上記の点を考慮すると、携帯通信デバイスが有する機能キー及び/又はナビゲーションキーについては改善の必要性がある。本発明は、タッチキー及びスクロール機能を備えたタッチ入力デバイスを有する携帯通信デバイスを提供する。当該タッチ入力デバイスは、隣接するキー押下検出領域を分離するグレーゾーンにより構成されており、キー押下イベントの既存の符号化処理により、タッチ入力デバイスハードウェアの利点が実現されるため、既存の制御機構により動作可能である。
本発明の一態様は、筐体と、筐体内に設けられたディスプレイと、筐体内に設けられ、タッチ入力デバイス制御回路に動作可能に接続される少なくとも1つのタッチ入力デバイスとを含む携帯通信デバイスに関し、当該タッチ入力デバイス制御回路は、当該タッチキー入力デバイスの第1のキー押下領域におけるキー押下を検出し、第1のキー押下領域におけるキー押下解除を検出し、第1のキー押下領域に隣接する第2のキー押下領域におけるキー押下を検出し、第1のキー押下領域のキー押下解除に対する所定の時間内における第2のキー押下領域のキー押下の検出時にスクロールコマンドを送信するように構成されている。
別の態様によると、タッチ入力デバイスはタッチストリップ(touch strip)である。
別の態様によると、タッチ入力デバイス制御回路は、タッチ入力デバイスと協働して、タッチキー入力デバイス上で少なくとも第1のキー押下領域及び第2のキー押下領域を規定し、第1のキー押下領域及び第2のキー押下領域は、グレーゾーンにより分離される。
別の態様によると、タッチ入力デバイス制御回路は、タッチ入力デバイスと協働して、タッチキー入力デバイス上に第1のキー押下領域、第2のキー押下領域及び第3のキー押下領域を規定し、第1のキー押下領域及び第2のキー押下領域は第1のグレーゾーンにより分離され、第2のキー押下領域及び第3のキー押下領域は第2のグレーゾーンにより分離される。
別の態様によると、タッチ入力デバイス制御回路は、第1のキー押下領域に隣接するグレーゾーンに対する接触を検出することにより、第1のキー押下領域におけるキー押下解除を検出するように構成されている。
別の態様によると、タッチ入力デバイス制御回路は、グレーゾーンに隣接する第2のキー押下領域に対する接触を検出することにより、第2のキー押下領域におけるキー押下を検出するように構成されている。
別の態様によると、スクロールコマンドは、ディスプレイ上の画像を第1のキー押下領域に対する第2のキー押下領域の位置に依存する方向にスクロールさせる。
別の態様によると、第2のキー押下領域が第1のキー押下領域の垂直方向上側に設けられていた場合、スクロールコマンドはディスプレイを上向きにスクロールさせる。
別の態様によると、第2のキー押下領域が第1のキー押下領域の垂直方向下側に設けられていた場合、スクロールコマンドはディスプレイを下向きにスクロールさせる。
別の態様によると、第2のキー押下領域が第1のキー押下領域の右側に設けられていた場合、スクロールコマンドはディスプレイを右向きにスクロールさせる。
別の態様によると、第2のキー押下領域が第1のキー押下領域の左側に設けられていた場合、スクロールコマンドはディスプレイを左向きにスクロールさせる。
別の態様によると、タッチ入力デバイスは、筐体の表面に設けられる。
別の態様によると、タッチ入力デバイスは、筐体の側面に設けられるストリップである。
別の態様によると、携帯通信デバイスは移動電話である。
本発明の別の態様は、タッチ入力デバイスの第1のキー押下領域におけるタッチ入力デバイスに対する接触を検出する工程と、第1のキー押下領域における接触の解除を検出する工程と、第1のキー押下領域に隣接する第2のキー押下領域におけるタッチ入力デバイスに対する接触を検出する工程と、第1のキー押下領域における接触の解除の検出に対して所定の時間内に第2のキー押下領域における接触が検出された場合に、第1のキー押下領域及び第2のキー押下領域の相対的な位置に基づく方向にディスプレイをスクロールさせる工程とを含む携帯通信デバイス上のディスプレイをスクロールさせる方法に関する。
別の態様によると、当該方法は、タッチ入力デバイスの第1のキー押下領域におけるタッチ入力デバイスに対する接触の検出に応答して第1のキー押下イベントコマンドを送信する工程と、第1のキー押下領域における接触の解除の検出に応答して第1のキー押下解除イベントコマンドを送信する工程とを含む。
