前述の概要、及び、本発明の実施形態に係る以下の詳細な説明は、添付の図面を参照することで、よりよく理解されるものである。図面が種々の実施形態の機能ブロックを図示する限りでは、機能ブロックはハードウエア回路間の区画を必ずしも示すものではない。よって、例えば、一つ又は複数の機能ブロック(例えば、プロセッサやメモリ)は、単一成形のハードウエア(例えば、汎用信号プロセッサやランダムアクセスメモリ)内で実装され得る。同様に、プログラムは、スタンドアロンプログラムでもよいし、一つのオペレーティングシステム内に複数のサブルーチンとして組み合わされてもよいし、インストールされたソフトウエアパッケージ内の機能等であってもよい。当然ながら、種々の実施形態は、図に示される構成や手段に限定されるものではない。
図1は、音響パルス認識(APR)タッチスクリーン102とディスプレイハウジング104を含む、タッチディスプレイ100を示す。タッチスクリーン102は、(図示しない)ディスプレイスクリーンを覆って配置されている。当然ながら、タッチディスプレイ100は、別のサイズや形状であってもよい。タッチディスプレイ100は、例えば、机上や、壁面や、キオスク内などに配置されてもよく、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)等のハンドヘルドデバイスを形成するような同様の構成が利用されてもよい。
図2は、コンピュータ152と相互接続される、タッチディスプレイ154を有するタッチディスプレイシステム150のブロック図を示す。コンピュータ152は、較正及びテストのための工場、小売店、レストラン、医療施設等で、一つ若しくは複数のアプリケーションを稼動し得る。タッチディスプレイ154に加えて、コンピュータ152は、キーボードやマウスなどの、別途のユーザ入力手段176を含んでもよい。分離して示されているが、タッチディスプレイシステムの部品は、PDAや他の携帯デバイスなどの、単一のユニット内に在ってもよい。
タッチディスプレイ154は、ディスプレイスクリーン156上にデータを表示する部品を含む。ディスプレイスクリーン156は、液晶ディスプレイ(LCD)、CRT、プラズマ、有機ELディスプレイ、画像などであればよい。APRタッチスクリーン158は、ディスプレイスクリーン156の前面に搭載される。タッチスクリーン158は、ガラスや他の相応の透明物質であればよい基板を含み、フィンガータッチ、指の爪、ペン、クレジットカード、スタイラスなどを介して、ユーザからのインプットを受ける。
ディスプレイケーブル160は、タッチディスプレイ154をディスプレイコントローラ162と接続する。ディスプレイコントローラ162は、ビデオケーブル164を越えてコンピュータ152からビデオ情報を受信する。ビデオ情報は、ディスプレイコントローラ162に受信されて処理され、ディスプレイケーブル160を越えてタッチディスプレイ154に転送され、ディスプレイスクリーン156上に表示される。当然ながら、タッチディスプレイ154とディスプレイコントローラ162は、ディスプレイケーブル160が不要なように、共にハードワイヤードされていてもよく相互接続されていてもよい。ディスプレイコントローラ162は、CPU166やメモリ168などの部品を含む。
タッチスクリーンケーブル170は、タッチスクリーン158をタッチスクリーンコントローラ172と相互接続する。タッチスクリーンコントローラ172は、タッチデータケーブル174を越えて、コンピュータ152へ情報を送信しコンピュータ152から情報を受信する。タッチイベントは、タッチスクリーン158により検知され、タッチスクリーンケーブル170を越えてタッチスクリーンコントローラ172に転送され、そこで信号をデジタル化し、タッチデータケーブル174を越えてコンピュータ152に送信する。タッチスクリーンコントローラ172は、CPU178やメモリ180などの部品を含む。
(図示しない)ディスプレイハウジングは、タッチディスプレイ154、ディスプレイケーブル160、タッチスクリーンケーブル170、ディスプレイコントローラ162、及びタッチスクリーンコントローラ172を、包み込んでもよい。ディスプレイハウジングは、タッチスクリーン158の外縁部位を包み込み、タッチスクリーン158を固定し、又は、タッチスクリーン158をディスプレイスクリーン156に固定するファスナを覆ってもよい。ビデオケーブル164とタッチデータテーブル174は、別のケーブルでもよいし共にパッケージされていてもよい。ビデオケーブル164とタッチデータテーブル174は、ディスプレイハウジングから、コンピュータ152の位置まで延在してもよい。若しくは、ディスプレイハウジングは、内部にコンピュータ152を保持できる若しくは保持できない、PDAや他の小さいハンドヘルド即ち携帯デバイスのための、カバーであってもよい。また、タッチデータテーブル174及びビデオケーブル164は、無線技術に置換されてもよい。
