JP2010536883A - カリクレイン阻害剤を用いた治療 - Google Patents

カリクレイン阻害剤を用いた治療 Download PDF

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Abstract

痛風、例えば急性痛風を治療するための、非天然カリクレイン阻害剤および任意に追加の痛風治療剤を含む方法、キットおよび組成物を開示する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2007年8月23日付けで出願された米国出願第号60/957,526の優先権を主張する。先願の開示は、本願の開示の一部とみなされる(さらに、参照により本願の開示に含まれる)。
発明の分野
本発明は、血漿カリクレイン活性の阻害剤、具体的には非天然カリクレイン阻害剤の投与による痛風の治療に関する。
痛風は、十分な特徴付けがなされている炎症性関節炎であり、高尿酸血症、および、影響を受けた関節内での尿酸結晶の形成を特徴とする。加えて、一般的に痛風結節(尿酸結晶が集合することによって形成された小さい塊)が観察される。痛風の経過は、典型的には、無症候性の時期(大部分の時間)と急性痛風の発症とが交互に起こることを含む。急性痛風は、重度の動けないほどの痛み、および、罹患した関節に腫れや発赤を伴う関節痛を特徴とする。
痛風が長期間持続した後に、慢性滑膜炎、軟骨の損失、および、骨びらんを特徴とする慢性痛風性関節炎が発症する可能性がある。
本明細書において、非天然血漿カリクレイン(pKal)阻害剤、例えばクニッツ(Kunitz)ドメインpKal阻害剤ポリペプチドの投与によって、痛風(また、痛風性関節炎としても知られている)の治療方法を開示する。
一形態において、本発明は、非天然pKal阻害剤の有効量を投与することによる、痛風(例えば急性痛風)の治療方法を提供する。
一実施態様において、このような治療は、痛風または急性痛風に伴う痛みを軽減する。
一実施態様において、上記治療は、関節の機能(例えば、可動域、握力など)を改善するか、または、安定化させる。
一実施態様において、上記治療は、患者の機能(例えば、患者の日常生活の仕事を遂行する能力)を改善する。その他の実施態様において、上記治療は、患者の機能を安定化させる(例えば、患者の機能を減少させない)。患者の機能は、利用可能な痛風関連の、関節炎関連の、または、全般的な性能の測定のいずれかによって測定することができ、例えば、痛風の評価質問票(GAQ)、健康状態質問票(HAQ)、日常生活動作のカッツ(Katz)インデックス(KIADL)、または、日常生活の手段的動作(IADL)によって測定することができる。
一実施態様において、非天然pKal阻害剤は、追加の痛風治療剤と組み合わせて投与される。追加の痛風治療剤は、急性痛風の治療で用いられる治療剤(例えば、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン)、および/または、鎮痛薬)、または、貪食作用抑制剤(phagocytosis inhibiting agent)(例えば、コルヒチン)、または、慢性的に投与される痛風治療剤、例えば、尿酸降下薬(例えば、キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノール)、尿酸排泄薬(例えば、プロベネシド)、および/または、尿酸代謝薬(例えば、ウリカーゼ)であり得る。
一実施態様において、追加の痛風治療剤は、急性痛風の治療で用いられる物質であり、例えば、NSAID、貪食作用抑制剤、または、コルチコステロイドである。
一形態において、本発明は、痛風を治療するためのキットを提供する。本キットは、非天然pKal阻害剤、および、痛風(例えば、急性痛風)を有する被検体に本阻害剤を投与するための説明書を含む。
一実施態様において、本キットはさらに、痛風を治療するための追加の治療剤を投与するための説明書を含み、さらに、任意にこのような追加の治療剤を含んでいてもよい。一実施態様において、このような説明書は、追加の痛風治療剤の非存在下における本阻害剤の投与計画、投与スケジュールおよび/または投与経路とは異なる、本pKal阻害剤の投与計画、投与スケジュールおよび/または投与経路を提供する。
その他の形態において、痛風を治療する医薬品を製造するための非天然pKal阻害剤の使用が本明細書で提供される。このような医薬品は、任意に追加の痛風治療剤を含んでいてもよい。一実施態様において、追加の痛風治療剤は、急性痛風の治療で用いられる物質であり、例えばNSAID、貪食作用抑制剤、または、コルチコステロイドである。
開示された方法、キットまたは組成物のいずれかで用いられる非天然カリクレイン阻害剤は、以下で説明される1種またはそれより多くの特徴を有していてもよい。
本カリクレイン阻害剤は、血漿カリクレインに関して、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、5nM未満、1nM未満、500pM未満、100pM未満、50pM未満、例えば約44pM未満のKiを有していてもよい。本pKal阻害剤は、pKalを、その他のカリクレイン、例えばヒト尿カリクレイン、または、その他のプロテアーゼ、例えばプラスミンまたはトロンビンよりも、少なくとも100、200、500、または、1000倍多く選択的に阻害することができる。
一実施態様において、本カリクレイン阻害剤は、クニッツドメインを含むポリペプチドを含み、例えば以下のアミノ酸配列を含む:
Figure 2010536883
クニッツドメインのフレームワークは、ヒトクニッツドメインのフレームワークであってもよいし、または、ヒトクニッツドメインのフレームワークと6、5、4、3、または、2個未満のアミノ酸が異なるものでもよい。例えば、クニッツドメインのフレームワークは、ヒトリポタンパク質関連凝固阻害剤(LACI)タンパク質のクニッツドメインの1種、例えば第一、第二または第三のクニッツドメインのフレームワークであってもよい。またLACIは、「組織因子経路阻害剤」または「TFPI」としても知られている。典型的に言えば、このようなポリペプチドは、BPTIおよび/またはLACIクニッツドメインの1種またはそれより多くと、結合ループにおいて少なくとも1、2、3または4個のアミノ酸が異なっており、例えば少なくとも1、2または3個のアミノ酸が異なっている、および/または、フレームワーク領域において少なくとも2、3、4または6個のアミノ酸が異なっている。例えば、このようなポリペプチドは、天然に存在するクニッツドメイン(例えばヒトクニッツドメイン)から誘導された非天然クニッツドメインを含んでいてもよい。一実施態様において、クニッツドメインを含む阻害剤は、BPTIおよび/またはLACIよりも少なくとも10、100または500倍高い親和性で血漿カリクレインに結合する。
一実施態様において、本カリクレインを阻害するポリペプチドは、第二回目の使用において、免疫原性ではない。
一実施態様において、本カリクレインを阻害するポリペプチドは、1種またはそれより多くの以下の特徴を有していてもよい:Xaa1、Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa56、Xaa57またはXaa58は、それぞれにアミノ酸であるか、または、存在せず;Xaa10は、AspおよびGluからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa11は、Asp、Gly、Ser、Val、Asn、Ile、Ala、および、Thrからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa13は、Arg、His、Pro、Asn、Ser、Thr、Ala、Gly、Lys、および、Glnからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa15は、Arg、Lys、Ala、Ser、Gly、Met、Asn、および、Glnからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa16は、Ala、Gly、Ser、Asp、および、Asnからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa17は、Ala、Asn、Ser、Ile、Gly、Val、Gln、および、Thrからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa18は、His、Leu、Gln、および、Alaからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa19は、Pro、Gln、Leu、Asn、および、Ileからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa21は、Trp、Phe、Tyr、His、および、Ileからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa22は、Tyr、および、Pheからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa23は、Tyr、および、Pheからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa31は、Glu、Asp、Gln、Asn、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、および、Thrからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa32は、Glu、Gln、Asp Asn、Pro、Thr、Leu、Ser、Ala、Gly、および、Valからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa34は、Thr、Ile、Ser、Val、Ala、Asn、Gly、および、Leuからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa35は、Tyr、Trp、および、Pheからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa39は、Glu、Gly、Ala、Ser、および、Aspからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa40は、Gly、および、Alaからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa43は、Asn、および、Glyからなる群より選択されるアミノ酸であり;Xaa45は、Phe、および、Tyrからなる群より選択されるアミノ酸であり;および、ここでこれらのポリペプチドは、カリクレインを阻害する。
