JP2010527700A - 医療用バルーンおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

より薄い壁、増大した引張強度および/または導電率のような高められた特性を有する医療用バルーンが提供される。方法もまた開示される。

Description

本開示は医療用バルーンおよびその製造方法に関する。
身体は、動脈、他の血管および他の体内管腔のような様々な通路を備える。これらの通路は、時として、例えば腫瘍によって閉塞したり、またはプラークによって狭窄したりすることがある。閉塞した体内管を広げるために、例えば血管形成術において、バルーンカテーテルを用いることができる。
バルーンカテーテルは、長く細いカテーテル本体上に担持された膨張可能かつ収縮可能なバルーンを備えることができる。バルーンは、体内への挿入を容易にするために、バルーンカテーテルの径方向の外形を縮小すべく、最初はカテーテル本体のまわりに折り畳まれている。
使用時においては、折り畳まれたバルーンは、血管内に配置されたガイドワイヤ上をバルーンカテーテルに伝わせることによって、血管内の標的位置、例えばプラークによって閉塞した部位に送達され得る。次に、バルーンは、例えばバルーンの内部に流体を導入することによって、膨張させられる。バルーンを膨張させることにより血管を径方向に拡張することができるため、その血管は、より多量の血液が流れることを許容することができる。使用後、バルーンは収縮させられて、身体から抜去される。
別の技術において、バルーンカテーテルはまた、ステントまたはステントグラフトのような医療器具を配置するために、かつ/または、閉塞した通路を開存させるために、かつ/または閉塞した通路を補強するために用いることができる。例えば、ステントは、ステントが標的部位に運ばれるときにステントを圧縮されたまたは大きさが縮小された形態で支持するバルーンカテーテルによって、体内に送達され得る。前記部位に到達すると、拡張したステントを変形させて管腔壁に接触した状態で所定位置に固定するように、バルーンを膨張させることができる。次いでバルーンが収縮させられて、カテーテルが抜去される。ステント送達については、ヒース(Heath) の特許文献1においてさらに説明されている。
一般的なバルーンカテーテルの一設計は、外側管に包囲された内側管からなる同軸配置を有する。内側管は、一般的には、ガイドワイヤ上において器具を送達するために用いることができる管腔を備える。膨張流体は、内側管と外側管との間を通過する。この設計の一例が、アーネイ(Arney) らの特許文献2に記載されている。
別の一般的な設計において、カテーテルは、並列配置されたガイドワイヤ管腔および膨張管腔を画定する本体を備える。この構成の例は、ワン(Wang)らの特許文献3に記載されている。
米国特許第6,290,721号明細書 米国特許第5,047,045号明細書 米国特許第5,195,969号明細書
概して、ポリマー材料と該ポリマー材料内に存在する充填材とを含有する複合材料を含むバルーン壁を備えた医療用バルーンが開示される。前記ポリマー材料は、複数の離間した第1基を有する第1ポリマー鎖を備えた第1ポリマー材料と、第1基と反応する複数の離間した第2基を有する第2ポリマー鎖を備えた第2ポリマー材料との反応生成物を含有する。例えば、第1基および第2基は、共有結合、イオン結合、またはそのような結合の混合物を形成することによって、反応することができる。第1基および第2基はまた、水素結合を形成することによって反応することができる。
一態様において、本開示は、ポリマー材料と該ポリマー材料内に存在する充填材とを含有する複合材料を含むバルーン壁を備えた医療用バルーンを特徴とする。前記ポリマー材料は、複数の離間したカルボン酸基を有する第1ポリマー鎖を備えた第1ポリマー材料と、複数の離間した第一級アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、またはこれらの基の混合物を有する第2ポリマー鎖を備えた第2ポリマー材料との反応生成物を含有する。例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、およびチオール基は、カルボン酸基と反応して、それぞれ、アミド基、エステル基およびチオエステル基を形成することができる。
別の態様では、本開示は、ポリマー材料と該ポリマー材料内に存在する充填材とを含有する複合材料を含むバルーン壁を備えた医療用バルーンを特徴とする。前記複合ポリマー材料は、40S/cmを超える導電率を有する。例えば、そのようなバルーンは、電流によって、または電流の結果として、管腔を治療するために、治療に用いられ得る。
別の態様では、本開示は、ポリマー材料と該ポリマー材料内に存在する充填材とを含有する複合材料を含むバルーン壁を備えた医療用バルーンを特徴とする。複合ポリマー材料は40MPaを超える引張強度を有する。例えば、高い引張強度は、薄断面、および極薄断面を可能にし得る。
別の態様では、本開示は、キトサン、および/または、キトサンと別のポリマー(例えばカルボン酸基を有するポリマー、またはイソシアネート基のような別の求電子基を有するポリマー)との反応生成物を含む医療用バルーンを特徴とする。
前記医療用バルーンの実施形態は以下の特徴のうちの1つ以上を有することができる。第1ポリマー材料は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(エチレン−co−アクリル酸)、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(2−プロピルアクリル酸)、これらのうちのいずれかの溶融ブレンド、もしくはこれらのうちのいずれかのコポリマーであるか、またはそれらの物質を含有する。第1ポリマー材料はポリアクリル酸であるか、またはポリアクリル酸を含有する。第2ポリマー材料は、キトサン、ポリ[ジメチルシロキサン−co−(3−アミノプロピル)メチルシロキサン]、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−co−ビニルアセテート)、ポリ(スチレン−co−アリルアルコール)、これらのうちのいずれかの溶融ブレンドもしくはこれらのうちのいずれかのコポリマーであるか、またはそれらの物質を含有する。第2ポリマー材料は、キトサンであるか、またはキトサンを含有する。第1ポリマー鎖は、各々、約6〜約10,000個のカルボン酸基を有する。第2ポリマー鎖の各々の上に結合した第一級アミノ基、ヒドロキシル基および/またはチオール基の総個数は、約6〜約10,000個である。第1ポリマー材料の数平均分子量は、テトラヒドロフラン、クロロホルムまたはクロロベンゼン中でのポリエチレングリコール標準物質と比較した測定において、約2,500〜350,000である。第2ポリマー材料の数平均分子量は、テトラヒドロフラン、クロロホルムまたはクロロベンゼン中でのポリエチレングリコール標準物質と比較した測定において、約2,500〜350,000である。前記充填材は、1000nm未満の最大寸法を有する。