構成によれば、ワイヤーの張力を微調整するのに、2本のボルト132A,Bを利用して、2か所においてワイヤーの張力を微調整することが可能である。
この場合、車両シートに対して荷重が負荷されていない通常の状態において、斜張ワイヤー110に引張力が発生せず、ワイヤーが弛まない程度にワイヤーの長さを調整してもよいし、あるいは斜張ワイヤー110に引張力が発生した状態となるようにワイヤーの長さを調整してもよい。変形例として、斜張ワイヤー110の一端にはボルト132、他端にはナット136を設け、1本のボルト132のナット136に対するねじ込み量を調節することにより、ワイヤーの長さを調節してもよい。
このように、プーリー128A,B間に無端状のワイヤーを掛け渡す構成とすることにより、実質的にサイドフレーム118の各側において、2本の斜張ワイヤー110を設けたことに等しいにも関わらず、ワイヤーの長さを調整するボルトーナット機構130を各側において単一化することが可能である。
なお、このような斜張ワイヤー110の長さ調整は、バックシートフレーム構造112全体にウレタンパッドをあてがう前に行う必要がある。
このような斜張ワイヤー110により、車両後方側への荷重、たとえば衝突の際の衝撃荷重がバックシートフレーム構造部112に負荷されたときに、この荷重に基づいてバックシートフレーム構造部112に対して引張力を作用する一方、車両前方側への荷重による外部から作用する圧縮力に対し抗しない特性を有するようにしてある。
次に、図1及び図10を再び参照して、クッションシートフレーム構造部104について説明すれば、クッションシートフレーム構造部104は、車両の前後方向に延設された一対のサイドフレーム140A,Bと、一対のサイドフレーム140A,Bの後端部108同士を連結するリアフレーム141と、一対のサイドフレーム140A,Bの前端部同士を連結するフロントフレーム142とから概略構成され、これらのフレームにより閉断面構造(ボックス構造)が形成されている。この閉断面構造の開口部には、リアフレーム140とフロントフレーム142との間で車両の前後方向に張設されたクッションバネ143が設けられている。
図5に示すように、一対のサイドフレーム140A,Bの各々は、バックシートフレーム構造部112のサイドフレーム118と略同様な構造であり、外郭形状を構成する車両の上下方向に有幅の主側面部144と、主側面部144の上下縁より内方に立ち上がる張り出しフランジ部146A,Bとが断面内向きのコ字形状に形成されている。
斜張ワイヤー102A,Bについて説明すれば、斜張ワイヤー102A,Bは、一対のサイドフレーム140A,Bの各々の側部に付設されている。いずれの斜張ワイヤー102A,Bも同様な構造であるので、その1つについて、以下に説明する。
斜張ワイヤー102の上端は、一対のサイドフレーム140の側部で、下端が上端より車両の前部側で、クッションシートフレーム構造104にそれぞれ固定されて、斜めに張設されている。斜めの角度は、想定される衝撃荷重等に応じて適宜設定すればよい。
より詳細には、斜張ワイヤー102の上端は、リクライナー構造部114のブラケット部36に設けられ、一方斜張ワイヤー102の下端は、サイドフレーム140の側部に設けられる。
特に、斜張ワイヤー102の上端とバックシートフレーム構造部112の回転中心とを結ぶ線と、斜張ワイヤー102の下端とバックシートフレーム構造部112の回転中心とを結ぶ線とがなるべく直交するように、斜張ワイヤー102を位置決めするのが好ましい。
プーリー147A,Bが、一対のサイドフレーム140の側部およびブラケット部36それぞれに設けられ、斜張ワイヤー102は、無端状とされ、両プーリー147A,B間に掛け渡されている。
斜張ワイヤー102A,Bの種類および材質は、たとえば衝突の際に車両用シート100に衝撃荷重が負荷された場合に、このような衝撃荷重の一部を負担しつつ、自身が構造健全性を確保できるような強度あるいは剛性を備える限り任意であるが、たとえば金属性あるいはCFRP製が好ましい。
なお、斜張ワイヤー102A,Bにそれぞれ、ワイヤーの張力の微調整手段を別途設けてもよい点については、バックシートフレーム構造112に設けた斜張ワイヤー110A,Bと同様であるので、その説明は省略する。
次に、斜張ワイヤー102A,Bの取り付け構造については、斜張ワイヤー110A,Bの取り付け構造200とほぼ同様であることから、同様な構成要素には同じ参照番号を付することによりその説明は省略し、以下では、斜張ワイヤー110A,Bの取り付け構造200と相違する点について説明する。
図11および図12に示すように、斜張ワイヤー102A,Bの取り付け構造は、斜張ワイヤー110A,Bの取り付け構造200がバックシートのサイドフレーム118の上部側に設けられているのに対して、クッションシートのサイドフレーム118の車両前部側に設けられ、それにより斜張ワイヤー102A,Bの一端はサイドフレーム118の車両後部側のリクライナーのブラケット部36に固定されたプーリー147Aを通じて設けられるとともに、斜張ワイヤー102A,Bの他端は、斜張ワイヤー110A,Bの取り付け構造200と同様にサイドフレーム140に対して直接固定されないプーリー147Aを通じてサイドフレーム140に取り付けられる。