具体的な実施態様において、配列番号1のアミノ酸配列を含むカリクレイン阻害剤の個々のアミノ酸の位置は、以下に示す位置のうち1またはそれより多くである:Xaa10は、Aspであり、Xaa11は、Aspであり、Xaa13は、Proであり、Xaa15は、Argであり、Xaa16は、Alaであり、Xaa17は、Alaであり、Xaa18は、Hisであり、Xaa19は、Proであり、Xaa21は、Trpであり、Xaa31は、Gluであり、Xaa32は、Gluであり、Xaa34は、Ileであり、Xaa35は、Tyrであり、Xaa39が、Gluである。
上記カリクレインを阻害するポリペプチドは、以下のアミノ酸配列:
Figure 2010536883
または、それらのフラグメント、例えばカリクレインに結合しそれらを阻害するフラグメントを含んでいてもよい(または、それらからなっていてもよい)。例えば、上記ポリペプチドは、80、70、65、60、58、55、または、52個より少ないアミノ酸を有していてもよい。
上記カリクレインを阻害するポリペプチドは、米国特許第5,786,328号(その内容は、参照により開示に含まれる)で説明されているポリペプチドを含んでいてもよい(または、それらからなっていてもよい)。
本明細書において説明される方法、キットおよび組成物は、本明細書において説明されるアミノ酸配列のいずれか、および、アミノおよび/またはカルボキシ末端ドメインにおける1〜6個のアミノ酸の追加のフランキング配列を有する非天然クニッツドメインのポリペプチドを含む阻害剤を含んでいてもよい。このような追加のアミノ酸は、例えば酵母、細菌、哺乳動物細胞系、昆虫細胞などで用いられる様々な組換え発現ベクター系のいずれかにおいて、特定の非天然カリクレイン阻害剤ポリペプチド、または、クニッツドメインのポリペプチドを発現する人工産物であってもよい。好ましくは、このような本明細書において説明される非天然クニッツドメインのアミノおよび/またはカルボキシ末端における追加のアミノ酸は、カリクレインへの親和性、または、上記ドメイン、または、上記ドメインを含むポリペプチドのカリクレイン阻害活性を減少させない。
本阻害剤ポリペプチドは、酵母中で組換えタンパク質として上記ポリペプチドが生産された結果として配列番号1に記載のアミノ酸配列、および、アミノ末端のフランキング配列を有する非天然クニッツドメインのポリペプチドを含んでいてもよい。特に好ましい酵母の組換え発現系の例は、配列番号1に記載の非天然クニッツドメインに関するヌクレオチドのコード配列を、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のmatαプレプロペプチドのリーダー配列をコードするヌクレオチド配列に融合させること、および、この組換えコード配列を酵母のピチア・パストリス(Pichia pastoris)中で発現することを含む。このようにして得られた発現された融合タンパク質は、配列番号1に記載のアミノ酸配列、および、アミノ末端のフランキングジペプチドであるGlu−Alaを含む。酵母の発現系中で生産された特に好ましい本発明の阻害剤ポリペプチド種は、配列番号2のアミノ酸配列を有する:
Figure 2010536883
一実施態様において、pKalを阻害する上記ポリペプチドは、例えば、1種またはそれより多くの部分が含まれるように修飾されていてもよく、例えば、上記ポリペプチドの半減期を延長する1種またはそれより多くの部分が含まれるように修飾されていてもよく、このような部分としては、例えば、米国特許公報第2005/0089515号で説明されているようなポリマー部分または複数のポリマー部分が挙げられる。例えば、このようなポリペプチドは、複数のポリエチレングリコール部分を含んでいてもよく、例えば、N末端のアミンに存在するもの、および、上記ポリペプチドの各リシンに結合したものを含んでいてもよい。このようなポリエチレングリコール部分は、10kDa未満、8kDa未満、7kDa未満、または、6kDa未満の平均分子量を有していてもよい。その他の実施態様において、このような部分は、例えば血清アルブミンであってもよく、例えば、ヒト血清アルブミンである。その他の典型的な修飾は、標識を含み、このような標識としては、例えば、放射性標識、または、MRIによって検出可能な標識が挙げられる。いくつかの実施態様において、上記ポリペプチドは、修飾された、および、修飾されていないカリクレインを阻害するポリペプチドを含む混合物の一部である。例えば、このような混合物は、1種またはそれより多くの、カリクレインを阻害し、ポリエチレングリコール部分のようなポリマー部分を含む修飾されたポリペプチド、および、1種またはそれより多くの、カリクレインを阻害し、ポリマー部分を含まない修飾されていないポリペプチドを含んでいてもよい。一実施態様において、上記混合物中の、上記カリクレインを阻害するポリペプチドの約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または全てが修飾されている。
本方法、組成物およびキットにおいて有用な本pKal阻害剤ポリペプチドは、本明細書において説明される非天然クニッツドメインのポリペプチドであってもよいし、または、標準的な分析において決定した場合にpKal阻害剤ポリペプチドがpKalと結合しそれらを阻害するのであればどのような上記クニッツドメインのいずれかを含むより大きいポリペプチドであってもよい。
本明細書において説明される方法は、上記非天然pKal阻害剤の有効量を投与することを含む。このような量は、当業者であれば検出可能な改善を生じるのに十分な量であってもよいし、少なくとも1種の症状を改良するのに十分な量であってもよいし、またはは、少なくとも1種の生理学的なパラメーターを例えば統計学的に有意な程度に調節する(例えば、改善する)のに十分な量であってもよい。
例えば本明細書において説明されるいずれかの方法またはキットで用いられる好ましい組成物は、1種またはそれより多くの製薬上許容できる緩衝液、キャリアーおよび賦形剤をさらに含んでいてもよく、このような物質は、これらに限定されないが、例えば本組成物の患者への強化された投与、本阻害剤の強化された循環半減期、本組成物の強化された患者の血液化学との適合性、本組成物の強化された貯蔵、および/または、本組成物の患者に投与する際における強化された有効性などの望ましい特徴を本組成物に提供する可能性がある。
本発明の1種またはそれより多くの実施態様の詳細は、添付の図面、および、以下の説明に記載される。本発明のその他の特徴、目的および利点は、説明および図面、ならびに請求項から明らかであると予想される。
図1は、プラスミドpPIC−K503中の典型的なカリクレイン阻害剤ポリペプチドに関するDNA、および、それに応じて推測されたアミノ酸の一部を示す。挿入されたDNAは、フレーム内でボックスで囲った領域に含まれるアミノ酸配列を有するPEP−1ポリペプチドのアミノ末端に融合した、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のmatαプレプロシグナルペプチドをコードする(下線で示した)。そのボックスで囲った領域に示されるPEP−1ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2であり、それに対応するヌクレオチドのコード配列は、配列番号3である。破線の矢印は、配列解析用テンプレートを生産するのに用いられたAOX領域中の2種のPCRプライマー配列の位置および方向を示す。この図の全ヌクレオチド配列に関するDNA配列は、上記融合タンパク質に関する構造的なコード配列を含み、配列番号27と指定されている。配列の二重下線で示した部分は、診断プローブ配列を示す。BstBIおよびEcoRIは、上記配列中におけるそれら個々のパリンドロームの6量体制限エンドヌクレアーゼ部位の位置を示す。星印は、翻訳停止コドンを意味する。詳細についてはテキストを参照。 図2A(Fig.2A)および図2B(Fig.2B)は、典型的なアミノ酸配列、これらの変異体が誘導された天然型のLACI配列(配列番号32)、および、その他の既知のクニッツドメイン(配列番号29〜31および33〜53)のアライメントを示す。システイン残基を強調表示した。 図2Aの続き。
発明者等は、本明細書において、非天然pKal阻害剤を投与することによって、痛風、具体的には急性痛風を治療する新規の方法を示す。
クニッツドメインpKal阻害剤
多数の有用なpKal阻害剤は、クニッツドメインを含む。
本明細書で用いられるように、「クニッツドメイン」は、少なくとも51個のアミノ酸を有し、少なくとも2個、および、好ましくは3個のジスルフィドを含むポリペプチドドメインである。このドメインは、第一および第六のシステイン、第二および第四、ならびに第三および第五のシステインがジスルフィド結合を形成するように折り畳まれているか(例えば、58個のアミノ酸を有するクニッツドメイン中で、システインは、以下に示すBPTI相同配列の番号に従って、アミノ酸5、14、30、38、51および55に相当する位置に存在する可能性があり、ジスルフィドは、5位のシステインと55位のシステインとの間、14位のシステインと38位のシステインとの間、ならびに30位のシステインと51位のシステインとの間に形成される可能性がある)、または、2つのジスルフィドが存在する場合、それらは、それらのシステインによって生じる部分集合間で形成される可能性がある。それぞれのシステイン間の間隔は、以下に示すBPTI配列の番号付けに従って、5〜55、14〜38および30〜51に相当する位置間の間隔の7、5、4、3、2、1個以内または0個のアミノ酸であってもよい。BPTI配列は、あらゆる一般的なクニッツドメインにおいて特定の位置を述べるための参照として用いることができる。対象のクニッツドメインとBPTIとの比較は、並べられたシステインの数を最大にした最もよく適合するアライメントを同定することによって行うことができる。