前記充填材は、炭素の同素体、水素結合基(例えば水素結合受容体および/または供与体)によって官能化された炭素の同素体、金属、金属酸化物、半金属酸化物、粘土、セラミックスまたはこれらの任意の混合物であるか、またはそれらの物質を含有する。前記充填材は、実質的に炭素からなる管状構造であるか、または同構造を含む。前記管状構造は、各々、単一壁を有する。前記充填材は、各構造の外側部分から延びる水素結合基(例えば受容体および/または供与体)を有する構造であるか、または同構造を含む。各構造は95重量パーセントを超える炭素である。前記充填材は、ポリマー材料の全体にわたってほぼ均一に分散されている。前記充填材は、複合材料の厚さを通じて、別個の長手方向の層をなすように配列されている。前記充填材は、1000nm未満の直径をそれぞれ有する、ほぼ球形の構造であるか、または同構造を含む。前記充填材は、第1ポリマー材料もしくは第2ポリマー材料または前記反応生成物とは異なるポリマー充填材であるか、あるいは同物質を含有する。前記反応生成物は、第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との間のイオン性複合体(ionic complex) であるか、または同複合体を含む。前記反応生成物は、第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との酸塩基複合体であるか、同複合体を含む。反応生成物は、アミド結合、エステル結合またはチオエステル結合によって、反応した第2鎖に共有結合された反応した第1鎖であるか、同反応した第1鎖を含む。反応した第1ポリマー鎖は、複合材料の厚さにわたって、反応した第2ポリマー鎖と混じり合っている。複合材料は、反応した第1ポリマー材料を含む第1層と、内部に分散した充填材を有する反応した第2ポリマー材料を含む第2層とであるか、またはそれらの層を備える。第1層もまた内部に分散した充填材を有する。複合材料は、反応した第2ポリマー材料であるか同材料を含む第3層をさらに備える。第3層もまた内部に分散した充填材を有する。第1層は、ほぼ未反応の第1ポリマー材料であるか、もしくは同材料を含むバルク第1ポリマー材料部分と、前記バルク第1ポリマー部分から延びる反応した第1ポリマー部分とであるか、またはそれらの部分を含む。第2層は、ほぼ未反応の第2ポリマー材料であるか、もしくは同材料を含むバルク第2ポリマー材料部分と、前記バルク第2ポリマー部分から延びる反応した第2ポリマー部分とであるか、またはそれらの部分を含む。複合材料は40MPaを超える引張強度を有する。複合材料は50S/cmを超える導電率を有する。複合材料は内部に空隙を有する。複合材料は75パーセントを超える空隙率を有する。複合材料は、治療薬を含有する材料で被覆されているか、または治療薬をその中に含有する。複合材料は、薬剤を放出可能な薬剤コンジュゲートをさらに含有する。バルーンは、治療薬をその中および/または上に含む材料で被覆されている。
別の態様において、本開示は、基材を提供することと、前記基材上に第1ポリマー材料および第2ポリマー材料、および/または第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との反応生成物を堆積させることとを含む、医療用バルーンの製造方法を特徴とする。第1ポリマー材料は、複数の離間したカルボン酸基を有する第1ポリマー鎖を含み、かつ、第2ポリマー材料は、複数の離間した第一級アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基またはこれらの基の混合物を有する第2ポリマー鎖を含む。
前記方法の実施形態は以下の特徴のうちの1つ以上を有し得る。第1ポリマー材料および第2ポリマー材料は同時に堆積される。第1ポリマー材料または第2ポリマー材料は、他方のポリマー材料の前に堆積される。第1ポリマー材料および第2ポリマー材料は、前記基材上にそれぞれのポリマーを、それぞれのポリマーの溶液または分散物から噴霧することにより堆積される。第1ポリマー材料および/または第2ポリマー材料の溶液または分散物は、1000nm未満の最大寸法を有する充填材を含有する。前記方法は、前記基材を除去することをさらに含む。前記基材の除去は、基材を融解させることを含む。前記基材は氷であるか、または氷を含む。前記基材の除去は、基材を溶解することを含む。
実施形態および/または態様は、以下の利点の1つ以上を備え得る。添加物および微粒子(例えばカーボン微粒子)を含有するポリマー材料から形成されたバルーンが提供され得る。前記添加物および微粒子は、均等に分散され、過度に凝集していないため、バルーン特性は均一であり、かつ再現可能である。バルーンを形成するための技術は、2つのポリマー、すなわち分散性ポリマーとバルーンポリマーとを、それらのポリマーをプリフォームに適用することによって、組み合わせることを含む。前記ポリマーは、例えば、2つの別々の溶液から同時に、または一連の工程、例えば2、3もしくは5工程で、適用される。所与の用途のために耐穿刺性、耐スクラッチ性、破裂強度、引張強度、空隙率、薬物放出、および導電率および熱伝導率のような特性が高められているバルーンを提供することができる。充填材(例えばカーボンナノチューブ)で高度に充填されている複合材料から全体が形成されているか、同複合材料を構造の一部として含むバルーンを提供することができる。そのような複合材料において、前記充填材は、複合材料の全体にわたって均一に分散させることができるため、そのような複合材料から形成された、またはそのような複合材料を含むバルーンの特性に均一性を与える。多孔性のバルーンを提供することができる。そのような多孔性は薬剤溶出バルーンを製造するために用いることができる。高い導電率および/または熱伝導率を有するバルーンを提供することができる。例えば、50S/cmを超える、例えば60、70、80、90、100、175、200、250S/cm、または300S/cmさえ超える導電率を有する複合材料から全体が形成されているか、同複合材料を構造の一部として含むバルーンを提供することができる。また、例えば、薄壁、または極薄壁バルーンを可能にする、100MPaを超える、例えば150、250、または300MPaさえ超える高い引張強度を有する複合材料から全体が形成されているか、同複合材料を構造の一部として含むバルーンを提供することができる。
本願において言及するすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらが含むすべてが、参照によって余すところなく本明細書の一部を構成する。
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面に示され、以下の記載に述べられる。他の特徴および利点は、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明白になるであろう。