さらに、図12に示すように、斜張ワイヤー102A,Bの取り付け構造において、ナット206はサイドフレーム140の外側に設けられ、ピン204のヘッド部220がサイドフレーム140の内側面に当接する点において、斜張ワイヤー110A,Bの取り付け構造において、ナット206がサイドフレーム118の内側に設けられ、ピン204のヘッド部220がサイドフレーム118の外側面に当接する点と相違する。これは、主として、の理由からである。
図13および図14に、斜張ワイヤー110A,Bの取り付け構造と同様に、ナット206の締め付けにより、ピン204がサイドフレーム118に向かって移動し、それによりプーリー128Aがスラントブロック214の傾斜面252に沿って案内されて、サイドフレーム140に向かって移動し、かくして斜張ワイヤー110がサイドフレーム140の延び方向に緊張する向きに取り付けられる状況が示されている。
次に、リクライナー構造部114について説明すれば、図15に示すように、リクライナー10は、ドライバー或いは乗員が着座するクッションシートのフレーム構造の各側面と、ドライバー或いは乗員が背もたれるバックシートのフレーム構造の対応する側面との連結部に1基ずつ設けられ、バックシートをクッションシートに対して傾動可能とするように、一対のリクライナー10は、シートの幅方向に延びる連結シャフト12により連結されている。一対のリクライナー10は、一方の側にノブが設けられている点を除き、同様な構造を有するので、以下では、その1つについて、説明する。
図16ないし図18に示すように、リクライナー10は、バックシートフレーム構造に取り付けられる回動アーム14と、クッションシートフレーム構造に取り付けられるベース部材16と、回動アーム14とベース部材16との間に介在する、カム18およびカム18を挟むように配置される一対の摺動係止部材20と、カム18を回動する操作レバー22とから概略構成され、操作レバー22に固定された枢軸24を中心に、回動アーム14がベース部材16に対して回動自在に保持されている。
図18に示すように、ベース部材16は、鋼製円形板材であり、その中心部に枢軸24が挿通する挿通孔26が形成され、挿通孔26の大きさは、枢軸24の回動に伴ってベース部材16が回動しない程度である。ベース部材16には、挿通孔26の両側に延びる一対の開口28A,Bが設けられている。一対の開口28A,Bの各々は、左右一対の案内側壁30と、これらの案内側壁30の上端および下端に連接された円弧状側壁32とから構成されている。一対の開口28の各々の大きさは、後に説明する一対の摺動係止部材20それぞれが、一対の開口28内で左右一対の案内側壁30に沿って案内されながら半径方向に摺動することが可能なように設けられる。円弧状側壁32の径は、後に説明する回動アーム14の円形開口52の径と同じとなるように設定される。
ベース部材16の回動アーム14が位置する反対側には、ベースブラケット34が一対の開口28を塞ぐように取り付けられ、その中心部に枢軸24が挿通する挿通孔33が形成される一方、このベースブラケット34の下部には、クッションシートCのフレーム構造に固定される取り付け部36が設けられている。この取り付け部36には、貫通孔39が設けられ、ボルト37を貫通孔39および対応するクッションシートCの貫通孔に挿通して、溶接ナット41によりベースブラケット34とクッションシートCとを固定するようにしてある(図17参照)。また、上述のように、このベースブラケット34を利用して、斜張ワイヤー102のプーリーを設けるためのブラケットが付設されている。
ベース部材16の一方の面232には、複数の突起面11が設けられる一方、ベースブラケット34の対応する位置には、突起面11と相補形状の開口13が設けられ、突起面11それぞれを開口13に嵌めて、たとえば溶接することにより、ベースブラケット34をベース部材16に対して固定するようにしている。ベース部材16において、案内側壁30と摺動係止部材20との間で荷重伝達経路が構成されるので、ベース部材16の板厚は、このような荷重に耐える強度を有するように設定される。たとえば、ベース部材16の板厚は、3.6mmである。それに対して、ベースブラケット34の板厚は、ベース部材16の板厚より薄く設定される。
摺動係止部材20について説明すれば、摺動係止部材20は一対設けられ、それぞれ、ベース部材16の一対の開口28A,Bの対応する開口内で左右一対の案内側壁30によって案内されながら半径方向に進退自在に配設されている。
図19に示すように、各々の摺動係止部材20は、その外周側に外歯38が形成されるとともに、その内周側には、カム面40が形成され、さらに両側面47、49は、互いに平行で案内側壁39に対して摺接するようにしている。
カム面40は、従来と同様に、内方に突出する突出係合部42と、突出係合部42に連接し外方に延びる係合凹部44とを有し、突出係合部42および係合凹部44ともに、後に説明するカム18と係合し、それにより、各々の摺動係止部材20の外歯38が、後に説明する回動アーム14に形成した内歯54と噛合する係止位置と、内歯54から離間する係止解除位置との間で、半径方向に進退自在に移動するようにしている。
一対の摺動係止部材20は、ベース部材16と回動アーム14とを重ね合わせた際、回動アーム14の円形開口52とベース部材16の一対の開口28とにより形成されるスペース内に配置され、一対の開口28の案内側壁30により案内されつつ、一対の摺動係止部材20それぞれに設けた外歯38が円形開口52に設けた内歯54と噛み合うことが可能なようにしている。
