本明細書で使用する場合、構成材料に関し、「構造的に変更された」とは、構造的に変更された1つ(又は複数)の構成材料が無変更の材料と比較したときに、力学的挙動が異なるように、その材料を変更することを意味する。例えば、構造的に変更された材料は、無変更の材料と異なる形で応力を伝達する(又は変形する)ことができる。この材料の構造は、分子レベルで、並びに/又は、材料の一部の連続性及び/若しくは物理的配列を断つことによって、変更することができる。「構造」とは、力学的挙動(例えば、材料を通じて応力がいかに伝達されるか)をつかさどる構成材料の物理的配列を指す。
本明細書で使用する場合、構造的に変更されたゾーンはチャネルではない。本明細書で使用する場合、「チャネル」は、面内幅よりも長い面内長さを有するくぼみであり、この長さは、そのくぼみ内における最長寸法であり、曲線又は直線であり、面内幅は、くぼみの最短寸法である。本明細書で使用する場合、構造的に変更されたゾーンは、くぼみ、ディンプル、又はエンボス、すなわち、吸収性物品の一部を押し付けることによって作られた構造体を含まない。構造的に変更されたゾーンとしては、孔及び房が挙げられるが、これらに限らない。
本明細書で使用する場合、「ゾーン」という用語は、周囲又は隣接区域とはっきり区別されるように強調された区域を指す。したがって、例えば、トップシートの表面全体にわたって、等間隔の孔であって、その各々が同じ大きさである孔を含むトップシートは、孔のゾーンを有するとみなすことはできない。更には、例えば、等間隔の孔であって、その各々が同じ大きさである孔を含むトップシートでは、単一の孔と、局所的に取り囲んでいる材料は、周囲又は隣接区域とはっきり区別されていないため、孔のゾーンとみなすことはできない。同様に、例えば、等間隔の要素であって、その各々が同じ大きさである要素を、トップシートの表面全体にわたって含むトップシートは、要素のゾーンを有するとみなすことはできない。また、等間隔の要素を含むトップシートでも、例えば、単一の要素と、局所的に取り囲んでいる材料は、ゾーンとみなすことはできない。ゾーンの非限定例は、直径のような1つの幾何学的特徴を有する孔群であって、異なる直径のような異なる幾何学的特徴を有する別の孔群とはっきり区別されるように強調された孔群である。
本明細書で使用する場合、「要素」とは、構造的に分裂している、構成材料の別個の部分である。要素の例としては、孔及び房が挙げられるが、これらに限定されない。くぼみ、ディンプル、又はエンボス、すなわち、吸収性物品の一部を押し付けることによって作られた構造体は、要素ではない。
本明細書で使用する場合、2つの要素が、1つ又は複数の同じ前駆体材料から形成されているならば、それらの要素は相互に「一体的」である。トップシートに塗布されたローションとトップシートは、このローションとトップシートが同じ前駆体材料から形成されていないため、一体的ではない。
本明細書で使用する場合、「色が異なる」とは、CIE LABという尺度によって特徴付けられる色差又は色の視覚的差異を指す。色差は、バージニア州レストン(Reston)のハンター・アソシエイツ・ラボラトリー社(Hunter Associates Laboratory, Inc.)から入手可能なハンターカラー(Hunter Color)という反射率計を用いて測定することができる。
本明細書で使用する場合、「面密度」とは、単位面積あたりの機構の数を指す。この機構は、本明細書に記載されているようなマクロ機構又はミクロ機構であることができる。
本明細書で使用する場合、応力が一方の物体から他方の物体に伝わることができるとき、その2つの物体は相互に「係合」している。
本明細書で使用する場合、「不織布ウェブ」という用語は、相互配置された個々の繊維又は糸からなる構造を有するが、不規則に配置された繊維を有さない織布又は編布で見られるような反復パターンのものではないウェブを指す。不織布ウェブ又は織布は、例えば、エアレイイングプロセス、メルトブローイングプロセス、スパンボンディングプロセス、水流交絡プロセス、スパンレーシングプロセス、ボンドカードウェブプロセスのような多くの既知のプロセスから形成することができる。また、多数のビームスパンボンドプロセスによって作られたスパンボンド−メルロブロウン−スパンボンドウェブなどのような多層ウェブも用いることができる。
本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は、その従来の意味で用いられ、ポリマーとしては一般に、ホモポリマー、例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、及び交互コポリマーのようなコポリマー、ターポリマーなど、並びに、これらのブレンド及び変更物が挙げられるが、これらに限定されない。更に、特に限定しない限り、用語「ポリマー」は、材料のあらゆる可能な幾何学的構成を含む。その構成としては、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、既知のタイプのポリマーのいずれも使用することができ、例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンのようなポリオレフィンポリマーを、モノコンポーネント繊維又はバイコンポンポーネント繊維のいずれかとして用いることができる。PVA、PETポリエステル、メタロセン触媒エラストマー、ナイロン、及びこれらのブレンドのようなその他のポリマーを用いることができる。これらのポリマーのいずれか又は全てが、所望に応じて架橋することができる。
本明細書で開示する実施形態は、おむつ、生理用ナプキン、及び成人用失禁物品で用いるのに適した実施形態を代表するものである。
図1は、1つの部分が1つの性能上の利点をもたらすように構成されており、別の部分が別の性能上の利点をもたらすように構成されており、その2つの構成部分が相互に関連し合って最適な全体的性能をもたらすトップシートを含む吸収性物品10の実施形態の横断面の図である。吸収性物品10は、液体透過性トップシート20と、液体不透過性バックシート30と、トップシート20とバックシート30との間に配置された吸収性コア40とを含むことができる。トップシート20は、層状の関係で相互に係合している上層21と下層22とからなる複合トップシート20であることができる。吸収性物品10は、本明細書では、当該技術分野において一般に生理用ナプキン、月経用パッド、又は生理用パッドと称されるものに関して論じられている。吸収性物品10は、着用者の股部に近接させて装着するように設計されたいずれの吸収性物品であることもできると理解されたい。この吸収性物品は、生理用ナプキン、成人用失禁製品、及びおむつからなる群から選択される消費者製品であることができる。この吸収性物品は、生理用ナプキン、成人用失禁製品、おむつ、体用拭き取り用品、家庭用拭き取り用品、及び床用拭き取り用品を含み、これら限定されない、いずれの吸収性物品、又は、流体を獲得又は分配するために用いられる吸収性物品であることができる。おむつの例は、ロー(Roe)らの米国特許第5,968,025号で見い出すことができる。
吸収性物品10と、その層又は構成要素の各々は、身体に面する表面と衣類に面する表面とを有するものとして説明することができる。生理用ナプキン、おむつ、失禁製品などのような吸収性物品の最終的な用途について考えることによって理解できるように、身体に面する表面は、使用時に身体に近い方に配置される層又は構成要素の表面であり、衣類に面する表面は、使用時に着用者の下着に近い方に配置される表面である。このため、例えば、トップシート20は、身体に面する表面23(実際に身体に接触する表面であることができる)と、下層22のように、下にある第2のトップシートに付着できる衣類に面する表面とを有する。バックシート30の衣類に面する表面24は例えば、使用時に、(使用される場合には位置決め接着剤36を介して)着用者のパンティーの最も近くに位置し、接することができる。
吸収性物品10は、側縁部26間で機械横方向CDで測定される吸収性物品幅を有する。吸収性物品10は垂直軸Hを有する。吸収性物品10は、z方向で測定される厚みを有する。
トップシート20は、第1の部分60及び第2の部分70からなることができる。第1の部分60は、第2の部分70と構造が異なることができる。第2の部分70は、構造的に変更されたゾーン80を含むことができる。第2の部分70は、第1の部分60によって、機械方向(MD)機械横方向(CD)面内に画定することができる。第2の部分70は、ローション510を含むことができる。
図2に示されているように、トップシート20は、長手方向中心線Lと横断方向中心線Tを有することができる。長手方向中心線Lと横方向中心線Tは、使用前のトップシート20の2次元平面を画定し、図示されている実施形態では、この平面は、生産ラインで物品を作製する技術分野において広く知られているように、MD及びCD方向と関連付けられている。トップシート20の領域3は、MD−CD平面内にある。トップシート20は、セルロース系材料を含むことができる。
図2に示されているように、構造的に変更されたゾーン80は、周辺部Pと、長さXと、長軸7を有する。長さXは、周辺部Pの上の2つの点の間の最大直線寸法である。長軸7は、長さXによって隔てられた、周辺部Pの2つの点の間に延びている。構造的に変更されたゾーン80は、幅Yを有する。幅Yは、長さXと直角に測定される、周辺部Pの2つの点の間の最大寸法である。長さXは幅Yよりも長い。短軸4は、長軸と直角に測定されると共に幅Yで隔たれた、周辺部Pの2つの点の間に延びている。構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、トップシートの長手方向中心線Lに対して非対称である。周辺部Pの上のいずれかの2つの点の間に引かれた線が周辺部Pと交差しないように、構造的に変更されたゾーン80を形作ることができる。更には、構造的に変更されたゾーン80が1つの長軸7のみを有するという点で長軸7が唯一のものになるように、構造的に変更されたゾーン80を形作ることができる。
第1の部分60及び第2の部分70は、1つ又は複数の同じ前駆体材料からなることができる。材料の連続的ウェブは、単一の一体型ウェブからなることができる。
長さXは、幅Yの約1.2倍を超えることができる。長さXは、幅Yの約1.5倍を超えることができる。長さXは、幅Yの約2倍を超えることができる。
第2の部分70内の構造的に変更されたゾーン80は、第1の部分によってMD−CD平面内に画定することができる。
トップシート20はトップシート長を有し、この長さは、長手方向中心線Lと平行に測定される最長寸法である。トップシート20はトップシート幅を有し、この幅は、CDで、例えば横断方向中心線Tと平行に測定される寸法である。横断方向中心線Tは、長手方向中心線Lの長さの中心で長手方向中心線Lを交差する。トップシート20の幅は、吸収物品10の長さに沿って変化するか、又は実質的に一定であることができる。説明する目的上、吸収性物品10は、トップシート20の長手方向中心線Lと一致するように置かれた長手方向中心線と、トップシート20の横断方向中心線Tと一致するように置かれた横断方向中心線とを有する。吸収性物品10の実際の長手方向中心線及び横断方向中心線は、トップシート20の長手方向中心線L及び横断方向中心線Tと一致している必要はない。吸収性物品10は、トップシート20の機械方向及び機械横方向と一致するMD及びCDを有する。トップシート20は、吸収性物品10の垂直軸Hと一致するように置かれた垂直軸を有する。
