本発明は、無線通信システムで信号のPAPR(Peak To Average Ratio)を減少させることに関する。
図1は、信号長L=128を持つOFDM信号の一例を示す図である。図2は、信号長L=128を持つOFDM信号のピーク電力及び平均電力間の分布を示す図である。図3は、長さL=128を持つOFDM信号の実部対OFDM信号の虚部の配置を示す図である。PAPRの統計的特性は、相補累積分布関数(CCDF: Complementary Cumulative Distribution Function)によって説明されることができる。本発明によれば、周波数領域シンボルは複素ガウス分布されることができる。したがって、副搬送波の個数Lが大きくなる時、それぞれのOFDM信号チップの瞬間電力が自由度2を持つカイ分布された(chi-distributed)信号によってモデリングされることができる。
本発明によれば、PAPRを減少させるための様々な解決方法が存在する。例えば、クリッピング、フィルタリング、部分伝送シグナリング、トーン予約(tone reservation)、コーディング、選択的マッピング及びコンステレーション最適化(constellation optimization)を含む。
クリッピングで、OFDM信号は増幅前に故意にクリッピングすることができる。クリッピングは、良好なPAPRを提供するが、その分、性能低下を招くという欠点がある。詳細には、帯域内歪みは大部分無視できるが、帯域外歪みは深刻である。フィルタリングで、時不変線形フィルタは、いかなるスペクトラルマスク(spectral masking)もないとすれば、一般的に離散フーリエ変換(DFT)よりも少ないピーク再生性及びより小さいPAPRを招く。
部分伝送シグナリング(PTS)で、副搬送波係数のセットを含むそれぞれの入力データブロックは、互いに素な(disjoint)サブブロックに分割され、以降、それらのサブブロックはPAPRを最小化するために結合される。詳細には、それぞれの副搬送波係数は、重み付け係数または位相ファクタと乗じられる。位相ファクタは、伝送された信号のPAPRを最小化するために選択される。
トーン予約(TR)で、アンチ・ピーク信号が未使用または予約された副搬送波に挿入される。その目的は、PAPRが減少されるように原時間領域信号に追加される時間領域信号を探すことである。
コーディングで、所望のデータシーケンスがより大きいシーケンスに埋め込まれ、可能な全てのシーケンスのうちサブセットのみが使用され、特に、低いピーク電力を有するもののみが使用される。その目的は、より少ないPAPRを持つコードを選択することである。しかし、低いPAPR及び短いハミング距離(Hamming Distance)を持つコードを構成することは容易ではない。
選択的マッピング(SLM: Selective Mapping)で、M個の統計的に独立したシーケンスは同一の情報から生成され、最低PAPRを持つシーケンスは伝送のために選択される。データを復元するために、受信機は、好ましくは、どのシーケンスがデータを拡大させるために使用されたかがわかる。
コンステレーション最適化で、目的は、本来の基礎コンステレーションにおけるそれぞれの地点が、拡張されたコンステレーションで様々な均等地点にマッピングされうるようにコンステレーション大きさを増加させることにある。トーン挿入(TI: Tone Injection)及び能動コンステレーション延長(ACE: Active Constellation extension)がコンステレーション最適化に関連する方法である。
図4は、信号のPAPRを減少させる部分伝送シグナリング(PTS)を示す図である。図4に示すように、データ信号は、データブロックに分割され、直列ストリームから並列ストリームに変換されることができる(410)。データブロックは、副搬送波係数のセットを含むことができる。好ましくは、それぞれのデータブロックは、M個のサブブロックまたはクラスタに分けられる(420)。その後、それぞれのサブブロックを、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform:IDFT)または逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform:IFFT)のような、フーリエ変換により時間領域シーケンスに変換する。これら変換されたシーケンスを、その後、PAPRを最小化するために結合することができる(440)。好ましくは、それぞれの変換されたシーケンスを、結合する前に重み付け係数または位相ファクタb1,b2,…,bmと乗じることもできる。
