JP2010528012A - イオン液体を用いるフルオロカーボンの分離方法 - Google Patents

イオン液体を用いるフルオロカーボンの分離方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,2,2−テトラフルオロエタンの両方を含有する混合物から1,1,2,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2−テトラフルオロエタンを分離する方法に関し、ここで、少なくとも1種のイオン液体が分離の効率を高めるために用いられる。

Description

関連出願の相互参照
本願は、この参照により、すべての目的についてその全体が本明細書の一部として援用される2007年5月25日出願の米国仮特許出願第60/940,292号明細書の利益を主張する。
本発明は、同一の混合物中に一緒に含有されている化合物の種々の異性体を分離するための方法に関する。特に、本発明は、1,1,1,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,2,2−テトラフルオロエタンの両方を含有する混合物から1,1,2,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2−テトラフルオロエタンを分離するための方法であって、少なくとも1種のイオン液体(ionic liquid)が分離効率を高めるために用いられる方法に関する。
1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CFCHF(HFC−134a、F−134a、またはR−134aとしても公知である)は、冷媒、エアロゾル噴射剤、伝熱媒体、気体誘電体、消化剤、ポリオレフィンおよびポリウレタン用の膨張剤、吸収冷却システム用の流体、および動力サイクル作動流体として用いられることが可能である。R−134aは非引火性であり、オゾン破壊係数を有さず、および地球温暖化係数を有する。これは、従って、オゾン破壊に関与していると考えられているクロロフルオロカーボンおよびヒドロクロロフルオロカーボンなどの塩素−含有ガスの代替として好適である。
R−134aが形成される作業条件に応じて、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、CHFCHF(HFC−134、F−134、またはR−134としても公知である)はまた、合成の生成物として形成することが可能である。R−134およびR−134aは、多様に異なる製造方法または原料から得られ得る。例えば、R−134およびR−134aを含有する混合物は、CFCCl(R−113a)およびCClFCClF(R−113)を含有する混合物をフッ化水素と反応させてCClFCF(R−114a)およびCClFCClF(R−114)を含有する混合物を生成することにより生成することが可能である。次いで、R−114aおよびR−114を含有する混合物は、適切な条件下で水素化されてR−134aおよびR−134の混合物が生成される。このR−134aおよびR−134を含有する混合物は、CClHFCF(R−124)、CHFCClF(R−124a)および未反応R−114およびR−114aなどの不純物をも含有する可能性がある。
R−134はまた、冷媒として、ならびに、R−134aについて上述されている他の用途について有用である。R−134およびR−134aは、しかしながら、同様の沸点を有するために分離が困難である−R−134の標準沸点は−19.6℃であり、R−134aの標準沸点は−26.1℃である。これらの近似する沸点が、従来の蒸留によるR−134およびR−134aの効率的な分離を、これらの構成成分が混合物中で共沸物、共沸組成物または共沸様組成物を形成する傾向のためにきわめて困難としている。従来の蒸留による分離を達成するためには、非現実的に背の高いカラムを高還流比で操作しなければならず、これは、高い資本費用および操業費用をもたらす可能性が高く、おそらくは、生成物の相当の収率の損失をももたらすであろう。
特許文献1は、抽出蒸留により、R−134およびR−134aを、相互に分離する、および/またはフルオロカーボン不純物から分離する方法を開示しており、ここではアルコールが抽出剤として用いられている。この参照によりすべての目的についてその全体が本明細書の一部として援用される特許文献2は、混合物の構成成分を分離するための分離方法におけるイオン液体の使用を記載している。これらの既存の分離方法にかかわらず、R−134およびR−134aを相互に分離する目的により好適な分離方法が未だ求められている。
米国特許第5,470,442号明細書 米国特許出願第SN11/525,466号明細書
一実施形態において、本発明は、混合物を1,1,1,2−テトラフルオロエタンが1,1,2,2−テトラフルオロエタンよりも大幅に可溶性である少なくとも1種のイオン液体と接触させる工程および1,1,2,2−テトラフルオロエタンを混合物から分離する工程による、1,1,2,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンの両方を含有する混合物から1,1,2,2−テトラフルオロエタンを分離する方法に関する。
他の実施形態において、本発明は、混合物を1,1,2,2−テトラフルオロエタンが1,1,1,2−テトラフルオロエタンよりも大幅に可溶性である少なくとも1種のイオン液体と接触させる工程および1,1,1,2−テトラフルオロエタンを混合物から分離する工程による、1,1,2,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンの両方を含有する混合物から1,1,1,2−テトラフルオロエタンを分離する方法に関する。
さらなる実施形態において、本発明の方法は、1,1,2,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンの混合物をイオン液体と蒸留カラム中に接触させることにより簡便に実施され得る。
抽出蒸留プロセスの概略的なプロセスを示す。 抽出蒸留プロセスの概略的なプロセスを示す。
本発明は、化合物の両方の異性体を含有する混合物から、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)または1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)のいずれかを分離するための方法に関し、ここで、少なくとも1種のイオン液体が分離効率を高めるために用いられる。イオン液体は、ごくわずかな揮発性を示すと共に引火性ではないために、この目的のための使用に適切である。R−134が混合物から分離されるべき場合には、R−134およびR−134aの混合物が、R−134aがR−134よりも大幅に可溶性である少なくとも1種のイオン液体と接触され、次いで、R−134が混合物から分離される。逆に、R−134aが混合物から分離されるべき場合には、R−134およびR−134aの混合物がR−134がR−134aよりも大幅に可溶性である少なくとも1種のイオン液体と接触され、次いで、R−134aが混合物から分離される。
本発明の説明においては、以下の定義構造が、この明細書において多様に利用されている一定の用語法について提供されている。
「アルカン」または「アルカン化合物」とは、一般式C2n+2を有する飽和炭化水素化合物であり、直鎖、分岐または環状化合物であり得る。
「アルケン」または「アルケン化合物」とは、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含有すると共に、直鎖、分岐または環状化合物であり得る不飽和炭化水素化合物である。アルケンは最低でも2個の炭素を必要とする。環状化合物は最低でも3個の炭素を必要とする。
「芳香族」または「芳香族化合物」は、ベンゼンおよび化学的挙動がベンゼンと似ている化合物を含む。
「共沸物」または「共沸組成物」とは、共沸物の液体の部分的な蒸発または蒸留により生成された蒸気が、蒸発または蒸留される元の液体と同一の組成を有する、すなわち、混合物は組成変化を伴わずに蒸留/還流されるという事実に関して、単一の物質として挙動する2種以上の物質の定沸点混合物である。定沸組成物は、これらは、同一の構成成分の非共沸混合物のものと比して最大または最低沸点のいずれかを示すため、共沸として特徴付けられる。共沸組成物はまた、一定の温度での組成に応じた蒸気圧と相対的な、蒸気圧における最低または最大により特徴付けられる。
「擬共沸組成物」は、定沸性特徴を有する、または沸騰または気化されたときに分画されない傾向を有する組成物である。従って、形成された蒸気の組成は、元の液体組成物と同一または実質的に同一である。沸騰または気化の最中に、液体組成物は、若し変化するとしても、最低限またはごくわずかな程度でのみ変化する。擬共沸組成物はまた、所与の温度での、組成物中の構成成分のモル分率の関数での組成物蒸気圧のプロットにおける最大または最低蒸気圧に隣接する領域によって特徴付けられることが可能である。組成物は、元の組成物の約50重量パーセントが気化され、または蒸発されて残留組成物が生成された後に、元の組成物と残留組成物との間での変化が、元の組成物に比して約6重量%以下、および度々約3重量%以下であれば、擬共沸物である。
共沸物、共沸組成物または擬共沸組成物はまた、以下の要因が適用され得る様式によって例示されるとおり、既存の条件に応じて多くの外観で見られ得る沸点が近く、実質的に定沸性または定沸性の混合物としても特徴付けられ得る。
1)異なる圧力では、これらの種類の混合物の組成上の含有量は、沸点温度と同様に、少なくともいくらかの程度で変化するであろう。それ故、このような混合物は、その構成成分間に独自の種類の関係を示すが、典型的には、温度および/または圧力に依存する変動的な組成上の含有量を有するであろう。従って、固定的な組成上の含有量ではなく組成上の含有量の範囲が、度々、混合物を定義するために用いられる。
2)これらの種類の混合物は特定の組成上の含有量ではなく所与の圧力での沸点により特徴付けられることが可能であり、その測定は、測定を行うために利用可能な分析器具により制限されていると共に、これらにのみ応じた精度である。
3)これらの種類の混合物における各構成成分の沸点および重量(またはモル)パーセント含有量の両方は、混合物が異なる圧力で沸騰させられたときに変化し得る。それ故、このような混合物は、その構成成分の間に存在する固有の関係の観点で、または特定の圧力での固定の沸点の観点でのその中の各構成成分の正確な重量(またはモル)パーセントの観点で定義され得る。
「抽出剤」とは、混合物に追加されたときに、これらの構成成分がより容易に相互に分離され得るよう構成成分の少なくとも2種の比揮発度を変化させるような態様でその混合物の構成成分と相互作用する、溶剤などの化合物である。本明細書において用いられる場合、抽出剤は「有効量」で用いられ、これは、構成成分の混合物に追加されたときに、一方の構成成分の揮発度を他方の構成成分の揮発度と相対的に高めて、より揮発性の構成成分の混合物からの分離を許容させる量である。