収束状態にあるステントの送達を示す部分縦断面図。 ステントの拡張を示す部分縦断面図。 体内管腔内におけるステントの展開を示す部分縦断面図。 ポリマー材料および充填材を含有する複合材料を示す図1Bの指示領域の拡大概略図。 図2のポリマー材料の形成を概略的に示す図。 第1ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第1ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第1ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第1ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第1ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 第2ポリマー材料の特定の実施例の構造を示す図。 管状構造(例えばカーボンナノチューブ)の概略構造を示す図。 官能化された管状構造(例えばカルボン酸基で官能化されたカーボンナノチューブ)の概略構造を示す図。 交互に配置された層を有する複合材料から形成された壁を備えたバルーンを形成する一方法をまとめて示す一連の概略断面図。 ポリアクリル酸と内部に分散した充填材を有するキトサンとの間の酸/塩基反応によって形成された複合材料を示す、図10の指示領域の概略図。 反応したポリアクリル酸部分とキトサン部分との間のアミド結合を示す、熱処理後の同一の複合材料を示す、図10の指示領域の概略図。 反応したポリアクリル酸鎖が複合材料の厚さにわたって反応したキトサン鎖と混じり合っている複合材料から形成された壁を備えるバルーンを形成する方法をまとめて示す一連の概略断面図。 ポリアクリル酸と内部に分散した充填材を有するキトサンとの混ざり合った鎖の間における酸/塩基反応を示す、図13の指示領域の概略図。 反応したポリアクリル酸部分とキトサン部分との間のアミド結合を示す、熱処理後の同一の複合材料を示す、図13の指示領域の概略図。
図1A〜図1Cを参照すると、カテーテル14の先端付近に担持されたバルーン12上には、非拡張状態のステント10が配置されており、非拡張状態のステント10は、管腔16内、例えば冠状動脈のような血管内を通って、前記バルーンおよびステントを担持する部分が閉塞18領域に到達するまで案内される(図1A)。次に、バルーン12を膨張させることによって、ステントが径方向に拡張されて、管壁に押し付けられる。その結果、閉塞18が圧迫され、それを包囲する管壁は径方向の拡張を受ける(図1B)。次に、バルーンから圧力が解放され、管腔内に拡張したステント10’を残して、前記カテーテルは血管から抜去される(図1C)。
同様にここで図2および図3を参照すると、バルーン12は、ポリマー材料26と、該ポリマー材料内に一様に分散された充填材28とを含む複合材料29から形成されたバルーン壁20を備える。特に図3を参照すると、充填材および/または添加物、特にナノチューブのような炭素添加物が一様に分散されている。前記バルーンは、良好な分散性を備えたポリマーを、バルーンに特に有益である特性を有するバルーンポリマーと組み合わせて用いて形成することができる。分散性ポリマーは、例えば、アミノ基(例えば第一級アミノ基、第二級アミノ基、または第三級アミノ基)、ヒドロキシル基および/またはチオール基を有するポリマーのような求核性ポリマーであり得る。例としては、キトサンおよびDNAのような生物学的に誘導されたポリマーが挙げられる。バルーンポリマーは例えば、分散性ポリマーと、例えばイオン的または共有結合的に反応する求電子基(例えばカルボン酸基)を含むポリマーのような求電子性ポリマーであり得る。例としては、ポリアクリル酸、およびカルボン酸官能化ポリエチレンテレフタレートのようなポリエチレンテレフタレートが挙げられる。以下で検討するように、前記ポリマーはプリフォーム基材上に適用して組み合わせることができる。前記ポリマー材料26は、複数の離間したカルボン酸基36を有する第1ポリマー鎖34を備えた第1バルーンポリマー材料32と、アミノ基(例えば第一級アミノ基)、ヒドロキシル基、チオール基またはこれらの基の混合物のような、カルボン酸基と反応することができる複数の離間した基44(X)を有する第2ポリマー鎖42を備えた第2分散性ポリマー材料40との反応生成物を含有する。
バルーンポリマー材料は、好適なバルーン特性、例えば引張強度のような機械的性質を有し、かつ分散性ポリマーと反応する材料である。例えば(かつ図4A〜図4Eを参照すると)、第1ポリマー材料は、ポリアクリル酸ホモポリマー(図4Aの50)、ポリメタクリル酸ホモポリマー(図4Bの52)、ポリ(エチレン−co−アクリル酸(図4Cの54)、ポリ(2−エチルアクリル酸)ホモポリマー(図4Dの56)、ポリ(2−プロピルアクリル酸)ホモポリマー(図4Eの60)またはこれらのポリマーのうちのいずれかのブレンドであるか、またはそれらの物質を含むことができる。実施形態において、a、b、c、d、eおよびfは、約5〜約6,500、例えば約15〜約3,500、または約50〜約3,000である。実施形態において、dに対するcの比率は、約1/10〜約7/10、例えば約2/10〜約5/10である。実施形態において、a、b、c、d、eおよびfは、第1ポリマー材料の数平均分子量が、テトラヒドロフラン、クロロホルムまたはクロロベンゼン中での単分散ポリエチレングリコール標準物質と比較した測定において、約2,500〜350,000となるように選択される。実施形態において、第1ポリマー鎖は、各々、約6〜約10,000個のカルボン酸基、例えば約10〜約7,500個、または約25〜約5,000個のカルボン酸基を有する。
分散性ポリマーは、添加物の分散を高め、かつ凝集を低減する。例えば(図5Aおよび図5B、図6Aおよび図6B、図7および図8A〜8Dを参照すると)、第2ポリマー材料は、キトサンホモポリマー(図5Aの62)、ポリ[ジメチルシロキサン−co−(3−アミノプロピル)メチルシロキサン](図5Bの64)、ポリビニルアルコール(図6Aの66)、例えば99パーセント加水分解ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−co−ビニルアセテート)、例えば、40モルパーセントのアリルアルコールを有するポリ(スチレン−co−アリルアルコール)(図6Bの68)、スタムラー(Stamler) らによって米国特許第6,875,840号に記載されているもののような炭水化物および炭水化物誘導体(図7の69)、サン(Son) ら、Journal of Controlled Release, 91, 135-145 (2003) によって記載されているもののようなドキソルビシンをコンジュゲートしたグリコール−キトサンポリマー(doxorubicin conjugated glycol-chitosan polymers) (図8Aの71)、ガラクトシル化キトサン(図8Bの73)およびパーク(Park)ら、Journal of Controlled Release, 69, 97-108 (2000)によって記載されているもののような、ガラクトシル化キトサン−グラフト−デキストラン(図8Cの75)、マオ(Mao) ら、Biomaterials, 26, 6343-6356 (2005)によって記載されているもののような、ポリ(エチレングリコール)−グラフト−トリメチルキトサンコポリマー(図8Dの77)、もしくはこれらのポリマーの任意のブレンドであるか、またはそれらの物質を含み得る。