JP2010538061A - 肝癌治療用の医薬品の調製のためのアデノシンアスパラギン酸塩の使用方法 - Google Patents

肝癌治療用の医薬品の調製のためのアデノシンアスパラギン酸塩の使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アデノシンアスパラギン酸塩製品の新規使用法で、前癌病変部の進行、及びある種の癌、特に肝癌の反転の薬剤処方、化学保護や骨髄障害効果の予防に関する。

Description

本発明は、腫瘍性疾患に対する治療を支援する医薬品の使用方法に関するものであり、より詳しくは、癌治療に貢献する薬剤を調製するための、アスパルタート及びプロリナートのような、アデノシン塩類の新規な使用方法に関するものであり、そして、より詳細には、単独で使用されるか、又は癌に対する治療法と組み合わせて使用される製剤処方に関するものである。
病因に関わらず、アデノシンアスパラギン酸塩には肝臓組織の増殖能力を回復させる効果があり、肝臓の変質から始まり肝硬変に終わる線維形成をくい止めることは、周知である。特許文献1によると、アスパラギン塩の形態でのアデノシン投与は、肝硬変の制御に有益な結果を与え、コラーゲンの蓄積を低減し、極低温処理による組織学的症状を著しく強化するので、肝機能検査及び肝エネルギーパラメータが改善される。アデノシン投与によって誘導された細胞の利用可能なエネルギー及び線維症肝のコラーゲン分解作用の増加は、ミトコンドリア機能の保護による細胞内の酸化還元状態の正常化に関連があり、同様に、アデノシン投与は、チトクロームp450を増加させ、解毒プロセスをより容易にする(非特許文献1)。これら全ての変化は、硬変した肝臓では大幅に低下している迅速な肝臓の増殖反応を促進する。
アデノシンアスパラギン酸塩は、ミトコンドリア代謝を犠牲としてエネルギー代謝を増加させ、肝細胞に損害を与える毒物によって低下したエネルギー状態を通常値までに回復させることにより、ミトコンドリア機能及び構造を保護することは周知である。同様に、その酸化防止剤効果は、フリーラジカルの拡散及び肝毒性物質によるタンパク質及びDNAの損傷を回避できる。その一方で、アデノシンアスパラギン酸塩は、硬変した肝臓の、チミジンキナーゼ活性及び分裂指数によって測定される再生反応を正常値に戻すこと(非特許文献2)。同様に、アデノシンアスパラギン酸塩は、肝癌マーカーがわずかに高い値を示している硬変の患者のα−フェトプロテインの血清濃度を低下させることが分かっている。その一方で、肝臓がプリン骨格を肝外の組織に提供することを助け、この効果は骨髄保護につながる(非特許文献3)。最後に、アデノシンアスパラギン酸塩は、インテグリン及び付着因子としての粘着タンパク質の効果を修正することによって細胞外マトリックスを再構築し、形質転換細胞のアポトーシスを誘発するが、これらの効果は、癌の進行及び肝転移を回避することができる。一方、結腸、メラノーマ、前立腺の発癌性の成長並びに肝転移及び肺転移を阻害し、抗発癌性および化学保護効果を示すA3アデノシン受容体の合成作用薬の効果が、示されている(非特許文献4)。
前述したことから、アデノシン塩類、特にアデノシンアスパラギン酸塩は、結腸、メラノーマ、前立腺癌、並びに、肝癌及び肺転移に対する支援療法のための製剤処方に用いることができるということが導き出される。本発明においては、研究チームの経験を前提に、アデノシンアスパラギン酸塩の効果を主として肝癌において実証することが決められたが、A3アデノシン受容体の活性化に反応する他の種類の腫瘍を限定するものではない。
肝細胞癌は、全てのタイプの肝癌の80%から90%のを占めている。その発生率は、女性より男性において高く、そしてそれは、主に50から60歳代に発病している。本症は、北アメリカ、南アメリカ及びヨーロッパより、アフリカ及びアジアの一部で多く見られる。通常、肝癌の原因は、肝臓の硬変または瘢痕化である。肝硬変は、ウイルス性肝炎、特にB型及びC型肝炎、過度なアルコール摂取、特定の肝臓自己免疫疾患、血色素症、及び多くの病変により引き起こされうる。
肝癌を検出するために、GGTと呼ばれるγ−グルタミルトランスペプチダーゼ濃度測定のようなマーカーが用いられる。この試験は、肝臓、胆管、及び腎臓疾患を検出するために用いられ、更に、肝臓または胆管障害と骨疾患を区別するのにも用いられる。
GGTは、細胞膜を介したアミノ酸転移及びグルタチオン代謝に関わっており、この酵素は、肝臓、胆管、及び腎臓に高濃度で存在している。