吸収性物品10は、バックシート30の衣類に面する表面24の上に、位置決め接着剤36のストリップを有することができる。位置決め接着剤は、下着の材料と一時的結合を確立できるホットメルト接着剤材料であることができる。好適な材料は、カナダ、オンタリオ州トロント(Toronto)のH.B.フラー(H. B. Fuller)から市販されているHL−1491 XZPと称される組成物である。
理論に束縛されずに、長軸7がトップシート20の長手方向軸Lに対して非対称になるように第1の部分70を配置することによって、第2の部分70は、更に効果的に流体獲得の向上をもたらし、着用者の身体の特定の部分に快適な装着感を提供できると考えられる。例えば、生理用ナプキンである吸収性物品10では、第2の部分70が一般に着用者の膣に近接して配置される場合、上記のように配置されており、迅速な流体獲得に適した物理的構造体を有する第2の部分70と、再湿潤を防ぐように流体保持に適した物理的構造体を有する第1の部分60は、流体の獲得及び保持の向上をもたらすことができる。非対称に配置された第2の部分70は、生理用ナプキンが着用者の股領域内で、着用者の身体に対して移動するのに応じて、第2の部分70の少なくとも一部が時折、流体の出所である膣と揃う可能性の向上をもたらすと考えられる。同様に、成人用失禁製品及びおむつでは、第2の部分70は時折、尿失禁の場合には尿道と、便失禁の場合には肛門と揃う場合がある。すなわち、矢状面に対して概ね左右対称である(すなわち、左半分と右半分が対称的である)ヒトの股領域では、着用者の身体の対称面に対して非対称である第2の部分70を有する吸収性物品は、第2の部分70の少なくとも一部が時折、着用者の身体の所望の場所と揃う可能性の向上をもたらすことができる。
更には、非対称に配置された第2の部分70は、生理用ナプキン内で用いられる第2の部分70の面積の縮小を可能にすると考えられ、これは、流体獲得のような特性のためのトップシートの部分を拡大すると、再湿潤及び快適性のようなその他の特性に関わるトップシートの部分の劣化を生じ得るため、第2の部分70の面積の縮小は重要である場合がある。同様に、快適性又は皮膚の健康など、その他の利点をもたらす第2の部分70を、吸収性物品10の他の場所の上に、長手方向軸Lに対して非対称に配置して、トップシート20の特定の部分の利点と短所との間の一様なバランスと、物理的構造を含む特定の特性を有する吸収性物品10の部分が、利点の対象である着用者の身体部分と近接する可能性の上昇をもたらすことができると考えられる。
構造的に変更されたゾーン80は、トップシート20と一体的なものとして説明することができる。すなわち、トップシート20は、構造的に変更されたゾーン80からなる。構造的に変更されたゾーン80と第1の部分60は、材料の連続的な1つ又は複数のウェブからなることができる。構造的に変更されたゾーン80と第1の部分60は、同じ前駆体材料からなることができる。構造的に変更されたゾーン80と、第1の部分60は、相互に係合する2つ以上の層からなることができる。長手方向中心線L、横断方向中心線T、長軸7、及び短軸4は、単一の点で相互に交差し合うことができる。構造的に変更されたゾーン80の長軸7と短軸4の交点は、図2に示されているように、長手方向中心線Lと横断方向中心線Tとの交点と一致している必要はない。
構造的に変更されたゾーン80は、構造的に変更されたゾーン80の長さに対して左右対称であることができる。
構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、長手方向中心線Lと左右対称な状態から約10度超ずれることができる。構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、長手方向中心線Lと左右対称な状態から約15度超ずれることができる。構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、長手方向中心線Lと左右対称な状態から約30度超ずれることができる。構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、長手方向中心線Lと左右対称な状態から約40度超ずれることができる。左右対称な状態からずれる、とは、構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、トップシートの長手方向中心線Lと平行でないことを意味する。長軸7と長手方向中心線Lは、交点を有するとみなすことができ、長軸7と長手方向中心線Lとの間の角度は、長軸7が長手方向中心線Lと左右対称な状態からずれている度合いである。
構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、横断方向中心線Tと左右対称な状態から約10度超ずれることができる。構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、横断方向中心線Tと左右対称な状態から約15度超ずれることができる。構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、横断方向中心線Tと左右対称な状態から約30度超ずれることができる。構造的に変更されたゾーン80の長軸7は、横断方向中心線Tと左右対称な状態から約40度超ずれることができる。左右対称な状態からずれる、とは、構造的に変更されたゾーン80の長軸7が、トップシートの横断方向中心線Tと平行でないことを意味する。長軸7と横断方向中心線Tは、交点を有するとみなすことができ、長軸7と横断方向中心線Tとの間の角度は、長軸7が横断方向中心線Tと左右対称な状態からずれている度合いである。
長軸7は長手方向中心線Lと左右対称な状態から、短軸4は横断方向中心線Tと左右対称な状態から、それぞれずれることができる。長軸7は長手方向中心線Lと左右対称な状態から、短軸4は横断方向中心線Tと左右対称な状態から、それぞれ約15度超ずれることができる。長軸7は長手方向中心線Lと左右対称な状態から、短軸4は横断方向中心線Tと左右対称な状態から、それぞれ約30度超ずれることができる。
1つの代替的実施形態では、構造的に変更されたゾーン80は円形ではない、別の代替的実施形態では、構造的に変更されたゾーン80は、正方形ではない。別の代替的実施形態では、構造的に変更されたゾーン80は、矩形ではない。別の実施形態では、構造的に変更されたゾーン80は、円形、正方形、又は矩形ではない。別の代替的実施形態では、構造的に変更されたゾーン80は、四辺形ではない。別の代替的実施形態では、構造的に変更されたゾーン80は、多角形ではない。別の代替的実施形態では、構造的に変更されたゾーン80は、多角形又は円形ではない。
別の代替的実施形態では、周辺部Pは、長手方向中心線Lと平行な軸に対して左右対称でない。別の代替的実施形態では、周辺部Pは、横断方向中心線Tと平行な軸に対して左右対称でない。別の代替的実施形態では、周辺部Pは、長手方向中心線Lと平行な軸に対して左右対称でなく、周辺部Pは、横断方向中心線Tと平行な軸に対して左右対称でない。
構造的に変更されたゾーン80は、トップシート面積の約2%を超えることができ、この面積は、トップシート20の長手方向中心線Lと横断方向中心線Tとの平面内で測定されるものである。構造的に変更されたゾーン80は、トップシート面積の約5%を超えることができる。構造的に変更されたゾーン80は、トップシート面積の約10%を超えることができる。構造的に変更されたゾーン80は、トップシート面積の約20%を超えることができる。構造的に変更されたゾーン80は、トップシート面積の約40%を超えることができる。構造的に変更されたゾーン80は、トップシート面積の約50%を超えることができる。構造的に変更されたゾーン80は、トップシート面積の約70%を超えることができる。
構造的に変更されたゾーン80の流体獲得速度は、第1の部分60の流体獲得速度を上回ることができる。構造的に変更されたゾーン80の流体獲得速度は、第1の部分60の流体獲得速度を約2倍超上回ることができる。流体獲得速度は、生理用ナプキンのオールウェイズウルトラ(ALWAYS ULTRA)で見られるように、吸収性コア40に付着し、吸収性コア40を覆い、吸収性コア40と接触しているトップシート20に0.25mLの羊血液を注ぐ落下試験を用いて測定することができる。羊血液は、4mmの開口直径を有するピペットを用いて注ぎ、秒単位で、羊血液がトップシートを通って下のコアに達するのに要する時間を測定する。この時間が流体獲得速度である(秒単位で報告)。好適な羊血液は、クリーブランド・サイエンティフィック(Cleveland Scientific)から入手できる。
構造的に変更されたゾーン80は、マクロ機構を含むことができる。マクロ機構は、20/20の視力を有する人の肉眼で、30cmの距離から、標準的な100ワットの白熱電球の照明と少なくとも等しい照明で見ることのできる要素である。マクロ機構は、約0.25mm2を超えるMD−CD面内面積を有する要素であることができる。マクロ機構は、約1mm2を超えるMD−CD面内面積を有する要素であることができる。マクロ機構は、約2mm2を超えるMD−CD面内面積を有する要素であることができる。マクロ機構は、約5mm2を超えるMD−CD面内面積を有する要素であることができる。マクロ機構は、互いに約1mm以上の中心間隔を置くことができる。
例として、かつ限定しないものとして、マクロ機構は、単一の孔、単一の房、又は、MD−CD面から突出している単一の孔であることができる。房、孔、及びMD−CD面から突出している単一の孔以外のマクロ機構も考えられる。
構造的に変更されたゾーン80は、ミクロ機構を含むことができる。ミクロ機構は、20/20の視力を有する人の肉眼で、30cmの距離から、標準的な100ワットの白熱電球の照明と少なくとも等しい照明で見ることのできない要素である。
例として、かつ限定しないものとして、ミクロ機構は、単一の孔、単一の房、又は、MD−CD面から突出している単一の孔であることができる。房、孔、及びMD−CD面から突出している単一の孔以外のミクロ機構も考えられる。例として、かつ限定しないものとして、構造的に変更されたゾーン80は、孔又は房を含むことができる。構造的に変更されたゾーン80は、皮膚の健康及び/又は流体獲得の向上をもたらす他の要素又は構造体を含むことができる。
図3に示されているように、第1の部分60は第1の孔90を有することができ、第2の部分70は第2の孔100を有することができる。第1の孔90は、第2の孔100と異なることができる。第1の孔90は、第2の孔100と構造が異なることができる。例えば、大きい孔を有するトップシート20は、小さい孔を有するトップシートよりも容易に流体を獲得できる。逆に、小さい孔を有するトップシートは、大きい孔を有するトップシートよりも、トップシートの再湿潤を起こす傾向を低くできる。理論に束縛されることなく、異なる孔を有する材料は、別々に着用者の皮膚と相互作用することもできると考えられる。
第1の孔90と第2の孔100は、円形の開口部であることができる。個々の第1の孔90及び第2の孔100は、約0.1mm2〜約4mm2の面積と、約0.1mm2刻みの孔間面積を有することができる。個々の第1の孔90及び第2の孔100は、約0.25mm2、約1mm2、又は約2mm2の面積を有することができる。個々の第1の孔90及び第2の孔100は、約0.25mm2を超える面積を有することができる。
個々の第1の孔90は第1の大きさ91を有することができ、個々の第2の孔100は第2の大きさ101を有することができる。図3に示されているように、第2の大きさ101は第1の大きさ91と異なることができる。1つの孔の寸法は、(トップシートの観察者に対して示されている)MD−CD面内の孔の最大寸法である。第2の大きさ101は、第1の大きさ91よりも大きくすることができる。第2の大きさ101は、第1の大きさ91よりも小さくすることができる。