「抽出蒸留」とは、共沸物、共沸組成物または共沸様組成物などの混合物の構成成分に抽出剤が添加されて、その構成成分の分離を促進させる方法である。抽出剤は、混合物中の構成成分の1種以上と選択的に相互作用し(しかしながら、一緒に反応はしない)、これは、典型的には、蒸留カラムの上部供給点で導入され、一方、分離が必要とされる混合物は、同じところから、または好ましくは、抽出剤のカラムの供給点より比較的下方で導入される。抽出剤は、カラム中に配置されたトレーまたは充填材を下方に通過し、分離されるべき混合物の1種以上の構成成分と共にカラム底部を出る。抽出剤の存在下にある間に、分離されるべき構成成分の少なくとも1種は、混合物の他の構成成分と比して比較的より揮発性となり、初期の混合物のより揮発性の構成成分がカラムの頂部から出る。
「フッ素化イオン液体」は、カチオンまたはアニオンの一方に少なくとも1つのフッ素を有するイオン液体である。「フッ素化カチオン」または「フッ素化アニオン」は、それぞれ、少なくとも1つのフッ素を含むカチオンまたはアニオンである。
「フルオロカーボン」または「フルオロカーボン化合物」とは、フッ素および炭素を含む化合物である。フルオロカーボンまたはフルオロカーボン化合物は、塩素または水素などの他の原子を含有し得る。
「高沸点共沸物」とは、任意の所与の圧力で、その圧力で個別に沸騰するであろうその中の構成成分の任意の1種よりも高い温度で沸騰する共沸物、共沸組成物または共沸様組成物である。高沸点共沸物はまた、任意の所与の温度で、その温度でその中の構成成分が個別に有するであろうより低い蒸気圧を有する任意の共沸物、共沸組成物または共沸様組成物であり得る。
「ヒドロフルオロカーボン」または「ヒドロフルオロカーボン化合物」とは、フッ素、炭素、および少なくとも1個の水素原子を含む化合物である。
「ハロゲン」とは、臭素、ヨウ素、塩素またはフッ素原子である。
「ヘテロアリール」基はヘテロ原子を有する芳香族基である。
「ヘテロ原子」とは、アルカニル、アルケニルまたは芳香族化合物の構造中の炭素以外の原子である。
「不純物」とは、R−134およびR−134aを含有する混合物中のR−134またはR−134a以外の化合物である。
「低沸点共沸物」とは、任意の所与の圧力で、その圧力で個別に沸騰するであろうその中の構成成分の任意の1種よりも低い温度で沸騰する共沸物、共沸組成物または共沸様組成物である。低沸点共沸物はまた、任意の所与の温度で、その温度でその中の構成成分が個別に有するであろう蒸気圧より高い蒸気圧を有する任意の共沸物、共沸組成物または共沸様組成物であり得る。
「からなる群から選択される少なくとも1つの構成要素で任意により置換される」とは、アルカン、アルケン、アルコキシ、フルオロアルコキシ、パーフルオロアルコキシ、フルオロアルキル、パーフルオロアルキル、芳香族またはヘテロアリールラジカルまたは部分を参照している場合には、ラジカルまたは部分の炭素鎖上の1つ以上の水素が、置換基の引用された群の構成要素の1つ以上で独立して置換され得ることを意味する。例えば、置換された−Cラジカルまたは部分は、これらに限定されないが、基または置換基がF、IおよびOHからなる、−CFCF、−CHCHOHまたは−CFCFIであり得る。
混合物中の構成成分iおよびjに関する「選択性」∝ijは、構成成分iの無限希釈活動係数対構成成分jの無限希釈活動係数の比であり、構成成分iおよびjは、分離プロセスに供される状態では無限希釈度で混合物中に存在する。
「分離する」または「分離するために」とは、1種以上の構成成分を混合物から除去することを指す。種々の実施形態において、分離する、または分離するためには、1種以上の構成成分の混合物からの部分的なまたは完全な除去を指し得る。精製が必要である場合には、構成成分の完全な除去を達成するために一連の分離ステップが必要となり得る。次の分離工程は、最初の分離工程と同様に、例えば、蒸留、ガスストリッピング、クロマトグラフィおよび/または気化などの方法により実施され得る。
「真空」とは、1bar未満であるが、抽出蒸留器具における実際の使用については10−4bar超の圧力である。
共沸物、共沸組成物または共沸様組成物を形成する傾向のために、R−134およびR−134aは分離が極めて困難である。従って、イオン液体が、これらの構成成分のこれらの混合物からの分離の効率を高めるために用いられる。R−134およびR−134aの両方を含有する混合物の分離効率を高めるための本明細書における使用に好適なイオン液体は、原理上は、R−134がR−134aよりも可溶性であるか、またはR−134aがR−134より可溶性である任意のイオン液体であることが可能である。好ましくは、分離効率を最大とするために、イオン液体は、これらの2種の混合物構成成分の一方について高い溶解度を有しているべきであり、これにより、これら2種の構成成分の高効率の分離が許容される。
イオン液体、またはこれらの2種以上の混合物が、本明細書における方法において、R−134およびR−134aの混合物におけるこれらの分離を促進させるために用いられ得る。イオン液体は、室温(およそ25℃)で液体である有機化合物である。これらはきわめて低い融点を有する点でほとんどの塩とは異なり、および、これらは、一般に、広い温度範囲にわたって液体である傾向にある。これらはまた、一般に、非極性炭化水素に不溶性であり;水と不混和性であり(アニオンに応じて);および高度に電離性である(しかし、低い絶縁耐力を有する)傾向にある。イオン液体は、実質的に蒸気圧を有さず、ほとんどが空気および水に対して安定であり、ならびに、これらは、中性、酸性または塩基性のいずれかであることが可能である。
本明細書で有用なイオン液体のカチオンまたはアニオンは、原理上は、カチオンおよびアニオンが一緒になって約100℃以下で液体である有機塩を形成するような、任意のカチオンまたはアニオンであることが可能である。しかしながら、イオン液体の特性は、カチオンおよび/またはアニオンのアイデンティティを変更することにより調整することが可能である。例えば、イオン液体の酸性度は、用いられるルイス酸のモル均等物および種類ならびに組み合わせを変更することにより調整することが可能である。
多くのイオン液体は、好ましくは芳香族複素環といった窒素含有複素環と、アルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキル)とを反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、イオン交換または種々のルイス酸またはこれらの共役塩基との他の好適な反応を実施してイオン液体を形成することにより形成される。好適な芳香族複素環の例としては、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピロールおよび置換ピロールが挙げられる。これらの環は、事実上すべての直鎖、分岐または環状C1〜20アルキル基でアルキル化されることが可能であるが、好ましくは、アルキル基は、これより大きい基はイオン液体ではなく低融点固形分を生成し得るため、C1〜16基である。種々のトリアリールホスフィン、チオエーテルおよび環状および非環状第4級アンモニウム塩もまた本目的のために用いられ得る。用いられ得る対イオンとしては、クロロアルミネート、ブロモアルミネート、塩化ガリウム、テトラフルオロボレート、テトラクロロボレート、ヘキサフルオロリン酸イオン、硝酸イオン、トリフルオロメタンスルホネート、メチルスルホネート、p−トルエンスルホネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロひ酸、テトラクロロアルミネート、テトラブロモアルミネート、過塩素酸イオン、水酸化物アニオン、二塩化銅アニオン、三塩化鉄アニオン、三塩化亜鉛アニオン、ならびに種々のランタン、カリウム、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、および他の金属含有アニオンが挙げられる。
イオン液体はまた、塩メタセシスにより、酸−塩基中和反応により、または選択された窒素含有化合物の4級化により合成され得;または、これらは、メルック(Merck)(独国、ダルムスタット(Darmstadt,Germany)またはBASF(ニュージャージー州マウントオリーヴ(Mount Olive,NJ)などの数々の会社から商業的に入手し得る。
有用なイオン液体の代表例は、J.Chem.Tech.Biotechnol.、68:351〜356ページ(1997年);Chem.Ind.、68:249〜263ページ(1996年);J.Phys.Condensed Matter、5:(追補34B):B99−B106(1993年);Chemical and Engineering News、1998年3月30日、32〜37ページ;J.Mater.Chem.、8:2627〜2636ページ(1998年);Chem.Rev.、99:2071〜2084ページ(1999年);および米国特許出願公開第2004/0133058号明細書(本明細書の一部として援用される)などの資料に記載されている。本明細書の一実施形態においては、例えば、特定のカチオン(第4級アンモニウムカチオンなど)の種々のアルキル誘導体を調製し、および関連するアニオンを変更することにより、イオン液体のライブラリ、すなわち、複合ライブラリが調製され得る。
本発明の種々の異なる実施形態において、使用に好適なイオン液体は以下の式に示されるものから選択されるカチオンを有し得る。
Figure 2010528012
Figure 2010528012
式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立して:
(i)H、
(ii)ハロゲン、
(iii)任意によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素で置換される、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(iv)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素で任意により置換される、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(v)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C20非置換アリール、またはC〜C25非置換ヘテロアリール、および
(vi)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換アリール、またはC〜C25置換ヘテロアリールであって、