カム18について説明すれば、図20および図21に示すように、カム18は、一対の摺動係止部材20の間に介在し、中心部に操作レバー22に設けられた枢軸24が挿通する貫通穴17を有する。貫通穴17の大きさは、枢軸24の回動によりカム18が一体でその方向に回動する程度であり、それにより、操作レバー22の回動により、カム18が回動されるようにしてある。カム18の一対の摺動係止部材20各々の対向する面にはそれぞれ、内方に突出する突出係合部42と係合する係合部43と、係合部43に連接し、外方に延びる突出係合部45とが設けられ、カム18の外形は、その中心位置に関して点対称に形成され、その板厚は、後に説明する回動アーム14の板厚より若干薄く設定され、一対の摺動係止部材20とは異なり、回動アーム14の円形開口52内に配置したとき、ベース部材16の一対の開口28に及ばないようにしている。これにより、円形開口52内で自由に回動することが可能となる。
回動アーム14について説明すれば、回動アーム14は鋼製環状リングからなり、内部に円形開口52が設けられている。円形開口52の径は、ベース部材16の円弧状側壁32の径と同一である。円形開口52を構成する環状リングの上下部それぞれについて、その内周面の所定範囲に亘って、摺動係止部材20の外歯38と噛合する内歯54が設けられている。一対の摺動係止部材20それぞれを係止位置に移動させたときの外歯38と内歯54との噛合により、バックシートBとクッションシートCとの間の荷重伝達経路が形成されるので、鋼製環状リングの板厚は、外歯38がこのような荷重に耐える強度を有するように設定される。鋼製環状リングの板厚は、たとえば3.6mmである。なお、鋼製環状リングは、一様な板厚の円形板材をファインブランキングにより打ち抜き加工することにより円形開口52を設けて外歯38を形成すればよい。
回動アーム14の外周部には、バックシートBに取り付けるためのブラケット部56が、外周方向に等角度間隔(90°)を隔てて4つ設けられている。各ブラケット部56には、後に説明するホールドピン62を挿通するための貫通孔63が設けられている。なお、ブラケット部56は、環状リングと一体に形成してもよい。
回動アーム14のベース部材16が位置する反対側には、リッドプレート58が円形開口52を塞ぐように取り付けられ、このリッドプレート58の中心部には、枢軸24が貫通する貫通孔60が設けられる。貫通孔60の大きさは、カム18と同様に、枢軸24の回動によりリッドプレート58が一体でその方向に回動する程度であり、それにより、操作レバー22の回動により、リッドプレート58が回動されるようにしてある。リッドプレート58は、環状リングと同じ径を有する円形薄板であり、その外周部256には、回動アーム14と同様に、ブラケット部67が、外周方向に等角度間隔(90°)を隔てて4つ設けられている。各ブラケット部67には、後に説明するホールドピン62が挿通する貫通孔65が、設けられている。これにより、ホールドピン62を回動アーム14の貫通孔63および対応するリッドプレート58の貫通孔65に挿通して、かしめることにより、リッドプレート58を回動アーム14に対して固定し、回動アーム14の円形開口52内に配置される一対の摺動係止部材20、カム18、および後に説明するスプリング64が、円形開口52内に保持されるようにしている。また、図17に示すように、ホールドピン62の肩部をベース部材16の周縁部238にあてがうことにより、ベース部材16を固定している。さらにまた、上述のように、このリッドプレート58を利用して、その外周部256に、斜張ワイヤー110のプーリー128を設けるためのブラケットが付設されている。
なお、リッドプレート58は、円形開口52に対する蓋として機能するのみであり、強度部材として機能するわけではないので、回動アーム14の板厚が、たとえば3.6mmであるのに対して、リッドプレーの板厚は、0.6mm程度でよい。
図18に示すように、操作レバー22は、一方のリクライナー10の外側に設けられ、一端に貫通孔が設けられ、枢軸24が、この貫通孔を含め、貫通孔33、ベース部材16、カム18、およびリッドプレート58の貫通孔60に挿通することにより、操作レバー22が固定されている。操作レバー22は、円形開口52内に配置された一対のスプリング64により、一定方向に回動するように付勢されている。
一方のリクライナー10の外側には、スパイラルスプリング70がベースブラケット34に対してほぼ平行に隣接して設けられ、一端がバックシートBに固定される一方、他端がベースブラケット34に設けたホルダーブラケット72に固定されることにより、バックシートBをクッションシートCに対して、一定方向に回動するように付勢している。
以上の構成を有する車両用シート100について、図6および図8並びに図13および図14を参照しながら、その作用を以下に説明する。
まず、斜張ワイヤー110の一端をリクライナーのブラケット部58に設けられたプーリー128Bに巻き掛けるとともに、斜張ワイヤー110の他端を斜張ワイヤー110の取り付け構造200の一部を構成するプーリー128Aの外周部256に巻き掛けることにより、プーリー128Bがスラントブロック214に対して押し付けられ、プーリー128Aをスラントブロック214に載置する。