BPTIのクニッツドメインの三次元構造(高解像度における)が既知である。そのX線構造の1つは、ブルックヘブン・プロテイン・データバンク(Brookhaven Protein Data Bank)に「6PTI」として寄託されている。いくつかのBPTI相同体の三次元構造(Eigenbrot等(1990)Protein Engineering,3(7):591−598;Hynes等(1990)Biochemistry,29:10018−10022)が既知である。少なくとも81種のクニッツドメイン配列が既知である。既知のヒト相同体としては、LACIの3種のクニッツドメイン(Wun等(1988)J.Biol.Chem.263(13):6001−6004;Girard等(1989)Nature,338:518−20;Novotny等(1989)J.Biol.Chem.,264(31):18832−18837)、インターα−トリプシン阻害剤の2種のクニッツドメイン、APP−I(Kido等(1988)J.Biol.Chem.,263(34):18104−18107)、コラーゲン由来のクニッツドメイン、TFPI−2の3種のクニッツドメイン(Sprecher等(1994)PNAS USA,91:3353−3357)、肝細胞増殖因子活性化因子阻害剤1型のクニッツドメイン、肝細胞増殖因子活性化因子阻害剤2型のクニッツドメイン、米国特許公報第20040152633号で説明されているクニッツドメインが挙げられる。LACIは、3種のクニッツドメインを含む39kDaの分子量を有するヒト血清リン糖タンパク質である(表1に記載のアミノ酸配列)。
Figure 2010536883
上記のクニッツドメインは、LACI−K1(残基50〜107)、LACI−K2(残基121〜178)、および、LACI−K3(213〜270)と称される。LACIのcDNA配列は、Wun等(J.Biol.Chem.,1988,263(13):6001−6004)で報告されている。Girard等(Nature,1989,338:518−20)は、3種のクニッツドメインそれぞれのP1残基を修飾した突然変異の研究を報告している。LACI−K1は、第VIIa因子(F.VIIa)を阻害し、その際にF.VIIaが組織因子と複合体化すると、LACI−K2が第Xa因子を阻害する。
典型的なクニッツドメインを含むタンパク質としては、以下が挙げられる(括弧内にスイスプロット(SWISS−PROT)受託番号を共に示す):
Figure 2010536883
配列データベースからクニッツドメインを同定するために様々な方法を用いることができる。例えば、クニッツドメインの既知のアミノ酸配列、コンセンサス配列、または、モチーフ(例えば、プロサイト(ProSite)モチーフ)は、例えばBLASTを用いて、GenBank配列データベース(国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information),国立健康研究所(National Institutes of Health),メリーランド州ベセスダ)に対して;HMM(隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model))のPfamデータベースに対して(例えば、Pfam検索のデフォルトパラメーターを用いて);SMARTデータベースに対して;または、ProDomデータベースに対して検索することができる。例えばPfamリリース9(Pfam Release 9)のPfam受託番号PF00014は、多数のクニッツドメインを提供するものであり、HMMは、クニッツドメインを同定する。Pfamデータベースの説明は、Sonhammer等(1997)Proteins 28(3):405−420で見ることができ、HMMの詳細な説明は、例えば、Gribskov等(1990)Meth.Enzymol.183:146−159;Gribskov等(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4355−4358;Krogh等(1994)J.Mol.Biol.235:1501−1531;および、Stultz等(1993)Protein Sci.2:305−314で見ることができる。HMMのSMARTデータベース(シンプル・モジュラー・アーキテクチャー・リサーチ・ツール(Simple Modular Architecture Research Tool),EMBL,ハイデルベルグ,ドイツ)は、Schultz等(1998),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:5857、および、Schultz等(2000)Nucl.Acids Res 28:231で説明されている。SMARTデータベースは、HMMer2検索プログラムの隠れマルコフモデルを用いたプロファイリングによって同定されたドメインを含む(R.Durbin等(1998)Biological sequence analysis:probabilistic models of proteins and nucleic acids.Cambridge University Press)。またこれらのデータベースには注釈も付され、さらにモニターされている。ProDomタンパク質ドメインデータベースは、相同ドメインの自動コンパイルからなる(Corpet等(1999),Nucl.Acids Res.27:263−267)。ProDomの最新バージョンは、スイスプロット(SWISS−PROT)38、および、TREMBLタンパク質データベースの帰納的PSI−BLAST検索(Altschul等(1997)Nucleic Acids Res.25:3389−3402;Gouzy等(1999)Computers and Chemistry 23:333−340.)を用いて構築されている。このようなデータベースは、各ドメインに対してコンセンサス配列を自動的に生成する。ProSiteは、クニッツドメインをモチーフとして列挙し、クニッツドメインを含むタンパク質を同定する。例えば、Falquet等.Nucleic Acids Res.30:235−238(2002)を参照。
クニッツドメインは、主として2つのループ領域(「結合ループ」)中のアミノ酸を用いて標的のプロテアーゼと相互作用する。第一のループ領域は、BPTIのアミノ酸13〜20に対応するおよその残基間にある。第二のループ領域は、BPTIのアミノ酸31〜39に対応するおよその残基間にある。クニッツドメインの典型的なライブラリーにおいて、第一および/または第二のループ領域における1個またはそれより多くのアミノ酸の位置を変化させる。このように変化させるのに特に有用な位置としては、カリクレインと相互作用するクニッツドメインに関してスクリーニングする場合、または、改善された親和性を有する変異体を選択する場合、以下が挙げられる:BPTI配列に従って、13位、15位、16位、17位、18位、19位、31位、32位、34位、および、39位。これらの位置のうち少なくともいくつかは、標的のプロテアーゼと密接に接触していることが予想される。また、その他の位置を多様化することも有用であり、例えば、三次元構造において上述の位置に隣接する位置を多様化することも有用である。
クニッツドメインの「フレームワーク領域」は、クニッツドメインの一部であるが、特に、第一および第二の結合ループ領域中の残基、すなわちBPTIのアミノ酸13〜20、および、BPTIのアミノ酸31〜39に対応するおよその残基以外の残基と定義される。逆に言えば、結合ループ中に含まれない残基は、より広範囲のアミノ酸置換(例えば、保存的および/または非保存的置換)に対して耐性を有する可能性がある。
一実施態様において、これらのクニッツドメインは、ヒトリポタンパク質関連凝固阻害剤(LACI)タンパク質のクニッツドメイン1を含むループ化された構造の変異型である。LACIは、パラダイムクニッツドメインである3種の内部の特定のペプチドループ構造を含む(Girard,T.等,1989.Nature,338:518−520)。本明細書において説明されるLACIのクニッツドメイン1の変異体は、すでにスクリーニングされて、単離されており、これらは、カリクレインと強化された親和性および特異性で結合する(例えば、米国特許第5,795,865号、および、6,057,287を参照、これらはこの参照により開示に含まれる)。またこれらの方法は、カリクレインと相互作用するその他のクニッツドメイン(例えば、血漿カリクレイン)を得るために、その他のクニッツドメインのフレームワークにも適用することができる。カリクレインの結合および阻害分析を用いて決定したところ、カリクレイン機能の有用な調節因子は、典型的には、カリクレインと結合し、および/または、それらを阻害する。
カリクレインを阻害するクニッツドメインを含む典型的なポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸3〜60で定義されたアミノ酸配列を有する。
典型的なポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
Figure 2010536883