(1)任意によりCl、Br、F I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素で置換される−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する前記置換アリールまたは置換ヘテロアリール、
からなる群から選択され、
、R、RおよびR10は、独立して、
(vii)任意によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素で置換される、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(viii)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素で任意により置換される、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(ix)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25非置換アリール、またはC〜C25非置換ヘテロアリール、および
(x)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換アリール、またはC〜C25置換ヘテロアリールであって、
(1)任意によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素で置換される、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH,および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する前記置換アリールまたは置換ヘテロアリール、
からなる群から選択され、ならびに
式中、任意により、R、R、R、R、R、R6、、R、RおよびR10の少なくとも2つは一緒に環状または二環式アルカニルまたはアルケニル基を形成していてもよい。
他の実施形態において、本発明に有用であるイオン液体はフッ素化カチオンを含み、ここで、R、R、R、R、R、R6、、R、RおよびR10から選択される構成要素の少なくとも1つがFを含む。
他の実施形態において、イオン液体は、[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCNからなる群から選択されるアニオン;および好ましくは任意のフッ素化アニオンを有する。本発明のフッ素化アニオンとしては、[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON];およびFが挙げられる。他の実施形態において、イオン液体は、上述のとおり、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択されるカチオンと;[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCN;および任意のフッ素化アニオンからなる群から選択されるアニオンとを含む。さらに他の実施形態において、イオン液体は、上述のピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択されるカチオンと;[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]、[PF(C、およびFからなる群から選択されるアニオンとを含む。
さらに他の実施形態において、イオン液体は、上述のとおり、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択されるカチオンと(ここで、R、R、R、R、R、R6、、R、RおよびR10から選択される構成要素の少なくとも1つがFを含み);および[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCN;および任意のフッ素化アニオンからなる群から選択されるアニオンとを含む。さらに他の実施形態において、イオン液体は、上述のとおり、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択されるカチオンと(ここで、R、R、R、R、R、R6、、R、RおよびR10から選択される構成要素の少なくとも1つがFを含む);[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]、およびFからなる群から選択されるアニオンとを含む。
より特定的な実施形態において、本発明に有用なイオン液体は:
a)カチオンとしてイミダゾリウムまたはピリジニウム、および[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]、[CHOSOからなる群から選択されるアニオン;
b)カチオンとして1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、および[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]からなる群から選択されるアニオン;
c)カチオンとして1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、および[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、および[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]からなる群から選択されるアニオン;
d)カチオンとして1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、およびアニオンとして[(CFCFSON]、[PF、および[HCFCFSO
e)カチオンとして1,3−ジメチルイミダゾリウム、および[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、および[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]からなる群から選択されるアニオン;
(f)カチオンとして3−メチル−1プロピルピリジニウム、およびアニオンとして[(CFSON];ならびに
(g)カチオンとして1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、およびアニオンとして[PF(C
を含む。
本発明の種々の他の実施形態において、本明細書に記載または開示の個別のカチオンのいずれかを選択することにより、および本明細書に記載または開示の個別のアニオンのいずれかを選択することにより形成されるイオン液体は、これが含有される混合物からの構成成分としてのR−134またはR−134aのいずれかの分離をもたらす目的のために用いられ得る。対応して、さらに他の実施形態において、(i)その総ての群の個別の構成要素のすべての種々の異なる組み合わせで本明細書に記載および開示のカチオンの総ての群から得られるカチオンのいずれかのサイズのサブグループ、および(ii)その総ての群の個別の構成要素のすべての種々の異なる組み合わせで本明細書に記載および開示のアニオンの総ての群から得られるアニオンのいずれかのサイズのサブグループ、を選択することにより形成されるイオン液体のサブグループは、これが含有される混合物からの構成成分としてのR−134またはR−134aのいずれかの分離をもたらす目的のために用いられ得る。前述のとおり選択を行うことによるイオン液体、またはイオン液体のサブグループの形成において、イオン液体またはサブグループは、選択を行うためにそれらの総ての群から除外されているカチオンおよび/またはアニオンの群の構成要素が無くても用いられることとなり、および、所望の場合には、この選択は、それ故、使用のために包含される群の構成要素ではなく、使用が除外される総ての群の構成要素の観点でなされ得る。
本発明において特に興味深い系は、イオン液体中へのR−134またはR−134aのいずれかの溶解度を増加させ得る、種々のフッ素化種相互間および/またはこれらの間での有用な相互作用が何であるかという点を考慮した、混合物へのフッ素化アニオン、フッ素化カチオンまたは両方を有するイオン液体などの少なくとも1種のフッ素化イオン液体の添加により、R−134またはR−134aのいずれかが、他の異性体とともに含有される混合物から構成成分として分離されるものである。
R−134およびR−134aは、分離された純粋な状態では、それぞれ、−19.59℃(R−134)および−26.11℃(R−134a)の標準沸点を有する。混合物中で共沸物、共沸組成物または共沸様組成物を形成するこれらの構成成分の傾向により、これらの近い沸点が、従来の方法によるR−134およびR−134aの効率的な分離をきわめて困難とする。本発明の方法が、従って、これら2種の異性体を分離するためになされる試みの効率を向上させるために必要であり、および混合物を少なくとも1種のイオン液体と接触させる工程によりこれを成す。これは、混合物の異性体の構成成分の少なくとも1種は、他の構成成分より、イオン液体における溶解性に劣ることとなり、好ましくはかなり溶解性に劣ることとなるために有利である。溶解度におけるこの差異が、この構成成分が揮発などにより除去されるとき、イオン液体中に溶解性である範囲では、混合物から除去されずにその中に残留する傾向にあることとなるために、より溶解性の構成成分はより制限された程度で除去されることとなり、好ましくは、全く除去されないこととなるために、溶解度のより低い構成成分の混合物からの分離を促進する。
本発明の分離方法は、例えば、抽出蒸留などの技術により実施され得る。抽出蒸留においては、従来の蒸留と同様に、温度および圧力制御の利用が混合物中の少なくとも1種の個別の構成成分の揮発を可能とし、および揮発された構成成分は、別の流れの中に補足され、ここで、混合物とは別に凝縮され、それ故、この混合物から除去される。抽出蒸留においては、しかしながら、混和性の、高沸点の、比較的非揮発性の構成成分混合物には、低い蒸発時の潜熱を有し、混合物中の構成成分のいずれとも共沸物を形成せず、および混合物中の構成成分のいずれとも化学的に反応しない抽出剤が添加される。この抽出剤は、混合物の種々の構成成分と別々に相互作用し、これにより、これらの比揮発度を変化させると共に、およびそうしなければ存在することとなるであろういずれかの共沸物、共沸組成物または擬共沸組成物を「破壊する」よう、特別に選択される。この抽出剤は、混合物の少なくとも1種の他の構成成分よりも、混合物の構成成分の1種以上がより溶解性であり、好ましくはさらにより溶解性である物質であるよう選択される。抽出剤に対する溶解性に劣る構成成分は、その結果、抽出剤に対してより溶解性である構成成分より容易に揮発され、混合物から分離され得る。液体形態において有するものと基本的に同一の組成比で揮発するという共沸物、共沸組成物または擬共沸組成物の構成成分が通常有する傾向は、それ故、抽出剤の混合物中の存在により変性され、これは、混合物の少なくとも1種の構成成分を、少なくとも1種の他の構成成分より大きな程度にまで可溶化させることにより、選択された温度および圧力で、混合物から放散された揮発物の流れの組成上の含有量に対応する変化をもたらす。混合物中における抽出剤の存在により他のものより揮発性とされる構成成分は、次いで、選択された温度および圧力で、他の構成成分よりかなり高い濃度で、蒸気として混合物から除去される。より溶解性で、揮発性の低い構成成分は混合物中に抽出剤と共に残留し、および抽出剤の選択のための他の基準は、抽出剤が、混合物の残留する高溶解度、低揮発性構成成分から容易に分離される物質であることである。