別の態様によると、当該方法は、第1のキー押下領域に隣接する第2のキー押下領域におけるタッチ入力デバイスに対する接触の検出に応答して第2のキー押下イベントコマンドを送信する工程と、第2のキー押下領域におけるタッチ入力デバイスに対する接触が第1のキー押下領域における接触の解除の検出に対して所定の時間内に検出された場合に、スクロールコマンドを送信する工程とを含む。
別の態様によると、タッチ入力デバイスは、タッチキー入力デバイス上に少なくとも第1のキー押下領域及び第2のキー押下領域を含むように電子的にセグメント化され、第1のキー押下領域及び第2のキー押下領域は、グレーゾーンにより分離され、第1のキー押下領域における接触の解除の検出は、タッチ入力デバイスのグレーゾーンにおけるタッチ入力デバイスに対する接触の検出を含む。
別の態様によると、携帯通信デバイスは移動電話である。
以下の説明及び添付の図面を参照することにより、本発明のそれらの特徴及び更なる特徴が明らかになるであろう。説明及び図面において、本発明の原理が採用されるいくつかの方法を示すものとして本発明の特定の実施形態を詳細に開示したが、本発明の範囲はそれに限定されるものではないことは理解されよう。本発明は、添付の請求の範囲の趣旨及び条件内に含まれる全ての変化、変更及び均等物を含む。
一実施形態に関して説明及び/又は例示する特徴は、1つ以上の他の実施形態において同一の方法又は同様の方法で使用されてもよく、且つ/あるいは他の実施形態の特徴と組み合わせて又はその代わりに使用されてもよい。
尚、本明細書中で使用される場合の「備える」という用語は、記載される特徴、数字、ステップ、又は構成要素の存在を特定するものとして解釈されるが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、構成要素又はそれらの集合の存在又は追加を除外するものではない。
以下の詳細な説明において、同様の構成要素は、本発明の種々の実施形態に示されるか否かに関係なく、同一の図中符号が付されている。本発明を明確且つ簡潔に例示するために、図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の機能はある程度概略的な形式で図示されているものとする。
電子的にセグメント化された銅ストリップ又は感圧ストリップ等のタッチ入力デバイスは、美的及び機能的利点を有する。以下に更に詳細に説明するように、タッチストリップは電子的にセグメントに分割されており、各セグメントは種々の検出信号レベルを提供する。
セグメント化されたタッチ入力ストリップを使用する1つの利点は、それが共通のハードウェア構成要素上でキー押下機能(タッチキー機能とも呼ばれる)及びスクロール機能の双方を実現するように構成されうることである。しかし、キー押下機能及びスクロール機能の実現により、より複雑な制御ファームウェアとなるであろう。制御コード/回路はより実質的なものであってもよく、また、タッチセンスに対するインタフェースは向上される必要があるものであってもよい。より大きな制御コード/回路は、例えばメモリ、スピード、CPUの容量等のハードウェアパラメータにより制限されてもよい。
本実施形態では、キー押下機能及びスクロール機能を有するタッチ入力デバイスを搭載した携帯通信デバイスについて説明する。タッチ入力デバイスは、関連するコントローラと協働して動作し、スクロール機能の利点と共にタッチ入力デバイスハードウェアの利点を提供するように構成されている。タッチキーの利点がキー押下イベントの既存の符号化処理により達成されるように、タッチ入力デバイスは、隣接するキー押下検出領域を分離するグレー領域を用いて既存の制御機構により動作するよう構成されている。
本明細書において示されるように、「携帯通信デバイス」という用語は、携帯無線通信機器を含む。以下、移動電話、移動デバイス、移動無線端末又は移動端末と呼ばれる「携帯無線通信機器」という用語は、移動電話、ページャ、通信機、即ち電子オーガナイザ、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)等を含むがそれらに限定されず、全ての電子機器が含まれるものとする。本発明は携帯通信デバイスに関して説明されているが、本発明は携帯通信デバイスに限定されることを意図しておらず、タッチ入力デバイスが搭載された任意の種類の電子機器に適用可能であることは理解されよう。