図5は、信号のPAPRを減少させる選択的マッピング方法を示す図である。好ましくは、選択的マッピング方法は、それぞれのデータブロックに対するM個の統計的に独立した変換されたシーケンスを生成し、最低PAPRを持つ変換されたシーケンスを伝送する。図5に示すように、データ信号を、直列ストリームからM個のデータブロックの並列ストリームに変換する(510)。それぞれのデータブロックは、その後、それぞれ独立したシーケンスr1,r2,…,rmと乗じる。その後、それらシーケンスを、フーリエ変換(例えば、IDFTまたはIFFT)を用いて時間領域シーケンスに変換する(520)。その後、最低PAPRを持つ変換されたシーケンスを、伝送のために選択することができる(530)。選択的マッピング方法によると、選択された変換されたシーケンスの受信機には、受信したデータを復元するために、変換されたシーケンスのデータブロックを拡大させるために使用されるシーケンスのアイデンティティ(identity)に関する情報を得るよう要求されることがある。
図6は、本発明の一実施形態によって周波数領域でグループ別信号調整により信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図6を参照すると、データストリームを複数のシンボルに変調する。その後、複数のシンボルをシンボルグループに区分、分解、グループ化またはクラスタ化する(610)。その後、シンボルグループの電力及び位相を調整することができる(620)。その後、フーリエ変換(例えば、IFFTまたはDFFT)をそれぞれのシンボルグループに適用し(630)、結果として、シンボルグループのPAPRを計算することができる(640)。
再び図6を参照すると、シンボルグループのPAPRを計算した後に、PAPRが所定の値以下であるか判断する。そうだとしたら、PAPRが臨界値以下であるから、当該方法のフィードバック動作を行う必要がない。しかし、シンボルグループのPAPRが所定の値以下でないと、その後、PAPRを減少させるためにフィードバック動作を行う。
好ましくは、フィードバック動作時に、まず、シンボルグループの電力及び位相を再調整することができる(620)。その後、シンボルグループのそれぞれにフーリエ変換を再適用する(630)。最後に、再変換されたシンボルグループのPAPRを再計算する(640)。本発明では、PAPRが所定の値以下であるか判断すること、電力及び位相を再調整すること、シンボルグループを再変換すること、及びPAPRを再計算することを、再変換されたシンボルグループのPAPRが所定の値以下になるまで繰り返す。
図7は、本発明の他の実施形態によって周波数領域でグループ別信号調整により信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図7に示す方法は、図6を参照して説明された方法に似ている。ただし、図7の方法は、シンボルグループのPAPRを計算する前に、変換されたシンボルグループの少なくとも一つに、あらかじめ定められたシンボルを追加する(710)。好ましくは、あらかじめ定められたシンボルは、例えばパイロット、補償シンボル及びシーケンス生成器または選択器を含むことができる。
図8は、本発明の一実施形態によって時間領域でグループ別周期的ディレイにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図8を参照すると、データストリームは、複数のシンボルに変調される。その後、複数のシンボルをシンボルグループに区分、分解、グループ化またはクラスタ化する(810)。必要時にはシンボルに振幅調整を行うこともできる。。その後、フーリエ変換(例えば、IFFTまたはIDFT)をそれぞれのシンボルグループに適用し(820)、変換されたシンボルグループのうち少なくとも一つに周期的ディレイを適用することができ(830)、その結果、シンボルグループのPAPRを計算することができる。また、好みによって、変換されたシンボルグループを、シンボルグループのPAPRが計算される前または後に結合することができる。さらに、好みによって、シンボルグループに区分、分解、グループ化またはクラスタ化される前の複数のシンボルにフーリエ変換を適用することもできる。
図8を再び参照すると、シンボルグループのPAPRを計算した後に、PAPRが所定の値以下であるか判断する(850)。そうだとしたら、PAPRが臨界値以下であるから、当該方法のフィードバック動作を行わずに済む。ただし、シンボルグループのPAPRが所定の値以下でなければ、PAPRを減少させるためにフィードバック動作を行う。
好ましくは、フィードバック動作時に、まず、変換されたシンボルグループのうち少なくとも一つにディレイを再適用する(830)。注目すべき点は、再適用されたディレイ値は最初のディレイ値と異なっているということである。その後、全てのシンボルグループを再結合し、再結合されたシンボルグループのPAPRを再計算する(840)。本発明によれば、PAPRが所定の値以下であるか判断すること、ディレイを再適用すること、シンボルグループを再結合すること、及びPAPRを再計算することを、再結合されたシンボルグループのPAPRが所定の値以下になるまで繰り返す。