次いで、スぺーサ210のプレート部230と嵌合部228との間に形成される肩部がサイドフレーム118に当接するように、スぺーサ210の嵌合部228をサイドフレーム118の非円形開口222に内嵌させ、スぺーサ210のプレート部230をスラントブロック214の端面240に設けられた凹部258に嵌め込むことにより、図7(A)および図8に示すように、スラントブロック214は、スぺーサ210を通じてサイドフレーム118に対して回転不能に固定されるとともに、プレート部230の縁部238A,Bがサイドフレーム118の延び方向に沿う向きに方向付けられることから、スラントブロック214の案内面246において、端面240に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面252は、サイドフレーム118の延び方向に向き、サイドフレーム118に近づくにつれて下方に傾斜するように位置決めされる。
この状態で、プーリー128Bを通じて車両用シートに固定した斜張ワイヤー110が巻き掛けられたプーリー128Aの被案内面260をスラントブロック214の案内面246に当接させて、プッシュプレート218の第1当接面264を取り付け部の被押圧面254に当接させ、サイドフレーム118、スぺーサ210、スラントブロック214、およびプッシュプレート218それぞれの貫通穴212、216、217にピン204を通して、シャンク部208の先端と螺合するナット206を締め付け方向に回すことにより、図8に示すように、ピン204がサイドフレーム118に向かって移動し、それによりヘッド部220により第2当接面266を通じてプッシュプレート218もサイドフレーム118に向かって押圧され、その結果、プッシュプレート218の第1当接面264により、プーリー128Aの被押圧面254がサイドフレーム118に向かって押圧されて、プーリー128Aの被案内面260がスラントブロック214の傾斜面252に沿って案内されながら移動し、それにより斜張ワイヤー110がサイドフレーム118の延び方向に沿って斜張ワイヤー110を緊張させる向きに移動する。図7(B)は、移動後の状態を示す。
より詳細には、プーリー128Aは、2つの当接面262A,Bそれぞれが、対応する直立面250A,Bに当接しながら、被案内面260が傾斜面252に沿って案内されるようにしてあるので、プーリー128A,かくして斜張ワイヤー110は、サイドフレーム118の延び方向に直交する向きにぶれることなしに、サイドフレーム118の延び方向に案内されることが可能である。
以上より、単にナット206を締め付け方向に回すことにより、斜張ワイヤー110を効率的に車両用シートのサイドフレーム118に取り付け可能であり、さらにナット206の締め付け量を調整することにより、斜張ワイヤー110に発生する初期張力を簡便に所望値に調整することが可能である。
特に、ナット206を締め付ける際、たとえばインパクターを用いることにより、瞬時に斜張ワイヤー110を取り付けることが可能であり、さらにインパクターの回転トルクを調節することにより、斜張ワイヤー110に発生する初期張力を簡便に所望に調整することが可能である。
なお、クッションシートのサイドフレーム104に設けられる斜張ワイヤー102の取り付けについても、斜張ワイヤー110の場合と同様であるので、その説明は省略する。
因みに、バックシートのサイドフレーム118およびクッションシートのサイドフレーム104それぞれに設けられる斜張ワイヤー110、102について、斜張ワイヤーの取り付け構造により迅速かつ簡便な取り付けを行い、その後に斜張ワイヤーに生じる張力の微調整それぞれをボルトーナット機構により行ってもよい。
バックシートBをクッションシートCに対してロック状態とする場合、操作レバー22がスプリング64によって付勢され、この状態においては、図20に示すように、カム18の係合部43がそれぞれ、摺動係止部材20のカム面40の突出係合部42に係合する。これにより、摺動係止部材20はそれぞれ、ベース部材16の案内側壁30に沿って案内されながら外方に移動し、外歯38と回動アーム14の内歯54とが噛み合い、回動アーム14のベース部材16に対する回動が規制されたロック状態が維持される。
逆に、バックシートBのクッションシートCに対するロック状態を解除して、バックシートBを回動させる場合、操作レバー22をコイルスプーリー128Aング64に抗して回動させることにより、カム18も同様に同方向に回動することから、図21に示すように、カム18の係合部43と摺動係止部材20の突出係合部42との係合状態が解除される。このような状態で、バックシートBを傾動させると、それにより回動アーム14が回動して、内歯54から摺動係止部材20に加わる力によって、摺動係止部材20はそれぞれ、内方に摺動し、摺動係止部材20の係合凹部44とカム18の突出係合部45とが係合するに至る。この状態で、内歯54と外歯38との噛合状態が解除される。これにより、ロック状態が解除されて、バックシートBをクッションシートCに対して所望の角度傾動させることが可能となる。バックシートBを所望の角度傾動させたら、操作レバー22の回動を解除することにより、カム18が逆方向に回動し、それにより摺動係止部材20が再び半径方向外方に摺動して、内歯54と外歯38との噛合状態が復活して、ロック状態に復帰する。