図1は、本発明に係る携帯通信デバイス10を示したものである。本明細書で説明する例示的な実施形態において、携帯通信デバイスは移動電話10である。当然、本発明が他の携帯通信デバイスに適用可能であることが理解されよう。移動電話10は「ストレート」タイプの筐体12を有するものとして示されるが、折りたたみタイプ又はスライドタイプの筐体等、他の筐体タイプが本発明の範囲を逸脱せずに利用されてもよいことが理解されよう。
移動電話10は、ディスプレイ14、英数字キーパッド16、ジョイスティック又はロッカーキー等の1つ以上の機能キー18、スピーカ20及びマイク22を有する。英数字キーパッド16及び機能キー18は、例えば電話番号、電話リスト、連絡先情報、ノート等の英数字情報の入力を可能にすることにより、移動電話10の制御動作を容易にする。機能キー18は、一般に、通話及び他の通信の開始及び実行を含む種々のユーザメニューを介してのナビゲーションを容易にする。ディスプレイ14は、例えば撮影された写真及びビデオ等の記録されたデジタルメディア、動作状態、時刻、電話番号、連絡先情報及び種々のナビゲーションメニューの情報をユーザに表示し、ユーザが移動電話10の種々の機能を利用できるようにする。当業者であれば、移動電話10が種々の機能を実行するための適切な回路及びソフトウェアを更に有することは理解されよう。移動電話の回路及びソフトウェアは、英数字キーパッド16、機能キー18及びマイク22等の入力デバイスと接続されると共に、ディスプレイ14及びスピーカ20を含む出力デバイスに接続される。
例示する実施形態において、移動電話10は、携帯通信デバイスの筐体上又は筐体内(「上」又は「内」は、この点に関して同義で使用されてもよい)に設けられた1つ以上のタッチ入力デバイス26、例えばタッチパッド、タッチストリップ等を更に含む。タッチ入力デバイスは、既存のソフトウェア又は他の制御回路を使用する一方で、キー押下機能及びディスプレイスクロール機能等のスクロール機能、並びに他のナビゲーション機能を提供するように構成されている。以下に更に詳細に説明するように、各タッチ入力デバイス26は、例えばグレーゾーンにより分離されている所定の境界を有する複数のキー押下検出領域を有しており、キー押下機能及びスクロール機能を提供するように構成されている。タッチ入力デバイス26が本発明の範囲から逸脱せずに筐体上又は筐体内に任意の適切なサイズ、形状及び位置付けを有してもよいことは理解されよう。
図2は、移動電話等の携帯通信デバイス10を示す機能ブロック図である。携帯通信デバイス10は、携帯通信デバイスの全体の動作を制御するコントローラ30を含む。コントローラ30は、市販又は特注の任意のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラを含む。メモリ32はコントローラ30に動作可能に接続され、携帯通信デバイスにより使用される制御プログラム及びデータを格納する。メモリ32は、本明細書で説明する1つ以上の態様に従って携帯通信デバイスの機能を実現するために使用されるソフトウェア及びデータを含むメモリデバイスの全体の階層を表している。メモリ32は、例えばRAM又は他の揮発性の固体状態メモリ、フラッシュ又は他の不揮発性の固体状態メモリ、ハードディスクドライブ、取外し可能な記憶媒体等の磁気記憶媒体、あるいは他の適切な記憶手段を含んでいてもよい。音声通信の処理に加えて、携帯通信デバイス10は、例えばテキストメッセージ(short message service、即ちSMSとしても周知である)、電子メールメッセージ、multimedia messages(MMSとしても周知である)、画像ファイル、ビデオファイル、オーディオファイル、呼出し音、ストリーミングオーディオ、ストリーミングビデオ、データ供給(例えば、ポッドキャスト)等のデータを送信、受信及び処理するよう構成されている。