実施形態において、g、h、i、j、k、l、m、o、p、q、r、s、t、u、v、wおよびnは、約5〜約6,500、例えば約15〜約3,500、または約50〜約3,000である。実施形態において、iに対するhの比率またはlに対するkの比率は、約1/10〜約7/10、例えば約1/10〜約5/10である。実施形態において、qに対するpの比率、(r+s+u)に対するtの比率、または、wに対するvの比率は、例えば、約10/1〜約10/5、例えば約10/1〜約10/4の間である。実施形態において、g、h、i、j、k、l、m、o、p、q、r、s、t、u、v、wおよびnは、第2ポリマー材料の数平均分子量が、テトラヒドロフラン、クロロホルムまたはクロロベンゼン中での単分散ポリエチレングリコール標準物質と比較した測定において、約2,500〜約350,000となるように選択される。実施形態において、第2ポリマー鎖の各々の上に結合した第一級アミノ基、ヒドロキシル基および/またはチオール基の総個数は、約6〜約10,000個であり、例えば、約10〜約7,500個、または約25〜約5,000個である。いくつかの場合において、第2ポリマー材料を治療薬コンジュゲートにするか、または第2ポリマー材料に治療薬コンジュゲートを含ませることは、ステントのような医療器具の展開中および/または管腔内におけるバルーンの拡張中に治療薬を送達する上で有益であり得る。特にここで図8Aを参照すると、ドキソルビシンをコンジュゲートしたグリコール−キトサンポリマー(71)は、インビボでアミド結合72において加水分解してドキソルビシン(71’)を放出することができる。他の適当な分散性ポリマーとしてはDNAが挙げられる。分散性は、例えば、光散乱を用いることによって、または例えば、ホアン(Huang) 、Physical Review B 73, 125422 (2006) に記載されているような流動学的手段によって、定量化および/または監視することができる。
前記充填材は、例えば、炭素の同素体(例えばダイヤモンド、グラファイト、C60、C70、C540、単層または多層カーボンチューブ、またはアモルファス炭素)、炭素の官能化同素体(例えば、水素結合受容体および/または供与体のような水素結合基で官能化されたもの)、金属、金属酸化物(例えば二酸化チタン)、半金属酸化物(例えば二酸化ケイ素)、粘土(例えばカオリン)、セラミックス(例えば炭化ケイ素または窒化チタン)、第1ポリマー材料もしくは第2ポリマー材料または第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との反応生成物とは異なるポリマー材料、またはこれらの充填材の任意の混合物であり得る。所望により、前記カーボンナノチューブは、例えば放射線不透過性を高める、金属のような炭素以外の原子を包封することができる。
実施形態において、複合材料は、例えば、約10重量パーセント〜約70重量パーセントの充填材、例えば約20パーセント〜約60パーセント、または約30パーセント〜約58重量パーセントの充填材を含有する。可撓性が望ましい特質である場合、充填材量を約20重量パーセント未満に維持することが望ましい場合が多い。
実施形態において、充填材粒子のうちの一部は、約1000nm以下、例えば、約750nm以下、600nm以下、500nm以下、400nm以下、250nm以下、150nm以下、または約100nm以下の最大寸法を有する。実施形態において、各充填材粒子は、約100nm〜約1000nm、例えば約150nm〜約800nm、または約200nm〜600nmの最大寸法を有する。
実施形態において、充填材は、各構造の外側部分から延びる水素結合基、例えばカルボン酸基、アミド基、ヒドロキシル基、シリノール基を有する構造を備える。これらの基は、複合材料の調製中に、溶液中における粒子の分散を支援することができる。
ここで、図9A〜9Bを参照すると、実施形態において、充填材粒子(図9の70)の一部または全部は、管状形であり、例えば、90重量パーセントを超える炭素、例えば91パーセントを超える、93パーセントを超える、95パーセントを超える、97パーセントを超える、または99パーセントさえ超える炭素を含有する。実施形態において、各充填材粒子は、管状形であり、かつ各管状構造の境界において結合した水素のみを有する炭素から実質的に形成されている。実施形態において、充填材料は、カルボン酸基のような水素結合基のような基(f)によって官能化されている外側部分を有する、カーボンナノチューブのような管状構造(図9Bの72)を含む。
実施形態において、充填材料は、官能化された、かつ、例えば、約3nm〜約25nm、例えば約4nm〜約10nmの全径を有する、カーボンナノチューブを含む。実施形態において、カーボンナノチューブは、約300nm〜約1600nm、例えば約500nm〜約1000nmの長さを有し得る。
カーボンナノチューブ、および溶媒中における分散性を含むカーボンナノチューブの特性のうちのいくつかは、モールトン(Moulton) ら、Carbon, 43, 1879-1884 (2005)、ジアン(Jiang) ら、Electrochemistry Communications, 7, 597-601 (2005)、およびシム(Shim)ら、Langmuir, 21(21), 9381-9385 (2005)によってより詳細に記載されている。
所望により、充填材料は、それぞれ約1000nm未満、例えば約750nm未満、600nm未満、500nm未満、350nm未満、200nm未満、125nm未満、または75nm未満の径を有する、ほぼ球形の構造を備え得る。実施形態において、充填材は、各々、約50nm〜約900nm、例えば、約100nm〜約750nm、または約250nm〜約600nmの径を有する構造を備えることができる。実施形態によっては、管状構造と球状構造とのブレンドのような充填材料のブレンドが用いられる。
実施形態において、前記反応生成物は、第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との酸/塩基付加物のような、第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との間のイオン性複合体を特徴とする。イオン性複合体は、ワン(Wang)ら、Journal Applied Polymer Science, 65, 1445-1450 (1997) 、およびパロマ(Palloma) ら、Biomaterials, 24, 1459-1468 (2003)によって記載されている。他の実施形態において、前記反応生成物は、アミド結合、エステル結合および/またはチオエステル結合によって、反応した第2鎖に共有結合されている反応した第1鎖を特徴とする。さらに別の実施形態では、前記反応生成物は、生来イオン性である部分と、反応した第2鎖に共有結合された反応した第1鎖を含む部分とを備える。イオン性複合体部分と共有結合部分との双方を備える反応生成物は、バーガー(Berger)ら、European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics, 57, 19-34 (2004)によって記載されている。