「Xaa」は、ペプチド鎖中の位置を意味し、多種多様なアミノ酸のいずれでもよい。第一の実施例において、Xaaは、システイン以外のあらゆるアミノ酸であってもよい。その他の実施例において、以下のうち1種またはそれより多くが適用される:Xaa10は、AspまたはGluであってもよく;Xaa11は、Asp、Gly、Ser、Val、Asn、Ile、AlaまたはThrであってもよく;Xaa13は、Pro、Arg、His、Asn、Ser、Thr、Ala、Gly、LysまたはGlnであってもよく;Xaa15は、Arg、Lys、Ala、Ser、Gly、Met、Asn、または、Glnであってもよく;Xaa16は、Ala、Gly、Ser、Asp、または、Asnであってもよく;Xaa17は、Ala、Asn、Ser、Ile、Gly、Val、Gln、または、Thrであってもよく;Xaa18は、His、Leu、GlnまたはAlaであってもよく;Xaa19は、Pro、Gln、Leu、Asn、または、Ileであってもよく;Xaa21は、Trp、Phe、Tyr、His、または、Ileであってもよく;Xaa31は、Glu、Asp、Gln、Asn、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、または、Thrであってもよく;Xaa32は、Glu、Gln、Asp Asn、Pro、Thr、Leu、Ser、Ala、Gly、または、Valであってもよく;Xaa34は、Ile、Thr、Ser、Val、Ala、Asn、Gly、または、Leuであってもよく;Xaa35は、Tyr、TrpまたはPheであってもよく;Xaa39は、Glu、Gly、Ala、Ser、または、Aspであってもよい。アミノ酸Xaa6、Xaa7、Xaa8、Xaa9、Xaa20、Xaa24、Xaa25、Xaa26、Xaa27、Xaa28、Xaa29、Xaa41、Xaa42、Xaa44、Xaa46、Xaa47、Xaa48、Xaa49、Xaa50、Xaa52、Xaa53、および、Xaa54は、どのようなアミノ酸であってもよい。
加えて、配列番号1の最初の4個、および、最後の3個のアミノ酸はそれぞれ、任意に存在していてもよいし、または存在していなくてもよく、これらは、存在する場合はどのようなアミノ酸であってもよく、例えばシステイン以外のあらゆるアミノ酸であり得る。
一実施態様において、上記ポリペプチドは、1またはそれより多くの以下の特性を示す配列を有する:Xaa11は、Asp、Gly、Ser、または、Valであってもよく;Xaa13は、Pro、Arg、His、または、Asnであってもよく;Xaa15は、ArgまたはLysであってもよく;Xaa16は、AlaまたはGlyであってもよく;Xaa17は、Ala、Asn、SerまたはIleであってもよく;Xaa18は、His、LeuまたはGlnであってもよく;Xaa19は、Pro、GlnまたはLeuであってもよく;Xaa21は、TrpまたはPheであってもよく;Xaa31は、Gluであり;Xaa32は、GluまたはGlnであってもよく;Xaa34は、Ile、ThrまたはSerであってもよく;Xaa35は、Tyrであり;および、Xaa39は、Glu、GlyまたはAlaであってもよい。
典型的なポリペプチドは、以下のアミノ酸を含んでいてもよい:Xaa10は、Aspであり;Xaa11は、Aspであり;Xaa13は、ProまたはArgであってもよく;Xaa15は、Argであり;Xaa16は、AlaまたはGlyであってもよく;Xaa17は、Alaであり;Xaa18は、Hisであり;Xaa19は、Proであり;Xaa21は、Trpであり;Xaa31は、Gluであり;Xaa32は、Gluであり;Xaa34は、IleまたはSerであってもよく;Xaa35は、Tyrであり;および、Xaa39は、Glyである。
また、本明細書において説明されるポリペプチドの一部を用いることも可能である。例えば、このようなポリペプチドは、特定のカリクレインエピトープに関する結合ドメインを含んでいてもよい。例えば、クニッツドメインの結合ループは、環化される可能性もあり、別々で用いられる可能性もあり、または、その他のドメイン(例えばその他のクニッツドメインのフレームワーク)にグラフト化される可能性もある。また、本明細書において説明されるアミノ酸配列のN末端から1、2、3または4個のアミノ酸を除去することも可能であり、および/または、本明細書において説明されるアミノ酸配列のC末端から1、2、3、4または5個のアミノ酸を除去することも可能である。
以下で、配列番号1に包含される配列の例を説明する(ここで、特に指定されなければ、「Xaa」は、あらゆるアミノ酸、システイン以外のあらゆるアミノ酸、または、配列番号1に関して認められているアミノ酸と同じ群から選択されるあらゆるアミノ酸を意味する):
Figure 2010536883
Figure 2010536883
Figure 2010536883
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さらなる配列の例としては、本明細書において説明されるアミノ酸配列(例えば上で示したアミノ酸配列)と比べて、少なくとも1個のアミノ酸が異なっているが、異なるアミノ酸が7、6、5、4、3または2個未満である配列が挙げられる。一実施態様において、結合ループの一方において、3、2個未満または1個が異なっている。例えば、第一の結合ループは、本明細書において説明されるアミノ酸配列(例えば上で示したアミノ酸配列)と比べて差がなくてもよい。その他の実施例において、第一の結合ループも第二の結合ループも、本明細書において説明されるアミノ酸配列(例えば上で示したアミノ酸配列)と比べて異なっていない。
図2Aおよび2Bは、これらの配列のアミノ酸配列アライメント、これらの変異体が誘導された天然型のLACI配列(配列番号32)、および、その他の既知のクニッツドメイン(配列番号29〜31および33〜53)を示す。さらにその他のカリクレインを阻害するポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸3〜60の約58個のアミノ酸の配列、または、配列番号2の60個のアミノ酸の配列を有するPEP−1ポリペプチドを含む。本明細書で用いられる用語「PEP−1」および「DX−88」は、配列番号2の60個のアミノ酸の配列を意味する。配列番号3に、配列番号2のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を示す(例えば、図1に記載のヌクレオチド309〜488を参照)。当然のことながら、既知の遺伝子コードに基づいて、配列番号3のヌクレオチド配列の縮重形態は、単に、そのヌクレオチド配列によってコードされた各アミノ酸を1種またはそれより多くの既知の縮重コドン置換することにより得ることができる。配列番号3のヌクレオチド7〜180およびそれらの縮重形態は、配列番号2のアミノ酸3〜60の58個のアミノ酸配列、それらの関連配列または機能的なフラグメントを含む非天然クニッツドメインポリペプチドをコードする。
一実施態様において、上記ポリペプチドは、アプロチニン以外のポリペプチドであり、例えば、アプロチニンとは少なくとも1、2、3、5、10個、または、15個のアミノ酸が異なるポリペプチドである。
本明細書において説明されるポリペプチドは、あらゆる標準的なポリペプチド合成プロトコールおよび器具を用いて合成によって製造することができる。例えば、ポリペプチドの段階的合成は、最初の(すなわちカルボキシ末端の)アミノ酸からアミノ(N)末端の保護基を除去し、それらに、そのポリペプチドの配列において次のアミノ酸のカルボキシル末端をカップリングすることによって行うことができる。さらにこのアミノ酸も、適切に保護される。その後に続くアミノ酸のカルボキシル基が活性化されて、反応性基に形成されることによって、例えば、カルボジイミド、対称な酸無水物または「活性エステル」基、例えばヒドロキシベンゾトリアゾール、または、ペンタフルオロフェニルエステルに形成されることによって、結合したアミノ酸のN末端と反応する可能性がある。好ましい固相ペプチド合成法としては、BOC法が挙げられ、これは、Ι−アミノ保護基としてtert−ブチルオキシカルボニルを利用する方法であり、さらに、FMOC法が挙げられ、これは、アミノ酸残基のアルファ−アミノを保護するために9−フルオレニルメトキシカルボニルを利用する方法である。これら両方の方法は当業者周知である(Stewart,J.およびYoung,J.,Solid−Phase Peptide Synthesis(W.H.Freeman Co.,San Francisco 1989);Merrifield,J.,1963.Am.Chem.Soc.,85:2149−2154;Bodanszky,M.およびBodanszky,A.,The Practice of Peptide Synthesis(Springer−Verlag,New York 1984))。必要に応じて、このようなアミノ酸配列に追加のアミノおよび/またはカルボキシ末端のアミノ酸を設計して、ポリペプチド合成中に付加することができる。
また、組換え技術を用いてポリペプチドも生産することができる。組換え方法は、多数の細胞およびそれに対応する発現ベクターのどれを用いてもよく、このような発現ベクターとしては、これらに限定されないが、細菌発現ベクター、酵母発現ベクター、バキュロウイルス発現ベクター、哺乳動物ウイルス発現ベクターなどが挙げられる。本明細書において説明されるポリペプチドは、トランスジェニック動物によって生産することができ、例えば、トランスジェニック動物の乳腺で生産することができる。場合によっては、発現ベクター中でカリクレインを阻害するポリペプチド(例えば、クニッツドメインを含むポリペプチド)に関するコード配列をその他のコード配列に融合させて、宿主細胞中で容易に発現される融合ポリペプチドを形成することが必要であるか、または、有利である可能性がある。追加の配列の一部または全部は、例えばプロテアーゼ消化によって除去してもよい。
カリクレインを阻害するポリペプチド(例えば、クニッツドメインを含むポリペプチド)を生産するための典型的な組換え発現系は、酵母発現ベクターであり、これは、上記阻害剤ポリペプチドに関するアミノ酸配列をコードする核酸配列を、同じリーディングフレーム内で、サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のMATαプレプロリーダーペプチド配列をコードするヌクレオチド配列と連結させ、これを順に、作動可能な酵母プロモーターの制御下に置くことが可能にする。このようにして得られた組換え酵母発現プラスミドは、標準的な方法によって適切な性質の合う酵母宿主の細胞に形質転換することができ、このような細胞は、組換え酵母発現ベクターから組換えタンパク質を発現することができる。好ましくは、このような組換え発現ベクターで形質転換された宿主の酵母細胞はまた、融合タンパク質をプロセシングして、活性な阻害剤ポリペプチドを提供することもできる。組換えポリペプチドを生産するためのその他の典型的な酵母宿主は、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)である。