個々の第1の孔90の面内幾何学形状は、個々の第2の孔100の面内幾何学形状と異なることができる。面内幾何学形状とは、MD−CD面が観察者に面するように、トップシート20の身体に面する表面23を見ている観察者に示される物体の形を指す。例えば、図4に示されているように、第1の孔90は、実質的に円形を有することができ、第2の孔100は、実質的に楕円形を有することができる。理論に束縛されずに、材料内の孔の形は、材料が流体をいかにして獲得又は伝達するか、及び、材料がどの程度滑らかであると感知されるかに影響を及ぼす場合があると考えられる。例えば、楕円形の孔の短軸と、円形の孔の直径がほぼ同じであっても、人が、楕円形の孔の長軸と平行な方向で材料をなでると、楕円形の孔を有する材料は、円形の孔を有する材料よりも滑らかに感じられる場合がある。楕円形を有する孔は、長軸寸法の短軸寸法に対する比が1を超えることができる。楕円形を有する孔は、長軸寸法の短軸寸法に対する比が約1.5を超えることができる。
第1の部分60の面外幾何学形状は、第2の部分70の面外幾何学形状と異なることができ、この面外とは、MD−CD面と直交する方向を指す。トップシート20の面内配置は、長手方向中心線Lと横断方向中心線Tとによって画定することができる。第1の部分60と第2の部分70とが孔を含む場合、個々の第1の孔90の面外幾何学形状は、個々の第2の孔100の面外幾何学形状と異なることができる。面外幾何学形状は、MD−CD面(又は長手方向中心線Lと横断方向中心線Tとによって画定される面)と直交する材料の横断面を見ている観察者に示される形を指す。観察者は、面外幾何学形状を視覚的に感じることができる。場合によっては、トップシート20の異なる部分の面外幾何学形状は、異なる流体獲得特性を有する部分をもたらすことができると共に、トップシート20の異なる部分に触れると、異なる触感を提供することができる。すなわち、トップシート20の第1の部分60と第2の部分70は、異なる感触を有し得る。人の身体に近接させて装着する衣類の技術分野では、材料又は布地の感触を「手触り」という。
トップシート20の一部が図5に示されている。図5に示されているように、第1の部分60の第1の孔90は、MD−CD面内において実質的に平らであることができる。第2の部分70の第2の孔100は、MD−CD面からz方向に突出することができる。理論に束縛されずに、MD−CD面から突出している孔を有する材料は、材料の変形性と面外突出部の幾何学形状と孔のへりの幾何学形状に応じて、面内の孔を有する材料と異なる形で流体を獲得できる。
第1の部分60は、第1の部分の孔面密度を有することができ、第2の部分70は、第2の部分の孔面密度を有することができる。第1の部分の孔面密度は、第2の部分の孔面密度と異なることができる。
トップシート20は、フィルム、不織布、又はラミネートであることができる。限定されないものとして、ラミネートトップシートは、2つの層のフィルム、2つの層の不織布、フィルムを有する1つの層の不織布を含むことができる。孔としては、ミクロ孔とマクロ孔を挙げることができる。マクロ孔は、20/20の視力を有する人の肉眼で、30cmの距離から、標準的な100ワットの白熱電球の照明と少なくとも等しい照明で見ることのできる孔である。マクロ孔は、約0.25mm2を超えるMD−CD面内面積を有する要素であることができる。ミクロ孔は、20/20の視力を有する人の肉眼で、30cmの距離から、標準的な100ワットの白熱電球の照明と少なくとも等しい照明で見ることのできない孔である。ミクロ孔及び/又は他のテキスチャーは、本明細書に記載されているような加工の前に、形成することができる。
トップシート20として用いることができる有孔ウェブ1は、図6に示されているように形成することができる。図6に示されているように、ウェブ1は、第1の側面12と第2の側面14を有する概ね平面の、2次元前駆体ウェブ25から形成することができる。前駆体ウェブ25は、例えば、ポリマーフィルム、不織布ウェブ、織布地、紙ウェブ、ティッシュ・ペーパー・ウェブ、セルロース系ウェブ、若しくは編布地、又は、これらのいずれかの多層ラミネートであることができる。一般に、「側面」という用語は、本明細書では、紙及びフィルムのような概ね2次元のウェブの2つの主表面を説明する用語の一般的な用法で用いられる。複合又はラミネート構造体では、ウェブ1の第1の側面12は、一方の最も外側の層又はプライの第1の側面であり、第2の側面14は、他方の最も外側の層又はプライの第2の側面である。
前駆体ウェブ25は、ポリマーフィルムウェブ又はセルロース系ウェブであることができる。ポリマーフィルムウェブは、変形可能であることができる。変形可能とは、本明細書で使用する場合、弾性限度を超えて伸長させると、新たに形成された形態を実質的に保持する材料を説明する。このような変形可能な材料は、ホモポリマー及びポリマーブレンドのように、化学的に均質であっても不均質であってもよく、平面シート又はラミネートのように、構造的に均質であっても不均質であってもよく、又は、これらの材料のいずれかの混合物であってもよい。
用いることのできる変形可能なポリマーフィルムウェブは、材料の固体状態の分子構造の変化が起こる形質転換温度範囲を有することができる。この構造変化としては、結晶構造の変化、及び/又は固体状態から溶融状態への変化を挙げることができる。結果として、上記の形質転換温度範囲では、材料の特定の物理的特性が実質的に変化する。熱可塑性フィルムでは、形質転換温度範囲は、そのフィルムの溶融温度範囲であり、この温度より高い場合には、フィルムは、溶融状態にあると共に、熱機械前歴の実質的に全てを失う。
ポリマーフィルムウェブは、そのポリマーの組成及び温度に左右される特徴的なレオロジー特性を有する熱可塑性ポリマーを含むことができる。このような熱可塑性ポリマーは、そのガラス転移温度よりも低い温度において、硬質で、堅く、及び/又は脆性であることができる。ガラス転移温度よりも低い温度においては、分子は、剛性の固定された位置にある。ガラス転移温度よりも高いが、溶融温度範囲よりも低い温度においては、熱可塑性ポリマーは粘弾性を呈する。この温度範囲では、熱可塑性材料は一般に、ある程度の結晶化度を有し、概ね可撓性であり、力を受けると、ある程度変形可能である。このような熱可塑性物質の変形性は、変形速度、変形量(寸法的な量)、変形する時間の長さ、及び温度によって決まる。一実施形態では、この粘弾温度範囲内にある熱可塑性ポリマー、特に熱可塑性フィルムを含む材料を形成するために、プロセスを用いることができる。
ポリマーフィルムウェブは、特定の量の延性を含むことができる。延性とは、本明細書で使用する場合、材料が破損(破裂、破断、又は分離)する前に、材料を変形せさたときに起こる恒久的かつ回復不能な塑性ひずみの量である。本明細書に記載されているように用いることができる材料は、少なくとも約10%、又は少なくとも約50%、又は少なくとも約100%、又は少なくとも約200%の最低延性を有することができる。
ポリマーフィルムウェブは、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステルなどのように、フィルムとして標準的に押し出されるか、又はキャストされる材料を含むことができる。このようなフィルムは、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、並びに、これらの材料をかなりの割合で含むコポリマー及びブレンドのような熱可塑性材料であることができる。このようなフィルムを表面改質剤で処理して、ロータス効果を付与するなど、親水性又は疎水性特性を付与することができる。後述されているように、ポリマーフィルムウェブは、非平滑化するか、又は別の方法で、完全に平らかつ平面的な構成から変えることができる。
前駆体ウェブ25は、不織布ウェブであることができる。不織布の前駆体ウェブ25では、前駆体ウェブ25は、非接着繊維、絡合繊維、トウ繊維などを含むことができる。繊維は、延伸性及び/又は弾性であることができ、加工に備えて事前に伸長させてもよい。前駆体ウェブ25の繊維は、スパンボンド法で作られた繊維のように連続的であるか、カードプロセスで典型的に用いられる繊維のように、ある長さに切断することがきる。繊維は、吸収性であることができ、繊維性吸収ゲル化材料を含むことができる。繊維は、バイコンポーネント、多成分、成形、けん縮、又は、不織布ウェブ及び繊維の技術分野において既知であるその他のいずれかの配合又は構成のものであることができる。
不織布の前駆体ウェブ25は、有孔ウェブ1に形成されるほど十分な伸長特性を有するポリマー繊維を含むいずれかの既知の不織布ウェブであることができる。一般に、ポリマー繊維は、化学的結合(例えば、ラテックス又は接着剤結合)、圧力接着、又は熱接着のいずれかによって結合可能であることができる。下記の結合プロセスで熱接着技術を用いる場合、熱可塑性粉末又は繊維のような熱可塑性材料を特定の割合で用いて、後で更に詳しく論じるように、ウェブ内の繊維部分の熱接着を促進できる。不織布の前駆体ウェブ25は、約100重量%の熱可塑性繊維を含むことができる。不織布の前駆体ウェブ25は、約10重量%ほどの熱可塑性繊維を含むことができる。同様に、不織布の前駆体ウェブ25は、約10%〜約100%の間のいずれかの1%刻みの重量比の熱可塑性繊維を含むことができる。
前駆体ウェブ25は、2つ以上の前駆体ウェブの複合体又はラミネートであることができ、2つ以上の不織布ウェブ、又は、ポリマーフィルム、不織布ウェブ、織布地、紙ウェブ、ティッシュ・ウェブ、若しくは編布地の混合物を含むことができる。前駆体ウェブ25は、供給ロール152(若しくは、複合的なウェブラミネートの場合に必要な複数の供給ロール)、又は、フェストゥーンウェブのように、当該技術分野において既知の他のいずれかの供給手段から供給することができる。一実施形態では、前駆体ウェブ25は、ポリマーフィルム押出成形機、又は不織布作製用製造ラインのようなウェブ作製装置から直接供給することができる。
前駆体ウェブ25(ラミネート又は多層前駆体ウェブ25を含む)の総坪量は、ウェブ1の最終用途に応じて、約8gsm〜約500gsmの範囲であることができ、約8〜約500gsmの間の1gsm刻みの値で作製することができる。不織布の前駆体ウェブ25の構成繊維は、ポリマー繊維であることができ、モノコンポーネント、バイコンポーネント、及び/又は2成分繊維、中空繊維、非丸形状繊維(例えば、成形(例えば3葉)繊維、又は毛管路繊維)であることができ、0.1〜500マイクロメートルの範囲の0.1マイクロメートル刻みの値の主要横断面寸法(例えば、丸形状繊維の直径、楕円形状繊維の長軸、不規則形状の最長直線寸法)を有することができる。
前駆体ウェブ25は、例えば、放射加熱、強制空気加熱、対流加熱によるか、又は、油加熱したローラー全体を加熱するなど、当該技術分野において既知の手段によって予熱することができる。前駆体ウェブ25は、界面活性剤、ローション、接着剤などのようなコーティングで処理することができる。前駆体ウェブ25の処理は、噴霧、スロットコーティング、押出加工、又は、別の方法で片方又は両方の表面にコーティングを塗布するなど、当該技術分野において既知の手段によって実現することができる。
供給ロール152が図6の矢印で示されている方向に回転すると、前駆体ウェブ25は、様々なアイドラーローラー、張力制御ローラーなどのいずれかの上又は周囲を含め、当該技術分野において既知の手段によって、機械方向で、一対の逆回転ロール102及び104からなるニップ116に移動する。ロール102及び104は、形成装置103を含むことができる。一対のロール102及び104は、切頭の概ね円錐形の構造体8と前駆体ウェブ25内の孔を形成するように作用することができる。有孔ウェブ1は、巻き取りロール180に巻き取ることができる。