種々の実施形態において、抽出剤として、混合物中の2種の構成成分の沸点の低いものをこれらの2種の構成成分のより揮発性のものともする物質を評価することが所望され得る。例えば、2種の構成成分の沸点の高いものよりも、沸点の低いものに対してより大きな化学的類似点を有する物質が、このような実施形態において抽出剤として用いられるために評価され得る。種々の他の実施形態において、抽出剤としての選択のための物質の評価において考慮され得る判断基準は、その物質が、2種の構成成分の沸点の低いものと共にラウールの法則から正の偏差を生じさせるかどうか、または2種の構成成分の沸点の高いものと共にラウールの法則から負の偏差を生じさせるかどうかである。
本発明の分離方法が抽出蒸留により実施される場合、イオン液体が抽出剤として用いられる。抽出剤の混合物、それ故、抽出剤としてのイオン液体の混合物もまた、所望の程度の分離を達成するために有用であり得る。一実施形態においては、抽出剤の混合物は、一方の抽出剤が、2種の構成成分の高い揮発度を有する方に高い選択性を有すると共に、他方の抽出剤がその構成成分を可溶化させる高い能力を有するよう選択され得る。他の実施形態において、イオン液体の混合物は、少なくとも2種のヒドロフルオロカーボン化合物を含む混合物の構成成分を、複数の、個別の分離工程を用いることにより分離するために用いられ得る。
本発明の分離方法が抽出蒸留により実施される場合、これは、図1の概略図に示されるものなどの蒸留カラムにおいて有利に実施され得る。図1のカラムにおいては、セパレータ要素1が、混合物中の抽出剤の存在によってより揮発性(低可溶性)とされる混合物構成成分である塔頂生成物の抽出剤からの分離のために用いられる。抽出剤としてのイオン液体の利用は、典型的には、イオン液体の揮発度がごくわずかであるために、塔頂生成物7中における抽出剤の存在が基本的に排除されるという利点を有する。カラムを出る塔頂または留出物流は、還流凝縮器を用いて凝縮され得る。この凝縮された流れの少なくとも一部分がカラムの頂部に還流として戻されることが可能であり、残りが生成物として回収され、または任意の処理のために回収される。還流としてカラムの頂部に戻される凝縮された材料対留出物として除去された材料の比は、通例、還流比として称される。抽出蒸留において、抽出剤は、イオン液体中により可溶性である少なくとも1種の混合物構成成分と一緒にカラムの底から出る。これらは第2の分離ステップに送出され、ここで、抽出剤およびより可溶性である方の構成成分が分離され回収され得る。抽出剤は、再利用のために抽出蒸留カラムに再循環されてもよい。
好ましくは凝縮器の下のカラムの頂部に近い濃縮セクションに配置されている、または精留セクションの底に配置されている入口2から抽出剤の流れが進入し、ここで、意図されずに揮発したいずれかの量の抽出剤が、混合物の高揮発性、低溶解性構成成分から分離される。抽出剤としてのイオン液体は、次いで、カラム中を、高揮発性構成成分およびおそらくは分離されるべき混合物の他の構成成分の上昇流と相対的に向流方向に下方に進む。混合物はストリッピングセクション上の入口4から進入し、未だ抽出剤と混合されている高揮発性構成成分のいずれもが最終的に蒸発される。分離されるべき混合物の入口供給物は液体または気体形態であり得、この混合物がカラムに供給されたときに液体形態である場合には、その高揮発性構成成分は、その目的のために選択されるであろうカラムの温度および圧力条件によって揮発されることとなる。カラム中を上方に移動する蒸気は、連続的に混合物の高揮発性構成成分の含有量が富化され、カラム中を下方に移動する液体は、その高揮発性構成成分の含有量が連続的に低減される。
セパレータ要素3および5は、缶出生成物6として抽出剤と一緒にカラムを出る揮発度が低い方の、より可溶性構成成分からの、塔頂生成物7としてカラムを出る高揮発性、低溶解性構成成分の大規模な分離を達成する目的のために所望される十分な気体−液体接触が存在する、カラムの高さに沿った有用な数のステージを備える。セパレータ要素は、プレート、または並んでいるあるいは無秩序な充填剤のいずれかであることが可能である。いずれの事象においても、目的は、蒸気化された揮発性の高い構成成分の上昇流と接触させるための液体抽出剤の下向きのカスケードをもたらすことである。プレートが用いられる場合には、液体は、1枚のプレートからその縁部上を次々に流れ得、または液体は、揮発された構成成分が中を通って上昇してくるプレート中の同一の孔を通って流れ得る。いずれの事象においても、目的は、落下してくる液体によるカラムの冠水を防ぐに十分に高いが、蒸気が、液体との十分な接触時間が得られずにカラムから押し出されてしまうほどには高くない上方蒸気流の流速をもたらすことで、一貫した気体−液体接触の最大残留時間を達成することである。
分離されるべき混合物の量の観点では、存在し得るいずれかの共沸物、共沸組成物または擬共沸組成物を「破壊」するために必要である、ならびに、商業的に実行可能な収率および割合での混合物からの構成成分の少なくとも1種の他のものからの分離を可能とする最低量の抽出剤がある。抽出剤の量対供給物の量の比、(ここで比中の用いられた抽出剤の量が上述の最低量である)においては、比の値は、例えば、約2〜約4の範囲に設定され得る。5を超える供給物比は、カラム中のステージ数を減らすことができるという観点では特別な利点をもたらさないことが時々見出されているが、より高いまたはより低い供給物比が、約0.1〜約25の範囲内の抽出剤対供給物のモル比などの状況に従って、本明細書において用いられ得る。
次いで、抽出剤は、揮発度が低い方の、より可溶性構成成分と一緒に個別のステップにおいて混合物から除去され、入口2でのカラムへの再導入のためにカラムに再循環される。この抽出剤は、単純な気化による再生を含む種々の分離操作を用いて缶出生成物6から分離され得る。流下膜式または回転式蒸発器などの薄膜蒸発器が、連続的な気化のために通例用いられる。非連続的な濃縮方法においては、再生された抽出剤としてのイオン液体が連続的に蒸留カラムに戻されることが可能であるよう、2つの蒸発器ステージが相互に実施される。抽出剤はまた、イオン液体の蒸気圧は基本的にはゼロであるため、ストリッピングカラムにより再生されることが可能である。イオン液体を抽出剤として回収するための代替的な手段は、多くのイオン液体は0℃未満では固化することが可能であるという事実による利点を利用する。これらの事例において、経済的なイオン液体の分離は、冷却して固体相を形成することにより達成することが可能である。缶出生成物はまた、冷却、蒸発、または真空結晶化などの技術を用いて析出させることが可能である。
抽出蒸留のこれらおよび他の態様が、ペリー化学技術者ハンドブック(Perry’s Chemical Engineers’ Handbook)、第7版、(マグローヒル(McGraw−Hill)、1997年における、第13章、「蒸留(Distillation)」)などの周知の文献においてさらに検討されている。
本発明の分離方法が抽出蒸留により実施される場合、混合物が複数の分離されるべき構成成分を含有する系においては、2つ以上の蒸留カラムが必要とされ得る。例えば、沸点が近似しない構成成分が、第1の蒸留カラムを用いて混合物から分離され除去され得、共沸物、共沸組成物または擬共沸組成物が、次いで、第2の蒸留カラムを用いて分離されることが可能である。イオン液体は、蒸留カラムの一方または両方について抽出剤として使用され得る。例えば、R−134またはR−134aのいずれかを1種のイオン液体を用いて分離することが所望される場合、構成成分の一方は、カラムの頂部から回収され得、一方で、第2の構成成分およびイオン液体はカラムの底から回収されることが可能である。第2の構成成分およびイオン液体を含む混合物は、次いで、第2の蒸留カラム(またはフラッシュタンク)を用いて分離されることが可能であり;第2の構成成分は、第2のカラム(またはフラッシュタンク)の頂部から回収されることが可能であり、およびイオン液体は、カラムの底(またはフラッシュタンク)から回収され、第1の蒸留カラムに再利用して戻されることが可能である。
本発明の分離方法が抽出蒸留により実施されるとき、分離されるべき混合物の個別の構成成分は、いずれかの特定の時間でのカラム中のそれらの位置(これらの位置および時間で、これらは、再沸器温度〜凝縮器温度の範囲の温度、ならびに真空〜臨界圧の範囲の圧力に供され得る)に応じて、混合物中のすべての構成成分と抽出剤との総重量と相対的に、約0.05〜約99.95モルパーセントの範囲の対応する濃度を有し得る。
抽出蒸留方法は、至適な分離のための適切な条件に応じて供給物、再沸器および凝縮器温度を変更して操作される。典型的な抽出蒸留方法は、水で5〜10℃の温度に冷却された、または塩水あるいはエチレングリコールによって0〜−40℃のさらに低い温度に冷却された凝縮器および/または供給組成物で操作され得る。いくつかの場合において、抽出蒸留カラムが約1気圧での化合物の標準沸点に近い温度で作動する場合、供給物および/または凝縮器は、ガスを−40〜−80℃のより低い温度に冷却し得る。再沸器は、カラムの作動圧力および分離される化合物の同一性に応じて広い温度範囲で作動することが可能であり、フッ素化化合物の場合には、約−80〜約240℃の温度範囲であることが可能である。蒸留システムの動作圧力は、約−100kPa〜約3.45MPaの範囲であり得、典型的には、約101.3kPa〜約2.76MPaである。典型的には、分離されるべき混合物の供給割合に比した抽出剤供給割合の増加は、これらの除去される化合物に関しては、回収される生成物の純度を高める。分離されるべき混合物の供給割合に比した抽出剤供給割合のモル比は、約0.1〜約25の範囲、および典型的には約1〜約10の範囲であり得る。通常、還流比を高めると高い留出物流純度がもたらされる。一般に、還流比は、1/2〜200/1の範囲である。存在する場合には、カラムの頂部に隣接して配置される凝縮器の温度は、通常、カラムの頂部から出る留出物を実質的に完全に凝縮するために十分であるか、または、この温度は、部分的凝縮により所望の還流比を達成するために必要とされる温度である。
