JP2010530531A - 電気化学的データ排除法 - Google Patents

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Abstract

試料中の被分析物の濃度を決定する方法であって:a)(i)少なくとも2つの電極を有する電気化学セルに該試料を接触させること、および(ii)該セルから、電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を取得すること、を含む電気化学的試験を行う工程であって、少なくとも1つの群のそれぞれにおける各測定値が異なる時点に取得される工程と、b)前記3以上の測定値の少なくとも1つの群から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を導出する工程と、c)測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較する工程と、d)前記比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、e)任意に、上記の工程を繰り返す工程と、f)許容できる試験(単数または複数)から取得された測定値から、該被分析物の濃度を決定する工程とを含む方法。このような方法が実行され得る装置、および本方法に含まれるデータ排除方法を実行するのに適したコンピュータプログラムも提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、データ排除法を施される電気化学的測定により試料中の被分析物の濃度を決定する方法に関する。本発明はまた、当該方法において用いられる電気化学的装置およびコンピュータプログラムに関する。
電気化学的方法は、物質の種々のパラメータの検出に用いられる。例えば、電気化学的方法は、試験試料における特定の被分析物の存在の検出またはその濃度の測定に用いられ得る。
電気化学セル(電気化学電池)を用いた試料中の被分析物濃度の測定は、電気化学的パラメータの測定値を得て、既知の被分析物濃度を有する試料で得られた結果とその測定値を比較することを伴い得る。被分析物濃度を決定する一手段は、電気化学セルに電位差を印加し、その結果として生じる電流を測定することを伴う。WO2006030170に係るそのような一方法では、時間変化する電位を印加することにより、対象溶液と電気的に接触する2つの電極間にかかる電位を、初期電位と最終電位の間で段階化する。実質的に最終電位に到達したときに、電極間に流れる電流をサンプリングする。この種の測定により、段階的電位を電極に印加したときに形成される電流スパイクに関連するエラーを低減できることが見出されている。
しかし、濃度の電気化学的測定は、依然として、例えば、内在する分析誤差、電気化学的装置の誤用(不適切な試料の適用、試料容量のばらつき等)、または電気化学的装置の物理的もしくは化学的フォーマットにおける不良等によるエラーを免れ得ないことが分かっている。このような試験では濃度は最初は未知であるため、単に測定値の大きさのみを考慮することによって測定値が誤りであるかを判断することは、装置が物理的に妥当な範囲内の結果を返した場合には、可能ではない。従って、測定された濃度が信頼に足るものであるかをユーザーが判断することができる、被分析物濃度の電気化学的評価手段が必要である。
製造された測定装置(例えば、バイオセンサー)における問題に起因して電気化学的パラメータの特定の測定値が予期した通りにふるまわない場合にエラーが試験結果に取り込まれ得ると認識されてきた。US5243516において、時間の関数としての測定電流が正しい作動条件下ではコットレルの式(Cottrell equation)に適合するはずである電気化学的システムにおけるこの種のエラーが論じられている。このようなエラーは、例えば、試料が完全にセルを満たす前に試験を開始したことにより時間経過に伴って有効電極領域が変化する場合、あるいは電極表面が水和されているが正しく試料に覆われていない場合に生じ得る。US5243516は、このようなエラーは、約500msの間隔をおいて2つの測定値を得、これら測定値の比をコットレルの式により予測される比に比較することにより検出され得ることを教示している。
コットレルの式に基づくUS5243516に教示される方法は、最近開発された5秒以内で完了する設計の試験において、および/または小試料容量(例えば、1μl以下)を使用するにおいては、エラーの検出において有効でないことが現在分かっている。このような試験は、例えばUS7276146およびUS7276147に記載されており、その他においては、毛細管室、微小電極、または対向電極を伴う。このような試験はノイズ低減効果がより低く、US5243516に教示される技術が有効でない。
従って、比較的高いノイズレベルにおいて、エラーを含む結果を効果的に排除するための強化型排除構成を提供する必要性がある。
発明の要旨
本発明は、試料中の被分析物の濃度を決定する方法であって、
a)(i)少なくとも2つの電極を有する電気化学セルに該試料を接触させること、および(ii)該セルから、電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を取得すること、を含む電気化学的試験を行う工程であって、少なくとも1つの群のそれぞれにおける各測定値が異なる時点に取得される工程と、
b)前記3以上の測定値の少なくとも1つの群から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を導出する工程と、
c)測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較する工程と、
d)前記比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
e)任意に、上記の工程を繰り返す工程と、
f)許容できる試験(単数または複数)から取得された測定値から、該被分析物の濃度を決定する工程と、
を含む方法を提供する。
本発明はまた、試料中の被分析物の濃度を決定するための試験が許容できるかどうかを確立するコンピュータプログラムであって、1以上のデータ処理装置により実行されたときに、
− 電気化学セルから取得される電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を表す測定値データを受け取る工程であって、少なくとも1つの群のそれぞれにおける各測定値が異なる時点に取得される工程と、
− 該測定値データから、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を導出する工程と、
− 測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較する工程と、
− 前記比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
を含む方法を該データ処理装置に実行するよう命令するコード手段を含む、プログラムも提供する。
本発明は、更に、
− 少なくとも2つの電極を有する電気化学セルと、
− 該セルに電圧を選択的に印加するべく配置された電圧源と、
− 該セルについての電気化学的パラメータの測定値を取得するべく配置された測定回路と、
− 該測定回路により取得された3以上の測定値の少なくとも1つの群から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を算出するべく配置された算出装置であって、少なくとも1つの群のそれぞれにおける各測定値が異なる時点に取得される算出装置と、
− 測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較するべく配置されたコンパレータと、
を含む電気化学的装置を提供する。
本発明は、測定された電気化学的パラメータの時間依存的挙動を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較することを伴う。パラメータの時間依存的挙動(単一の値によって特徴付けられる)が、許容できる範囲内に入る場合、当該試験から取得された測定値は、信頼に足るものとして許容される。反対に、試験において取得されたパラメータの時間依存的挙動が許容できる範囲の外に入る場合、当該試験から取得された測定値は、誤りであるとして排除される。
任意に、更なる試験を行ってもよい。例えば、最初の試験が誤りであるかもしれず、その場合は、許容できる試験が取得されるまで1以上の更なる試験が必要である。あるいは、多数の測定値のデータセットを生成するべく多くの試験が行われ得る。次いで、このデータセットが、許容できる範囲の外に入る何らかの測定値を排除するべく分析される。最後に、被分析物の濃度が、許容できる試験(単数または複数)から取得された測定値から決定される。
本発明の利点は、自動化された客観的な処理によって、誤りのある測定値の排除を可能にすることである。従って、測定パラメータについての許容できる時間依存的挙動の範囲がいったん確立されれば、本発明の方法は、電気化学分野に特段の専門知識を持ち合わせない者によって実施され得る。例えば、本発明は、医療従事者による操作用に設計されたバイオセンサーに適用され得るであろう。