個々のAPRタッチスクリーン158は、更に後で説明するが、タッチで生成するタッチ信号を変更するように、種々の部品が通常動作する前に、較正され若しくは特徴付けられる。従って、較正モジュール182が、特定のAPRタッチスクリーン158に適合する較正ファイル186を格納するために、コンピュータ152内部に設置されてもよい。一つの実施形態では、較正モジュール182及び較正ファイル186は、タッチスクリーンケーブル170やタッチスクリーンコントローラ172などの、集積回路や他のマイクロチップ上に設けられてもよい。別の実施形態では、タッチスクリーン識別器188が、タッチスクリーン158を識別するのに用いられてもよい。較正ファイル186は、後で説明するように、コンピュータ152に係る入出力(I/O)ポート190を経由してダウンロードされてもよい。例えば、I/Oポート190は、無線性能を有するように構成されてもよく、若しくは、読み取り可能記憶媒体を物理的に受けるように構成されてもよい。較正ファイル186は、参照テーブルのフォーマットで格納され得る複数の音響プロファイルを含んでもよい。ランタイムの間、較正モジュール182は、ユーザタッチにより生成される検出信号を、較正ファイル186内に格納されるオーディオプロファイルと比較することにより、ユーザタッチのX、Y座標位置を識別する。検出信号と最もよく適合するオーディオプロファイルは、適合する位置を示し、関連するX、Y座標が識別される。
較正モジュール182は、ファームウエア若しくはソフトウエアの一つ若しくは複数のモジュールの内部に格納され得るGUIモジュール184に、X、Y座標を送る。マイクロソフトウインドウズ(登録商標)オペレーティングシステムは、GUIモジュール184の一つの例である。GUIモジュール184は、座標がディスプレイスクリーン156上に表示されるGUIボタン若しくはアイコンの選択を示すのかどうか、判定する。GUIボタンが選択されるのであれば、コンピュータ152は、特定のGUIボタンに係る機能に基づいて、更に動作する。
図3は、較正マシン200と相互接続する図1のAPRタッチスクリーン158を示す。総称的に示すものではあるが、較正マシン200は、特定の、所与のX、Y座標位置での、タッチスクリーン158上でのタッチイベントを生成する性能も有する。所望のタッチイベントの数及び位置は、ユーザによりコンピュータ202内に予めインプットされ、ライン204を介して較正マシン200に通信されてもよい。例えば、4300のX、Y座標位置が識別され、タッチスクリーン158上の4300個の異なるタッチポイントからのオーディオプロファイルを収集するものであってもよい。
タッチスクリーン158は、ガラスシート206のような、基板を有しており、基板上には、圧電マイクロホン208、210、212、214及び接続配線216、218、220、222が搭載される。マイクロホン208、210、212、214は、夫々、音を検出し、配線216、218、220、222に沿って信号を転送する。配線216、218、220、222はタッチスクリーンケーブル170とインターフェースをとり、タッチスクリーンコントローラ172へ信号を搬送する。
前に説明したように、個々のタッチスクリーン158は、部品における差異及びばらつきにより、僅かに異なるのであり、よって、通常、個々のタッチスクリーン158のために固有の較正ファイルが生成される。例えば、ガラス206の一般的な若しくは平均の厚さは、変動し得る。ガラス206の厚さは、ガラス206のエリアに渡っても僅かに変動し得る。変動値は非常に小さく、変動値を計測し定量化する現実的な方法は可能なものではない。更に、ガラス206は、より大きいガラス片から切り出されるものであり、個々のガラス片のサイズは僅かに変動し得る。ガラス206の縁は研磨されないことがあり、よって音波を同じように反射するとは限らない。圧電マイクロホン208、210、212、214のガラス206における位置、及び感度も、変動し得る。ガラス206に接合される際、マイクロホン208、210、212、214は熱にさらされ、このことは性能の劣化に繋がり得る。更に、マイクロホン208、210、212、214の各々の厚さは、正確に同一であるということはない。他の要素のばらつきも、個々のタッチスクリーン158毎の変動に寄与してしまう。