ここで図2を参照すると、R−134およびR−134aの両方を含有する混合物からR−134aを分離するための抽出蒸留システムのプロセスフローチャートが示されており、ここで、抽出剤は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([emim][TfN])などの、R−134がR−134aより可溶性である少なくとも1種のイオン液体である。イオン液体の抽出剤としての利用は、その揮発度がごくわずかであるために塔頂生成物における抽出剤損失が実質的に皆無であり;従って、抽出剤供給点より上に如何なる分離ステージも有することを必要とする可能性がないという利点を有する。R−134およびR−134aを含む供給混合物は、流路100を介して、典型的には抽出蒸留カラム101における中間位置に供給される。少なくとも1種のイオン液体を含む抽出剤は、流路102を介して、抽出蒸留カラム101に、カラム中において134/134a混合物の供給点よりも高い供給点(すなわち、分離ステージ)から供給される。カラム101からの塔頂留出物103は、濃縮されたR−134aを含有し、供給混合物と比してR−134が低減されており、および実質的に抽出剤を含まない(<0.1%)。抽出剤およびR−134を含み、供給混合物に比してR−134aが低減された流れは、カラム101の底から流路104を介して除去され、加熱あるいは冷却することができる、および/または流圧を増加または低減させることができる任意の器具105に移される。
任意の器具105は、材料流の温度、圧力、および/または相変化を達成するための熱交換器、ポンプ、バルブ、および/またはいずれかの他のデバイスであり得る。任意の器具105から、抽出剤およびR−134を含み、実質的にR−134aを含まない材料流が、流路106を介して抽出剤回収ユニット107に移される。抽出剤回収ユニット107は、イオン液体抽出剤およびR−134を含む流れを、流路108を介して除去される抽出剤を実質的に含まないR−134流と、流路109を介して除去されると共に任意の器具110に移され、そこから、任意により、流路102を介して抽出蒸留カラム101に抽出剤流として戻される、実質的にR−134およびR−134aを含まない抽出剤流とに分離する。抽出剤回収ユニット107は、低沸点化合物を実質的に非揮発性のイオン液体を含む抽出剤から分離することができる任意の分離プロセスから構成されていることが可能である。このような分離プロセスとしては、特にガス(例えば空気または窒素)または凝縮性蒸気(例えば水蒸気)の存在下でのストリッピングであるが、ただし、ガスまたは蒸気が低沸点化合物またはイオン液体とネガティブに相互作用しないストリッピングといったストリッピング、高温および/または減圧下でのフラッシング、特に流下膜式蒸発またはWFE薄膜蒸発といった蒸発が挙げられる。
イオン液体を回収するための代替的な手段が、多くのイオン液体は0℃未満で固化するという事実を利用する。これらの場合において、イオン液体の分離は、冷却して固体相を形成することにより達成することが可能である。イオン液体は、精製されたR−134を残して固体形態で得られる。任意の器具110は、熱交換器、ポンプ、バルブ、および/または材料流の温度、圧力、および/または相変化を達成するための任意の他のデバイスであり得る。流路108を介して除去されるR−134流は抽出剤を実質的に含まない。
供給混合物中または分離されたR−134またはR−134a流(すなわち、それぞれ流れ108および流れ103)中に存在する不純物は、1つ以上の追加の分離ステップ(図示せず)を用いることで分離することが可能である。1つ以上の追加の分離ステップは、R−134またはR−134aが混合物から分離される抽出蒸留カラムの前に配置されることが可能であり、または、前記抽出蒸留カラムの後に適切に配置されることが可能である。これらの流れ中に存在する不純物のいずれかが分離される必要があるであろうかどうかは、この方法により得られる生成物の用途に応じることとなる。
上述した図2中のものと同様のプロセスもまた、上述の技術を用いる抽出蒸留を実施するためのイオン液体を選択することにより、R−134およびR−134aを両方含有する混合物からR−134を分離するために用いられることが可能である。分離されたR−134および/またはR−134a流は、液体としてまたは蒸気として部分的にまたは完全に従来の手段により回収されることが可能である。
例えば、本明細書において提供される方法の一実施形態においては、(a)R−134およびR−134aの混合物がイオン液体と接触されて第2の混合物が形成され得、(b)この第2の混合物が蒸留により処理され得、(c)R−134が蒸留−カラム塔頂流として回収され得、ならびに、(d)R−134aおよびイオン液体が蒸留−カラム底流として回収され得る。逆に、他の実施形態においては、(a)R−134およびR−134aの混合物がイオン液体と接触されて第2の混合物が形成され得、(b)この第2の混合物が蒸留により処理され得、(c)R−134aが蒸留−カラム塔頂流として回収され得、ならびに、(d)R−134およびイオン液体が蒸留−カラム底流として回収され得る。
2種の構成成分iおよびjの二元混合物を蒸留により分離する容易さは、これらの比揮発度により判定することが可能である。揮発度の差が大きいほど、分離は容易である。小さい比揮発度の混合物については、抽出蒸留が分離を容易とするために用いられ得る。抽出蒸留においては、抽出剤が、混合物中の構成成分の1種以上と選択的に相互作用することにより分離に作用する。iおよびjから組成される二元混合物に対する選択性は、化合物iの無限希釈活動係数対化合物jの無限希釈活動係数の比として定義され、ここで、化合物iおよびjは、抽出剤中に無限希釈度で存在する。選択性が一方のものの値から離れているほど、混合物の化合物は抽出蒸留により分離されやすい。普通、選択性は、より揮発性のまたは揮発性に劣る化合物が分子にあるかどうかに応じて、および抽出剤が2種の化合物の揮発度をどのように変性するかに応じて、1.0超または1.0未満であることが可能である。通常、より揮発性の化合物が分子中に位置されると共に、選択性は1.0超の値を有するが、いくつかの場合において、この値は1.0未満であることが可能である。混合物中の構成成分に対する選択比は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第5版、第13巻、第242〜281ページ(2005年)、John Wiley & Sons,Inc.(Hoboken,NJ)などの資料においてさらに検討されている。いずれかの実際的な量の分離を達成するために、1.0超または1.0未満の選択性が必要とされる。本発明の方法の一実施形態においては、選択性は約1.9〜約2.3より大きい。
以下の実施例は、本発明の利点を示すと共に、当業者によるその形成および使用を補助するために提示されている。これらの実施例は、本発明の範囲を如何様にも限定することを意図していない。本発明の操作は、種々のイオン液体におけるR−134およびR−134aの溶解度に関連するデータによって示されている。この研究においては、実施例1に記載されているものなどの選択性を用いて、R−134およびR−134aを分離することが可能である程度を判定した。実施例2は、プロセスシミュレーションプログラム(Aspen Plus(商標);Aspen Technology,Inc.、バージョン13.2(Cambridge,MA))を用いて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([emim][TfN])を抽出剤として用いる抽出蒸留によるR−134aおよびR−134の分離をモデリングした。
一般的方法および材料
以下の命名法および略語が用いられている。
C=濃度(mol・m−3
=浮力(N)
=補正因数(kg)
=初期濃度(mol・m−3
=飽和濃度(mol・m−3
<C>=空間平均濃度(mol・m−3
D=拡散定数(m・s−1
g=重力加速度(9.80665m・s−2
L=長さ(m)
=吸収された質量(kg)
=天秤のサンプル側のi番目の種の質量(kg)
=天秤の分銅側のj番目の種の質量(kg)
IL=イオン液体サンプルの質量(kg)
MW=i番目の種の分子量(kg・mol−1
N=n番目の構成成分
P=圧力(MPa)
=初期圧力(MPa)
t=時間(s)
ci=i番目の種の臨界温度(K)
=i番目の種の温度(K)
=j番目の種の温度(K)
=サンプルの温度(K)
=i番目の種の体積(m
IL=イオン液体の体積(m
=液体サンプル体積(m
Figure 2010528012
=i番目の種のモル分率
z=深さ(m)
λ=固有値(m−1
ρ=ガスの密度(kg・m−3
ρ=天秤のサンプル側のi番目の構成成分の密度(kg・m−3
ρ=天秤の分銅側のj番目の構成成分の密度(kg・m−3
ρair=空気の密度(kg・m−3
ρ=サンプルの密度(kg・m−3
単位
Pa≡パスカル
MPa≡メガパスカル
kPa≡キロパスカル
mol≡モル
m≡メートル
cm≡センチメートル
K≡ケルビン
N≡ニュートン
J≡ジュール
kJ≡キロジュール
kg≡キログラム
g≡グラム
mg≡ミリグラム
μg≡マイクログラム
T≡温度
P≡圧力
mbar≡ミリバール
hまたはhr≡時間
min≡分
℃≡摂氏温度
sec≡秒
kW≡キロワット
kg/s≡キログラム/秒
kg/hr≡キログラム/時間
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸([bmim][PF]、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([emim][TfN]および3−メチル−1−プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([pmpy][TfN]を、Fluka Chemika(Sigma−Aldrich(St.Louis,Missouri)から入手してもよい)から97%超の純度で入手した。1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスヘート[hmim][PF(C]を、Merck & Co.(Gibbstown,NJ)から入手した。
R−134(CHFCHF、分子量102g mol−1、標準沸点−19.6℃)、
R−134a(CHFCF、分子量102g mol−1、標準沸点−26.1℃)、
R−114(CClFCClF、分子量170.9g mol−1、標準沸点3.6℃)、
R−114a(CClFCF 分子量170.9g mol−1、標準沸点3.0℃)、
R−124(CClHFCF、分子量136.5g mol−1、標準沸点−12.0℃)、および
R−124a(CHFCClF 分子量136.5g mol−1、標準沸点−10.2℃)を、DuPont Fluorochemicals(Wilmington,Delaware)から、99%の最低純度で入手した。