本発明の更なる利点は、未知の被分析物の濃度についての誤りのある測定値を、たとえその誤りのある濃度測定値が物理的にもっともらしい値であったとしても、排除可能とすることである。本発明によって提供される分析がなければ、ユーザーは、たとえ当業者であったとしても、そのような誤りのある測定値を排除する必要性を見出さないであろう。
本発明のまた別の利点は、より信頼できる較正データの収集を可能にすることである。較正データ、つまり既知の被分析物濃度を有する試料について取得された測定値は、未知量の被分析物を含む試験試料について取得された測定値からの濃度の決定のために必要とされる。本発明によって提供される分析を適用することにより、誤りのある試験が容易に同定されて再度実行され得るため、より高い精度でこれら較正測定値が取得され得る。未知の被分析物濃度を有する試料についてのその後の濃度測定値は、較正に基づいたものであるため、当然精度が実質的に向上している。
従来のエラー分析方法とは異なり、本発明の方法は、信号対ノイズ比が高いことを特徴とする電気化学的システム、小容量の試料を用いるシステム、および測定が短期間で行われるシステム(これら特性のうち1つより多くまたは全部を有するシステムを含む)における使用に適している。また、本発明の方法は、いかなる電気化学的試験にも容易に適用される(例えば、経時的な測定電流がコットレルの式に従うシステムにだけ適用可能なわけではない)。
従って、本発明は、試料中の被分析物の濃度を決定するための、信頼性が向上した方法を提供する。
図1は、本発明の1実施形態に係る装置を示す。 図2は、SpAce分析器(Alfa Wasserman社)を用いて取得されたトリグリセリド濃度(mMol単位)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的な酸化電流(nA単位)を示す。 図3は、図2に示した、SpAce分析器(Alfa Wasserman社)を用いて取得されたトリグリセリド濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された試験用酸化電流(nA)を示すが、排除基準を用いて排除されたデータポイントを示している。 図4は、SpAce分析器(Alfa Wasserman社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的な酸化電流(nA)を示す。 図5は、図4に示した、SpAce分析器(Alfa Wasserman社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された試験用酸化電流(nA)を示すが、排除基準を用いて排除されたデータポイントを示している。 図6Aは、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は比oxのみを用いてフィルタリングしたものであり、■は比oxおよび比redを用いてフィルタリングしたものであり、●は比ox、比redおよび電流redを用いてフィルタリングしたデータである。 図6Bは、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は比oxと比redとの積のみを用いてフィルタリングしたものであり、●は電流redおよび比oxと比redとの積を用いてフィルタリングしたものである。 図7Aは、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたトリグリセリド濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は比oxのみを用いてフィルタリングしたものであり、■は比oxおよび比redを用いてフィルタリングしたものであり、●は比ox、比redおよび電流redを用いてフィルタリングしたデータである。 図7Bは、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたトリグリセリド濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は比oxと比redとの積のみを用いてフィルタリングしたものであり、●は電流redおよび比oxと比redとの積を用いてフィルタリングしたものである。 図8は、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は10ポイントフィルタリングでの比oxのみを用いてフィルタリングしたものであり、■は共に10ポイントフィルタリングでの比oxおよび比redを用いてフィルタリングしたものであり、●は共に10ポイントフィルタリングでの比oxおよび比redならびに電流redを用いてフィルタリングしたデータである。 図9は、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は1/ln(時間)フィットを用いてフィルタリングしたものであり、●は1/ln(時間)フィットおよび電流redを用いてフィルタリングしたデータである。 図10は、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたトリグリセリド濃度(mMol)に対して、指穿刺の全血を用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:○はフィルタリングなしのデータであり、△は比oxのみを用いてフィルタリングしたものであり、●は比oxおよび比redを用いてフィルタリングしたものであり、Xは比ox、比redおよび電流redを用いてフィルタリングしたデータである。 図11Aは、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は電流oxデータのみに適用された統計解析を用いてフィルタリングしたものであり、●は電流oxデータおよび電流redに適用された統計解析の組み合わせを用いてフィルタリングしたものである。 図11Bは、SpAce分析器(Alfa Wassermann社)を用いて取得されたコレステロール濃度(mMol)に対して、filtered venous repeatsを用いて取得された実験的に決定された酸化電流(nA)を示し、異なるフィルタリング法の適用後に残ったデータポイントを示している:◆はフィルタリングなしのデータであり、▲は電流oxデータのみに適用された統計解析を用いてフィルタリングしたものであり、●は電流oxデータおよび比oxに適用された統計解析の組み合わせを用いてフィルタリングしたものである。
本発明は、試料中に含まれる被分析物の電気化学的分析に有用である。適切な試料としては、生物学的および非生物学的物質が挙げられ、それらとしては水、発酵飲料、果実酒、血液、血漿、汗、涙液、および尿サンプルが挙げられる。試料は、好ましくは液体である。適切な被分析物としては、遷移金属およびそれらの塩、重金属、ならびに臨床的対象である酵素、コレステロール、トリグリセリド、カチオン、アニオン、バイオマーカー、および生物学的被分析物等の生理種が挙げられる。好ましくは、被分析物はコレステロール、トリグリセリド、またはHDLコレステロールである。
3以上の測定値の群
本発明の方法は、試料を電気化学セルに接触させ、電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を取得する電気化学的試験を行うことを伴う。
本発明に係る電気化学的試験は、(i)少なくとも2つの電極を有する電気化学セルに試料を接触させること、および(ii)該セルから電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を取得すること、を含む。従って、典型的には、試験は、測定値が取得される前に、試料をセルに接触させる期間を含む。試料を最初にセルに接触させた後であって測定値の取得を開始する前の期間は、好ましくは5分以内、より好ましくは3分以内、例えば2分以内または90秒以内である。当該期間は、好ましくは少なくとも1秒、より好ましくは少なくとも10秒、例えば30秒または1分である。試験は、電気化学的パラメータの測定値を取得する期間も含む。1実施形態では、例えば、測定値は電気化学的電位がセルに印加される期間中に取得される。
各群についての電気化学的パラメータの各測定値は、異なる時点に取得される。本発明においては、「3以上の測定値の群」とは、ある期間内にセルから取得される少なくとも3つの測定値のまとまりを意味する。特定の群における3以上の測定は、均等または不均等に空いた間隔で行われ得る。各測定値が取得される時点は既知であることが好ましい。例えば、測定は、対象とする特定の時点の付近において均等に空いた間隔で行われ得る。測定値の1つより多くの群が必要とされる場合、典型的には、測定値群の間の時間間隔は、ある群に属する測定値と別の群に属する測定値との間で時間的なオーバーラップがないように十分大きいものである。典型的には、セルから取得されるあらゆる測定値は、互いに異なる一意な時点において取得される(すなわち、特定の時点には1つの測定値のみが取得される)。