ウェブ内に孔を作製するには、様々なアプローチがある。孔を作るために選択したアプローチに影響を及ぼし得る要因としては、前駆体ウェブ25が不織布であるかポリマーフィルムであるか、孔の所望の幾何学形状、所望の加工速度、及び、所望されるプロセスの制御の量が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリマーフィルムウェブ及び不織布ウェブ内に孔を形成するためのアプローチは、図7に示されているような一対の噛合ロール102及び104を用いるものであり、オドネル(O’Donnell)らの米国特許出願公開第11/249,618号に開示されている。図7を参照すると、図6に示されている装置の、有孔ウェブ1を形成することのできる部分が更に詳細に示されている。形成装置103は、一対の鋼(又はその他の好適に硬質な材料)製の噛合ロール102及び104を含むことができ、この各ロールは、軸Aを中心に回転し、軸Aは平行であり、同じ面内にある。前駆体ウェブ25が、ある回転角によって、ロール104の上に留まるように、形成装置103を設計することができる。図7は、原理上、前駆体ウェブ25が、形成装置103上のニップ116を通じて真っ直ぐ進み、有孔ウェブ1として出てくる様子を示している。前駆体ウェブ25又は有孔ウェブ1は、ニップ116の前(前駆体ウェブ25の場合)又は後ろ(ウェブ1の場合)で、所定の回転角によって、ロール102又は104のいずれかに部分的に巻き付けることができる。
ロール102は、ロール102の周辺全体を中断なく取り巻いて延びていることができる、複数の隆起部106と対応する谷部分108とを含むことができる。有孔ウェブ1において、どの種類のパターンが望ましいかに応じて、ロール102は、隆起部106の一部又は全部が周囲方向に連続的でなく、割れ目又は間隙を有するように、例えば、エッチング、ミリング、又はその他の機械加工などにより、一部が除去されている隆起部106を含むことができる。隆起部106は、ロール102の軸Aに沿って、相互に間隔を置いて配置することができる。例えば、ロール102の中3分の1は滑らかであることができ、ロール102の外3分の1は、相互に間隔を置いて配置されている複数の隆起部を有することができる。同様に、ロール102の中3分の1の上の隆起部106は、ロール102の外3分の1の上の隆起部106よりも近い間隔で配置することができる。周囲方向、軸方向、又はこれらの双方の方向のいずれかの割れ目又は間隙は、円又はダイヤモンドのような幾何学的パターン含むパターンを形成するように配列することができる。一実施形態では、ロール102は、後述のロール104の歯110と同様の歯を有することができる。このように、有孔ウェブ1の両側に、外向きに延びている部分を有する3次元の孔を有することが可能である。
ロール104は、ロール104の少なくとも一部の周りを隔置関係で延びている、周囲方向に隔置された歯110の列になるように変更された、周囲方向に延びている隆起部を複数列含むことができる。ロール104の歯110の個々の列は、対応する溝112によって隔てることができる。動作時には、ロール102の隆起部106がロール104の溝112の中まで延び、ロール104の歯110がロール102の谷部分108の中まで延びるように、ロール102及び104が噛み合う。ロール102及び104の両方又はいずれかを、熱油入ローラー又は電気加熱ローラーを組み込むことによるなど、当該技術分野において既知の手段によって加熱することができる。ロールの両方又はいずれかを、表面対流によって、又は表面放射によって加熱してもよい。図7に示されているように、歯110の間隔及び大きさは様々であることができる。ロール104の一方の部分の歯110及び溝112の間隔及び/又は大きさは、ロール104の別の部分の歯110及び溝112の間隔及び/又は大きさと異なることができる。これによって、トップシート20を形成することができる有孔ウェブ1の異なる部分が、相互に異なる第1及び第2の部分を有することが可能になる。ウェブ1の一部が孔を有さないように、ロール104の一部は、歯110を有さないようにできる。図7の概略図に示されているように、切頭の概ね円錐形の構造体8は、前駆体ウェブ25内に形成することができる。
隆起部106と代表的な歯110を含む噛合ロール102及び104の一部の横断面の概略図が図8に示されている。図示されているように、歯110は、歯高TH(THは、隆起部106の高さに当てはめることもでき、歯高と隆起部の高さは同じであることができることに留意されたい)を有し、歯間隔(又は隆起部間隔)はピッチPという。図示されているように、係合深度(DOE)Eは、ロール102及び104の噛合度の測定値であり、隆起部106の先端から、歯110の先端までを測定したものである。係合深度E、歯高TH、及びピッチPは前駆体ウェブ25の特性、及び有孔ウェブ1の所望の特徴に応じ、所望によって様々であることができる。
一実施形態では、図8に示されている寸法、及び本明細書に記載されている寸法は動作温度における寸法であり、隆起部、溝、及び/又は歯の寸法は、熱膨張を考慮して機械加工する。ロール102及び104は、耐摩耗性ステレンス鋼で作製することができる。
孔の面密度は、約1孔/cm2〜約6孔/cm2〜約60孔/cm2(1孔/cm2刻み)と様々であることができる。少なくとも約10孔/cm2、又は少なくとも25孔/cm2であり得る。
形成装置103との関連で理解できるように、孔は、概ね平面かつ2次元と称することのできる前駆体ウェブ25を機械的に変形させることによって作製することができる。「平面」及び「2次元」とは単に、前駆体ウェブ25が、切頭の概ね円錐形の構造体8の形成によって付与された明確な面外かつz方向の3次元性を有する完成した有孔ウェブ1に対して平らであることができることを意味する。「平面」及び「2次元」とは、いずれかの特定の平坦性、平滑性、又は次元性を暗に示すことは意図されておらず、軟質な繊維性不織布ウェブは、作製時の状態において、平面であることができる。
前駆体ウェブ25がニップ116を通ると、ロール104の歯110がロール102の谷部分108の中に入り、同時に、前駆体ウェブ25の面外に材料を導き、切頭の概ね円錐形の構造体8と孔を形成し、この孔は、切頭の概ね円錐形の構造体のへりによって画定される。実際には、歯110は、前駆体ウェブ25を「押して」貫通する。歯110の先端が前駆体ウェブ25を押して貫通すると、ウェブの材料を歯110によって前駆体ウェブ25の面外に導くことができ、z方向に伸長及び/又は可塑的に変形させることができ、切頭の概ね円錐形の構造体8及び孔によって特徴付けられる面外幾何学形状を作り出す。切頭の概ね円錐形の構造体8は、火山形の構造体と考えることができる。
図9は、前駆体ウェブ25が平らなフィルムではなく、微小な段差2によって事前に非平滑化されたフィルムであった3次元有孔ウェブ1の実施形態を示している。段差2は、突出部、エンボス、穴などであることができる。図示されている実施形態では、段差2は、ハイドロフォーミングプロセスによって形成された火山形のミクロ孔である。好適なハイドロフォーミングプロセスは、1986年9月2日にクーロ(Curro)らに発行された米国特許第4,609,518号に開示されている多相ハイドロフォーミングプロセスの第1の相である。図9に示されているウェブで用いたハイドロフォーミングスクリーンは、「100メッシュ」のスクリーンで、フィルムは、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products)から入手した。隆起部と切頭の概ね円錐形の構造体8によって画定される孔は、形成装置103のロール104の歯110によって形成することができる。切頭の概ね円錐形の構造体の隆起部が、トップシートの身体に面する表面の上に位置するように、切頭の概ね円錐形の構造体8をトップシート20内で配置することができる。切頭の概ね円錐形の構造体の隆起部が、トップシート20の衣類に面する表面の上に位置するように、切頭の概ね円錐形の構造体8をトップシート20内で配置することができる。切頭の概ね円錐形の構造体の隆起部の一部がトップシート20の衣類に面する表面の上に位置し、切頭の概ね円錐形の構造体の隆起部の一部がトップシート20の身体に面する表面の上に位置するように、切頭の概ね円錐形の構造体8をトップシート20内で配置することができる。
また、段差2は、柔軟な触感を提供する質感をもたらす非有孔突出部又は微細繊維であることができる。非有孔突出部又は微細繊維以外の段差2も考えられる。柔軟性は、ウェブ1を使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるときに有益であり得る。柔軟で順応性のある使い捨て吸収性物品用トップシートは、物品の身体に面する表面としての、第2の側面14が段差2を有する有孔ウェブ1を用いる場合に実現することができる。いくつかの実施形態では、場合によって、異なるレベルの快適性、又は流体の流動に関わる異なる特性を提供するように、段差2は、トップシートの衣類に面する表面の上に位置することができる。
図9に示されているフィルム実施形態の孔は、図7に示されているような装置の上で作製した。図7では、形成装置103は、1つのパターン付きロール、例えばロール104と1つのパターン無しロール102を有するように配列されている。特定の実施形態では、ニップ116は、それぞれのロールの同じ又は異なる対応領域内に同じパターン又は異なるパターンのいずれかを有する2つのパターン付きロールを用いることによって形成することができる。このような装置は、有孔ウェブ1の両側から突出している孔と共に、ウェブ1内にマクロの質感、例えば段差か、ミクロ孔か、又はミクロパターンを有するウェブを作製することができる。同様に、更なる切頭の概ね円錐形の構造体8及び/又は孔を有するように有孔ウェブ1を再加工するように、多数の形成装置103を有することが望ましい場合がある。例えば、有孔ウェブ1の切頭の概ね円錐形の構造体8の孔の面密度の増大は、前駆体ウェブ25を2つ以上の形成装置103に通して加工することによって、又は、歯110の間隔を狭くすることによって、実現することができる。
孔に関連する数、孔の面密度、大きさ、幾何学形状、面外幾何学形状は、歯110の数、間隔、幾何学形状、及び大きさを変えると共に、必要に応じてロール104及び/又は102に寸法変化を加えることによって、変えることができる。第1の孔を有する第1の部分60と、第2の孔を有する第2の部分70とを有するトップシート20は、ロール104の異なる部分が、ある1つの大きさ及び/又は間隔の歯110有し、ロール104の別の部分が、別の大きさ及び/又は間隔の歯110を有するロール104を用いて形成することができる。図10は、ロール104の異なる区域によって異なる大きさ及び/又は間隔の歯110を有するロール104の一部を示している。歯110は、概ね円錐、角錐、切頭円錐、若しくは切頭角錐形、又はその他のいずれかの好適な形であることができる。
トップシート20は、有孔不織布ウェブを含むことができる。図11を参照すると、使い捨て吸収性物品のトップシートとして用いるために好適な不織布ウェブを選択的に穿孔するためのプロセスと装置が概略的に示されている。米国特許出願公開第11/249,618号、米国特許第5,714,107号、及び同第5,628,097号は、不織布ウェブの孔を作るための孔、装置、及び方法を開示している。
不織布の前駆体ウェブ25は、供給ロール152から解かれ、供給ロール152が、供給ロール152に付随の矢印で示されている方向に回転すると、供給ロール152に付随の矢印で示されている方向に進むことができる。不織布の前駆体ウェブ25は、カレンダーロール1110と滑らかなアンビルローラー1112によって形成されたウェブ薄化ローラー装置1108のニップ116を通る。