GGTは、他の試験と組み合わせて測定される。特に、アルカリホスファターゼは、肝胆汁性疾患及び骨疾患において高く、GGTは、肝胆汁性疾患において高いが、骨疾患では高くない。それ故、アルカリホスファターゼが高レベルで、GGTが正常レベルの患者は、おそらく肝胆汁性疾患でなく、骨疾患に罹患している。このマーカーの正常値は0〜5UI/Lの範囲であり、正常レベルより高い場合はうっ血性心不全、胆汁鬱滞、肝硬変、虚血、及び肝壊死、肝癌、及び肝炎を示している。
そこで、アデノシンアスパラギン酸塩が肝硬変を予防することを示した作用機序及び有用性が知られていること、そして、この状態及び肝癌の進行の既存の関係を踏まえ、本発明は、アデノシンアスパラギン酸塩を用いて癌、主に、肝硬変と密接な関係のある肝癌の進行を妨げるための薬を処方する。同様に、前癌性病変が特定された場合に、アデノシンアスパラギン酸塩を用いて進行を逆転させる。
メキシコ国特許第207422号明細書
Chagoya de Sanchez V., Hernandez-Munoz R., Yanez L., Vidrio S., Diaz-Munoz M. Posible mechanism of adenosine protection in carbon tetrachloride acute hepatoxicity. Role of adenosine by-products and glutathione peroxidase. J., Biochem. Toxicollogy (1995) 10: 41-50. Hernandez-Munoz R, Diaz-Munoz M, Suarez-Cuenca JA, Trejo-Solis C, Lopez V, Sanchez-Sevilla L, Yanez L, and Chagoya de Sanchez V. Adenosine reverses a preestablished CCl4 - induced micronodular cirrosis through enhancing collagenolytic activity and stimulating hepatocyte cell proliferation in rats. Hepatology (2001) 34: 677-687. Chagoya de Sanchez V, Hernandez-Munoz R, Diaz-Munoz M, Villalobos R, Glender W, Vidrio S, Suarez J, Yanez L Circadian variations of adenosine level in blood and liver and its possible physiological significance Life Sciences (1983) 33: 1057-1064. Fishman P, Bar-Yehuda S, Barer F, Madi L, Multan AS, Pathak S, The A3 adenosine receptor as a new target for cancer therapy and chemoprotection. Exp Cell Res (2001) 269:230-236.
本発明は、薬学的に許容されるアデノシン塩類を用いて腫瘍性疾患に対する治療を支援する医薬品、より詳しくは、癌に対する佐剤を調製すること、より詳しくは、単独で、または癌に対して用いられる治療法と組み合わせて種々の哺乳動物の組織、好ましくはヒトの組織に投与する薬剤を調製することに関する。
本発明の特別な特徴は、他のアデノシン塩類に制限することなく、アスパラギン酸塩としてアデノシン塩類を用い、腫瘍性疾患の予防し治療する薬を調製し、また、A3アデノシン受容体遮断に反応する他の種類の腫瘍に限定することなく、結腸癌、黒色腫、前立腺癌、肝癌、肺転位に対する治療の佐剤としてアデノシン塩類を用いる点である。
本発明の、アデノシン塩類を含む処方によって調製される薬を、1日に750mgの量で投与すると、化学療法の治療指数が増え、このようにして、骨髄保護を作りあげる。