各群における電気化学的パラメータの3以上の測定値は、例えば、電位差がセルに印加されたときの電流、電圧、または電荷の測定値を与える。1実施形態では、測定値は、既知の電位差が既知の時点においてセルに印加されたときに(例えば電流を定量化するための電流フォロワを用いて)取得される電流の形態をとる。電位差は、例えば、WO2006030170に記載されるような時間変化する電位という形態をとり得、その場合、電極間を流れる電流は、初期電位と最終電位との間で電位を段階化するために印加される時間変化する電位が実質的に一定の電位となる期間においてサンプリングされる。本発明の好ましい実施形態では、測定値は、アンペロメトリーによって取得される。典型的には、いったん電位がシステムに印加されると、すべての測定が行われるまでは、セル開放電位に戻らない。
典型的には、電気化学的パラメータの3〜1000個の測定値が各群のために取得される。各群の測定値の最大数は、好ましくは100、より好ましくは10である。少ない個数の測定値、例えば3個の測定値または5個までの測定値を使用することは、本方法における分析工程を簡略化することを可能にするという点で有利である。しかしながら、より多数、例えば少なくとも10個、少なくとも50個、または少なくとも100個の測定値を使用することは、本発明の方法において当該データを用いたときに信号対ノイズ比が改善することを可能にするという点で有利である。従って、各群について測定値の最少数は、好ましくは10、より好ましくは50、更により好ましくは100である。
本発明においてセルで行われる最初と最後の測定(すなわち、最初の測定値群の最初の測定と最後の測定値群の最後の測定)の間の期間の限度は、特に制限されない。従って、最初と最後の電気化学的測定間の時間は、本発明の特定の実施形態の実用上の要請により決定され得る。例えば、生理学的試料中のコレステロールおよびトリグリセリド濃度の検出について国際出願第PCT/GB06/004848(WO2007/072013として公開)に開示されたものなど、バイオセンサーに対して行われる電気化学的測定のためには、電位は好ましくは0.01〜10秒間、例えば少なくとも1秒間、例えば5秒までの間印加される。より長い時間では、対流や振動等の要因が分析上の信号に干渉し得る。より短い時間では、その他の要因の中でもとりわけ充電電流が重大なものになり得る。しかしながら、本発明のその他の実施形態では、濃度測定がより迅速に行われることを可能にするために、より短い時間が特に好ましいものとなり得る可能性がある。
「未加工データ」の測定および「中間的」値
3以上の測定値の少なくとも1つの群が取得されると、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値が導出される。
3以上の測定値の単一の群は、時点t、t、・・・tlast(tlastは、測定が必要とされる最後の時点である)における3以上の「未加工データ」測定値として直接用いられ得る。「未加工データ」測定値とは、セルから取得される電気化学的パラメータについての単独の未処理(例えば、平均化されていない)の測定値である。従って、本発明の1実施形態では、対象とするパラメータの時間依存的挙動を特徴付ける単一の値は、1つの群の3以上の未加工データ測定値から直接的に生成される。別の実施形態では、2以上の異なる測定値群のそれぞれからの未加工データ測定値が、単一の値を取得するために組み合わせて用いられ得る。
あるいは、単一の値を、2以上の「中間的値」を介して取得することができる。各中間的値は、「ノイズ平均化された」測定値として理解され得る。特定の測定値群(または1つより多くの群)を、1つの中間的値または1つより多くの中間的値に変換してもよい。導出される中間的値の個数は、典型的には測定値の総数より少なく、更には、本実施形態では少なくとも2つの中間的値が必要とされる。各中間的値は、少なくとも2つの「未加工データ」測定値から導出される。
特定の未加工データ測定値を特徴付ける1以上の中間的値を算出する(すなわち、未加工データ測定値をノイズ平均化する)方法は、特に制限されない。1実施形態では、中間的値は、対応する未加工データ測定値の単純な平均値として、または適宜重み付けされた平均値として算出される。別の実施形態では、標準的な数学的回帰法が3以上の測定値に適用される。ここでは、複数の時点において未加工データ測定が行われ、最適フィット線(線形回帰フィットなど)を用いてこれらのデータポイントがフィッティングされる。フィットが生成されると、単一の中間的値を、対象とする特定の時点(例えば、3以上の測定がおこなわれた期間の実質的に真ん中の時点)において容易に取得することができる。あるいは、2以上の中間的値を、2以上の対象とする時点に対応する、最適フィット線に沿った位置として取得することができるであろう。本発明の1つのそのような実施形態では、少なくとも10個の未加工データ電気化学的測定値に線形回帰フィットを適用することにより2〜5個の中間的値が取得される。
2以上の中間的値が取得される実施形態では、対象とするパラメータの時間依存的挙動を示す単一の値は、未加工データ測定値そのものから直接的にではなく、当該複数の中間的値を介して間接的に生成される。
測定値群のパラメータ化
測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値は、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較され、試験が許容できるかどうかをその時点で判定される。当該単一の値が所定の許容できる範囲内にあれば試験は許容できるものである。分析を実行可能とするべく、測定パラメータの時間依存的挙動(単一の値を通じて表現される)と、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲との両方が数学的にパラメータ化されねばならない。このパラメータ化の正確な性質は、測定パラメータについて単一の値が必要とされること以外には、特に制限されない。
未加工データポイント(すなわち、3以上の測定値の少なくとも1つの群)から中間的値が生成されなかった場合は、単一の値は未加工データポイントそのものから取得される。例えば、単一の測定値群から取得される電流トランジェントの形状をパラメータ化として用いることが可能であり得、当該形状が経験的または特定の理論モデルのいずれかにフィッティングされ、単一の値を通じて表現されるフィットの質により特定の試験が許容できるのかまたは誤りであるのかが判定される。3以上の測定値が用いられる別の実施形態では、パラメータ化は、例えば、これらの測定値の、これら複数の測定値について算出された最適フィット線からの、統計的な残留自差という形態をとり得るであろう。1つのそのような実施形態では、所定の許容できる範囲は、試験で取得される統計ベースのパラメータにおける上限という形態をとり得るであろう。統計ベースのパラメータを導出する方法は、測定されたデータにおける統計的分散を何らかの形態で反映するものであること以外は、特に制限されない。1つの例示的な特定の例では、3以上の測定値の群が複数の電流測定値に対応し、当該電流が一定であることが予測されるシステムでは、分析は、当該複数の測定値は正規分布に従うと予測されるという前提に基づいたものであり得る。従って、正規分布からの偏差は、データにおいて誤りである外れ値を示す。この性質を特徴付ける単一の値は、例えば、全データの標準偏差(すなわち、任意の誤りである外れ値を含む)と、データのより中央の部分のみを用いて取得される標準偏差の推測値(すなわち、外れ値データは除外される)とを取得することにより容易に取得され得るであろう。この推測値は、例えば、第1と第3の四分位数間(すなわち、四分位範囲)の差を標準値(21/2)で除したものを算出して、本明細書では等価標準偏差(equivalent standard deviation)として知られる、分散についての別の標準的指標を取得することによって、取得され得るであろう。2つの標準偏差における実質的な差異が、誤りのある時間依存的挙動を示すであろう(従って、単一の値は例えば、1となるべき比または0となるべき差であり得るであろう)。従って、特定の実施形態では、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値は、前記の3以上の測定値の少なくとも1つの群の統計的分散(例えば、標準偏差)と、前記の3以上の測定値の少なくとも1つの群の統計的分散(例えば、同一の分散尺度)とを比較し(例えば、それらの比または差をとり)、統計的外れ値を示す測定値の部分を除外することにより導出される。除外される部分は、例えば、測定値の四分位範囲の外に存在するデータであり得る。
未加工データから中間的値が生成された実施形態では、単一の値は、典型的には、これら中間的値から取得される。これら中間的値からシステムの時間依存的挙動をパラメータ化する方法は、未加工データ測定値の使用に関して上記のものと同様であり得る。1実施形態では、パラメータ化は、2つの中間的値(3以上の測定値の同一または異なる群から算出される)の比という形態をとる。従って、所定の許容できる範囲は、試験で取得される比についての上限および下限から構成される。なお更なる実施形態では、2つの中間的値の差または2以上のそのような中間的値の合計がパラメータ化として用いられる。