図9は、本発明の他の実施形態による時間領域でのグループ別周期的ディレイにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図9に示す方法は、図8を参照して説明された方法と似ている。ただし、図9の方法は、変換されたシンボルグループのうち少なくとも一つにディレイを適用する前に、あらかじめ定められたシンボルを、変換されたシンボルグループのうち少なくとも一つに追加する(910)。選択的に、あらかじめ定められたシンボルを、変換されたシンボルグループのうち少なくとも一つにディレイを適用した後に、変換されたシンボルグループのうち少なくとも一つに追加することもできる。好ましくは、あらかじめ定められたシンボルは、例えば、パイロット、補償シンボル、及びシーケンス生成器または選択器を含むことができる。
本発明によると、図6〜図9で説明された方法は、PAPRを減少させるための部分的伝送シグナリング(PTS)と異なる。例えば、PTS方法では、それぞれのグループのシンボルはフーリエ変換され、その後、結合してPAPRを探知する前に、位相及び振幅において重みを付ける。図6及び図7については、それぞれのグループのシンボルにまず重みを付け、その後、結合してPAPRを探知する前に、フーリエ変換される。図8及び図9については、それぞれのグループのシンボルをフーリエ変換し、その後、結合及びPAPR探知の前に周期的にディレイする。したがって、PTS方法では、グループ化されたそれぞれの重み情報は、好ましくは、復調のために受信機に伝送される。しかし、図6〜図9と関連して説明した方法では、重み情報は、チャネル応答の一部として認知されるから受信機に必ずしも伝送する必要はない。
図7及び図9について説明された方法では、さらに、選択的パイロットまたは補償シンボルを、PAPRを減少させ、受信機がチャネルを推定することを助けるために追加することができるという点で、PTS方法と異なる。また、図6〜図9におけるグループ化/クラスタ化/分解動作がより一般的である。例えば、入力シンボルの全体グループを、シンボルの多数のサブグループの和に直接的に分割することができる。また、より高い次数の変調されたシンボルを、多数のより低い次数の変調されたシンボルの和に分解することもできる。
図10は、本発明の一実施形態によってシンボル・ツー・副搬送波再マッピングにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図10を参照すると、データストリームは、複数のシンボルに変調される。その後、複数のシンボルのそれぞれを、関連する副搬送波にマッピングする(例えば、インターリービング)(1010)。その後、マッピングされたシンボルのそれぞれにフーリエ変換(IFFTまたはIDFT)を適用し(1020)、結果として、変換されたシンボルのPAPRを計算する(1030)。
再び図10を参照すると、変換されたシンボルのPAPRを計算した後、該PAPRが所定の値以下であるか判断する(1040)。そうだとしたら、PAPRが臨界値以下であるから、当該方法のフィードバック動作を行わずに済む。しかし、変換されたシンボルが所定の値以下でなければ、PAPRを減少させるためにフィードバック動作を行う。
好ましくは、フィードバック動作時に、まず、複数のシンボルのそれぞれを、関連した副搬送波に再マッピングする(1010)。その後、再マッピングされたシンボルのそれぞれにフーリエ変換を再適用する(1020)。その後、再変換されたシンボルのPAPRを再計算する(1030)。本発明によれば、PAPRが所定の値以下であるか判断すること、シンボルを再マッピングすること、シンボルを再計算すること、及びPAPRを再計算することを、再変換されたシンボルのPAPRが所定の値以下になるまで繰り返す。
図11は、本発明による他の実施形態によってシンボル・ツー・副搬送波再マッピングにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図11を参照すると、データストリームは、図10と類似の複数のシンボルに変調される。ただし、図11では、 図10のように一つのマッピングのみを用いる代わりに、それぞれのシンボルを関連する副搬送波にマッピングするために、複数のマッピング方式(例えば、1,2,…,N)を用いる(1110)。したがって、マッピングが行われた後、複数のシンボル・ツー・副搬送波グループがN個のマッピング方式を表しながら生成される。その後、シンボル・ツー・副搬送波グループのそれぞれにフーリエ変換を適用し(1120)、それぞれの変換されたシンボル・ツー・副搬送波グループのPAPRを計算する(1130)。最後に、あらかじめ定められた条件を満たすシンボル・ツー・副搬送波グループを選択する。例えば、複数のシンボル・ツー・副搬送波グループのうち、最低PAPRを持つものと探知されたシンボル・ツー・副搬送波グループを選択することができる(1140)。