従って、4300のタッチポイントの各々のための作成されたオーディオプロファイルは、一つのタッチスクリーン158から次のタッチスクリーンへと、僅かに若しくは実質的に、変動する。しかしながら、実用目的のためには、第1と第2のタッチスクリーン158の較正ファイルは同じものに近接し、同じ較正ファイルが夫々の機能を劣化せずに、両方に用いられるのが好ましい。第3と第4のタッチスクリーンの両方は、第1と第2のタッチスクリーンの較正ファイルと異なる第2の較正ファイルを用いてもよい。
図4は、各々が複数のタッチスクリーン158により利用され得る、所定の較正ファイルを生成するための方法を示す。個々の所定の較正ファイルは、別のタッチスクリーン158から取得される類似の較正ファイルのグループに基づくものである。従って、所定の較正ファイルがタッチスクリーン158により利用され、固有の較正ファイルを取得するする必要がないので時間及び費用をセーブすることになる。図3、図4を共に説明する。
270では、タッチスクリーン158が、較正マシン200と相互接続する。272では、較正マシン200は、(X1、Y1座標を有する第1のタッチポイントなどの)所定の較正タッチポイントにて、タッチスクリーン158上にタッチを生成する。コンピュータ202内部のプロセッサ246は、ライン204を越えて、所定の較正タッチポイントを特定して転送する。274では、マイクロホン208、210、212、214はタッチから生じる信号を検出し、検出された信号をタッチスクリーンケーブル170を介してタッチスクリーンコントローラ172へ送信する。タッチスクリーンコントローラ172は、信号をデジタル化し、ライン205を越えて、デジタル化されたオーディオプロファイルをコンピュータ202に搬送することができる。オーディオプロファイルは、メモリ234内の現在の較正ファイル232内に格納され、現在の較正ファイル232内部で、第1のタッチポイントの座標と関連付けられる。
276では、更なるオーディオプロファイルが取得されると、272に戻る。例えば、較正マシン200は、座標X2、Y2を有するタッチポイント228にてタッチを生成し得る。このプロセスは、座標X4300、Y4300を有する4300番目のタッチポイント等に到るまで、全ての所定の較正タッチポイントに対して、繰り返される。所定の較正タッチポイントは、固有のグリッド、ランダムパターン、若しくは他の所望のパターンを形成し得る。例えば、更に多数の所定の較正タッチポイントが、通常小アイコンや各種画像を表示するタッチスクリーン158の特定領域内部で、グループ化され得る。
オーディオプロファイルの全てが取得されると、方法は276から278へ移行する。現在の較正ファイル232は、個々のタッチポイントを表す一連の4300のオーディオプロファイルを有する。前に説明したように、個々の較正ファイルは、全ての他のものとは異なり、差異量も変化する。
較正ファイルデータベース224もメモリ内部234に格納される。較正ファイルデータベース224は、相互の類似性に基づいて分類されている、取得済みの較正ファイルを予め含む。例えば、類似の較正ファイルのM個のグループ、若しくは大量の類似の較正ファイルが、確立され得る。第1のグループ236、第2のグループ238、第3のグループ240、第4のグループ242及びM番目のグループ244が図示されている。一つの例では、Mは50に設定され、50の異なるグループを形成することになる。しかしながら、更なるタッチスクリーンが特徴づけされ較正ファイルが前の較正ファイルと比較されると、更なるグループが生成され得る。較正ファイル間の差異が最小限でありタッチスクリーン158へ悪影響が無いのならば、グループは結合され得る。
278では、現在の較正ファイル232を、M個のグループ236−244において第1のものの内部の較正ファイルと、プロセッサ246は比較するのに利用され得る。例として、差異閾値などの基準値が、受け入れ可能な類似性を特定するのに利用され得る。現在の較正ファイル232は、格納された較正ファイルの全て、M個のグループ236−244における第1のものの各々の内部の較正ファイルの所定数若しくはパーセントなどの、個々のグループ内部の較正ファイルのサブセット、較正ファイルの各々内部の音響ファイルのサブセット若しくは全て、等と、比較され得る。