1つの特定の実施形態では、電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも2つの群がセルから取得され、各群から少なくとも1つの中間的値が算出されて少なくとも2つの中間的値が取得され、かつ当該少なくとも2つの中間的値から単一の値が導出される。
別の実施形態では、パラメータ化は、2以上のそのような比(例えば、電位印加の第1の期間において異なる時点に取得される2つの中間的値間の第1の比、および電位印加の第2の期間において異なる時点に取得される2つの中間的値間の第2の比)の適用を含む。次いで、複数の比が、許容できる値の範囲に対して単一データセットとして(すなわち、何らかの方法でこれらの比を結合し、結合されたパラメータを単一の許容できる値の範囲と比較することにより)比較されるか、あるいは別個に(すなわち、各比に対応する異なる許容できる値のセットと)比較される。
以上より、本発明の方法が1つの比較工程のみを伴うものでなければならない理由は存在しないことが理解されよう。本発明においては、3以上の測定値の少なくとも1つの群(例えば、異なる群)からそれぞれ取得される、2以上の単一の値が生成される可能性が十分にある。その場合、本発明の方法は、1つの単一の値を、対応する許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較することに加えて、少なくとも更にもう1つの比較、つまり少なくとも更にもう1つの単一の値とそれに対応する許容できる時間依存的挙動の所定の範囲との間の比較を含み得る。従って、システムの時間依存的挙動を示す「単一の値」を用いることで意味するところは、3以上の測定値(すなわち、少なくとも3つの値)の少なくとも1つの群が単一の値に変換され、次いでそれが許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較されるということである。
従って、本発明は、上に提示された方法であって、前記の工程d)の直後に、
b2)前記3以上の測定値の少なくとも1つの群から更なる単一の値を導出する工程と、
c2)前記更なる単一の値を、許容できる時間依存的挙動の更なる所定の範囲と比較する工程と、
d2)前記更なる比較の結果に基づいて試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
g)なお更なる単一の値を導出し、それを、許容できる時間依存的挙動のなお更なる所定の範囲と比較し、それにより試験が許容できるかどうかを判定することにより、任意に前記工程を繰り返す工程と、
を付加的に含む方法も提供する。
用いられ得るそのような単一の値の個数に制限はない。例えば、3以上の測定値の群が4つ存在する場合、4つの群のそれぞれから1つの中間的値が導出され得、最初の2つの中間的値の比に対応する第1の単一の値が生成され得、かつ最後の2つの中間的値に対応する第2の値もまた生成され得る。この場合、エラー分析方法は、これら単一の値の両方を、これらに対応する許容できる挙動の所定の範囲に対して別個に比較することを伴うであろう。さらなる実施形態では、システムに「二重電位工程」が適用され、少なくとも1つの(例えば電流の)測定値群が、第1の電位(例えば酸化電位)が印加される期間および第2の電位(例えば還元電位)が印加される期間の両方において取得される。第1および第2の電位領域の両方における時間依存的挙動に対応する単一の値が取得され得、これらが、対応する許容できる時間依存的挙動の範囲に順次に比較され得る。この場合、単一の値の両方が各々の許容できる範囲内に入れば、試験は許容できると見なされる。あるいは、これら2つの「単一の値」は、2つの中間的値として扱われてもよく、従ってただ1つの単一の値を(例えば、それらの比またはそれらの積をとることにより)取得するために用いられてもよい。この種の二重電位工程を用いることは、例えば、試験試料における乏しいウェットアップ(wet−up)または成分間での錯体形成等の要因の結果、試料に存在する酸化還元メディエーター種の量が不十分となることに起因して、単一の電位における電流測定値の挙動からは容易には明らかでない可能性のあるシステムのエラーを同定できる点で有利である。
従って、本発明の1実施形態では、試料中の被分析物の濃度を決定する方法であって、
− (i)少なくとも2つの電極を有する電気化学セルに試料を接触させること、および(ii)該セルから、電気化学的パラメータの3以上の測定値の2つの群を取得することを含む電気化学的試験を行う工程であって、第1の測定値群は、第1の印加電位において取得され、第2の測定値群は、第2の印加電位において取得される工程と、
− 前記の3以上の測定値の第1の群から、第1の印加電位における測定パラメータの時間依存的挙動を示す第1の単一の値を導出する工程と、
− 第1の比較工程において、前記第1の単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の第1の範囲と比較する工程と、
− 第1の比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
− 前記の3以上の測定値の第2の群から、第2の印加電位における測定パラメータの時間依存的挙動を示す第2の単一の値を導出する工程と、
− 第2の比較工程において、前記第2の単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の第2の範囲と比較する工程と、
− 前記第2の比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
− 任意に、上記の工程を繰り返す工程と、
− 許容できるとされた試験(単数または複数)から取得された測定値から、被分析物の濃度を決定する工程であって、該許容できる試験は、第1および第2の判定工程の両方により許容できると判定された試験である工程と、
を含む方法が提供される。
許容できる時間依存的挙動の所定の範囲
許容できる時間依存的挙動の所定の範囲は、様々な電気化学的理論から導かれる計算法を参照して取得され得る。例えば、Electrochemical Methods:Fundamentals and Applications(A.J.BardおよびL.R.Faulkner著、John Wiley&Sons社刊、ニューヨーク、第二版、2001年、5章175頁)およびJournal of Electroanalytical Chemistry(271号、1987年、417−423頁)によれば、所与の実験時点および印加電位においてミクロバンド電極(microband electrode)で観測されるアンペロメトリック電流について、簡単な理論的な式が存在する。このような式は、例えば、異なる時点において取得される2つのアンペロメトリック電流の比を推定するために用いられ得る。本発明の1実施形態は、生理学的試料からコレステロールやトリグリセリド等の被分析物の濃度を検出する方法であるが、当該実施形態では、1μm〜100μmの幅を有するミクロバンド電極がセル内で用いられる。アンペロメトリック電流、CtおよびCt、の測定は、2つの時点tおよびtにおいて、一定の酸化または還元電位にて行われる。tとtとの間の時間として好都合であるのは、例えば0.1秒〜10秒である。酸化反応について、上記文献は、時点tにおけるアンペロメトリック電流は、
(式中、Ctはミクロバンド電流であり、Fは定数であり、Aは電極領域であり、nは電気化学的反応に関与する電子の数であり、Doxはメディエーターの拡散係数であり、〔Ox〕は易酸化性の酸化還元物質の濃度であり、wはミクロバンド電極の幅であり、tは時点である。)から算出され得ることを示している。従って、この式は、2つの時点における2つのアンペロメトリック電流CtおよびCtの理論比:
を算出するために用いられ得る。
例えば、幅w=1.5×10−3cmのミクロバンド電極と拡散係数Dox=6.6×10−6cm−1の酸化還元物質とを含むバイオセンサーに対する、アンペロメトリック電流の測定値が、t=1秒およびt=1.3秒において取得される試験については、
が成立する。
従って、上記の計算等によって取得された理論比は、許容できる比の所定の範囲を決定するための基礎として用いられ得る。例えば、許容できる試験であると見なされるためには実験的に測定される比が理論比にどれ程近くなければならないかについて、経験的な限度が設定され得るであろう。この場合、実験的に測定される比は、t=1秒における電流を反映した第1の中間的値と、t=1.3秒における電流を反映した第2の中間的値との比であるであろう。各中間的値は、例えば、その対応する測定値から、適当な時点付近での平均化法を用いることにより、または回帰線を測定値にフィッティングし、適当な時点における電流に外挿することにより、取得され得るであろう。
1実施形態では、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲は、コットレルの式に実質的に従う挙動に対応したものであり得る。しかしながら、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲は、コットレルの式に実質的に従わない挙動に対応したものであることが好ましい。