(A)は、耐性の肝細胞モデルを概略的に示す図であり、耐性の肝細胞モデルを25日間サイクルの実験を行い、DENとして示した、発癌性プライマーとしてのジエチルニトロソアミン薬を0日に投与し、2AAFとして示した、発癌性プロモーターとしての2−アセチルアミノフルオレンを7、8、及び9日目に投与し、部分的な肝切除術HPを10日に行い、動物を25日以降にと殺した。(B)は、耐性の肝細胞モデルを概略的に示す図であり、IFCとして示される、プロモーター及びプライマーとしてのアデノシンアスパラギン酸塩を0日に投与し、8ヶ月目から3日毎に60mg/kgの服用量の投与をと殺する日まで行った。 実験計画の概略図であり、6つの異なったテスト群が、これらに対して行った処置とともに示されており、第一群は、8匹の動物に対するTCコントロールであり、第二群は8匹に対する動物のIFC−Iであり、第三群は8匹の動物に対するIFC−Pであり、第四群は7匹の動物に対するIFC−IPであり、第五群は6匹の動物に対するC−2AAFであり、第六群は7匹の動物に対するC−DENであり、25日目に動物をと殺するまでの各々の製品投与日を示している。 開始から25日目後に、ネズミの肝臓の部位のGGT酵素の組織化学染色法による前癌病変部の検出を示す。各々の群を代表した、三断面の前癌病変部を暗い点で示す。 前癌病変部の病巣または病変の定量化を示し、縦軸は、陽性のGGTの前癌病変部位を示し、処置群ではこれらの病巣が急激に減少するか、または消えることが分かった。この図おいて、Aは陽性のGGT病巣/cmの数を意味しており、TCグループ(p<0.0001)から著しく異なっていて、IFC−I群(p=0.04)、IFC−P(p<0.0001)、C−AAF(p=0.02)、及びC−DEN(p=0.0001)から著しく異なっていることを意味する。Bは全組織に対するGGT陽性領域の割合を意味し、TCグループ(p<0.0001)から著しく異なっていて、IFC−Pグループ(p=0.006)、C−2AAF(p=0.04)及びC−DEN(p=0.003)から著しく異なっている。結果は、平均値±標準誤差として示す。 TC群とIFCと言及したアデノシンアスパラギン酸塩を受けた群の比較を概略的に示しており、TC群で、前癌病変部がより多く、全処置群に対する陽性のGGT領域の割合がより高いことを示している。
薬を調製し、癌の予防及び治療に用いられる薬を調製するのに生理学的に許容されるアデノシン塩類を、任意の好適な投与ルートにより投与し、医薬品組成物が選ばれた投与ルートに合った適切な製薬形状で調製される。本発明のために好ましい実施例は、経口的または他の解放ルートでの、規制されるか持続されるかした薬剤投与である。
アデノシン塩類を含む処方のために用いられているかもしれない、薬学的に許容される賦形剤、佐剤、又はビヒクルが、当業者に公知であり、通常製薬業においても使われてものである。
以下の実施例は、非限定的に、本発明を説明するものである。これらの実施例は、アデノシン塩類を用いたネズミの組織の処置を示すが、当業者であれば本発明を、哺乳類、中でもヒトに拡大して応用することができるので、本発明が以下の実施例に制限されることはない。
本発明は、耐性の肝細胞のモデルを用いて、ネズミの肝臓の前癌性変化の症状に対する保護効果、及び、腫瘍が既に進行している場合には反転効果の評価を可能とする多数の実験を行うことによって、腫瘍性病変にアデノシンアスパラギン酸塩を用いることの有益な効果を示している。アデノシンアスパラギン酸塩で動物の群を治療する実験では、耐性の肝細胞モデルで、癌を誘導するために使用される製品の投与後にも、癌または前癌病変部が多少でも示唆できる変化は見られなかった。アデノシンアスパラギン酸塩で治療した動物は対照群と比較しても、特定の変化または前癌病変部を示さなかった、この結果、アデノシンアスパラギン酸塩は、腫瘍形成の進展に保護効果があることを示している。病変がすでに発症しているときも、その逆転効果を示した。
第一段階の実験フェーズで、180〜200グラムの体重の、フィッシャーの344系の雄ネズミが使われ、これらネズミは、高度研究調査センター(Advanced Research and Studies Center)の動物飼育及び実験ユニット(Animal Breeding and Experimentation Unit)で、12時間の明暗サイクル、23℃の温度、衛生状態、及び食料及び水が自由に摂取できる制御環境下で飼育、保管された。肝臓の前癌病変部の増殖は、耐性肝細胞モデル(Semple-Roberts E, Hayes MA, Armstrong D, Becker RA, Racz WJ, and Farber E. (1987) Alternative methods of selecting rat hepatocellular nodules resistant to 2-acetylaminofluorence. Int. J. Cancer. 40:643-6451.)