280では、プロセッサ246は、現在の較正ファイル232が一つ若しくは複数のグループの基準に適合するがどうか判定し、良好な適合を作成する。例えば、現在の較正ファイル232は、第1と第2のグループ内部の較正ファイルに関する、差異閾値などの、基準値即ち受容の許容範囲内であればよい。現在の較正ファイル232が一つのグループと良好に適合すれば、282にてプロセッサ246は、現在の較正ファイル232をその特定されたグループに割り当てる。上述の例のように、一つ以上のグループが特定されれば、プロセッサ246は、差異量が最も少ないことを示す、最良の適合であるグループに現在の較正ファイル232を割り当てることができる。
第1のグループ236からMグループ244までの各々は、適用可能タッチスクリーン158で格納されて利用され得る第1の、第2の、第3の、第4の、及びMの所定の較正ファイル248、250、252、254、256などの、マスターの即ち所定の較正ファイルを有するのが好ましい。この例では、284にてプロセッサ246は、第1のグループ236などに対して、282で特定されたグループに関連する所定の較正ファイルを更新してもよい。第1の所定の較正ファイル248は、第1のグループ236内の較正ファイルの全てにより現在の較正ファイル232のオーディオプロファイルを平均化することで、更新されてもよい。
286にて、プロセッサ246はNの比較タッチポイント位置を特定する。例として、Nは、所定の較正タッチポイントの全体数のサブセットである50乃至100の比較タッチポイントであればよい。この場合、Nは、4300の所定の較正タッチポイントのサブセットであればよい。一般に、先の(将来の)タッチスクリーン158の対応するタッチポイントは、Nの比較タッチポイントと比較され、適用可能な所定の較正ファイルを特定するのが好ましい。288にて、プロセッサ246は、Nの比較タッチポイントの各々に対して、集合体オーディオプロファイルを計算し得る。Nの比較タッチポイントの各々の特定のX、Y座標位置の周囲の座標位置から、所定数のオーディオプロファイルを平均化することによって、このことは達成され得る。プロセッサ246は、Nの比較タッチポイントの各々に関連する単一のオーディオプロファイルを利用してもよい。
290にて、集合体の予め記録されたオーディオプロファイルのセット(予め記録されたオーディオプロファイルのセットであって、その各々が単一の座標位置を示すもの)を含む、第1からMまでの比較較正ファイル262、263、264、265、266は、メモリ234に格納される。第1からMまでの比較較正ファイル262−266は、第1からMまでの所定の較正ファイル248−256のうちのどれが、特徴付けされるタッチスクリーン158に対して使用可能であるかを判定する図5の方法内で利用されてもよい。当然ながら、第1からMまでの比較較正ファイル262−266は、第1からMまでの所定の較正ファイル248−256と同様に、較正ファイルデータベース224内部でそれらが依拠するオーディオプロファイルと分離して、若しくはオーディオプロファイルと共に、格納されてもよい。また、更なる較正ファイルが取得されると(270−282)、プロセッサ246は、適用可能な第1からMまでの所定の較正ファイル248−256、及び第1からMまでの比較較正ファイル262−266を、更新する。
280に戻って、グループの適合が無ければ、292にてプロセッサ246は、現在の確立されたグループの全てを外れたパラメータを有する、較正ファイルの非適合グループ内部に、現在の較正ファイルを格納してもよい。非適合グループ258内の較正ファイルは、最小限数の較正ファイルが格納されたときなどに、周期的に評価され、更なるグループが形成され得るかどうか特定してもよい。
図5は、第1からMまでの所定の較正ファイル248−256などの、所定の較正ファイルのセット内から特徴付けられるAPRタッチスクリーンのために、所定の較正ファイルを選択する方法を示す。300では、タッチスクリーン158(図3)が較正マシン200と相互接続する。302では、較正マシン200が、座標X1、Y1を有する第1のタッチポイント226などの、比較タッチポイントにてタッチスクリーン158上のタッチを初期化する。較正タッチポイントは、図4の286にて特定されるNの比較タッチポイントの一つに対応し得る。比較タッチポイント(第1のタッチポイント226の座標位置X1、Y1)は、図4の288にて集合体オーディオプロファイルを計算するのに利用されるタッチポイントの領域の中心タッチポイントを示し得る。