あるいは、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲は、完全に経験的に確立され得る。単独または上記の理論的な方法との組み合わせで用いられ得る1つのそのような経験的方法では、既知の被分析物濃度を有する試料に対して、複数の試験が行われる。各試験では、セルにおける被分析物濃度は、電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を取得することにより「決定」される。従って、各試験は、(既に分かっている)濃度の決定をもたらし、その一方でまた、測定された電気化学的パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を提供する。ユーザーは、複数の試験のうちどれが、実際の(既に分かっている)濃度に十分に近い濃度の決定をもたらすかを決定し得る。従って、許容できる結果を生じる試験について、電気化学的パラメータの時間依存的挙動が分かっている。同様に、許容できない試験についても、パラメータの時間依存的挙動が分かっている。結果として、どの時間依存的挙動の経験的な指標が、許容できる結果または誤りである結果のいずれに対応するかを取得することができる。続いてこれを、本発明で用いられる許容できる時間依存的挙動の範囲を決定するために用いることができる。
測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値が、統計的方法を用いて取得される場合に1つの特定の実施形態が生じる。この場合、単一の値は、特定の種類の統計的挙動からの測定データの挙動の偏差(例えば、一定値または最適フィット線についての正規分布データからの偏差)を表す。ここでもまた、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲は、理論的方法(すなわち、特定の理論の下で特定のシステムについて予想される統計的挙動に基づく範囲)、または経験的手法(すなわち、被分析物濃度の信頼できる指標を与えるための対照実験から分かる統計的挙動に基づく範囲)のいずれかを用いて取得され得る。
本発明の方法は、試験が許容できると判定されると、任意に上記の工程を繰り返すこと、すなわち1以上の更なる試験を行うことを伴う。例えば、第1の実施形態では、1つの許容できる試験が必要とされる。従って、最初の試験が、分析により誤りであるとして排除された場合、許容できる試験が得られるまで、1以上の更なる試験を行うことが必要となる。許容できる試験が一旦得られれば、当該試験から取得された測定値から、被分析物濃度を、標準的な電気化学的方法を用いて、決定することができる。あるいは、第2の実施形態では、所定の回数の試験(1より多い)が行われ、それによりデータセットが生成され、各試験はデータ分析に供される。この実施形態では、少なくとも1つ、好ましくは複数の許容できる試験が、データセットから取得される。次いで、許容できる試験の全てについて取得された測定値から、被分析物濃度が、標準的な電気化学的方法を用いて決定される。
最後に、許容できる試験(単数または複数)から取得された測定値から、被分析物の濃度が決定される。典型的には、データ分析工程で用いられた測定値の全てが、濃度の決定においても用いられる。
本発明の1実施形態に係る装置を図1に示している。本実施形態では、装置は、4つの電気化学セル〔C〕を有するストリップ〔S〕と、ストリップ〔S〕との電子的接触を形成できる電子ユニット〔E〕(例えば、ハンドヘルドの携帯型電子ユニット)とを含む。電子ユニット〔E〕は、例えば、電極に電位を供給する電源と、電気化学的反応を検出する計測器およびその他の必要な計測器とを収容する。これらのシステムの1以上が、コンピュータプログラムによって操作され得る。
電気化学セルは、2電極、3電極、4電極、または多電極システムであり得る。2電極システムは、作用電極および擬似参照電極を含む。3電極システムは、作用電極、理想または擬似参照電極、および別個の対向電極を含む。本明細書で用いられる場合、擬似参照電極とは、実質的に安定した参照電位を供給できる電極である。2電極システムでは、擬似参照電極は対向電極としても機能し、この場合、電流は参照電位に実質的に摂動を与えることなしに擬似参照電極を流れる。本明細書で用いられる場合、理想参照電極とは、電流が流れない理想的な非分極性電極である。本発明の方法では、3以上の測定値の少なくとも1つの群は、2電極、3電極、4電極、または多電極システムを用いて取得され得る。
本発明の1実施形態では、電気化学セルは、レセプタクルの形態である。レセプタクルは、入れられた液体を収容できる限り、いかなる形状であってもよい。例えば、レセプタクルは、円筒状であり得る。一般には、レセプタクルは、基部および基部を取り囲む壁(単数または複数)を含むであろう。レセプタクルの形態での電気化学セルの適当な実施形態は、例えば、WO03056319に開示されている。
本発明は、あらゆる電極の種類を包含する。少なくとも1つの電極はマクロ電極であり得る。更には、少なくとも1つの電極は微小電極であり得る。また更には、少なくとも1つの電極はミクロバンド電極であり得る。少なくとも1つの電極が微小電極またはミクロバンド電極である場合、典型的には、作用電極は微小電極またはミクロバンド電極である。
本発明の目的のためには、微小電極とは、50μmを越えない、試料と接触する少なくとも1つの寸法を有する電極である。例えば、試料と接触する全ての寸法が50μm未満であり得る。本発明の微小電極は、マクロサイズ(すなわち、50μmを上回る)の試料と接触する寸法を有し得る。典型的な本発明の微小電極は、50μm以下の1つの寸法および50μmを上回る寸法を有する(言及された寸法は、試料に接触するものである)。
本発明の目的のためには、ミクロバンド電極は、50μmを上回る1つの寸法および50μm未満の1つの寸法を有するものとして定義される(言及された寸法は、試料に接触するものである)。ミクロバンド電極は、バンド形状でセル内に存在する。
場合によっては、対向電極と作用電極とを、少なくとも50μmの距離だけ離すことが有利である。電気化学的測定値が取得される時間領域は最終結果の形態に影響を与えるため、各測定において常に考慮されなければならないことを理解することも重要である。例えば、充電電流の急速な減衰に起因して、微小電極は迅速な応答を与えることがよく知られている。これは、全データセットからの情報の損失がないことを保証するためには、データは高速で収集されなければならないことを意味する。この高速データサンプリングは、これら測定値におけるノイズが顕著であることを意味し得る。事実、これが、US5243516に記載される2つの離散的データポイントの比較がエラー分析の適切な手段とはならず、一方、本明細書に記載される方法がエラー分析の適切な手段を提供する理由の1つである。
本発明の装置で用いられ得る電気化学セルに関する更なる詳細は、WO2006000828に見出すことができる。
セルで取得される電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群は、酸化還元物質の酸化、還元、または酸化と還元の両方を含む。従って、電気化学的試験を行う工程は、試料を電気化学セルに接触させ、それにより酸化還元物質の電気化学的反応を惹起することを伴う。
酸化還元物質は、電気活性であるいかなる物質であってもよい。従って、例えば、試料をセルに挿入すると、セルに印加される電位により酸化還元物質の電気化学的反応が生じ、測定可能な電流が発生し得る。酸化還元物質は被分析物それ自体であってもよい。あるいは、酸化還元物質は、被分析物と相互作用することにより被分析物の濃度に定量的に関連した濃度で存在する別の電気活性な物質であってもよい。
酸化還元物質が別の電気活性な物質である実施形態では、酸化還元物質は、試料をセルに接触させる前に試料と混合されてもよく、または試料をセルに接触させる前にセルに含められてもよい。後者の実施形態では、酸化還元物質を乾燥させてもよい。酸化還元物質は、単独で存在してもよく、あるいは酸化還元物質と被分析物との相互作用に関与する緩衝液または更なる試薬等のその他の化合物との混合物として存在してもよい。例えば、混合物は、被分析物と酸化還元物質との反応を触媒する電解触媒を更に含んでよい。コレステロール、トリグリセリド、およびHDLコレステロールの総濃度の決定を可能にするこの種の適切な混合物の例は、国際出願第PCT/GB06/004848号(WO2007/072013として公開)に詳細に記載されている。
電子ユニット〔E〕は、セルに電圧を選択的に印加するべく配置された電圧源と、セルについての電気化学的パラメータの測定値を取得するべく配置された測定回路とを含む。該ユニットは、測定回路によって異なる時点に取得された3以上の測定値の少なくとも1つの群から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を算出するべく配置された算出装置も含む。算出装置は、例えば、電流フォロワを含み得る。該ユニットはまた、該単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較するべく配置されたコンパレータを含む。典型的には、これは、入力データ(測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値)を恒久的に保存されたデータ(許容できる時間依存的挙動の範囲)と比較して、肯定的または否定的な結果を生成するアルゴリズムを実行できるプログラムが格納されたメモリまたはコンピュータを含むであろう。従って、コンパレータはまた、算出装置から取得した実験データを格納するための装置も含む。該ユニットは、試験が許容できる場合に、コンパレータから返された結果および被分析物濃度を読み出す表示パネル等のその他の特徴部も含み得る。