このような構成の車両用シート100のバックシートフレーム構造によれば、バックシートフレーム構造112に対して負荷される想定衝撃荷重に関し、車両後方側に負荷される衝撃荷重の方が車両前方側に負荷される衝撃荷重より大きく設定されるところ、このような衝撃荷重が連結部を通じてバックシートフレーム構造112に伝達される際、車両前方側に負荷される衝撃荷重による曲げモーメントに耐えるような一対のサイドフレームの断面係数を設定して、断面形状を決定しておき、車両後方側に衝撃荷重が負荷されるときには、このような衝撃荷重に基づいてバックシートフレーム構造112に作用する曲げモーメントを軽減するように、斜張ワイヤー110A,Bからバックシートフレーム構造112に対して引張力が作用するように斜張ワイヤー110A,Bを位置決めすることにより、車両前方側への衝撃荷重と車両後方側への衝撃荷重との差分を斜張ワイヤー110A,Bに負担させることが可能である。
一方、この斜張ワイヤー110A,Bは、外部圧縮力が作用したときにそれに抗しないような特性を有するので、車両前方側に衝撃荷重が負荷されるとき強度部材として機能しないことから、斜張ワイヤー110A,B自体の構造健全性を維持することが可能である。
以上から、従来のように車両後方側への衝撃荷重に対して耐えるように一対のサイドフレーム118A,Bの断面形状を決定することが不要となるので、斜張ワイヤー110A,Bにより必要な強度あるいは剛性を担保しつつ、一対のサイドフレーム118A,Bの重量を低減することが可能となる。
このとき、このような構成の車両用シート100のフレーム構造に対してパッドをあてがうことにより車両用シート100として完成する場合、斜張ワイヤー110A,B自体をパッドの中に埋設させることで、車両用シート100の外観を損なうことが防止される。
このような斜張ワイヤー110A,Bの機能は、クッションシートのサイドフレーム140に設けられる斜張ワイヤー102A,Bについても同様である。
以下に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。
以下の説明において、第1実施形態と同様な要素については、同様な参照番号を付することによりその説明は省略し、本実施形態の特徴部について詳細に説明する。
本実施形態の特徴は、斜張ワイヤー110A,Bおよび102A,Bの構造およびこれらの斜張ワイヤーの取り付け構造にあり、より詳細には、第1実施形態においては、プーリー128A,Bおよびプーリー147A,B間に無端状に形成したワイヤーを掛け渡したが、本実施形態においては、単一のワイヤーを採用した点にある。斜張ワイヤー110および102について、特徴は共通であるので、その一方の斜張ワイヤー110について説明する。
より具体的には、斜張ワイヤー110は、上端がリング150Aを介して、サイドフレーム118に取り付けられる一方、下端がリング150Bを介して、リクライナー構造部114のブラケット部34に設けたピン402にリング150Aの開口部404を通して固定され(図24参照)、一対のサイドフレーム118A,Bの各側において、1本のワイヤーが斜めに延設されている。この場合、後に説明するように、リング150Aは、リング150Bと異なり、サイドフレーム118に直接固定されず、第1実施形態と同様に、スラントブロック214に対して可動に載置され、斜張ワイヤー110の取り付け構造の一部を構成している。
このような構成の斜張ワイヤー110によれば、たとえば第1実施形態と同様な衝撃荷重を想定した場合に、第1実施形態においては、プーリー128A,B間で2本の斜張ワイヤー110を設けることに相当するのに対して、本実施形態においては、1本の単一ワイヤーを設けることになることからその分、ワイヤーの太さを太くする必要がある反面、第1実施形態のように、2基のプーリー128A,Bを設置することなしに、ワイヤーを設けることが可能となる。
斜張ワイヤー110の取り付け構造について、図25に示すように、サイドフレーム140の非円形開口222に内嵌したスぺーサ210を通じてサイドフレーム140に固定されたスラントブロック214の傾斜面252を案内面として利用して、斜張ワイヤー110をサイドフレーム140に対して簡便に取り付ける点においては、第1実施形態と同様であるが、以下の点において相違する。
すなわち、図25に示すように、プッシュプレート218は、一方の面に、リング150Aの開口404に内嵌する環状の突出部302をプッシュプレート218の貫通穴217まわりに有し、プッシュプレート218の貫通穴217を構成する内周面304が、被案内面を形成する。より詳細には、プッシュプレート218の貫通部217は、矩形状であり、内周面304は、互いに対向する一対の対向面306A,Bを2組有し、いずれか一対の対向面の一方の面(この場合、306B)が、被案内面を形成する。この点において、第1実施形態においては、スラントブロック214の傾斜面252に対する被案内面がプーリー128A自体に設けられたのに対し、本実施形態においては、プーリー128Aに対応するリング150Aではなく、リング150Aの開口300に嵌合するプッシュプレート218に被案内面が形成される点において相違する。
このような相違点に起因して、第1実施形態においては、プーリー128Aは凹部258を通じてスラントブロック214の周側面244に載置されるに過ぎず、プーリー128Aの外周部256に斜張ワイヤーを巻き掛けることにより、プーリー128Aがスラントブロック214に対して安定的に係合するのに対して、本実施形態においては、プーリー128Aに対応するリング150Aの開口300にスラントブロック214が嵌ることにより、リング150Aに連結された斜張ワイヤーが安定的に係合することが可能である。