R−134、R−134a、R−114、R−114a、R−124、およびR−124a溶解度計測を、重量微量天秤(IGA 003、Hiden Isochema Ltd.(Warrington,UK))を用いて行った。微量天秤は、ステンレス鋼製圧力−容器内の電子天秤とサンプルおよび分銅構成要素とから構成される。この天秤は、0〜100mgの計量範囲を0.1μgの分解能で有する。2.0MPaおよび100℃まで動作が可能である強化型圧力ステンレス鋼(SS316LN)反応器を設置した。およそ60mgのイオン液体サンプルをサンプル容器に追加し、反応器を密閉した。サンプルを乾燥すると共に、先ず、ダイヤフラム・ポンプ(Pfeiffer、モデルMVP055−3(Asslar,Germany))でサンプルに粗真空を引き、次いで、ターボポンプ(Pfeiffer、モデルTSH−071)で反応器を10−9MPaに完全に排気することにより脱気した。深真空下にある間に、遠隔制御された定温浴に接続された外部ウォータージャケット(Huber Ministat、モデルcc−S3(Offenburg,Germany))でこのサンプルを75℃に10時間加熱した。30体積パーセントのエチレングリコールと70体積パーセントの水との混合物を5〜90℃の温度範囲を有する再循環流体として用いた。サンプル質量は、残存水および気体が除去されるに伴って徐々に低減した。一旦質量が少なくとも60分にわたって安定したら、サンプル乾燥質量を記録した。
IGA003は、動的および静的モードの両方で作動することが可能である。動的モード動作はサンプルを通過する連続的な気体流(最大500cmmin−1)をもたらし、排気バルブが設定点圧力を制御する。静的モード動作は、てんびんの上部からサンプルから離して気体を導入し、通気バルブおよび排気バルブの両方が設定点圧力を制御する。すべての吸収計測を静的モードで実施した。
サンプル温度を、±0.1℃の精度を有するタイプK熱電対で計測した。熱電対を、反応器内部のサンプル容器の隣に配置した。ウォータージャケットは、設定点温度に、±0.1℃の典型的な制御精度内で自動的に維持した。4本の等温線(10、25、50および75℃で)を10℃から開始して計測した。
一旦所望の温度が達成されると共に安定したら、通気バルブおよび排気バルブが必要に応じて開閉されて、圧力が第1の設定点に調整される。10−10〜10−2MPaの圧力はキャパシタンスマノメータ(Pfeiffer、モデルPKR251)を用いて計測し、10−2〜2.0MPaの圧力はピエゾ抵抗性ひずみゲージ(Druck、モデルPDCR4010(New Fairfield,CT))を用いて計測した。制御は反応器の圧力設定点を±4〜8kPa内に維持した。圧力ランプ速度を200kPa min−1で設定し、温度ランプ速度を1℃min−1で設定した。ステンレス鋼反応器の圧力上限は2.0MPaであり、数々の等圧線(すなわち、0.1、0.5、1、2、3MPa)を計測した。気液平衡のための十分な時間を確保するために、イオン液体サンプルを、12時間の最大タイムアウトで最低でも3時間にわたって設定点で維持した。実験の器具および手法のさらなる詳細が発表されている(M.B.ShiflettおよびA.Yokozeki、Ind.Eng.Chem.Res.(2005年)44(12)、4453〜4464ページ)。
実施例1
1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)および1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)の分離
この実施例は、無限希釈状態での熱力学的特性に注目している。無限希釈での活動係数γを、[bmim][PF]および[emim][TfN]中に、R−134およびR−134aについて分析した。
[bmim][PF]および[emim][TfN]中でのR−134およびR−134aについての実験溶解度(PTx)データは、[bmim][PF]については実施例3および4において、ならびに、[emim][TfN]については実施例5および10においてまとめられている。データは、非ランダム二液式(NRTL)溶液モデルと相関されている。二元系についてのNRTL(S.I.,Sandler、Chemical and Engineering Thermodynamics、第3版(1999年)、John Wiley and Sons, Inc.(New York)、チャプター7)活動係数(γ)モデルは:
Figure 2010528012
により与えられる。
式中、
12≡exp(−ατ21)、およびG21≡exp(−ατ21) (3)
τ12およびτ21:調節可能な二元相互作用パラメータ。 (4)
α=0.2(本研究においては0.2の定数と仮定した)。温度−依存二元相互作用パラメータ(τij)は:
Figure 2010528012
によりモデリングされる。
蒸気液体平衡(VLE)は、以下の式:
Figure 2010528012
を解くことにより得られる。
本系においては、
Figure 2010528012
と仮定した。それ故、式6はi=1で単に1つの式となり、蒸気相非理想性についての補正因数Φは:
Figure 2010528012
と記載することが可能である。
純粋な種1の第2のビリアル係数B11(T)は、適切な状態方程式モデルで算出することが可能であり、飽和モル液体体積
Figure 2010528012
は、Shiflett,M.B.およびYokozeki,A.(Solubility and Diffusivity of Hydrofluorocarbons in Room−Temperature Ionic Liquids.AIChE J.(2006年)、52、1205ページ)に記載の方法を用いて算出される。純粋な種1の蒸気圧は:
Figure 2010528012
によってモデリングされる。
R−134についての式8中の係数は(A=7.810141、B=2306.21、C=−25.3612)であり、R−134aについては(A=8.10384、B=2432.86、C=−12.3310)であり、ならびに、式8は、VLE(蒸気−液体平衡)臨界温度Tを超えても挿入された仮定的蒸気圧として維持されると仮定した。
本溶解度モデルは、最大で4つの調節可能なパラメータ:
Figure 2010528012
を含む。これらのパラメータは、N個のデータ点についての
Figure 2010528012
の目標関数で非線形最小二乗分析を用いて判定された。[bmim][PF]中でのR−134に対するこれらのパラメータについての最適値は
Figure 2010528012
である。[bmim][PF]中でのR−134aに対するこれらのパラメータについての最適値は
Figure 2010528012
である。[emim][TfN]中でのR−134に対するこれらのパラメータについての最適値は
Figure 2010528012
である。[emim][TfN]中でのR−134aに対するこれらのパラメータに対する最適値は
Figure 2010528012
である。
無限希釈状態は、実際の溶液の単なる制限された(または挿入された)状態であるが、このような状態での熱力学的特性は、溶質および溶剤相互作用に関する重要な生理化学的な理解を提供する。[bmim][PF]中でのR−134およびR−134aの無限希釈での活動係数
Figure 2010528012
は、x=0およびx=1を設定することにより式1から導くことが可能である。
Figure 2010528012
表1は、[bmim][PF]中でのR−134およびR−134aについての温度(T)、飽和蒸気圧
Figure 2010528012
第2のビリアル係数(B11)、ならびに無限希釈での活動係数
Figure 2010528012
を提供する。
Figure 2010528012
無限希釈でのこれらの活動係数
Figure 2010528012
を選択性(αij):
Figure 2010528012
の算出に用い、ここで、構成成分iおよびjは抽出剤[bmim][PF]または[emim][TfN]中に無限希釈度で存在し、iはR−134aを表すと共にjはR−134を表す。分離を達成するために、1.0超または1.0未満の選択性が必要とされる。表2aおよび2b中の選択性(αij)は、[bmim][PF]の抽出剤としての使用は、10〜75℃の温度範囲にわたって、1.5〜1.9を超える選択性をもってR−134aおよびR−134を分離するであろうことを示す。表2中の選択性(αij)は、[emim][TfN]の抽出剤としての使用は、10〜75℃の温度範囲にわたって、1.7〜2.3を超える選択性をもってR−134aおよびR−134を分離するであろうことを示す。
Figure 2010528012
Figure 2010528012
実施例2
1,1,1,2テトラフルオロエタンおよび1,1,2,2テトラフルオロエタンを含む混合物の分離。
Aspen Plus(商標)(Aspen Technology,Inc.、バージョン13.2(Cambridge,MA))プロセスシミュレータを用いて、1,1,1,2テトラフルオロエタン(HFC−134aまたはR−134aとしても公知である)および1,1,2,2テトラフルオロエタン(HFC−134またはR−134としても公知である)を含む混合物の、[emim][TfN]を抽出剤として用いる抽出蒸留による分離をモデリングした。
イオン液体は、きわめて低い蒸気圧を有する非解離性液体として処理した。非ランダム二液式(NRTL)活動係数モデル(S.I.,Sandler、Chemical and Engineering Thermodynamics、第3版(1999年)、John Wiley and Sons, Inc.(New York)、チャプター7)を用いて、イオン液体とフルオロカーボン化合物との間の液体相相互作用をモデリングしすると共に、Peng−Robinson状態方程式を用いて気相をモデリングした。フルオロカーボンR−134、R−134a、R−114、R−114a、R−124、およびR−124aとのイオン液体に対する二元NRTL相互作用パラメータを溶解度実験から得た(P、T、x)データから回帰させた。(溶解度データについては実施例5および10〜14を参照のこと)。
このモデリング実施例においては、組成物66.08重量%R−134a、31.74重量%R−134、0.11重量%R−114、130ppm R−114a、1.89重量%R−124、および0.17重量%R−124aの混合物の100lb/hr(45.36kg/hr)が、32の理論ステージを備えると共に、3.0の還流比で54.7psia(377kPa)で作動する抽出蒸留カラムに供給される。このフルオロカーボン供給物は、約12℃の温度で、カラムの頂部から13番目のステージに供給される。99.5重量%のイオン液体[emim][TfN]、0.49重量%R−134、および110ppmのR−124の組成を有する抽出剤流は、0℃で、抽出蒸留カラムの頂部から2番目のステージに供給される。抽出剤流の質量流量は、フルオロカーボン供給物の質量流量のおよそ4.0倍で制御される。