本発明の装置は、2以上(例、3つまたは4つ)の電気化学セルを有し得る。そのような実施形態では、複数のストリップが用いられ得るか、あるいはストリップ〔S〕自体が複数の電気化学セルを有し得る。この実施形態により、多くの測定値を、実質的に同時または段階的のいずれかで取得することが可能になる。この実施形態の好適な態様では、セルは、単一の試験試料から異なる被分析物を同時に検出することを可能とする異なる試薬混合物を含む。
コンピュータ技術分野の当業者には明白であろうが、本発明は、本明細書の教示に従ってプログラムされた従来の汎用デジタルコンピュータ(例えば、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA、ASIC)を用いて好都合に実装され得る。ソフトウェア技術分野の当業者には明白であろうが、適切なソフトウェアのコーディングは、本開示の教示に基づいて、技術のあるプログラマーによって容易に作成され得る。また、当業者には容易に明白になるであろうが、本発明は、特定用途向け集積回路の作成により、または従来の要素回路の適切なネットワークの相互接続により実装され得る。
更なる特定の実施形態では、本発明は、試料中の被分析物の濃度を決定する方法であって、
− (i)少なくとも2つの電極を有する電気化学セルに該試料を接触させること、および(ii)該セルから、電気化学的パラメータの2以上の測定値を異なる時点において取得することを含む電気化学的試験を行う工程と、
− 該測定値から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す情報を導出する工程と、
− 測定パラメータの時間依存的挙動を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較する工程と、
− 前記比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
− 任意に、上記の工程を繰り返す工程と、
− 許容できる試験(単数または複数)から取得された測定値から該被分析物の濃度を決定する工程と、
を含む方法を提供する。
電極のうちの1つは、50μm未満の少なくとも1つの寸法を有する作用電極であることが好ましい。該方法は、例えば、電位差が電気化学セルに印加されているときに、異なる時点において電流の2以上の測定値を取得することを含み得る。該方法は、2つの異なる時点tおよびtにおいて取得された測定パラメータの比(パラメータ(t)/パラメータ(t))を、許容できる比の所定の範囲と比較することを含むことが好ましい。
この更なる実施形態の別の態様は、試料中の被分析物の濃度を決定するための試験が許容できるかどうかを確立するコンピュータプログラムであって、1以上のデータ処理装置により実行されたときに、
− 電気化学セルから異なる時点に取得される電気化学的パラメータの2以上の測定値を表す測定値データを受け取る工程と、
− 該測定値データから、測定パラメータの時間依存的挙動を示す情報を導出する工程と、
− 測定パラメータの時間依存的挙動を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較する工程と、
− 前記比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
を含む方法を該データ処理装置に実行するよう命令するコード手段を含むプログラムである。
この更なる実施形態の更に別の態様は、
− 少なくとも2つの電極を有する電気化学セルと、
− 該セルに電圧を選択的に印加するべく配置された電圧源と、
− 該セルについての電気化学的パラメータの測定値を取得するべく配置された測定回路と、
− 該測定回路により異なる時点に取得された2以上の測定値から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す情報を算出するべく配置された算出装置と、
− 該情報を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較するべく配置されたコンパレータと、
を含む電気化学的装置である。
典型的には、この更なる実施形態では、電気化学的パラメータの2〜1000の測定値が取得される。あるいは、測定値の個数は、上述したような、群における測定値の個数と同じであってもよい。2以上の測定値を、単一の測定値群としてまたは1より多い測定値群として取得することができる。典型的には、測定パラメータの時間依存的挙動を示す情報は、単一の値という形態である。
ハンドヘルドのバイオセンサー装置
図1に示され、PCT/GB06/004848(WO2007/072013として公開)に詳細に記載される種類の、4つの電気化学セルがストリップ〔S〕に含められた装置を用いた。各電気化学セルは、炭素作用電極およびAg/AgCl擬似参照電極を有していた。各セルの体積は、約0.6μlであった。コレステロールおよびトリグリセリド濃度試験を行うために試薬混合物を2つのセルに挿入した。
用いた試薬混合物は以下の通りであった。以下に示す比率を用いて試薬混合物のバッチを作製した。
コレステロール試験(0.6μLを1つの電気化学セルに挿入)
0.1M TRIS緩衝液(pH9.0)
50mM MgSO
5%w/v グリシン
1%w/v ミオイノシトール
3.5%w/v CHAPS
3.5%w/v デオキシビッグCHAPS(DeoxyBigCHAPS)
80mM Ru(NHCl
8.8mM チオニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(TNAD)
4.2mg/ml プチダレドキシン・レダクダーゼ(PdR)
3.3mg/ml コレステロール・エステラーゼ(ChE)
22mg/ml コレステロール・デヒドロゲナーゼ(ChDH)
トリグリセリド試験(0.6μLを別の電気化学セルに挿入)
0.1M HEPBS緩衝液(pH9)
10mM NHCl
10%w/v グリセリン
1%w/v エクトイン
1%w/v CHAPS
80mM Ru(NHCl
18mM チオニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(TNAD)
6.5mg/ml ジアフォラーゼ
45mg/ml グリセロール・デヒドロゲナーゼ
100mg/ml リパーゼ
装置の残り2つのセルは、以下に記載する実施例では用いなかった。
0.6μlアリコートの上記混合物を手作業により所望のセルに投入した。投入してから、溶液を凍結乾燥した。
アリコート(5μl)の試料をストリップにアプライした。用いた試料は、既知のコレステロールおよびトリグリセリド濃度を有する匿名の血漿試料であった。GPESソフトウェアにより制御されるマルチプレクサ(MX452、Sternhagen Design社)に取り付けられたAutolab PGSTAT 12(Eco Chemie社)を用いてクロノアンペロメトリーによりセンサーを試験した。
実施例1:コレステロールセンサー
試料をストリップにアプライした後、試薬を試料に取り込ませて試薬と試料とを反応させるためにウェットアップ期間を経過させた。本明細書で用いる場合、ウェットアップ期間は、試料のストリップへのアプライと電気化学的摂動の適用との間の時間である。
ウェットアップ期間の後、Autolabに取り付けられたマルチプレクサを用いてクロノアンペロメトリー試験を開始した(開始時点t=0秒)。WO2006030170に開示される電位段階化技術を用いて電位差を段階化した。t=112秒において、該機器により、Ag/AgClに対して+0.15Vで1.3秒間酸化を行い、続いてAg/AgClに対して−0.45Vで1.3秒間還元を行った。コレステロール試験の試薬混合物を含むセルに関する生成電流データを、1.3秒の酸化電位期間の最後の0.3秒間内での100データポイントおよび1.3秒の還元電位期間の最後の0.3秒間内での100データポイントとして記録した。酸化電位および還元電位の両方に関するデータポイントに対して線形回帰フィットを取得した。酸化電位の印加開始から1秒および1.3秒後に取得したノイズ平均化電流を、100データポイントの第1セットに対する線形回帰フィットから算出した。同様に、還元電位の印加開始から1秒および1.3秒後に取得されたノイズ平均化電流を100データポイントの第2セットに対する線形回帰フィットから算出した。