本発明の他の実施形態によれば、時空ブロックコーディング(STBC: Space Time Block Coding)を、信号のPAPRを減少させるために用いることができる。STBCは、最大ダイバーシティを持つロバストな多入力多出力(Multiple Input-Multiple Output:MIMO)方式である。MIMOビーム形成(beamforming)技術と比べて、STBCは、低い伝送機複雑性及び低いフィードバック要求事項を有する。
アラモチ時空ブロックコーディングは、単純なオープンループ直交STBCであり、好ましくは、2−伝送アンテナシステムとともに使用される。アラモチSTBCは、レート1コードであり、受信機側でフルダイバーシティを有する。アラモチSTBCは、下記の式2で示すことができ、ここで、s1は、第1信号/シンボルであり、s2は、第2信号/シンボルである。
アラモチ方式(Alamouti Scheme)では、二つの信号を一つのブロックに伝送することができる。信号伝送のレートを上昇させるために、高速STBC方法を実行することができる。ここで、第1信号s1のシンボルを高電力で伝送し、第2信号s2のシンボルを低電力で伝送することができる。受信機側で、高電力で伝送されるシンボルがまずデコーディングされる。続いて、低電力で伝送されるシンボルがデコーディングされる。したがって、STBC伝送がより効率的となる。
本発明によれば、非直交STBCが実行され、ここで、2個のアラモチSTBCが、ユニタリーマトリクス回転及びコンステレーション回転により互いに重なり合う。これは、例えば、アップリンク伝送におけると同様に、二つの伝送アンテナを持つハイレートアプリケーションについて好ましい。したがって、時空ブロックコーディングを実行することによって次の利点、すなわち、高いスペクトラル効率性を持つフルレート伝送、チャネル品質情報(CQI: Channel Quality Information)の不要、低い伝送機複雑性及び低いPAPRの実現といった利点が得られる。また、アンテナ選択により、時空ブロックコーディングが、アップリンク及びダウンリンク伝送に対して2個の伝送アンテナのために用いられることもできる。
図12は、本発明の一実施形態によってハイレート時空ブロックコーディングにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図12を参照すると、データストリームを複数のシンボルに変調する。その後、複数のシンボルをシンボルグループに区分、分解、グループ化またはクラスタ化する。その後、複数のシンボルグループを、例えば、アラモチ時空ブロックコーディング(STBC)によってブロックコーディングする(1210)。その後、ブロックコーディングされたシンボルグループの少なくとも一つに対して、電力及び/または位相を調整することができる(1230)。その後、ブロックコーディングされたシンボルグループのそれぞれにフーリエ変換(例えば、IFFTまたはIDFT)を適用し(1240)、結果として、変換されたブロックコーディングされたグループのPAPRを計算することができる。
本発明によれば、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループを、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループの電力及び/または位相を調整する前に、他のブロックコーディングされたシンボルグループから区別することができる。この区別は、ユニタリーマトリクス(U)を少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループに適用することによってなすことができる(1220)。選択的に、追加的ブロックコーディングは、シンボルグループを区別するために、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループに適用することができる。
再び図12を参照すると、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRを計算した後に、PAPRが所定の値以下であるか判断することができる(1250)。そうだとしたら、PAPRが臨界値以下であるから、当該方法のフィードバック動作を行わずに済む。しかし、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRが所定の値以下でなければ、PAPRを減少させるためにフィードバック動作を行う。