上述したように、カリクレインを阻害するポリペプチドは、本明細書において説明されるクニッツドメインのポリペプチドを含んでいてもよい。いくつかのポリペプチドは、アミノおよび/またはカルボキシ末端において、好ましくは長さが1〜6個のアミノ酸の追加のフランキング配列を含んでいてもよく、ただしこのような追加のアミノ酸は、本明細書において説明される方法および組成物における使用が不可能になるような、カリクレインの結合親和性またはカリクレインの阻害活性の有意な減少を起こさないものとする。このような追加のアミノ酸は、特定の組換え宿主細胞中でポリペプチドが発現されるように意図的に付加することができ、または、追加の機能が提供されるように付加することができ、例えば、その他の分子へのリンカーが提供されるように、または、ポリペプチドの精製を容易にする親和性部分が提供されるように付加することができる。このような追加のアミノ酸はシステインを含まないことが好ましく、このようなシステインはクニッツドメインのジスルフィド結合に干渉する可能性があるためである。
典型的なクニッツドメインのポリペプチドは、配列番号2の残基3〜60のアミノ酸配列を含む。酵母の融合タンパク質発現系(例えば、組み込み発現プラスミドpHIL−D2をベースとしたもの)中で発現されプロセシングされた場合、このようなクニッツドメインのポリペプチドは、S.セレビジエのMATアルファ−プレプロリーダーペプチド配列との融合による追加のアミノ末端Glu−Alaジペプチドを保持する。酵母宿主細胞から分泌される場合、リーダーペプチドの多くは融合タンパク質からプロセシングされ、配列番号2のアミノ酸配列を有する機能的なポリペプチド(本明細書では「PEP−1」と称される)を得ることができる(図1に記載のボックスで囲った領域を参照)。
典型的なクニッツドメイン、例えば配列番号1を含むクニッツドメインは、多数の不変の位置を含み、例えば、BPTIの番号付けスキームに従って、5位、14位、30位、33位、38位、45位、51位、および、55位に相当する位置がシステインである。これらの位置間の間隔は、クニッツドメインの折り畳み内部で許容できる程度に様々であってよく、例えば3個のジスルフィド結合が形成される程度の間隔である。その他の位置、例えば、6位、7位、8位、9位、20位、24位、25位、26位、27位、28位、29位、41位、42位、44位、46位、47位、48位、49位、50位、52位、53位、および、54位、または、これらの位置に相当する位置は、どのようなアミノ酸であってもよい(非遺伝学的にコードされて生じるアミノ酸も含む)。特に好ましい実施態様において、1個またはそれより多くのアミノ酸は、天然型の配列を有するアミノ酸に相当する(例えば、配列番号32、図2Aおよび2Bを参照)。その他の実施態様において、少なくとも1つの可変の位置が、天然型の配列のその可変の位置とは異なる。さらにその他の好ましい実施態様において、このようなアミノ酸は、保存的または非保存的アミノ酸置換によってそれぞれ個々に置換されていてもよいし、または、集合的に置換されていてもよい。
保存的アミノ酸置換は、アミノ酸を類似の化学的性質を有するその他のアミノ酸で置き換え、タンパク質の機能に影響を与えない可能性がある。非保存的アミノ酸置換は、アミノ酸を類似していない化学構造を有するその他のアミノ酸で置き換える。保存されたアミノ酸置換の例としては、例えば、AsnのGlnでの置換、ArgのLysでの置換、および、SerのThrでの置換が挙げられる。その他の好ましい実施態様において、これらのアミノ酸のうち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20および/または21個が、独立して、または、集合的に、あらゆる組み合わせで、配列番号2のそれに相当する位置に一致するように選択することができる。
その他の位置、例えば、10位、11位、13位、15位、16位、17位、18位、19位、21位、22位、23位、31位、32位、34位、35位、39位、40位、43位、および、45位、または、これらの位置に相当する位置は、選択されたアミノ酸群のいずれでもよい。例えば、配列番号1は、可能な配列群を定義する。この群の各要素は、例えば、5位、14位、30位、51位および55位にシステインを含み、さらに、10位、11位、13位、15位、16位、17位、18位、19位、21位、22位、23位、31位、32位、34位、35位、39位、40位、43位および45位、または、これらの位置に相当する位置に特定のアミノ酸群のいずれか一種を含む。その他の好ましい実施態様において、これらのアミノ酸のうち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18および/または19個は、独立して、または、集合的に、あらゆる組み合わせで、それに相当する配列番号2の位置に一致するように選択することができる。上記ポリペプチドは、好ましくは、配列番号2に対して、少なくとも80%、85%、90%、95、97、98、または、99%の同一性を有する。
本明細書で用いられる用語「実質的に同一な」(または「実質的に相同な」)は、本明細書において、十分な数の第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列と同一または等価な(例えば、類似の側鎖、例えば保存されたアミノ酸で置換された)アミノ酸残基またはヌクレオチドを含んでおり、第一および第二のアミノ酸またはヌクレオチド配列が類似の活性を有するような、第一のアミノ酸またはヌクレオチド配列を意味するものとして用いられる。抗体の場合、第二の抗体は同じ特異性を有し、元の抗体の少なくとも50%の親和性を有する。
2つの配列間の「相同性」の計算は、以下のように行うことができる。それらの配列を最もよく比較できるように並べる(例えば、最適なアライメントが得られるように第一および第二のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入してもよいし、比較のために非相同配列を無視してもよい)。その他の好ましい実施態様において、比較目的で並べられた参考配列の長さは、参考配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらにより好ましくは少なくとも60%、および、さらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。続いて、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列におけるある位置が、第二の配列におけるそれに対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドによって占有されている場合、その分子はその位置において同一である(本明細書で用いられるアミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と同等である)。2つの配列間の同一性のパーセントは、それらの配列が共有する同一な位置の数の関数であり、それら2つの配列を最適に並べるために導入する必要があるギャップの数および各ギャップの長さが考慮される。
配列の比較、および、2つの配列間の相同性パーセントの決定は、数学アルゴリズムを用いて達成することができる。その他の好ましい実施態様において、2つのアミノ酸配列間の相同性パーセントは、NeedlemanおよびWunsch(1970),J.Mol.Biol.48:444−453に記載のアルゴリズムを用いて、ブロッサム(Blossum)62マトリックス、または、PAM250マトリックスのいずれか、および、16、14、12、10、8、6または4のギャップウェイト、ならびに、1、2、3、4、5または6のレングスウェイトを用いて決定される(このアルゴリズムは、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに包含されている)。さらにその他の好ましい実施態様において、2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを用いて、NWSgapdna.CMPマトリックス、ならびに、40、50、60、70または80のギャップウェイト、および、1、2、3、4、5または6のレングスウェイトを用いて決定される。特に好ましいパラメーター群(および、分子が相同性の限定の範囲内であるかどうかを決定するために、どのパラメーターを適用すべきか専門家がわからない場合に用いられると予想されるパラメーター群)は、12のギャップペナルティー、4のギャップ伸長ペナルティー、および、5のフレームシフトギャップペナルティーのブロッサム62のスコア行列である。
また有用なポリペプチドは、本明細書において説明されるポリペプチドをコードする核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされていてもよい。このような核酸は、中程度の、高い、または、極めて高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができる。本明細書で用いられる用語「低いストリンジェンシー、中程度のストリンジェンシー、高いストリンジェンシー、または、極めて高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする」は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を説明している。ハイブリダイゼーション反応を行うための指針は、Current Protocols in Molecular Biology,ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley&Sons),ニューヨーク(1989),6.3.1−6.3.6(これは、参照により開示に含まれる)に見ることができる。この参考文献中に水性および非水性の方法が説明されており、そのいずれも使用可能である。本明細書で述べられた特定のハイブリダイゼーション条件は、以下の通りである:(1)約45℃、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中での、低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、それに続いて、0.2×SSC、0.1%SDS中での2回の洗浄少なくとも50℃で(洗浄温度は、低いストリンジェンシー条件の場合、55℃まで高めることができる);(2)約45℃、6×SSC中での中程度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、それに続いて、60℃、0.2×SSC、0.1%SDS中での1回またはそれより多くの洗浄;(3)約45℃、6×SSC中での高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、それに続いて、65℃、0.2×SSC、0.1%SDS中での1回またはそれより多くの洗浄;および、(4)65℃、0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS中での、極めて高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、それに続いて、65℃、0.2×SSC、1%SDS中での1回またはそれより多くの洗浄。