例示する実施形態において、メモリ32は、ドライバ34(例えば、入出力デバイスドライバ)、アプリケーションプログラム36及びアプリケーションプログラムデータ38を格納する。入出力デバイスドライバは、アプリケーションプログラム36によりコントローラ30を介して(又はメモリ32に格納されたオペレーティングシステム(不図示)により)アクセスされるソフトウェアルーチンを含み、ディスプレイ14、キーパッド16(例えば、標準キーパッド、QWERTキーパッド又はタッチスクリーンキーパッド)、1つ以上のタッチ入力操作によりデバイス26(例えば、感圧タッチパッド)並びに他の入出力ポート等のデバイスと通信する。以下に更に詳細に説明するように、タッチ入力デバイスは、動作可能にタッチ入力コントローラ40(例えば、適切なマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサ)に接続され且つタッチ入力コントローラ40により制御され、キー押下(タッチキーとも呼ばれる)機能及びスクロール機能の双方を提供するよう構成されている。以下に更に詳細に説明するように、タッチ入力コントローラ40は、タッチ入力デバイス26と協働して、検出されたタッチ入力デバイス26のユーザ操作に基づいてコントローラに「イベント」(例えば、押下イベント及び押下解除イベント)を送出する。
アプリケーションプログラムは、例えば音声通話、eメール、インターネットアクセス、マルチメディアメッセージング、コンタクトマネージャ等、携帯通信デバイス10の種々の機能を実現するプログラムを含む。
更に図2に示すように、コントローラ30は、上述のディスプレイ14、キーパッド16及びタッチ入力デバイス26(及び任意の他のユーザインタフェースデバイス)、送信機/受信機42(多くの場合、トランシーバと呼ばれる)、オーディオプロセッサ44等のオーディオ処理回路、並びに全地球測位システム(GPS)受信機等の位置判定素子又は位置受信機46との間でインタフェースする。携帯通信デバイス10は、デジタル写真、オーディオ及び/又はビデオを取り込むメディアレコーダ(例えばスチールカメラ、ビデオカメラ、オーディオレコーダ等)を含んでいてもよい。写真、歌及び/又はビデオに対応する画像、オーディオ及び/又はビデオファイルが、メモリ32に格納されていてもよい。
従来のように、送信機/受信機42がアンテナ48を介して信号を送受信するため、アンテナ48は送信機/受信機42に接続されている。携帯通信デバイスは、送信機/受信機により送受信されるオーディオ信号を処理するオーディオプロセッサ44を有する。オーディオプロセッサ44にはスピーカ20及びマイク22が接続されており、ユーザは携帯通信デバイスを介して聴いたり話したりすることができる。オーディオデータは、ユーザに対して再生するためにオーディオプロセッサ44に送られる。オーディオデータは、例えば、メモリ32に格納されコントローラ30により検索されるオーディオファイルからのオーディオデータ、あるいは生成又は受信されたメディア拡張テキストメッセージと関連付けられるオーディオデータを含んでいてもよい。オーディオプロセッサ44は、任意の適当なバッファ、復号器、増幅器等を有する。
携帯通信デバイスは、携帯通信デバイス10からアダプタ、別の移動無線端末、コンピュータ又は任意の他の電子機器に転送されるオーディオデータに対応する音声が視聴されるように出力するヘッドホン等のアクセサリ、ハンズフリーアダプタとの通信を確立するBluetoothアダプタ、WLANアダプタ、超広帯域(UWB)アダプタ等の赤外線トランシーバ及び/又はRFアダプタ等の1つ以上のローカル無線インタフェース(一般に、無線インタフェース50として示される)を更に有する。また、無線インタフェース50は、セルラネットワーク又は他の無線ワイド領域ネットワーク(WWAN)内での通信に適切なインタフェースを表している。
次に、図3及び図4に、キー押下機能及びスクロール機能を提供するよう構成された例示的なタッチ入力デバイス26を示す。タッチ入力デバイス26は、タッチ入力デバイスのユーザ操作又はタッチ入力デバイスの一部分との接触を検出できる任意の適切なタッチパッド技術を使用して実現される。例えば、図3及び図4に示すタッチ入力デバイスはタッチ入力ストリップである。適切なタッチ入力ストリップには、例えば感圧タッチパッド又は感圧ストリップ、銅パッド又は銅ストリップ、コンデンサタッチパッド又はコンデンサストリップ等が含まれる。図3に示すように、タッチストリップは、その長さに従って複数のセグメント60に分割されているか又はセグメント化されている。タッチストリップがタッチ入力デバイスの全体の寸法、並びにタッチ検出に対する所望の感度又は解像度等に依存して、不定数のセグメントを含むようにプログラムされるか又は構成されてもよいことは理解されよう。例えば、より多くのセグメントは、より長いタッチストリップ、あるいはより高感度又は高解像度を有するタッチストリップに対して提供される。タッチ入力デバイス26は、異なる信号レベルを提供する各セグメント60がタッチ検出に応答するように構成されており、信号レベルは、携帯通信デバイスのユーザによりタッチされるか又は操作されるストリップの位置に依存する。