酸化電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比ox)が、1.0<比ox<1.04という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。還元電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比red)が、比red<1.12という基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。還元電流の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流(電流red)が、−6200nA<電流red<−3500nAという基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。従って、試験によって、酸化電位(試料中のコレステロール濃度に比例する)の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の測定値が提供され、かつ測定値が許容できるのか(測定値が3つの基準全てを満たした場合)または誤りであるのか(測定値が1以上の基準を満たさなかった場合)の指標も与えられた。
電流対被分析物濃度の較正プロットを取得するために、様々な総コレステロール濃度のいくつかの異なる血漿試料に対してこの手順を繰り返した。結果を図2(データ排除分析なし)および図3(データ排除分析あり)に示す。これらの図は、当該分析により、誤りである測定値(正しいコレステロール濃度について不正確な測定がなされたもの)に対応するデータを排除でき、測定値の精度が著しく改善されることを示している。
実施例2:トリグリセリドセンサー
t=98秒で酸化電位を印加し、トリグリセリド試験の試薬混合物を含むセルに対して電流データを測定した以外は、上記実施例1に記載したのと全く同様にして一連の試験を行った。
結果を図4(データ排除分析なし)および図5(データ排除分析あり)に示す。これらの図は、当該分析により、誤りである測定値(正しいコレステロール濃度について不正確な測定がなされたもの)に対応するデータを排除できることを示している。
実施例3〜7
実施例3
実験の詳細は全て、実施例1と同様である。しかしながら、本実施例では、コンパレータの要求を、以下に示す通りに変更した。
A) 酸化電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比ox)が、0.980<比ox<1.042という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。還元電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比red)が、0.950<比red<1.100という基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。還元電流の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流(電流red)が、−6000nA<電流red<−3480nAという基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。
B) A)に示した2つの別個の比を用いる代替として、これらの比の積が、0.9850<比ox×比red<1.100という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。
結果を図6Aおよび6Bに示す。
実施例4
実験の詳細は全て、実施例2と同様である。しかしながら、本実施例では、コンパレータの要求を、以下に示す通りに変更した。
A) 酸化電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比ox)が、1.012<比ox<1.045という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。還元電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比red)が、比red<1.069という基準比を満たすことがコンパレータにより更に要求された。還元電流の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流(電流red)が、−5700nA<電流red<−2550nAという基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。
B) A)に示した2つの別個の比を用いる代替として、これらの比の積が、0.9850<比ox×比red<1.100という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。
結果を図7Aおよび7Bに示す。
実施例5
試験データは、実施例1についてと同様であるが、比の決定を異なる方法で完了した。具体的には、100データポイントにフィットさせるための線形回帰を用いなかった。その代わりに、1秒および1.3秒での電流(酸化電流および還元電流の両方について)が、1.0秒および1.3秒に最も近いそれぞれ10のデータポイントを平均化することにより決定した。次いでこれらの平均化された電流を用いて電流の比を算出した。
酸化電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比ox)が、1.012<比ox<1.045という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。還元電位の印加から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比red)が、比red<1.069という基準比を満たすことがコンパレータにより更に要求された。還元電流の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流(電流red)が、−5700nA<電流red<−2550nAという基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。
結果を図8に示す。
実施例6
実験データは、実施例1についてと同様であるが、許容できる限度内にデータが入るか否かの判定は、理論との比較によって完了した。
電流がミクロバンド電極について予想される形態に従うこと、つまり電流がln(時間)の関数に比例することが想定された。最後の10データポイントについての平均電流(電流ave)とln(時間)の逆数との積に対して電流をプロットすることによってデータを分析した。
次いで、得られたプロットの傾きを用いて、許容できるものと排除されるものとにデータを分類した。プロットの傾きが0.05<傾き<0という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。場合によっては、還元電流の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流(電流red)が、−6000nA<電流red<−3480nAという基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。
結果を図9に示す。
実施例7
実験プロトコルは、以下の詳細を除いて、実施例1について示したものと同様であった。
− 用いた試料は、ボランティアの指にピンを刺す(「指穿刺」)ことで直接得られた血液試料であった。
− 98秒間のウェットアップ期間が割り当てられた。
− 98秒時に、Ag/AgClに対して+0.15Vで1.3秒間酸化を行い、続いてAg/Ag/Clに対して−0.45Vで1.3秒間還元を行った。
酸化電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比ox)が、1.000<比ox<1.040という基準を満たすことがコンパレータにより要求された。還元電位の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比red)が、比red<1.120という基準比を満たすことがコンパレータにより更に要求された。還元電流の印加開始から1秒後のノイズ平均化電流(Ired)が、−4200nA<電流red<−3500nAという基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。
結果を図10に示す。
精度向上の分析
実施例3〜7からのデータを、これらの実施例の各々での各被分析物濃度における測定値の精度(%CV)を評価することにより、更なる分析を行った。精度は、式
(式中、StDevは所与の試料から酸化電位期間に取得された電流測定値の標準偏差であり、Averageはそれらの平均値である。)を用いて算出した。下記表1〜7で与えるAveCV%は、全データセットにわたって(すなわち、全ての被分析物濃度において)取得された%CV値の平均(平均値)を表す。
表1:実施例3、図6Aについてのデータ。Nはポイント数である。
表2:実施例3、図6Bについてのデータ。Nはポイント数である。
表3:実施例4、図7Aについてのデータ。Nはポイント数である。
表4:実施例4、図7Bについてのデータ。Nはポイント数である。
表5:実施例5、図8についてのデータ。Nはポイント数である。
表6:実施例6、図9についてのデータ。Nはポイント数である。
表7:実施例7、図10についてのデータ。Nはポイント数である。各試料はこの場合固有のものであり、多数の測定値を収集しなかったため、Ave%CVの代わりにRSQ(ピアソンの積率相関係数の二乗)が用いられている。従って、RSQパラメータは、フィルタリングの結果としての向上についての最も簡易な指標である。