複合材料の反応した第1ポリマー鎖および第2ポリマー鎖は、様々な形態および構造を呈することができる。例えば、反応した第1ポリマー鎖は、複合材料の厚さにわたって、反応した第2ポリマー鎖と混じり合っていてもよいし、または、反応した第1ポリマー材料および第2ポリマー材料は別個の層、例えば、複合材料の厚さにわたって交互に配置される層を形成してもよい。特定の例では、複合材料は、反応した第1ポリマー材料を含む第1層と、内部に分散した充填材を有する反応した第2ポリマー材料を含む第2層とを備える。所望により、例えば、機械的性質を増強するために、第1層も内部に分散した充填材を有することもできる。また、所望により、複合材料は、必要に応じて、内部に分散した充填材を有する第2ポリマー材料を含む第3層をさらに備えることができる。
複合材料は高い引張強度を有することができ、例えば、引張強度は約40MPaを超える、例えば約50MPa、75MPa、100MPaを超えるか、または約150MPaさえも超え得る。さらに、複合材料は、例えば、約50S/cmを超える、例えば約60S/cm、75S/cm、100S/cm、150S/cm、200S/cmを超える、または約300S/cmさえも超える高い導電率を有することができる。
実施形態において、複合材料は、約60MPaを超える引張強度と、約100S/cmを超える導電率とを有するか、または約100MPaを超える引張強度と約300S/cmを超える導電率とを有する。
所望により、複合材料は、多孔性複合体を提供する、空隙、例えば相互に接続した空隙を有することができる。例えば、前記空隙は、500nmを超える、例えば、750nm、1,000nm、1,500nmを超える、または2,500nmさえ超える最大寸法を有することができる。前記空隙は、水銀ポロシメーターを用いた測定で、例えば75パーセントを超える、例えば80パーセント、85パーセント、90パーセントを超えるか、または95パーセントさえも超える空隙率を与えることができる。所望により、医療器具の展開中にバルーンから薬剤が送達され得るように、多孔性構造が治療薬で充填されていてもよい。
ここで図10を参照すると、層構造を有する複合材料で形成された壁102を備えたバルーン100は、キトサン(62)およびポリアクリル酸(50)から調製することができる。そのようなバルーンを製造するために、キトサンは溶媒(例えば水)中に所望の濃度で溶解される。キトサンは、水中において、カーボンナノチューブ、特にカルボン酸基のような求電子基で官能化されたカーボンナノチューブに対して、良好な分散剤であることが分かっている。官能化カーボンナノチューブのような充填材を所望の充填量でキトサン溶液に添加して、キトサンと充填材との均一な分散液を形成する。その分散物を基材110上に、例えば基材上に分散物を噴霧することによって堆積させる。基材110は、例えば、ポリスチレンのような溶媒可溶性の熱可塑性物質、または氷から製造することができる。キトサン/充填材分散物を堆積した後に、堆積した分散物から溶媒を除去して、基材110のまわりにキトサン/充填材の層112を形成する。所望により、熱および/または真空を用いて溶媒の除去を支援することができる。溶媒が除去され、キトサン/充填材層が硬化した後に、例えば基材110を溶媒中で溶解させることによって、基材を除去する。基材が氷である場合には、基材は融解または凍結乾燥により除去することができる。基材を除去すると、キトサン/充填材複合材料116が提供される。次に、該複合材料116を、例えば溶媒(例えば水)中の濃度が所望濃度のポリアクリル酸溶液に浸漬することにより、または複合材料116の上に前記溶液を噴霧することにより、ポリアクリル酸で被覆する。図10に示した実施形態では、複合材料116の表面は、複合材料116の内面118および外面120を含めて、すべて被覆されており、サンドイッチ構造を与えている。ポリアクリル酸を溶解するために用いた溶媒の除去、およびそれに続く熱処理により、ポリアクリル酸に由来する内層122および外層124と、それら内層と外層との間に挟まれたキトサン/充填材に由来する中心層130とを備えた壁を有する完成したバルーン100が提供される。
別の実施形態では、基材をキトサンで被覆し、その後、基材を除去する前にポリアクリル酸で被覆する。さらに別の実施形態では、基材を熱処理後に除去する。例えば、基材は、熱処理の間に少なくとも150℃に耐えることができるポリ(ビニルアルコール)から形成することができる。熱処理後、ポリビニルアルコールを溶解させて除去することができる。
実施形態において、熱処理レジメンは150〜200℃で6〜8時間にわたって複合材料を加熱することを含む。任意で、前記熱処理を真空下で行ない、反応生成物として形成されるいかなる水も追い出すことができる。実施形態において、ポリアクリル酸溶液は、pH約2〜約6、例えば約3〜約5、または約3.25〜約4.0に維持される。
ここで同様に図11を参照すると、図10に関して説明した方法によって製造されたバルーン壁構造の一部がより詳細に示されている。熱処理の前には、内層および外層122’,124’は、各々、ほぼ未反応のポリアクリル酸を含むバルクポリアクリル酸部分と、そのバルク未反応部分の各々から延びる反応したポリアクリル酸部分132とを含む。内層および外層122’,124’の各々の反応したポリアクリル酸部分132は、カルボキシレート基139を含む。中心層130’は、実質的に未反応のキトサンを含むバルクキトサン/充填材部分140と、バルクキトサン部分140からそれぞれ延びてポリアクリル酸層と界接する2つの反応したキトサン部分150とを備える。反応したキトサン部分150は、カルボン酸基とキトサンのアミノ基との反応によって形成されたアンモニウム基151を含む。これらの酸/塩基反応はイオン対160を形成し、該イオン対160は複合材料の層同士を結合させることを支援する。
実施形態において、バルーン壁は、約0.0001インチ〜約0.040インチ(約2.54μm〜約1.016mm)、例えば約0.0002インチ〜約0.010インチ(約5.08μm〜約0.254mm)、または約0.0005インチ〜約0.005インチ(約12.7μm〜約0.127mm)である厚さT’を有する。ポリアクリル酸層122’,124’は、それぞれ、約0.00003インチ〜約0.028インチ(約0.762μm〜約0.7112mm)、例えば約0.00009インチ〜約0.020インチ(約2.286μm〜約0.508mm)、または約0.0002インチ〜約0.008インチ(約5.08μm〜約0.2032mm)の厚さT,Tを有する。T’およびT’はほぼ同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。キトサン/充填材層は、0.00001インチ〜約0.028インチ(約0.254μm〜約0.7112mm)、約0.0001〜約0.020インチ(約2.54μm〜約0.508mm)、または約0.0001〜約0.006インチ(約2.54μm〜約0.1524mm)の厚さTを有する。