不織布の前駆体ウェブ25は、例えば、既知のメルトブローイングプロセス、又は既知のスパンボンディングプロセスのような既知の不織布押出プロセスによって形成して、最初に供給ロール上に接着及び/又は貯蔵することなく、直接ニップ116に通してもよい。
不織布の前駆体ウェブ25は、延伸性であっても、弾性であっても、非弾性であってもよい。不織布の前駆体ウェブ25は、スパンボンドウェブであっても、メルロブロウンウェブであっても、ボンドカードウェブであってもよい。不織布の前駆体ウェブ25は、メルロブロウン繊維のウェブである場合、メルロブロウンマイクロファイバーを含んでもよい。不織布の前駆体ウェブ25は、例えばポリオレフィンのような繊維形成ポリマーで作製してよい。代表的なポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、及びブテンコポリマーの1つ以上が挙げられる。
別の実施形態では、不織布の前駆体ウェブ25は、例えば、メルロブロウンウェブ、ボンドカードウェブ、又はその他の好適な材料の少なくとも1つの層に接合された少なくとも1つのスパンボンドウェブを有する多層材料であってもよい。例えば、不織布の前駆体25は、約6.8〜約270グラム/平方メートル(約0.2〜約8オンス/平方ヤード)の坪量を有するスパンボンドポリプロピレンの第1の層と、約6.8〜約135グラム/平方メートル(約0.2〜約4オンス/平方ヤード)の坪量を有するメルロブロウンポリプロピレンの層と、約6.8〜約270グラム/平方メートル(約0.2〜約8オンス/平方ヤード)の坪量を有するスパンボンドポリプロピレンの第2の層を有する多層ウェブであってよい。あるいは、不織布ウェブは、例えば、約6.8〜約336.9グラム/平方メートル(約0.2〜約10オンス/平方ヤード)の坪量を有するスパンボンドウェブ、又は、約6.8〜約270グラム/平方メートル(約0.2〜約8オンス/平方ヤード)の坪量を有するメルロブロウンウェブのように、材料の単層であってもよい。
不織布の前駆体ウェブ25をポリマーフィルムに接合して、ラミネートを形成してよい。好適なポリマーフィルム材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、及びブテンコポリマーなどのポリオレフィン、ナイロン(ポリアミド)、メタロセン触媒系ポリマー、セルロースエステル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエステル、ポリウレタン、相溶性ポリマー、相溶性コポリマー、並びに、これらのブレンド、ラミネート、及び/又は混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
不織布の前駆体ウェブ25は、2つ以上の異なる繊維の混合物、又は、繊維と粒子との混合物からなる複合体であってもよい。このような混合物は、メルロブロウン繊維又はスパンボンド繊維を運ぶ気体流に繊維及び/又は粒子を加えることによって形成して、繊維の収集前に、繊維、並びに、例えば、木材パルプ、短繊維、及び粒子のようなその他の材料が緊密に絡み合って混合されるようにしてよい。
繊維からなる不織布の前駆体ウェブ25は、結合することによって接合して、凝集性ウェブを形成することができる。好適な結合技法としては、化学的接着、ポイントカレンダー加工のような熱接着、水流交絡、及びニードリングが挙げられるが、これらに限定されない。
パターン付きカレンダーロール1110及び滑らかなアンビルロール1112の一方又は両方を加熱してよく、これらの2つのロールの間の圧力を調節して、所望の温度(該当する場合)、並びに、複数の場所で不織布の前駆体ウェブ25を同時に薄化及び溶融安定化するための圧力をもたらしてよい。
パターン付きカレンダーロール1110は、円筒形表面1114と、円筒形表面1114から外向きに延びている複数の突出部1216を有する構成にする。突出部1216は、所定のパターンで配置されており、各突出部1216は、不織布前駆体ウェブ25内に薄化及び溶融安定化された場所をもたらして、不織布ウェブ25内の薄化及び溶融安定化された場所の所定のパターンを作り出すように構成及び配置されている。また、漸増伸長システム1132、並びに、漸増伸長ローラー1134及び1136が図11に示されていると共に、後に更に論じられている。
凝集性不織布ウェブには、ニップ116に入る前に、ポイントカレンダー接着部200によって併せて接合した複数の繊維を含めて、凝集性ウェブ構造体を形成する。
パターン付きカレンダーロール1110は、円筒形表面114の周辺全体に広がっている突出部1216の反復パターンを有することができる。あるいは、突出部1216は、円筒形表面114の1つ又は複数の部分に広がっていてもよい。図12に示されているように、パターン付きカレンダーロール1110のある1つの部分の上の突出部1216の間隔は、パターン付きカレンダーロール1110の別の部分の上の突出部1216の間隔と異なることができる。このように突出部1216を配置することによって、トップシート20を形成することのできる有孔ウェブ1の異なる部分が、相互に異なる第1及び第2の部分を有することを可能にし得る。
例として、かつ限定しないものとして、突出部1216は、円筒形表面114から外向きに放射状に延びていると共に、楕円形の遠位端表面1117を有する切頭円錐形であることができる。遠位端表面1117に適したその他の形としては、円、正方形、矩形などが挙げられるが、これらに限定されない。末端表面1117の全てが、カレンダーロール1110の回転軸と同軸である仮想直円柱に位置するように、パターン付きカレンダーロール1110を仕上げることができる。
突出部1216は、長軸がパターン付きカレンダーロール1110の周囲方向に向けられたその長軸を有するブレードであることができる。突出部1216は、長軸がカレンダーロール1110の回転軸と平行に配置されたその長軸を有するブレードであることができる。
突出部は、いずれかの所定のパターンで、パターン付きカレンダーロール1110の周囲に配置してよい。前駆体ウェブ25は、薄化ローラー装置1108を通った後、複数の溶融安定化した場所1202を有することができる。アンビルローラー1112は、鋼からなる滑らかな表面の直円柱であることができる。
図13は、薄化ローラー構成体1108を通った後、かつ、漸増伸長システム1132のニップ116を通る前の不織布前駆体ウェブ25の画像である。画像で見てとれるように、不織布前駆体ウェブ25は、複数の薄化、溶融安定化した場所1202を含む。薄化、溶融安定化した場所1202は、パターン付きカレンダーロール1110の円筒形表面1114から延びている突出部1216のパターンと概ね一致する。図13に示されているように、不織布の前駆体ウェブ25は、不織布の前駆体ウェブ25の構造的一体性を保持する働きをするポイントカレンダー接着部200を形成する凝集性ウェブも含む。
不織布の前駆体ウェブ25は、薄化ローラー装置1108から、少なくともある程度相補的である3次元表面を有する対向圧力付加器を用いる漸増伸長システム1132によって形成されたニップ116を通る。
図14を参照すると、漸増伸長ローラー1134及び1136を備える漸増伸長システム1132の断片拡大図が示されている。漸増伸長ローラー1134は、漸増伸長ローラー1134の周囲全体、又は漸増伸長ローラー1134の周囲の一部分のみに広がっている複数の隆起部106と対応する谷部分108とを含むことができる。漸増伸長ローラー1136は、複数の相補的隆起部106と複数の対応する谷部分108を含む。漸増伸長ローラー1134の隆起部106は、漸増伸長ローラー1136の谷部分108と噛み合うか、又はこの谷部分108と係合し、漸増伸長ローラー1136の隆起部106は、漸増伸長ローラー1134の谷部分108と噛み合うか、又はこの谷部分108と係合する。薄化、溶融安定化した場所1202を有する不織布の前駆体ウェブ25は、漸増伸長システム1132を通り、不織布の前駆体ウェブ25に、CD方向の張力が加えられ、不織布の前駆体ウェブ25はCD方向に延ばされる。あるいは、又はこれに加えて、不織布の前駆体ウェブ25は、MD方向に引っ張ってもよい。不織布の前駆体ウェブ25に加えられる張力によって、薄化、溶融安定化した場所1202が破裂して、不織布の前駆体ウェブ25の薄化、溶融安定化した場所1202と一致する複数のSAN孔1204(SANとは、伸長穿孔不織布を表す)が形成されて、有孔ウェブ1が形成されるように、張力を調節することができる。ただし、不織布の前駆体ウェブ25の接着部は、張力の付加中に破裂しないほど十分に強力にし、それによって、薄化、溶融安定化した場所が破裂しても、不織布ウェブを凝集状態に保持するようにすることができる。
図14に示されているように、漸増伸長ロール1134及び1136のそれぞれ異なる部分は、漸増伸長ローラー1136及び漸増伸長ローラー1134の周囲に、異なる深さの谷部分108、及び異なる高さの隆起部106を有することができる。谷部分108と隆起部106との間、及び、漸増伸長ローラー1134と1136との間の距離も様々であることができる。ロールをこのような構成にすると、異なる量の伸長を、不織布前駆体ウェブ25の異なる部分に施すことが可能になり、それによって、相互に異なる部分を有し、トップシート20用に用いることができる有孔ウェブ1が形成される。
図15を参照すると、漸増伸長システム1132によって加えた張力の影響を前駆体ウェブ25が受けた後の有孔ウェブ1の画像が示されている。画像で見てとれるように、有孔ウェブ1は、図13に示されている、不織布の前駆体ウェブ25の薄化、溶融安定化した場所1202と一致する複数のSAN孔1204を有する。
漸増式に不織布を伸長させるか、又は不織布に張力を加えるのに適した漸増伸長機構のその他の構造体は、1995年2月9日にシャペル(Chappell)らの名で公開された国際公開第95/03765号に記載されている。
不織布の前駆体ウェブ1は、巻き取りロール180に巻き取って貯蔵することができる。あるいは、使い捨て吸収性物品のトップシートを形成するのに使われる製造ラインに不織布有孔ウェブ1を直接供給してもよい。
第1の部分60及び/又は第2の部分70は、房206を含むことができる。房206は、2つ以上の層からなり、その層のうちの1つが他方の層の中に押し込まれているか、又は他方の層の孔を通って突出しているラミネートウェブ1を含むことができ、このウェブの例は図16に示されている。第1の前駆体ウェブ220及び第2の前駆体ウェブ221のように、これらの層は、本明細書では、概ね平面な2次元前駆体ウェブと称される。いずれかの前駆体ウェブは、フィルム、不織布、又は織布ウェブであることができる。第1の前駆体ウェブ220及び第2の前駆体ウェブ221(並びに、いずれかの追加的なウェブ)は、接着剤、熱接着、超音波接着などによるか、又はこれらによらずに、接合することができる。第1の前駆体ウェブ220及び第2の前駆体ウェブ221は、図1に示されているようなトップシート20の上層21及び下層22に対応することができる。