図26および図27に示すように、第1実施形態と同様に、単にナット206を締め付け方向に回すことにより、斜張ワイヤー110を効率的に車両用シートのサイドフレーム118に取り付け可能であり、さらにナット206の締め付け量を調整することにより、斜張ワイヤー110に発生する初期張力を簡便に所望値に調整することが可能である。
なお、変形例として、斜張ワイヤー110A,Bの初期張力の微調整を行うために、ワイヤーの途中にボルトーナット機構を別途設け、ボルトのナットに対するねじ込み量を調整することにより、ワイヤーの張力を微調整してもよい点は、第1実施形態と共通である。
図28ないし図33は、クッションシートのサイドフレーム140に対して、上述のような、各端にリング500A,Bを設けた紐状の単一の斜張ワイヤー102を設け、上述と同様な構造の斜張ワイヤー102の取り付け構造を設ける点を示す。斜張ワイヤー110の取り付け構造と相違する点は、第1実施形態の場合と同様に、クッションシートのサイドフレーム140においては、ナット206をサイドフレーム140の外側に設ける一方、ピン204のヘッド部220をサイドフレーム140の内側に設けた点である。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変形が可能である。たとえば、本実施形態においては、クッションシートフレーム構造において、一対のサイドフレームの各側部に、斜張ワイヤーを設ける場合を説明したが、それに限定されることなく、一対のサイドフレームの一方の側部にのみ設けてもよい。
また、本実施形態においては、バックシートのサイドフレームに対して斜張ワイヤーの取り付け構造を用いて斜張ワイヤーを取り付ける際、ナットをサイドフレームの内側に設ける一方、サイドフレームの外側にピンのヘッド部を設ける場合を説明したが、それに限定されることなく、クッションシートのサイドフレームに対して斜張ワイヤーの取り付け構造を用いて斜張ワイヤーを取り付ける場合と同様に、ナットをサイドフレームの外側に設けつつ、ナットに保護キャップを設ける一方、サイドフレームの内側にピンのヘッド部を設けてもよい。
さらにまた、本実施形態においては、自動車用シートを対象に説明したが、それに限定されることなく、鉄道車両、船、飛行機等一般的な車両に対して適用可能である。また、自動車のシートに対して用いる場合、リアシート、フロントシートのいずれにも適用可能である。
また、本実施形態においては、クッションシートフレーム構造において、一対のサイドフレームの各側部に、両プーリー間に掛け渡す無端状の斜張ワイヤーを設ける場合を説明したが、一方の側部には、両プーリー間に掛け渡す無端状の斜張ワイヤーを、他方の側部には、単一の斜張ワイヤーを設けてもよい。
本発明に係る斜張ワイヤーの取り付け構造および該構造を有する車両用シートは、単にナットを締め付け方向に回すことにより、斜張ワイヤーを効率的に車両用シートのサイドフレームに取り付け可能であり、さらにナットの締め付け量を調整することにより、斜張ワイヤーに発生する初期張力を簡便に所望値に調整することが可能であり、車両用シートのフレーム構造に必要な強度あるいは剛性を確保しつつ全体重量の低減を達成する斜張ワイヤーの技術的利点を生かしつつ、斜張ワイヤーを設けることに伴う技術的に不利な点を克服する点において、産業上有用である。
本発明の第1実施形態に係る車両用シートの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのバックシートの側面図である。 図1の線A−Aに沿う断面図である。 図2のA部詳細図である。 斜張ワイヤーの取り付け構造の分解斜視図である。 斜張ワイヤーの取り付け構造のうち、図6(A)および図6(B)はそれぞれ、スラントブロックおよびプーリーを示す斜視図である。 図2において、B方向からみた図であり、図7(A)は、斜張ワイヤーの設定時、図7(B)は、斜張ワイヤーの締め付け時を示す。 図2の線A−Aに沿う断面図である。 張力調整手段の詳細を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのバックシートの側面図である。 図10のB部詳細図である。 斜張ワイヤーの取り付け構造の分解斜視図である。 図11において、D方向からみた図であり、図13(A)は、斜張ワイヤーの設定時、図13(B)は、斜張ワイヤーの締め付け時を示す。本発明の第1実施形態に係る車両用シートの側面図である。 図11の線E−Eに沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのリクライナーの概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのリクライナーの側面図である。 