ここで同様に図12を参照すると、熱処理後、内層および外層122,124は、アミド結合170によって、中心層130に共有結合されている。一般に、壁の全厚T、および各層の厚さT、TおよびTは、熱処理の間に実質的に変化せず、概して図11に関して上述した通りである。
ここで図13を参照すると、反応したキトサン(62)/充填材とポリアクリル酸(50)とが混じり合った構造を有する複合材料から形成された壁202を備えるバルーン200は、キトサン/充填材およびポリアクリル酸を2つの別々の材料流として同時に堆積させることにより製造することができる。これは、キトサンを所望の濃度で溶媒中に溶解させ、その溶媒中のキトサンに充填材を所望の充填量で添加して、キトサンと充填材との均一分散液を形成することにより、キトサン充填材分散物を形成し、溶媒中で所望の濃度のポリアクリル酸溶液を形成し、次に、キトサン/充填材およびポリアクリル酸を基材204に同時に適用することによって行うことができる。キトサン/充填材およびポリアクリル酸を堆積させた後に、堆積した材料から溶媒を除去して、基材204のまわりにキトサン/充填材/ポリアクリル酸の層212を形成する。堆積した被覆物から溶媒を除去した後に、例えば、溶媒中に基材を溶解させることによって、基材を除去する。基材を除去すると、キトサン/充填材/ポリアクリル酸複合材料が提供される。熱処理により、キトサン/充填材およびポリアクリル酸の反応生成物から形成された複合材料を含む壁202を有する完成したバルーン200が提供される。
いくつかの実施形態では、無水溶媒中キトサン溶液および/または無水溶媒中ポリアクリル酸溶液に水溶性充填材、例えば塩化ナトリウムやグルコースを含めることにより、多孔性バルーンが提供される。溶液を適用し、溶媒を除去し、熱処理した後に、例えば水浴中で超音波処理することによって形成されたバルーンから水溶性物質を除去して、多孔性構造を提供することができる。
他の実施形態では、バルーンの形成中に1つ以上の切断部材をバルーンに取り付けて、切断バルーンを形成する。切断バルーンは、オブライエン(O'Brien) の米国特許第7,070,576号明細書およびラディッシュ(Radisch) の米国特許第7,011,670号明細書に記載されている。
ここで、同様に、図13に関して説明した方法によって製造されたバルーン壁構造の一部をより詳細に示した図14を参照する。熱処理前において、反応したポリアクリル酸部分はカルボキシレート基を含み、かつキトサン部分はアンモニウム基を含む。イオン対220は複合材料を結合させることを支援する。ここで、同様に図15を参照すると、熱処理後、キトサンの反応鎖とポリアクリル酸の反応鎖との間にはアミド結合240が形成されている。
本願において記載する複合材料のいずれも、例えば約500nm〜約2,500nmの径を有する溶解可能なポリマー粒子を、複合材料の形成中に該複合材料に組み込むことにより、多孔性にすることができる。粒子の除去は、形成された複合材料から粒子を溶媒によって溶解させることによって行うことができる。
いずれのバルーンのいずれの構成要素も、その中におよび/またはその上に治療薬を含むことができる。また、いずれのバルーンも、中および/または上に治療薬を含む材料で被覆されていてもよい。治療薬の送達を助けるためにエレクトロポレーションおよびイオントフォレーシスを用いることができる。例えば、治療薬が導電性複合材料に用いられる場合、治療薬の送達は、導電性複合材料に対して、例えば約5V/cm〜約2.5kV/cm、約25V/cm〜約1.5kV/cm、または約50kV/cm〜約1kV/cmの電界を印加することにより支援することができる。いくつかの実施形態では、前記電界はパルス状に印加される。例えば、パルス長は、約50μs〜約30ms、約100μs〜約25ms、または約150μs〜約20msとすることができる。概して、エレクトロポレーションは、ダヴァロス(Davalos) ら、Microscale Thermophysical Engineering, 4:147-159 (2000) によって記載されている。エレクトロポレーション用パルス電源のための電源は、グルニエ(Grenier) の、カナダ国オンタリオ所在のワーテルロー大学に提出された「Design of a MOSFET-Based Pulsed Power Supply for Electroporation」と題された論文(2006年)によって記載されている。
一般に、前記治療薬は、遺伝子治療薬、非遺伝子治療薬または細胞とすることができる。治療薬は、単独でまたは組み合わせて用いることができる。治療薬は、例えば非イオン性であってもよいし、または治療薬はアニオン性および/またはカチオン性であってもよい。血管に適用するための治療薬の一つは、再狭窄を抑制するものである。再狭窄を抑制するそのような治療薬の特定の例は、パクリタキセル、または例えばドセタキセルのようなパクリタキセル誘導体である。可溶性パクリタキセル誘導体は、−COCHCHCONHCHCH(OCHOCH(nは例えば1〜約100、またはそれ以上)のような可溶化部分をパクリタキセルの2’ヒドロキシル基から離して連結することによって製造することができる。リー(Li)ら、米国特許第6,730,699号明細書には、パクリタキセルの水溶性誘導体のさらなる例が記載されている。
Figure 2010527700
パクリタキセル:R1=R2=H
非遺伝子治療薬としては、(a)ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼおよびPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)およびチロシンのような抗血栓剤;(b)デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジンおよびメサラミンのような、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)を含む抗炎症剤;(c)パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、アンギオペプチン、ラパマイシン(シロリムス)、バイオリムス、タクロリムス、エベロリムス、平滑筋細胞増殖阻害能を有するモノクローナル抗体、およびチミジンキナーゼ阻害剤のような抗腫瘍薬/抗増殖剤/抗有糸分裂薬(anti-miotic