修飾
クニッツドメインを阻害するポリペプチドを様々な方法で修飾することが可能である。例えば、上記ポリペプチドは、1種またはそれより多くのポリエチレングリコール部分に結合してその化合物を安定化させたり、または、保持時間を、例えば、少なくとも2、4、5、8、10、15、20、50、100、500または1000倍延長させたりすることができる。
カリクレインを阻害するポリペプチドは、ポリマーに会合させる(例えば、結合させる)ことができ、例えば、ポリアルキレンオキシド、または、ポリエチレンオキシドのような実質的に非抗原性のポリマーに会合させることができる。適切なポリマーは、重量によって実質的に異なると予想される。約200〜約35,000(または、約1,000〜約15,000、および、2,000〜約12,500)の範囲の数平均分子量を有するポリマーが使用可能である。1つのポリペプチドに複数のポリマー部分が結合していてもよく、例えば、例えば、約2,000〜7,000ダルトンの平均分子量を有する、少なくとも3または4つのこのような部分が結合していてもよい。
例えば、上記ポリペプチドは、水溶性ポリマー、例えば親水性ポリビニルポリマー、例えばポリビニルアルコール、および、ポリビニルピロリドンに結合していてもよい。このようなポリマーの非限定的な例としては、ポリアルキレンオキシドホモポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)、または、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマーが挙げられる(ただし、ブロックコポリマーの水溶性は維持される)。追加の有用なポリマーとしては、ポリオキシアルキレン、例えばポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、および、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックコポリマー(プルロニック(Pluronic));ポリメタクリラート;カルボマー;糖類の単量体D−マンノース、D−およびL−ガラクトース、フコース、フルクトース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルクロン酸、シアリン酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸(例えば、ポリマンヌロン酸、または、アルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコース、および、ノイラミン酸を含む、分枝状または非分枝状の多糖類、例えば、ホモ多糖類、および、ヘテロ多糖類、例えばラクトース、アミロペクチン、スターチ、ヒドロキシエチルスターチ、アミロース、デキストラン硫酸塩、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、または、酸ムコ多糖類の多糖類サブユニット、例えばヒアルロン酸;糖アルコールのポリマー、例えばポリソルビトール、および、ポリマンニトール;ヘパリン、または、ヘパランが挙げられる。
またその他の化合物も、上記のポリマーに結合することができ、このような化合物としては、例えば、細胞毒素、標識、または、その他の標的となる物質もしくは関連のない物質が挙げられる。架橋を形成するためには、モノ活性化アルコキシ末端ポリアルキレンオキシド(PAO)、例えば、モノメトキシ末端ポリエチレングリコール(mPEG);C1〜4アルキル末端ポリマー;および、ビス活性化ポリエチレンオキシド(グリコール)を用いることができる。例えば、米国特許第5,951,974号を参照。
方法
本明細書において説明されるカリクレイン阻害剤は、痛風、具体的には急性痛風を治療する方法で用いることができる。本明細書で用いられる用語「治療」は、痛風の症状の改善、重症度の低減、または、安定化を意味する。本方法は、痛風を有する、または、痛風を有する疑いのある被検体に、非天然カリクレイン阻害剤を投与することを含む。
一実施態様において、治療方法は、カリクレイン阻害剤としての、非天然クニッツドメインを含むポリペプチドの投与を含む。本方法の一実施態様は、広範なセリンプロテアーゼの親和性よりも約30倍またはそれよりも高いカリクレインへの親和性を有する配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドを使用し、このようなポリペプチドは、例えばアプロチニンであり、これは、ウシの肺から単離されたものであり、現在のところ冠状動脈バイパス移植術法での使用に承認されている(トラジロール(TRASYLOLTM),バイエル社医薬部門(Bayer Corporation Pharmaceutical Division),ウェストヘブン,コネティカット州)。
非天然pKal阻害剤を投与すると、痛風または急性痛風の少なくとも1種の症状の改善、重症度の低減、または、安定化が起こる。
痛風の症状としては、痛み、具体的には関節痛、および、関節の機能(例えば、可動域、握力)の損失が挙げられる。
痛風 症状は、あらゆる適切な技術またはテクノロジーを用いて測定することもできる。例えば、痛みは、疼痛スケール、例えば視覚的疼痛スケールを用いて測定することもできる。その他の有用な測定としては、関節の機能の測定、例えば可動域、握力などの測定が挙げられる。より一般的に全体的な機能を説明するその他の測定、例えば、被検体が立った姿勢を維持することができる時間、または、特定の距離を歩くのに要する時間の測定が有用である。また、患者の機能の質問票およびその他の測定、例えば痛風関連の、関節炎関連の、または、全般的な性能の測定、例えば、痛風の評価質問票(GAQ)、健康状態質問票(HAQ)、日常生活動作のカッツ(Katz)インデックス(KIADL)、または、日常生活の手段的動作(IADL)も有用である。
併用療法
上記非天然pKal阻害剤は、痛風のための併用療法の一部として投与してもよい。非天然pKal阻害剤を併用療法は、追加の物質と共に使用することを含む。このような追加の物質は、追加の急性痛風治療剤、尿酸降下薬、貪食作用抑制剤、または、それらの2種またはそれより多くの組み合わせであり得る。
急性痛風治療剤としては、NSAID(例えば、インドメタシン、アセトアミノフェン、アスピリン、ナプロキセン ナトリウム、イブプロフェン、スリンダク)およびその他の鎮痛薬(例えば、コデインと併用したアセトアミノフェン)、および、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン)、および、コルチコステロイドを刺激する物質(例えば、コルチコトロピン)、および、貪食作用を抑制する物質(anti−phagocytotic agent)(例えば、コルヒチン)が挙げられる。
尿酸降下薬としては、キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害剤、尿酸排泄薬、および、尿酸代謝薬が挙げられる。非天然pKal阻害剤との併用において有用なXO阻害剤としては、これらに限定されないが、アロプリノール、オキシプリノール、フェブキソスタット([2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシフェニル)−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸)、Y−700(1−[3−シアノ−4−(2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、および、BOF−4272((±)−8−(3−メトキシ−4−フェニルスルフィニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−4−(1H)−オン)が挙げられる。
尿酸排泄薬としては、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、グアイフェネシン、サリチル酸塩、および、ロサルタンが挙げられる。
貪食作用抑制剤としては、コルヒチンが挙げられる。
上記非天然pKal阻害剤は、追加の痛風治療剤と共に共投与してもよい(例えば、同じ治療用組成物の一部として投与されるか、または、同時に、かつ同じ経路で、ただし別々の組成物として投与される)。しかしながら、非天然pKal阻害剤と追加の痛風治療剤とが、異なる経路で、または、異なる投与スケジュールで投与される場合、非天然pKal阻害剤および追加の痛風治療剤は、別々の組成物として投与してもよく、および、本pKal阻害剤は、追加の痛風治療剤の投与の前に、それと同時に、または、その後に投与してもよい。非天然pKal阻害剤と追加の痛風治療剤とが別々の組成物として投与される場合、非天然pKal阻害剤と追加の痛風治療剤とが、オーバーラップする(例えば、被検体中に治療有効量の2種の物質が同時に存在する)時間枠内で投与されていれば、「併用療法」として投与されたものとみなされる。