ウェブ1は第1の側面12と第2の側面14を有し、この「側面」という用語は、概ね平らな状態のときに2つの側面を有する紙及びフィルムのように、概ね平面な2次元ウェブの一般的な用法で用いられる。第1の前駆体ウェブ220は、第1の前駆体ウェブの第1の表面212と、第1の前駆体ウェブの第2の表面214とを有する。第2の前駆体ウェブ221は、第2の前駆体ウェブの第1の表面213と、第2の前駆体ウェブの第2の表面215とを有する。ウェブ1は、ウェブ製造の分野において広く知られているようなMDとCDとを有する。第1の前駆体ウェブ220は、実質的に不規則に配置された繊維からなる不織布ウェブ、ポリマーフィルム、又は織布ウェブであることができる。「実質的に無作為に配置された」は、前駆体ウェブのプロセス条件により、機械横方向よりも縦方向に又はその逆に、より多くの繊維が配置されてもよいことを意味する。第2の前駆体ウェブ221は、第1の前駆体ウェブ220と同様の不織布ウェブ、又は、ポリエチレンフィルムのようなポリマーフィルム若しくは有孔ポリマーフィルムであることができる。
一実施形態では、ウェブ1の第1の側面12は、第2の前駆体ウェブの第1の表面213の露出部分と、不織布の第1の前駆体ウェブ220の繊維と一体の延長部である1つ以上の別個の房206とによって画定される。房206は、第2の前駆体ウェブ221の孔を通って突出することができる。図17に示されているように、各房206は、第2の前駆体ウェブ221を通って、かつ、第2の前駆体ウェブの第1の表面213から外向きに延びている複数のループ状繊維208を含むことができる。
房は、第1の前駆体ウェブ220の別個の局部において繊維をz方向で面外に導くことによって形成することができる。
第1の前駆体ウェブ220は、弾性又はエラストマー繊維を含む繊維性織布又は不織布ウェブであることができる。弾性若しくは弾性重合体繊維は、少なくとも約50%延展可能であり、それらの源寸法の10%以内に復元する。弾性繊維が、その繊維の不織布内での移動性により単にずれる場合、又は、弾性繊維が、その弾性限度を超えて伸長して可塑的に変形する場合、房206を弾性繊維から形成することができる。
第2の前駆体ウェブ221は、実質上、いずれのウェブ材料であることもでき、唯一の要件は、その材料が、下記のプロセスによってラミネートに形成するのに十分な一体性を有する点、及び、第2の前駆体ウェブ221の方向で面外に導かれた第1の前駆体ウェブ220からの繊維ひずみを経ると、第2の前駆体ウェブ221が、(例えば伸長することによって)面外に導かれるか、又は、(例えば、伸長による破損によって)破裂するように、第1の前駆体ウェブ220と比較される伸長特性を有する点である。破裂が発生する場合、破裂場所にIPS孔204を形成することができる(IPSとは、相互貫通SELF(SELFは、構造的弾性様フィルムを意味する。米国特許第5,518,801号を参照のこと)を表す)。第1の前駆体ウェブ220の部分は、第2の前駆体ウェブ221のIPS孔204を通って延びて(すなわち、IPS孔204を「押して貫通する」か、又はIPS孔204を通って突出して)、ウェブ1の第1の側面12に房206を形成することができる。一実施形態では、第2の前駆体ウェブ221はポリマーフィルムである。第2の前駆体ウェブ221は、織布地ウェブ、不織布ウェブ、ポリマーフィルム、有孔ポリマーフィルム、紙ウェブ(例えばティッシュ・ペーパー)、金属フォイル(例えばアルミニウム製ラッピングフォイル)、フォーム(例えば、ウレタンフォームシート材)などであることもできる。
図16及び17に示されているように、房206は、第2の前駆体ウェブ221のIPS孔204を通って延びることができる。IPS孔204は、第2の前駆体ウェブ221を局地的に破裂することによって形成することができる。破裂は、IPS孔204が面内(MD−CD)2次元孔になるように、第2の前駆体ウェブ221を単に裂いて開くことを含んでよい。ただし、ポリマーフィルムのような一部の材料では、第2の前駆体ウェブ221の一部を面外(すなわち、第2の前駆体ウェブ221の面)に偏向するか又は導いて、フラップ様構造体(本明細書では1つ又は複数のフラップ207と称する)を形成することができる。フラップ207の形状及び構造は、第2の前駆体ウェブ221の材料特性によって決まることがある。フラップ207は、図16及び17に示されているように、1つ以上のフラップの一般構造を有することができる。別の実施形態では、房206がフラップ107から出ている場合、フラップ207は、より火山形の構造を有することができる。
房206は、ある意味では、第2の前駆体ウェブ221を「押して貫通する」(又は第2の前駆体ウェブ221を通って突出する)ことができ、IPS孔204との摩擦係合によって適所に「固定」することができる。これは、房206がIPS孔204を通って引き戻されないように抑制する傾向がある、開口部におけるある量の復元を示す。房及び開口部の摩擦係合は、接着剤又は熱接着なしで形成できる一方の側面上に房を有するラミネートウェブ構造体をもたらすことができる。
房206が第2の前駆体ウェブ221を通って突出したときにウェブ1の第1の側面12を効果的に覆うように、房206は、十分に近い間隔で置くことができる。このような実施形態では、ウェブ1の両側は、第1の側面12と第2の側面14とが表面質感の点で異なる不織布に見える。したがって、一実施形態では、ウェブ1は、2つ以上の前駆体ウェブからなるラミネート材と称することができ、このラミネートウェブの両側は、その前駆体ウェブのうちの1つのみの繊維によって実質的に覆われている。
房206が、図17に示されているように、明白な直線的な向きと房長軸LATを有するように、ループ状繊維208は、実質的に整列させることができる。房206は、MD−CD面で房長軸LATと概ね直交する短軸TSを有することもできる。図17及び18に示されている実施形態では、房長軸LATはMDと平行である。房206は、円形又は正方形のように、MD−CD面で左右対称な形を有することができる。房206は、1を超えるアスペクト比(最長寸法の最短寸法に対する比。これらの寸法のいずれもMD−CD面内で測定する)を有することができる。一実施形態では、全ての隔置された房206は、概ね平行な房長軸LATを有する。ウェブ1の単位面積当たりの房206の数、すなわち房206の面密度は、約1房/cm2〜約100房/cm2で様々であることができる。少なくとも約10又は少なくとも20房/cm2であることができる。
別の実施形態では、各房206は、第2の前駆体ウェブの第1の表面213から外向きに延びている複数の非ループ状繊維218(図18に示されているようなもの)を含むことができる。一般に、房206のループ状繊維208又は非ループ状繊維218は、第1の前駆体ウェブ220の繊維と一体的であると共に、第1の前駆体ウェブ220の繊維から延びている繊維を含む。
図19を参照すると、房206を含むウェブ1を作製するための装置と方法が示されている。形成装置103は、一対の噛合ロール102及び104を備え、これらのロールの各々は、軸Aを中心として回転し、軸Aは、同じ平面内で平行である。ロール102は、ロール102の周辺全体を中断なく取り巻いて延びていることができる複数の隆起部106と対応する谷部分108を含む。ロール104は、ロール104の少なくとも一部の周りを隔置関係で延びている、周囲方向に隔置された歯110の列になるように変更された、周囲方向に延びている隆起部を複数列含むことができる。房206のない部分を有するウェブ1を形成可能にするために、ロール104の一部は、歯110を有さないようにできる。異なる部分で異なる大きさの房206を有し、及び/又は、房206のない部分を有するウェブ1の形成を可能にするために、歯110の大きさ及び/又は間隔は、図19に示されているように、様々にすることができる。
ロール104の歯110の個々の列は、対応する溝112により分離される。動作時には、ロール102の隆起部106がロール104の溝112の中まで延び、ロール104の歯110がロール102の谷部分108の中まで延びるように、ロール102及び104が噛み合う。ロール102及び104の両方又はいずれかは、ホットオイルを充填したローラー又は電気的に加熱されたローラーを使用するなどの、当該技術分野において既知の手段により加熱され得る。
図19では、形成装置103は、1つのパターン付きロール、例えばロール104と、1つのパターン無し溝付きロール102を有するものとして示されている。それぞれのロールの同じ又は異なる対応領域に、同じパターン、又は異なるパターンのいずれかを有する2つのパターン付きロール104を用いることもできる。このような装置は、ウェブ1の両側から突出している房206を有するウェブを作製することができる。装置は、同じロール上に反対方向に向く歯を有するように設計することができる。これによって、ウェブの両側に作製される房206を有するウェブを得ることができる。
ウェブ1は、図19に示されている装置によって加工する前に、それぞれ概ね平面的かつ2次元であると称することができる第1の前駆体ウェブ220及び第2の前駆体ウェブ221のような前駆体ウェブを機械的に変形することによって作製することができる。「平面的」及び「2次元」とは単に、ウェブが、房206の形成により、別個の面外のz方向への3次元性を有するウェブ1に対して概ね平らな状態でプロセスを開始することを意味する。「平面的」及び「2次元の」は、特定の平坦性、平滑性又は次元性を意味するものではない。
房206を形成するためのプロセス及び装置は、多くの点で、「弾性様挙動を示すウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-Like Behavior)」という名称の米国特許第5,518,801号に記載されていると共に、その後の特許文献で「構造的弾性様フィルム」を意味する「SELF」ウェブと称されるプロセスと似ている。後述のように、ロール104の歯110は、歯が第1の前駆体ウェブ220と第2の前駆体ウェブ221の面を本質的に「押して貫通する」ことを可能にする前縁部及び後縁部に関連する幾何学形状を有する。2層ラミネートウェブでは、歯110は、第1の前駆体ウェブ220からの繊維を同時に、面外、かつ第2の前駆体ウェブ221の面を通るように促す。したがって、ウェブ1の房206は、第2の前駆体ウェブの第1の表面213を通ると共に、第2の前駆体ウェブの第1の表面213から離れるように延びている、ループ状繊維208からなる「トンネル様」房であることができ、左右対称に成形することができる。
第1の前駆体ウェブ220と第2の前駆体ウェブ221は、それぞれのウェブ作製プロセスから直接、又は、供給ロールから間接的にのいずれかで供給され、機械方向で、逆回転噛合ロール102及び104からなるニップ116に移動する。前駆体ウェブは好ましくは、ウェブ処理の分野において周知の手段によって、概ね平らな状態でニップ116に入るように、十分なウェブ張力で保持する。第1の前駆体ウェブ220と第2の前駆体ウェブ221がニップ116を通ると、ロール102の谷部分108と噛み合うロール104の歯110は、第1の前駆体ウェブ220の一部を、第1の前駆体ウェブ220の面外、かつ、場合によっては、第2の前駆体ウェブ221を通るように、同時に導いて、房206を形成する。実際は、歯110は、第1の先駆体ウェブ220の繊維を第2の前駆体ウェブ221の面の中に押し込むか、又は第2の前駆体ウェブ221の面を押して貫通する。
歯110の先端が第1の前駆体ウェブ220及び第2の前駆体ウェブの中に押し込まれるか、又は、第1の前駆体ウェブ220及び第2の前駆体ウェブを押して貫通すると、歯110を横断して主にCDに配置されている、第1の前駆体ウェブ220の繊維の部分が、歯110によって、第1の前駆体ウェブ220の面外に導かれる。繊維は、繊維の移動性によって面外に導くことができ、あるいは、z方向に伸長及び/又は可塑的に変形させることによって、面外に導くことができる。歯110によって面外に導かれた、第1の前駆体ウェブ220の部分は、第2の前駆体ウェブ221の中に押し込まれるか、又は、第2の前駆体ウェブ221を押して貫通し、その比較的低い伸展性によって破裂することができ、それによって、ウェブ1の第1の側面12に房206が形成される。