好ましくは、フィードバック動作時に、まず、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループの電力及び/または位相を再調整する(1230)。その後、ブロックコーディングされたシンボルグループにフーリエ変換を再適用する(1240)。その後、再変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRを再計算する。本発明によれば、PAPRが所定の値以下であるか判断すること、電力及び/または位相を再調整すること、ブロックコーディングされたシンボルグループを再変換すること、及びPAPRを再計算することを、再変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRが所定の値以下になるまで繰り返す。
図12の方法は、下記の式3で示すことができ、A1及びA2は、2個のレイヤーの信号振幅であり、Uは、UUH=1である2×2ユニタリーマトリクスであり、θは、第2レイヤーのコンステレーション回転角である。
図13は、本発明の他の実施形態によってハイレート時空ブロックコーディングにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図13に示す方法は、図12を参照して説明された方法と似ている。ただし、図13の方法は、フィードバック動作において異なっている。
特に、フィードバック動作時に、まず、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループを、調整されたユニタリーマトリクス(U)または追加的ブロックコーディングを適用することにより、他のブロックコーディングされたシンボルグループと再び区別することができる(1320)。その後、当該方法を、再変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRを再計算するために進行する。
図13の方法は、下記の式4で表すことができ、A1及びA2は、2個のレイヤーの信号振幅であり、Uは、UUH=1である2×2ユニタリーマトリクスであり、θの関数である。例えば、U=U0ejθである。
図14は、本発明の他の実施形態によるハイレート時空ブロックコーディングにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図14に示す方法は、図12を参照して説明された方法と似ている。ただし、図14の方法は、フィードバック動作において異なっている。
特に、フィードバック動作時に、まず、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループを、調整されたユニタリーマトリクス(U)または追加的ブロックコーディングを適用することによって、他のブロックコーディングされたシンボルグループと再び区別することができる(1420)。また、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループの電力及び/または位相を再調整する(1430)。その後、当該方法を、再変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRを再計算するために進行する。
図14の方法は、下記の式5で表すことができ、A1及びA2は、2個のレイヤーの信号振幅であり、Uは、UUH=1である2×2ユニタリーマトリクスであり、θ1の関数であり、θ1及びθ2は第2レイヤーの回転角である。例えば、U=U0ejθである。
図15は、本発明の他の実施形態によるハイレート時空ブロックコーディングにより信号のPAPRを減少させる方法を示す図である。図15を参照すると、データストリームは、複数のシンボルに変調される。その後、複数のシンボルをシンボルグループに区分、分解、グループ化またはクラスタ化する。その後、それら複数のシンボルグループを、例えばアラモチ時空ブロックコーディング(STBC)によってブロックコーディングする(1510)。ブロックコーディングされたシンボルグループのそれぞれに、フーリエ変換(例えば、IFFTまたはIDFT)を適用する。その後、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループの少なくとも一つに対して電力及び/または周期的ディレイを調整することができ(1540)、結果として、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRを計算することができる。
本発明によれば、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループを変換する前に、他のブロックコーディングされたシンボルグループと区別することができる。この区別は、ユニタリーマトリクス(U)を、当該少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループに適用することによってなることができる(1520)。選択的に、追加的ブロックコーディングを、シンボルグループを区別するために、少なくとも一つのブロックコーディングされたシンボルグループに適用することもできる。