304では、マイクロホン208、210、212、214は、信号を検出し、検出された信号をタッチスクリーンケーブル170を介してタッチスクリーンコントローラ172へ送信する。タッチスクリーンコントローラ172は信号をデジタル化し、デジタル化されたオーディオプロファイルをライン205を越えてコンピュータ202へ搬送する。オーディオプロファイルは、現在の較正ファイル232に格納され、第1のタッチポイント226の座標と関連付けされ得る。
306にて、更なるオーディオプロファイルが取得されるならば、方法は302へ戻る。図4の方法と比較して、例えば、約4300のオーディオプロファイルではなく50乃至100のオーディオプロファイルの、少ないオーディオプロファイルが取得される。従って、オーディオプロファイルは、例えば、座標X100、Y100を有するNの比較タッチポイント260まで、取得され得る。
Nのオーディオプロファイルが取得されると、方法は306から308へ移行する。この例では、現在の較正ファイル232は、第1からNまでの比較タッチポイントを示す一連の100のオーディオプロファイルを有し得る。
一般に、プロセッサ246は、現在の較正ファイル232内のオーディオプロファイルの各々を、第1からMまでの比較較正ファイル262−266内に格納される対応の座標位置からのオーディオプロファイルと比較し、最良の即ち最近似の適合を見つける。従って、現在の較正ファイル232内のオーディオプロファイルは、特定のオーディオプロファイルがそこから形成された座標位置を取り囲む小領域を表すオーディオプロファイルの集合体と、比較され得る。最良の適合は、差異閾値などの基準値と比較されて、最良の適合が所望のパラメータ内にあることを保証する。
単純化のために、現在の較正ファイル232と第1の比較較正ファイル262との間の単純な比較として、本方法を説明する。308にて、プロセッサ246は、現在の較正ファイル232内の第1からNまでのオーディオプロファイルの各々を、第1の比較較正ファイル262内の、対応する座標位置を有する第1からNまでの集合体の予め記録されたオーディオプロファイルと、比較する。310では、プロセッサ246は、第1からNまでのオーディオプロファイルの各々と、対応する第1からNまでの集合体の予め記録されたオーディオプロファイルとの間の、絶対差異を判定する。
312にて、プロセッサ246は、310にて判定された絶対差異の全てを加算することなどにより、差異の総和を計算する。差異の総和は、参照のためメモリ234内に格納され得る。314にて、現在の較正ファイル232が、更なる比較較正ファイルと比較されるならば、方法は308に戻る。現在の較正ファイル232が、第1からMまでの比較較正ファイル262−266と比較されると、方法は316へ戻る。
316にて、プロセッサ246は、最も低い差異の総和とその関連するグループを特定する。318にて、プロセッサ246は、最も低い差異の総和を、所定のレベル即ち較正閾値と比較する。例えば、差異の基準、即ち差異の閾値は、オーディオプロファイルを比較して、確立されて利用され得る。2つのオーディオプロファイル間の絶対差異が、差異の閾値より下ならば、その2つのオーディオプロファイルは、実用目的のためには同じものと考えられ得る。
最も低い差異の総和が、較正閾値より小さければ、320にてプロセッサ246は、316にて特定されたグループと関連する所定の較正ファイルを特定する。特定された所定の較正ファイルは、タッチスクリーンコントローラ172のメモリ180内に、即ち、図2の較正モジュール182内の較正ファイル186として、格納され得る。
318に戻り、最も低い総和が、較正閾値よりも大きければ、固有の較正ファイルが322にて取得される。このことは図4の方法を利用して達成され得るのであり、その場合、4300のオーディオプロファイルなどの、多数のオーディオプロファイルが取得され、較正モジュール182内の較正ファイル186として格納され得る。現在の較正ファイル232は、(図4の292にて)非適合のグループ258内にも格納され得る。
従って、個々のAPRタッチスクリーンのための固有の較正ファイル利を作成するために多数のオーディオプロファイルを取得するのではなく、APRタッチスクリーンが、少数のオーディオプロファイルのみを取得して、迅速に特徴づけされ得ることになる。より多くのタッチスクリーンがより少ない時間で特徴付けされ得るのであり、APRタッチスクリーンと較正マシンとを相互接続するのに要求される時間は減少される。