以下の表3に見られるとおり、これらの条件では、フルオロカーボン供給物中のR−134aの99.7%が、抽出蒸留カラム留出物中に99.0重量%の純度で回収される。加えて、留出物はまた、元の供給混合物中に存在するうちの0.61重量%R−134、すべてのクロロフルオロカーボン(R−114およびR−114a)および約6%のヒドロクロロフルオロカーボン(R−124およびR−124a)を含有する。フルオロカーボン供給物中のR−134の約98.8%が、イオン液体抽出剤および残った画分のR−124およびR−124aと一緒に抽出蒸留カラムの底から出る。抽出蒸留カラムの頂部および底での温度はそれぞれ7.2および80.7℃である。
抽出蒸留カラムからの缶出液流は、バルブ(図1において符号105)を介して17.7psia(122kPa)に減圧されて、部分的に蒸発され、そして、WFE薄膜蒸発器(図1において符号107)に供給される。[emim][TfN]の粘度が過度に高くないために、標準的な流下膜式蒸発器を代わりに用いることが可能である。WFE薄膜蒸発器は17.7psia(122kPa)で作動され、98.7%のR−134を元のフルオロカーボン供給混合物中に含有する蒸気流(図1において符号108)を生成する。この流れは、93.66重量%R−134、5.29重量%R−124、0.59重量%R−134a、0.47重量%R−124a、および検出限界以下の量のイオン液体[emim][TfN]の組成を有する。実質的にすべてのイオン液体[emim][TfN]が濃縮物としてWFE薄膜蒸発器から出る。この流れの温度を適切に維持する一法は、いくらかの量のフルオロカーボンを非揮発性の[emim][TfN]と一緒に残留させることである。この実施例について、0.50重量%、実質的にはすべてのR−134が、回収された[emim][TfN]中に残留する。回収されたイオン液体流れが冷却されると共により高圧に送出され(図1において、両方のステップはブロック110により表されている)、次いで、抽出剤供給物流として抽出蒸留カラムに戻される。
Figure 2010528012
実施例3および4は、それぞれ、[bmim][PF]中の1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)および1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)についての溶解度結果を提供する。これらのデータは、実施例1に示されているとおり、無限希釈での活動係数
Figure 2010528012
を算出するために用いられる。
実施例3
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸[bmim][PF]中での1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[bmim][PF]中でのR−134の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表4が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例4
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸[bmim][PF]中での1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[bmim][PF]中でのR−134aの溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表5が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
追加の実施例5〜9が数々の他のイオン液体中での1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)に対する溶解度結果を提供し、そのすべてがR−134をR−134aから分離するための程度を変更するよう作用する。R−134に対する高溶解度を有する低粘度イオン液体は、1−エチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([emim][TfN]または[emim][BMeI])である。[emim][TfN]中でのR−134に対する溶解度結果が実施例5に示されている。このイオン液体[emim][TfN]はまた、R−134a(実施例10)およびR−134/R−134aを生成するための製造において存在する可能性がある数々の不純物と一緒に計測した。これらのデータが実施例11〜14に示されている。実施例3、4、5および10におけるデータを用いて実施例1における活動係数および理想的な選択性を算出した。しかも、実施例5および10中のデータを、実施例11〜14において見出された、R−114、R−114a、R−124、およびR−124aの溶解度についてのデータと共に、実施例2におけるAspen Plus(商標)モデリングにおいて用いる物理特性パラメータを算出するために用いた。
実施例5
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][TfN]中での1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[emim][TfN]中でのR−134の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表6が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例6
3−メチル−1−プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[pmpy][TfN]中での1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[pmpy][TfN]中でのR−134の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表7が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例7
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスヘート[hmim][PF(C]中での1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[hmim][PF(C]中でのR−134の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表8が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例8
1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチド[dmpim][TMeM]中での1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[dmpim][TMeM]中でのR−134の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表9が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例9
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド[emim][BEI]中での1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[emim][BEI]中でのR−134の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表10が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例10
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][TfN]中での1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.5bar(0.35MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[emim][TfN]中でのR−134aの溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表11が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例11
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][TfN]中での1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−114)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約1.5bar(0.15MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[emim][TfN]中でのR−114の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表12が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例12
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][TfN]中での1,1−ジクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(R−114a)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約1.5bar(0.15MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[emim][TfN]中でのR−114aの溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表13が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例13
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][TfN]中での1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(R−124)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.0bar(0.30MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[emim][TfN]中でのR−124の溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表14が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012