実施例8
実験データは、実施例1についてと同様であるが、比の決定を統計解析により完了した。先ず、酸化電流データ(電流ox)データを分析して、いずれのデータが第1と第3の四分位数間に入るかを判定した。これら百分位数での電流値を、四分位範囲(すなわち、電流第1四分位−電流第3四分位)を算出するために用いた。次いで、等価標準偏差(eqvSD)を、四分位範囲を21/2で除したものとして算出した。これは、異常な外れ値を除外する、データの統計的分散の第1の指標である。
データの統計的分散の第2の指標を提供するために、酸化電流データについて、実際の標準偏差(actSD)も算出した。全てのデータポイントを含めたため、この指標は、あらゆる異常な外れ値を含む。
次いで、得られたeqvSDをactSDで除し、100を乗じることで、2つの分散指標間の百分率類似度を決定した。当然ながら、完全に正規分布したデータに対して、百分率類似度は100%となるはずである。
本実施例では、百分率類似度が63.1%を上回ることがコンパレータにより要求された。場合によっては、還元電流の印加開始から1.0秒後のノイズ平均化電流(電流red)が、−6000nA<電流red<−3480nAという基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。あるいは、酸化電位の印加を開始してから1秒後のノイズ平均化電流の、1.3秒後のノイズ平均化電流に対する比(比ox)が、0.980<比0x<1.042という基準を満たすことがコンパレータにより更に要求された。
結果を図11Aおよび11Bに示す。
実施例3〜7に関して示したアプローチを用いて測定値の精度(%CV)を評価することにより、データの更なる分析を行った。結果を下記表8および9に示す。
表8:実施例8、図11Aについてのデータ。Nはポイント数である。
表9:実施例8、図11Bについてのデータ。Nはポイント数である。
種々の実施形態および実施例を参照しつつ本発明を説明してきた。しかしながら、本発明は、決してこれらの実施形態および実施例に限定されないということを理解すべきである。

Claims (18)

  1. 試料中の被分析物の濃度を決定する方法であって、
    a)(i)少なくとも2つの電極を有する電気化学セルに該試料を接触させること、および(ii)該セルから、電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を取得すること、を含む電気化学的試験を行う工程であって、少なくとも1つの群のそれぞれにおける各測定値が異なる時点に取得される工程と、
    b)前記3以上の測定値の少なくとも1つの群から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を導出する工程と、
    c)測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較する工程と、
    d)前記比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
    e)任意に、上記の工程を繰り返す工程と、
    f)許容できる試験(単数または複数)から取得された測定値から、該被分析物の濃度を決定する工程と、
    を含む、方法。
  2. 前記電極の少なくとも1つが、微小電極又はミクロバンド電極である、請求項1記載の方法。
  3. 前記電極の1つが、50μm未満の少なくとも1つの寸法を有する作用電極である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記3以上の測定値の少なくとも1つの群が、5秒以下の期間にわたって取得される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 前記試料が、1μl以下の容量を有する、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 電位差が電気化学セルに印加されているときに、異なる時点において電流の3以上の測定値の少なくとも1つの群を取得することを含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 前記許容できる時間依存的挙動の所定の範囲が、コットレルの式に実質的に従う挙動に対応しない、請求項6記載の方法。
  8. 前記許容できる時間依存的挙動の所定の範囲が、経験的又は理論的に取得される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  9. − 少なくとも2つの中間的値が、前記3以上の測定値の少なくとも1つの群から算出され、
    − 前記測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値が、前記少なくとも2つの中間的値から導出される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 各中間的値が、
    − 2以上の測定値を平均すること、又は
    − 数学的回帰法を用いて2以上の測定値をフィッティングし、所定の時点における前記回帰フィットの値から前記中間的値を導出すること
    により取得される、請求項9記載の方法。
  11. 前記単一の値が、2つの中間的値の比である、請求項9又は10記載の方法。
  12. 工程d)の直後に、
    b2)前記3以上の測定値の少なくとも1つの群から更なる単一の値を導出する工程と、
    c2)前記更なる単一の値を、許容できる時間依存的挙動の更なる所定の範囲と比較する工程と、
    d2)前記更なる比較の結果に基づいて試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
    g)なお更なる単一の値を導出し、それを、許容できる時間依存的挙動のなお更なる所定の範囲と比較し、それにより試験が許容できるかどうかを判定することにより、工程b2)、c2)、及びd2)を任意に1回以上繰り返す工程と、
    を更に含み、
    工程f)では、工程d)および工程d2)、ならびに工程g)に従って行われる任意のなお更なる判定工程において許容できると判定された場合にのみ、試験は許容できると見なされる、
    先行する請求項のいずれか一つに記載の方法。
  13. − 工程b)において取得される単一の値が、任意には酸化電位である第1の電位が前記セルに印加されているときに測定される電流の時間依存的挙動を示し、
    − 前記単一の値が、前記第1の電位が前記セルに印加されているときに取得される測定値から算出される2つの中間的値の比であり、かつ
    − 工程b2)において取得される更なる単一の値が、任意には還元電位である第2の電位が前記セルに印加されているときに測定される電流の時間依存的挙動を示す、
    請求項12記載の方法。
  14. 前記更なる単一の値が、前記第2の電位が前記セルに印加されているときに取得される測定値から算出される2つの中間的値の比である、請求項13記載の方法。
  15. 前記更なる単一の値が、前記第2の電位が前記セルに印加されているときに取得される3以上の測定値の少なくとも1つの群の平均値である、請求項13記載の方法。
  16. 試料中の被分析物の濃度を決定するための試験が許容できるかどうかを確立するコンピュータプログラムであって、1以上のデータ処理装置により実行されたときに、
    − 電気化学セルから取得される電気化学的パラメータの3以上の測定値の少なくとも1つの群を表す測定値データを受け取る工程であって、少なくとも1つの群のそれぞれにおける各測定値が異なる時点に取得される工程と、
    − 該測定値データから、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を導出する工程と、
    − 測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較する工程と、
    − 前記比較の結果に基づいて、試験が許容できるかどうかを判定する工程と、
    を含む方法を該データ処理装置に実行するよう命令するコード手段を含む、プログラム。
  17. − 少なくとも2つの電極を有する電気化学セルと、
    − 該セルに電圧を選択的に印加するべく配置された電圧源と、
    − 該セルについての電気化学的パラメータの測定値を取得するべく配置された測定回路と、
    − 該測定回路により取得された3以上の測定値の少なくとも1つの群から、測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を算出するべく配置された算出装置であって、少なくとも1つの群のそれぞれにおける各測定値が異なる時点に取得される算出装置と、
    − 測定パラメータの時間依存的挙動を示す単一の値を、許容できる時間依存的挙動の所定の範囲と比較するべく配置されたコンパレータと、
    を含む電気化学的装置。
  18. 実質的に、前述の実施例のいずれか1つに関して明細書に記載されたものである、請求項1記載の方法。
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