投与
本pKal阻害剤(単独で、または、併用療法の一部として)は、痛風の発病(例えば、急性痛風の発症)の前に、その際に、および/または、その後に患者に投与することができる。患者は、一般的にはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物であってもよい。ヒト患者は、成人の患者、例えば、年齢19〜25歳、26〜40歳、41〜55歳、56〜75歳、および、76歳の患者、および、それより高齢の患者、さらに、小児患者、例えば、年齢0〜2歳、3〜6歳、7〜12歳、および、13〜18歳の患者を含む。
用語「製薬上許容できる」組成物は、本明細書において説明されるpKal阻害剤と共に患者に投与することができる非毒性のキャリアーまたは賦形剤を意味する。このようなキャリアーまたは賦形剤は、本組成物の生物学的な活性または薬理活性に適合するように選択される。本明細書において説明されるpKal阻害剤(および、併用療法の場合は、追加の痛風治療剤)は、本阻害剤および/または追加の痛風治療剤の阻害的な量を患者に送達するためのあらゆる適切な手段によって、局所的に投与してもよいし、または、全身投与してもよく、このような手段としては、これらに限定されないが、例えば、静脈内および吸入のような全身投与が挙げられる。本pKal阻害剤にとって特に好ましくは、非経口投与である。
非経口投与の場合、本pKal阻害剤、および、必要に応じて追加の痛風治療剤は、静脈内、筋肉内、腹腔内または皮下に注射してもよい。非経口投与の好ましい経路は、皮下注射および静脈内投与である。また、特に関与する関節が、中型から大型の関節(例えば、臀部、ひざ、肘、足首、手首)である場合、局所(関節内)注射も有用である。
典型的には、注射による投与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液(例えば、ナトリウム/カリウムリン酸緩衝生理食塩水)中の溶液である。その他の製薬上許容できるキャリアーとしては、これらに限定されないが、滅菌水、食塩水、および、緩衝食塩水(リン酸塩または酢酸塩のような緩衝剤を含む)、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、パラフィンなどが挙げられる。必要に応じて、本組成物はまた、活性な化合物と有害な反応を起こさない限り、可溶化剤、および、注射部位の痛みを軽減するための局所麻酔剤(例えばリドカイン)、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、塩、潤滑剤などを含んでいてもよい。同様に、本組成物は従来の賦形剤を含んでいてもよく、例えば、非経口、経腸または鼻腔内への適用に適した、活性な化合物と有害な反応を起こさない製薬上許容できる有機または無機物質キャリアー物質を含んでいてもよい。一般的に、このような成分は、別々に供給されるか、または、活性物質の量を活性単位で示した密封容器(例えばアンプル、小袋またはバイアル)中で、例えば乾燥凍結乾燥粉末、または、水分を含まない濃縮物として1回投与量中に一緒に混合されるかのいずれかであると予想される。本組成物を点滴によって投与しようとする場合、滅菌した医薬品グレードの「注射用水」または塩類溶液を含む点滴ボトルを用いて分配することができる。本組成物を注射によって投与しようとする場合、滅菌注射用水または塩類溶液の容器(例えば、アンプルまたはバイアル)は、上記成分を投与の前に混合できるように提供することができる。
非天然pKal阻害剤を皮下投与するための典型的な調合物は、緩衝剤(例えば、ヒスチジンまたはリン酸緩衝液)を含む緩衝液、および、凍結保護物質(例えば、スクロース、または、スクロースおよびマンニトール、任意にデキストラン40のようなデキストランを含んでいてもよい)を含み、さらに、2007年3月9日付けで出願された米国出願第11/716,278号で説明されているように、貯蔵および分配のために凍結乾燥してもよい。
一実施態様において、本pKal阻害剤は、あらゆる承認された手法に従って、静脈内注射として患者に投与される。その他の実施態様において、本pKal阻害剤は、大量皮下注射剤として患者に投与される。その他の実施態様において、本pKal阻害剤は、関節内注射によって患者の影響を受けた関節に投与される。静脈内および関節内投与は、典型的には、健康管理の専門家によって臨床条件下(例えば、病院、応急処置、または、医師の診療室)で行われるが、皮下注射は、自分で投与してもよいし、または、健康管理の専門家によって投与してもよい。
全身投与の場合にカリクレイン阻害剤の用量を決定するために評価することができるパラメーターを、以下でDX−88(非天然カリクレイン阻害剤、配列番号2)に関して説明する。血漿中の循環するプレカリクレインの総量は、約500nM〜600nMであると報告されている(Silverberg等,“The Contact System and Its Disorders,” in Blood:Principles and Practice of Hematology,Handin,R.等編集,J B Lippincott Co.,Philadelphia,1995)。全てのプレカリクレインが活性化された場合、カリクレインを化学量論的に阻害するのに約520ナノモル/LのDX−88を用いることができる。5Lの血漿を有する個体は、DX−88の分子量が7,054ダルトンであることに基づいて、2.6マイクロモル、または、約18mgのDX−88の用量を必要とすると予想される。これは、以下のようにして計算した:DX88のKiは、0.044nMである。例えば血漿カリクレイン(PK)の濃度が1nMであることが望ましい場合、式Ki=0.044nM=[DX88]×[PK]/[DX88−PK]=[DX88]×1nm/499nMから、遊離のDX−88の濃度が、22.0nMであることが示される。従って、必要なDX−88の総量は、499+22または521nMと予想される。この用量は、全てのプレカリクレインが活性化されたとは限らない場合、または、カリクレインの一部が、内因性の阻害剤、例えばC1エステラーゼ阻害剤(C1INH)によって不活性化された場合、比例的に減少する可能性がある。従って、具体的な実施態様において、約5、10、15、20、30、40、60,80、120、250、500、600、700、800、1000mgのDX−88を、単回投与で、または、24時間にわたり1回またはそれより多くの用量で被検体に投与することができる。患者の年齢、体重、および、痛風の症状の重症度のような数種のその他の要因を考察することによって、実際に必要なDX−88の用量をより正確に推定できる可能性がある。
いくつかの実施態様において、本カリクレイン阻害剤ポリペプチドは、約1〜500mg/mの用量で、好ましくは約1〜250mg/m、1〜100mg/mの用量で投与される。
併用療法において、追加の痛風治療剤は、個々の薬物それぞれに適した用量で投与される。例えば、プレドニゾン、コルチコステロイドは、典型的には、20〜40mg/日で投与され、急性痛風の発症がなくなったら用量を漸減させる。NSAIDのインドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、および、スリンダクは、典型的には、50mgを1日3回(tid)、600〜800mgを1日3回、負荷量として825、続いてそれぞれ275mgを1日3回、および、200mgを1日2回(bid)投与される。貪食作用を抑制する薬物のコルヒチンは経口投与してもよいし、または、注射で投与してもよく:経口投与の場合、1〜1.2mgの負荷量、続いて0.5または0.6mgの錠剤が1時間おきに投与され、これは、(a)関節痛が緩和されるまで、(b)用量を制限する胃腸の副作用が現れるまで、または、合計5〜7mgのコルヒチンが投与されるまで行われ;非経口投与の場合、1mgが静脈内投与され(最大1日あたり4回までの投与)、これは、症状がなくなったり、または、用量を制限する毒性(骨髄抑制、腎臓のダメージ、または、肝機能検査(LFT)の変化)が現れたりするまで行われる。尿酸排泄薬のプロベネシドは、典型的には、1日あたり1〜2グラムで投与される。アロプリノールは、典型的には、1日あたり300mgで投与される。ウリカーゼ(例えば、ラスブリカーゼ)は、1回用量あたり4〜24mgで投与される。
装置およびキット
本カリクレイン阻害剤(および、任意に追加の痛風治療剤)を含む医薬組成物は、医療用装置を用いて投与してもよい。本装置は、病院または緊急処置室/応急処置施設以外の環境(例えば、自宅または医師の診療室で患者または治療奉仕者によって)で用いることができるように、携帯できること、室温で貯蔵できること、および、使用が容易であることといった特徴を持つように設計することができる。本装置は、非天然カリクレイン阻害剤(および任意に追加の痛風治療剤)を含む医薬配合物を貯蔵するための1個またはそれより多くのハウジングを含んでいてもよく、さらに、1回またはそれより多くの物質または物質群の単位用量が送達されるように設計することができる。
静脈内投与は、1回で大量に投与してもよいし、または、適切な注射または点滴装置(例えば、カテーテル、点滴ポンプ、インプラントなど)を用いて点滴によって行ってもよい。皮下注射は、例えばカテーテルおよび点滴ポンプ、または、埋め込み可能な装置を用いた点滴として行ってもよい。その他の多くの装置、インプラント、送達システムおよびモジュールもよく知られている。
本pKal阻害剤(および任意に追加の痛風治療剤)が凍結乾燥粉末として分配される場合、それらを使用前に再溶解させなければならない。手動での再溶解(例えば、希釈剤を、凍結乾燥製剤を含む容器に注入ポートを介して注射することによって凍結乾燥製剤に手動で添加すること)を用いてもよいし、または、本pKal阻害剤(および任意に追加の痛風治療剤)は、自動的に再溶解されるように(例えば、自動的に凍結乾燥製剤に希釈剤が添加されるように)設計された装置中に提供してもよく、このような装置としては、例えばベクトン・ディッキンソン(BECTON−DICKINSON)のBDTMリキッド・ドライ・インジェクター(BDTM Liquid Dry Injector)が挙げられる。