agents);(d)リドカイン、ブピカインおよびロピバカインのような麻酔剤;(e)D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、ヒルジン、抗トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、抗血小板薬およびダニ由来抗血小板ペプチドのような抗凝血剤;(f)増殖因子、転写活性化因子および翻訳促進因子のような血管細胞増殖促進剤;(g)増殖因子阻害剤、増殖因子受容体アンタゴニスト、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子および細胞毒素から成る二官能分子、並びに抗体および細胞毒素から成る二官能分子のような血管細胞増殖阻害剤;(h)プロテインキナーゼおよびチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、チロホスチン、ゲニステイン、キノキサリン);(i)プロスタサイクリンアナログ;(j)コレステロール降下剤、(k)アンギオポエチン;(l)トリクロサン、セファロスポリン、アミノグリコシドおよびニトロフラントインのような抗菌剤;(m)細胞毒性薬、細胞増殖抑制剤および細胞増殖影響因子(cell proliferation affectors);(n)血管拡張剤;(o)内因性血管作用機構に干渉する薬剤、(p)モノクローナル抗体のような白血球動員阻害剤;(q)サイトカイン、(r)ホルモン;(s)アリベンドール、アンブセタミド、アミノプロマジン、アポアトロピン、ベボニウムメチルサルフェート、ビエタミベリン、ブタベリン、臭化ブトロピウム、n−ブチルスコポラミン臭化物、カロベリン、臭化シメトロピウム、シンナメドリン、クレボプリド、臭化水素酸コニイン、塩酸コニイン、ヨウ化シクロニウム、ジフェメリン、ジイソプロミン、ジオキサフェチルブチラート、臭化ジポニウム、ドロフェニン、臭化エメプロニウム、エタベリン、フェクレミン、フェナラミド、フェノベリン、フェンピプラン、臭化フェンピベリニウム(fenpiverinium bromide) 、臭化フェントニウム(fentonium bromide) 、フラボキサート、フロプロピオン、グルコン酸、グアイアクタミン、ヒドラミトラジン、ヒメクロモン、レイオピロール、メベベリン、モキサベリン、ナフィベリン、オクタミルアミン、オクタベリン、塩化オキシブチニン、ペンタピペリド、塩酸フェナマシド(phenamacide hydrochloride) 、フロログルシノール、臭化ピナベリウム、ピペリラート(piperilate)、ピポキソラン塩酸塩(pipoxolan hydrochloride) 、プラミベリン、臭化プリフィニウム、プロペリジン、プロピバン(propivane) 、プロピロマジン、プロザピン、ラセフェミン、ロシベリン、スパスモリトール(spasmolytol) 、ヨウ化スチロニウム、スルトロポニウム(sultroponium)、ヨウ化チエモニウム、臭化チキジウム、チロプラミド、トレピブトン、トリクロミル(tricromyl)、トリホリウム(trifolium) 、トリメブチン、トロペンジル(tropenzile)、塩化トロスピウム、臭化キセニトロピウム(xenytropium bromide) 、ケトロラックのような鎮痙薬、およびそれらの医薬として許容される塩が挙げられる。
典型的な遺伝子治療薬としては、アンチセンスDNAおよびRNA、並びに、以下をコードするDNA、すなわち、(a)アンチセンスRNA、(b)欠陥があるまたは不完全な内在性分子(endogenous molecules)を交換するtRNAまたはrRNA、(c)酸性および塩基性線維芽細胞増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、表皮増殖因子、形質転換増殖因子αおよびβ、血小板由来内皮細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、腫瘍壊死因子α、肝細胞増殖因子およびインスリン様増殖因子のような増殖因子を含む血管新生因子、(d)CD阻害剤を含む細胞周期阻害剤、(e)チミジンキナーゼ(「TK」)および細胞増殖を妨げるのに有用な他の薬剤をコードするDNAが挙げられる。また、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(OP−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15およびBMP−16を含む骨形成タンパク質(「BMP」)の群をコードするDNAも関係がある。現在のところ好ましいBMPは、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、およびBMP−7のいずれかである。これらの二量体タンパク質は、ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはそれらの組み合わせとして、単独でまたは他の分子と一緒に提供することができる。これに代えて、またはこれに加えて、BMPの上流効果および下流効果を誘発することができる分子も提供され得る。そのような分子としては、任意の「ヘッジホッグ」タンパク質、またはそれらをコードするDNAが挙げられる。
遺伝子治療薬を送達するためのベクターとしては、アデノウィルス、ガッティド(gutted)アデノウィルス、アデノ随伴ウィルス、レトロウィルス、アルファウィルス(セムリキ森林ウィルス、シンドビスウィルスなど)、レンチウィルス、単純ヘルペスウィルス、複製能を有するウィルス(例えONYX−015)およびハイブリッドベクターのようなウィルス性ベクター;および人工染色体およびミニ染色体、プラスミドDNAベクター(例えばpCOR)、カチオン性ポリマー(例えばポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン(PEI))、グラフトコポリマー(例えばポリエーテル−PEIおよびポリエチレンオキシド−PEI)、中性ポリマーPVP、SP1017(SUPRATEK)、カチオン性脂質のような脂質、リポソーム、リポプレックス(lipoplexes)、ナノ粒子またはミクロ粒子のような非ウィルス性ベクターが挙げられ、それらはタンパク質導入ドメイン(PTD)のような配列を標的とするものも、標的としないものもある。
他の実施形態
本発明の多数の実施形態について説明してきた。しかしながら、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることが理解されるだろう。
例えば、図11はキトサンバルク層内のみに存在する充填材を示しているが、該充填材または他の充填材が他の層のうちのいずれかまたは全ての中に存在してもよい。
図10は3層を有するバルーン壁を示しているが、バルーン壁はより多くの層を有することができる。例えば、バルーンは5層、7層、9層、11層、13層、または15層またはそれ以上の数の層、例えば21層を有することができる。
図10は3層を有するバルーン壁を示し、図13は単一層を有するバルーンを示しているが、バルーンまた、偶数の層、例えば2層、4層、6層、8層、10層、14層、またはそれ以上の数の層、例えば20層を有することができる。
図10および図13はバルーン壁全体が複合材料で形成されたバルーンを示しているが、いくつかの実施形態では、バルーン壁の一部のみが複合材料で製造されている。例えば、複合材料は、別の材料、例えば商品名PEBAX(登録商標)にて入手可能であるもののようなポリエーテルアミドに関係し得る。
形成されたバルーンは、対応する基材の選択により、任意の所望の長手方向断面または横断面のものになり得る。例えば、前記基材は、分岐内部人工器官を搬送するために適したバルーンを提供するように選択され得る。例えば、前記基材は、1つ以上の「隆起」を有して、用いられ得る。