所定の最大ひずみ(例えば、形成装置103の歯110によって付与されるひずみ)では、第2の前駆体ウェブ221は、実際には、付与されたひずみによってもたらせる引っ張り荷重下で破損することがある。すなわち、ウェブ1の第1の側面12に配置される房206では、第2の前駆体ウェブ221は、張力で局部的に(すなわち、ひずみの区域において)破損し、それによって、房206がこれを通じて延びることのできるIPS孔204が作られるように、十分に低い繊維移動性(該当する場合)、及び/又は、比較的低い破断伸びを有さなければならない。
一実施形態では、第2の前駆体ウェブ221は、1%〜5%の範囲の破断伸びを有する。実際に求められる破断伸びは、ウェブ1を形成するために誘発されるひずみによって決まるが、いくつかの実施形態では、第2の前駆体ウェブ221は、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%以上のウェブの破断伸びを呈することがあると認識される。また、実際の破断伸びは、図19に示されている装置においてはラインスピードの関数であるひずみ速度によって決まり得ることが認識される。ウェブの破断伸びは、インストロン、MTS(Instron, MTS)、スウィング−アルバート(Thwing-Albert)などによって製造されているものなどのような標準的な引張試験器を用いる標準的な引張試験法など、当該技術分野において既知の手段によって測定することができる。
更には、房206の点で面外に延びるのではなく、第2の前駆体ウェブ221が、房206の形成によってもたらされるひずみ下の張力で、例えば形成装置103の歯110によって、破損し得るように、第2の前駆体ウェブ221は、第1の前駆体ウェブ220よりも低い繊維移動性(該当する場合)、及び/又は低い破断伸び(すなわち、個々の繊維の破断伸び、又は、フィルムの場合には、そのフィルムの破断伸び)を有することができる。一実施形態では、IPS孔204のフラップ207が、房206に対して、仮に面外に延びるとしても、僅かのみ面外に延びるように、第2の前駆体ウェブ221は、第1の前駆体ウェブ220に対し、十分に低い破断伸びを呈する。第2の前駆体ウェブ221は、第1の前駆体ウェブ220よりも少なくとも約10%低いか、又は、第1の前駆体ウェブ220よりも少なくとも約30%、少なくとも約50%、若しくは少なくとも約100%低い破断伸びを有することができる。
第2の前駆体ウェブ221は、ひずみが誘発される領域で単に変形又は伸長するが、実際に破損しない場合、図20A及び20Bに示されているように、第2の前駆体ウェブ221を貫通して突出しない房206を形成することができる。図20A及び20Bに示されている房206は、実際には、第2の前駆体ウェブ221の中に組み込まれる。図20Aに示されているように、第2の前駆体ウェブ221を破裂させることなく、又は第1の前駆体ウェブ220を裂くことなく、第1の前駆体ウェブ220を第2の前駆体ウェブ221のMD−CD面に押し込むことができる。本質的に、第1の前駆体ウェブ220は、第2の前駆体ウェブ221の中に湾入して、房206を形成する。図20Bに示されているように、第1の前駆体ウェブ220は、第2の前駆体ウェブ221の中に湾入すると共に、第2の前駆体ウェブ内に組み込むことができ、第1の前駆体ウェブ220は、破裂して房206を形成することができる。
房206の数、間隔、及び大きさは、歯110の数、間隔、及び大きさを変えると共に、必要に応じてロール104及び/若しくはロール102に対応する寸法的変化を加えることによって変えることができる。第1の前駆体ウェブ220及び第2の前駆体ウェブ221で考え得る変化と共に、この変化によって、国際公開第01/76523号に開示されているようなパーソナルケアアイテムなどの多くの目的に合わせて、多種多様なウェブ1を作ることが可能になる。不織布/フィルムの第1の前駆体ウェブ/第2の前駆体ウェブの組み合わせを含むウェブ1も、使い捨て吸収性物品内の構成要素として用いることができる。
房付きウェブ1は、約60gsm〜約100gsm(80gsmが実用的である)の坪量を有する不織布の第1の前駆体ウェブ220と、約0.91〜0.94g/cm3の密度と約20gsmの坪量を有するポリオレフィンフィルム(例えばポリエチレン又はポリプロピレン)の第2の前駆体ウェブ221から形成することができる。
歯110の拡大図が図21に示されている。歯110は、歯の先端111の前縁部LEから後縁部TEまでを概ね測定される周囲長寸法TLが約1.25mmであることができ、約1.5mmの距離TDによって、周囲方向に等間隔で置くことができる。約60〜約100gsmの範囲の総坪量を有する前駆体ウェブ25からウェブ1を作製する際、ロール104の歯110は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTLと、約0.5mm〜約3mmの間隔TDを有することができ、歯高THは、約0.5mm〜約5mmの範囲であり、ピッチPは、約1mm(約0.040インチ)〜約5mm(約0.200インチ)である。係合の深さEは、約0.5mm〜約5mm(最高で歯の高さTHと等しくなるまで)であり得る。当然ながら、房206の所望の大きさ、間隔、及び面密度を実現するために、E、P、TH、TD、及びTLを、相互に独立して変えることができる。
歯の先端111は、細長くすることができ、房206の長軸LA及び断絶部216に対応する概ね長手方向の向きを有することができる。テリー織りの生地様と称されることがあるウェブ1の房付きのループ状房206を得るためには、LE及びTEは、ロール104の円筒形表面1114とほぼ直交するべきであると考えられる。また、歯110がLE及びTEで第2の前駆体ウェブ221を押して貫通することができるように、先端111、LE、又はTEからの移行部は、十分に小さい曲率半径を有する直角などの鋭角でなければならない。理論に束縛されずに、歯110の先端とLEとTEとの間に比較的鋭角な先端移行部を有すると、歯110が第1の前駆体ウェブ220と第2の前駆体ウェブ221を「きれいに」、すなわち、局部的かつはっきりと押して貫通して、得られたウェブ1の第1の側面12が房206を有するようにすることが可能になる。そのように加工すると、ウェブ1に、第1の前駆体ウェブ220と第2の前駆体ウェブ221が元々持つことができる弾性を超えるいずれかの特定の弾性を付与することはできない。第2の前駆体ウェブを押して貫通すると、「紙吹雪状片」又は小片を形成する、第2の前駆体ウェブ221の小部分を得ることができる。
房206を有するウェブ1は、吸収性物品10のトップシート20、又はトップシート20の一部として用いることができる。房206を有するウェブ1は、優れた流体獲得性と吸収性コア40への分配性との組み合わせ、及び、使用中にトップシート20の身体に面する表面の再湿潤を防止する優れた性能により、吸収性物品用トップシート20として有益である場合がある。再湿潤は、(1)吸収性物品10の上への圧力によって、吸収された流体からの圧搾、及び/又は、(2)トップシート20の中又は上で捕捉された湿気という少なくとも2つの原因による結果であり得る。
トップシート20の様々な部分の表面質感は、房206を提供することによって作り出すことができる。房206がトップシート20の身体に面する表面23の一部を含むように、房206を配置することができる。房206をトップシート20の衣類に面する表面上で配置するように、房206を配置することができる。
トップシート20は、不織布の第1の前駆体ウェブ220と流体不透過性ポリエチレンフィルムの第2の前駆体ウェブ221を用いることによって、作ることができる。構成要素のウェブの坪量は、様々であることができるが、一般にコスト及び利点への配慮により、ウェブ1では、約20gsm〜80gsmの総坪量が望ましい場合がある。フィルム/不織布ラミネートとして作製するとき、ウェブ1は、繊維房の柔軟性及び流体毛管性と、流体不透過性ポリマーフィルムの再湿潤防止性を兼ね備える。
第1の部分60は、房206を含むことができる。第2の部分70は、房206を含むことができる。第1の部分60と第2の部分70はいずれも、房206を含むことができ、この場合、第1の部分60の房は、第2の部分70の房と構造が異なる。房206の違いは、面外次元zにおける房の大きさであることができる。房206の違いは、MD−CD面における大きさ又は形であることができる。房の大きさは、MD−CD面(トップシートを見ている人に対して示されている)と平行な平面における房の最大寸法である。房206の違いは、房206が第2の前駆体ウェブ221を貫通して突出しているか、又は第2の前駆体ウェブ221内に組み込まれているかに関する、房206の形状であることができる。房206の違いは、房206の色であることができる。房206の色の違いは、吸収性物品10の異なる部分が、異なる機能を果たす場合のあることを着用者が理解することを助け、着用者が吸収性物品10をパンティー内に適切に配置することを助け、心理的な確信をもたらすことができる。
一実施形態では、房206は、第2の前駆体ウェブ221を貫通して突出して、トップシート20の身体に面する表面から延びていることができる。別の実施形態では、房206は、トップシート20の衣類に面する表面から延びていることができる。
一実施形態では、図22Aに示されているように、構造的に変更されたゾーン80は、境界を有することができ、その境界の少なくとも一部は、チャネル300によって画定される。すなわち、構造的に変更されたゾーン80に関しては、チャネル300が、構造的に変更されたゾーン80を取り囲むか又は部分的に取り囲むことができると共に、特定の構造的に変更されたゾーン80と隣接していることができる。チャネル300は、吸収性物品内のチャネルを作るための、当該技術分野において既知のいずれかの手段によって、形成することができる。好適なプロセスとしては、トップシート20と吸収性コア40を圧縮して、吸収性物品の身体に面する表面内にくぼみを残す圧縮成形が挙げられる。理論によって束縛されずに、チャネル300の近くの、吸収性コア40の部分の毛管潜在力は、チャネル300から離れた、吸収性コア40の部分の毛管潜在力よりも高い場合があり、このより高い毛管潜在力が、チャネル300を越えて流体が移送されることを防ぐことができると考えられる。同様に、第1の部分60は、境界の少なくとも一部がチャネル300によって画定される境界も有することができる。図22Aに印が付けられている、図22Aの横断面は、図22Bに示されている。
チャネル300は、図23に示されているように、構造的に変更されたゾーン80の構造的に変更されたゾーンの色81と色が異なる少なくとも1つの部分を有することができる。すなわち、チャネル300の少なくとも一部のチャネルの色301は、構造的に変更されたゾーン80の構造的に変更されたゾーンの色81と異なることができ、ゾーン80の境界は、チャネル300によって画定されている。色は、トップシート20の上に印刷されるか又は顕れることができ、あるいは、吸収性物品10の身体に面する側から吸収性物品10を見たときにトップシート20を通して色が見えるように、トップシート20の下にある層の上に印刷されるか又は顕れることができる。チャネル300の着色部分が存在する場合、その部分は、チャネルに沿って変化するチャネル色301を有することができる。色は、当該技術分野において既知のプロセスによって、トップシート20、及び/又は下にある1つ又は複数の層の上に印刷することができ、そのプロセスとしては、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。トップシート20又は下にある層の着色部分の1つ又は複数の構成要素材を着色することができる。第1の部分も、境界の少なくとも一部がチャネル300によって画定される境界を有することができ、そのチャネルの少なくとも一部は、第1の部分60の色と異なるチャネル色301を有する。着色チャネル300は、構造的に変更されたゾーン80が、高度な性能を有するゾーンであることができることを効果的に伝達及び強調することができると共に、高性能な吸収性物品10を着用しているという確信を着用者に与えることができる。更に、着色チャネル300は、着用者が吸収性物品10の適切な着用時間を見極めるのを助ける視覚的な識別マークを提供することがある。