非天然カリクレイン阻害剤は、キット中に提供することができる。一実施態様において、本キットは、(a)非天然カリクレイン阻害剤を含む組成物を含む容器、および、(b)本明細書において説明される方法、および/または、治療的有用性に関する物質の用途について述べた資料を含む。一つの実施態様において、本キットはさらに、追加の痛風治療剤も含む。例えば、本キットは、非天然カリクレイン阻害剤を含む組成物を含む第一の容器、および、追加の痛風治療剤を含む第二の容器を含む。
本キットの資料は、その形態において限定されない。一実施態様において、このような資料には、化合物の生産に関する情報、化合物の分子量、濃度、有効期限、バッチ、または、生産場所の情報などが含まれていてもよい。一実施態様において、このような資料は、例えば、痛風、例えば急性痛風を有する被検体を治療するのに適切な用量、投薬形態または投与様式(例えば、本明細書において説明される用量、投薬形態または投与様式)で非天然カリクレイン阻害剤を投与する方法について述べられている。このような情報は様々な様式で提供することができ、印刷された文章、コンピューターで読取り可能な資料、ビデオ録画もしくは音声録音、または、重要な資料へのリンクまたはアドレスを提供する情報を含む。
非天然カリクレイン阻害剤(および、存在する場合、追加の痛風治療剤)に加えて、本キット中の組成物は、溶媒もしくは緩衝液、安定剤、または、保存剤のようなその他の成分を含んでいてもよい。非天然カリクレイン阻害剤(および、存在する場合、追加の痛風治療剤)は、あらゆる形態で提供することができ、例えば、液体、乾燥した形態または凍結乾燥形態で提供することができ、好ましくは実質的に純粋な、および/または、滅菌された形態で提供することができる。このような物質が液体溶液中に提供される場合、このような液体溶液は、好ましくは水溶液である。このような物質が乾燥した形態として提供される場合、一般的に、再溶解は適切な溶媒の添加によってなされる。任意に、このような溶媒、例えば滅菌水または緩衝液を本キット中に提供してもよい。
本キットは、上記物質を含む組成物または組成物群に応じて1個またはそれより多くの容器を含んでいてもよい。いくつかの実施態様において、本キットは、本組成物および資料に応じて別個の容器、仕切りまたは区画を含む。例えば、本組成物は、ボトル、バイアルまたは注射器に入れてもよく、資料は、プラスチック製のスリーブまたは小箱に入れてもよい。その他の実施態様において、本キットの別個の要素は、単一の分割されていない 容器内に入れられる。例えば、本組成物は、ボトル、バイアルまたは注射器に入れられ、そこに、資料がラベルの形態で貼付けられる。いくつかの実施態様において、本キットは、複数の(例えば一群の)個々の容器を含み、それらそれぞれに、上記物質の1またはそれより多くの1回投与量(例えば、本明細書において説明される投薬形態)が含まれる。このような容器は、組み合わせの投与単位を含んでいてもよく、例えば、非天然カリクレイン阻害剤と追加の痛風治療剤との両方を例えば望ましい比率で含む単位を含んでいてもよい。例えば、本キットは、複数の注射器、アンプル、金属箔の包み、ブリスターパック、または、医療用装置を含み、例えば、これらはそれぞれ、単一の組み合わせの単位用量を含む。本キットの容器は、気密性、防水性(例えば、水分蒸発における変化に対して不浸透性)、および/または、耐光性を有していてもよい。
本キットは、任意に、本組成物の投与に適した装置を含んでいてもよく、例えば、注射器、またはその他の適切な送達装置を含んでいてもよい。本装置は、上記物質の一方または両方を予め充填して提供することもでき、または、空の状態(ただし、充填に適した状態)であってもよい。
多数の本発明の実施態様が説明されている。それにもかかわらず、当然のことながら、本発明の本質および範囲から逸脱することなく様々な改変を施すことが可能である。従って、その他の実施態様は、以下の請求項の範囲内である。

Claims (19)

  1. 急性痛風を治療する方法であって、該方法は、急性痛風に罹った個体に、非天然血漿カリクレイン阻害剤の有効量を投与することを含む、上記方法。
  2. 前記ポリペプチドが、以下のアミノ酸配列:
    Figure 2010536883
    を含み、
    ここでXaa1、Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa56、Xaa57またはXaa58は、それぞれにアミノ酸であるか、または、存在せず;
    Xaa10が、AspおよびGluからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa11が、Asp、Gly、Ser、Val、Asn、Ile、Ala、および、Thrからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa13が、Arg、His、Pro、Asn、Ser、Thr、Ala、Gly、Lys、および、Glnからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa15が、Arg、Lys、Ala、Ser、Gly、Met、Asn、および、Glnからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa16が、Ala、Gly、Ser、Asp、および、Asnからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa17が、Ala、Asn、Ser、Ile、Gly、Val、Gln、および、Thrからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa18が、His、Leu、Gln、および、Alaからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa19が、Pro、Gln、Leu、Asn、および、Ileからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa21が、Trp、Phe、Tyr、His、および、Ileからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa22が、Tyr、および、Pheからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa23が、Tyr、および、Pheからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa31が、Glu、Asp、Gln、Asn、Ser、Ala、Val、Leu、Ile、および、Thrからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa32が、Glu、Gln、Asp Asn、Pro、Thr、Leu、Ser、Ala、Gly、および、Valからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa34が、Thr、Ile、Ser、Val、Ala、Asn、Gly、および、Leuからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa35が、Tyr、Trp、および、Pheからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa39が、Glu、Gly、Ala、Ser、および、Aspからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa40が、Gly、および、Alaからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa43が、Asn、および、Glyからなる群より選択されるアミノ酸であり;
    Xaa45が、Phe、および、Tyrからなる群より選択されるアミノ酸であり;および、ここでこれらのポリペプチドは、カリクレインを阻害する、請求項1に記載の方法。
  3. Xaa10が、Aspである、請求項2に記載の方法。
  4. Xaa11が、Aspである、請求項2に記載の方法。
  5. Xaa13が、Proであり、Xaa15が、Argであり、Xaa16が、Alaであり、Xaa17が、Alaであり、Xaa18が、Hisであり、および、Xaa19が、Proである、請求項2に記載の方法。
  6. Xaa21が、Trpである、請求項2に記載の方法。
  7. Xaa31が、Gluである、請求項2に記載の方法。
  8. Xaa32が、Gluである、請求項2に記載の方法。
  9. Xaa34が、Ileである、請求項2に記載の方法。
  10. Xaa35が、Tyrである、請求項2に記載の方法。
  11. Xaa39が、Gluである、請求項2に記載の方法。
  12. 前記ポリペプチドが、
    Figure 2010536883
    を含む、請求項2に記載の方法。
  13. 前記ポリペプチドが、アミノ末端のMet残基の前にGlu−Ala配列をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記個体に追加の痛風治療剤を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記追加の痛風治療剤が、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド、鎮痛薬、食細胞活動を阻害する物質、キサンチンオキシダーゼを阻害剤、尿酸排泄薬、および、尿酸代謝薬からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記追加の痛風治療剤が、NSAIDである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記追加の痛風治療剤が、コルチコステロイドである、請求項15に記載の方法。
  18. 前記追加の痛風治療剤が、食細胞活動を阻害する物質である、請求項15に記載の方法。
  19. 非天然血漿カリクレイン阻害剤を含む容器;および、
    痛風を治療するための前記カリクレイン阻害剤の使用説明書、
    を含むキット。
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