一つの実施形態では、タッチスクリーン158が特徴付けされた後、一つのポイントで適時にタッチスクリーン158の較正ファイルを再ロードし、及び/又は再格納されるのが望ましく、またその必要があることもある。従って、個々のタッチスクリーン158には、タッチスクリーン158に係る所定の較正ファイルを特定するのに利用され得る固有のシリアルナンバ若しくは他の識別子が、付され得る。図3に戻って、第1からMまでの識別子294、295、296、297、298(例えば、識別子は、シリアルナンバ、整数若しくは整数のセット、又は他の固有の識別子などの、リストであればよい。)が較正ファイルデータベース224内に格納され、及び/又は、較正ファイルデータベース224と関連付けされ得る。
識別子は、カスタマ若しくはサービス要員に利用され、関連するマスター較正ファイル(第1からMまでの所定の較正ファイル248−256)をインターネットを越えて、若しくはディスクやフラッシュメモリなどの格納媒体から、ダウンロードし得る。例えば、ハードウエア、ファームウエア、及び/又はソフトウエアが損傷され、置換され、及び/又はアップグレードされたり、タッチスクリーン158が較正ファイル186がロードされないまま顧客へ最初発送されたりするなど、較正ファイル186が破損したり若しくは紛失したりすれば、第1からMまでの所定の較正ファイル248−256をダウンロードすること、若しくはアクセスすることが、望ましい。
特に、図2のタッチスクリーン158は、適用可能較正ファイルを格納するメモリチップや他の回路が無くても、設計され、製造され、輸送されることが可能である。その代わりに、インターネット、ディスク、フラッシュメモリ若しくは他の媒体を介してホストコンピュータ152にロードされる較正ファイルを決定するための、十分な情報が、シリアルナンバ、(バーコードフォーマットでもよい)ラベルにおける他のコード、及び/又は、更なる製品情報によって、提供されるのが好ましい。
例えば、タッチスクリーン識別子188は、タッチスクリーン158、コンピュータ152、及び/又は、タッチデータケーブル174上に、若しくはそれらにより、与えられるバーコード、ラベル若しくはスティッカであればよい。タッチスクリーン識別子188は、固有のシリアルナンバ、一連のキャラクタ、若しくは、タッチスクリーン158に関連するバーコードであればよい。タッチスクリーン識別子188は、特定の所定の較正ファイル186と関連し得る。一方で、タッチスクリーン識別子188は、図3に示される第1のグループ236又は第2のグループ238などの、一つのグループと関連していてもよい。
設定、較正、若しくは再較正プロシージャの間、オペレータは、タッチスクリーン158を初期化することを促され得る。例えば、タッチスクリーン158は、第1の利用に先立ち、初期化される、若しくは較正される必要があることがある。設定の間、オペレータは、(バーコードリーダなどにより)タッチスクリーン識別子を入力若しくはスキャンインするように促されることがあり、そうするとコンピュータ152は、I/Oポート190を介して、コンパクトディスク、フラッシュメモリ、若しくは他の媒体などのコンピュータ読み取り可能媒体にアクセスする、又は、ネットワーク若しくはインターネットにアクセスしタッチスクリーン識別子188に関連する較正ファイル186を検索する。
当然ながら、上述の説明は例示であり、限定的なものではない。例えば、上述の実施形態(及び/又はその態様)は相互に組み合わせて利用され得る。更に、発明の範囲から乖離することなく特定の条件や部材を発明の教示内容に適用するため、多くの修正を為すことができる。本明細書に記載の部材の寸法やタイプは、発明のパラメータを規定することを意図しているが、それらは決して限定的ではなく、例示の実施形態に過ぎない。上述の説明を参照すれば、他の多数の実施形態が当業者には明白である。従って、本発明の範囲は、添付の請求項を参照して決定されるべきであり、更に請求項の技術的範囲である全範囲の均等物も伴うべきである。添付の請求項では、個々の“含む”及び“ここで”などの用語のわかりやすい言葉の均等物として、“含有する”及び“ここにおいて”などの用語が利用される。更に、請求項では、“第1の”、“第2の”、及び“第3の”などの用語は、ラベルとして利用されるに過ぎず、対象物へ数的要件を課すことを意図するものではない。更に、請求項の限定が“・・・するための手段”という語句を明確に利用し更なる構造の無い機能についての記述が続いているのでない限り、請求項の限定は、ミーンズプラスファンクションフォーマットで書かれたものではなく、米国特許法112条6項に基づいて解釈されることを意図していない。