図16の線B−Bに沿う断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのリクライナーの概略分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのリクライナーの摺動係止部材の概略斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのリクライナーによるロック状態を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用シートのリクライナーによるロック解除状態を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る図2と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る図4と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る一方の斜張ワイヤーの取り付け構造の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る図5と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る図7と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る図8と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る図10と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る図11と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る一方の斜張ワイヤーの取り付け構造の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る図12と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る図13と同様な図である。 本発明の第2実施形態に係る図14と同様な図である。
C クッションシート
B バックシート
10 リクライナー
12 連結シャフト
14 回動アーム
16 ベース部材
18 回動可能なカム
20 摺動係止部材
22 操作レバー
24 枢軸
26 挿通孔
28 一対の開口
30 案内側壁
32 円弧状側壁
34 ベースブラケット
38 外歯
40 カム面
42 突出係合部
44 係合凹部
52 円形開口
54 内歯
58 リッドプレート
62 ホールドピン
64 スプリング
70 スパイラルスプリング
100 車両用シート
102 斜張ワイヤー
104 クッションシートフレーム構造
106 下端部
108 後端部
110 斜張ワイヤー
112 バックシートフレーム構造
114 リクライナー構造部
116 車両用シートフレーム構造部
118 一対のサイドフレーム
120 アッパーフレーム
122 主側面部
124 フラットマット
126 嵌合重なり部
128 プーリー
130 ボルト-ナット機構
132 ボルト
134 ボア
136 ナット
140 一対のサイドフレーム
141 リアフレーム
142 フロントフレーム
144 クッションバネ
146 主側面部
148 フランジ部
200 斜張ワイヤーの取り付け構造
202 第1取り付け部
204 第2取り付け部
254 被押圧面
220 ヘッド部
208 シャンク部
211 貫通穴
204 ピン
222 非円形開口
206 ナット
230 プレート部
232 一方の面
210 スぺーサ
224 肩部
238 縁部
240 端面
258 凹部
244 周側面
246 案内面
236 貫通穴
214 スラントブロック
252 傾斜面
246 被案内面
262 第1当接面
266 第2当接面
248 貫通穴
300 開口部
302 環状突出部
304 内周面
402 ピン
404 開口部
500 リング

Claims (13)

  1. 車両用シートのサイドフレームに取り付けられる斜張ワイヤーの取り付け構造であって、
    斜張ワイヤーは、一端に設けられた第1取り付け部と、他端に設けられた第2取り付け部とを有し、該第1取り付け部および第2取り付け部を通じて斜張ワイヤーがサイドフレームに取り付けられ、該第1取り付け部および第2取り付け部の少なくとも一方は、サイドプレートに向かって押圧される被押圧面を備え、
    さらに、ヘッド部と、先端部が螺子切られたシャンク部とを有するピンと、
    車両用シートのサイドフレームに設けられた非円形開口を貫通した状態の該ピンに螺合可能なナットと、
    プレート部と、プレート部の一方の面から突出し、サイドフレームに設けられた非円形開口に内嵌する嵌合部とを有するスぺーサであって、該嵌合部および該プレート部を貫通し、前記ピンのシャンク部が貫通可能な貫通孔を備えたスぺーサとを有し、
    該プレート部は、前記嵌合部を非円形開口に内嵌する際、前記一方の面に、サイドフレームに当接する肩部が前記嵌合部のまわりに形成されるとともに、サイドフレームの延び方向に沿う向きに方向付けられた縁部を有し、
    さらに、端面に、前記スぺーサの前記プレート部が嵌る凹部を備え、端面を囲む周側面に、前記取り付け部を案内するための案内面を備え、前記凹部に連通し、前記ピンのシャンク部が貫通可能な貫通孔を有するスラントブロックであって、該案内面は、前記端面に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面を備えたスラントブロックを有し、
    前記被押圧面を備えた前記取り付け部は、前記スラントブロックの前記傾斜面に案内される被案内面を前記被押圧面の反対側に備え、
    さらに、一方の面が、前記被押圧面に当接する第1当接面を形成し、他方の面が、前記ヘッド部または前記ナットに当接する第2当接面を形成し、前記ピンのシャンク部が貫通可能な貫通孔を備えたプッシュプレートと、
    を有することを特徴とする斜張ワイヤーの取り付け構造。