図4に示すように、タッチストリップ26は、各キーが多数のセグメント60で構成される複数のキー70、72、74(キー押下領域又はキー検出領域とも呼ばれる)を有するように構成されている(例えば各キー押下領域は、所定のセグメントのグループを含むように電子的に規定又はプログラムされる)。個々のキー70、72、74は、所定の境界又はグレーゾーン80、82により分離される(例えば、隣接するキー押下領域間に配置されたセグメントのグループは電子的に規定され、隣接するキー押下領域間の境界となる)。
以下に更に詳細に説明するように、グレーゾーンにより分離される電子的に規定されたキーを有するタッチ入力デバイスの使用により、高機能化された制御回路(例えば、タッチ入力デバイスにより可能なデュアルキー押下機能及びスクロール機能に関連する多数の新しいイベントを規定する高機能化されたソフトウェア、ファームウェア又は回路)の実現を全く必要とすることなく、スクロールバー機能及びタッチキー機能を有するタッチ入力デバイスの使用が容易に実現できる。換言すると、タッチ入力デバイスは、事前に規定されたイベントコマンド(例えば、キー押下イベント又はキー押下解除イベント)を利用する一方で、キー押下機能及びスクロール機能を提供するよう構成されている。この構成により、携帯通信デバイスは、ソフトウェアの実質的な修正又は高機能化、あるいはキー押下機能及びスクロール機能を提供する制御パラメータを必要とすることなくタッチ入力デバイスに関連付けられる利点を享受することとなる。
タッチ入力デバイスがタッチ入力コントローラ40(並びに他の適当なプログラム及びデバイスコントローラ30)に動作可能に接続されることは理解されよう。(関連する制御回路及び/又は制御プログラムに加えて)タッチ入力デバイスは、タッチ入力デバイスに対するユーザタッチ又はユーザ操作に応答してキー押下イベント及びキー押下解除イベントを生成するよう構成されている。既存のキー押下イベント及びキー押下解除イベントは、タッチ入力デバイスのユーザ操作に応答してスクロール機能を提供するようにマップされている。
コンピュータプログラミング及び/又は回路設計、並びに特に移動電話のアプリケーションプログラミングの当業者は、提供される説明に対して、タッチ入力デバイス(並びにタッチ入力デバイス26と関連するタッチ入力コントローラ40との間のインタフェーシング、並びに他のアプリケーションプログラム及び/又は制御回路)により提供されるキー押下機能及びスクロール機能について本明細書で説明する機能を動作及び実行する移動電話のプログラム方法は明らかであると考えるだろう。従って、特定のプログラミングコードに関する詳細な説明は省略している。また、デュアルキー押下機能及びスクロール機能は適切なタッチ入力コントローラタッチ入力コントローラに接続された任意の適切なタッチ入力デバイスにより実行されてもよいが、そのような機能は、本発明の範囲から逸脱せずに専用のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せを介して実行されてもよい。
説明を簡単にするため、図5及び図6のフローチャート又は機能図は、携帯通信デバイス10の関連する動作の1つ以上の態様を示す一連のステップ又は機能ブロックを有する。任意のステップ又は機能ブロックは、本発明の態様に従って、本明細書で図示又は説明する他のステップ又は機能ブロックとは異なる順序で行なわれてもよく、且つ/あるいは他のステップ又は機能ブロックと同時に行なわれてもよいため、本明細書で説明する本発明の態様はステップ又は機能ブロックの順序に限定されないことは理解及び認識されよう。更に、関連する動作の態様の例示されるステップ又は機能ブロックの全てが、本発明の態様に従って方法論を実現することを要求されるものではない。また、関連する動作の態様を示す更なるステップ又は機能ブロックが本発明の範囲から逸脱せずに追加されてもよい。