を、、我々の研究グループが修正した(Carrasc-Legleu CE, Marquez-Rosado L, Fattel-Fazenda S, Arce-PopocaE, Perez-Carreon JI, Villa-Trevino S. (2004) Chemoprotective effect of caffeic acid phenethyl ester on promotion in amedium-term rat hepatocarcinogenesis assay. Int J. Cancer. 108:488-92.)ものによって誘導され、この修正は、発癌物質プライマーとして、一回量200mg/kgのジエチルニトロサミン(以下DENという)を腹腔内のルートで投与する。開始から7、8、及び9日後に、発癌物質プロモーターとして、20mg/kgの2−アセチルアミノフルオレン(以下2AAFという)を服用量として投与し、開始から10日後、ネズミは、肝臓の体積の70%が肝切除(HP)された。これらの製品の投与と一緒に、肝切除術が、この実験の全ての処置として、考慮される。アデノシンアスパラギン酸塩処置の有無による概略図は、図1のA及びBに示される。
(用途の例)
前癌病変部でのアデノシンアスパラギン酸塩の有益な効果を示すために、図2に示されたように、6つの異なった実験が設計された。第一群動物グループは、全ての処置が行われ、図においてTCと識別され、このグループが、前癌病変部成長の陽性対照として使われた。第二群は、IFC−Iとして図において識別され、アデノシンアスパラギン酸塩を薬理学的有効量で、この場合においては、体重に対して50mg/kgの量で生理的食塩水に溶かし、pH7.4で0.5%のカルボキシメチルセルロースとともに、DEN発癌物質プライマーに換えて投与した。図においてIFC−Pと識別されている第三群は、アデノシンアスパラギン酸塩を薬理学的有効量で、この場合においては、体重に対して50mg/kgの量で生理的食塩水に溶かし、pH7.4で0.5%のカルボキシメチルセルロースとともに、2−AAF発癌物質プロモーターに換えて投与した。IFC−IPと識別される第四群は、DEN発癌物質プライマー及び2AAF発癌物質プロモーターを、薬理学的有効量、この場合においては、体重に対して50mg/kgの量で生理的食塩水に溶かし、pH7.4で0.5%のカルボキシメチルセルロースとともにアデノシンアスパラギン酸塩に換えて投与した。C−2AAFと識別される第五群は、2AAFのみを投与し、初めの第二群IFC−Iのアデノシンアスパラギン酸塩の投与の対照として使われた。最後に、C−DENと識別される第六群は、DENだけを与えられ、第三群のIFC−P促進のアデノシンアスパラギン酸塩の投与の対照として使われた。サイクル終了時に、全ての群は部分的な肝切除術を受けた。最後に、全てのネズミは、実験開始から25日後にと殺され、肝臓を摘出され、前癌病変部及び腫瘍性病変の外見を、、Rutengurg法(Rutenburg AM, Kim H, Fischbein JW, Hanker JS, Wasserkrug HL and Seligman AM. (1969) Histochemical and ultrastructural demonstration of γ-glutamiltranspeptidase activity. J. Histochem. Cytochem. 17(8):517-526.)に従ってGGT酵素の活性を明らかにするために組織化学的に着色された冷凍肝臓の15μm厚切片に検出された、γーグルタミルトランスペプチダーゼ標識(GGT)の組織化学的検出によって評価した。つまり、切片は、−20℃の無水エタノールに10分間つけられ、その後、100mMのトリス塩基中に、125μg/mlのγ−グルタミル−4−メトキシド−2−ナフチルアミド(GMNA)、0.5mg/mlのグリシル−グリシン、及び0.5mg/mlのファーストブルー(Fast Blue)を含む溶液で処理され、室温で、30分間インキュベートされ、最後に、食塩水で洗われ、沈殿物は100mMの硫酸第二銅溶液で凝集させた。全ての試薬は米国ミズーリ州セントルイスのシグマケミカルコーポレーションから得た。酵素活性は、暗赤色の色で染色された領域において示されている。GGTは、ネズミ肝臓の前癌病変部を検出するために、一般的に使われている標識で、成熟したネズミの肝細胞において欠損しているが、変質した肝細胞において発現が顕著である(Hanigan MH. (1988) γ-Glutamyl transpeptidase, a glutathionase: its expression and function in carcinogenesis. Chemico-Biological interactions. 111-112:333-342.)。結果は、図3において見られるように、TCグループでは、特に図5に示されているように、アデノシンアスパラギン酸塩化合物で処置した群の合計に対して、前癌病変部が最も高い量で、かつ、陽性のGGT領域が最も高い割合を示す。