実施例14
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[emim][TfN]中での1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R−124a)の溶解度
約10〜75℃の温度で、0.1bar(0.01MPa)〜約3.0bar(0.30MPa)の圧力範囲にわたって溶解度研究を行い、[emim][TfN]中でのR−124aの溶解度(x)またはモル分率を、重量微量天秤を用いて計測した。表15が、T、Pおよびxについてのデータをそれぞれ提供している。
Figure 2010528012

Claims (20)

  1. 1,1,2,2−テトラフルオロエタンおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含む混合物から1,1,2,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2−テトラフルオロエタンを分離する方法であって、
    (a)混合物を、1,1,1,2−テトラフルオロエタンが1,1,2,2−テトラフルオロエタンよりも大幅に可溶性である少なくとも1つのイオン液体と接触させ、1,1,2,2−テトラフルオロエタンを混合物から分離する工程;または
    (b)混合物を、1,1,2,2−テトラフルオロエタンが1,1,1,2−テトラフルオロエタンよりも大幅に可溶性である少なくとも1つのイオン液体と接触させ、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを混合物から分離する工程
    を含む方法。
  2. 1,1,1,2−テトラフルオロエタンが、1,1,2,2−テトラフルオロエタンよりも大幅にイオン液体に可溶性である、請求項1に記載の方法。
  3. 1,1,2,2−テトラフルオロエタンが、1,1,1,2−テトラフルオロエタンよりも大幅にイオン液体に可溶性である、請求項1に記載の方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、イオン液体が、以下の11種のカチオン:
    Figure 2010528012
    Figure 2010528012
    Figure 2010528012
    からなる群から選択されるカチオンを含み、
    上式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立して:
    (i)H、
    (ii)ハロゲン、
    (iii)場合によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1個の構成員で置換される、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状の、アルカンまたはアルケン、
    (iv)場合によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1個の構成員で置換され、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状の、アルカンまたはアルケン、
    (v)C〜C20非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25非置換ヘテロアリール、および
    (vi)C〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換ヘテロアリールであって、
    (1)場合によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1個の構成員で置換される−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状の、アルカンまたはアルケン、
    (2)OH、
    (3)NH、および
    (4)SH
    からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する上記置換アリールまたは置換ヘテロアリール、
    からなる群から選択され;
    、R、RおよびR10は、独立して:
    (vii)場合によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1個の構成員で置換される、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状の、アルカンまたはアルケン、
    (viii)場合によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1個の構成員で置換され、O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状の、アルカンまたはアルケン、
    (ix)C〜C25非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25非置換ヘテロアリール、および
    (x)C〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換ヘテロアリールであって、
    (1)場合によりCl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1個の構成員で置換される、−CH、−C、またはC〜C25直鎖、分岐または環状の、アルカンまたはアルケン、
    (2)OH、
    (3)NH、および
    (4)SH
    からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する上記置換アリールまたは置換ヘテロアリール、
    からなる群から選択され、
    ここで、場合により、R、R、R、R、R、R6、、R、RおよびR10の少なくとも2つは一緒に環状または二環状の、アルカニルまたはアルケニル基を形成する、方法。
  5. 、R、R、R、R、R6、、R、R、およびR10の少なくとも1つがF−を含む、請求項4に記載の方法。
  6. イオン液体が、[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCN、および任意のフッ素化アニオンからなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  7. イオン液体が、[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]、およびFからなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  8. イオン液体が、イミダゾリウムおよびピリジニウムイオンからなる群から選択されるカチオン、ならびに[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]および[CHOSOからなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  9. イオン液体が、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、および[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]からなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  10. イオン液体が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、ならびに[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、および[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]および[(CFCFHCFSON]からなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  11. イオン液体が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、ならびに[(CFCFSON]、[PF、および[HCFCFSOからなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  12. イオン液体が、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、ならびに[BF、[BFCF、[BF、[PF、[PF(C、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、および[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、および[(CFCFHCFSON]からなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  13. イオン液体が、3−メチル−1−プロピルピリジニウムカチオン、および[(CFSON]アニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  14. イオン液体が、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、および[PF(Cアニオンを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 蒸留カラム中で行われる、請求項1に記載の方法。
  16. イオン液体が、抽出剤としてカラムに供給され、カラム中で混合物と接触する、請求項15に記載の方法。
  17. 1,1,2,2−テトラフルオロエタンが、蒸気としてカラムの上部に存在する、請求項15に記載の方法。
  18. 1,1,1,2−テトラフルオロエタンが、蒸気としてカラムの上部に存在する、請求項15に記載の方法。
  19. カラムに供給されるイオン液体のモルの、カラムに供給される分離しようとする混合物のモルに対する比が、約0.1〜約25の範囲である、請求項15に記載の方法。
  20. イオン液体を、カラム底部から回収し、カラムに再循環する、請求項15に記載の方法。
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