携帯通信デバイス上で又は携帯通信デバイスを介して実現される図5及び図6に例示する方法論は、ユーザがタッチ入力デバイスと接触するのに応答して携帯通信デバイス上にディスプレイをスクロールさせる方法に関する。更に図4及び図5に示すように、携帯通信デバイス上においてディスプレイをスクロールさせる方法は、第1のキー押下が検出される機能ブロック100により開始される。第1のキー押下の検出により、第1の領域、例えば第1のキー押下領域においてユーザがタッチ入力デバイスと接触するのに応答して、キー押下信号が生成及び送信される。一例として、第1のキー押下の検出により、第1のキー押下領域70(図4)内でユーザが1つ以上のセグメントと接触することが検出されてもよい。機能ブロック110では、携帯通信デバイスは第1のキー押下領域におけるキー押下解除を検出する。以下に説明するように、第1のキー押下解除の検出は、ユーザが第1のキー押下領域から単に指を放すことを表す。あるいは、第1のキー押下領域におけるキー押下解除の検出は、ユーザがディスプレイをスクロールしようとしてタッチ入力デバイス上において指をスライドすることを表す。
機能ブロック120では、携帯通信デバイスは所定の時間内に隣接するキー押下を検出する。例えば、図4に示すように、ユーザがタッチ入力デバイスにわたり指をスライドしている場合、タッチ入力デバイスは、第1のキー押下(例えば、キー押下領域70において)に続いて領域70においてキー押下解除を検出する(ユーザが第1のグレーゾーン80中に指をスライドすることに対応する)。携帯通信デバイスは、所定の時間内に隣接するキー押下領域(例えば、キー押下領域72)でキー押下を検出する場合、一続きのイベントをユーザによるスクロール移動であると見なし、機能ブロック130においてスクロールコマンドをコントローラに送信し、ディスプレイをスクロールさせる。このディスプレイのスクロールがタッチ入力ユニットの相対的な動作に依存することが理解されよう。例えば、タッチ入力ユニットが水平スクロールバーとして構成されている場合、タッチ入力ユニットは、ユーザがキー押下領域70から、グレーゾーン80及びキー押下領域72へと指を移動させるのを検出するのに応答して水平の左から右のスクロールコマンドを送信する。あるいは、この一続きのイベントは、タッチ入力デバイスの姿勢に依存して上向きスクロール又は下向きスクロールとして判定されてもよい。
所定の時間は、携帯通信デバイスの種類に依存して調整されてもよく、更にユーザにより構成するようにしてもよい。例示的な一実施形態において、所定の時間は、約200ミリ秒である。当然、所定の時間は、本発明の範囲から逸脱せずに200ミリ秒以上又は以下であってもよい。
次に、図6に示すように、携帯通信デバイスのディスプレイをスクロールさせる方法は、第1のキー押下が検出される機能ブロック100により開始される。上述のように、第1のキー押下の検出により、ユーザが第1の領域(例えば、キー押下領域70)でタッチ入力ユニットと接触するのに応答してキー押下信号を生成する。機能ブロック105において、(関連するマイクロコントローラと共に)タッチユニットは、キー押下イベントを携帯通信デバイスの主コントローラに送信する。キー押下イベントは携帯通信デバイスにおいて既に規定されており、このため本明細書で説明するデュアルキー押下機能及びスクロール機能を実現するための制御ソフトウェアの変更は少なくて済む。例えば、ロッカーキー又はジョイスティックナビゲーションキーの場合、ユーザがジョイスティックを右又は左へ操作するのを検出しキー押下イベントを送信する等、一般にキー押下イベントは既存の制御回路において符号化されている。