図2において言及された処置計画に従い、アデノシンアスパラギン酸塩を、第二群でプライマーとして投与したとき、または、第三群でIFC−IもしくはIFC−Pプロモーターとして投与したとき、それぞれの対照群である、第五群のC−2AAF、及び第六群のC−DENと比較して、図4において見られるように、前癌病変部の増殖に影響がなかった。最後に、アデノシンアスパラギン酸塩を第四群のIFC−IPにおいてプライマー及びプロモーターとして投与したとき、前癌病変部の進行はなかった。アデノシンアスパラギン酸塩が第二群のIFC−Iの発癌物質プライマーとして投与されたとき、いくつかの肝臓では、陽GGT樹枝状を示し、いずれが、第五群でC−2AAF制御でも観察されている、これに反して、アデノシンアスパラギン酸塩が第三群のIFC−Pの発癌物質プロモーターとして投与されたとき、陽GGT樹枝状は観察されなかったが、第六群でC−DENの対照として用いられたときのように、小さい前癌病変部が見られた。
前癌病変部の定量により、全ての処置を受けた陽性のTC対照群は、平均で30.06%病巣/cm、2.41%の陽性の総GGT面積割合に達していることが分かった。我々がこれらの数を100%と考慮した場合、アデノシンアスパラギン酸塩をIFC−Iプライマーとして投与した第二群においての、病巣/cmの平均は、1.3%であり、全ての処置を受けた対照群に関して陽性のGGT面積は0.4%であった。アデノシンアスパラギン酸塩が第三群のIFC−Pのプロモーターとして投与されたときの、病巣/cmの平均は、7.1%であり、全ての処置を施した対照群に関して陽性のGGT面積は4.6%であった。先の二群の変化は、数、面積共に、第五及び第六対照群C−2AAF及びC−DENと比較すると、低下していた。アデノシンアスパラギン酸塩がプライマーとして、及び第四群のIFC−IPプロモーターとして投与された群において、病巣/cmの数は0.2%で、GGT陽性面積は全ての処理を有した対照群に関して0.08%であった。前述した通り、アデノシンアスパラギン酸塩が前癌病変部の進行に対する保護効果を有することが示されており、これが要因となって、癌の進行から守り、かつ、癌がすでに進行している場合は、腫瘍の逆転作用ともなる。ヒトにおいては、アデノシンアスパラギン酸塩を、1日750mgの服用量投与し、単純な適用量においては、250mgの量を3回に分けて経口投与することが好ましいが、この服用量を調整して、少量又は除放性の処方によって、この製品の投与により起こりえる望ましくない心血管系への影響の発現なしに、本願明細書に記載された薬理効果を得ることもできる。

Claims (9)

  1. 腫瘍性疾患の予防及び/又は治療のための薬剤、あるいは、種々の哺乳類組織における癌治療のための佐剤としての薬剤を調製するための、薬学的に許容されるアデノシン塩類の使用方法。
  2. 前記薬学的に許容されるアデノシン塩類が、アデノシンアスパラギン酸塩である、請求項1に記載のアデノシン塩類の使用方法。
  3. 前記アデノシンアスパラギン酸塩が、750mg/日の用量において投与される、請求項2に記載のアデノシン塩類の使用方法。
  4. 投与された薬剤が、前癌病変部の進展及び種々の哺乳類組織における癌を防げる、請求項1又は2に記載のアデノシン塩類の使用方法。
  5. 前癌病変部及び癌は、好ましくは肝組織にある、請求項4に記載のアデノシン塩類の使用方法。
  6. 腫瘍性病変が、結腸、メラノーマ、前立腺、肝臓、肺転位、及びA3アデノシン受容体ブロックに応答する腫瘍疾患内にある、請求項1又は2に記載のアデノシン塩類の使用方法。
  7. 薬剤が投与されると、骨髄保護を形成する化学療法の治療指数が高くなる、請求項1又は2に記載のアデノシン塩類の使用方法。
  8. 薬剤が単独で、または種々の哺乳類組織、好ましくはヒト組織の癌に対して使われる治療法と組み合わせて投与されることができる、請求項1又は2に記載のアデノシン塩類の使用方法。
  9. 薬剤が、薬学的に許容される賦形剤、佐剤、又はビヒクルと一緒に調製され、経口投与又は除放性ルートによって投与される、請求項1又は2に記載のアデノシン塩類の使用方法。
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