再び図15を参照すると、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRを計算した後に、PAPRが所定の値以下であるか判断する(1550)。そうだとしたら、PAPRが臨界値以下であるから、当該方法のフィードバック動作を行わずに済む。しかし、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRが所定の値以下でなければ、フィードバック動作を、PAPRを減少させるために行う。
好ましくは、フィードバック動作時に、まず、少なくとも一つの変換されたブロックコーディングされたシンボルグループの電力及び/または周期的ディレイを再調整する(1540)。その後、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループのPAPRを再計算する。本発明によれば、PAPRが所定の値以下であるか判断すること、電力及び/または周期的ディレイを再調整すること、及びPAPRを再計算することを、変換されたブロックコーディングされたシンボルグループが所定の値以下になるまで繰り返す。
図12〜図15に関する実施形態によれば、レイヤー間の電力割当は、移動端末機のような受信機の要求及びスケジューラ10によって決定されることができる。なお、位相調整及び電力割当は、伝送のPAPRを下げるために一緒に行うことができる。位相情報は、スケジューラからの入力を有する電力/位相制御ブロックによって決定されることができ、選択的に、受信機からフーリエ変換出力またはフィードバックによって決定されることもできる。本発明によれば、EB/N0=10dbで対にされた(pairwised)誤り率の結合限界(union bound)を最小化するUの一例を、下記の式6で表すことができる。
したがって、図12〜図15に関する本発明の方法は、PAPRを減少させるハイレートSTBC方式を提供する。特に、本発明は、フルレートSTBCによる高いスループット、PAPR減少による低い伝送機設計制約及びオープンループ動作による単純な送受信機チェーン設計を達成する。本発明は、アップリンクハイレート伝送に好適であり、アップリンクハイレート伝送において移動端末の送信機複雑性が主要な関心事である。本発明は、ダウンリンク伝送にも使用されることができ、アンテナ選択により、一層改善されることもできる。
実施することによって、本発明は、完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態またはハードウェア及びソフトウェア要素を含む実施形態の形態を取ることができる。ソフトウェア実施形態は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むことができるが、それに限定されることはない。
また、本発明は、コンピュータまたは任意の命令実行システムと関連するか、または、それによる使用のためにコンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。本説明のために、コンピュータ使用可能またはコンピュータ読み取り可能媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスと関連してまたはそれによる使用のためにプログラムを含み、記憶し、通信し、伝播または伝送しうる任意の装置とすることができる。
プログラムコードを記憶及び/または実行するのに適切なデータプロセシングシステムは、システムバスを通じてメモリエレメントに直接的にまたは間接的に連結された少なくとも一つのプロセッサを含むことができる。メモリエレメントは、プログラムコードの実際実行の間に使用するローカルメモリ、バルク記憶装置、及び少なくとも一部のプログラムコードの一時的記憶を提供するキャッシュメモリを含むことができ、時間減少のために、コードは実行時にバルク記憶装置から検索されるべきである。
他のコンポーネントがシステムに連結されても良い。(キーボード、ディスプレイポインティングデバイスなどを含むが、それらに限定されない)入力/出力またはI/Oデバイスが仲介I/O制御機を通じてまたは直接的にシステムに連結されることができる。また、ネットワークアダプタ(例えば、モデム、ケーブルモデム、イーサネット(登録商標)カード)が、データプロセシングシステムを、他のプロセシングシステムまたは遠距離プリンタまたは記憶デバイスに仲介私設または公用ネットワークを通じて連結させるために、システムに連結されることもできる。