機能ブロック110において、タッチ入力デバイス26は、関連するマイクロコントローラ40と共に、キー押下解除が存在したか、即ち、ユーザが第1のキー押下領域においてタッチ入力デバイスとの接触を終了したかを検出する。当然、キー押下解除が検出されなかった場合、携帯通信デバイスは、更なる任意のスクロール機能又はキー押下機能には進まない。機能ブロック120では、検出されたキー押下解除(機能ブロック110)に続いて、隣接するキー押下が所定の時間中に検出されたかが判定される。キー押下解除の検出に続いて所定の時間中に隣接するキー押下が検出されなかった場合、タッチ入力デバイスと関連付けられるマイクロプロセッサは、キー押下解除イベントをコントローラに送出し、ユーザが単にキー押下を開始することにより第1のキー押下領域における接触及び後続する接触の押下解除を行った旨を出力する。また、機能ブロック130において、キー押下が所定の時間中に隣接するキー押下領域において検出された場合、タッチ入力デバイスと関連付けられたマイクロプロセッサは、所定の方向にディスプレイをスクロールしたいというユーザの要望を表すスクロールコマンドをコントローラに送信する。
従って、本明細書で説明する方法論により、関連する制御回路の実質的な高機能化又は再設計を必要とすることなく、デュアル機能タッチ入力デバイス(キー押下機能、並びにスクロール機能)と関連付けられる利点を享受することが可能になる。タッチ入力デバイス上に規定された隣接するキーの間に高機能化された境界又はグレーゾーンを提供することにより、キー検出が成功するようにユーザがタッチした場所をより明確に規定することが可能となる。また、グレーゾーンの実現により、スクロール機能を比較的簡単に実現することができる。タッチキーは既に実現されているため、キー押下イベント及びキー押下解除イベントは既に関連する制御回路において規定されている。ユーザの指は、スクロール機能を使用するために2つのキー検出領域上をスライドする(例えば、グレーゾーンを横断する)。第1のキー検出領域をタッチすることによりキー押下を実行し、グレーゾーン上から次のキー検出領域にスライドすることにより、第1のキーに対するキー押下解除イベント及び第2のキーに対するキー押下イベントを実行する。上述の適当なタイミング及びトリガにより、このスライディング運動は、ユーザの指の移動の方向を表すこととなる。
各キーが値を用いて符号化されるため、当該値はコントローラシステムにより処理され、イベントとして送出される。適当な既存の値を使用してスクロール機能にマップすることにより、制御回路を実質的に修正することなくデュアル機能タッチ入力デバイスを実現することができる。スクロールが検出されると(図5及び図6において説明したように)、適当なアプリケーション又は制御回路が既に従来のナビゲーションキーに関連付けられるイベント用に構成されており、ナビゲーションキーが押下(例えば、短い右押し又は左押し、あるいは長い右又は左押し)されたものとして作動する。更にデバイスは、隣接するキー押下領域において検出されるユーザ接触の長さに依存して、連続した又はより速いスクロールに対して適当な制御コマンドを送信してもよい。
本明細書では、本発明の特定の実施形態を開示した。当業者には、本発明が他の環境において適用されてもよいことは容易に理解されよう。実際に、多くの実施形態及び実現例が可能である。以下の請求の範囲は、本発明の範囲を上述した特定の実施形態に限定することを一切意図していない。また、「ための手段」という任意の記述は、要素及び請求の範囲のミーンズプラスファンクションの解釈を喚起することを意図したものである。その一方で、「ための手段」という記述を特に使用しない任意の要素は、請求の範囲が「手段」という用語を含む場合であってもミーンズプラスファンクション要素として解釈されることを意図したものではない。
特定の好適な1つの又は複数の実施形態に関して本発明を図示及び説明したが、本明細書及び添付の図面を読み且つ理解することにより、他の当業者が等価な変形及び変更を考案できることは明らかである。上述の要素(構成要素、アセンブリ、デバイス、合成等)に特に関連して、そのような要素を説明するために使用される用語(「手段」を参照することを含む)は、本明細書に例示する本発明の例示的な1つの又は複数の実施形態において機能を実行する開示された構造と構造的に等価ではないが、特に指示のない限り、説明する要素の特定の機能(即ち、機能的に等価である)を実行する任意の要素に対応することを意図したものである。また、例示するいくつかの実施形態の1つ以上に関してのみ本発明の特定の機能を説明したが、そのような機能は任意の所定のアプリケーション又は特定のアプリケーションに対して所望されるか又は有利になるよう、他の実施形態の1つ以上の他の機能と組み合わされてもよい。