さらなる実施形態は以下の特許請求の範囲内に存する。

Claims (29)

  1. ポリマー材料と、
    前記ポリマー材料内に存在する充填材と
    を含有する複合材料を含むバルーン壁を備えた医療用バルーンであって、
    前記ポリマー材料は、複数のカルボン酸基を有する第1ポリマー鎖を備えた第1ポリマー材料と、複数のアミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、またはこれらの基の混合物を有する第2ポリマー鎖を備えた第2ポリマー材料との反応生成物を含有する、医療用バルーン。
  2. 第1ポリマー材料は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(エチレン−co−アクリル酸、ポリ(2−エチルアクリル酸)、ポリ(2−プロピルアクリル酸)およびそれらの混合物のうちから選択される、請求項1に記載の医療用バルーン。
  3. 第2ポリマー材料は、キトサン、ポリ[ジメチルシロキサン−co−(3−アミノプロピル)メチルシロキサン]、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−co−ビニルアセテート)、ポリ(スチレン−co−アリルアルコール)およびそれらの混合物のうちから選択される、請求項1に記載の医療用バルーン。
  4. 第1ポリマー鎖は、各々、約6〜約10,000個のカルボン酸基を有する、請求項1に記載の医療用バルーン。
  5. 第2ポリマー鎖の各々の上に結合した第一級アミノ基、ヒドロキシル基および/またはチオール基の総個数は、約6〜約10,000個である、請求項1に記載の医療用バルーン。
  6. 第1ポリマー材料の数平均分子量は、ポリエチレングリコール標準物質と比較した測定において、約2,500〜350,000である。請求項1に記載の医療用バルーン。
  7. 第2ポリマー材料の数平均分子量は、ポリエチレングリコール標準物質と比較した測定において、約2,500〜350,000である、請求項1に記載の医療用バルーン。
  8. 前記充填材は、炭素の同素体、水素結合基で官能化された炭素の同素体、金属、金属酸化物、半金属酸化物、粘土、セラミックスおよびそれらの混合物のうちから選択される、請求項1に記載の医療用バルーン。
  9. 前記充填材は、ポリマー材料の全体にわたってほぼ均一に分散されている、請求項1に記載の医療用バルーン。
  10. 前記充填材は、複合材料の厚さにわたって、別個の長手方向の層をなすように配列されている、請求項1に記載の医療用バルーン。
  11. 前記反応生成物は、第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との間のイオン性複合体を含む、請求項1に記載の医療用バルーン。
  12. 前記反応生成物は、第1ポリマー材料と第2ポリマー材料との酸塩基複合体を含む、請求項1に記載の医療用バルーン。
  13. 前記反応生成物は、アミド結合、エステル結合および/またはチオエステル結合によって、反応した第2鎖に共有結合された反応した第1鎖を含む、請求項1に記載の医療用バルーン。
  14. 反応した第1ポリマー鎖は、複合材料の厚さにわたって、反応した第2ポリマー鎖と混じり合っている、請求項1に記載の医療用バルーン。
  15. 前記複合材料は、反応した第1ポリマー材料を含む第1層と、内部に分散した充填材を有する反応した第2ポリマー材料を含む第2層とを備える、請求項1に記載の医療用バルーン。
  16. 第1層もまた内部に分散した充填材を有する、請求項15に記載の医療用バルーン。
  17. 第1層は、ほぼ未反応の第1ポリマー材料を含むバルク第1ポリマー材料部分と、前記バルク第1ポリマー部分から延びる反応した第1ポリマー部分とを含み、第2層は、ほぼ未反応の第2ポリマー材料を含むバルク第2ポリマー材料部分と、前記バルク第2ポリマー部分から延びる反応した第2ポリマー部分とを含む、請求項1に記載の医療用バルーン。
  18. 前記複合材料は40MPaを超える引張強度を有する、請求項1に記載の医療用バルーン。
  19. 前記複合材料は50S/cmを超える導電率を有する、請求項1に記載の医療用バルーン。
  20. ポリマー材料と、
    前記ポリマー材料内に存在する充填材と
    を含有する複合材料を含むバルーン壁を備えた医療用バルーンであって、
    前記複合ポリマー材料は40S/cmを超える導電率を有する、医療用バルーン。
  21. 前記ポリマー材料は、複数の離間したカルボン酸基を有する第1ポリマー鎖を備えた第1ポリマー材料と、複数の離間した第1級アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、またはこれらの基の混合物を有する第2ポリマー鎖を備えた第2ポリマー材料との反応生成物を含有する、請求項20に記載の医療用バルーン。
  22. ポリマー材料と、
    前記ポリマー材料内に存在する充填材と
    を含有する複合材料を含むバルーン壁を備えた医療用バルーンであって、
    前記複合ポリマー材料は40MPaを超える引張強度を有する、医療用バルーン。
  23. 前記引張強度が75MPaを超える、請求項22に記載の医療用バルーン。
  24. 前記ポリマー材料は、複数の離間したカルボン酸基を有する第1ポリマー鎖を備えた第1ポリマー材料と、複数の離間した第1級アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、またはこれらの基の混合物を有する第2ポリマー鎖を備えた第2ポリマー材料との反応生成物を含有する、請求項22に記載の医療用バルーン。
  25. 基材を提供する工程と、
    前記基材上に第1ポリマー材料および第2ポリマー材料、ならびに/または第1ポリマー材料および第2ポリマー材料の反応生成物を堆積させる工程と
    を含む医療用バルーンの製造方法であって、
    第1ポリマー材料は、複数のカルボン酸基を有する第1ポリマー鎖を含み、第2ポリマー材料は、複数のアミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、またはこれらの基の混合物を有する第2ポリマー鎖を含む、方法。
  26. 第1ポリマー材料および第2ポリマー材料は、同時に堆積される、請求項25に記載の方法。
  27. 第1ポリマー材料または第2ポリマー材料は、他方のポリマー材料の前に堆積される、請求項25に記載の方法。
  28. 第1ポリマー材料および第2ポリマー材料は、それぞれのポリマーの溶液または分散物から、それぞれのポリマーを前記基材上に噴霧することにより堆積される、請求項25に記載の方法。
  29. 前記基材を除去する工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
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