図23に示されているように、第1の部分60は第1の色61有することができ、第2の部分70は第2の部分71を有することができ、第1の色61は第2の色71と異なる。理論によって束縛されずに、色の違いは、着用者が吸収性物品をパンティー内に適切に配置するのを助けることができると考えられる。着用者は、吸収性物品10の異なる部分の相対的場所を相互に関連付けることができ、この異なる部分を、染色パターンと共に色によって識別することができ、適切な配置及び着用時間に関する判断を下すことができる。色差は、吸収性物品10の異なる部分の性能の違いを伝達すると共に、着用時間、流体の流入、及び流体の拡散に関する視覚的な印を着用者に提供することもできる。
図23に示されているように、第2の部分70はローション510を含むことができる。
色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約3.5を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約1.1を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約6を超えることができる。
吸収性コア40は、当業者に周知の材料のいずれかから形成することができる。こうした材料の例には、多プライの捲縮セルロース塊、毛羽立てられたセルロース繊維、エアフェルトとしても既知である木材パルプ繊維、織物繊維、繊維の混合物、繊維の塊又は芯、繊維のエアレイドウェブ(airlaid web)、高分子繊維のウェブ、及び高分子繊維の混合物が挙げられる。
一実施形態では、吸収性コア40は、比較的薄く、厚さ約5mm未満、又は、厚さ約3mm未満、若しくは約1mm未満であることができる。厚みは、当該技術分野において既知のいずれかの手段によって、1.72kPaの均一な圧力下にある間に、パッドの長手方向中心線沿いの中間点の厚みを測定することによって、割り出すことができる。吸収性コアは、当該技術分野において既知であるような、吸収性ゲル材料(AGM)の繊維を包含する吸収性ゲル材料を含み得る。
バックシート30は、ポリマーフィルム、及びフィルム/不織布ラミネートのように、バックシート用として当該技術分野において既知の材料のいずれかを含むことができる。吸収性物品10の衣類に面する表面に、ある程度の柔軟性と蒸気透過性を提供するために、バックシート30は、吸収性物品10の衣類に面する表面の蒸気透過性外層であることができる。バックシート30は、当該技術分野において既知のいずれの蒸気透過性材料からも形成することができる。バックシート30は、ミクロ孔質フィルム、有孔成形フィルム、又は、当該技術分野において既知のように、蒸気透過性であるか、若しくは蒸気透過性にされるその他のポリマーフィルムを含むことができる。適した1つの材料は、疎水性であるか、又は疎水性にされて、ほぼ液体不透過性である不織布ウェブなど、柔軟で、滑らかで、順応性のある蒸気透過性材料である。
吸収性物品10のその他の材料及び構成要素は、1990年8月21日にオズボーンIII(Osborn III)に発行された米国特許第4,950,264号、及び1995年8月8日にノエル(Noel)らに発行された米国特許第5,439,458号に開示されているものを含め、本明細書の範囲内であると考えられる。
吸収性物品10の構成要素は、例えば、接着剤結合、熱接着、超音波結合など、当該技術分野において既知のいずれかの手段によって接合することができる。接着剤は、例えば、噴霧又はスロットコーティングなど、接着剤の均一な層を配置するための、当該技術分野において既知の手段によって塗布することができる。接着剤は、上記のフィンドレイ(Findley)HX1500−1などの接着剤のような流体透過性接着剤であることができる。
図24に示されているように、トップシート20の第2の部分70は、2つの構造的に変更されたゾーン80を有することができる。一実施形態では、一方の構造的に変更されたゾーン80は、トップシート20の一方の末端部の方に配置することができ、別の構造的に変更されたゾーン80は、トップシート20のもう一方の末端部の方に配置することができ、これらの末端部は、MDに基づき特徴付けられる。構造的に変更されたゾーン80のそれぞれの長軸7が、長手方向中心線Lと横断方向中心線Tに対して非対称になるように、構造的に変更されたゾーン80のそれぞれを配置することができる。
吸収性物品10は、図25に示されているように、ローションゾーン500を含むことができる。このローションゾーンは、周辺部P、長さX、及び長軸7を有することができる。ローションゾーン500の長軸7は、長手方向中心線Lと横断方向中心線Tに対して非対称であることができる。ローションゾーン500は、トップシート20の面積の約5%を超えることができる。ローションゾーン500は、トップシート20の面積の約15%を超えることができる。ローションゾーン500は、トップシート20の面積の約30%を超えることができる。ローションゾーン500はローション510を含むことができる。
周辺部Pが、長手方向中心線Lと平行な軸に関して左右対称にならないように、ローションゾーン500の周辺部Pを配置することができる。ローションゾーン500の長軸7は、長手方向中心線Lと横断方向中心線Tに対して非対称であることができる。
ローションゾーン500は、幅Yと短軸4を有することができる。ローションゾーン500は、長軸7に関して左右対称であることができるが、左右対称である必要はない。ローションゾーン500の長軸7は、長手方向中心線Lと左右対称な状態から約15度超ずれていることができる。ローションゾーン500の長軸7は、長手方向中心線Lと左右対称な状態から約30度超ずれていることができる。
理論に束縛されずに、非対称なローションゾーン500は、吸収性物品10の着用者に、改善されたスキンケアを提供できると共に、吸収性物品10による流体獲得を向上させることができると考えられる。非対称なローションゾーン500は、着用者の身体が矢状面に対して概ね左右対称である場合に、ローションゾーンが適切な場所で着用者の身体に接する可能性を向上させることができる。すなわち、着用者の身体の左右対称な部分に対して非対称であるローションゾーン500では、吸収性物品10が着用者の身体に対して移動するときに、適切な位置にくる可能性が向上している場合がある。例えば、ローションゾーン500が、流体獲得を補助するように設計されている場合、非対称なローションゾーン500は、吸収性物品10が、着用者の流体の出所に対して移動すると、ローションゾーン500が適切に配置される可能性を上昇させる場合がある。流体の出所は、女性の膣又は尿道、男性の陰茎、並びに、男性及び女性双方の肛門であり得る。
ローション510は、当該技術分野において既知のように、多数の構成成分を含むことができる。例えば、ローション510は、皮膚軟化剤、固定化剤、任意の親水性界面活性剤、及びその他の構成成分を含むことができる。皮膚軟化剤は、ワセリン、又は、皮膚の柔軟化するか、滑らかにするか、コーティングするか、潤滑化するか、潤いを与えるか、及び/又は洗浄するためのその他の材料であることができる。典型的な皮膚軟化剤は、20℃において、プラスチック稠度又は流体稠度のいずれかを有する。固定化剤は、皮膚軟化剤がトップシート20の表面から移動する傾向を打ち消すことができる。液体がトップシート20を通って迅速に移動するのを促すために、親水性界面活性剤を用いることができる。香料、香り、及び薬剤を含むその他の構成成分をローション510内で用いることができる。
ローション510は、スキンケア、皮膚の快適性、及び流体獲得をもたらすのに効果的な量で塗布することができる。ローション510は、約0.01mg/cm2〜約4mg/cm2の量で塗布することができる。
図25に示されているように、トップシートは、縁部ゾーン520を含むことができる。ローションゾーン500は、ローションゾーン色530を有することができ、縁部ゾーン520は、縁部ゾーン色540を有することができる。ローションゾーン色530は、縁部ゾーン色540と異なることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約3.5を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約1.1を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約6を超えることができる。
ローション510は、当該技術分野において既知の手法を用いて、トップシートに塗布することができる。例えば、ローション510は、噴霧、グラビアコーティング、及び押出コーティング法によって塗布することができる。
ローションゾーン500の境界の一部は、チャネル300によって画定することができる。チャネル300は、チャネル色301を有することができる。ローションゾーン色530は、チャネル色301を有するチャネル300の少なくとも一部と異なることができる。
ローションの例は、ロー(Roe)らに発行された米国特許第5,968,025号、ロー(Roe)らに発行された米国特許第6,627,787号、及び、ロー(Roe)らに発行された米国特許第6,825,393号で見い出すことができる。
図22A及び22Bは、第1の部分60と第2の部分70を有するトップシート20の実施例を示している。トップシート20の第2の部分70は、構造的に変更されたゾーン80を含むことができる。第1の孔90は、図7に示されているように、100ピッチである、ロール104の部分によって、形成することができる。第2の部分70の第2の孔100は、図7に示されているように、50ピッチである、ロール104の部分によって、形成することができる。構造的に変更されたゾーン80は、約1.5mm〜約4.2mmの範囲の幅を有するチャネル300によって、境界を定めることができる。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図されている。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味すると意図される。
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において本明細書に参照により組み込まれ、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。本明細書中の用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献中の同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本明細書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び変更を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるような全ての変更及び変更は、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。