ロジックコード、プログラム、モジュール、プロセス、方法、それぞれの方法の個別エレメントが行なわれる順序は、単なる例示にすぎないということは明らかである。実施形態によって、本明細書に開示されてはいないが、任意の順序にまたは並列に行うこともできる。また、ロジックコードは、ある特定のプログラム言語に関連するものでも、限定されるものでもなく、分散、非分散またはマルチプロセッシング環境で一つ以上のプロセッサを実行する一つ以上のモジュールを含むことができる。
上記説明された方法は、集積回路チップの製造に使用されることもできる。最終集積回路チップは、ベアダイ(bare die)のような非加工ウエハー形態(すなわち、多数のパッケージ化されていないチップを持つ単一ウエハー)でまたはパッケージ化された形態でメーカによって流通させることができる。後者の場合に、チップは、(マザーボードに付着されたリードを持つ、プラスチックキャリアまたは他のハイレベルキャリアのような)単一チップパッケージでまたは隠された相互連結の表面相互連結を持つセラミックキャリアのような)多重チップパッケージに搭載されることができる。
どんな場合でも、チップは、以降、(a)マザーボードのような、中間製品または(b)最終製品のうち一つの部分として他のチップ、不連続回路エレメント及び/または他の信号プロセシングデバイスに集積されることができる。最終製品は、おもちゃ及びその他低価格の最終アプリケーションからディスプレイ、キーボードまたは他の入力デバイス及び中央プロセッサを含む高度なコンピュータ製品にわたるまで、集積回路チップを含む任意の製品でありうる。
本発明は、移動通信と関連付けて説明したが、本発明は、無線通信性能を持つPDA及びラップトップコンピュータ等のような、移動デバイスを使用するいずれの無線通信システムにも使用可能である。なお、本発明を説明する特定用語の使用は、UMBのような、無線通信システムの特定タイプに本発明の範囲を限定させない。本発明は、異なる無線インタフェース及び/または物理的レイヤーを使用する他の無線通信システム、例えば、UMTS、TDMA、1xEV−DOを含むCDMA、FDMA、HSDPA、HSUPAなどを含むWCDMAなどに適用可能である。
好ましい実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組合せを生成する標準プログラミング及び/またはエンジニアリング技術を使用する方法、装置または製造物品(article of manufacture)として実施することもできる。本明細書でいう“製造物品”は、ハードウェアロジック(例えば、集積回路チップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等)またはコンピュータ読み取り可能媒体(例えば、磁気記憶媒体(ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ等)、光学記憶装置(CD−ROM、光学ディスク等)、揮発性及び不揮発性メモリデバイス(例えば、EEPROM、ROM、PROM、RAM、DRAM、SRAM、ファームウェア、プログラミング可能ロジック等)で実施されるコードまたはロジックをいう。コンピュータ読み取り可能媒体におけるコードは、プロセッサによってアクセスされて実行される。
好ましい実施形態が実施されるコードは、送信媒体を通じてまたはネットワークを通じたファイルサーバーからアクセスされることができる。その場合、コードが実施される製造物品は、ネットワーク送信ライン、無線送信媒体、空間を伝播する信号、電波、赤外線信号などのような送信媒体を含むこともできる。もちろん、当業者は、本発明の範囲を逸脱しない限度内で様々な変形を本構成に行うことができ、製造物品が当業界に公知の情報提供媒体(information bearing medium)を含むことができる。
図面に示されたロジックの実施は、特定順序で特定動作を説明した。他の実施形態では、特定ロジック動作が異なる順序で行われる、修正される、または、除去されても、本発明の好ましい実施形態を実施することができる。その上、数個の段階が上記のロジックに追加されることもでき、この場合も、本発明の実施形態に一致させる。
本発明は、本明細書で説明された例示的な動作のシリーズを用いて実施されることができるが、動作が追加または省略されても良い。なお、図示及び説明された動作の順序は単なる例示に過ぎず、特定の動作順序が要求されるわけではないということが理解できる。
上述の実施形態及び長所は単なる例示に過ぎず、本発明の限定するものとして解釈してはならない。本発明の教示は、他のタイプの装置に容易に適用されることができる。上記の本発明の説明は例示のためのもので、請求項の範囲を制限するためのものではない。したがって、様々な代案、修正、及び変形が当業者にとっては明らかである。請求項において、ミーンズ・プラス・ファンクションクレーム(means-plus-function claim)は、ここに開示された構造を行う時に、列挙された構造及び構造的均等物の他に均等構造もカバーするためのものである。