  2. 前記案内面は、前記端面に対して直立し、かつ互いに略平行な2つの直立面と、2つの直立面の間に介在する傾斜面とを有し、前記取り付け部の前記凹部は、前記2つの直立面それぞれに当接し、互いに対向する当接面を有し、前記取り付け部は、前記2つの当接面それぞれが、対応する前記直立面に当接しながら、前記被案内面が前記傾斜面に沿って案内される、請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  3. 前記斜張ワイヤーは、ループ状であり、前記被押圧面を備えた取り付け部は、斜張ワイヤーが掛け渡される外周部と、該外周部に対してほぼ直交する方向に貫通するとともに、該外周部が設けられていない側で開放された凹部とを有するプーリーであり、該凹部は、前記スラントブロックの前記傾斜面に案内される被案内面を備える、請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  4. 他方の前記取り付け部は、斜張ワイヤーが掛け渡される外周部を有するプーリである、請求項3に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  5. 前記斜張ワイヤーは、紐状であり、
    前記取り付け部は、リングであり、前記プッシュプレートは、一方の面に、前記リングの開口に内嵌する環状の突出部を前記プッシュプレートの前記貫通穴まわりに有し、
    前記プッシュプレートの前記貫通穴を構成する内周面が、前記被案内面を形成する、請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  6. 前記プッシュプレートの前記貫通部は、矩形状であり、前記内周面は、互いに対向する一対の対向面を2組有し、いずれか一対の対向面の一方の面が、前記被案内面を形成する、請求項5に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  7. 他方の前記取り付け部は、サイドフレームを貫通するピンにより固定されるリングである、請求項6に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  8. 前記斜張ワイヤーは、車両用シートのバックシートのサイドフレームの外側面に設けられ、前記非円形開口は、該サイドフレームの該側面に設けられる、請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  9. 前記斜張ワイヤーは、車両用シートのクッションシートのサイドフレームの外側面に設けられ、前記非円形開口は、該サイドフレームの該側面に設けられる、請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  10. クッションシートフレーム構造とバックシートフレーム構造との間に、車両用リクライナーが設けられ、バックシートがクッションシートに対して傾動可能とされ、該車両用リクライナーは、
    クッションシートに固定されるベース部材と、
    該ベース部材に回動可能に支持され、かつバックシートに固定された回動アームと、
    前記ベース部材および前記回動アーム間に介装され、前記ベース部材に形成された凹部側壁により進退自在に案内され、かつ先端に外歯を形成した摺動係止部材と、
    前記回動アームに形成した内歯に噛合する係止位置と、内歯から離間する係止解除位置との間で該摺動係止部材を移動させる回動可能なカムと、
    該カムを回動させる操作レバーとを有し、
    前記回動アームは、内部に円形開口を有する、所定板厚の環状リングからなり、
    該環状リングの内周面に沿って前記内歯が設けられ、該環状リングの外周面には、バックシートに固定する複数の取付ブラケット部が設けられ、
    さらに、前記ベース部材と反対側から前記円形開口を塞ぐ蓋板を有し、
    前記蓋板の板厚は、前記環状リングの板厚より薄く、
    前記ベース部材は、所定の板厚を有する円形板材で、前記ベース部材の中心部に設けられ、前記操作レバーの枢軸が貫通する貫通穴を備えたブラケット部を有し、
    さらに、前記ベース部材の板厚より薄いべース部材ブラケットを前記回動アームと反対側に有し、
    該べース部材ブラケットには、クッションシートに固定するための取り付け部が設けられ、
    前記斜張ワイヤーの一方の端が、前記斜張ワイヤーの前記取り付け部を通じて、前記ベース部材ブラケットの前記取り付け部に固定される、
    請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  11. 前記斜張ワイヤーは、金属製ワイヤーからなる、請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  12. 前記斜張ワイヤーは、CFRP製ワイヤーからなる、請求項1に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の斜張ワイヤーの取り付け構造が設けられた前記車両用シートのクッションシートフレーム構造全体を覆うように設けられたパッドと、前記車両用シートのクッションシートフレーム構造および該パッド全体を覆うように設けられた袋状の表皮とを有することを特徴とする車両用シート。
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